JPH09133037A - 内燃機関の空燃比制御装置 - Google Patents

内燃機関の空燃比制御装置

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JPH09133037A
JPH09133037A JP7291300A JP29130095A JPH09133037A JP H09133037 A JPH09133037 A JP H09133037A JP 7291300 A JP7291300 A JP 7291300A JP 29130095 A JP29130095 A JP 29130095A JP H09133037 A JPH09133037 A JP H09133037A
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JP
Japan
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air
fuel ratio
cylinder
exhaust
lean
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Withdrawn
Application number
JP7291300A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Tanaka
比呂志 田中
Yukio Kinugasa
幸夫 衣笠
Takehisa Yaegashi
武久 八重樫
Kohei Igarashi
幸平 五十嵐
Takaaki Ito
隆晟 伊藤
Naoto Suzuki
直人 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
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  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 空燃比の変動を低減して安定させる。 【解決手段】 機関1に、リーン運転とリッチ運転とを
交互に繰り返し行わせる。排気マニホルドの集合部に空
燃比センサ29を取り付けて空燃比を検出する。各気筒
の排気行程が開始されてからその気筒の排気が空燃比セ
ンサ29に到るまでの遅れ時間と、気筒比RATIOと
から空燃比センサ29の出力が、リーン運転が行われた
気筒の排気から検出されたものか、リッチ運転が行われ
た気筒の排気から検出されたものであるかを判別する。
リーン運転が行われた気筒の排気から検出された空燃比
センサの出力に基づいてリーン運転が行われる気筒の機
関空燃比を制御し、リッチ運転が行われた気筒の排気か
ら検出された空燃比センサの出力に基づいてリッチ運転
が行われる気筒の機関空燃比を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は内燃機関の空燃比制
御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】原則としてリーン運転が行われる機関の
排気通路内に、リーン運転が行われたときの排気が流入
すると該排気中の窒素酸化物NOX を一時的に蓄え、リ
ッチ運転が行われたときの排気が流入すると蓄えている
NOX を放出して還元する触媒を配置し、該触媒からN
X を放出させるために機関に一時的にリッチ運転を行
わせて流入する排気中の炭化水素HCによりNOX を還
元するようにした内燃機関の排気浄化装置が公知である
特開平6−330741号公報参照)。
【0003】一方、従来より、排気通路内に空燃比を検
出するための空燃比センサを配置して該空燃比センサの
出力に基づいて空燃比が目標空燃比となるように空燃比
を制御する内燃機関の空燃比制御装置が知られている。
通常の空燃比制御装置では、空燃比センサによって例え
ば予め定められた設定時間毎に空燃比を検出するように
している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで上述の排気浄
化装置におけるように機関に原則としてリーン運転を行
わせ、一時的にリッチ運転を行わせるようにすると、排
気通路内にはリーン運転時の排気が流通するときとリッ
チ運転時の排気が流通するときとがあることになる。し
たがって、空燃比センサの出力には、リーン運転時の排
気から検出した空燃比と、リッチ運転時の排気から検出
した空燃比との両方が含まれることになる。しかしなが
ら、上述の排気浄化装置において空燃比センサの出力に
基づいてリーン運転時の空燃比を目標空燃比に一致させ
るようにする場合、空燃比センサの全ての出力に基づい
て空燃比を制御するようにすると上述したように空燃比
センサの出力にはリッチ運転時の排気から検出した出力
が含まれるのでリーン運転時の空燃比が目標空燃比に一
致しているとしても空燃比が目標空燃比よりもリッチ側
にずれていると判断されることになり、斯くしてリーン
運転時に空燃比が変動するという問題点がある。すなわ
ち、リーン運転時またはリッチ運転時に空燃比が安定し
ないという問題点がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明によれば、リーン運転とリッチ運転とが交互に
繰り返し行われる内燃機関において、空燃比を検出する
ための空燃比センサを排気通路内に配置し、該空燃比セ
ンサの出力が、リーン運転が行われたときの排気から検
出された出力か、リッチ運転が行われたときの排気から
検出された出力かを判断してリーン運転が行われたとき
の排気から検出された出力に基づきリーン運転時の空燃
比を制御し、リッチ運転が行われた排気から検出された
出力からリッチ運転時の空燃比を制御する制御手段を具
備している。すなわち本発明では、リーン運転時にはリ
ッチ運転時の排気に影響されることなく空燃比が制御さ
れ、リッチ運転時にはリーン運転時の排気に影響される
ことなく空燃比が制御される。
【0006】
【発明の実施の形態】一般に窒素酸化物NOX には、一
酸化窒素NO、二酸化窒素NO2 、二酸化四窒素N2
4、一酸化二窒素N2 Oなどが含まれうる。以下ではN
X を主としてNO、NO2 とした場合について説明す
るが、本発明の排気浄化装置は他の窒素酸化物を浄化す
ることもできる。
【0007】図1を参照すると、火花点火式内燃機関か
らなる機関本体1は4つの気筒、すなわち1番気筒#
1、2番気筒#2、3番気筒#3、4番気筒#4を備え
ている。各気筒#1〜#4はそれぞれ対応する吸気枝管
2を介して共通のサージタンク3に接続され、サージタ
ンク3は吸気ダクト4を介して図示しないエアクリーナ
に接続される。各吸気枝管2内にはそれぞれ対応する気
筒に燃料、すなわち例えばガソリンを供給するための燃
料噴射弁5が配置される。一方、吸気ダクト4内にはア
クセルペダルの踏み込み量が大きくなるにつれて開度が
大きくなるスロットル弁6が配置される。なお、各燃料
噴射弁5は電子制御ユニット20からの出力信号に基づ
いて制御される。
【0008】一方、各気筒は共通の排気マニホルド7に
接続され、排気マニホルド7はNH 3 生成触媒8を内蔵
した触媒コンバータ9に接続される。触媒コンバータ9
は次いで排気浄化触媒10を内蔵したマフラ11に接続
され、このマフラ11は次いでNH3 浄化触媒12を内
蔵した触媒コンバータ13に接続される。さらに図1に
示されるように、マフラ11と触媒コンバータ13間に
はNH3 浄化触媒12に2次空気を供給する2次空気供
給装置14が配置される。この2次空気供給装置14は
電子制御ユニット20からの出力信号に基づいて制御さ
れる。
【0009】電子制御ユニット20はデジタルコンピュ
ータからなり、双方向性バス21を介して相互に接続さ
れたROM(リードオンリメモリ)22、RAM(ラン
ダムアクセスメモリ)23、CPU(マイクロプロセッ
サ)24、入力ポート25、および出力ポート26を具
備する。サージタンク3にはサージタンク3内の圧力に
比例した出力電圧を発生する圧力センサ27が取り付け
られ、この圧力センサ27の出力電圧はAD変換器28
を介して入力ポート25に入力される。CPU24では
AD変換器28からの出力信号に基づいて吸入空気量が
算出される。また、排気マニホルド7の集合部には、排
気マニホルド7の集合部を流通する排気の排気空燃比
(後述する)に応じた出力電圧を発生する空燃比センサ
29が取り付けられ、この空燃比センサ29の出力電圧
はAD変換器30を介して入力ポート25に入力され
る。さらに、入力ポート25にはクランクシャフトが例
えば30度回転する毎に出力パルスを発生するクランク
角センサ31が接続される。CPU24ではこの出力パ
ルスに基づいて機関回転数が算出される。一方、出力ポ
ート26はそれぞれ対応する駆動回路32を介して各燃
料噴射弁5および2次空気供給装置14に接続される。
【0010】図1に示す例においてNH3 生成触媒8は
三元触媒から構成される。この三元触媒8は担体の表面
上に形成された例えばアルミナからなるウオッシュコー
ト層上に例えばパラジウムPd、白金Pt、ロジウムR
hなどの貴金属が担持されて形成されている。図2は三
元触媒の浄化率を示している。排気通路内の或る位置よ
りも上流の排気通路、燃焼室および吸気通路内に供給さ
れた全燃料量に対する全空気量の比をその位置を流通す
る排気の排気空燃比と称すると、図2に示されるように
三元触媒8に流入する排気の排気空燃比が理論空燃比
(A/F)S(=約14.6、λ=1.0)よりもリー
ンのときには三元触媒8はこの排気中のNOX を通過さ
せ、三元触媒8に流入する排気の排気空燃比が理論空燃
比(A/F)Sよりもリッチとなるとこの排気中のNO
X をアンモニアNH3 に変換する。この場合のNH 3
成メカニズムは必ずしも明らかにされていないが、排気
空燃比がリッチである排気中のNOX の一部は以下に示
す式(1)〜(2)の反応によりNH3 に転換されると
考えられている。
【0011】 5H2 +2NO →2NH3 +2H2 O (1) 7H2 +2NO2 →2NH3 +4H2 O (2) これに対し、残りのNOX は以下に示す式(3)〜
(6)の反応によりN2 に還元されると考えられてい
る。 2CO+2NO →N2 +2CO2 (3) 2H2 +2NO →N2 +2H2 O (4) 4CO+2NO2 →N2 +4CO2 (5) 4H2 +2NO2 →N2 +4H2 O (6) したがって三元触媒8に流入する排気の排気空燃比がリ
ッチであるときには三元触媒8に流入したNOX はNH
3 またはN2 のいずれかに変換され、すなわちNOX
三元触媒8から排出されるのが阻止されている。
【0012】三元触媒8に流入したNOX がNH3 に変
換されるときの変換効率ETAは、図2に示すように三
元触媒8に流入する排気の排気空燃比が理論空燃比から
小さくなるにつれて大きくなり、極大値を越えると小さ
くなる。図2に示す例では三元触媒8に流入する排気の
排気空燃比が約13.8(空気過剰率λが約0.95)
のときに変換効率ETAが極大となる。なお、図1の内
燃機関では、後述する理由から、三元触媒8に流入する
排気の排気空燃比がリッチであるときにできるだけ多量
のNH3 を発生させるのが好ましい。そこで三元触媒8
にはパラジウムPdを担持した三元触媒が用いられる。
パラジウムPdを担持した三元触媒では流入する排気の
排気空燃比がリッチであるときにHCの浄化率を高める
こともできる。また、ロジウムRhを担持した三元触媒
ではNH3 の発生が抑制される。そこで三元触媒8には
ロジウムRhを担持していない三元触媒が好ましい。
【0013】一方、図1に示す例において排気浄化触媒
10はNH3 吸着酸化触媒10aを備えている。このN
3 吸着酸化触媒10aは例えば担体の表面上に銅ゼオ
ライト、白金・銅ゼオライト、或いは鉄ゼオライトを担
持したいわゆるゼオライト系脱硝触媒から形成される。
しかしながら、NH3 吸着酸化触媒10aを、ゼオライ
ト、シリカ、シリカアルミナ、チタニアなどの固体酸を
含むと共に鉄Fe、銅Cuなどの遷移金属或いは白金P
t、パラジウムPdなどの貴金属などを担持した触媒か
ら形成してもよい。
【0014】このNH3 吸着酸化触媒10aは流入する
排気中のNH3 を吸着すると共に流入する排気中のNH
3 濃度が低くなると吸着しているNH3 を放出し、この
とき酸化雰囲気であると、例えばNH3 吸着酸化触媒1
0aに流入する排気の排気空燃比がリーンであるとこの
NH3 の全量を酸化する。この場合のNH3 酸化メカニ
ズムも必ずしも明らかにされていないがNH3 吸着酸化
触媒10aから放出されたNH3 は次式(7)〜(1
0)の反応により酸化されると考えられている。
【0015】 4NH3 +7O2 → 4NO2 +6H2 O (7) 4NH3 +5O2 → 4NO +6H2 O (8) 8NH3 +6NO2 →12H2 O+7N2 (9) 4NH3 +4NO+O2 → 6H2 O+4N2 (10) 式(9)および(10)の脱硝反応では式(7)および
(8)の反応により生じたNOX と、NH3 吸着酸化触
媒10aに流入する排気中のNOX とが還元される。
【0016】ところで、本実施態様におけるNH3 吸着
酸化触媒10aはNH3 吸着酸化触媒10aに流入する
排気の温度が300度から500度程度のときに良好に
酸化・脱硝反応を行うことが実験により確かめられてい
る。一方、マフラ11内を通過するときの排気の温度は
300度から500度程度である。そこで本実施態様で
はNH3 吸着酸化触媒10aをマフラ11内に配置して
NH3 吸着酸化触媒10aの良好な酸化・脱硝反応を確
保するようにしている。
【0017】NH3 浄化触媒12は担体の表面上に形成
された例えばアルミナからなるウオッシュコート層上に
例えば鉄Fe、銅Cuなどの遷移金属或いは白金Pt、
パラジウムPdなどの貴金属などが担持されて形成され
ている。このNH3 浄化触媒12では酸化雰囲気である
と、すなわち例えばNH3 浄化触媒12に流入する排気
の排気空燃比がリーンであるとNH3 が浄化される。こ
の場合、NH3 浄化触媒12では上述の式(7)〜(1
0)の酸化・脱硝反応が行われ、それによってNH3
浄化されると考えられている。本実施態様ではNH3
着酸化触媒10aから排出される排気中のNH3 濃度は
基本的に零であるが、NH3 吸着酸化触媒10aからN
3 が排出されたとしてもこのNH3 浄化触媒12によ
って浄化されるのでNH3 が大気中に排出されるのが阻
止されている。
【0018】本実施例では次式に基づいて燃料噴射時間
TAUが算出される。 TAU=TB・((A/F)S/(A/F)T)・FA
F 各気筒の燃焼室内における混合気の空燃比を機関空燃比
と称すれば、TBは機関空燃比を理論空燃比(A/F)
Sとするのに最適な基本燃料噴射時間であって次式によ
り定められる。
【0019】TB=(Q/N)・K ここでQは吸入空気量、Nは機関回転数、Kは定数をそ
れぞれ表しており、したがって基本燃料噴射時間TBは
機関1回転当たりの吸入空気量に定数を乗算したものと
して求められる。(A/F)Tは機関空燃比の制御目標
値を表している。機関空燃比を理論空燃比(A/F)S
よりもリーンとすべく制御目標値(A/F)Tを大きく
すると燃料噴射時間TAUが小さくなるので燃料噴射量
が減少され、機関空燃比を理論空燃比(A/F)Sより
もリッチとすべく制御目標値(A/F)Tを小さくする
と燃料噴射時間TAUが大きくなるので燃料噴射量が増
大される。
【0020】FAFは実際の機関空燃比を制御目標値
(A/F)Tに一致させるためのフィードバック補正係
数を表している。このフィードバック補正係数FAFは
空燃比センサ29の出力信号に基づいて定められる。図
1の内燃機関において空燃比センサ29は図3に示され
るように排気空燃比の広い範囲にわたって排気空燃比と
1対1対応の出力電圧Vを発生するいわゆる全域空燃比
センサから構成される。この空燃比センサ29により検
出された排気マニホルド7内の排気の排気空燃比は機関
空燃比に一致しており、空燃比センサ29により検出さ
れた機関空燃比が制御目標値(A/F)Tよりもリーン
であるときにはフィードバック補正係数FAFが増大さ
れることにより燃料噴射量が増大され、空燃比センサ2
9により検出された機関空燃比が制御目標値(A/F)
Tよりもリッチであるときにはフィードバック補正係数
FAFが減少されることにより燃料噴射量が減少され、
斯くして機関空燃比が制御目標値(A/F)Tに一致せ
しめられる。なお、このフィードバック補正係数FAF
は1.0を中心として変動する。
【0021】機関空燃比をさらに良好に検出するために
三元触媒8とNH3 吸着酸化触媒10a間の排気通路、
またはNH3 吸着酸化触媒10aとNH3 浄化触媒12
間の排気通路内に追加の空燃比センサを設け、空燃比セ
ンサ29の劣化に基づく機関空燃比の制御目標値(A/
F)Tからのずれを補償するようにすることもできる。
これら空燃比センサには全域空燃比センサの他、例えば
排気空燃比が理論空燃比を越えて増大または低下したと
きに出力電圧がステップ状に変化するいわゆるZ特性酸
素センサを用いることができる。また、これら複数の空
燃比センサの出力信号に基づいてこれら空燃比センサ間
に位置する触媒の劣化を検出するようにしてもよい。
【0022】なお、図1の内燃機関では2次空気供給装
置14上流の排気通路内に燃料または空気を2次的に供
給する装置が設けられていない。したがって2次空気供
給装置14上流の排気通路内における排気の排気空燃比
は機関空燃比に一致することになる。すなわち、三元触
媒8に流入する排気の排気空燃比は機関空燃比に一致
し、排気浄化触媒10に流入する排気の排気空燃比も機
関空燃比に一致する。これに対して2次空気供給装置1
4下流の排気通路内では、2次空気の供給が停止されて
いると2次空気供給装置14下流の排気通路内における
排気の排気空燃比は機関空燃比に一致し、しかしながら
2次空気が供給されているときには機関空燃比よりもリ
ーンになる。
【0023】次に、図4、図5(A)、および図5
(B)を参照して図1の内燃機関の排気浄化方法につい
て説明する。図1の内燃機関では、排気空燃比がリーン
である排気とリッチである排気とを交互に繰り返し形成
してこれら排気を順次三元触媒8、排気浄化触媒10、
およびNH3 浄化触媒12に流通させるようにしてい
る。すなわち、図4に示されるように三元触媒8に流入
する排気の排気空燃比が交互に繰り返しリーンとリッチ
とにされる。三元触媒8に流入する排気の排気空燃比が
リッチとされると、図5(A)に示されるようにこの排
気中のNOX は三元触媒8において上述の式(1)およ
び(2)の反応によりNH3 またはN2 に変換される。
このNH3 は次いでNH3 吸着酸化触媒10aに到る。
この場合NH3 吸着酸化触媒10aにおけるNH3 濃度
は比較的高く、したがって排気中のほぼ全量のNH3
NH3 吸着酸化触媒10aに吸着される。NH3 がNH
3 吸着酸化触媒10aに吸着されることなく通過したと
してもこのNH3 は下流のNH3 浄化触媒13において
酸化、浄化される。したがってNH3 が大気中に排出さ
れるのが阻止されている。
【0024】これに対し、三元触媒8に流入する排気の
排気空燃比がリーンとされたときには図5(B)に示さ
れるように排気中のNOX は三元触媒8を通過し、次い
でNH3 吸着酸化触媒10aに到る。この場合排気中の
NH3 濃度はほぼ零であるのでNH3 吸着酸化触媒10
aから吸着されているNH3 が放出される。このときN
3 吸着酸化触媒10aに流入する排気の排気空燃比が
リーンであるのでNH 3 吸着酸化触媒10aは酸化雰囲
気となっており、したがってNH3 吸着酸化触媒10a
から放出されたNH3 は還元剤として作用し、上述の式
(7)〜(10)の反応によって排気中のNOX を還
元、浄化する。なお、浄化すべきNOX 量に対し過剰の
NH3 がNH3 吸着酸化触媒10aから放出されたとし
てもこのNH3 は下流のNH3 浄化触媒11により酸
化、浄化される。したがってNH3 が大気中に排出され
るのが阻止されている。
【0025】なお、NH3 吸着酸化触媒10aに流入す
る排気中には炭化水素HC、一酸化炭素CO、または水
素H2 も含まれる。これらHCおよびCOなどはNH3
と同様に還元剤として作用してNH3 吸着酸化触媒10
aにおいてNOX の一部を還元すると考えられている。
しかしながら、NH3 の還元力はこれらHCおよびCO
などに比べて強く、したがってNH3 を還元剤として用
いることによってNO X を確実に還元することができ
る。
【0026】このように三元触媒8に流入する排気の排
気空燃比がリッチのときには内燃機関から排出されたN
X はNH3 の形でNH3 吸着酸化触媒10aに吸着さ
れ、三元触媒8に流入する排気の排気空燃比がリーンの
ときには内燃機関から排出されたNOX はNH3 吸着酸
化触媒10aから放出されたNH3 によって還元され
る。したがって三元触媒8に流入する排気の排気空燃比
がリッチであってもリーンであってもNOX が大気中に
排出されるのが阻止されることになる。
【0027】このようなリッチ運転とリーン運転とを交
互に繰り返し行うことによって機関1から排出されるN
X を良好に浄化することができ、したがってNOX
大気中に排出されるのが阻止される。なお、NH3 浄化
触媒12の良好なNH3 浄化作用を確保するためには上
述したようにNH3 浄化触媒12を酸化雰囲気に維持す
ることが好ましく、したがって2次空気供給装置14は
NH3 浄化触媒12に流入する排気の排気空燃比が1
5.3(λ=1.05)程度に維持されるように2次空
気を供給している。この場合、NH3 浄化触媒12の上
流または下流に、NH3 浄化触媒12に流入する排気の
排気空燃比を検出するための空燃比センサを設けてこの
空燃比センサの出力信号に基づいて2次空気供給装置1
4の2次空気供給作用を制御するようにしてもよい。
【0028】ところで、上述したように三元触媒8に流
入する排気の排気空燃比は機関空燃比に一致している。
そこで、図1の内燃機関では気筒の機関空燃比を交互に
繰り返しリーンとリッチとに制御することにより三元触
媒8に流入する排気の排気空燃比が交互に繰り返しリー
ンとリッチとなるようにしている。すなわち、内燃機関
に機関空燃比がリッチであるリッチ運転を行わせること
により三元触媒8に流入する排気の排気空燃比がリッチ
となるようにし、機関空燃比がリーンであるリーン運転
を行わせることにより三元触媒8に流入する排気の排気
空燃比がリーンとなるようにしている。
【0029】三元触媒8に流入する排気の排気空燃比の
制御目標値を目標空燃比(A/F)Tと称すると、機関
空燃比の制御目標値をこの目標空燃比(A/F)Tにす
れば三元触媒8に流入する排気の排気空燃比が目標空燃
比(A/F)Tに一致する。そこで、各気筒の機関空燃
比の制御目標値を目標空燃比(A/F)Tに一致させて
この目標空燃比(A/F)Tを図6に示されるように交
互に繰り返し理論空燃比(A/F)Sよりもリーンであ
るであるリーン空燃比(A/F)Lと、理論空燃比(A
/F)Sよりもリッチであるリッチ空燃比(A/F)R
とに制御し、それによって三元触媒8に流入する排気の
排気空燃比が交互に繰り返しリーンとリッチとになるよ
うにしている。この場合、リーン運転が行われる運転期
間をリーン運転期間TLと称しかつリッチ運転が行われ
る運転期間をリッチ運転期間TRと称すれば、互いに隣
接する1つのリーン運転期間TLと1つのリッチ運転期
間TRとによって周期が形成されることになる。
【0030】リッチ空燃比(A/F)Rはおよびリーン
空燃比(A/F)Lを機関運転状態に応じて変動させる
ようにしてもよいが、本実施態様では機関運転状態に依
らずほぼ一定とされている。すなわち、リッチ空燃比
(A/F)Rは14.0程度とされ、リーン空燃比(A
/F)Lは25.0程度とされている。したがって、リ
ッチ運転を行うべきときには目標空燃比(A/F)Tが
約14.0に維持され、リーン運転を行うべきときには
目標空燃比(A/F)Tが約25.0に維持される。
【0031】目標空燃比(A/F)Tが25.0のよう
に極めてリーンである場合、燃焼室内をほぼ均一に満た
す混合気を形成するとこの混合気は極度に希薄なために
点火プラグ(図示しない)により点火しても着火せず、
その結果失火してしまう。そこで図1の内燃機関では、
リーン運転を行うべきときには燃焼室内の限定された領
域内に着火可能な混合気を形成すると共にその他の領域
を空気のみまたは空気およびEGRガスのみにより満た
して混合気を点火プラグにより着火するようにしてい
る。その結果、機関空燃比を極度にリーンとしたときに
も機関が失火するのが阻止される。或いは、燃焼室内に
均一混合気を形成すると共に旋回流を形成することによ
り失火しないようにすることもできる。
【0032】リーン運転期間TLとリッチ運転期間TR
とをどのように定めてもよいが、図1の内燃機関ではリ
ッチ運転期間TRにリッチ運転が行われる気筒数に対す
るリーン運転期間TLにリーン運転が行われる気筒数の
比であってNOX を浄化するのに最適な気筒比RATI
Oを予め実験により求めておき、実際の気筒比がこの気
筒比RATIOに一致するように機関空燃比を制御して
いる。
【0033】本実施態様において気筒比RATIOは
1、2、3、4のうちからいずれか1つが選択される。
図7は、機関負荷Q/Nと機関回転数Nとで定まる機関
運転状態に対しNOX を浄化するのに最適な気筒比RA
TIOを示している。図7に示されるように、気筒比R
ATIOは一定の機関回転数Nに対し低負荷運転時には
機関負荷が大きくなるにつれて大きくされ、高負荷運転
時には機関負荷が大きくなるにつれて小さくされる。こ
の気筒比RATIOは図7に示すマップの形で予めRO
M22内に記憶されている。
【0034】図7のマップにより選択された気筒比RA
TIOに対し、1周期においてリーン運転が行われる気
筒数とリッチ運転が行われる気筒数とをどのように定め
てもよいが、本実施態様ではリッチ運転される気筒数は
気筒比RATIOに関わらず1つとされる。上述したよ
うに気筒比RATIOは1周期においてリッチ運転が行
われる気筒数に対するリーン運転が行われる気筒数の比
である。したがって、1周期においてリッチ運転が行わ
れる気筒数を1としたときには気筒比RATIOが1か
ら4までの間で変更されることによってリーン運転が行
われる気筒数が1から4までの間で変更されることにな
る。次に、図8から図11を参照して本実施態様の運転
期間制御方法についてさらに詳細に説明する。
【0035】図1の内燃機関では、クランクシャフトが
約180度回転する毎に各気筒の燃焼行程が行われるよ
うになっており、すなわち1番気筒#1、3番気筒#
3、4番気筒#4、2番気筒#2の順序で燃焼行程が繰
り返し行われるようになっている。図8から図11にお
いて○はリーン運転が行われることを示しており、●は
リッチ運転が行われることを示している。図8は気筒比
RATIOが1の場合を示している。RATIO=1の
ときには1つの気筒すなわち例えば1番気筒#1におい
てリッチ運転が行われ、1つの気筒すなわち3番気筒#
3においてリーン運転が行われる。したがって、1番気
筒#1のリッチ運転がリッチ運転期間TRを構成し、3
番気筒#3のリーン運転がリーン運転期間TLを構成
し、これら2つの気筒の運転が周期を構成することにな
る。次の周期は続く4番気筒#4および2番気筒#2に
よって構成される。
【0036】上述したように図1の内燃機関ではクラン
クシャフトが約180度回転する毎に各気筒の燃焼行程
が行われるようになっており、したがって各気筒の排気
行程時期が互いに異ならしめられている。このため、R
ATIO=1とされたときにはまず1番気筒#1から排
出された排気空燃比がリッチである排気が三元触媒8に
導かれ、次いで3番気筒#3から排出された排気空燃比
がリーンである排気が三元触媒8に導かれ、各気筒から
排出された排気が順次三元触媒8に導かれる。したがっ
て三元触媒8に流入する排気の排気空燃比が交互に繰り
返しリッチとリーンとに制御されることになる。なお、
各気筒の排気行程時期がわずかばかり重なっている場合
にも本発明を適用することができる。
【0037】図9はRATIO=2の場合を示してい
る。RATIO=2とされたときには例えば1番気筒#
1においてリッチ運転が行われ、2つの気筒すなわち3
番気筒#3および4番気筒#4においてリーン運転が行
われる。したがって、1番気筒#1のリッチ運転がリッ
チ運転期間TRを構成し、3番気筒#3および4番気筒
#4のリーン運転がリーン運転期間TLを構成し、これ
ら3つの気筒の運転が周期を構成することになる。次の
周期は続く2番気筒#2、1番気筒#1および3番気筒
#3によって構成される。
【0038】図10はRATIO=3の場合を示してい
る。RATIO=3とされたときには例えば1番気筒#
1においてリッチ運転が行われ、3つの気筒すなわち3
番気筒#3、4番気筒#4および2番気筒#2において
リーン運転が行われる。したがって、1番気筒#1のリ
ッチ運転がリッチ運転期間TRを構成し、3番気筒#
3、4番気筒#4および2番気筒#2のリーン運転がリ
ーン運転期間TLを構成し、これら4つの気筒の運転が
周期を構成することになる。次の周期は続く1番気筒#
1、3番気筒#3、4番気筒#4および2番気筒#2に
よって構成される。
【0039】図11はRATIO=4の場合を示してい
る。RATIO=4とされたときには例えば1番気筒#
1においてリッチ運転が行われ、4つの気筒すなわち3
番気筒#3、4番気筒#4、2番気筒#2および1番気
筒#1においてリーン運転が行われる。したがって、1
番気筒#1のリッチ運転がリッチ運転期間TRを構成
し、3番気筒#3、4番気筒#4、2番気筒#2および
1番気筒#1のリーン運転がリーン運転期間TLを構成
し、これら4つの気筒の運転が周期を構成することにな
る。次の周期は続く3番気筒#3、4番気筒#4、2番
気筒#2、1番気筒#1および3番気筒#3によって構
成される。
【0040】図11に示す例のように気筒比RATIO
が内燃機関の気筒数4以上とされると1回のリーン運転
期間において内燃機関の全ての気筒がリーン運転を行う
ことになる。その結果、長いリーン運転期間を確保する
ことができ、したがって燃料消費率を低減することがで
きる。このように気筒比RATIOを定めてリーン運転
期間TLおよびリッチ運転期間TRを決定するようにし
た場合にはNH3 吸着酸化触媒10aに流入するNH 3
量およびNOX 量を正確に制御することができる。した
がってNOX またはNH3 がNH3 吸着酸化触媒10a
を通過するのが確実に阻止され、斯くして排気が良好に
浄化される。
【0041】また、このように気筒比RATIOに基づ
いてリーン運転期間TLおよびリッチ運転期間TRを決
定するようにするとリッチ運転が行われる気筒が特定さ
れない。しかも気筒比RATIOが例えば2または4と
されたときにはリッチ運転が行われる気筒が周期毎に異
ならしめられる。したがって機関本体1または排気マニ
ホルド7内に大きな熱歪が生ずるのがさらに阻止され、
また特定の気筒に多量のデポジットが堆積するのがさら
に阻止される。なお、気筒比RATIOが1または3と
されたときにはリッチ運転が行われる気筒が固定される
ことになる。すなわち図8の例では1番気筒#1および
3番気筒#3のみにおいてリッチ運転が行われ、図10
の例では1番気筒#1のみにおいてリッチ運転が行われ
る。しかしながら、機関運転状態が変動して気筒比RA
TIOが変更されるとリッチ運転が行われる気筒が変更
され、したがってリッチ運転が行われる気筒は気筒比R
ATIOが変更される毎に異なり、すなわちリッチ運転
が行われる気筒は必ずしも固定されない。
【0042】このように気筒比RATIOを定めてリー
ン運転とリッチ運転とを交互に繰り返し行うようにした
場合、各気筒毎にリーン運転を行うべきかリッチ運転を
行うべきかを決定する必要がある。次に、各気筒におい
てリーン運転とリッチ運転とのうちいずれを行うかを決
定する方法について説明する。すなわち本実施態様で
は、気筒比RATIOを表す5ビットのデータDRAT
IOと、過去5気筒の運転状態を表す5ビットの履歴デ
ータDHISTORYとの論理積DRICHを各気筒の
燃焼行程が行われる毎に求め、このDRICHに基づい
てリーン運転を行うべきかリッチ運転を行うべきかを決
定している。DRATIOは図12に示されるようにR
ATIO=1のときにDRATIO=“00001”で
あり、RATIO=2のときにDRATIO=“000
11”であり、RATIO=3のときにDRATIO=
“00111”であり、RATIO=4のときにDRA
TIO=“01111”である。なお、DRATIOは
図12に示すマップの形で予めROM22内に記憶され
ている。
【0043】履歴データDHISTORYの24 の位の
ビットは5回前に運転された気筒がリッチ運転かリーン
運転かを示しており、23 の位のビットは4回前の気
筒、2 2 の位のビットは3回前の気筒、21 の位のビッ
トは2回前の気筒、20 の位のビットは直前の気筒につ
いてそれぞれ示している。すなわち各気筒においてリー
ン運転が行われたときには各ビットは0とされ、リッチ
運転が行われたときには1とされる。したがって履歴デ
ータDHISTORYが例えば“10010”のときに
はリッチ運転、リーン運転、リーン運転、リッチ運転、
リーン運転が順次行われてきたことを示している。
【0044】各気筒の燃料噴射時間TAUを決定すると
きにこれらDRATIOとDHISTORYとの論理積
DRICHが算出される。論理積DRICH“0000
0”のときにリッチ運転が行われ、その他の場合にはリ
ーン運転が行われる。次に図9を参照しつつ図13を参
照してDRICHの一例について説明する。図13はR
ATIO=2の場合のDRICHを示している。図13
に示す例において、2番気筒#2に対してDHISTO
RY=“10010”であり、DRATIO=“000
11”であるのでDRICH=“00010”となる。
したがって、2番気筒#2ではリーン運転が行われる。
すなわち2番気筒#2の目標空燃比(A/F)Tがリー
ン空燃比(A/F)Lとされる。続く1番気筒#1に対
しDHISTORY=“00100”であり、DRAT
IO=“00011”であるのでDRICH=“000
00”となる。したがって、1番気筒#1ではリッチ運
転が行われる。すなわち1番気筒#1の目標空燃比(A
/F)Tがリッチ空燃比(A/F)Rとされる。続く3
番気筒#3ではDRICH=“00001”であるので
リーン運転が行われ、続く4番気筒#4ではDRICH
=“00010”であるのでリーン運転が行われ、続く
2番気筒#2ではDRICH=“00000”であるの
でリッチ運転が行われる。
【0045】ところで、上述したように各気筒の排気行
程時期が互いに異なっているので空燃比センサ29には
排気行程が行われる順に各気筒の排気が順次接触するこ
とになる。したがって、図1の内燃機関におけるように
リーン運転とリッチ運転とを交互に繰り返し行うように
した場合、空燃比センサ29の出力には、リーン運転が
行われた気筒の排気から検出した空燃比と、リッチ運転
が行われた気筒の排気から検出した空燃比との両方が含
まれることになる。
【0046】図14は、図8に示されるように気筒比R
ATIOが1のときの各気筒の排気行程時期と空燃比セ
ンサ29の出力の変化とを示している。図14では、1
番気筒#1の排気行程が開始されるクランク角CAが零
とされている。この例では、クランク角CAが180度
回転する毎に1番気筒#1においてリッチ運転が行わ
れ、3番気筒#3においてリーン運転が行われ、4番気
筒#4においてリッチ運転が行われ、2番気筒#2にお
いてリーン運転が行われる。その結果、空燃比センサ2
9に1番気筒#1の排気が接触すると図14に示される
ように出力Vが正となり、3番気筒#3の排気が接触す
ると出力Vが負となり、斯くして空燃比センサ29の出
力電圧Vが180度毎に振動することになる。
【0047】ところで、上述したように各気筒の機関空
燃比は空燃比センサ29からの出力に基づいてそれぞれ
の目標空燃比(A/F)Tとなるように制御される。す
なわち、リーン運転が行われる気筒の機関空燃比はリー
ン空燃比(A/F)Lとなるように、リッチ運転が行わ
れる気筒の機関空燃比はリッチ空燃比(A/F)Rとな
るように制御される。ところが、上述したように空燃比
センサ29の出力にはリッチ運転が行われた気筒の排気
から検出された出力が含まれるので例えばリーン運転が
行われる気筒の機関空燃比を空燃比センサ29の全ての
出力に基づいてフィードバック制御を行うと空燃比セン
サ29の出力はリーン運転が行われた気筒の機関空燃比
を必ずしも正確に表しておらず、したがって機関空燃比
を正確にリーン空燃比(A/F)Lに制御することがで
きない。このため、リーン運転が行われる気筒の機関空
燃比を、リーン運転が行われた気筒の排気から検出され
た空燃比センサ29の出力のみに基づいてフィードバッ
ク補正を行い、リッチ運転が行われる気筒の機関空燃比
を、リッチ運転が行われた気筒の排気から検出された空
燃比センサ29の出力のみに基づいてフィードバック補
正を行う必要がある。
【0048】そこで、本実施態様では空燃比センサ29
の出力が、リーン運転が行われた気筒の排気から検出さ
れた出力か、リッチ運転が行われた気筒の排気から検出
された出力かを判別し、リーン運転が行われた気筒の排
気から検出された出力に基づいてリーン運転が行われる
べき気筒の機関空燃比を制御し、リッチ運転が行われた
気筒の排気から検出された出力に基づいてリッチ運転が
行われるべき気筒の機関空燃比を制御するようにしてい
る。その結果、リーン運転が行われる気筒の機関空燃比
を正確にリーン空燃比(A/F)Lに一致させることが
でき、リッチ運転が行われる気筒の機関空燃比を正確に
リッチ空燃比(A/F)Rに一致させることができる。
したがってNOX を良好に浄化することができる。次
に、まず空燃比センサ29の出力が、リーン運転が行わ
れた気筒の排気から検出された出力か、リッチ運転が行
われた気筒の排気から検出された出力かを判別する判別
方法について説明する。
【0049】各気筒の排気行程が開始されてからこの気
筒の排気が空燃比センサ29に到るまでには或る遅れ時
間がある。この遅れ時間に相当するクランク角は図14
においてdでもって示されるが、このdは機関運転状態
によらずほぼ一定であり、したがって予め実験によりd
を求めておけば空燃比センサ29の出力がいずれの気筒
の排気から検出されたものであるかがわかることにな
る。一方、本実施態様では気筒比RATIOに基づいて
リーン運転またはリッチ運転が行われるようにしてお
り、したがって気筒比RATIOから各気筒がリーン運
転を行っているかリッチ運転を行っているかを判別する
ことができる。したがって、各気筒の排気行程開始時期
からクランク角CAがdだけ回転したときに空燃比セン
サ29の出力を取り込めば、すなわち図14において矢
印でもって示される時期に空燃比センサ29の出力を取
り込めば気筒比RATIOから空燃比センサ29の各出
力がリーン運転が行われた気筒の排気から検出されたも
のであるか、リッチ運転が行われた気筒の排気から検出
されたものであるかがわかることになる。
【0050】なお、遅れ時間を代表するクランク角dは
各気筒と排気マニホルド7の集合部間に位置する排気マ
ニホルド7の枝管の管長に依存し、したがって正確に云
うと各気筒に対するクランク角dは必ずしも同じになら
ない。しかしながら、各気筒に対するクランク角dが気
筒間でそれほど変わらない場合には各気筒に対しdを一
定とすることができる。また、クランク角dを、各気筒
の排気行程の終了時期、点火時期、或いは燃料噴射時期
から起算するようにしてもよい。
【0051】次に、本実施態様における空燃比制御方法
について詳細に説明する。本実施態様では、リーン運転
が行われる気筒の機関空燃比をフィードバック制御する
ためのリーンフィードバック補正係数FAFLを設け、
リーン運転が行われる気筒の燃料噴射時間TAUを算出
するときのフィードバック補正係数FAFをこのリーン
フィードバック補正係数FAFLとしている。このリー
ンフィードバック補正係数FAFLはリーン運転が行わ
れた気筒の排気から検出された空燃比センサ29の出力
に基づいて定められる。すなわち、例えば図9に示す例
においてリーン運転が行われるべき例えば3番気筒#3
の機関空燃比を制御するために、まず、前回リーン運転
が行われた2番気筒#2の排気から検出された空燃比セ
ンサ29の出力と、その前回にリーン運転が行われた4
番気筒#4の排気から検出された空燃比センサ29の出
力との加重平均VLを算出する。次いで、目標空燃比
(A/F)Tであるリーン空燃比(A/F)Lに対応す
る空燃比センサ29の出力をVLTで表すと、VLがV
LT+yよりも大きいときには実際の機関空燃比がリー
ン空燃比(A/F)Lよりもリーンであると判断してリ
ーンフィードバック補正係数FAFLをwだけ増大させ
る。これに対し、VLがVLT−yよりも小さいときに
は実際の機関空燃比がリーン空燃比(A/F)Lよりも
リッチであると判断してリーンフィードバック補正係数
FAFLをwだけ減少させる。その結果、リーン運転が
行われる気筒の機関空燃比をリーン空燃比(A/F)L
に一致させることができる。なお、yおよびwは小さな
一定数である。
【0052】同様に、リッチ運転が行われる気筒の機関
空燃比をフィードバック制御するためのリッチフィード
バック補正係数FAFRを設け、リッチ運転が行われる
気筒の燃料噴射時間TAUを算出するときのフィードバ
ック補正係数FAFをこのリッチフィードバック補正係
数FAFRとしている。このリッチフィードバック補正
係数FAFLはリーン運転が行われた気筒の排気から検
出された空燃比センサ29の出力に基づいて定められ、
例えば図9に示す例においてリッチ運転が行われるべき
例えば2番気筒#2の機関空燃比を制御するために、ま
ず、前回リッチ運転が行われた1番気筒#1の排気から
検出された空燃比センサ29の出力と、その前回にリッ
チ運転が行われた3番気筒#3の排気から検出された空
燃比センサ29の出力との加重平均VRを算出する。次
いで、目標空燃比(A/F)Tであるリッチ空燃比(A
/F)Rに対応する空燃比センサ29の出力をVRTで
表すと、VRがVRT+xよりも大きいときには実際の
機関空燃比がリッチ空燃比(A/F)Rよりもリーンで
あると判断してリッチフィードバック補正係数FAFR
をzだけ増大させる。これに対し、VRがVRT−xよ
りも小さいときには実際の機関空燃比がリッチ空燃比
(A/F)Rよりもリッチであると判断してリッチフィ
ードバック補正係数FAFRをzだけ減少させる。その
結果、リッチ運転が行われる気筒の機関空燃比をリッチ
空燃比(A/F)Lに一致させることができる。なお、
xおよびzは小さな一定数である。
【0053】このようにリーン運転が行われる気筒の機
関空燃比を制御するときにリッチ運転が行われた気筒の
排気から検出された空燃比センサ29の出力が反映され
ず、リッチ運転が行われる気筒の機関空燃比を制御する
ときにリーン運転が行われた気筒の排気から検出された
空燃比センサ29の出力が反映されない。したがって、
リーン運転またはリッチ運転が行われる気筒の機関空燃
比をそれぞれの目標空燃比(A/F)Tに正確に一致す
ることができる。
【0054】図15は上述の運転期間制御を実行するた
めのルーチンを示している。このルーチンは一定クラン
ク角度毎の割り込みによって実行される。図15を参照
すると、まずステップ40ではいずれかの気筒の燃料噴
射タイミングか否かが判別される。燃料噴射タイミング
でないときには処理サイクルを終了する。燃料噴射タイ
ミングのときには次いでステップ41に進み、ステップ
41では図7のマップから気筒比RATIOが算出され
る。続くステップ42ではステップ41において算出さ
れたRATIOに基づいて図12のマップからDRAT
IOが算出される。続くステップ43では、履歴データ
DHISTORYとDRATIOとの論理積としてDR
ICHが算出される。続くステップ44では今回のDR
ICHに基づいてDHISTORYが更新される。続く
ステップ45ではDRICHが“00000”であるか
否かが判別される。DRICH=“00000”のとき
には次いでステップ46に進み、ステップ46ではFR
ICHが1とされる。このFRICHはリーン運転を行
うべきときに零とされかつリッチ運転をおこなうべきと
きに1とされるものであり、したがってステップ46に
進んだときにはリッチ運転が行われる。次いで処理サイ
クルを終了する。
【0055】一方、ステップ45においてDRICH≠
“00000”のときには次いでステップ47に進み、
ステップ47ではFRICHが零とされる。FRICH
=0とされたときにはリーン運転が行われる。次いで処
理サイクルを終了する。図16はフィードバック補正係
数FAFの算出ルーチン(機関空燃比制御ルーチン)を
示している。このルーチンは各気筒の排気行程開始時期
からクランク角CAがdだけ回転したときに割り込みに
よって実行される。
【0056】図16を参照すると、まずステップ50で
は空燃比センサ29の出力Vが取り込まれる。続くステ
ップ51ではステップ50において取り込まれた空燃比
センサ29の出力Vが、リッチ運転が行われた気筒の排
気から検出された出力であるか否かが判別される。リッ
チ運転が行われた気筒の排気から検出された出力である
ときには次いでステップ52に進み、ステップ52では
次式に基づいて加重平均VRが算出される。
【0057】 VR={(M−1)・VROLD+V}/M ここでMは例えば16などの整数であり、VROLDは
前回リッチ運転が行われた気筒の排気から検出された空
燃比センサ29の出力である。続くステップ53では、
今回の出力VがVROLDとされる。続くステップ54
では、VRがVRT+xよりも大きいか否かが判別され
る。VR>VRT+xのときには次いでステップ55に
進み、FAFRがzだけ増大される。次いで処理サイク
ルを終了する。
【0058】これに対し、ステップ54においてVR≦
VRT+xのときには次いでステップ56に進み、VR
がVRT−xよりも小さいか否かが判別される。VR<
VRT−xのときにはステップ57に進んでFAFRが
zだけ減少される。次いで処理サイクルを終了する。一
方、ステップ56においてVR≧VRT−xのとき、す
なわちVRT−x≦VR≦VRT+xのときにはFAF
Rを変更することなく処理サイクルを終了する。
【0059】ステップ51において、出力Vが、リーン
運転が行われた気筒の排気から検出された出力であると
判別されたときには次いでステップ58に進む。ステッ
プ58では次式に基づいて加重平均VLが算出される。 VL={(M−1)・VLOLD+V}/M ここでVLOLDは前回リーン運転が行われた気筒の排
気から検出された空燃比センサ29の出力である。続く
ステップ59では、今回の出力VがVLOLDとされ
る。続くステップ60では、VLがVLT+yよりも大
きいか否かが判別される。VL>VLT+yのときには
次いでステップ61に進み、FAFLがwだけ増大され
る。次いで処理サイクルを終了する。
【0060】これに対し、ステップ60においてVL≦
VLT+yのときには次いでステップ61に進み、VL
がVLT−yよりも小さいか否かが判別される。VL<
VLT−yのときにはステップ63に進んでFAFLが
wだけ減少される。次いで処理サイクルを終了する。一
方、ステップ62においてVL≧VLT−yのとき、す
なわちVLT−y≦VL≦VLT+yのときにはFAF
Lを変更することなく処理サイクルを終了する。
【0061】図17は燃料噴射時間TAUの算出ルーチ
ンを示している。図17を参照すると、まずステップ7
0では吸入空気量Qおよび機関回転数Nから次式に基づ
いて基本燃料噴射時間TBが算出される。 TB=(Q/N)・K 続くステップ71では図15のルーチンで零または1と
されるFRICHが1であるか否かが判別される。FR
ICH=1のとき、すなわちリッチ運転をすべきときに
は次いでステップ72に進み、ステップ72ではリッチ
空燃比(A/F)Rが算出される。本実施態様ではリッ
チ空燃比(A/F)Rは機関運転状態に依らず一定の1
4.0とされており、したがってステップ72では(A
/F)R=14.0とされる。続くステップ73では目
標空燃比(A/F)Tがリッチ空燃比(A/F)Rとさ
れる。続くステップ74ではフィードバック補正係数F
AFが図16のルーチンで算出されたリッチフィードバ
ック補正係数FAFRとされる。次いでステップ78に
進む。
【0062】一方、ステップ71においてFRICH=
0のとき、すなわちリーン運転を行うべきときには次い
でステップ75に進む。ステップ75ではリーン空燃比
(A/F)Lが算出される。本実施態様ではリーン空燃
比(A/F)Lは機関運転状態に依らず一定の25.0
とされており、したがってステップ76では(A/F)
L=25.0とされる。続くステップ77では目標空燃
比(A/F)Tがリーン空燃比(A/F)Lとされる。
続くステップ77ではフィードバック補正係数FAFが
図16のルーチンで算出されるリーンフィードバック補
正係数FAFLとされる。次いでステップ78に進む。
【0063】ステップ78では次式に基づいて燃料噴射
時間TAUが算出される。 TAU=TB・((A/F)S/(A/F)T)・FA
F 各燃料噴射弁5からはこの燃料噴射時間TAUだけ燃料
が噴射される。次に図18を参照して本発明の別の実施
態様を説明する。図18を参照すると、排気マニホルド
7の集合部には一対の空燃比センサ29a,29bが取
り付けられる。これらの空燃比センサ29a,29bは
図1の実施態様と同様に、いわゆる全域空燃比センサか
ら構成される。なお、空燃比センサ29aの出力信号は
AD変換器30aを介して入力ポート35に入力され、
空燃比センサ29bの出力信号はAD変換器30bを介
して入力ポート35に入力される。
【0064】上述したように、各気筒の排気が各気筒か
ら排出されてから空燃比センサ29a,29bに到るま
での遅れ時間に相当するクランク角dと、気筒比RAT
IOとから空燃比センサ29a,29bの出力がリーン
運転が行われた気筒の排気から検出した出力であるか、
リッチ運転が行われた気筒の排気から検出した出力であ
るかを判別できる。云い換えると、空燃比センサ29
a,29bに、リーン運転が行われた気筒の排気が接触
する時期と、リッチ運転が行われた気筒の排気が接触す
る時期とが予めわかることになる。そこで、本実施態様
では空燃比センサ29a,29bにリーン運転が行われ
た気筒の排気が接触したときに空燃比センサ29aの出
力のみを取り込み、この出力に基づいてフィードバック
補正係数FAFを算出してリーン気筒が行われる気筒の
機関空燃比を制御するようにしている。また、空燃比セ
ンサ29a,29bにリッチ運転が行われた気筒の排気
が接触したときに空燃比センサ29bの出力のみを取り
込み、この出力に基づいてフィードバック補正係数FA
Fを算出してリッチ気筒が行われる気筒の機関空燃比を
制御するようにしている。その結果、リーン運転が行わ
れた気筒の排気から検出された空燃比センサの出力のみ
に基づいてリーン運転が行われる気筒の機関空燃比を制
御することができ、リッチ運転が行われた気筒の排気か
ら検出された空燃比センサの出力のみに基づいてリッチ
運転が行われる気筒の機関空燃比を制御することができ
る。したがって、リーン運転またはリッチ運転が行われ
る気筒の機関空燃比をそれぞれの目標空燃比(A/F)
Tに正確に一致することができる。
【0065】本実施態様では、一対の空燃比センサ29
a,29bを共に全域空燃比センサから構成している。
しかしながら、これら空燃比センサのうち一方の空燃比
センサを理論空燃比よりもリーンの排気空燃比を検出す
るための空燃比センサ(リーン空燃比センサと称する)
から構成し、他方の空燃比センサを理論空燃比よりもリ
ッチの排気空燃比を検出するための空燃比センサ(リッ
チ空燃比センサと称する)から構成することもできる。
この場合、リーン空燃比センサが排気空燃比を検出する
排気はリーン運転が行われた気筒の排気であり、リッチ
空燃比センサが排気空燃比を検出する排気はリッチ運転
が行われた気筒の排気である。したがって、リーン運転
が行われるべき気筒の機関空燃比をリーン空燃比センサ
の出力信号に基づいて制御し、リッチ運転が行われるべ
き気筒の機関空燃比をリッチ空燃比センサの出力信号に
基づいて制御すればリーン運転であろうとリッチ運転で
あろうと各気筒の機関空燃比を正確に目標空燃比(A/
F)Tに維持できることになる。或いは、排気マニホル
ド7の分岐部にそれぞれ空燃比センサを配置して各気筒
から排出される排気の排気空燃比をそれぞれ検出し、対
応する空燃比センサの出力信号に基づいて各気筒の機関
空燃比を制御するようにしてもよい。なお、その他の構
成および作用は図1の内燃機関と同様であるので説明を
省略する。
【0066】次に図1の内燃機関における空燃比制御方
法の別の実施態様を説明する。本実施態様では、リーン
運転が行われる気筒の燃料噴射時間TAULは次式に基
づいて算出される。 TAUL=TB・((A/F)S/(A/F)L)・F
AF 本実施態様におけるフィードバック補正係数FAFの算
出方法はこれまで述べてきた実施態様と異なり、これに
ついては後述する。一方、リッチ運転が行われる気筒の
燃料噴射時間TAURは次式に基づいて算出される。
【0067】 TAUR=TAUL・((A/F)L/(A/F)R) すなわち燃料噴射時間TAURは燃料噴射時間TAUL
に、リーン空燃比(A/F)Lとリッチ空燃比(A/
F)Rの比を乗算したものとして求められる。リーン運
転を行うべきときには燃料噴射時間TAUがTAULと
され、リッチ運転を行うべきときにはTAUがTAUR
とされ、燃料噴射弁5からはこのTAUだけ燃料が噴射
される。
【0068】燃料噴射時間TAUL,TAURの算出式
からわかるように、本実施態様のフィードバック補正係
数FAFは基本的にリーン運転が行われる気筒の機関空
燃比を目標空燃比であるリーン空燃比(A/F)Lに維
持するためのものである。したがって、上述したように
リーン運転が行われた気筒の排気から検出された空燃比
センサ29の出力に基づいてフィードバック補正係数F
AFを算出する必要がある。ところで、リーン空燃比
(A/F)Lを例えば25.0として機関空燃比がリー
ン空燃比(A/F)Lとなるようにリーン運転が行われ
たときには、たとえ急加速または急減速運転時といって
も空燃比センサ29の出力電圧が例えば零よりも小さく
なることはない。云い換えると、機関空燃比をリーン空
燃比(A/F)Lに一致させるべくフィードバック補正
が行われている気筒の排気から検出される空燃比センサ
29の出力が下限しきい値LTHを越えて低下すること
はない。そこで、本実施態様では例えば4ms毎に空燃
比センサ29の出力Vを取り込み、この出力Vが予め求
められている下限しきい値VTHよりも大きいときには
空燃比センサ29の出力がリーン運転が行われている気
筒の排気から検出されたものであると判断し、このとき
の出力に基づいてフィードバック補正係数FAFを算出
するようにしている。これに対し、V≦LTHのときに
は空燃比センサ29の出力がリッチ運転が行われている
気筒の排気から検出されたものであると判断してフィー
ドバック補正係数FAFの更新作用を行わないようにし
ている。その結果、リッチ運転が行われた気筒の排気か
ら検出された空燃比センサ29の出力に影響されること
なく、リーン運転が行われた気筒の排気から検出された
空燃比センサ29の出力に基づいてフィードバック補正
係数FAFを算出することができる。したがって、フィ
ードバック補正係数FAFを正確に求めることができる
のでリーン運転が行われるべき気筒の機関空燃比を正確
にリーン空燃比(A/F)Lに一致させることができる
ことになる。
【0069】図19はフィードバック補正係数FAFを
算出するためのルーチンを示している。このルーチンは
一定時間毎の割り込みによって実行される。図19を参
照すると、まずステップ80では空燃比センサ29の出
力電圧Vが予め定められた下限しきい値LTHよりも大
きいか否か、すなわち空燃比センサ29の出力が、リー
ン運転が行われた気筒の排気から検出されたものである
か否かが判別される。V>LTHのときには空燃比セン
サ29の出力が、リーン運転が行われた気筒の排気から
検出されたものであると判断して次いでステップ81に
進む。ステップ81では次式に基づいて加重平均VLが
算出される。
【0070】 VL={(M−1)・VLOLD+V}/M ここでVLOLDは前回リーン運転が行われた気筒の排
気から検出された空燃比センサ29の出力である。続く
ステップ82では、今回の出力VがVLOLDとされ
る。続くステップ83では、VLがVLT+yよりも大
きいか否かが判別される。VL>VLT+yのときには
次いでステップ84に進み、FAFがwだけ増大され
る。次いで処理サイクルを終了する。なお、y,wは小
さな一定値である。
【0071】ステップ83においてVL≦VLT+yの
ときには次いでステップ85に進み、VLがVLT−y
よりも小さいか否かが判別される。VL<VLT−yの
ときにはステップ86に進んでFAFがwだけ減少され
る。次いで処理サイクルを終了する。一方、ステップ8
5においてVL≧VLT−yのとき、すなわちVLT−
y≦VL≦VLT+yのときにはFAFを変更すること
なく処理サイクルを終了する。
【0072】一方、ステップ80においてV≦LTHの
ときには空燃比センサ29の出力が、リッチ運転が行わ
れた気筒の排気から検出されたものであると判断し、フ
ィードバック補正係数FAFを変更することなく処理サ
イクルを終了する。図20は燃料噴射時間TAUの算出
ルーチンを示している。図20を参照すると、まずステ
ップ90では吸入空気量Qおよび機関回転数Nから次式
に基づいて基本燃料噴射時間TBが算出される。
【0073】TB=(Q/N)・K 続くステップ91では次式に基づいてTAULが算出さ
れる。 TAUL=TB・((A/F)S/(A/F)L)・F
AF ここでフィードバック補正係数FAFは図19のルーチ
ンで算出されたものである。続くステップ92では図1
5のルーチンで零または1とされるFRICHが1であ
るか否かが判別される。FRICH=1のとき、すなわ
ちリッチ運転をすべきときには次いでステップ93に進
み、ステップ93ではTAURが次式に基づいて算出さ
れる。
【0074】 TAUR=TAUL・((A/F)L/(A/F)R) 続くステップ94では燃料噴射時間TAUがTAURと
され、次いで処理サイクルを終了する。したがってリッ
チ運転が行われる気筒の燃料噴射弁5からTAURだけ
燃料が噴射される。一方、ステップ92においてFRI
CH=0のとき、すなわちリーン運転を行うべきときに
は次いでステップ95に進む。ステップ95では燃料噴
射時間TAUがTAULとされ、次いで処理サイクルを
終了する。したがってリーン運転が行われる気筒の燃料
噴射弁5からTAULだけ燃料が噴射される。
【0075】
【発明の効果】リーン運転時にはリッチ運転時の排気に
影響されることなく空燃比を制御することができ、リッ
チ運転時にはリーン運転時の排気に影響されることなく
空燃比を制御することができるのでそれぞれの運転時に
おいて空燃比の変動を低減することができ、したがって
空燃比を安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】内燃機関の全体図である。
【図2】三元触媒の特性を示す線図である。
【図3】空燃比センサの出力を示す線図である。
【図4】図1の内燃機関の排気浄化方法を説明する図で
ある。
【図5】図1の内燃機関の排気浄化方法を説明する図で
ある。
【図6】目標空燃比の時間的変化を示す線図である。
【図7】気筒比を示す線図である。
【図8】気筒比が1のときのリーン運転時間とリッチ運
転時間とを示す図である。
【図9】気筒比が2のときのリーン運転時間とリッチ運
転時間とを示す図である。
【図10】気筒比が3のときのリーン運転時間とリッチ
運転時間とを示す図である。
【図11】気筒比が4のときのリーン運転時間とリッチ
運転時間とを示す図である。
【図12】DRATIOを示す図である。
【図13】DRICHの算出方法を説明する図である。
【図14】各気筒の排気行程時期と空燃比センサの出力
とを示す図である。
【図15】運転期間制御を実行するためのフローチャー
トである。
【図16】フィードバック補正係数を算出するためのフ
ローチャートである。
【図17】燃料噴射時間を算出するためのフローチャー
トである。
【図18】本発明の別の実施態様を示す内燃機関の全体
図である。
【図19】別の実施態様における、フィードバック補正
係数を算出するためのフローチャートである。
【図20】別の実施態様における、燃料噴射時間を算出
するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1…機関本体 5…燃料噴射弁 7…排気マニホルド 8…NH3 生成触媒 10…排気浄化触媒 10a…NH3 吸着酸化触媒 12…NH3 浄化触媒 29…空燃比センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 五十嵐 幸平 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 伊藤 隆晟 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 鈴木 直人 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リーン運転とリッチ運転とが交互に繰り
    返し行われる内燃機関において、空燃比を検出するため
    の空燃比センサを排気通路内に配置し、該空燃比センサ
    の出力が、リーン運転が行われたときの排気から検出さ
    れた出力か、リッチ運転が行われたときの排気から検出
    された出力かを判断してリーン運転が行われたときの排
    気から検出された出力に基づきリーン運転時の空燃比を
    制御し、リッチ運転が行われた排気から検出された出力
    からリッチ運転時の空燃比を制御する制御手段を具備し
    た空燃比制御装置。
JP7291300A 1995-11-09 1995-11-09 内燃機関の空燃比制御装置 Withdrawn JPH09133037A (ja)

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