JPH09131179A - 動物細胞培養用添加剤 - Google Patents

動物細胞培養用添加剤

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JPH09131179A
JPH09131179A JP7317576A JP31757695A JPH09131179A JP H09131179 A JPH09131179 A JP H09131179A JP 7317576 A JP7317576 A JP 7317576A JP 31757695 A JP31757695 A JP 31757695A JP H09131179 A JPH09131179 A JP H09131179A
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JP
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additive
antibody
animal cell
medium
fcbs
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Uchinori Omoda
内記 面田
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COSMO SOGO KENKYUSHO KK
Cosmo Oil Co Ltd
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COSMO SOGO KENKYUSHO KK
Cosmo Oil Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 動物細胞、特に抗体産生ハイブリドーマの培
養に際しての、FCBSの使用量低減化、YLP使用に
おける共存物質の不要化、FCBS単独添加の場合に比
しての細胞増殖効果および目的有用産物産生効果の顕著
な促進、およびFCBSとYLPとを併用した場合に比
しての目的有用産物産生効果の顕著な促進、並びに目的
有用産物、特に抗体の単離精製の容易化を可能にする動
物細胞培養用添加剤の提供。 【解決手段】 卵黄リポタンパク質(YLP)とウシ胎
児または子ウシ血清(FCBS)中のIgGを除去した
血清成分(FCBS−G)とを組み合わせてなる動物細
胞培養用添加剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、動物細胞培養用添
加剤に関する。さらに詳しくは、動物細胞の培養のため
の基礎培地に添加して、動物細胞、特に抗体産生ハイブ
リドーマの増殖を促進し、また、動物細胞の産生する有
用物質、特に抗体の産生量を増大させることを目的とし
た動物細胞培養用添加剤に関する。
【0002】
【従来の技術】細胞融合技術を応用して作製されたモノ
クローナル抗体の産生を目的としたハイブリドーマの培
養、遺伝子組換え技術を応用して構築された組換え動物
細胞による有用物質の産生等のために、動物細胞の培養
に関して盛んに研究が進められている。これらの有用物
質の大量生産には、目的物質を産生する動物細胞の大量
培養が行われるが、これらの動物細胞を培養するために
は、アミノ酸、ビタミン、無機塩および糖類(例えば、
グルコース)から通常なる基礎培地に、通常、動物細胞
増殖因子を添加する必要がある。この動物細胞増殖因子
としては、通常、ウシ胎児血清または子ウシ血清が使用
される。ウシ胎児血清または子ウシ血清は、基礎培地
に、通常、10〜20容量%添加する(山下修二ら、組
織細胞化学 (1986) pp175−194 日本
組織細胞化学会編)。
【0003】ウシ胎児血清および子ウシ血清は、その供
給に制限があり、非常に高価であり、さらにロット差が
ある。さらに、ウシ胎児血清および子ウシ血清中の免疫
グロブリンは、動物細胞の培養により得ようとする目的
物質が抗体である場合には、それらの相互分離を困難に
するという問題点がある。そこで、ウシ胎児または子ウ
シ血清中から免疫グロブリン分画を除去したものがあ
り、市販されている。
【0004】また、卵黄リポタンパク質は公知の物質で
あり、動物細胞増殖作用を有することが報告されている
(岡崎祐一ら、日本農芸化学会、昭和61年度大会講演
要旨第600頁)。また、卵黄リポタンパク質を、ニワ
トリの卵黄から、塩析、ゲルろ過およびイオン交換クロ
マトグラフィーにより得ることができること、および無
血清培地あるいは血清培地に卵黄リポタンパク質を添加
することの有用性についても報告されている(Hiro
ki Murakami et al., Cytot
echnology 1:159−169(198
8))。ただし、卵黄リポタンパク質による動物細胞増
殖効果は、インシュリン、トランスフェリン、エタノー
ルアミン、およびセレン化合物(亜セレン酸ナトリウム
等)等の共存下に発揮される(Hiroki Mura
kami et al.,前出)。しかしながら、これ
らの共存物質の添加は、経済性、作業性の観点から問題
がある。なお、従来、卵黄リポタンパク質、またはウシ
胎児血清および卵黄リポタンパク質を添加剤として培地
に用いた例として、さらに特開昭63−216477、
特公平6−31320、特開昭61−63283、特開
平2−257892がある。
【0005】動物細胞による有用物質の大量生産の方法
として、高密度大量培養法があり、中でも動物細胞から
その産生する有用物質、特に抗体産生細胞から抗体を大
量に得るのに適した方法として、ホローファイバーを利
用したバイオリアクターを用いる方法がある。すなわ
ち、この方法では、一定のポアサイズ(通常、分子量1
万未満〜7万未満のタンパク質等は通過させるが、それ
より分子量の大なるタンパク質等は通過させない程度の
ポアサイズ)を有する内径1mm以下のホローファイバ
ーの内側と外側をそれぞれ基礎培地供給側および培養細
胞側として使用する。ホローファイバーの内側には基礎
培地を供給すると共に老廃物の除去を行い、外側では、
血清を含有した基礎培地中で細胞を培養し、その産生物
を回収する。細胞はもとより血清成分の多くはホローフ
ァイバーの膜を通過できず、目的産生物も、多くの場合
タンパク質であるので、膜を通過できないが、基礎培地
中の各成分は膜を通過する。なお、ホローファイバーの
ポアサイズに関しては、分子量1万〜7万の間の、ある
一定の分子量未満のタンパク質等を通過させるが、それ
より分子量の大なるタンパク質等は通過させないポアサ
イズを有するホローファイバーが市販されている。図1
に一般的なホローファイバー方式のバイオリアクターの
概略を示す。
【0006】卵黄リポタンパク質とホローファイバー方
式のバイオリアクターとを組み合わせて、動物細胞の高
密度大量培養を行うことも考えられるが、以下の問題が
ある。すなわち、ホローファイバーはポアサイズが1万
以上のものしか通常入手できないので、系に共存させる
インシュリン(分子量:5807)、エタノールアミ
ン、セレン化合物等は、ホローファイバー膜を自由に通
過できる。このため、これらの物質はホローファイバー
の内外いずれの培地に添加する場合でも、結局両方の培
地に添加するのと同じこととなり、結果的にこれらの物
質を大量に用いることが余儀なくされ、実用上、経済
性、作業性に問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、動物
細胞の培養に際し、非常に有効であるが、問題点の多い
ウシ胎児または子ウシ血清の使用量を極力減らすことを
可能にすると共に、卵黄リポタンパク質の上記問題点も
解決し、かつウシ胎児または子ウシ血清単独添加の場合
に比し、優るとも劣らない、通常より優れた、動物細胞
増殖効果および目的有用物質産生効果をもたらし、さら
には、ウシ胎児もしくは子ウシ血清と卵黄リポタンパク
質とを組み合わせて使用した場合に比べても、より優れ
た目的有用物質産生効果をもたらす、動物細胞、特に抗
体産生ハイブリドーマ培養用添加剤を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題は、卵黄リポタ
ンパク質(以下「YLPという」)とウシ胎児または子
ウシ血清中のIgGを除去した血清成分(以下「FCB
S−G」という)とを組み合わせてなる動物細胞培養用
添加剤によって解決された。すなわち、本発明の動物細
胞培養用添加剤を基礎培地に添加した培地を用いて、動
物細胞の培養を行うことによって、FCBS−Gの使用
量を極力減らすことが可能になるのはもとより、YLP
の使用に際し、必要とされる前記共存物質の添加が不要
となり、さらにウシ胎児または子ウシ血清(以下「FC
BS」という)単独添加の場合に比し、通常より優れ
た、動物細胞増殖効果および目的有用物質産生効果が達
成され、さらにはFCBSとYLPとを組み合わせて使
用した場合に比べても、より優れた目的有用物質、特に
抗体産生効果がもたらされる。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
動物細胞培養用添加剤の一方の必須成分であるYLPは
公知の物質で、ニワトリの卵黄から塩析、ゲルろ過およ
びイオン交換クロマトグラフィー等により得ることがで
きる。具体的には、例えばHiroki Muraka
miet al., Cytotechnology
1:159−169(1988)(前出)に記載された
方法により得ることができる。また、YLPはコスモバ
イオ(株)、フナコシ薬品(株)から市販されている。
なお、本発明の動物細胞培養用添加剤を、抗体産生ハイ
ブリドーマの培養に用いる場合には、産生抗体とYLP
中のIgGとの相互作用および分離が問題になるように
思われるが、ニワトリIgGについての以下の報告か
ら、これらの問題は生じない。すなわち、ニワトリIg
Gは哺乳動物由来のIgGとの反応性が非常に低く(H
adge,D.et al.,Mol.Immuno
l.,21,699−707,1984)、プロテイン
Aと結合せず(Guss,B.,etal.,EMBO
J.,5,1567−1575,1986)、さらに
哺乳動物血清の補体系を活性化せず、リューマチ因子と
も反応しない(Larsson,A.et al.,
J.Immunol.Mwthods,113,93−
99,1988)。したがって、ニワトリIgGはFC
BS−Gに対し、相互作用を及ぼさず、培養後の産生抗
体の単離精製において、プロテインAまたはプロテイン
Aとよく似ていて同様にニワトリIgGと結合性を示さ
ないと思われるプロテインGを用いるアフィニティーク
ロマトグラフィーにより、両者は簡単に分離できると解
される。
【0010】また、FCBSも公知の物質であり、例え
ば、コスモバイオ(株)等の製品を利用することができ
る。FCBS−Gも公知の物質で、FCBSから、例え
ば、実施例1に示したような方法で調製することがで
き、また、例えばギブコ社より市販されている。調製ま
たは購入したFCBS−Gは、必要に応じ、さらに凍結
乾燥処理等に付すことができる。
【0011】本発明の動物細胞培養用添加剤は、YLP
とFCBS−Gとの混合物もしくはYLPおよびFCB
S−Gを含有する組成物の形態(以下、単一形態とい
う)であっても良いし、YLP単独もしくはこれを含有
する組成物とFCBS−G単独もしくはこれを含有する
組成物とが空間的には離れているが、1つにセットされ
た形態(以下、キット形態という)であっても良い。い
ずれにせよ組成物は、通常の増量剤・希釈剤(基礎培
地、生理食塩水等)、保存剤・雑菌生成抑制剤(チメロ
サール、ストレプトマイシン、ペニシリン等)等を含有
することができ、また基礎培地を補う成分(タンパク
質、ホルモン、ビタミン、アミノ酸、有機酸、糖類、重
金属等)や他の動物細胞増殖因子等を含有することもで
きる。
【0012】単一形態の動物細胞培養用添加剤の場合、
含有させるYLPとFCBS−Gの相互比率およびYL
PおよびFCBS−Gの合計量は、後述の本発明添加剤
の基礎培地に対する添加量を可能にする限り、特に限定
されない。また、キット形態の動物細胞培養用添加剤の
場合、YLP単独もしくはこれを含有する組成物中のY
LPの量、およびFCBS−G単独もしくはこれを含有
する組成物中のFCBS−Gの量は、後述の本発明添加
剤の基礎培地に対する添加量を可能にする限り、特に限
定されない。
【0013】本発明の動物細胞培養用添加剤は、これを
一般の動物細胞培養用基礎培地に添加して、動物細胞培
養に供することができる。上記基礎培地としては、特に
限定はなく、公知の各種のものをいずれも使用できる。
その具体例としては、RPMI1640培地、MEM培
地、ダルベッコ改変MEM培地等が挙げられる。本発明
添加剤の上記基礎培地に対する添加量は、添加後の培地
を使用して本発明の効果を達成できる限り、特に限定さ
れないが、通常、YLPが、最終濃度として、10〜3
00μgタンパク/ml、特に50〜150μgタンパ
ク/ml、FCBS−Gが、最終濃度として、固形分と
して、130〜1500μg/ml、特に400〜80
0μg/mlとなるような添加量が好ましい。
【0014】本発明添加剤を添加した培地を用いて培養
できる動物細胞については、特に制限はなく、付着性細
胞でも、浮遊性細胞でもよく、またすでに株化された細
胞でも、新鮮な悪性腫瘍細胞や正常細胞でもよく、いず
れの細胞でも本発明添加剤を添加した培地での培養によ
り、良好な増殖が達成され、また一般に目的産生物質の
高収量が達せられる。しかしながら、本発明添加剤を添
加した培地を用いて培養できる動物細胞のうち、もっと
も好適なものは抗体産生ハイブリドーマであり、該培地
での培養により、該ハイブリドーマの良好な増殖のみな
らず、一般に抗体の産生が顕著に促進される。
【0015】本発明添加剤を添加した動物細胞培養用培
地を用いて動物細胞を培養する方法は、従来の動物細胞
の培養方法と特に異なるところはなく、培養すべき細胞
の増殖に適した適当なpHおよび温度条件下に、通常p
H6〜8および温度約37℃前後で培養を行えばよい。
さらに具体的には、通常、例えば、5容量%CO2−9
5容量%空気の雰囲気下で、上記pHおよび温度条件
下、1〜5日程度培養する。本発明添加剤を添加した動
物細胞培養用培地は、上記したごとく、従来の動物細胞
の培養方法における培地と同様に用いることができる
が、ホローファイバーを利用したバイオリアクターを用
いる動物細胞、特に抗体産生細胞の培養に特に適してい
る。
【0016】本発明添加剤を添加した動物細胞培養用培
地を使用して、動物細胞の培養を行った後、培養物から
の目的産生物の単離精製は、通常の方法と同様にして行
うことができる。動物細胞が抗体産生細胞の場合には、
培養物から細胞を除去後、プロテインGやプロテインA
を用いるアフィニティークロマトグラフィーあるいはイ
オン交換クロマトグラフィーに付すことにより、目的抗
体を、YLP、FCBS−G、他のタンパク質等から分
離できる。
【0017】
【実施例】以下、試験例により、本発明の効果を具体的
に例示説明する。 試験例 本発明添加剤の、抗体産生マウスハイブリドーマについ
ての、細胞増殖効果および抗体産生促進効果を調べた。 (1)抗体産生マウスハイブリドーマ マウスミエローマ樹立株SP2/0−Ag14とヒト・
リポプロテイン(a)により免疫されたマウス(BAL
B/C)脾細胞とを融合させて得られた抗ヒト・リポプ
ロテイン(a)モノクローナル抗体産生細胞(マウスハ
イブリドーマ)AおよびBを用いた。免疫、細胞融合
(ポリエチレングリコール法)およびクローニングは常
法により行った。これらのハイブリドーマは自社の研究
室で確立されたものである。さらに、Bのハイブリドー
マは工業技術院生命工学工業技術研究所に寄託番号FE
RM P−14145として寄託されている。
【0018】(2)試験物質 YLPとしてはコスモバイオ社から販売のYLPを使用
した。FCBS−Gとしてはウシ胎児血清(以下、FB
Sという)(コスモバイオ社製)から以下のようにして
調製したIgG除去血清成分(以下、FBS−Gとい
う)を使用した。FBSは、予め56℃で非働化後0.
22μmのフィルターでろ過処理した後、以下の処理に
供した。カラム(18mm×50mm)に18mlのプ
ロテイン−G(ファルマシア(株))を充填し、結合バ
ッファー(0.02Mリン酸バッファー pH7.0)
で平衡化後、100mlのFBSを1ml/minの流
速で通過させ、少量の結合バッファーで洗い流し回収し
た。ただし、FBS−Gとしての採取画分は、280n
mの吸光度で1.6以上のものとした。さらに結合バッ
ファーで完全に洗い流し、溶出バッファー(0.1M
グリシン−塩酸 pH2.7)によりウシIgGを溶出
した。ここで使用した全てのバッファーは、FBS−G
を細胞培養に供する目的のため、アジ化ナトリウム等の
防腐剤を含まないものであった。再度、採取画分をプロ
テイン−Gに通過させウシIgGを完全に除去した(上
記と同様に吸光度により確認)。プロテイン−Gにより
除去されたウシIgGは13mgであった。得られたF
BS−Gは、クリーンベンチ内で0.22μmのフィル
ターにより、ろ過滅菌後以下の使用に供した。
【0019】(3)測定用培地 測定用培地としては、基礎培地ダルベッコ改変MEM培
地(JRH BIOSCIENCES社、Code N
o.JRH56499)に、培養前最終濃度として、Y
LPが100μg/ml、FBS−Gが表1に示す各濃
度になるように基礎培地に添加した培地を用いた。ま
た、比較目的のため上記でFBS−Gに代えFBSを用
いた培地も使用した。
【0020】(4)実験方法 抗体産生マウスハイブリドーマを、5×104個/ml
の細胞密度で、24ウェル培養プレート上の上記各測定
用培地に接種し、5%容量CO2−95%容量空気の雰
囲気下、37℃で4日間培養した後、通常の血球計算盤
で細胞数をカウントし、抗体量はプロテインGによる精
製抗体を標準とし、通常の酵素抗体法[酵素標識二次抗
体として西洋ワサビペルオキシダーゼ標識抗マウスIg
G(G+L)、発色剤として0−フェニレンジアミンを
用いるELISA法]で定量した。細胞除去液中の抗体
量はIgGの培地中における濃度(μg/ml)で表示
した。結果を表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】表1に示すごとく、通常の細胞培養に用い
られる10%FBS添加培地を使用した場合に比べ、Y
LPと2.5%FBSを添加した培地を使用した場合に
は、ハイブリドーマA、B共、細胞増殖で25%の上昇
を認めた。さらに、細胞産生物(モノクローナル抗体:
IgG)については、10%FBS添加培地による産生
能に比し、YLPと2.5%FBS−Gを添加した培地
による産生能で、ハイブリドーマAでは20%、ハイブ
リドーマAでは19%の上昇を認めた。さらに、FBS
−GとYLPを添加した場合には、FBSとYLPを添
加した場合に比し、顕著に優れたモノクローナル抗体産
生能が発揮された。別の角度から言うと、FBS−G濃
度を低く抑えることにより細胞増殖因子ひいては抗体産
生能上昇因子として添加するYLPの効果を高めること
ができた。
【0023】
【発明の効果】本発明の動物細胞培養用添加剤を添加し
た培地を用いて、動物細胞の培養を行う場合には、FC
BSの使用量を極力減らすことが可能になると共に、Y
LP使用の場合に必要とされるトランスフェリン、イン
シュリン等の共存物質の添加が不要となり、さらに、F
CBS単独添加の場合に比し、優れた細胞増殖効果およ
び目的有用物質産生効果を達成することができ、さらに
特筆すべきこととして、FCBSとYLPを添加した場
合に比しても、目的有用物質、特に抗体の産生量を顕著
に増大させることができる。なお、別の角度から見る
と、培養時間を短縮し、高密度細胞培養を行うことがで
きる。さらに、本発明添加剤を添加した培地を用いて、
ホローファイバー方式のバイオリアクターで動物細胞の
培養を行う場合には、上記利点に加え、FCBS−Gお
よびYLPを、図1に書き加えたごとく、ホローファイ
バーの外側にのみ供給すればよいので、FCBS−Gお
よびYLPを無駄にせず、それらの使用量を倹約するこ
とができる。ちなみにFCBS−GおよびYLPともホ
ローファイバーの膜を通過しない。
【0024】さらに、本発明の動物細胞培養用添加剤を
添加した培地は、通常のFCBS単独添加の場合に比
し、タンパク質含量が少ないので、通常タンパク質であ
ることが多い目的生産物の単離精製が容易になる。特
に、培養する動物細胞が抗体産生ハイブリドーマである
場合には、プロテインGまたはプロテインAのカラムを
通すことにより、極めて容易に目的モノクローナル抗体
を単離精製できる。上記のごとく、本発明の動物細胞培
養用添加剤は、動物細胞、殊に抗体産生ハイブリドーマ
の培養、特にホローファイバー方式のバイオリアクター
での大量培養に際し、および培養後の目的産物、特に抗
体の単離精製に際し、極めて大なる実用上のメリットを
もたらすものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的なホローファイバー方式のバイオリアク
ターの概略を示す。参考に、本発明添加剤とホローファ
イバー方式とを組み合わせた場合の、本発明添加剤の必
須成分FCBS−GおよびYLPの流れも併せ示す。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 卵黄リポタンパク質とウシ胎児または子
    ウシ血清中のIgGを除去した血清成分とを組み合わせ
    てなる動物細胞培養用添加剤。
  2. 【請求項2】 卵黄リポタンパク質と該血清成分を含有
    することを特徴とする請求項1記載の動物細胞培養用添
    加剤。
JP7317576A 1995-11-10 1995-11-10 動物細胞培養用添加剤 Pending JPH09131179A (ja)

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