JP2001214400A - 古紙再生材、及び古紙再生材の製造方法 - Google Patents

古紙再生材、及び古紙再生材の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 古紙及び繊維くずを有効利用できるととも
に、低コストで簡単な方法により生成することができる
古紙再生材及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 古紙を原料とする再生パルプと、繊維く
ずを開繊して得られる単繊維状又は小塊状の再使用繊維
とを混合して繊維懸濁液を調製し、これを脱水して繊維
層を形成させ、次いで乾燥して繊維間結合を生成させて
なるもの。これにより、独特の模様による装飾性や、弾
力性、保温性等の機能性を備えた素材となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、古紙及び繊維くず
を再利用するための新たな用途を提案するものであり、
表面に現われる独特の模様や柔らかな質感を活かした新
素材であり、その活用として主に壁装材等としての用途
の他、梱包材や容器等として用いることができる古紙再
生材、及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、廃棄物の減量化や森林資源の
保護、省エネルギー等の観点から、自治体や地域社会等
が主導となって、古紙の回収及びその再利用による紙の
リサイクルが行われている。回収された古紙の多くは製
紙原料として再利用されており、主要な利用先としては
新聞用紙、衛生用紙及び印刷情報紙等の紙、並びに段ボ
ール原紙等の板紙が挙げられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、新聞用紙等
の紙に利用される場合には、再生パルプの製造工程にお
いて脱墨(脱インキ)処理が必須とされ、白色度が要求
される印刷情報紙等では、さらに漂白処理が行われる。
これらの処理にコストが嵩むことから、再生紙製品は通
常のパルプ紙製品よりも高価であり、その消費を妨げる
大きな要因となっている。また、再生パルプはリサイク
ルされる毎に短繊維化して次第に紙力が低下することか
ら、機械的強度と薄さとを同時に要求される新聞用紙等
では木材パルプを配合して抄紙されており、完全な再生
品とはなっていない。また、段ボール原紙等の板紙に利
用される場合は、脱墨処理は不要であり、かつ、再生パ
ルプのみで抄紙されているが、現状では、このように脱
墨処理を不要とする古紙の利用先は段ボール等に限定さ
れている。
【0004】さらに、回収される古紙には、製紙原料に
は不適な短繊維の雑誌類等や、再生困難なコート紙等も
多く含まれている。これらは、パルプモールド等の包装
材料やコンクリート型枠等の土木・建築資材等として、
あるいは固形燃料として一部が再利用されているもの
の、残りの大部分は廃棄物として焼却又は埋立処分され
ているのが実状である。
【0005】このような問題のため、近年においては古
紙の回収が促進される一方で、古紙の利用は伸び悩んで
おり、その結果、古紙の過剰状態が慢性化して深刻な社
会問題となっている。したがって、低質な古紙を含めた
回収古紙の新たな用途の開発が強く望まれている。
【0006】一方、繊維業者の製造、縫製工程から端布
等として、又は一般家庭を中心に中古衣料品や古布等と
して、いわゆる繊維くずが排出されている。こうした繊
維くずは、一部がウエス等として再利用される他は、大
部分が廃棄物として焼却又は埋立処分されている。繊維
くずは、現在のところ廃棄物全体に占める比率が低く、
大きな問題とはなっていないが、将来的には古紙と同様
に本格的なリサイクルへの取組みが求められるものと予
測される。
【0007】本発明は、このような古紙及び繊維くずの
リサイクルの現状を鑑みて、資源の回収、再資源化及び
その利用という循環型社会を構築させるための一助とな
るべく提案されたものであり、従来ではコスト上の問題
から、あるいは製紙原料には不適なことから再利用され
なかった回収古紙と、ほとんど再資源化されていなかっ
た繊維くずとを積極的に利用するとともに、これらを低
コストで加工して高機能・高付加価値の素材とすること
により、高コストで低品質という従来の再生製品の既成
概念を払拭し、その利用促進が期待できる古紙再生材、
及びその製造方法の提供を課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明にかかる
古紙再生材は、古紙を原料としてなる再生パルプと、繊
維くずを開繊して得られる単繊維状又は小塊状の再使用
繊維とを混合してなる繊維懸濁液を、脱水して繊維層を
形成させ、次いで乾燥してなるものである。
【0009】したがって、請求項1の発明の古紙再生材
によれば、古紙及び繊維くずを原料として構成されるた
め、これらの再生資源が有効利用される。両原料から調
製された再生パルプ及び再使用繊維は、繊維懸濁液とす
ることによって、両繊維成分が略均一に混合される。そ
して、この繊維懸濁液が脱水されて繊維層が形成され、
次いで乾燥される過程において、繊維間に介在する水が
系外に排出されると同時に、水の凝集力により繊維間に
引き寄せの力が生じ、最終的に繊維間の結合が生成され
る。
【0010】また、この古紙再生材では、長繊維状の再
使用繊維が紙層内に分散した状態に介在することで、補
強材としての役割を果たす。このため、短繊維化して自
己結合力が減退した再生パルプであっても、再使用繊維
が適度に混合されることによって、実用上十分な強度を
有するものとなる。また、接着剤等を必要とせず、繊維
の自己結合力のみによって形成されることから、この古
紙再生材を廃棄する際は、水中で再び繊維状に離解する
ことによって、次の新たな用途のため再利用することが
できる。
【0011】なお、再生パルプ及び再使用繊維の両成分
の混合比率を変化させると、それに伴って古紙再生材の
性質も変化する。すなわち、再使用繊維の比率を多くす
ると、繊維の有する柔らかな質感により近づけることが
できる。
【0012】請求項2の発明にかかる古紙再生材は、請
求項1に記載の古紙再生材において、前記再使用繊維
は、獣毛繊維を主成分とするものである。
【0013】ここで獣毛繊維とは、具体的には、羊、カ
シミヤ、アンゴラ、アルパカ、ラクダ等の獣毛からなる
タンパク質繊維を指す。なお、「主成分」とあるのは、
一般の毛繊維製品では合成繊維等の異種の繊維が混紡さ
れることが多く、そのような混紡製品等から異種の繊維
が若干量混入する場合を考慮したものである。
【0014】したがって、請求項2の発明の古紙再生材
によれば、大部分が再生パルプのセルロース繊維と、獣
毛繊維のタンパク質繊維とによって構成されることか
ら、生分解性が高く、かつ、燃やしても有害ガスの発生
が少ない。このため、廃棄の際に焼却又は埋立処理され
る場合でも、環境への負荷は比較的少なくて済む。ま
た、古紙再生材は、獣毛繊維の持つ弾力性、保温性等の
機能性が付与されるとともに、暖かな風合いの良さや柔
らかな質感が備わったものとなる。
【0015】請求項3の発明にかかる古紙再生材は、請
求項2に記載の古紙再生材において、前記獣毛繊維は、
羊毛である。
【0016】したがって、請求項3の発明の古紙再生材
によれば、比較的容易に入手できることに加えて、弾力
性や保温性等の機能性に優れる点で有利である。さら
に、古紙再生材を構成する紙層中において、羊毛繊維が
捲縮して互いに絡み合った状態で存在することにより、
その強度を一層高める役割を果たす。
【0017】請求項4の発明にかかる古紙再生材は、請
求項1ないし3のいずれか1つに記載の古紙再生材にお
いて、前記再生パルプと異なる色調を有する前記再使用
繊維を含むものである。
【0018】したがって、請求項4の発明の古紙再生材
によれば、表面に再使用繊維によって形成された模様が
現われる。この模様は、再生パルプ及び再使用繊維の色
調や形状、並びに両成分の組成等を調整することによっ
て、用途や目的に応じて略任意に変化させることができ
る。これにより、印刷等の二次加工を施すことなく、素
材自体に装飾性を持たせることができる。
【0019】なお、再生パルプ及び再使用繊維は、脱墨
や漂白、染色等の処理を行わずにそのまま用いてもよ
い。この場合、処理に伴う廃液等が発生しないことから
環境への影響が少なく、かつ、より低コストで製造する
ことができる。
【0020】請求項5の発明にかかる古紙再生材の製造
方法は、古紙を離解して抄造可能に調製した再生パルプ
に、繊維くずを開繊して単繊維状又は小塊状に形成した
再使用繊維を混合して、繊維懸濁液を調製するスラリー
形成工程と、前記繊維懸濁液を抄網上にて脱水して所定
厚さの湿シートを形成する抄造工程と、前記湿シートを
乾燥する乾燥工程とを有する。
【0021】したがって、請求項5の発明の古紙再生材
の製造方法によれば、古紙を原料として抄造可能にフィ
ブリル化された再生パルプに、繊維くずを原料として単
繊維状又は小塊状に開繊された再使用繊維が混合され
る。これによって、両繊維成分が略均一に分散した状態
の繊維懸濁液が形成され、その後の抄造工程及び乾燥工
程を経て、低コストかつ容易に、目的とする古紙再生材
が得られる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態の古紙
再生材、及びその製造方法について説明する。本実施形
態の古紙再生材は、古紙を原料としてなる再生パルプ
と、繊維くずを開繊して得られる単繊維状又は小塊状の
再使用繊維とを混合してなる繊維懸濁液を、脱水して繊
維層を形成させ、次いで乾燥してなる古紙再生材であ
る。
【0023】再生パルプの原料としての古紙は、具体的
には、新聞、段ボール、雑誌、牛乳パック等、あらゆる
種類が使用可能である。したがって、繊維長が短く製紙
原料としては不適な雑誌類等や、表面がコーティング加
工された牛乳パック等でもよい。また、その形態は古紙
そのものでも、離解されたものでもよく、あるいは抄造
され衛生紙等に再製品化されたものでもよい。
【0024】再生パルプは、工業的には離解、除塵、脱
墨及び精選処理を行うことにより製造されているが、本
実施形態においても同様な処理によって調製される。な
お、脱墨処理を省略して古紙の色を残したまま用いるこ
とが可能である。この場合、処理に伴う廃液等が発生し
ないことから環境への影響が少なく、かつ、より低コス
トで製造することができる。
【0025】再使用繊維の原料となる繊維くずは、繊維
業者の製造、縫製工程から発生する端布等、及び一般家
庭を中心に排出される中古衣料品や古布等の、繊維系廃
棄物全般を指す。これらに細断等の機械的処理を加えて
開繊することによって、単繊維状又は小塊状の再使用繊
維とする。
【0026】なお、この再使用繊維は、獣毛繊維、特に
羊毛であることが好ましい。羊毛繊維は、側面をうろこ
状に覆うスケールと呼ばれる組織や、波状に縮れた捲縮
(クリンプ)と呼ばれる形状を有しており、弾力性や保
温性、及び縮絨(フェルト)性に優れている。羊毛を主
とする再使用繊維を用いた場合は、これらの特性が付与
されるとともに、暖かな風合いの良さや柔らかな質感が
備わった素材とすることができる。
【0027】本実施形態の古紙再生材では、再生パルプ
に混合された再使用繊維が補強材として機能し、実用上
十分な強度を備える。さらに、羊毛を主とする再使用繊
維を用いた場合は、羊毛繊維が捲縮して互いにからみ合
った状態で存在しており、古紙再生材の強度を一層高め
る役割を果たしている。
【0028】再生パルプ及び再使用繊維の両成分の混合
比率を変化させた場合、それに伴って古紙再生材の性質
も変化する。すなわち、再使用繊維の比率を多くするほ
ど、繊維の有する柔らかな質感により近づけることがで
きる。再使用繊維の混合比率は、本実施形態において
は、およそ10〜50重量%の範囲で調整する。この値
は特に限定的なものではないが、10重量%未満では上
述の強度向上の効果が得難く、50重量%より多くなる
と嵩高になって抄造が困難となる傾向がある。なお、羊
毛を主とする再使用繊維を用い、その混合比率をより大
きくすると、羊毛の有する縮絨性によってフェルトに近
い性状となり、弾力性や保温性、通気性等に特に優れた
素材とすることができる。さらに、紙の特徴を残してい
ることから、既存のフェルトと異なり表面に印刷を施す
ことも可能な素材となる。
【0029】また、古紙再生材の表面には、再使用繊維
による模様を形成させることができるとともに、この模
様を略任意に変化させることができる。具体的には、原
料古紙の種類や調製方法(脱墨や漂白の程度)による再
生パルプの色調の違い、再使用繊維の色調や開繊の程度
による形状(繊維の長さ、塊の大きさ)の違い、及び両
成分の混合比率や分散の程度、等の要素を様々に変化さ
せて調整することにより、用途や目的に応じた多様な古
紙再生材を得ることができる。なお、本実施形態におい
ては、再生パルプ及び再使用繊維のそれぞれの特徴を活
かして、脱墨や漂白等の処理を行わずにそのまま用いる
ことが好ましい。これにより、処理に伴う廃液等が発生
しないことから環境への影響が少なく、かつ、より低コ
ストで製造することができる。
【0030】本実施形態の古紙再生材は、例えば、1〜
2mm程度の厚さの板紙状に形成した場合には、表面の
模様や柔らかな質感等の装飾的特徴を活かした壁装材等
の用途に好適である。具体的には、例えば、壁紙として
の用途が考えられ、この場合、既存の表面加工技術によ
って素材自体の耐久性を高めることが可能であるため、
装飾性を主眼において形成させることができる。
【0031】一方、より厚みを増して1cm程度の厚さ
の板状とし、かつ、羊毛の混合比率を大きくしてフェル
ト状に形成した場合には、弾力性や保温性等の機能的特
徴を活かした梱包材や容器等の用途に好適である。特
に、既存の発泡スチロール製品の代替品として好適であ
り、具体的には、例えば、電気製品の台紙等としての梱
包材、及び即席カップ麺等の容器、等への用途が考えら
れる。すなわち、これらが使用後に廃棄される際に焼却
又は埋立処分される場合は、発泡スチロールと比べて環
境への負荷が著しく軽減される。
【0032】次に、本実施形態における古紙再生材の製
造方法を説明する。
【0033】スラリー形成工程では、抄造可能に調製し
た再生パルプに、単繊維状又は小塊状に形成した再使用
繊維が加えられて撹拌によって混合され、両繊維成分が
水に分散された繊維懸濁液が調製される。
【0034】スラリー形成工程で混合された繊維懸濁液
は、抄造工程で抄造され、脱水により湿シートとされ
る。抄造は手抄きでも機械抄きでもよく、工業的に機械
抄きを行う場合は、長網式や円網式等の広く用いられて
いる形式の抄紙機を任意に使用することができる。な
お、湿シートの厚さは適宜設定することができる。
【0035】抄造工程で繊維懸濁液を脱水してなる湿シ
ートは、乾燥工程で、所要温度で所要時間乾燥される。
乾燥は自然乾燥も可能であるが、乾燥機等で加熱乾燥す
ることで、乾燥時間を短縮させることができる。これに
より、内部の水分が蒸発して繊維間の結合が生成し、板
紙状又は板状の古紙再生材が完成する。
【0036】ところで、本実施形態の古紙再生材の製造
方法では、抄造工程において抄網上に形成された湿シー
トを、乾燥工程でそのまま乾燥させているが、抄造され
た湿シートは湿潤状態にあるので、これを成形させるこ
とも可能である。例えば、抄造工程と乾燥工程との間
に、湿シートを型材に押圧するプレス成形工程を行うこ
とによって、簡単かつ低コストで、破断を起こすことな
く所要形状に成形することができる。
【0037】また、本実施形態の古紙再生材の製造方法
では、スラリー形成工程において形成された繊維懸濁液
を、抄造工程において抄網上でシート状にしているが、
例えば、抄造工程に代えて、抄網で形成された成形型を
繊維懸濁液中に浸漬し、真空吸引することによって成形
型に所定の厚みの繊維層を形成させ、これを離型するモ
ールド成形工程を行ってもよい。これにより、簡単かつ
低コストで、古紙再生材を効率よく所要形状に成形する
ことができる。
【0038】
【実施例】(第1実施例)本実施例の古紙再生材は、新
聞紙、段ボール、牛乳パック又は再生紙100%の衛生
紙(トイレットペーパー)を原料として調製した再生パ
ルプと、羊毛製の糸くずを開繊して調製した再使用繊維
とからなる。本実施例の古紙再生材を調製する各材料組
成及び成分の詳細を下記表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】上記各材料及び組成により、以下の手順で
古紙再生材A〜Eを調製した。まず、原料古紙に水を加
えて膨潤させた。ここで、牛乳パックについては表面の
フィルムを剥がした。膨潤させた古紙を水とともにミキ
サーによって剪断し、これに単繊維状又は小塊状に開繊
した再使用繊維を加えてさらに撹拌し、略均一に分散さ
れた繊維懸濁液とした。この繊維懸濁液を竹ひごで編ん
だ簀(す)の上に展開して1〜2mmの厚さの湿シート
を形成させて脱水した。さらに、天日で数時間自然乾燥
することにより、板紙状の古紙再生材A〜Eが得られ
た。
【0041】古紙再生材A〜Eは、材料や組成の違いに
よって、様々に異なる模様や風合いを備えるものとなっ
た。古紙再生材Aは、新聞紙のグレー地に羊毛のブラッ
クの模様が散在し、あたかもコンクリート調の外観を呈
するものであった。また、古紙再生材Bは、段ボールの
薄いブラウン地に羊毛の濃いブラウンの模様が存在し、
あたかも土壁調の外観を呈するものであった。さらに、
古紙再生材C〜Eでは、白色度の高い再生パルプの存在
により、羊毛の色調や形状がより際立った模様となっ
た。なお、牛乳パックから調製した再生パルプは他に比
べてやや紙力に劣るが、古紙再生材Dのように羊毛の比
率をやや多くして抄造し、あるいは古紙再生材Eのよう
に新聞紙を混合して抄造することで、他と同等の強度と
することができた。以上のように、再生パルプの種類や
羊毛の色調、及び両成分の組成を変化させることによっ
て、独特な模様や風合いを備えた多様な古紙再生材A〜
Eを得ることができた。
【0042】(第2実施例)本実施例の古紙再生材は、
新聞紙を原料として調製した再生パルプ50重量%と、
羊毛製の糸くずを開繊して調製した再使用繊維(色:ゴ
ールド)50重量%とからなる。
【0043】上記各材料及び組成により、以下の手順で
古紙再生材を調製した。上記第1実施例と同様の手順で
調製した繊維懸濁液を金網上に展開して約1cmの厚さ
の湿シートを形成させ、これを圧搾して十分に脱水し
た。さらに天日で数時間乾燥することにより、フェルト
状の古紙再生材が得られた。
【0044】この古紙再生材は、柔らかな触感があって
弾力性に富み、暖かな風合いで保温性に優れるものであ
った。また、古紙再生材を構成するパルプ繊維や羊毛繊
維が解れて剥がれ落ちるようなことはなかった。さら
に、その外観も第1実施例の古紙再生材と同様に独特の
模様を有するものであった。
【0045】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明の古紙再
生材は、古紙及び繊維くずを原料とすることから、これ
ら再生資源の有効利用を図ることができる。また、短繊
維化して紙力の低下した再生パルプに再使用繊維を混合
することによって、その強度を向上させることができ
る。さらに、廃棄の際には次の新たな用途のために再利
用することができる。
【0046】請求項2の発明の古紙再生材は、請求項1
の古紙再生材の効果に加えて、 そのほとんどが天然素
材で構成されるため、廃棄の際は焼却及び埋立処分が可
能であり、環境に対する負荷が小さい。また、獣毛繊維
の有する弾力性や保温性等の機能性が付与されるととも
に、暖かな風合いの良さや柔らかな質感が備わる。
【0047】請求項3の発明の古紙再生材は、請求項2
の古紙再生材の効果に加えて、弾力性、保温性等の機能
性や、古紙再生材自体の強度を一層向上させることがで
きる。
【0048】請求項4の発明の古紙再生材は、請求項1
ないし3のいずれか1つ古紙再生材の効果に加え、原料
の種類や組成等を調整することによって、その模様を略
任意に変化させることができることから、印刷等の二次
加工を施すことなく、素材自体に装飾性を持たせること
ができる。また、脱墨や漂白等の処理を省略することが
可能なため、環境への影響が少なく、かつ、より低コス
トで製造することができる。
【0049】請求項5の発明の古紙再生材の製造方法
は、簡単かつ低コストで古紙再生材を生成することがで
きる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 古紙を原料としてなる再生パルプと、 繊維くずを開繊して得られる単繊維状又は小塊状の再使
    用繊維とを混合してなる繊維懸濁液を、脱水して繊維層
    を形成させ、次いで乾燥してなることを特徴とする古紙
    再生材。
  2. 【請求項2】 前記再使用繊維は、獣毛繊維を主成分と
    することを特徴とする請求項1に記載の古紙再生材。
  3. 【請求項3】 前記獣毛繊維は、羊毛であることを特徴
    とする請求項2に記載の古紙再生材。
  4. 【請求項4】 前記再生パルプと異なる色調を有する前
    記再使用繊維を含むことを特徴とする請求項1ないし3
    のいずれか1つに記載の古紙再生材。
  5. 【請求項5】 古紙を離解して抄造可能に調製した再生
    パルプに、繊維くずを開繊して単繊維状又は小塊状に形
    成した再使用繊維を混合して、繊維懸濁液を調製するス
    ラリー形成工程と、 前記繊維懸濁液を抄網上にて脱水して所定厚さの湿シー
    トを形成する抄造工程と、 前記湿シートを乾燥して古紙再生材とする乾燥工程とを
    有することを特徴とする古紙再生材の製造方法。
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