JPH09128817A - 光記録媒体の検査方法および装置、初期化方法および装置、および製造方法 - Google Patents

光記録媒体の検査方法および装置、初期化方法および装置、および製造方法

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JPH09128817A
JPH09128817A JP7306599A JP30659995A JPH09128817A JP H09128817 A JPH09128817 A JP H09128817A JP 7306599 A JP7306599 A JP 7306599A JP 30659995 A JP30659995 A JP 30659995A JP H09128817 A JPH09128817 A JP H09128817A
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laser light
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JP7306599A
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English (en)
Inventor
Osamu Watanabe
修 渡辺
Toshiharu Nakanishi
俊晴 中西
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 初期化と同時に反射率を測定し、成膜状態の
検査、初期化状態の検査を効率よく、かつ、精度よく行
うとともに、均一で最適な初期化を行う。 【解決手段】 光記録媒体の基板上に成膜後、記録層の
レーザ光照射を用いた初期化に際し、該レーザ光の反射
光量を検出し、該反射光量に基づいて前記光記録媒体の
反射率を検出することを特徴とする、光記録媒体の検査
方法および装置、初期化方法および装置、および製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、初期化と同時に行
うことが可能な光記録媒体の検査方法、その検査装置、
および光記録媒体の初期化方法、初期化装置および製造
方法に関し、とくに光記録媒体の検査、初期化、製造の
改良に関する。
【0002】
【従来の技術】光記録媒体は、基板上に光学的に記録再
生可能な情報記録部を設け、文書やデータ等のファイル
用ディスクとして用いられている。光記録媒体を高速で
回転させながら、1μm程度に絞り込んだレーザ光を照
射し、焦点調整および位置検出を行いながら、記録層か
らデータを読み出したり記録層にデータを記録したりし
ている。
【0003】この記録層を、レーザ光により結晶とアモ
ルファスとの可逆変化が可能な特定の合金から構成し、
記録層の反射率の差異に基づいてデータが読み取られ、
オーバライト記録まで可能とした相変化型などの光記録
媒体は既に知られている。この相変化型光記録媒体にお
いては、基板上に記録層および保護層等の他の層を形成
した段階では、記録層はアモルファスの状態にあるの
で、成膜後、レーザ光などを用いて上記記録層を一旦全
面にわたって結晶化させる初期化が行われる。
【0004】初期化後の検査の一つに、初期化が均一に
行われたか否か、欠陥部位がないか否かを検査するため
に、さらには、基板上への成膜の厚さが所望の範囲内に
入っているか否か等を検査するために、一般に光記録媒
体の反射率の測定が行われる。従来この反射率の測定
は、別の検査装置、たとえば分光特性を測定する分光光
度計等を用いて行われていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のよう
に初期化工程後に、初期化工程とは別の工程で反射率の
検査を行うのでは、検査結果をリアルタイムに初期化工
程にフィードバックすることはできず、また、その前の
成膜工程に迅速にフィードバックすることも難しい。情
報のフィードバックが遅れると、その分多量の欠陥品が
ラインに流れてしまうおそれがある。
【0006】また、基板上には、通常、記録層を含む複
数の層が成膜されるが、上記反射率の測定においては、
膜厚変動に起因して反射率が変動する場合は、基板側か
らみて第1層(たとえば、第1保護層)と第2層(記録
層)の膜厚変動に基づくものが殆どであることが知られ
ている。しかし後述するように、初期化後に反射率を測
定するだけでは、肝心の記録層の膜厚変動を検査するこ
とが困難である。したがって、検査結果を記録層成膜工
程にフィードバックすることが困難である。
【0007】本発明の課題は、初期化と実質的に同時に
反射率を測定できるようにし、初期化工程でその前の成
膜結果をモニタおよび検査できるようにするとともに、
初期化が均一にかつ所望の条件で行われたかどうかまで
検査できるようにすることにある。
【0008】また、検出された反射率に基づいて、初期
化のためのレーザ光の出射パワーを最適化し、常時最適
な条件で初期化を行えるようにすることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の光記録媒体の検査方法は、光記録媒体の基
板上に成膜後、記録層のレーザ光照射を用いた初期化に
際し、該レーザ光の反射光量を検出し、該反射光量に基
づいて前記光記録媒体の反射率を検出することを特徴と
する方法からなる。
【0010】また、本発明に係る光記録媒体の検査方法
は、光記録媒体の基板上に成膜後、記録層の初期化前の
反射率または/および初期化後の反射率を初期化用レー
ザにより検出光を照射して検出し、その各平均レベルに
より光記録媒体の合否を判定する方法からなる。
【0011】また、初期化前の反射率および初期化後の
反射率を検出し、その差(コントラスト)により光記録
媒体の合否を判定することもできる。
【0012】上記レーザ光の反射光量は、たとえば、レ
ーザ光の自動焦点制御用センサである分割フォトダイオ
ードの出力信号を加算した和信号により検出することが
できる。そして上記反射率は、たとえば、上記和信号を
レーザ光のパワーモニタ用フォトダイオードの出力信号
をリファレンスとして割算器に通した信号により検出す
ることができる。
【0013】本発明に係る光記録媒体の検査装置は、光
記録媒体の基板上に成膜後、記録層をレーザ光照射を用
いて初期化させる装置において、該レーザ光の反射光量
を検出する手段と、該反射光量に基づいて光記録媒体の
反射率を検出する手段とを有することを特徴とするもの
からなる。
【0014】また、本発明に係る光記録媒体の初期化方
法は、光記録媒体の基板上に成膜後、記録層のレーザ光
照射を用いた初期化に際し、該レーザ光の反射光量を検
出し、該反射光量に基づいて光記録媒体の反射率を検出
し、該反射率に基づいてレーザ光の出射パワーを制御す
ることを特徴とする方法からなる。
【0015】このレーザ光の出射パワーの制御において
は、たとえば、上記出射パワーを変調したレーザ光のパ
ワーを徐々に増加させながら前記反射率を検出し、該反
射率からレーザ光の出射パワーを最適初期化条件に制御
することが可能である。
【0016】したがって、このような初期化装置を複数
台用いるとき、初期化により得られる反射率に基づき、
個々にレーザ光のパワーが調整設定されるため、装置機
差を補正でき、初期化により反射率、つまり初期化条件
を所望の範囲内に確実に収めることができるようにな
る。
【0017】本発明に係る光記録媒体の初期化装置は、
光記録媒体の基板上に成膜後、記録層をレーザ光照射を
用いて初期化させる初期化装置において、該レーザ光の
反射光量を検出する手段と、該反射光量に基づいて光記
録媒体の反射率を検出する手段と、該反射率に基づいて
レーザ光の出射パワーを制御する手段とを有することを
特徴とするものからなる。
【0018】さらに、本発明に係る光記録媒体の製造方
法は、前記のような光記録媒体の検査方法に基づく検査
工程または上記のような光記録媒体の初期化方法に基づ
く初期化工程を有することを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の望ましい実施の
形態について、図面を参照して説明する。本発明に係る
光記録媒体としては、特に相変化型光記録媒体が好まし
いが、光磁気記録方式など媒体の光反射率が一定の範囲
にあるべき光記録媒体であればどのようなものでも適用
できる。以下、相変化型の媒体を例にとって説明する。
相変化型光記録媒体は、通常透明な基板上に記録層を設
けたものであり、記録層構成に、レーザ光により結晶と
アモルファスとの可逆変化が可能な特定の金属が用いら
れている。基板上の層構成としては、たとえば、透明な
基板上に、少なくとも第1保護層/記録層/第2保護層
/反射層を有する層構成とすることができる。
【0020】相変化型光記録媒体の記録層には、たとえ
ば、Te−Ge−Sb−Pd合金、Te−Ge−Sb−
Pd−Nb合金、Nb−Ge−Sb−Te合金、Pt−
Ge−Sb−Te合金、Ni−Ge−Sb−Te合金、
Ge−Sb−Te合金、Co−Ge−Sb−Te合金、
In−Sb−Te合金、In−Se合金、およびこれら
を主成分とする合金が用いられる。とくにTe−Ge−
Sb−Pd合金、Te−Ge−Sb−Pd−Nb合金
が、記録消去再生を繰り返しても劣化が起こり難く、さ
らに熱安定性が優れているので好ましい。とくに望まし
い記録膜組成としては、たとえば次式で表される範囲に
あることが熱安定性と繰り返し安定性に優れている点か
ら好ましい。 Mz (Sbx Te(1-x) 1-y-z (Ge0.5 Te0.5 y 0.35≦x≦0.5 0.20≦y≦0.5 0 ≦z≦0.05 ここでMはパラジウム、ニオブ、白金、銀、金、コバル
トから選ばれる少なくとも一種の金属、Sbはアンチモ
ン、Teはテルル、Geはゲルマニウムを表す。また、
x、y、zおよび数字は各元素の原子の数(各元素のモ
ル数)を表す。とくにパラジウム、ニオブについては少
なくとも一種を含むことが好ましい。この場合zは0.
0005以上であることが好ましい。これら合金を、基
板上に設けられた第1保護層上に、たとえばスパッタリ
ングで膜付けし、記録層が形成される。
【0021】第1保護層および第2保護層は、記録層を
機械的に保護するとともに、基板や記録層が記録による
熱によって変形したり記録消去再生特性が劣化したりす
るのを防止したり、記録層に耐湿熱性や耐酸化性を持た
せる役割を果たす。このような保護層としてはZnS、
SiO2 、Ta2 5 、ITO、ZrC、TiC、Mg
2 などの無機膜やそれらの混合膜が使用できる。とく
にZnSとSiO2 およびZnSとMgF2 の混合膜は
耐湿熱性に優れており、さらに記録消去再生時の記録層
の劣化を抑制するので好ましい。
【0022】反射層としては、金属または、金属酸化
物、金属窒化物、金属炭化物などと金属との混合物、た
とえばZr、Cr、Ta、Mo、Si、Al、Au、P
d、Hfなどの金属やこれらの合金、これらとZr酸化
物、Si酸化物、Si窒化物、Al酸化物などを混合し
たものを使用できる。特にAl、Au、Taやそれらの
合金やAl、Hf、Pdの合金などは膜の形成が容易で
あり好ましい。
【0023】基板上に、第1保護層、記録層、第2保護
層、反射層を形成する方法としては、真空雰囲気中での
薄膜形成方法、たとえばスパッタリング法、真空蒸着
法、イオンプレーティング法などを用いることができ
る。特に組成、膜厚のコントロールが容易なことからス
パッタリング法が好ましい。
【0024】基板としては、基板側から記録再生を行う
ためにはレーザ光が良好に透過する材料を用いることが
好ましく、たとえばポリメチルメタアクリレート樹脂、
ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン樹脂、エポキシ
樹脂などの有機高分子樹脂、それらの混合物、共重合体
物などやガラスなどを用いることができる。中でも、昨
今はポリカーボネート樹脂が主流となっている。
【0025】基板は、円盤体に成形されるものである。
成形方法は特に限定しないが、たとえば射出成形による
ことができ、金型内に、表面に所定のグルーブやピット
雄型が形成されたスタンパを装着し、スタンパからの転
写により、表面に所望のトラックが形成された基板を形
成できる。
【0026】基板の大きさは、光記録媒体ドライブ装置
からの要求規格に合わせる必要がある。たとえば、直径
86mmや120mmあるいは130mmの基板に成形
することなどが規定される。
【0027】このような基板上に、順に、少なくとも第
1保護層/記録層/第2保護層/反射層が積層される。
この反射層の上に、さらに有機樹脂保護層を設けてもよ
い。有機樹脂保護層としては、重合性モノマーおよびオ
リゴマーを主成分とする光硬化性樹脂組成物や、熱硬化
性樹脂組成物を用いることができる。また、同様なもの
を光の入射面側の基板上に、耐摩耗性、耐刷性向上など
の基板保護の目的や、ホコリ付着防止のための制電性付
与の目的で設けてもよい。
【0028】このように構成された相変化型光記録媒体
が初期化される。初期化は、たとえば、図1に示すよう
に、光記録媒体1の記録面2上に、対物レンズ3によっ
て焦点調整された所定パワーのレーザ光4が、前述のよ
うな透明な基板側から照射され、記録層を結晶化させる
ことにより行う。
【0029】レーザ光は、光源(LD)5から出射さ
れ、たとえば、コリメータレンズ6を通して、三角プリ
ズムを組み合わせた偏光ビームスプリッタ7に送られ
る。偏光ビームスプリッタ7で一部のレーザ光が集光レ
ンズ8に向けて反射され、集光されたレーザ光がLDパ
ワーモニタ9のフォトダイオード10で検出され、この
検出値に基づいて光源5からのレーザ光の出射パワー若
しくは偏光ビームスプリッタ7を通して送られる初期化
用レーザ光の出射パワーが検出される。
【0030】偏光ビームスプリッタ7を透過したレーザ
光は、λ/4板11を透過後ミラー12で光記録媒体1
方向に反射され、対物レンズ3で集光されて前述の如く
初期化に供される。
【0031】一方光記録媒体1からの反射光は、対物レ
ンズ3を透過した後ミラー12で反射され、λ/4板1
1を通して偏光ビームスプリッタ7に至る。ここで前記
パワーモニタ9とは反対側に反射され、集光レンズ13
で集光され、ナイフエッジ14で制御された反射光が、
自動焦点制御用センサである分割フォトダイオード15
a、15b(本実施態様では2分割)で検出される。し
たがって、レーザ光の反射光量は、分割フォトダイオー
ド15a、15bの出力信号を加算した和信号として検
出できる。この分割フォトダイオード15a、15b
は、元々焦点エラー検出用に設けられたものであり、焦
点エラー検出装置16からの制御信号に基づいて対物レ
ンズ3が矢印の方向に微調整され、焦点位置が記録層上
に調整される。
【0032】上記のような光学系を用いて、本発明に係
る検査方法および初期化方法では、たとえば図2に示す
ような回路で制御される。光源(LD)5からのレーザ
光の出射パワーは、LD駆動回路21からの信号に基づ
いて制御される。LD駆動回路21には、LDパワー制
御回路22から駆動制御信号が送られる。
【0033】光源(LD)5から出射されたレーザ光に
ついて、前述の如く、LDパワーモニタ9により出射パ
ワーが検出され、2分割フォトダイオード15a、15
bにより反射光量が検出される。フォトダイオード15
a、15bの出力信号は、減算器23に送られて差信号
が出力され、それがフォーカス(焦点)制御回路24に
送られ、該回路24からの信号に基づいて焦点制御用
(レンズ3駆動用)アクチュエータ25の駆動が制御さ
れ、焦点が調整制御される。
【0034】一方、2分割フォトダイオード15a、1
5bの出力信号は、加算器26にも送られ、該出力信号
の和信号27が割算器28に送られる。割算器28で
は、LDパワーモニタ9からの信号をリファレンス(信
号)29として、上記和信号27に対し割算が実行さ
れ、その商信号が反射率を表わす又は反射率に相当する
信号30として、反射率モニタ31に送られる。
【0035】上記反射率信号30は、LDパワー制御回
路22にも送られ、該信号30に基づいてLDパワー
(出射パワー)が制御される。
【0036】上記のような制御回路においては、まず、
反射率モニタ31でモニタされる反射率を読み取るだけ
でも、初期化前および初期化後の反射率を初期化工程に
おいて知ることができる。また、初期化の前の成膜工程
において、所定の厚さの成膜が行われたか否か、膜厚変
動が許容範囲に入っているか否か、さらには、成膜工程
で欠陥が生じていないか否か、等を検査できる。また、
初期化中の反射率をモニタすることにより、初期化領域
全体の欠陥検査もできる。
【0037】制御フローの一例を、図3を参照して説明
する。前工程(たとえば成膜工程)から初期化工程に送
られてきた光記録媒体は、初期化装置に装着された後、
まず、回転(ディスク回転)される(ステップST
1)。そして、光源(LD)5が点灯されるが、このと
きのレーザ光の出射パワーは正規の初期化用出射パワー
(最適パワー)よりも低く設定されている(ステップS
T2)。自動焦点制御がオンとされ(フォーカスON)
(ステップST3)、前述の反射率信号30により、反
射率のレベルが規定範囲内にあるか規定範囲外であるか
が判定される(ステップST4)。規定範囲外であれ
ば、不合格(NG)とされる(ステップST5)。成膜
工程変動等により欠陥がある場合、成膜が不十分である
場合等に不合格となる。
【0038】初期化前の反射率が規定範囲内にある場合
には、レーザ光の出射パワー(LDパワー)が初期化に
最適なパワーまでアップされ(ステップST6)、必要
なエリア全面にわたって初期化が行われる(ステップS
T7)。
【0039】初期化後、再びLDパワーが低下され(ス
テップST8)、反射率のレベルが判定される(ステッ
プST9)。反射率のレベルが規定範囲外の場合にはN
Gとされ、不合格とされる(ステップST10)。但
し、ここで検出された反射率のレベルに基づいてLDパ
ワー制御を用い(ステップST11)、再調整された出
射パワーのレーザ光で初期化をやり直すことも可能であ
る。
【0040】ステップST9で反射率のレベルが規定範
囲内であると判定されたら、光源(LD)5を消灯し
(ステップ12)、光記録媒体の回転を停止して(ディ
スク停止(ステップST13)、初期化を終了しその光
記録媒体を次工程に送る。
【0041】上記フローにおいては、初期化前後におけ
る反射率を検出し、各反射率の平均レベルで、初期化前
後でそれぞれ光記録媒体の合否を判定したが、さらに、
初期化前後の反射率のレベル差(コントラスト)による
検査を加えることもできる。
【0042】すなわち、図3に示したように、ステップ
ST9で検出した初期化後の反射率のレベルと、ステッ
プST4で検出した初期化前の反射率のレベルの差(コ
ントラスト)を求め(ステップST14)、コントラス
トが規定範囲外の場合にはNG(不合格)とし(ステッ
プST15)、規定範囲内の場合には合格と判定してL
Dを消灯する(ステップST12)。
【0043】上記コントラストは、たとえば図4に示す
ように、LDパワーの増加とともに反射率(モニタ値)
が増大し、あるい一定レベルで略飽和した状態にて初期
化(つまりアモルファスから結晶状態への相変化)が達
成されるのであるが、この初期化後の反射率と初期化前
の反射率のレベル差として表わされるものである。
【0044】一般に、反射光量はLDパワーを上げるこ
とにより比例的に増加する。したがって、単に反射光量
をモニタするだけでは、図4に示したような初期化が飽
和するパワー範囲が求められず、最適パワーの制御が困
難である。本発明の如く、反射率でモニタすれば、図4
に示したように飽和パワー範囲が明確に現われ、そのコ
ントラストを精度よく求めることができるとともに、初
期化のための最適パワーを求めることも可能となる。
【0045】図3に示したフローにおいて、初期化しな
いLDパワー、つまり初期化前の反射率を測定するため
のパワーや、最適初期化パワーは、トライアンドエラー
で予め求め、初期化装置に予め設定しておいてもよい
が、次のように初期化工程自身で自動的に最適パワーを
求め、それを初期化に用いることが可能である。
【0046】図5に、その制御フローの一例を示す。図
5において、ディスク回転(ステップST21)からフ
ォーカスON(ステップST23)までは、図3におけ
るステップST1〜ST3と実質的に同じである。ステ
ップST24において、LDパワーが周期的に変調さ
れ、そのときの反射率が検出される(ステップST2
5)。反射率が初期化用としては未だ不足している場合
には、LDパワーが増加される(ステップST26)。
これをくり返し、ステップST25において反射率が所
定の変化量範囲内に入ったと判定されたら、そのLDパ
ワーが最適パワーとされ、全面初期化される(ステップ
ST27)。初期化後に、LD消灯され(ステップST
28)、ディスク停止されて(ステップST29)、初
期化された光記録媒体が次の工程に送られる。
【0047】上記制御において、反射率が所定の変化量
範囲内に入ったか否かは、次のように判定される。図6
に示すように、LDパワーを徐々に上げていく段階で
は、反射率(モニタ値)にもある変化量が現われるが、
飽和したパワーになると、反射率の変化量が急激に小さ
くなる。これを、予め設定したスレッシュホールドの幅
で判定し、反射率の変化量が規定範囲内に入ったとき、
そのパワーで初期化を行うことができると判断するので
ある。実際に全面初期化をスタートするに際しては、上
記規定範囲内に入ったときのパワーを用いてもよいし、
少し安全をみてそのパワーに予め設定した一定値を付加
したパワーにて初期化を実行するようにしてもよい。
【0048】上記のようにレーザパワーを変調させなが
ら反射率を測定すると、その記録媒体において飽和する
領域に入ったか否かを判定できる。したがって、飽和領
域でありながら反射率が低い場合は媒体の不良であるこ
とが判定でき、パワーを最大にしても媒体が飽和領域に
入らない場合はレーザの不良であることが判定できる。
【0049】このような制御を行うことにより、常時最
適パワーで初期化を行うことが可能になる。また、複数
台の装置を並列的に使用する場合にあっても、実際に得
られる反射率をパラメータとしてレーザ光の初期化用最
適パワーを制御あるいは設定できるので、初期化に関す
る装置機差を自動的に補正できる。
【0050】もっとも、前述の図3に示したような制御
であっても、反射率の平均レベルや初期化前後のコント
ラストをモニタできるので、初期化に用いたLDパワー
が適切であったか否かの判断は容易にできる。
【0051】本発明においては、初期化前後の反射率を
測定、検査できる。これによって、記録層の膜厚の変動
の検査、管理を精度良く行うことが可能となる。この理
由について以下に説明する。
【0052】図7〜図10は、第1保護層の膜厚を変化
させた場合(図7、図8)およびその上に形成される記
録層の膜厚を変化させた場合(図9、図10)の、初期
化前後の反射率を、分光特性を測定する分光光度計で測
定したものを示している。図7は、光記録媒体の基板上
に第1保護層/記録層/第2保護層/反射冷却層を、X
/35/5/50(nm)の厚さで成膜し、第1保護層
の厚さX(nm)を、216、226、236(nm)
と強制的に変えた場合の初期化前の反射率特性を示して
おり、図8はその初期化後の反射率特性を示している。
図7、図8から判るように、第1保護層に膜厚の変動が
あると、初期化前後共に反射率の変動となって現れてく
る。
【0053】一方、図9は、第1保護層/記録層/第2
保護層/反射冷却層を、226/X/5/50(nm)
の厚さで成膜し、記録層の厚さX(nm)を、30、3
5、40(nm)と強制的に変えた場合の初期化前の反
射率特性を示しており、図10はその初期化後の反射率
特性を示している。図9、図10から判るように、記録
層に膜厚の変動があると、初期化前には明確な反射率の
変動となって現われるが、初期化後には、記録層が結晶
化されるため膜厚差があっても反射率の差は少なくなっ
ている。
【0054】すなわち、膜厚変動に起因する反射率の変
動に関して、初期化前の段階では第1保護層、記録層両
方の影響が出てくるが、初期化後には記録層の影響は殆
ど出なくなり、第1保護層の影響のみが現われる。した
がって、初期化後の反射率のモニタだけでは、記録層の
膜厚変動の検査、管理は難しい。
【0055】本発明においては、初期化前後の反射率を
各々測定、モニタできるから、初期化後の反射率の変動
から第1保護層の膜厚変動を把握でき、初期化前の反射
率の変動から、第1保護層の膜厚変動と記録層の膜厚変
動との和を把握でき、それから上記第1保護層の膜厚変
動分を差し引くことにより、記録層の膜厚変動を把握す
ることができる。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
初期化と実質的に同時に光記録媒体の反射率を測定でき
るようにし、それをモニタできるようにしたので、スパ
ッタ等による成膜の結果を初期化工程において検査する
ことができ、検査情報を極めて迅速に成膜工程にフィー
ドバックできる。また、初期化と同時に反射率を測定で
きるので、効率がよく、かつ、反射率測定装置を別個に
設置しなくてもよいので、工程を簡略化できる。
【0057】また、反射率測定により、欠陥品を精度よ
く分別、検査でき、初期化後の反射率測定により全面に
わたる均一な初期化を確保できる。また、初期化前後の
反射率測定により、記録層の膜厚変動を精度よく検出で
き、その情報を迅速に成膜工程にフィードバックでき
る。
【0058】また、反射率に基づいてレーザ光の初期化
用出射パワーを制御できるので、初期化に最適なパワー
に調整、制御が可能となり、常時最適な条件で初期化を
行うことが可能となる。さらに、初期化装置毎に最適パ
ワーに調整できるので、複数台の装置を使用する場合で
も、装置機差を自動的に補正でき、製品としての光記録
媒体の性能をより均一化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様に係る初期化装置の概略構
成図である。
【図2】図1の装置の制御ブロック図である。
【図3】図2の制御装置を用いた制御のフロー図であ
る。
【図4】LDパワーと反射率モニタ値との関係図であ
る。
【図5】図2の制御装置を用いた、最適パワーによる初
期化の制御フロー図である。
【図6】LDパワーと反射率モニタ値との関係図であ
る。
【図7】第1保護層の膜厚を変化させた場合の初期化前
の波長と反射率との関係図である。
【図8】図7の光記録媒体の初期化後の波長と反射率と
の関係図である。
【図9】記録層の膜厚を変化させた場合の初期化前の波
長と反射率との関係図である。
【図10】図9の光記録媒体の初期化後の波長と反射率
との関係図である。
【符号の説明】
1 光記録媒体(相変化型光記録媒体) 2 記録面 3 対物レンズ 4 レーザ光 5 レーザ光源(LD) 6 コリメータレンズ 7 偏光ビームスプリッタ 8、13 集光レンズ 9 パワーモニタ 10 フォトダイオード 11 λ/4板 12 ミラー 14 ナイフエッジ 15a、15b 分割フォトダイオード 16 焦点エラー検出装置 21 LD駆動回路 22 LDパワー制御回路 23 減算器 24 フォーカス制御回路 25 アクチュエータ 26 加算器 27 和信号 28 割算器 29 リファレンス信号 30 反射率信号 31 反射率モニタ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光記録媒体の基板上に成膜後、記録層の
    レーザ光照射を用いた初期化に際し、該レーザ光の反射
    光量を検出し、該反射光量に基づいて前記光記録媒体の
    反射率を検出することを特徴とする、光記録媒体の検査
    方法。
  2. 【請求項2】 光記録媒体の基板上に成膜後、記録層の
    初期化前の反射率または/および初期化後の反射率を初
    期化用レーザにより検出光を照射して検出し、その各平
    均レベルにより光記録媒体の合否を判定する、光記録媒
    体の検査方法。
  3. 【請求項3】 初期化前の反射率および初期化後の反射
    率を検出し、その差により光記録媒体の合否を判定す
    る、請求項1の光記録媒体の検査方法。
  4. 【請求項4】 前記レーザ光の反射光量を、レーザ光の
    自動焦点制御用センサである分割フォトダイオードの出
    力信号を加算した和信号により検出する、請求項1ない
    し3のいずれかに記載の光記録媒体の検査方法。
  5. 【請求項5】 前記和信号をレーザ光のパワーモニタ用
    フォトダイオードの出力信号をリファレンスとして割算
    器に通した信号により前記反射率を検出する、請求項4
    の光記録媒体の検査方法。
  6. 【請求項6】 光記録媒体の基板上に成膜後、記録層を
    レーザ光照射を用いて初期化させる装置において、該レ
    ーザ光の反射光量を検出する手段と、該反射光量に基づ
    いて光記録媒体の反射率を検出する手段とを有すること
    を特徴とする、光記録媒体の検査装置。
  7. 【請求項7】 光記録媒体の基板上に成膜後、記録層の
    レーザ光照射を用いた初期化に際し、該レーザ光の反射
    光量を検出し、該反射光量に基づいて光記録媒体の反射
    率を検出し、該反射率に基づいてレーザ光の出射パワー
    を制御することを特徴とする、光記録媒体の初期化方
    法。
  8. 【請求項8】 前記レーザ光の出射パワーを徐々に増加
    させながら前記反射率を検出し、該反射率からレーザ光
    の出射パワーを最適初期化条件に制御する、請求項7の
    光記録媒体の初期化方法。
  9. 【請求項9】 光記録媒体の基板上に成膜後、記録層を
    レーザ光照射を用いて初期化させる初期化装置におい
    て、該レーザ光の反射光量を検出する手段と、該反射光
    量に基づいて光記録媒体の反射率を検出する手段と、該
    反射率に基づいてレーザ光の出射パワーを制御する手段
    とを有することを特徴とする、光記録媒体の初期化装
    置。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし5のいずれかに記載の
    光記録媒体の検査方法に基づく検査工程または請求項7
    および8のいずれかに記載の光記録媒体の初期化方法に
    基づく初期化工程を有することを特徴とする、光記録媒
    体の製造方法。
JP7306599A 1995-10-30 1995-10-30 光記録媒体の検査方法および装置、初期化方法および装置、および製造方法 Pending JPH09128817A (ja)

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Cited By (2)

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