JPH09132895A - オカラを使用した紙とその製造方法 - Google Patents

オカラを使用した紙とその製造方法

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JPH09132895A
JPH09132895A JP7303585A JP30358595A JPH09132895A JP H09132895 A JPH09132895 A JP H09132895A JP 7303585 A JP7303585 A JP 7303585A JP 30358595 A JP30358595 A JP 30358595A JP H09132895 A JPH09132895 A JP H09132895A
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JP
Japan
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okara
paper
pulp
protein
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JP7303585A
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Michio Ueda
道雄 植田
Eiji Shioda
英二 塩田
Yoshiaki Hama
義紹 濱
Ko Izutsu
香 井筒
Takako Nakanishi
貴子 中西
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Shikoku Kakoki Co Ltd
Awa Paper Co Ltd
Original Assignee
Shikoku Kakoki Co Ltd
Awa Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オカラを使用した紙を能率よく多量生産す
る。オカラを使用して、強度低下の少ない紙を製造す
る。 【解決手段】 オカラを使用した紙は、パルプに、植物
性短繊維としてオカラを添加している。パルプに添加さ
れるオカラは、乾燥状態で14wt%以上のたんぱく質
を含有し、乾燥されない湿潤な状態で添加される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、天然パルプや合成
パルプに加えて、オカラを植物性短繊維として添加して
なる紙とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】豆腐を製造するときに多量のオカラがで
きる。オカラは、一部が食料品や餌として有効に使用さ
れるに過ぎない。そのほとんどは廃棄されている。豆腐
を多量に製造する工場では、膨大な量のオカラが発生す
る。オカラの廃棄に相当な経費がかかっている。
【0003】オカラを有効に再利用するために、オカラ
の植物性短繊維を分離して紙を製造する方法が開発され
ている。例えば、特開平3−97992号公報、特開平
4−174785号公報、特開平4−174791号公
報に、オカラの植物性短繊維を使用した紙の製造方法が
記載される。
【0004】特開平3−97992号公報には、オカラ
を、たんぱく質分解酵素と脂肪分解酵素とを使用して加
水分解して、オカラから植物性短繊維を取り出し、この
植物性短繊維を使用して溶解紙を製造する方法が記載さ
れる。
【0005】さらに、特開平4−174785号公報と
特開平4−174791号公報には、植物性短繊維をパ
ルプと混合して抄紙する紙の製造方法が記載される。植
物性短繊維には、オカラを水酸化ナトリウム溶液に懸濁
して、たんぱく質を除去したものが使用される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】これ等の公報に記載さ
れる紙は、廃棄物であるオカラを有効に利用して、紙を
製造する。しかしながら、オカラの植物性短繊維を使用
した紙は、パルプ100%で製造した紙に比較して、強
度が相当に低下する欠点がある。
【0007】さらにまた、前記の公報に記載される方法
は、オカラの植物性短繊維のみをパルプに添加するため
に、酵素やアルカリでたんぱく質を除去する必要があ
る。オカラは、約80%の水分を含有する食品で、非常
に腐りやすい性質がある。オカラが腐ると、極めて強い
悪臭を発生する。このため、オカラが腐らないようにし
て紙を製造することが大切である。腐りやすいオカラ
は、紙になった状態では腐りにくくなる。乾燥されるか
らである。オカラが腐る前に、速く紙にすることが大切
である。オカラからたんぱく質を除去する処理をして紙
を製造する方法は、オカラの処理に時間がかかり、オカ
ラを速やかに紙に加工できない。
【0008】本発明者は、オカラを有効利用して、速や
かに紙に加工するために、種々の試行錯誤を繰り返した
結果、これまでの常識では到底考えられない簡単な方法
で、優れた特性の紙を製造することに成功した。したが
って、本発明の大切な目的は、簡単かつ容易に、しかも
安価に能率よく多量生産できるオカラを使用した紙とそ
の製造方法を提供することにある。また、本発明の他の
重要な目的は、オカラを添加してしかも強度の低下を少
なくできる紙とその製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のオカラを使用し
た紙は、植物性短繊維としてオカラを添加している紙を
改良したもので、パルプに添加されるオカラが、乾燥状
態で14wt%以上のたんぱく質を含有することを特徴
とする。オカラに含まれるたんぱく質の含有量が少なく
なると、強度が低下する。紙の強度を考慮して、たんぱ
く質の含有量は14wt%以上とする。たんぱく質の含
有量をこの値に調整するのは、たんぱく質の含有量を1
4wt%まで増加させると、急激に強度が増加するが、
この値よりもたんぱく質の含有量を増加しても、強度の
増強が急激には改善されないからである。さらに、オカ
ラはたんぱく質の含有量を18wt%以上にすると、た
んぱく質を除去しないオカラに近い強度にできるので、
本発明の紙とその製造方法は、さらに好ましくはたんぱ
く質の含有量を、18wt%以上とする。
【0010】オカラは約25wt%のたんぱく質を含有
する。したがって、たんぱく質を除去しないで添加され
たオカラは、25wt%のたんぱく質を含有する。た
だ、たんぱく質の含有量は、使用する大豆によって多少
は変動する。
【0011】本明細書において「パルプ」とは、紙の原
料である天然パルプや合成パルプ等のパルプに化学繊維
や合成繊維を添加したもの、あるいは、パルプに化学繊
維や合成繊維を添加しないものを意味するものとする。
【0012】さらに、本発明の請求項2に記載される紙
の製造方法は、原料に、パルプに加えて、植物性短繊維
としてオカラを添加する紙の製造方法を改良したもの
で、たんぱく質除去処理がされないオカラを湿潤な状態
でパルプに添加して抄紙することを特徴としている。
【0013】たんぱく質を含有するオカラが添加された
紙は、たんぱく質の熱変性によるバインダー効果によっ
て、たんぱく質を除去したオカラが添加された紙に比べ
て、引張強度と抗張力が著しく増加する。さらに、たん
ぱく質は特別に添加する必要はなく、オカラに含まれる
たんぱく質をバインダーに併用して、紙の物性を改善す
る。オカラは、植物性短繊維に加えてたんぱく質も含有
している。本発明の紙は、オカラに含まれるたんぱく質
を有効に利用して、植物性短繊維を添加した紙の物性を
改善する。このため、たんぱく質を添加して紙の物性を
改善するために、紙の製造コストが高くなることはな
い。むしろ、たんぱく質を除去する工程を省略し、ある
いは簡素化できるので、製造コストを低減して、紙とし
ての物性を改善できる。さらに、オカラを湿潤な状態で
パルプに添加するので、これを乾燥する必要もなく、オ
カラを速やかに紙に加工できる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を説明す
る。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を
具体化するためのオカラを使用した紙とその製造方法を
例示するものであって、本発明は紙の原料や製造方法を
下記のものに特定しない。
【0015】下記のようにして、オカラを使用した紙を
製造する。 [オカラを離解する工程]パルパーに乾燥されない湿潤
なオカラを仕込んで離解する。この工程で、水にオカラ
が分散されたスラリーが得られる。その後、レファイナ
ーを使用してオカラを所定の粒度に調整する。原料に使
用するオカラは、たんぱく質を除去する処理をしないも
のを使用する。ただし、オカラに含まれるたんぱく質を
多少除去して、乾燥状態におけるたんぱく質の含有量を
14wt%以上、好ましくは18wt%以上とするオカ
ラも使用できる。
【0016】[パルプを叩解する工程]パルパーにパル
プを仕込み離解する。レファイナーを用いてパルプに機
械的作用を施して叩解し、所定の叩解度となるように調
製する。パルプには、天然パルプ、合成パルプが単独
で、あるいはこれ等が複数種混合して使用される。ただ
し、叩解は、主に天然パルプに対して行い、合成パルプ
は通常、離解のみとする。また、調整済みのパルプに合
成繊維、化学繊維等を混合することもできる。天然パル
プには、針葉樹や広葉樹の木材パルプ、麻、わら、綿、
ケナフ、バガス、竹等を使用する。合成パルプには、ポ
リエチレンパルプや、ポリプロピレンパルプ等を使用す
る。合成繊維にはポリアミド繊維、ポリエステル繊維、
アクリル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリビニルアルコ
ール繊維等が使用できる。化学繊維にはレーヨン繊維等
が使用できる。
【0017】[パルプにその他の薬品等を添加する工
程]チェストを使用して、オカラとパルプと、フィラー
等を混合し、紙特性を付与するために、サイズ剤、強度
剤、定着剤、消泡剤、顔料、染料等の薬品を添加する。
オカラの添加量は、乾燥重量で、紙全体に対してたとえ
ば3〜85wt%、好ましくは10〜80wt%、さら
に好ましくは15〜60wt%、最適には20〜45w
t%とする。パルプに対するオカラの添加量を多くする
と、紙の原料コストを低減できる。ただし、オカラの添
加量の多い紙は、強度が低下する。紙に要求される強度
と、原料コストとを考慮して、オカラの添加量は前記の
範囲に調製される。パルプに合成繊維や化学繊維を添加
する場合、合成繊維と化学繊維の総量は、パルプに対し
て0〜30wt%とする。
【0018】フィラーには、炭酸カルシウム、クレー、
酸化チタン、水酸化アルミニウム、ゼオライト、カオリ
ン等が使用できる。フィラーの添加量は、紙全体の乾燥
重量に対して0〜30wt%とする。
【0019】内添強度剤には、たとえば、ポリアクリル
アマイド樹脂、植物ガム、カゼイン、CMC等の乾燥強
度剤、尿素樹脂、メラミン樹脂、ポリエチレン・イミ
ン、ポリアミド・エピクロロヒドリン等の湿潤強度剤が
使用される。
【0020】内添サイズ剤として、ロジン系、石油系、
ワックス系、アルキルケテンダイマー等のサイズ剤が使
用できる。
【0021】強度剤、定着剤、サイズ剤等の薬品の添加
量は、紙全体の重量に対して1〜4wt%である。
【0022】顔料には、有機あるいは無機の顔料を使用
する。さらに、染料には直接染料や塩基性染料を使用で
きる。
【0023】[濃度調製する工程]水の添加量により原
料液の濃度を調整し、紙の原料を、動く抄網上に配分す
るヘッドボックスに移送する。
【0024】[原料液を抄紙する工程]紙の原料液を網
の上に載せて水を脱水し、原料をシート状に堆積させて
湿紙を形成する。
【0025】[プレスする工程]得られた湿紙をロール
で加圧脱水し、パルプの接触を密にする。 [乾燥する工程]蒸気で加熱された乾燥シリンダーの表
面に、プレスされた湿紙を接触させる。この工程で、湿
紙に含まれている残留水の大部分は蒸発する。 [サイズプレスする工程]サイズ度を上げて、紙に液体
が浸透しにくくするために、サイズ剤を表面に加工す
る。このとき、表面強度剤や防かび剤等の薬品も表面に
加工することもできる。サイズ剤には、ロジン系、石油
系、ワックス系、スチレン・アクリル系、アルキルケテ
ンダイマー等のサイズ剤が使用できる。表面強度剤に
は、デンプン系、ポリビニルアルコール系、ポリアクリ
ルアマイド系、セルロース系等が使用できる。 [乾燥する工程]湿紙を乾燥する前記の方法と同じよう
に、加熱された乾燥シリンダーに接触させて、紙を乾燥
させる。
【0026】[実施例1]以上の工程で製造される紙
は、下記のようにして、植物性短繊維としてオカラを使
用した紙を製造する。 針葉樹パルプ100gと、広葉樹パルプ100gを
水に分散し、叩解度27゜SRとなるまで叩解した後脱
水する。叩解したパルプの水分を測定すると、61.5
wt%の水分を含有していた。
【0027】 オカラ9.4gと、叩解したパルプ1
1.4gに、水1リットルを加え、ミキサーで40秒間
離解する。オカラは、80wt%の水分を含む湿潤なも
ので、乾燥重量におけるたんぱく質の含有率は25.7
wt%のものを使用する。
【0028】 その後、原料の乾燥重量に対して、乾
燥強度剤を0.5wt%、定着剤である硫酸バンドを2
wt%、サイズ剤を1wt%、湿潤強度剤であるポリフ
ィックス301(昭和高分子株式会社)を0.3wt%
となるように、スターラーで攪拌しながら、それぞれ3
分間おきに添加する。
【0029】 さらに水1リットルを加えた後、高分
子凝集剤として、サンフロックC−109P(三洋化成
工業株式会社)を6mg、アクリパーズR−NS(ダヤ
フロック株式会社)を1mg加えて凝集させた後、手抄
バットで手抄し、25×25cmの網上に湿紙を形成す
る。
【0030】 網から湿紙を取り外し、吸い取り紙で
紙の両面を挟み、プレス機でプレス処理して脱水する。
【0031】 脱水した紙をプレスから取り出し、表
面を120℃に加熱したシリンダードライヤーの表面に
加圧しながら接触させて乾燥する。
【0032】以上の〜の工程で、オカラを30wt
%含む紙を製作した。この紙は下記の物性を示した。 (1) 坪量……………101g/m2 (2) 厚さ……………0.20mm (3) 密度……………0.505g/cm3 (4) 引張強度………5.6kg/15mm(坪量10
0g/m2に換算して5.54kg/15mm) (5) 抗張力…………1.87kg/mm2(坪量100
g/m2に換算して1.85kg/mm2
【0033】引張強度は、幅15mmの試験片に荷重を
加え、破断するときの強度である。抗張力は、単位面積
当りの破断強度である。
【0034】[比較例1]以上のようにして製作した本
発明の紙が、いかに優れた特性を示すかを比較するため
に、たんぱく質を除去したオカラを使用して下記のよう
にして紙を製作した。
【0035】オカラからたんぱく質を除去するために、
下記の処理をした。 オカラ300gを1.5リットルの水に分散し、こ
れをスターラーに入れて2時間攪拌する。 スターラーから取り出して遠心分離器に入れ、遠心
分離器の遠心力を1160gにセットして5分間遠心す
る。上澄みと沈澱を分離して、上澄みを捨てる。 沈澱100gを、500mリットルの50mM燐酸
バッファーに分散させる。このときのpHは7.2であ
る。
【0036】 さらに、たんぱく質分解酵素を1g加
えて、50℃で5時間反応させる。たんぱく質分解酵素
には、ヤクルト社製のアロアーゼAP−10を使用す
る。 酵素でたんぱく質を分解したものを遠心分離器に移
し、遠心分離器の遠心力を1160gにセットして、5
分間回転させて、沈澱物を取り出し、たんぱく質を取り
除いたオカラを調製する。 以上のたんぱく質除去処理をしたオカラは、乾燥状態に
おけるたんぱく質の含有量が9.3wt%に減少した。
【0037】たんぱく質を除去した処理オカラを使用す
る以外、実施例1と同じようにして、処理オカラを30
%含む紙を成形した。この紙の物性は下記の値を示し
た。 (1) 坪量……………103g/m2 (2) 厚さ……………0.24mm (3) 密度……………0.429g/cm3 (4) 引張強度………3.6kg/15mm(坪量10
0g/m2に換算して3.5kg/15mm) (5) 抗張力…………1.00kg/mm2(坪量100
g/m2に換算して0.97kg/mm2
【0038】このようにして試作した比較例1と本発明
の実施例1の紙は、坪量を100に換算して引張強度と
抗張力とを比較すると、実施例1の紙は、比較例1の紙
に比較して、引張強度が58%増強され、抗張力は91
%も増強された。
【0039】[実施例2]比較例1のの工程で、たん
ぱく質分解酵素を添加して反応させる時間を、5時間か
ら1時間に変更する以外、比較例1と同じようにして、
オカラからたんぱく質を除去した。この処理オカラは、
乾燥状態におけるたんぱく質の含有量が、18.0wt
%となった。この処理オカラを使用して、実施例1と同
じようにして、30wt%のオカラを含む紙を製作し
た。
【0040】このようにして製作された紙は、坪量10
0g/m2に換算して、引張強度5.34kg/15m
m、抗張力1.75kg/mm2となり、比較例1の紙
に比較して、引張強度が53%、抗張力は80%増強さ
れた。
【0041】[実施例3]比較例1のの工程で、たん
ぱく質分解酵素を添加して反応させる時間を、5時間か
ら2時間に変更する以外、比較例1とおなじようにし
て、オカラからたんぱく質を除去した。この処理オカラ
は、乾燥状態におけるたんぱく質の含有量が、14.4
wt%となった。この処理オカラを使用して、実施例1
と同じようにして、30wt%のオカラを含む紙を製作
した。
【0042】このようにして製作された紙は、坪量10
0g/m2に換算して、引張強度4.80kg/15m
m、抗張力1.48kg/mm2となり、比較例1の紙
に比較して、引張強度が38%、抗張力は53%増強さ
れた。
【0043】[比較例2]たんぱく質を減少させる処理
をしたオカラを使用して紙を試作し、たんぱく質の含有
量で紙の強度が変化することをテストした。この紙は、
比較例1のの工程で、たんぱく質分解酵素を添加して
反応させる時間を、5時間から3時間に変更する以外、
比較例1とおなじようにして、オカラからたんぱく質を
除去した。この処理オカラは、乾燥状態におけるたんぱ
く質の含有量が、10.4wt%となった。この処理オ
カラを使用して、実施例1と同じようにして、30wt
%のオカラを含む紙を製作すると、坪量100g/m2
の紙に換算して、引張強度は4.50kg/15mm、
抗張力1.35kg/mm2となり、たんぱく質を9.
3wt%まで少なくした紙に比較して、強度は多少増強
された。
【0044】以上のように、含有されるたんぱく質を除
去しないオカラを使用し、あるいは、たんぱく質の残存
量を14wt%以上とするオカラを使用した紙は、オカ
ラに含まれるたんぱく質が、熱変性によってバインダー
効果をもたらし、紙力が著しく向上する。
【0045】以上の実施例は、たんぱく質を含むオカラ
の添加量を30wt%としているが、本発明の紙は、オ
カラの含有量を以上の値に特定しない。オカラの含有量
を多くすると、紙としての強度は低下するが、オカラに
含有されるたんぱく質の比率が多くなって、強度が低下
するのを少なくできる。それは、オカラに含まれるたん
ぱく質が紙を補強するからである。さらに、オカラの添
加量を多くした紙は、表面が手抄きした和紙のような独
得の風合いとなる。このため、オカラの添加量は、使用
される紙の用途、製造コスト、オカラの廃棄量等を考慮
して最適値に決定される。
【0046】
【発明の効果】本発明の紙とその製造方法は、多量にで
きる廃棄物であるオカラを有効に利用することに加え
て、これまでの常識では到底考えられない簡単な方法
で、原料にオカラを使用するにもかかわらず、強度の低
下を少なくして、能率よく安価にオカラを使用した紙を
多量生産できる極めて優れた特長がある。それは、本発
明の紙が、従来は、たんぱく質を除去する処理をして植
物性短繊維の含有率を高くしたオカラを使用していたの
に対し、本発明の紙は、たんぱく質を除去しないオカラ
を使用し、あるいは、たんぱく質を除去するとしても、
ほとんど除去しない簡単な処理をしたオカラを紙の原料
に使用するからである。オカラに含有されるたんぱく質
は、紙を製造する工程で熱変性してバインダー効果を生
じ、紙の物性、とくに強度を相当に改善する。
【0047】さらにまた、本発明のオカラを使用した紙
とその製造方法は、オカラを乾燥させることなく、ま
た、たんぱく質除去処理を省略あるいは簡素化して紙の
原料に使用する。このため、豆腐の残渣として発生する
多量のオカラを、速やかに紙に加工できる特長も実現で
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 濱 義紹 徳島県鳴門市大麻町大谷字道ノ上52−2− 1 (72)発明者 井筒 香 徳島県徳島市助任本町7丁目10番地 (72)発明者 中西 貴子 徳島県徳島市末広3丁目4番19号

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パルプに、植物性短繊維としてオカラが
    添加されてなる紙において、パルプに添加されるオカラ
    が、乾燥状態で14wt%以上のたんぱく質を含有する
    ことを特徴とするオカラを使用した紙。
  2. 【請求項2】 原料に、パルプに加えて、植物性短繊維
    としてオカラを添加する紙の製造方法において、乾燥状
    態におけるたんぱく質の含有量を14wt%以上とする
    オカラを湿潤な状態でパルプに添加して抄紙することを
    特徴とするオカラを使用した紙の製造方法。
JP7303585A 1995-10-28 1995-10-28 オカラを使用した紙とその製造方法 Pending JPH09132895A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2004045966A1 (ja) * 2002-11-18 2004-06-03 Toshiyuki Aiba 食品容器
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