JPH09131127A - 緑化用構築物及びその施工方法 - Google Patents

緑化用構築物及びその施工方法

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JPH09131127A
JPH09131127A JP7317137A JP31713795A JPH09131127A JP H09131127 A JPH09131127 A JP H09131127A JP 7317137 A JP7317137 A JP 7317137A JP 31713795 A JP31713795 A JP 31713795A JP H09131127 A JPH09131127 A JP H09131127A
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water
solid
soil
block
greening
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Application number
JP7317137A
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English (en)
Inventor
Makoto Katagiri
誠 片桐
Akiyoshi Shinohara
明義 篠原
Akihiko Karasawa
明彦 唐沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Chichibu Onoda Cement Corp
Original Assignee
Chichibu Onoda Cement Corp
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Publication date
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  • Cultivation Of Plants (AREA)
  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 固形成分の流出のない緑化用構築物及びその
経済性、作業性に優れた施工方法を提供する。 【課題の解決手段】 連通する孔を有するブロック状の
材料を、設置面との間に固液分離物を介在させて設置し
た後、該孔内を土壌、水などからなる植生基材で満た
す。若しくは前記ブロック状の材料を設置面に直接設置
する前、又は設置した後に、該ブロック状の材料の下部
孔内に固液分離物を充填し、その上部の孔内を前記植生
基材で満たす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、植物によって景観
緑化を行う為の、地盤、路盤、路面、建造物などの設置
面に設置する緑化用構築物及びその施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】地盤、路盤、路面、或いは建造物などの
設置箇所に植生用の基盤などを設置し、該基盤に植生を
行うことによって景観緑化が行われている。植生用の基
盤としては、例えばブロック状の多孔質コンクリートな
どの空隙率が高く、連続した開口空隙を有するような多
孔質材が用いられており、また、このような植生基盤に
土壌や保水材料などの植物生育にとって必要とされる有
効な成分に、予め播種する場合は植物種子を加えて混合
させた植生基材を充填させることで植生を得ることが知
られている。
【0003】このような、多孔質コンクリート製ブロッ
クの植生用基盤に於いては、植生基材を該ブロックの空
隙細部まで満遍なく充填させたものでないと、充填物内
部に容易に空隙が生じ、また充填物が該ブロック深部に
陥没することがあり、植物種子が適正な播種深さになら
なかったり、植物生育にとって必要とされる成分が種子
や根の周囲に十分存在しないことが生じ、その結果、良
好な植物生育が見られないことがある。この為、植生基
材を該ブロックの空隙細部まで満遍なく充填する方法と
して、種子を除く植生基材を十分に乾燥させた後、凝集
塊や粗大物が含まれる可能性がある場合、この乾燥物を
粉砕し、これに必要に応じ種子などを混合したものを充
填率を高める為に振動を加えながら充填する乾式充填方
法や、水分を加えて泥漿状の植生基材としたものを充填
する湿式充填方法が検討されてきた。
【0004】しかし、乾式充填方法では、植生基材の乾
燥工程や振動工程が加わり、更にそれに伴う設備も必要
となり、生産性や経済性が劣る他、多孔質ブロックを敷
設後に前記のような充填性を高める充填ができないなど
の施工上の制約があった。一方、湿式充填方法では、多
孔質ブロックを設置面に敷設後であっても該ブロックに
植生基材の充填を極めて容易に行うことができ、その充
填性も高く、また植生基材の乾燥工程なども必要としな
い為、施工効率や施工費用などの経済性では乾式充填方
法より優れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、設置面に多
孔質ブロック等の植生用基盤を設置した後に水を加えた
植生成分からなる泥漿状混合物としての植生基材を用い
て該基盤に充填した場合、該基盤下の地面に泥漿状の植
生基材が浸透し、植物生育に必要な成分が失われ易い。
また、外部に浸透させずに、充填後の自然乾燥のみに水
分量の調整を委ねることになると、泥漿状の植生基材そ
のものは概して植物生育にとって過剰な含水状態となる
ものを用いる為、設置場所の立地条件や天候、気候など
によっては水分過多の状態が長期間続き根腐れ等が発生
することがある。更に、急速に乾燥が進行した場合など
では植生基材表面が罅が見られたり、植生基材内や該ブ
ロック内に再び空隙が生じるなど、充填時から時間が経
過すると必ずしも該ブロックは植生基材が十分満たされ
たものとはならないことも多々見られる。その結果、経
済性及び作業効率にすぐれた施工方法であっても必ずし
も安定した植物生育が見らるものを得ることができなか
った。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、植生にとって過剰水分
となるような泥漿状の植生基材を用いる際、水分と固形
物よりなる混合物を固液分離可能な固液分離物を用いる
ことにより、水分以外の植生基材固形分を流失すること
なく植生用の基盤内に留め、水分のみを選択的に基盤外
へ徐々に放出できることが分かり、この固液分離物を植
生基材と地盤、路盤、路面、或いは建造物などの設置面
との間に介在させたものとなるように該基盤内或いは基
盤外に設けることにより、優れた植物生育状況を示す緑
化用構築物となり、かつその施工も特別の装置、設備等
を用いることなく極めて容易に行うことができるものと
なった。
【0007】即ち、この発明は、連通する孔を有するブ
ロック状の材料を、設置面との間に固液分離物を介在さ
せて、連通する孔の開口端が少なくとも該材料の上下面
に存在するように、設置してなるものであって、該材料
の孔が水と土壌との混合物、若しくは肥料、保水性材
料、土壌安定剤、種子、分散剤の何れか1種又は2種以
上と水と土壌との混合物からなる植生基材で満たされて
いることを特徴とする緑化用構築物である。
【0008】連通する孔を有するブロック状の材料を、
連通する孔の孔端が少なくとも該材料の上下面に存在す
るように、設置面に設置してなるものであって、該ブロ
ック状の材料の下部の孔に固液分離物が、孔内の該固液
分離物の上部に、水と土壌との混合物、若しくは肥料、
保水性材料、土壌安定剤、種子、分散剤、の何れか1種
又は2種以上と水と土壌との混合物からなる植生基材が
満たされていることを特徴とする緑化用構築物である。
【0009】また、この発明は前記何れかの緑化用構築
物に於いて、固液分離物が、平均粒度0.5mm以下の
砂、又は平均粒度0.5mm以下のガラスの何れか1種
以上からなる集合体である緑化用構築物である。
【0010】また、この発明は前記何れかの緑化用構築
物に於いて、固液分離物が、非水溶性かつ透水性の紙、
又は非水溶性かつ透水性の布である緑化用構築物であ
る。
【0011】また、この発明は前記何れかの緑化用構築
物に於いて、固液分離物が、ガラス繊維の集合塊である
緑化用構築物である。
【0012】また、この発明は前記何れかの緑化用構築
物に於いて、連通する孔を有するブロック状の材料が、
多孔質コンクリ−トブロックである緑化用構築物であ
る。
【0013】またこの発明は、設置面との間に固液分離
物を介在させて連通する孔を有するブロック状の材料
を、連通する孔の開口端が該材料の少なくとも上下面に
存在するように設置し、水と土壌からなる混合物、若し
くは肥料、保水性材料、土壌安定剤、種子、分散剤の何
れか1種又は2種以上と水と土壌からなる混合物からな
る植生基材で該孔を満たすことを特徴とする緑化用構築
物の施工方法である。
【0014】またこの発明は、設置面上に連通する孔を
有するブロック状の材料を、連通する孔の開口端が該材
料の少なくとも上下面に存在するように設置して該ブロ
ック状の材料の下部の孔に固液分離物を下面の開口端か
らの高さが約2〜20mmの位置まで満たし、或いは予
め固液分離物を連通する孔の開口端が存在する一つの面
の全ての開口端から約2〜20mmの位置まで孔を充填
した後この固液分離物を充填した開口端が存在する面を
下面にかつ未充填の開口端が存在する面を上面になるよ
うに設置し、固液分離物より上部の孔内を水と土壌から
なる混合物、若しくは肥料、保水性材料、土壌安定剤、
種子、分散剤の何れか1種又は2種以上と水と土壌から
なる混合物からなる植生基材で満たすことを特徴とする
緑化用構築物の施工方法である。
【0015】また、この発明は前記何れかの緑化用構築
物の施工方法に於いて、固液分離物が、平均粒度0.5
mm以下の砂、又は平均粒度0.5mm以下のガラスの
何れか1種以上からなる集合体である緑化用構築物の施
工方法である。
【0016】また、この発明は前記何れかの緑化用構築
物の施工方法に於いて、固液分離物が非水溶性かつ透水
性の紙、又は非水溶性かつ透水性の布である緑化用構築
物の施工方法である。
【0017】また、この発明は前記何れかの緑化用構築
物の施工方法に於いて、固液分離物が、ガラス繊維の集
合塊である緑化用構築物の施工方法である。
【0018】また、この発明は前記何れかの緑化用構築
物の施工方法に於いて、連通する孔を有するブロック状
の材料が、多孔質コンクリ−トブロックである緑化用構
築物の施工方法である。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明における連通する孔を有す
るブロック状の材料とは、形状が直方体や立方体或いは
多角柱などの方形状の材料であって、かつ芝を始めとす
る草植物などの種子を収納可能な大きさの一方の面から
別の面に通じる開口性の連続空隙たる孔を有するもので
ある。このような材料の材質としては、例えば、コンク
リート、セラミックス、煉瓦、陶磁器、合成樹脂などを
挙げることができる。また、このような連通する孔を有
するブロック状の材料のうち、耐久性、形状自由度、及
び経済的観点からは多孔質コンクリ−トが好ましい。多
孔質コンクリ−トの場合、空隙率が概ね25%以上のも
のが植物種子を収納可能な連通するの孔を有し易く、更
に望ましくは空隙率30〜35%のものが植生基材充填
作業性や材料強度等の点でも十分実用に耐え得るので特
に推奨できる。また、本発明ではブロック状の材料が有
する孔の数は1以上であれば特に限定されず、その形状
寸法も設置面に設置されたときの該材料の高さが、植生
として用いる植物種子の最適播種深さ以上の値であっ
て、種子が収納可能な大きさの孔を有するものであれ
ば、他の部位の寸法も含め特に限定されない。
【0020】本発明における固液分離物としては、固体
と液体からなる混合物から特別の操作等無くして液体の
みが物理的に通過できるものであって、該液体と化学反
応を殆ど起こさないようなものであれば良い。そのよう
な固液分離物としては、砂、ガラス、セラミックス、合
成樹脂などの小粒子からなる集合体、または紙、樹脂シ
ート、ガラス繊維などの膜状、又は繊維状物質であれば
良い。このような固液分離物のうち、好ましくは平均粒
度0.5mm以下の砂、又は平均粒度0.5mm以下の
ガラスの何れか1種以上からなる集合体とする。このよ
うな砂としては沸石類や粘土鉱物を用いると、土壌の保
肥能力が高くなり、植物の生育が良好となるので望まし
い。また固液分離物として、好ましくは非水溶性かつ透
水性の紙、又は非水溶性かつ透水性の布とする。このよ
うな紙、又は布としては例えば濾紙、不織布などを用い
ることができる。また固液分離物として、好ましくはガ
ラス繊維の集合塊とする。
【0021】本発明における植生基材とは、植物生育に
必要な成分を主体とするもので、少なくとも水と土壌と
の混合物からなり、これに肥料、保水性材料、土壌安定
剤、種子、分散剤の何れか1種又は2種以上が混合され
たものであっても良い。このうち、土壌としては植物生
育が可能なものであれば何れのものでも良いが、例えば
芝などの草植物の植生に適するものとしては、赤土、赤
玉土、黒土、鹿沼土等を挙げることができる。また水は
植物生育にとって不可欠なものであると共に、湿式、即
ち含水による泥漿状の植生基材を用いる上で必要とな
る。
【0022】必要に応じ植生基材中に包含される成分の
うち、保水性材料とは水分保持力を有する材料で、例え
ばパーライト、バーミキュライト、ピートモスなどを挙
げることができる。また土壌安定剤としては、例えば雨
水や風による基材の流出や飛散を防ぐ為に粘着機能を植
生基材に付与するものなどがあり、そのようなものとし
て酢酸ビニル、解繊パルプ等を主成分とする市販品を用
いることができる。また種子としては草植物の種子が望
ましく、例えばバミューダグラス、ウィーピングラブグ
ラス、バッファローグラス、クリーピングベントグラ
ス、チューイングフェスク、トールフェスク、ペレニア
ルライグラス、イタリアンライグラス、白クローバ、バ
ーズフットトレフォイルなどが良い。また、肥料として
は、用いる土壌や植物の種類及び設置場所の環境等に応
じて、適宜選択したものであれば一般に市販されている
何れの植物用肥料でも良い。更に分散剤としては直接植
物生育に関係した成分では無いが、特に湿式の植生基材
を用いる場合、各成分が均一に混合された状態の植生基
材を得る為には有用である。そのような分散剤としては
例えばフミン酸やその化合物を挙げることができる。
【0023】本発明の緑化用構築物は、前記ブロック状
の材料を地盤、路盤、路面、建造物などの設置面に、直
接接触することなく、前記固液分離物を介して、かつブ
ロック状の材料の連通する孔の開口端が該材料の少なく
とも上下面に存在するものとなるように、設置してなる
ものであって、該ブロック状の材料の連通する孔に前記
植生基材がブロック状の材料上部面又はその近傍まで十
分満たされてたものである。
【0024】また本発明の緑化用構築物は、前記ブロッ
ク状の材料が、連通する孔の開口端が該材料の少なくと
も上下面に存在するものとなるように、地盤、路盤、路
面、建造物などの設置面に直接接触して設置されてなる
ものであって、該ブロック状の材料の連通する孔に、ブ
ロック状の材料下面から例えば2〜20mm程度の高さ
付近の位置まで前記固液分離物が、その上部に前記植生
基材がブロック状の材料の上部面又はその近傍まで十分
満たされたものである。
【0025】本発明に於いて施工時に用いる植生基材
は、泥漿状の含水混合物としての形態を示す湿式の植生
基材が好適である。この湿式の植生基材の製造方法は、
水及び土壌の他、必要に応じ肥料、保水性材料、土壌安
定剤、種子及び分散剤などを適宜加え、これをハンドミ
キサーや混練機などで混合し、泥漿状の含水混合物であ
る湿式の植生基材を作製する。ここで、望ましくは植生
基材中における含水量を50〜75%にすると良好な流
動性を有し易くなるので良い。また分散剤を併用する場
合は、一般にこれよりも低い含水量としても十分良好な
流動性、分散性を有することができる。
【0026】本発明の緑化用構築物の施工方法は、地
盤、路盤、路面、建造物などの設置面に前記固液分離物
を敷設し、その敷設された固液分離物上に前記ブロック
状の材料を、連通する孔の開口端が該材料の少なくとも
上下面に存在するように設置する。ここで設置面は概ね
平坦な面であれば良く、その上に敷設する固液分離物
は、砂、ガラスなどの小粒子を用いる場合は厚さがおよ
そ2〜20mm程度の厚さに積層させ、また濾紙、不織
紙などの非水溶性かつ透水性の紙などを用いる場合は1
枚又は複数枚重ねてその厚さは特に限定する必要が無
く、何れの場合も前記ブロック状の材料の設置される面
と同じ寸法かそれ以上の広さの面となるように設置面上
に敷設する。また、固液分離物は2種以上のもの、例え
ばガラス粒子と濾紙などを併用して同時に用いることも
できる。このように、設置面に敷設された固液分離物上
に前記ブロック状の材料、例えば多孔質コンクリ−トブ
ロックを設置する。尚、設置面が傾斜地の場合は、該ブ
ロック状の材料をアンカーなどで設置面に固定しても良
い。
【0027】次いで該ブロック状の材料の連通する孔に
前記湿式の植生基材を入れる。設置された前記ブロック
状の材料に植生基材を入れる方法はブロック状の材料上
部より前記方法により作製した湿式の植生基材を流し込
むことで該ブロック状の材料の連通する孔を隅々まで十
分かつ速やかに満たすことができる。尚、種子について
は本発明の緑化用構築物完成後に播種することもでき
る。また、緑化用構築物完成後に種子を播種するかわり
に苗を植え込んでもよい。
【0028】また、本発明の緑化用構築物の施工方法と
しては、地盤、路盤、路面、建造物などの設置面に直接
前記ブロック状の材料を、連通する孔の開口端が該材料
の少なくとも上下面に存在するように設置し、次いで所
定量の前記固液分離物を該ブロック状の材料の下部の孔
に該材料の下面からの高さがおよそ2〜20mm程度の
位置まで満たされたものとなるように該ブロック状の材
料の上部より流し込む。尚、この高さは設置面が殆ど凹
凸がない場合は設置面からの高さとしてもよい。また、
固液分離物が小粒子ではなく、シート状或いは特に繊維
状のもの、好ましくはガラス繊維の集合塊とし、該集合
塊を用いる際はこれを事前にブロック状の材料の連通す
る孔の開口端が存在する少なくとも一面に該開口端から
およそ2〜20mm程度の孔内まで押し込むように充填
し、かつ少なくともこの面の対角面の開口端には充填せ
ずに、この未充填の開口端が存在する面を上にし、該集
合塊を充填した開口端が存在する面を下にして設置面に
設置することもできる。次いでこの固液分離物が充填さ
れたブロック状の材料にその上面より前記方法により作
製した湿式の植生基材を流し込むことで該ブロック状の
材料の連通する孔を隅々まで十分かつ速やかに満たすこ
とができる。このような方法は連通する孔の径が比較的
小さいもの、例えば直径約1cm以下のものに適し、ま
た、比較的平坦でない面に設置する場合に適する。尚、
種子については本発明の緑化用構築物完成後に播種する
こともできる。また、緑化用構築物完成後に種子を播種
するかわりに苗を植え込んでもよい。
【0029】以上、本発明の何れの緑化用構築物の施工
方法に於いても、前記ブロック状の材料を設置面に設置
した際に、該材料の連通する孔の開口端の一部が側面に
も存在するものであって、かつその側面の開口端から植
生基材が直接漏れ出る可能性がある場合は、不透水性の
材料、例えばビニールシート、ガムテープ、油紙、硫酸
紙、パラフィン紙、合成樹脂板等、または前記の固液分
離物のうち特に濾紙、不織布などのシート状の材料でブ
ロック状の材料の開口端が存在する側面を十分覆うのが
望ましいが、複数個の該材料を互いに密着させて設置す
る場合は個々の側面を覆う必要が無く、その集合物の最
外周側面のみ覆えば良い。これらの側面覆い材は、満た
された植生基材が比較的乾燥した段階で取り外すことも
できる。
【0030】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳しく説明す
る。 [実施例1] 粒度が5mm以下の砕砂からなる縦5
m、横70cmの比較的平坦な路盤面に、表1に示す固
液分離物をそれぞれ縦約22cm、横約12cm、高さ
は各固液分離物により表1に記した値となるように敷設
した。次いで各固液分離物上に縦約20cm、横約10
cm、高さ約8cmの直方体形状の表1に示す材質、性
状からなる連通する孔を有する材料を、何れも連通する
孔の開口端が該直方体形材料の少なくとも上下面に存在
するように設置した。
【0031】
【表1】
【0032】一方、植生基材として、市販の黒土25k
gとパーライト(三井金属株式会社製)2kgに水27
kgを加えてポリ容器中でハンドミキサーを用いて約3
分間撹拌混合した後、ペレニアルライグラスの種子を8
0g添加し更に1分間混合し、種子を含む泥漿状の植生
基材を得た。この泥漿状の植生基材を前記の設置された
連通する孔を有する材料の各々に、該材料の上端面から
徐々に流し込み、流し込まれた泥漿状の植生基材の上面
が該材料の上面まで達するまでこの作業を続行し、緑化
用構築物(本発明品1〜5)を得た。尚、本発明品1、
2、及び4については予め直方体形状材料の側面を不透
水性のガムテープで覆ってから植生基材を流し込んだ。
作業終了後約24時間を経た後、この植生基材で満たさ
れた連通する孔を有する各材料を切断して内部の充填状
態を観察したところ、未充填の部分は細部に至るまで殆
ど認められず、良好な充填状態であった。また、敷設さ
れた各固液分離物を取り除き、設置面を調べたところ、
何れの設置面も水以外の植生基材成分が浸透した形跡は
見られなかった。また、前記同様の緑化用構築物(本発
明品1〜5に相当)をそれぞれ前記と同じ方法で作製し
た後、これを切断することなく、平均気温約16℃の屋
外自然環境下のもと、適度の散水を行い続けたとろ、ペ
レニアルライグラスは何れも4日後に発芽の開始が見ら
れ、その発芽率(各平均約60〜70%)も優れてい
た。その後も良好な生育を示し、植生基材充填から28
日後の草丈は何れも平均約10cm以上となった。
【0033】[実施例2] 縦約20cm、横約10c
m、高さ約8cmの直方体形状の表2に示す材質、性状
からなる連通する孔を有する材料を平坦なアンツーカー
製の路面上、何れも連通する孔の開口端が該直方体形材
料の少なくとも上下面に存在するように設置し、該材料
中に表2に記す固液分離物を設置面から概ね6mm〜2
0mm程度の高さ(表2に詳細記載)の位置まで満たさ
れるように該材料上面から投入した。
【0034】
【表2】
【0035】一方、植生基材として、市販の黒土25k
gとパーライト(三井金属株式会社製)2kg、肥料と
して苦土重焼燐(小野田化学工業株式会社製)30g、
土壌安定剤としてエスフィックス(積水化学工業株式会
社製)0.1kg、分散剤としてフミン酸アンモニウム
(株式会社テルナイト製)1.1kgに水27kgを加
えてポリ容器中でハンドミキサーを用いて約3分間撹拌
混合した後、ペレニアルライグラスの種子を80g添加
して更に1分間混合し、種子を含む泥漿状の植生基材を
得た。この植生基材を前記の設置された連通する孔を有
する材料の各々に、該材料の上端面から徐々に流し込
み、流し込まれた泥漿状の植生基材の上面が該材料の上
面まで達するまでこの作業を続行し、緑化用構築物(本
発明品6〜8)を得た。尚、本発明品6及び7について
は予め直方体形材料の側面を不透水性のガムテープで覆
ってから植生基材を流し込んだ。作業終了後約24時間
を経た後、この植生基材で満たされた連通する孔を有す
る各材料を切断して内部の充填状態を観察したところ、
未充填の部分は細部に至るまで殆ど認められず、良好な
充填状態であった。また、設置面を調べたところ、何れ
の設置面も液体以外の植生基材成分が浸透した形跡は見
られなかった。また、前記同様の緑化用構築物(本発明
品6〜8に相当)をそれぞれ前記と同じ方法で作製した
後、これを切断することなく、何れも平均気温約16℃
の屋外自然環境下のもと、適度の散水を行い続けたと
ろ、ペレニアルライグラスは何れも4日後に発芽の開始
が見られ、その発芽率(各平均約50〜65%)も優れ
ていた。その後も良好な生育を示し、植生基材充填から
28日後の草丈は何れも平均10cm以上となった。
【0036】[実施例3] 平行で互いに交わることが
なく、一方の面から対角面に貫通する直径約0.5cm
の円筒形の孔を20個有する縦約20cm、横約10c
m、高さ約8cmの直方体形状の材料の一方の面のみの
全ての孔の開口端に、この開口端から概ね2mm〜10
mm程度の位置までガラス繊維の集合塊を孔内に押し込
むように充填し、次いでこのガラス繊維の集合塊が充填
された材料を、ガラス繊維集合塊が入れられた面が下面
となるように主として粘土と石からなる最大起伏高さ約
3cmの凹凸が散在する地盤上に設置した。
【0037】一方、植生基材として、市販の黒土25k
gに水25kgをポリ容器中でハンドミキサーを用いて
約5分間撹拌混合し、種子を含まない泥漿状の植生基材
を得た。この植生基材を前記の設置された連通する孔を
有する材料の各々に、該材料の上端面から徐々に流し込
み、流し込まれた泥漿状の植生基材の上面が該材料の上
面まで達するまでこの作業を続行し、緑化用構築物を作
製した。作業終了後約24時間を経た後、この植生基材
で満たされた連通する孔を有する材料を切断して内部の
充填状態を観察したところ、未充填の部分は細部に至る
まで殆ど認められず、良好な充填状態であった。また、
設置面を調べたところ、水以外の植生基材成分が浸透し
た形跡は見られなかった。また、これと同様の緑化用構
築物を前記と同じ方法で作製した後、ペレニアルライグ
ラスを該緑化用構築物内の植生基材上面からの位置が最
適播種深さ近傍になるよう播種し、平均気温約16℃の
屋外自然環境下のもと、適度の散水を行い続けたとろ、
ペレニアルライグラスは4日後に発芽の開始が見られ、
その発芽率(約85%)も優れていた。その後も良好な
生育を示し、植生基材充填から28日後の草丈は平均1
0cm以上となった。
【0038】以下、参考のため本発明の範囲から外れる
比較例を記す。 [比較例] 実施例1と同じ路盤面に縦約20cm、横
約10cm、高さ約8cmの直方体形状の空隙率30%
の多孔質コンクリ−トブロックを直接設置した。次いで
実施例1と同様の泥漿状の植生基材を作製し、前記路盤
に設置された該ブロックにブロック上端面よりこの植生
基材を徐々に流し込み、流し込まれた泥漿状の植生基材
の上面が該材料の上端面まで達するまでこの作業を行っ
たが、該材料内に於いて泥漿状の植生基材の上面低下が
激しい為、数回に渡る植生基材の追加補充で作業を打ち
切り、このブロックを24時間乾燥させた。乾燥後のブ
ロックを切断して内部の植生基材の充填状態を観察した
ところ、未充填の空隙部分が多く見られ、また亀裂も認
められ、良好な充填状態ではなかった。又、該ブロック
を設置していた設置面を観察したところ、水以外の土壌
等の植生基材成分も路盤の砕砂に多量に流れ出た形跡が
認められた。
【0039】
【発明の効果】本発明の緑化用構築物は、設置現場に於
いて比較的扱い易い高水分含有量の植生基材を用いるこ
とができる為、特別な設備・装置無しに植生基材を被充
填体の細孔深部まで満遍なく均一にかつ比較的短時間で
充填できる。また、植生基材に含まれる液体分のみを選
択的に排出することができる為、種子や土壌等の流出を
回避することができると共に、水分排出が進むにつれて
その該基材中の固形分濃度が濃縮されたものになり、そ
の結果高密度の充填状態を得ることができる。また、本
発明の固液分離物を含む緑化用構築物は湿式の含水植生
基材を用いる場合に特に適したものであるが、殆んど或
いは全く液体分を含まない乾式の植生基材を用いる場合
にも適用することができ、この場合も適度な水分排出機
能により過剰散水や多量の降雨等による植物生育にとっ
て水分過多となるような状況を速やかに解消することが
できる。かかる選択的水分排出機能を備えた本発明の緑
化用構築物を構成する固液分離物は、安価で入手が容易
であり、その敷設又は充填も敷設装置や設備等を用いる
ことなく極めて容易に行うことができる。また、本発明
の緑化用構築物は、設置場所に限定されることも殆んど
なく、何れの設置面に設置した場合でも優れた植物生育
を示し、安定した景観緑化をはかることができる。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連通する孔を有するブロック状の材料
    を、設置面との間に固液分離物を介在させて、連通する
    孔の開口端が少なくとも該材料の上下面に存在するよう
    に、設置してなるものであって、該材料の孔が水と土壌
    との混合物、若しくは肥料、保水性材料、土壌安定剤、
    種子、分散剤の何れか1種又は2種以上と水と土壌との
    混合物からなる植生基材で満たされていることを特徴と
    する緑化用構築物。
  2. 【請求項2】 連通する孔を有するブロック状の材料
    を、連通する孔の孔端が少なくとも該材料の上下面に存
    在するように、設置面に設置してなるものであって、該
    ブロック状の材料の下部の孔に固液分離物が、孔内の該
    固液分離物の上部に、水と土壌との混合物、若しくは肥
    料、保水性材料、土壌安定剤、種子、分散剤、の何れか
    1種又は2種以上と水と土壌との混合物からなる植生基
    材が満たされていることを特徴とする緑化用構築物。
  3. 【請求項3】 固液分離物が平均粒度0.5mm以下の
    砂、又は平均粒度0.5mm以下のガラスの何れか1種
    以上からなる集合体であることを特徴とする請求項1又
    は2記載の緑化用構築物。
  4. 【請求項4】 固液分離物が非水溶性かつ透水性の紙、
    又は非水溶性かつ透水性の布であることを特徴とする請
    求項1又は2記載の緑化用構築物。
  5. 【請求項5】 固液分離物がガラス繊維の集合塊である
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の緑化用構築物。
  6. 【請求項6】 連通する孔を有するブロック状の材料が
    多孔質コンクリートブロックであることを特徴とする請
    求項1又は2記載の緑化用構築物。
  7. 【請求項7】 設置面との間に固液分離物を介在させて
    連通する孔を有するブロック状の材料を、連通する孔の
    開口端が該材料の少なくとも上下面に存在するように設
    置し、水と土壌からなる混合物、若しくは肥料、保水性
    材料、土壌安定剤、種子、分散剤の何れか1種又は2種
    以上と水と土壌からなる混合物からなる植生基材で該孔
    を満たすことを特徴とする緑化用構築物の施工方法。
  8. 【請求項8】 設置面上に連通する孔を有するブロック
    状の材料を、連通する孔の開口端が該材料の少なくとも
    上下面に存在するように設置して該ブロック状の材料の
    下部の孔に固液分離物を下面の開口端からの高さが約2
    〜20mmの位置まで満たし、或いは予め固液分離物を
    連通する孔の開口端が存在する一つの面の全ての開口端
    から約2〜20mmの位置まで孔を充填した後この固液
    分離物を充填した開口端が存在する面を下面にかつ未充
    填の開口端が存在する面を上面になるように設置し、固
    液分離物より上部の孔内を水と土壌からなる混合物、若
    しくは肥料、保水性材料、土壌安定剤、種子、分散剤の
    何れか1種又は2種以上と水と土壌からなる混合物から
    なる植生基材で満たすことを特徴とする緑化用構築物の
    施工方法。
  9. 【請求項9】 固液分離物が平均粒度0.5mm以下の
    砂、又は平均粒度0.5mm以下のガラスの何れか1種
    以上からなる集合体であることを特徴とする請求項7又
    は8記載の緑化用構築物の施工方法。
  10. 【請求項10】 固液分離物が非水溶性かつ透水性の
    紙、又は非水溶性かつ透水性の布であることを特徴とす
    る請求項7又は8記載の緑化用構築物の施工方法。
  11. 【請求項11】 固液分離物がガラス繊維の集合塊であ
    ることを特徴とする請求項7又は8記載の緑化用構築物
    の施工方法。
  12. 【請求項12】 ブロック状の材料が多孔質コンクリー
    トブロックであることを特徴とする請求項7又は8記載
    の緑化用構築物の施工方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002112630A (ja) * 2000-10-10 2002-04-16 Teruyoshi Nakao 瓦及び瓦廃材を利用した植物床材
US10865460B2 (en) 2015-04-17 2020-12-15 The University Of British Columbia Process for leaching metal sulfides with reagents having thiocarbonyl functional groups
US11859263B2 (en) 2016-10-19 2024-01-02 Jetti Resources, Llc Process for leaching metal sulfides with reagents having thiocarbonyl functional groups

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