JPH09128323A - 情報処理装置および情報処理装置の制御方法 - Google Patents

情報処理装置および情報処理装置の制御方法

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JPH09128323A
JPH09128323A JP8024522A JP2452296A JPH09128323A JP H09128323 A JPH09128323 A JP H09128323A JP 8024522 A JP8024522 A JP 8024522A JP 2452296 A JP2452296 A JP 2452296A JP H09128323 A JPH09128323 A JP H09128323A
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bus
cpu
processing unit
unit
data
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JP8024522A
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Akiyoshi Nakamura
明善 中村
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Publication date
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    • Y02DCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN INFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGIES [ICT], I.E. INFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGIES AIMING AT THE REDUCTION OF THEIR OWN ENERGY USE
    • Y02D10/00Energy efficient computing, e.g. low power processors, power management or thermal management

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  • Bus Control (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡易な構成で小型化が可能であり、さらに、
消費電力を低減できる小型・携帯用情報処理装置に適し
たバス機構を提供する。 【解決手段】 CPU1のバスと、I/Oコントローラ
11やバス変換ユニット7用のバスを同一のバスで実現
し、コントローラユニット21からBOFFを発行し、
CPU1からアドレスバス31およびデータバス32を
開放可能とする。開放されたアドレスバス31を用いて
アドレスおよびデータのマルチプレクスされたIバス4
0を構成しI/Oコントローラ11等に対する入出力処
理を行う。データバス32は、その間、ビデオリフレッ
シュ用のデータを転送する。また、CPU1は低消費電
力状態にする。これによって、十分なパフォーマンスを
維持でき、小型化が可能で低消費電力のバス機構を実現
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、情報処理装置に関
し、特に、携帯用の情報処理装置に適したバスを含めた
ハードウェア構成、およびその制御方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】パーソナルコンピュータなどの情報処理
装置は、FDD、プリンタ、キーボード等の基本的な端
末に加え、近年、規格化されたインタフェースを備えた
機能拡張カードであるPCMCIA(Personal Compute
r Memory Card Internationl Association)、モデム、
サウンド用端末なども付加され、高機能化が進んでい
る。さらに、コンピュータを構成するICにおいても、
高機能化され、処理速度が向上している。このため、近
年のコンピュータは、CPUにおける処理の高速化に対
応し、周辺機器等に対する拡張性を確保するなどのた
め、図19のようなハードウェア構成が採用されてい
る。すなわち、CPU1は、システムメモリ3、メモリ
コントローラ5、およびバス変換ユニット7がCPUバ
スとも称されるローカルバス9によって接続されてい
る。そして、I/Oコントローラ11、ビデオコントロ
ーラ13、バッテリーの管理等を行うワンチップマイコ
ン15、BIOSROM17等のメモリーなどの周辺機
器はISA(Industrial Standard Architectrue) バス
などの拡張バス19に接続され、これらの周辺機器との
信号の授受は、バス変換ユニット7をいったん介し、バ
ス変換ユニット7から拡張バス19を経由して行われ
る。
【0003】ローカルバス11と拡張バス19を備えた
システムは、CPU1に対してはローカルバスを用いて
周波数の高いクロック信号に基づき高速処理が行え、一
方、拡張バス19を用いてCPU1の処理期間および速
度とはある程度関係なくFDDなどの入出力機器に合わ
せた速度で処理を行うことができる。従って、処理の高
速化と、システムの拡張性という面で優れたシステムで
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなシステムを携帯用の小型コンピューターに採用する
にはいくつかの改善すべき問題がある。その1つは、近
年のコンピュータは数多くの機能を備えているため制御
信号が多くなり、周辺ICのピン数を増加させ、その結
果、コストアップに繋がることである。特に、低電圧化
と高速化のためIC内部のデザインルールが細密化する
とチップ面積が小さくなり、同一ゲート数では用意でき
るピン数が減少する。このようなピン数の制限のため、
ICに無駄なゲートを増やすことが多くなり、その結
果、ICのコストアップとICで消費される電力の増大
を招くことになる。
【0005】例えば、上記のシステムのバス変換ユニッ
ト7などでは、アドレスやデータの交換に必要なインタ
フェース用に多くのピン数が必要となり、チップのコア
は小さくなってもインタフェース用に多くの面積が要求
され、チップを小型化することは難しい。また、これら
のチップに配線するためにTAB実装などの実装面積を
低減可能な技術が用いられているが、ピン数が多ければ
実装に必要な面積も大きくなり、実装するための費用も
高くなる。小型・携帯用のコンピュータをさらに小型化
するためには、IC等のチップを小型化することが望ま
しく、また、実装に必要な面積を小さくできることが望
ましい。従って、このような小型・携帯用のコンピュー
タにおいてはインタフェースの量をできるだけ少なくす
ることが重要である。
【0006】改善すべき他の問題として消費電力を低減
することがある。携帯用のコンピュータに搭載可能な電
源容量は限られているので、できるかぎり消費電力が小
さいことが望ましい。インタフェースの数が多くなれ
ば、駆動用のゲートも増加しそれらに費やされる電力が
増えるので、インタフェースの数はできるだけ少ないこ
とが望ましい。また、チップの数が少ないほうが消費電
力および小型化という点で優れている。さらに、信号線
の数が少ない方が駆動電流が減るので電力消費を削減で
きる。
【0007】ISA、PCI(Peripheral Component I
nterconnec)等の拡張バスは、拡張性を重視して設計さ
れおり、クロック同期である。このため、周辺ICの低
消費電力化が難しく、また、クロック信号を維持するた
めに所定以上の電圧が必要となる。これらの点で消費電
力を低減する上でのネックとなっている。さらに、バス
に沿ってクロック信号が常に供給されるため、EMI上
の問題や、高密度実装においては信号同士のクロストー
クいう問題もあり、これらは小型の携帯用機器において
解決することが望ましい問題である。
【0008】一方、小型、携帯用のコンピュータといっ
てもCPU等のパフォーマンスが極端に低下することは
好ましくなく、また、画像の品質が劣化したり、応答性
が低下することも好ましくない。例えば、CPUとその
他の汎用的に用いられているデバイスとは、バス幅、ク
ロック、駆動電圧が異なるので、これらをそのままCP
Uバスに直結してバスに係る構成の簡易化を図ることは
不可能である。また、ビデオメモリを用いた画面リフレ
ッシュなどの定期的に発生するジョブを処理できないと
いう問題もある。さらに、接続するICが増加するとバ
スを駆動するために消費される電力が増えるので、消費
電力は増加傾向となる。また、BIOSROMのような
メモリーでは、許容電流容量が制限されるので、バスに
対し直に接続できない場合もある。
【0009】CPUとその周辺回路も含めた特殊なIC
を開発し、これらの問題を解決することも考えられる
が、ICの開発に多大な時間と費用を費やすこととな
り、その一方で、他の機種の汎用性が無くなり、機能ア
ップも簡単に行えなくなる。
【0010】本発明においては、これらの問題を解決あ
るいは改善した小型で携帯用に適した情報処理装置を提
供することを目的としている。本発明においては、コン
ピュータ内で用いられている複数のバスを統合し、これ
らのバスに接続されているインタフェースの量を削減す
ることを目的としている。そして、携帯用の小型のコン
ピュータに適したバスを採用することによって、チップ
の小型化および実装面積の低減を実現し、消費電力を低
減可能とすることを目的としている。また、EMIやク
ロストークなどの問題も解決可能な情報処理装置を提供
することも本発明の目的の1つである。小型、低消費電
力の情報処理装置であり、所定のパフォーマンスが得ら
れ、画面リフレッシュなども通常通り行える情報処理装
置を提供することを本発明の目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の情報処理装置に
おいては、CPU用のバスとI/Oコントローラやバス
変換ユニットなどの周辺機器用あるいはISAなどの拡
張機器用のバスを共通のバスで実現し、この共用のバス
を使用するタイミングを制御している。これによってチ
ップに必要なインタフェースの量を削減し、十分な性能
を維持しながら小型化および低消費電力化を図ってい
る。すなわち、図1および図2のクレーム対応図に示す
ように、本発明の情報処理装置は、CPU、第1の処理
部および第2の処理部または記憶部が共通のバスにより
接続された情報処理装置であって、CPUは処理サイク
ルの発生中にCPUを共通のバスから開放可能なバス開
放手段を備えており、第1の処理部は、CPUから第2
の処理部または記憶部に対する入出力命令が出るとバス
開放手段に対しバス開放を指示するCPUインタフェー
ス手段と、第1の処理部がマスターとなって共通のバス
を使用して前記第2の処理部または記憶部に対し入出力
命令に従った処理を行う第1のバス管理手段とを備えて
いることを特徴としている。従って、本発明の情報処理
装置の共通のバスは、CPUがマスターとなった第1の
機能と、第1の処理部がマスターとなった第2の機能を
備えている。
【0012】第1の処理部が例えばメモリーコントロー
ラである場合、CPUからI/Oコントローラ等の周辺
機器への入出力命令が出ると、共通のバスはCPUから
開放され、メモリーコントローラをマスターとした別の
バス(本明細書においては内部バスあるいはIバスと称
する)として機能する。そして、メモリーコントローラ
がCPUの入出力命令と実質的に同一な命令を内部バス
を介して周辺機器に送り、その処理を行う。
【0013】サイクル中にCPUからバスを開放する手
段としては、アドレス・ホールド要求入力(AHOL
D)を用いることも可能である。しかし、アドレスバス
と同様にデータバスも開放し、入出力命令の結果をCP
Uに返せるように入出力命令を再度出力するバックオフ
入力(BOFF)を用いてバス開放を指示することが望
ましい。
【0014】また、第1の処理部と第2の処理部をアド
レスバスおよびデータバスのいずれか一方のバスを内部
バスとして用いて接続し、この内部バスはアドレスおよ
びデータがマルチプレクスされたバスすることが望まし
い。これによって、他方のバスを用いて他の処理部の間
でデータ交換が可能となる。第1および第2の処理部が
メモリーコントローラとI/Oコントローラであれば、
アドレスを優先するためアドレスバスを用いて接続する
ことが望ましい。また、データバスには、メモリーとそ
のコントローラを接続することが望ましい。例えば、ビ
デオメモリとビデオコントローラがデータバスによって
接続されていれば画面リフレッシュ用のデータ転送に使
用でき、メモリーとメモリーコントローラをデータバス
によって接続しておくことにより、メモリーリフレッシ
ュが行える。さらに、DMAコントローラを接続してお
くことにより複数のメモリー間でデータ転送が行えるな
ど、アドレスバスを用いた処理と、データバスを用いた
処理を並列に行うことができる。
【0015】アドレスバスを内部バスとして用いる際
に、クロック信号とアドレスラッチイネーブル(AL
E)信号を用いてアドレスとデータをマルチプレクスし
ても良いが、第1の処理部から内部バスのアドレスおよ
びデータの有効性とアクセスのタイミングを指示する独
立したサイクル信号を発生すれば、内部バスに沿ってク
ロック信号を供給する必要はなくなる。このサイクル信
号は少なくとも2サイクルの信号となるが、クロック信
号と異なりEMIやクロストークの原因とはならない。
また、クロック信号を用いなくて良いので、バスや周辺
機器(周辺IC)を低消費電力状態にする制御を容易に
行えるようになる。
【0016】また、共通のバスがCPUから開放された
後に、内部バスに印加される電圧を下げることが可能と
なる。これによって、インタフェースを操作するゲート
やバスによって消費される電力を低減できる。また、B
OFFによってCPUがスタンバイモードに移行し、さ
らに、内部クロックを停止するなどの手段によってバス
開放中にCPUが消費する電力を削減できる。CPUへ
供給されるクロックを停止し、あるいはクロックの周波
数を下げることによってCPUの消費電力をいっそう削
減することも可能である。
【0017】また、I/Oコントローラなどの第2の処
理部はバスが開放された段階でクロックの供給を開始し
ても良く、これによって、周辺機器で消費される電力の
低減を図ることもできる。
【0018】バスを開放することによって、メモリーコ
ントローラなどの第1の処理部は第2の処理部に対しマ
スターとなって入出力を行う一方で、内部バスを介して
得たデータをCPUに合わせて加工し、CPUから再度
出力された入出力命令に対してCPUへ出力することが
できる。従って、BIOSROM等からデータを得るな
どのアドレス変換等の加工が必要な場合にも、バスを開
放し、内部バスを使用した処理を利用することができ
る。
【0019】この共通のバスには、図1に示すように、
ISAバスなどの拡張バスに接続される入出力装置等の
第3の処理部を接続することも可能である。そして、C
PUから第3の処理部に対し入出力命令がでると、CP
Uからバスを開放し、この共通のバスを第3の処理部に
アクセスするための制御方式に従った、内部バスを管理
する第1のバス管理手段と異なる第2のバス管理手段を
用いて制御すれば良い。このように、共通のバスに、第
1および第2の機能に加え、第3の機能を付加すること
ができる。従って、さらにインタフェースの量を削減で
き、小型化と省電力化を図ることができる。
【0020】CPUから出力される入出力処理の開始情
報であるアドレス情報などを共通のバスを介して第2の
処理部に入力すると、このアドレス情報が自己の管理範
囲に有るか否かを第2の処理部が選択できる。そして、
この選択信号によって、第1の処理部が第1のバス管理
手段を用いて第2の処理部に接続する第1の接続方式で
共通のバスを制御するか、あるいは、第2のバス管理手
段を用いて第3の処理部に接続する第2の接続方式で共
通のバスを制御するかを選択する。
【0021】第2および第3の処理部に接続する共通の
バスとして、アドレスバスを採用することが可能であ
り、第3の処理部が拡張バスに接続される入出力装置で
ある場合は、アドレスバスを第2のアドレスバスと第2
のデータバスとして用いることができる。
【0022】さらに、共通のバスに接続される第2の処
理部は、1つまたは複数のPCMCIAインタフェース
等の機能拡張用のインタフェースであっても良い。さら
に、これらのインタフェースとの間で交換されるアドレ
スおよびデータを内部バスと同様にサイクル信号を用い
てマルチプレクスしても良く、あるいは、拡張バスと同
様にセパレートしても良い。
【0023】また、図2に示すように、PCMCIAイ
ンタフェース等の第3の処理部またはそのインタフェー
スを共通のバスに接続し、第2の処理部がマスターとな
って共通のバスを用いることも可能である。
【0024】
【発明の実施の形態】以下の実施例に基づき本発明をさ
らに説明する。
【0025】<実施例1> 〔概略構成〕図3に、図2のクレーム対応図に係る本発
明の実施例として携帯用コンピュータ20の概略構成を
示してある。本例ではインテル社製のマイクロプロセッ
サ80486DX2をCPUとして採用し、IBM社P
C/ATアーキテクチャに基づく基本機能を備えたコン
ピュータ20を用いて示してある。また、メモリーコン
トローラとビデオコントローラはコントローラユニット
として同一のチップ21によって実現されており、この
コントローラユニット21とCPU1がアドレスバス3
1、データバス32、バックオフ(BOFF)信号線3
3、さらに、CPUステータス信号線34などによって
接続されている。本例のコンピュータ20は、キーボー
ド、マウスなどのポインティングデバイス、あるいはバ
ッテリーの制御および管理を行うワンチップマイコン1
5、メインメモリ(システムメモリ)3およびビデオメ
モリ12が一体となったメモリユニット22、BIOS
ROM17、入出力制御を行うI/Oコントローラ1
1、ISAバスやPCIバスなどの拡張バスとのインタ
フェースをとるバス変換ユニット7を備えている。この
他に、拡張メモリユニットをメモリユニット22とは別
に設けるなど、図示されていない拡張機能や拡張デバイ
スを設けることはもちろん可能である。
【0026】本例では、さらに、I/Oコントローラ1
1に2つのPCMCIAインタフェース10a、10
b、内蔵モデム、RS−232Cポートなどの入出力イ
ンタフェースが接続されている。バス変換ユニット7に
は、ISAバス等の規格の拡張スロット、FDD、プリ
ンタ、さらにHDDなどのためのIDEインタフェース
などが接続されている。
【0027】これらのユニットのうち、アドレスバス3
1には、ワンチップマイコン15、BIOSROM1
7、I/Oコントローラ11、PCMCIAインタフェ
ース10aおよび10b、さらに、バス変換ユニット7
が接続されている。本例のコンピュータでは、このアド
レスバス31を用いて内部バス(Iバス)40が構成さ
れている。また、データバス32には、ワンチップマイ
コン15、メモリユニット22およびBIOSROM1
7が接続されている。BOFF信号線33およびCPU
ステータス信号線34は、I/Oコントローラ11およ
びバス変換ユニット7にも接続されている。さらに、コ
ントローラユニット21とI/Oコントローラ11およ
びバス変換ユニット7の間には、アドレスバス31に沿
ってコントロール信号線35が設けられている。また、
I/Oコントーラ11からはバス変換ユニット7にアド
レスバス31に沿ってアクセス(ICEN)信号線36
が設けられ、コントローラユニット21に向かってバス
開放要求(BOPEN)信号線37が設けられている。
【0028】これらの他に、コントローラユニット21
には、ディスプレイ14が接続されており、メモリーユ
ニット22との間には制御信号線23とメモリアドレス
線24が設けられている。また、コントローラユニット
21とBIOSROM17の間にも制御信号線29が設
けられている。
【0029】〔制御用の信号について〕バックオフ信号
線33によってコントローラユニット21からCPU1
に供給されるバックオフ信号BOFFは、この信号がア
クティブになると次のクロックでCPUをバス制御から
開放する機能を備えている。本例のCPUとして採用し
ているインテル社製80486マイクロプロセッサのB
OFF入力はサイクル途中であってもバスをフロートに
する機能を備えており、その詳細な機能はインテル社発
行のIntelDX4 Processor Data Book(Order Number24194
4-001) 8-31 ページなどに記載されている。本例のコン
ピュータにおいて、BOFFがアクティブになると、C
PU1が処理サイクル中であってもアドレスバス31お
よびデータバス32のインタフェースは全てハイインピ
ーダンス状態となり、これらのバス31および32はC
PU1から完全に開放され、CPU1のバスサイクルは
完了していなくても中断する。そして、BOFFがディ
セーブルになると、中断していたバスサイクルが再開さ
れ、再度同じ入出力命令を出力したのち、バスサイクル
は通常通り継続する。CPU内部の実行エンジンにとっ
ては、BOFFは元のサイクルに数ウェート・ステート
を挿入するのと同じ効果を持ち、BOFFが発行(アサ
ート)された間にCPUに返されたデータは無視され、
BOFFはRDYやBRDYより高い優先順位を備えて
いる。同じクロックでBOFFとRDYが返された場合
はBOFFが影響し、バスのアイドル中にBOFFが発
行された場合は、次のクロックでCPUはバスをフロー
トにする。BOFFはアクティブ・ローであり、チップ
を正常動作させるためには通常、セットアップ時間とホ
ールド時間を満足する必要がある。
【0030】CPUはクロック毎にBOFF端子をサン
プルするので、BOFFが発行されるとただちに(次の
クロックで)アドレス、データおよびステータスの各端
子をフロートにし、BOFFが発行されたときに実行中
のバス・サイクルはアボートされ、CPUに返されたデ
ータは無視される。BOFFを発行するデバイスは、C
PUのバスがハイインピーダンス状態にある間はどのよ
うなサイクルでも実行できる。このBOFF入力は、デ
ータ書き込み時の効率がより高いライトバック方式のキ
ャッシュメモリーを用いる場合に利用できる入力であ
り、CPUの多くに搭載されている。本例のコンピュー
タ20においては、このBOFFを用いてCPU1から
アドレスバス31およびデータバス32を開放してい
る。
【0031】なお、バス・ホールド要求入力信号HOL
DによってもバスをCPU1から開放することができる
が、この信号はバスサイクルの完了後の信号HOLDA
を待ってからバス開放を行うので、本例のコンピュータ
においてバス開放を指示する信号としては適していな
い。また、アドレス・ホールド要求信号AHOLDによ
ってもバスをCPU1から開放できる。この信号によっ
てCPU1のアドレスバス31のドライブが停止される
ので、本例のIバス40を構成する信号として使用する
ことができる。しかしながら、データバス32も開放
し、入出力命令が再出力される点でBOFFの方が本例
のIバス40を構成する信号として適している。さら
に、BOFFによってCPU1のバスインタフェースが
ハイインピーダンスとなるので、CPU1は省電力状態
となり、この点でもBOFFがCPU1からバスの開放
を指示する信号として適している。
【0032】さらに、本例のコンピュータ20において
は、BOFFをCPU1のみならず、Iバス40と共に
I/Oコントローラ11およびバス変換ユニット7にも
提供し、BOFFがディセーブルの時にこれらのユニッ
トの消費電力を低減できるようにしている。これらにつ
いては後でさらに詳しく説明する。
【0033】CPUのステータス信号線34からは、リ
ードかライトかを示すステータス信号IWRと、メモリ
サイクルかIOサイクルかを示すステータス信号IMI
Oが供給される。これらのステータス信号IWR、IM
IOはCPU1の出力したステータス信号WRおよびM
IOをそのままIバス用の信号として共用し、Iバス4
0と共にI/Oコントローラ11およびバス変換ユニッ
ト7にも提供している。
【0034】コントロール信号線35によって、サイク
ル信号IBEN、レディー信号IRDYおよび割り込み
要求信号INTAが提供される。本例のコンピュータで
は、IBENは2サイクルで1セットのサイクル信号で
あり、1サイクル目でIバスとして用いられているアド
レスバス31にアドレス信号を出力し、2サイクル目で
Iバスにデータ信号を出力する。このIBENは、アド
レス信号およびデータ信号の有効性とこれらの信号にア
クセスするタイミングを指示する機能を備えており、2
サイクル目のパルスはI/Oコントローラ11等から出
力されたIRDYでターミネイトされ、ディセーブルと
なる。このIBENによって、Iバスとして用いられる
ときはアドレスバス31が、アドレス信号およびデータ
信号がマルチプレクスされたバスとして使用可能とな
る。
【0035】信号をマルチプレクスしたバスとしてアド
レスラッチイネーブル信号ALEを用いたバスがあり、
本例のコンピュータ20のIバスとして採用することも
可能である。しかしながら、ALEはクロック信号と共
に使用され、アドレス信号およびデータ信号の有効性を
示しているので、PCIバス等と同様にIバスに沿って
クロック信号を供給する必要がある。これに対し、本例
のIBENは、それ自身でアドレス信号およびデータ信
号の有効性とアクセスするタイミングを指示するサイク
ル信号であり、クロック信号を必要としない。従って、
Iバスに沿ってクロック信号を供給する必要はない。こ
のため、バスに沿ってコンピュータの基板上をクロック
信号が走り回ることはなく、クロストークを防止でき、
EMI上の問題も防げる。従って、実装密度を高くで
き、また、ハウジングを小型化できるので小型・携帯形
の本例のコンピュータには適している。さらに、クロッ
ク信号を供給しなくて良いので消費電力を削減でき、さ
らに、I/Oコントローラ等のIバスに接続されている
ICをクロック信号によって常時駆動させる必要はない
のでこの点でも消費電力を削減できる。
【0036】コントロール信号線35によって提供され
るIRDYは、Iバスに接続された各々のコントローラ
からのレディー信号であり、上述したように、本信号に
よってIBENはディセーブルになる。そして、IBE
Nがディセーブルになるまで、Iバスに接続された各コ
ントローラはデータを保持する。INTAは、外部割り
込みに対しCPUから出力されたアクノリッジコマンド
を、コントローラユニット21がデコードし、割込コン
トローラを備えたI/Oコントローラ11に出力する信
号である。
【0037】I/Oコントローラのアクセス信号線36
によって供給されるアクセス信号ICENは、Iバスの
アドレス信号をデコードすることによってI/Oコント
ローラがバス変換ユニット7に対し出力する信号であ
る。これによって、ISAあるいはPCIバスに変換す
るバス変換ユニット7はサイクルの発生を停止し、Iバ
スのドライブを停止することによってIバスを開放す
る。メモリーマップ、I/Oマップを予め決めておけ
ば、ICENを省くことも可能である。
【0038】I/Oコントローラ11からコントローラ
ユニット21にバス開放要求信号線37によって供給さ
れるバス開放要求信号BOPENは、Iバス40の制御
をI/Oコントローラ11に移行するものであり、これ
によって、コントローラユニット21はサイクルの発生
を停止し、Iバスのドライブを停止することによってI
バスを開放する。従って、I/Oコントローラ11は、
Iバス40を用いて機能拡張用のPCMCIAインタフ
ェース10aおよび10bに対しアドレスデータを出力
することができる。すなわち、Iバス用のインタフェー
スをPCMCIAインタフェースへのアドレス出力用の
インタフェースとして用いることができる。このため、
本例においては、I/Oコントローラ11の出力ピンの
内、PCMCIAインタフェース10aおよび10bの
アドレス信号に係る出力ピン、例えば2スロットで52
本程度の出力ピンを省略することができる。
【0039】〔コントローラユニットの構成〕図4に、
本例のCPU1およびコントローラユニット21の概略
構成例を示してある。CPU1は、論理演算等を行うコ
ア51と入出力等を行う周辺部52から構成されてお
り、周辺部52はアドレスバス31およびデータバス3
2の駆動部53を備えている。また、BOFF入力によ
って駆動部53をハイインピーダンスにしてそれぞれの
バス31および32を開放するバス制御部54を備えて
いる。
【0040】本例のコントローラユニット21にはCP
U1とのインタフェースを制御するCPUインタフェー
スコントローラ71、Iバスの制御を行う内部バスコン
トローラ74、ビデオの制御を行うビデオコントローラ
73さらにメモリーの制御を行うメモリーコントローラ
71が搭載されている。CPUインタフェースコントロ
ーラ71は、CPU1からI/Oコントローラ等への入
出力命令が出るとBOFFを発行しCPU1を制御する
CPU管理部63と、アドレスバス31およびデータバ
ス32を駆動するインタフェース部62などを備えてい
る。CPU管理部63は、BOFFを発行する機能に加
え、バス開放中にCPU1の内部クロックを停止する信
号STPCLKを出力し、あるいは、CPU1へのクロ
ック供給そのものを停止する、もしくはクロック周波数
を低周波数に切り換えるクロック制御信号を出力する機
能を備えている。CPU管理部63は、さらに、アドレ
スバス31の制御がCPUに戻された際にCPU1に対
しCPU制御信号線38を介してレディー信号CRDY
を提供する機能、Iバスのサイクル中に得られたデータ
をBOFFがディセーブルになった後に再出力された入
出力命令に対して出力する機能などを備えている。
【0041】一方、本例のCPU1とのインタフェース
を行うインタフェース部62はバスの駆動電圧を変更で
きるようになっている。CPU1に接続されたローカル
バスとしてアドレスバス31およびデータバス32が用
いられるときは、CPU1の駆動電圧に合わせた耐電
圧、例えば3.3V耐電圧の素子をアドレスバスおよび
データバスのインタフェース用のゲートに採用すれば問
題なくCPU1の信号を受けることができる。一方、C
PU1からバスが開放されてIバスとして使用される場
合は、それより低い、例えば2.0Vあるいは1.8V
でバスインタフェース用のゲートを駆動する。
【0042】近年のデバイス技術の進歩により、ゲート
遅延が少ない状態で作動電圧を下げられるようになり、
コアの消費電力は低減されている。これに対し、周辺部
の電圧はメモリやCPUの規格上、以前として高いまま
であり下げることができない。しかしながら、本例では
アドレスバス31をIバスとして用いるときは、CPU
からアドレスバス31が開放されているのでアドレスバ
ス31の電圧をI/Oコントローラやバス変換ユニット
とのインタフェース上問題ない程度まで低下させ、消費
電力を低減できるようにしている。I/Oコントローラ
11やバス変換ユニット7のバスの駆動部については、
耐圧をCPUの規格と合致させ、実際に駆動される電圧
を下げれば良く、安全上の問題の発生や信頼性を損なう
ことなく消費電力の低減が可能となる。
【0043】本例のコントローラユニット21の内部バ
スコントローラ74は、IバスのマスターとなってCP
Uの入出力命令と実質的には同じ命令をIバスを経由し
てI/Oコントローラへ供給し入出力処理を行うIバス
管理部61と、データなどをラッチするラッチ部70を
備えている。この内部バスコントローラ74は、Iバス
を制御する機能として、Iバスにアドレス信号およびデ
ータ信号をマルチプレクスして出力する機能や上述した
バス制御線35によって供給される各信号IBEN、I
RDY、INTAを生成し、受信する機能を備えてい
る。さらに、Iバスに関する機能として、I/Oコント
ローラからのBOPENに対してCPUインタフェース
コントローラ71のインタフェース部62、特に、アド
レスバス31を駆動する部分の動作を停止させ、Iバス
をI/Oコントローラ11に開放する機能も備えてい
る。
【0044】さらに、Iバス管理部61は、Iバスに接
続されたコントローラの入出力形態とCPUの入出力形
態が異なる場合は、アドレスあるいはデータの加工ある
いは変換も行う。例えば、CPU1が32ビット単位で
入出力を行い、Iバスに接続されたI/Oコントローラ
等が16ビット単位で入出力を行うのであれば、Iバス
管理部61は、これに合わせてアドレス変換やデータの
分離あるいは結合を行う。このために、内部バスコント
ローラ74には、CPU1の入出力命令に係るアドレス
やデータを一時的に保持するラッチ部70を設けてあ
り、CPU1の入出力命令に対して、実質的に同じ処理
を行うためにIバスを用いて1回あるいは複数回の処理
を行う。
【0045】本例のコントローラユニット21は、メモ
リコントローラ72に加えビデオコントローラ73も搭
載されている。また、システムメモリ3の制御を行う機
能と、ビデオメモリ12の制御を行う機能も備えてい
る。本例のメモリーコントローラ72は、システムメモ
リ制御部64、バンク切替えを行いながらビデオ情報を
記憶するVGA(Video Graphics Array)制御部65お
よびCPU1の描画コマンドに従って描画するアクセラ
レータ制御部66を備えており、これらがメモリ制御部
67を通してシステムメモリ3およびビデオメモリ12
の制御を行う。本例では、システムメモリ3とビデオメ
モリ12が同一のメモリユニット22として実現されて
いる。従って、CPU1がシステムメモリ3にアクセス
するときは、システムメモリ制御部64によってシステ
ムメモリ内のメモリアドレスが生成される。そして、メ
モリ制御部67からそのメモリアドレスがメモリアドレ
スバス24を介してメモリユニット22に提供され、ロ
ウアドレスストローブ信号RASやカラムアドレススト
ローブ信号CAS等の制御信号が制御信号線23を介し
てメモリユニット22に供給される。そして、CPU1
からデータバス32を介してデータがメモリユニット2
2に供給されシステムメモリに書き込まれる。
【0046】VGAモードにおいては、CPU側のアド
レスでVRAMに割り当てられた64kのアドレスに複
数のビットプレーンを割り当て、これらのビットプレー
ンのメモリ上のアドレスをバンク切替えしながらCPU
の出力したピクセルデータを記憶するモード(詳しく
は、CQ出版社発行のブートストラップ第5巻10〜1
3頁、図4.7および2.8などに解説されている)で
あり、VGA制御部65が、アダプタに適合した所定の
バンクのメモリアドレスを生成し、これに合わせてCP
Uがデータを書き込む。
【0047】一方、CPU1がアクセラレータ制御部6
6を介して描画を行うときは、CPU1からアクセラレ
ータを用いた描画に関するコマンドが出力されると、C
PU管理部63からBOFFが発行され、アドレスバス
31およびデータバス32がCPUから開放される。そ
して、アクセラレータ制御部63から描画コマンドに基
づいて計算あるいは処理された描画データがデータバス
32を介してメモリユニット22に供給される。同時
に、アクセラレータ制御部63からメモリ制御部67を
介してビデオメモリ12の所定のメモリアドレスがメモ
リユニット22に供給され、ビデオメモリ12にアクセ
ラレータ制御部63からの描画データが書き込まれる。
この間、CPU1はバスから開放されているので、低消
費電力の状態とすることができる。
【0048】本例のコントローラユニット21に搭載さ
れた、ビデオコントローラ73は、ディスプレイ14に
対する画面リフレッシュを行う。そのため、ビデオコン
トローラ73は、モニター制御部68とリフレッシュバ
ッファ69を備えている。コントローラユニット21に
おいては、CPUからアドレスバスが開放され、Iバス
として使用できる状態になると、データバス32を用い
てメモリユニット22から画面リフレッシュ用のデータ
をモニター制御部68を介してリフレッシュバッファ6
9に受け入れる。モニター制御部68は、VGA制御部
65あるいはアクセラレータ制御部66を用いてメモリ
アドレスを発生させビデオメモリ12からリフレッシュ
用のデータを取得する。そして、所定の時間毎にリフレ
ッシュバッファ69のデータをディスプレイ14に送り
画面リフレッシュを行う。また、リフレッシュバッファ
69にデータをストアする必要が生じた場合は、CPU
管理部63からBOFFを発行し、CPU1をバスから
開放したのち、データバス32を用いてリフレッシュ用
のデータをメモリユニット22から取得する。
【0049】本例のコンピュータ20においては、シス
テムメモリ3とビデオメモリ12を同一のメモリユニッ
ト22に設け、さらにこのメモリユニット22をCPU
1に繋がったバスに接続している。従って、ビデオメモ
リに関するハードウェア構成が簡略化され、インタフェ
ースを削減することができる。このため、携帯用などの
小型のコンピュータに好適なシステムを実現できる。さ
らに、画面リフレッシュ用のデータを、コントローラユ
ニットがIバスを用いて入出力処理を行っている間に、
データバスを介して取得できるようにしてある。従っ
て、画面リフレッシュ用のデータを取得するために、C
PUを停止したり、入出力処理を停止する機会が非常に
少なくなり、処理能力の低下を防ぐことができる。ま
た、画面リフレッシュ用のデータを取得する間やビデオ
メモリに描画する間はCPUをバスから開放し、低消費
電力化することが可能となる。
【0050】〔CPUに供給されるクロックの制御につ
いて〕図5に、本例のCPU1に供給されるクロックの
制御に関する構成を示してある。本例のCPU1は、ス
タンバイモードによって省電力化できると共に、周辺部
52にコア51に対するクロック(内部クロック)の供
給を停止する回路55を備えている。さらに、本例のC
PU1は、周辺部52も含めてクロックの供給を停止可
能な回路56も備えている。コントローラユニット21
からBOFFが発行されると、CPUのバス駆動部53
はハイインピーダンス状態となり周辺部52の一部の消
費電力が削減される。同時に、スタンバイモードに移行
し、コア51の消費電力も減少する。さらに、コントロ
ーラユニット21のCPU管理部は、STPCLKを出
力し内部クロック停止回路55によってCPU1の内部
クロックを停止する。あるいは、別のクロック停止信号
を出力してクロック停止回路56を用いてCPU1に対
するクロック供給そのものを停止しても良い。また、ク
ロック停止回路56の代わりに、分周手段などを備えた
クロックの周波数を低下する回路を設け、CPU1に低
速のクロックを供給するようにしても良い。これらの回
路によって、CPU1からバスが開放されている間、す
なわち、Iバスを用いて入出力処理が行われている間な
どはCPU1を低消費電力状態にすることができ、コン
ピューターの消費電力を大幅に低減することが可能とな
る。
【0051】同様のクロックを停止する回路は、I/O
コントローラ11およびバス変換ユニット7にも設けら
れている。これらの回路は、バスが開放されていない
間、すなわち、CPU1がバスを用いている間はI/O
コントローラ11、バス変換ユニット7およびこれらに
接続された入出力装置であって非同期なアクションが発
生しない機器へのクロックの供給を停止し、電力の浪費
を防止できるようにしている。もちろん、クロックを停
止する代わりに低速のクロックを供給するようにしても
良い。
【0052】〔Iバスの使用時の動作〕図6ないし図1
0に、本例のコンピュータのIバスに関する動作をタイ
ミングチャートを用いて示してある。図6は、CPU1
からI/Oコントローラ11に対するライト命令が出力
された場合を示してある。
【0053】まず、時刻t1に、アドレスストローブ信
号ADSが出力されアドレスバス31にアドレス信号が
表れるとコントローラユニット21のIバス管理部61
はアドレスからI/Oコントローラ11に対する入出力
命令であることを判別し、このアドレスをラッチ部70
にラッチする。時刻t2にデータバス32にデータ信号
が表れるとIバス管理部61はこのデータもラッチす
る。アドレスおよびデータがラッチ部70にラッチされ
ると時刻t3にコントローラユニット21のCPU管理
部63がBOFFを発行する。これによって、時刻t4
に、CPU1のバスインタフェース53はハイインピー
ダンス状態となり、アドレスバス31およびデータバス
32が開放される。同時にCPU1はスタンバイモード
に移行し低消費電力状態になる。開放されたアドレスバ
ス31はIバスとして用いられ、データバス32はビデ
オリフレッシュ用のデータを転送するバスとして用いら
れる。
【0054】時刻t3に発行されたBOFFによって、
時刻t4にI/OコントローラのIOSTPCLKがデ
ィセーブルされ、クロック信号CLKが立ち上がり、I
/Oコントローラ11がレディー状態となる。バス変換
ユニット7においても同様である。これらのコントロー
ラにおいて作動が安定させるために数クロック事前にク
ロックの供給を開始する必要があれば、時刻t4と時刻
t5の間隔を調整することができる。
【0055】時刻t5にIバス管理部61によってIB
ENのサイクルが開始され、第1回目のパルスが出力さ
れる。これと共にIバス(アドレスバス31)にアドレ
ス信号が出力される。本例においては、CPU1から3
2ビットの入出力命令が出力され、これをコントローラ
ユニット21が16ビットの入出力命令に加工してI/
Oコントローラ11に出力する例を示してある。従っ
て、IBENは2セット分出力される。IBENのサイ
クルに伴ってコントローラユニットのバスインタフェー
ス部62が動作するときは、動作電圧がCPU用の高レ
ベル(例えば3.3V)から低レベルの例えば、2.0
Vあるいは1.8Vまで低下される。これによって、バ
スおよびバスインタフェースを駆動するために消費され
る電力が低減され、コントローラユニット21のみなら
ず、I/Oコントローラ11等で消費される電力が低減
される。特に、近年、ICのコアの消費電力の低減は目
ざましく、これに加えて、本例のシステムのようにバス
の駆動電圧を落とすことによってICの周辺部の消費電
力も低減することが可能となるので、コンピュータ全体
の消費電力を大幅に低減できる。
【0056】時刻t5にIバスの使用が開始されると共
に、モニター制御部68は、データバス32を介してメ
モリユニット22から画面リフレッシュ(ビデオリフレ
ッシュ)用のデータを取得し、リフレッシュバッファ6
9に格納する。Iバス40を用いた入出力命令の処理
と、データバス32を用いたビデオリフレッシュ用のデ
ータを取得する処理は並列に行われる。
【0057】本例のコンピュータでは、BOFFにより
省電力モードになるので、CPUは外部割り込みの1つ
であるSTPCLKは受け付けない。しかしながら、図
7に示すように、省電力モードにSTPCLKあるいは
これと同等の入力を受け付けるマイクロプロセッサーを
採用することも勿論可能であり、その場合は、時刻t6
にCPU1に対するSTPCLKを出力し、前述の内部
クロックの停止回路55によってCPUのコア51に対
するクロックの供給を停止することも可能である。これ
によってCPU1はストップグラントステートとなり、
さらに消費電力が低減される。STPCLKの代わりに
CPU1に対する全てのクロックの供給を停止する回路
56を動作させる信号を出力し、CPUをストップクロ
ックステートとしてコアのみならず周辺部の消費電力を
低減しても良い。あるいは、クロックの周波数を低下し
て消費電力を低減してももちろん良い。
【0058】図6に戻って、時刻t7にIBENの2つ
めのパルスが出力され、Iバスにはデータが表れる。I
BENの1つめのパルスによってIバスに表れたアドレ
スを取得したI/Oコントローラ11は、アドレスをデ
コードし、バス変換ユニット7をバスから開放するIC
ENを出力する。そして、I/Oコントローラ11がI
BENの2つめのパルスに従ってIバスに表れたデータ
を取得する。このように、本例のIバスは、データの有
効性とアクセスのタイミングを示す信号であるIBEN
と共にアドレスおよびデータを出力している。従って、
I/Oコントローラやバス変換ユニットは、IBENに
基づいてIバスのアドレスおよびデータを取得すること
ができ、クロック信号を必要としていない。このため、
Iバスに沿ってクロック信号を供給する必要がないの
で、EMI上の問題や、クロック信号とのクロストーク
といった問題は発生せず、高密度実装される小型の情報
処理装置などに適している。
【0059】時刻t8にI/Oコントローラ11からI
RDYが出力されると、時刻t9にIBENの2回目の
パルスがディセーブルになって1セット目のアドレスお
よびデータのサイクルは終了する。同時にICENもデ
ィセーブルになる。これに続いて、時刻t10から2セ
ット目のIBENが出力され、2セット目のアドレスお
よびデータがIバスを経由して出力される。これら2セ
ットの入出力命令の処理が終了すると、再びIRDYが
出力され、時刻t11にIBENがディセーブルとな
り、CPU1が時刻t1に出力した入出力命令と実質的
に同じ入出力命令がIバスを介してI/Oコントローラ
11に出力され、処理を終了する。
【0060】時刻t12にコントローラユニット21の
CPU管理部63においてBOFFがディセーブルされ
る。これと同時にあるいは、これに先立ってデータバス
32を用いたビデオリフレッシュ用のデータの転送は終
了している。ビデオリフレッシュ用のデータの転送サイ
クルが終了していない場合は、Iバスを用いた入出力命
令の処理が終了していてもCPU管理部63は、BOF
Fを維持し、バスを開放した状態に維持する。アドレス
バス31およびデータバス32を用いた上記の処理サイ
クルが終了すると、時刻t12にBOFFがディセーブ
ルされ、時刻t13にCPU1にバスが復帰する。
【0061】図7に示したような、BOFF後もSTP
CLKを受け付けるCPUの場合は、時刻t12にBO
FFがディセーブルされると共に、時刻t13にCPU
1に対するSTPCLKをディセーブルし、CPU1に
クロックが再供給する。BOFFよりも先にSTPCL
Kをディセーブルし、CPU1を復帰状態にしてからB
OFFをディセーブルしてももちろん良い。
【0062】時刻t13には、I/Oコントローラおよ
びバス変換ユニットに対するIOSTPCLKが出力さ
れ、これらのユニットおよびこれに接続された入出力機
器のうち支障のないものについてはクロックの供給が停
止され、消費電力の低減が図られる。クロックの供給を
停止しても支障のないデバイスとしては、PCMCIA
コントローラ、シリアルI/Oコントローラ、パラレル
I/Oコントローラ、フロッピーディスクコントロー
ラ、IDEコントローラなどがあり、タイマーデバイス
を除けばいずれかのタイミングでクロックの供給を停止
することが可能である。
【0063】BOFFがディセーブルされた後、CPU
1から時刻t14に時刻t1と同じADSおよびアドレ
ス信号が再度出力され、時刻t15に時刻t2と同じデ
ータ信号が再度出力される。これに対し、時刻t16に
コントローラユニット21はCRDYを返しCPU1の
入出力命令のサイクルは終了する。そして、次の命令サ
イクルが開始される。時刻t16のCRDYは、時刻t
14からの入出力命令に対する実際の処理を伴わないダ
ミー信号であるが、その入出力命令に対する実際の処理
はBOFFを発行している間にIバスを用いて実行され
ている。
【0064】なお、本例はCPUからI/Oコントロー
ラなどに対しライト命令が入出力命令として出されたケ
ースを示してあるが、リード命令が出された場合もほぼ
同様の処理が行われる。そして、コントローラユニット
は、CRDYと共にIバスを介して取得したデータをデ
ータバスに出力する。この際、必要であれば、I/Oコ
ントローラ等を介して取得した16ビットのデータを3
2ビットのデータに加工するなどの処理が行われる。
【0065】本例のコンピュータにおいては、CPUと
コントローラユニットおよびメモリーユニットを接続す
るバスを、コントローラユニットとI/Oコントローラ
およびバス変換ユニットなどを接続するバスとしても用
いており、BOFFによってCPUからバスを開放しバ
スの用途の切替えができるようにしている。さらに、ア
ドレスバスをアドレスおよびデータがマルチプレクスさ
れたバスとして用いているので、バスに係る構成が簡略
化され、インタフェースの量を削減してICチップの小
型化を図ることができる。また、バスを開放している
間、CPUは省電力モードとなり低消費電力化を図れる
と共に、バスの駆動電圧を下げてさらに消費電力の低下
を促している。さらに、図19に示した拡張バスに相当
するCPUとI/Oコントローラ等の周辺機器を接続す
るためのバスは不要となり、コンピュータの構成を簡素
化でき、より小型化することが可能となる。
【0066】CPUと周辺機器でバスを共用することに
よって、周辺機器に対する入出力命令の処理を行ってい
る間、CPUは停止状態となるが、近年のCPUの処理
速度が大幅に向上しており、携帯用の小型情報処理装置
としては問題ないパフォーマンスを維持できる。また、
従来の情報処理装置では、バス変換ユニットを介してI
/Oユニット等にアクセスしていたが、本例のシステム
では、I/Oユニット等に直接アクセスすることが可能
である。従って、バッファ等が不要となり、機器の小型
化を図れると共に、アクセススピードが速くなるので、
この面ではパフォーマンスの向上が図れる。また、入出
力処理と同時に、データバスを用いてビデオリフレッシ
ュ用のデータを取得する処理が行えるようになっている
ので、バスを共用することによるパフォーマンスの低下
は少ない。さらに、本例の装置に加えて、データバスを
用いたメモリーのリフレッシュや、DMAコントローラ
などをデータバスに接続してビデオメモリーを含むメモ
リー間のデータ転送を行うなどの処理もIバスを用いた
入出力処理と並列して行える。このため、装置全体とし
てのパフォーマンスを向上することが可能となる。
【0067】このように、本発明に係る情報処理装置
は、従来の拡張性や高機能化を目指したバスとは異な
り、ICチップおよびコンピュータの小型化を図れ、消
費電力を低減可能な小型、携帯用の情報処理装置に適し
たバスを備えている。その一方で、特殊なCPU等を使
用する必要はなく、互換性があり、機能の拡充を容易に
行える構成を維持し、低価格化および高機能化を可能と
している。
【0068】図8に、CPU1からBIOSROMに対
し入力命令が出力されたケースを示してある。時刻t2
1にCPU1からアドレスが出力されると、コントロー
ラユニットのIバス管理部61はBIOSROMに対す
る読出命令であることをデコードし、時刻t22にCP
U管理部63がBOFFを発行する。これによって時刻
t23にアドレスバス31およびデータバス32がCP
U1から開放され、CPU1は低電力消費モードにな
る。
【0069】本例のCPU1が32ビット単位で入出力
を行うのに対し、BIOSROMなどのフラッシュPR
OM、MSKROMなどのメモリーユニットは8ビット
単位でデータが読み出される。従って、Iバス管理部6
1は、CPU1の出力したアドレスをいったんラッチ部
70にラッチし、そのアドレスに対応するBIOSRO
Mのアドレスを生成する。そして、アドレスバス31お
よびデータバス32を介してBIOSROM8から8ビ
ット毎のデータを4回に分けて取得する。時刻t23に
チップイネーブルBRCSが出力されるとアドレスバス
31に1回目のアドレスを出力し、時刻t24にBRO
Eが出力されると1回目のデータAを取得する。同様の
サイクルを4回繰り返し、2回目のデータB、3回目の
データCおよび4回目のデータDを取得する。
【0070】この間、図7に示した例と同様にCPU1
に対しSTPCLKを出力し、内部クロックを停止する
ことによってCPU1の消費電力をさらに低減するも可
能である。また、I/Oコントローラ等の周辺機器に対
しては、IOSTPCLKが出力された状態であり、こ
れらの機器における消費電力も低減されている。
【0071】時刻t26に4回目のデータの取得が終了
すると、CPU管理部63はBOFFをディセーブルす
る。これによって、時刻t27にCPU1が動作を開始
し、バスがCPU1に対し復帰する。時刻t28に、時
刻t21と同一の入出力命令がCPU1から出される。
コントローラユニット21は時刻t29に8ビットのデ
ータA〜Dを32ビットのデータに加工したものをデー
タバス32に出力し、CRDYを返す。CPU1は、時
刻t30にデータバス32に表れた32ビットのデータ
を取得し、BIOSROMに対するリードサイクルの1
つが終了する。この後、次のリードサイクルあるいは処
理サイクルが開始される。
【0072】本例のコンピュータにおいては、BIOS
ROMや他のメモリ素子のようにCPUとデータ形式や
アドレスが一致しない場合であっても、バスが開放され
ている間にデータ形式やアドレスを変換してCPU1に
供給することができる。従って、CPU1の接続された
バスにBIOSROM等のデータ形式やアドレスの異な
るユニットを接続して使用することができる。なお、3
2ビット同士のアクセスであっても、アドレスを変換す
る必要がある場合には、上記と同様のプロセスによって
アドレスだけの変換を行うことも可能である。従って、
アドレス変換の不要なときはCPUがダイレクトにメモ
リーをリードし、アドレス変換が必要なときはBOFF
によってバスを開放してアドレス変換を行うといったオ
ペレーションも可能となる。また、データ形式は32ビ
ットあるいは8ビットに限定されるものではなく、64
ビット、16ビット等、どのような形式であってももち
ろん良い。
【0073】さらに、本例のコンピュータにおいては、
BIOSROM17に接続されるデータバス32、特に
データバスのD0〜D7には、BIOSROMの他にコ
ントローラユニット21、ワインチップマイコン15、
メモリユニット22が接続されているだけである。他の
ユニット、例えばI/Oコントローラ等は、アドレスバ
スを用いたIバスによってデータの授受が行われるの
で、データバスには接続されていない。従って、BIO
SROMに接続されたデータバスの駆動電流をフラッシ
ュROMに許容されている範囲内に納めることができ
る。従来は、駆動電流を許容値以下に抑えるために専用
のバッファ18を設けたり、あるいは拡張ユニット側に
バッファを設けるなどの構成を採用していた。これに対
し、本例においてはバッファを削除できるので、BIO
SROM回りの構成が簡略化され、また、アクセススピ
ードの向上を図ることができる。すなわち、BIOSR
OMのデータはBIOSROMでデータ線を駆動して出
力されるので、データ線を駆動するだけのドライブ能力
がBIOSROM側に要求される。しかしながら、BI
OSROMの駆動能力は限られている。従って、Iバス
(アドレスバス)に接続してデータを出力しようとする
と、アドレスバスにはI/Oコントローラ、ワンチップ
マイコンなどが接続されているので、バッファをかまし
てIバスを駆動する必要がある。これに対し、本例のよ
うにデータバスにBIOSROMの出力を接続しておけ
ば、データバスにはメモリーとメモリーコントローラが
接続されているだけなので、バッファを介さずにBIO
SROMだけでデータバスを駆動することができ、簡単
な構成でBIOSROMへのアクセススピードを向上で
きる。
【0074】また、本例のように8ビット単位などの少
ないビット単位でアクセスする場合、BIOSROM1
7等のメモリーユニットをデータバスに接続しなくても
良く、Iバスの一部を用いてアクセスすることももちろ
ん可能である。この場合、メモリーユニットにアクセス
する時はCPUのバスを開放するプロセスが必要とな
る。
【0075】図9に、I/Oコントローラ11からバス
開放要求BOPENが出力された時の処理を示してあ
る。まず、時刻t31にCPU1からI/Oコントロー
ラ11に対する入出力命令がでると、コントローラユニ
ット21がこれをデコードし、時刻t32にBOFFを
発行する。これによって、アドレスバス31およびデー
タバス32がCPU1から開放され、CPU1は低電力
消費状態となる。さらに、時刻t33にIBENのサイ
クルが開始され、アドレスバス31をIバスとしてI/
Oコントローラ11に対するアドレスIAとデータID
が出力される。これらのIAおよびIDは、コントロー
ラユニット21から電圧が低い状態で送られる。また、
データバス32はメモリユニット22からモニター制御
部68に対しビデオリフレッシュ用のビデオデータが転
送されるために使用される。
【0076】I/Oコントローラ11は、取得したアド
レスIAをデコードし、PCMCIAに対する入出力命
令であると時刻t34にバス開放要求BOPENをコン
トローラユニット21に出力する。これによってコント
ローラユニット21のバスインタフェース部62は、駆
動停止状態となりIバスを開放する。従って、I/Oコ
ントローラ11がマスターとなってIバスを制御する。
【0077】I/Oコントローラ11は、Iバスに対し
PCMCIA10aまたは10bに対するアドレス信号
PAを出力し、時刻t35にリードイネーブルRDまた
はライトイネーブルWRを出力する。これによって、P
CMCIAインタフェース10aまたは10bに接続さ
れたPCMCIAユニットはアドレスPAを取得する。
また、PCMCIAインタフェース10aおよび10b
には、I/Oコントローラ11からのデータがPCMC
IA用のデータバス45を介して送られ、さらに、PC
MCIAインタフェース10aおよび10bにコントロ
ール信号(PCMCIARDorWR)が制御線46を
介して送られているので、インタフェースに接続された
PCMCIAユニットは取得したアドレスに基づいてデ
ータのリードあるいはライトを行う。また、I/Oコン
トローラ11には、PCMCIAユニットのアドレスお
よびデータ用のそれぞれのバッファ(不図示)が用意さ
れており、これらを経由してIバスとの入出力が行われ
る。
【0078】PCMCIAに対する処理が終了すると、
時刻t36にBOPENがディセーブルされ、Iバスの
制御がコントローラユニット21に戻る。これに続い
て、I/Oコントローラ11からIRDYが出力され、
IBENがディセーブルとなり、Iバスを用いた処理が
終了する。これによって、コントローラユニット21の
CPU管理部63はBOFFをディセーブルし、アドレ
スバス31およびデータバス32をCPU1に対し復帰
させる。CPU1は、上記のプロセスと同様に時刻t3
8に時刻t31と同じ入出力命令を出力する。
【0079】このように、本例のコンピュータにおいて
は、IバスをI/Oコントローラに対して開放できるよ
うになっており、IバスをPCMCIA用のアドレスバ
スとして兼用できるようになっている。従って、I/O
コントローラにはPCMCIAインタフェースのアドレ
ス線用の出力端を設ける必要はなく、接続ピンの数量を
低減することができる。PCMCIAインタフェースを
2スロット備えた本例のコンピュータにおいては、例え
ば、ピン数を計52本削減することが可能となる。な
お、本例においてはPCMCIAインタフェースを例と
して説明してあるが、I/Oコントローラに限らず、バ
ス変換ユニットに接続された拡張インタフェースのアド
レス線等としてIバスを用いることももちろん可能であ
る。
【0080】図10に、コントローラユニット21のア
クセラレータ66を用いて描画を行う際の動作を示して
ある。コンピュータの立ち上げ初期には、VGAを用い
てディスプレイ用のデータがシステムメモリに出力され
るが、グラフィカルユーザーインタフェース(GUI)
を用いたソフトウェアに移行すると、アクセラレータを
用いて描画を行いCPUの負荷を低減するようにしてい
る。
【0081】時刻t41にアドレスバス31およびデー
タバス32を介してコントローラユニットのアクセラレ
ータ制御部66にアクセラレータ用のコマンドが出力さ
れる。コントローラユニットのCPU管理部63はCP
U1のアドレスをデコードし、アクセラレータに対する
コマンドであることをデコードすると、時刻t42に時
刻t42にCRDYを返えすと共にSTPCLKを出力
する。本例においては、CPU1の命令がアクセラレー
タに対するコマンドであるため、次のサイクルでバスを
開放すればCPU1の命令に対する処理は終了するので
コントローラユニットはすぐにCRDYを返すようにし
ている。また、STPCLKによってCPU1は、時刻
t43にSTPCLKステータスを発行する。そして、
これに対するCRDYが出力された次のクロックでCP
U1がストップグラントステート(STPGNTステー
ト)に移行し、内部クロックを停止する。ストップクロ
ックに関する一連の制御の詳細については、インテル社
発行のIntelDX4 ProcessorData Book(Order Number2419
44-001)7-14から7-21ページなどに記載されている。
【0082】CPU1がSTPGNTステートに移行し
た直後の時刻t44にはBOFFがCPU管理部63か
ら発行され、アドレスバス31およびデータバス32が
CPU1から開放される。アクセラレータ制御部66
は、ラッチしたCPUからのコマンドに基づきビットブ
ロック転送などの描画動作を行う。従って、RASある
いはCASなどの制御信号が制御信号線23によってメ
モリユニット22に出力される。また、アクセラレータ
制御部66からメモリ制御部67を介してビデオメモリ
12のメモリアドレスがメモリアドレスバス24を介し
てメモリユニット22に提供される。描画コマンドによ
ってアクセラレータ66で生成されたビデオデータは、
データバス32を介してコントローラユニット21から
メモリユニット22に供給され、メモリアドレスバス2
4から供給されたビデオメモリ12のメモリアドレスに
書き込まれる。
【0083】一方、CPUに対してはSTPGNTステ
ートに移行し、内部クロックが停止された後、時刻t4
5にCPUに対するクロックを全て停止する信号が出力
される。これによって、クロックの発停を管理する回路
56がクロックの供給を全て停止する。従って、CPU
はクロックストップステート(STPCLKステート)
に移行し、さらに消費電力の低減が図られる。アクセラ
レータ66によって生成された描画データがデータバス
を用いて転送される。その転送処理が終了する時間は予
め判明しているので、それより数クロック前の時刻t4
6に、クロックの供給を停止していた信号がディセーブ
ルされCPU1に対するクロックの供給が開始される。
【0084】時刻t47に描画データの転送が終了する
と、CPU管理部63はBOFFをディセーブルし、ア
ドレスバス31およびデータバス32がCPUに対して
復帰する。CPU1は、バスが復帰する数クロック前に
クロック信号の供給が開始されており、機能の回復が図
られている。CPUの機能が復帰すると、時刻t48に
STPCLKもディセーブルされ、CPUは通常状態に
戻り、次のサイクルを開始する。
【0085】なお、STPCLK中にバスを開放するた
めには、BOFFの代わりにCPUアップグレード用の
UPピンなどを利用することも可能である。
【0086】このように、本例のコンピュータはビデオ
メモリがシステムメモリと同一のメモリユニット内に構
成され、さらに、このメモリユニットがCPUと同じバ
スに接続されている。従って、ビデオメモリを含めたハ
ードウェア構成は非常に簡略化されており、インタフェ
ースの量も少なく、コンパクトに実装できる。従って、
小型携帯用機器に適したハードウェア構成である。さら
に、アクセラレータを用いてCPUからのコマンドに基
づき描画できるようにしている。アクセラレータを用い
ないVGAモードにおいては、CPUが全ての描画デー
タをメモリに出力する必要があり、CPUの負荷が大き
く描画速度の向上は難しい。これに対し、本例のコンピ
ュータでは、描画専用のアクセラレータによって画像デ
ータを出力しているので、処理速度が早い。そして、ア
クセラレータが出力している間は、CPUを停止するこ
とができるので、消費電力を低減することが可能とな
る。従って、本例のコンピュータは、描画に関するパフ
ォーマンスを其ほど低下させずに、簡易な構成で消費電
力の低減を図ることが可能となり、小型、携帯用の情報
処理装置に適している。
【0087】<実施例2>図11に、図1のクレーム対
応図に係る本発明の実施例として携帯用コンピュータの
異なる例を示してある。本例もCPU1としてインテル
社製のマイクロプロセッサ80486DX2を採用し、
IBM社PC/ATアーキテクチャに基づく基本機能を
備えたコンピュータを例として説明してあり、上述した
実施例1と共通する部分については同じ符号を付して説
明を省略する。
【0088】本例のコンピュータ20は、コントローラ
ユニット21と、I/Oコントローラ11と、さらにC
PU1を含めた3つのチップから主に構成されており、
いっそうの小型化が図られている。さらに、アドレスバ
ス31には、ISAバスを介して入出力が行われるハー
ドディスクユニット(HDD)80やコンパクトディス
クユニット(CD−ROM)81などのISAデバイス
が接続されており、拡張スロット83用のバッファ82
も接続されている。そして、本例のコンピュータ20
は、CPU1のアドレスバス31を実施例1と同様にI
バス40として活用すると共に、ISAバス43として
共用できるようになっている。
【0089】本例のコンピュータ20では、ISAバス
43の制御もコントローラユニット21で行われるよう
になっており、このため、コントローラユニット21に
はCPUインタフェースコントローラ71、メモリコン
トローラ72、ビデオコントローラ73および内部コン
トローラ74に加え、DMAコントローラとしての機能
も備えたISAバスコントローラ75を設けてある。本
例のコントローラユニット21は、CPUインタフェー
スコントローラ71によってBOFFがCPU1に発行
されアドレスバス31がCPU1から開放されると、C
PU1の出力したアドレスを判断する。そして、ISA
デバイスに入出力が行われるときは、このISAバスコ
ントローラ75にアドレスバス31の制御が引き継が
れ、アドレスバス31がISAバス43として機能す
る。このため、ISAバスコントローラ75と各ISA
デバイス80および81がISAバス43を制御する各
信号を伝達する信号線84によって接続されている。こ
の信号線84を介して、リードイネーブルおよびライト
イネーブルを示す信号IORDおよびIOWR、さら
に、ISAバスコントローラ75にDMAコントローラ
としてサービスを要求するDMA要求信号(DRQ)、
DMA要求に対するアクノレッジ信号(DAK)などが
ISAバスコントローラ75と各ISAデバイス81お
よび80とやり取りされる。
【0090】図12に示すように、CPU1のアドレス
バス31には、表中の第1コラム41aにあるように3
2本の信号線が用意されている。表中のBRDY、KE
Nはコントロール信号であるが、ここではアドレスバス
31に含まれているとして説明する。従って、第2コラ
ム41bに示したように、16ビットのISAバス43
の各信号の全てをアドレスバス31に割りつけることが
可能である。すなわち、アドレスバス31にISAバス
40を構成する第2のアドレスバスと第2のデータバス
の機能を重畳することが可能である。そこで、本発明に
おいては、アドレスバス31をCPU1から開放するこ
とによって、アドレスバス31をISAバス43として
実際に使用できるようにしている。本例では、ISAバ
スがI/Oアクセスのみに対応するように構成してあ
り、そのため、アドレスバスが10本のアドレスで構成
されている。また、第3コラム41cおよび第4コラム
41dには、アドレスバス31がIバス40として用い
られる際の使用状況を示してある。第3コラム41c
は、Iバス40にマルチプレクスされて最初にラッチさ
れるアドレス情報を示し、第4コラム41dは、その後
にラッチされるデータ情報を示してある。
【0091】さらに、本例のコンピュータ20において
は、CPU1から入出力処理のために出力されたアドレ
スによってIバス40とISAバス43の機能を選択し
て用いている。このために、I/Oコントローラ11か
ら出力されるレディー信号IRDYをデバイスセレクシ
ョン信号として兼用している。入出力処理の開始時に発
行されるデバイスセレクション信号と、入出力処理の完
了を示すレディー信号が同時に発行させることはないの
で、コントローラユニット21において識別するタイミ
ングを設定することによって確実にそれぞれの信号とし
ての機能を発揮させることが可能である。さらに、2つ
の信号を兼用させることによって、信号線の数を削減
し、コントローラユニット21およびI/Oコントロー
ラ11の各チップに必要とされる電極の数を削減するこ
とが可能となる。
【0092】また、本例のI/Oコントローラ21は、
Iバス40とのインタフェースを行い、さらに、CPU
1から出力されたアドレスをデコードする機能を備えた
インタフェースコントローラ76と、Iバス40の制御
を行う内部バスコントローラ77と、I/Oコントロー
ラ21に接続された2つのPCMCIAスロット10a
および10bの制御を行うPCMCIAコントローラ7
8、および、内蔵モデム、RS−232Cなどのシリア
ルポートなどの制御を行うデバイスコントローラ79を
搭載している。
【0093】図13ないし14に、本例のコンピュータ
における入出力動作の概要を示してある。図13は、本
例のコンピュータにおいて、Iバス40を用いてPCM
CIAカードなどのデバイスからデータをリードするサ
イクルを示してある。まず、時刻t51にCPU1から
入出力処理のサイクルを開始するADSが出力される。
コントローラユニット21のCPUインタフェースコン
トローラ71は、アドレスをデコードし、コントローラ
ユニット21のメモリー空間およびI/O空間のアドレ
スであるか否かを判断する。そして、これらの空間のア
ドレスでない場合は、BOFFを発行する。本例におい
ては、CPU1から出力されたアドレスがI/Oリード
を示すアドレスであり、コントローラユニット21は、
時刻t52にBOFFを発行して、次のクロック信号に
よって時刻t53にアドレスバス31およびデータバス
32、信号線38などをハイインピーダンスにする。こ
れによって、アドレスバス31およびデータバス32は
CPU1から開放され、CPU1は低消費電力の状態に
移行する。
【0094】一方、CPU1から出力されたアドレス
は、アドレスバス31に接続されたI/Oコントローラ
11にも入力されており、I/Oコントローラのインタ
フェースコントローラ77がこれをデコードする。そし
て、出力されたアドレスが、I/Oコントローラ11に
よって制御されるデバイスへの入出力命令であると判断
すると、IRDYをデバイスセレクト信号として用いて
発行し高レベルにする。コントローラユニット21は、
T2サイクルの終わりである時刻t53にIRDYを識
別し、IRDYが高レベル(IRDYバーが低レベル)
のときはI/Oコントローラ11に接続するため、開放
されたデータバス31をIバス40として運用する。こ
のため、本例においては、内部バスコントローラ74が
選択され、時刻t53からデータバスがIバス40とし
て用いられる。
【0095】時刻t54からIバス40にアドレスおよ
びデータが順番に供給され、サイクル信号であるIBE
NによってI/Oコントローラ11にラッチされる。そ
して、データがI/Oコントローラ11からIバス40
に出力されると、IRDYが発行され、レディー信号と
しての機能を果たす。そして、時刻t56に、32ビッ
トのデータを構成するための2回目のデータがリードさ
れ、Iバス40を介したリード処理を完了する。この
間、CPU1から開放されたデータバス32を用いてビ
デオリフレッシュ用のデータがメモリーユニット22内
のビデオメモリ12からコントローラユニットのビデオ
コントローラ73に送られる。このように、本例のコン
ピュータでは、Iバス40を用いて入出力処理を行って
いる間に、ビデオリフレッシュを行うことができる。な
お、Iバス40を用いたこれらの処理の詳細は、上述し
た実施例1と同様なので詳しい説明を省略する。
【0096】Iバス40を用いたリード処理が終了する
と、時刻t57にBOFFが解除され、次のクロック信
号によって時刻t58にアドレスバス31およびデータ
バス32がCPU1に復帰する。そして、CPU1が通
常の動作状態に戻り、時刻t59に時刻t51と同じA
DSを出力する。これに呼応して時刻t60にIバスを
介して読み取ったデータをコントローラユニット21が
データバス32に再度出力し、CRDYを発行する。従
って、CPU1は所望のデータを読み取り、処理を行
う。このようなステップによって、本例のコンピュータ
20におけるIバス40を用いた入出力サイクルが完了
する。
【0097】図14に、本例のコンピュータにおけるI
SAデバイスに対するリードサイクルを示してある。時
刻t61にADSが発行されると、コントローラユニッ
ト21はアドレスをデコードする。そして、メモリーあ
るいは入出力装置に対する入出力処理であると時刻t6
2にBOFFを発行し、CPU1からアドレスバス31
およびデータバス32を開放し、CPU1を省電力消費
状態にする。I/Oコントローラ11は、アドレスバス
31を介して入力されたアドレスをデコードし、このケ
ースではISAデバイスのアドレスが出力されているの
で、自己の管理するデバイスに該当せず、IRDYは発
行せず低レベル(IRDYバーを高レベル)のまま維持
する。
【0098】T2サイクルの終わりである時刻t63
に、コントローラユニット21はIRDYを認識し、I
RDYが発行されていないので、アドレスバス31の制
御をISAバスコントローラ75に引き渡す。これによ
って、アドレスバス31は、時刻t63からISAバス
43として機能する。アドレスバス31がISAバス4
3として用いられるようになると、時刻t64に、コン
トローラユニット21にラッチされていたアドレスがI
SAアドレスに変換されてISAバス43に出力され
る。さらに、時刻t65にIORDが発行され、ISA
バス43を介してISAデバイス、例えばHDD80と
のリード処理が行われる。
【0099】図8に示すように、CPUからのアドレス
をコントローラユニット21はCPU信号のA2〜A2
6、A31およびBE0〜BE3を用いて受け取り、I
OISAバスのSA0〜SA10およびSBHENに変
換して出力する。そのため、インテル社発行のIntelDX4
Processor Data Book(Order Number241944-001)の8−
5頁、テーブル8.5および図8.5に示すような方法
でBE0〜3を8、16ビットバス用の信号であるSA
0(表中のBLE)、SA1(表中のA1)およびSB
HEN(表中のBHE)に変換している。すなわち、B
E0〜BE2は、外部メモリーへの読みだしまたは書き
込みサイクルにおいてどのバイトを有効にドライブする
かを決めるビットであり、図8のCPU信号41aのB
E3はD24〜D31を、BE2はD16〜D23を、
BE1はD8〜D15を、そしてBE0はD0〜D7が
有効であることを示している。従って、コントローラユ
ニット21においては、これらの信号BE0〜BE3を
上記の公知のテーブル8.5および図8.5に示された
ロジックに従って、IOISAバス41bのSD7〜S
D0が有効であることを示す信号SA0、SD15〜S
D8が有効であることを示す信号SBHEN、および偶
数ワードあるいは奇数ワードを示すSA1に変換してい
る。なお、IOISAバス41bのIOCHRDY、I
OCS16N、ALEおよびAENは共に公知のISA
の制御信号であり、IOCHRDYは遅いメモリーやI
/Oデバイスにアクセスする際にサイクルを長くするた
めの制御信号であり、IOCS16Nはデータ転送が1
6ビットメモリーサイクルであることを示す信号であ
る。また、ALEはラッチするための制御信号であり、
AENはDMA転送を行うための制御信号である。これ
らの制御信号の詳細については、例えば、CQ出版社発
行のブートストラップ第4巻64〜70頁などに解説さ
れている。
【0100】ISAバス43を介してコントローラユニ
ット21がHDD80から所定のアドレスに対応するデ
ータを取得すると、時刻t66にIORDが解除され、
ISAバスを用いた入出力処理を終了する。この間、I
バスを使用している間と同様に、CPU1から開放され
たデータバス32はビデオリフレッシュのために用いら
れる。時刻t67にBOFFが解除されると、次のクロ
ック信号によって時刻t68にCPU1にアドレスバス
31およびデータバス32が復帰し、アドレスバス31
はISAバスからCPUバスに戻る。そして、時刻t6
9に、時刻t61と同じADSがCPU1から繰り返し
て出力され、これに呼応して時刻t70にコントローラ
ユニット21からISAバス43を介して、コントロー
ラユニット21に取得していたリードデータがデータバ
ス32に出力される。同時に、CRDYも発行され、こ
れによってCPU1はHDD80からのデータを読み取
りISAデバイスに対するリードサイクルを終了する。
そして、CPU1は、次の処理に入り、次のサイクルの
ADSを出力する。
【0101】図15に、ISAデバイスに対するライト
サイクルを示してある。まず、時刻t71にADSが出
力されると、コントローラユニット21がアドレスをデ
コードし、ライトサイクルと判断すると時刻t72にB
OFFを発行し、CPU1を省電力モードにしてアドレ
スバス31およびデータバス32を開放する。さらに、
コントローラユニット21はBOFFと同時に時刻t7
2にCRDYを発行し、CPU1のライトサイクルを終
了させる。BOFFは、CPUのサイクル途中でバスを
開放し処理を中断することが可能であるが、ライトサイ
クルの場合は、実施例1に示したようにサイクルが再開
されると再度出力されるADSに対し、ダミーのCRD
Yを返す必要がある。そこで、本例においては、まず、
CRDYを返してCPUのサイクルを終了させ、次にB
OFFを認識させてバスを開放するようにしている。こ
れによって、バスをCPU1に復帰させたときに同一の
ADSの出力と是に対するダミーのCRDYを出力する
工程を省略できるので、処理速度の向上を図れる。
【0102】本例のライトサイクルにおいても、CPU
1から出力されたアドレスはI/Oコントローラ11に
入力されており、I/Oコントローラ11はアドレスが
ISAデバイスを示すためIRDYを発行しない。従っ
て、コントローラユニット21は、T2サイクルの終わ
りである時刻t73にIRDYが発行されていないこと
を認識し、ISAバスコントローラ75を選択してCP
U1から開放されたアドレスバス31をISAバス43
として機能させる。また、コントローラユニット21
は、時刻t72にデータバスに出力されたライトデータ
をラッチしておき、ISAバスに機能が移ったアドレス
バスに再度、そのライトデータを出力できるようにして
いる。
【0103】時刻t74に、ISAバス43にコントロ
ーラユニット21からISAアドレスおよびISAデー
タが出力され、時刻t75にIOWRが出力されると、
HDD80がライト用のアドレスおよびデータをラッチ
し、時刻t76にISAバス43を用いた入出力処理が
終了する。次に、時刻t77にBOFFを解除し、CP
U1にアドレスバス31およびデータバス32を復帰さ
せ、ISAデバイスに対する本装置のライトサイクルを
完了する。なお、このライトサイクルにおいても、デー
タバス32はビデオリフレッシュのために使用可能であ
り、処理の効率化が図られている。
【0104】図16に、アドレス・ホールド信号(AH
OLD)をBOFFの代わりに用いた例を示してある。
AHOLDがCPU1に入力されると、CPU1はアド
レスバス31のドライブだけを停止する。そして、AH
OLDが発行されている間は、アドレスバスがハイイン
ピーダンス状態(フロート)にされる。従って、データ
バス32はCPU1に制御されたままであり、開放され
ない。そして、AHOLDが解除されると、CPU1は
同じアドレスをアドレスバスに出力する。
【0105】まず、時刻t81にISAデバイスに対す
るリード命令がCPU1から出力されると、コントロー
ラユニット21はアドレスをデコードし時刻t82にA
HOLDを発行する。同時に、I/Oコントローラ11
のIRDYを識別し、IRDYが発行されていない、す
なわち、低レベルの場合はCPU1から開放されたアド
レスバス31の制御をISAバスコントローラ75に引
き渡す。AHOLDが発行された次のクロック信号で、
時刻t83にアドレスバス31がCPU1から開放さ
れ、ISAバス43として用いられる。本例においては
AHOLDが用いられているので、CPU1からデータ
バス32は開放されず、データバス32を用いたビデオ
リフレッシュは行われない。
【0106】時刻t83にISAバス43が機能を開始
すると、コントローラユニット21がラッチしていたア
ドレスをISAバス43内の第2のアドレス線に出力
し、時刻t84にIORDを発行してHDD80に対す
るリード処理を開始する。HDD80からリードされた
データは、ISAバス43内の第2のデータバスを介し
てコントローラユニット21に取得される。そして、時
刻t85にIORDを解除してISAバス43を用いた
リード処理を終了する。コントローラユニット21は、
HDDからデータを取得すると、そのデータを時刻t8
6にデータバス32に対し出力し、CRDYを発行す
る。次に、時刻t87にAHOLDを解除して、時刻t
88にCPU1の動作を復帰させるとともにアドレスバ
ス31の制御もCPU1に引き渡す。CPU1が動作を
復帰した時点で、CRDYが発行されているので、CP
U1は即時にデータバスに出力されたHDDのデータを
読み取り、次の処理を開始する。
【0107】このようなステップによって、AHOLD
によって切り換えられたISAバスによるリードサイク
ルが完了する。ライトサイクルも同様に行え、さらに、
Iバスを用いたサイクルも同様に行える。このように、
本例においては、AHOLDを用いてもアドレスバス3
1をIバス40およびISAバス43として共用するこ
とができる。しかしながら、データバスを用いたビデオ
リフレッシュを行うことはできないので、コンピュータ
における処理を効率良く進めるためには、BOFFの方
が適していると言える。
【0108】このように、本例のコンピュータ20は、
CPU1のアドレスバス31にIバス40の機能に加え
てISAバス43としての機能を付加しており、1つの
バスをCPUバス、I/Oバスおよび拡張バスの計3つ
のバスとして兼用することができる。従って、各チップ
に必要とされるインタフェースを削減でき、チップの用
意する電極の数を大幅に低減できる。このため、コンピ
ュータを小型化・軽量化でき、さらに、駆動すべきイン
タフェースの数が減るので消費電力も低減できる。
【0109】さらに、本例のコンピュータは、Iバスと
ISAバスとの選択をI/Oコントローラのレディー信
号であるIRDYを用いて行っており、これによって、
インタフェースの数をさらに削減している。IRDYに
よるIバス或いはISAバスを選択するルールを纏める
と以下のようになる。
【0110】第1に、IバスもISAバスも使用しない
場合は、CPU1から出力されたアドレスがコントロー
ラユニット21内のI/O空間、メモリー空間に一致し
た場合である。この場合は、コントローラユニット21
がコントローラユニット内にメモリーを備えていれば、
そのシステムメモリー、VIDEOメモリー、さらに、
I/Oレジスタを制御する。従って、ISAバスおよび
Iバスは使用されず、BOFFは発行されない。コント
ローラユニット21のI/O空間には、1チップマイコ
ンを制御するコントロール部、IDEコントロール部な
どの上記に説明した以外にコントローラユニット21に
搭載されており、コントローラユニットから直に制御信
号が出力されるデバイスも含まれる。
【0111】第2に、Iバスを使用する場合は、上記に
該当しないメモリ空間およびI/O空間で、バス判別を
行うとき、すなわち、上記ではT2サイクルの終了時点
でIRDYが発行されて高レベル(IRDYバーが低レ
ベル)の場合であり、このためI/Oコントローラ11
がIRDY上にアドレスのデコード信号を出力する。コ
ントローラユニットは、このIRDYに加え、CPUか
ら出力されたWR(ライト/リード)、DC(データ/
コード)、MIO(メモリーI/O)などの各ステータ
ス信号をデコードして最終的に内部バス(Iバス)サイ
クルをスタートさせる。本例では、ISAバスはI/O
アクセスのみが可能となっているので、メモリーアクセ
スでコントローラユニット内のメモリー空間に一致しな
い場合でI/Oコントローラが扱える空間であるとき
は、全てのメモリーアクセスはIバスを機能させて行わ
れる。また、I/Oコントローラ内でも該当するメモリ
デバイスがない場合は、I/OコントローラからFFの
ダミーデータと共にIRDYがサイクルを完了するレデ
ィー信号として出力される。
【0112】なお、本例ではIバス上にI/Oコントロ
ーラが接続されているだけであるが、他のデバイスを接
続してももちろん良く、この場合は各デバイスから出力
されるIRDYをオープンドレイン構造の信号としてワ
イヤードオアすれば良い。
【0113】第3に、ISAバスを使用する場合は、コ
ントローラユニットに該当しないI/O空間でIRDY
がバスを判別する時点で発行されていない、すなわち、
IRDYが低レベル(IRDYバーが高レベル)の場合
である。このような条件でコントローラユニットはアド
レスバス31をISAバスとして使用する。DMA時に
もDMAコントローラがISAバスコントローラに含ま
れておりISAバスと同様にDRQおよびDAKで制御
を行う。なお、本例ではISAバスコントローラ内にD
MAコントローラを設置してあるが、I/Oコントロー
ラやIバス上の他のデバイス上にDMAコントローラを
設置してももちろん良い。また、ISAバスには、ID
Eコントロールデバイスや、1チップマイコン、さらに
バッファを介してSIOコントロールされたFDD、サ
ウンドICなどを接続することが可能である。さらに、
CPUのアドレスバスのみではなくデータバスも合わせ
て拡張バスとして共用することも可能であり、ISAバ
スの機能のみではなく、PCIバスなどの他の拡張バス
の機能を持たせることも可能である。
【0114】<実施例3>図17に本発明に係る携帯用
コンピュータの異なる例を示してある。本例もCPU1
としてインテル社製のマイクロプロセッサ80486D
X2を採用し、IBM社PC/ATアーキテクチャに基
づく基本機能を備えたコンピュータを例として説明して
あり、上述した実施例1および実施例2と共通する部分
については同じ符号を付して説明を省略する。
【0115】本例のコンピュータ20は、コントローラ
ユニット21と、CPU1の主に2つのチップから構成
されており、いっそうの小型化が図られている。また、
実施例2と同様にHDD80あるいはCD−ROM81
といったISAデバイスがCPU1のアドレスバス31
に接続されており、このアドレスバス31をISAバス
43として共用できるようになっている。本例のコンピ
ュータ20においては、上記のように2チップ構成であ
り、コントローラユニット21がI/Oコントローラと
しての機能も備えている。このため、コントローラユニ
ット21にPCMCIAコントローラ78が搭載されて
おり、さらに、内蔵モデムなどの制御を行うデバイスコ
ントローラ79も搭載されている。従って、コントロー
ラユニット21を介してI/Oコントローラに接続され
ていた入出力装置に対する入出力処理が可能であり、本
例のアドレスバス31には、Iバスとしての機能が付加
されていない。このように、本例のコントローラユニッ
ト21は、CPUとのインタフェースを制御するインタ
フェースコントローラ71と、メモリーユニット22の
制御を行うメモリーコントローラ72と、LCD14な
どのディスプレイを制御するビデオコントローラ73
と、ISAバスを制御するISAバスコントローラ75
と、PCMCIAインタフェースを制御するPCMCI
Aコントローラ78およびI/Oデバイスを制御するデ
バイスコントローラ79を備えており、1チップでCP
U1に対する入出力を全て制御できるようになってい
る。
【0116】また、本例のコンピュータ20は、2つの
PCMCIAインタフェース10aおよび10bを備え
ており、これらとCPU1のアドレスバス31を共用し
てアドレスおよびデータが交換できるようになってい
る。小型の携帯用情報処理装置においても、電話とのコ
ミュニケーション、CD−ROM、FDDなどの外部記
憶装置とのデータ交換を行うための汎用の拡張手段とし
てPCMCIAスロットが装着される。このPCMCI
Aは、システムの電源を入れたままカードを抜き差しで
きるように、カードの挿入を検出して信号線をハイイン
ピーダンス状態にして、信号線を出力したままでは起き
る可能性のあるラッチアップを防止している。また、シ
ステムが動作しているときにシステムの内部バスとPC
MCIA用のバスが接続されるとシステムに異常が発生
する可能性がある。このような事態に対処できるように
PCMCIAのスロットをサポートしようとするとスロ
ットの数に対応した多くの信号線が必要となる。すなわ
ち、PCMCIAのスロット毎にバッファが必要とな
り、このバッファにアドレスおよびデータの信号線が入
出力の数だけ必要となるので、それぞれのPCMCIA
用のバッファに対しアドレスおよびデータの信号線を全
て供給する必要がある。
【0117】本例のようにCPUとコントローラユニッ
トの2チップ構成の小型でハンディーなコンピュータに
おいては、コスト削減や実装面積の縮小が図られてお
り、PCMCIAに対する多くの信号線をコントローラ
ユニットから直にサポートするのはコスト増、実装面積
の増大に繋がる。そのために数多くの電極をチップに配
置する必要がある。そこで、本例では、CPU1のアド
レスバス31をPCMCIA用のバスとして共用するこ
とにより、コントローラユニット21にPCMCIA用
として専用に設けられるインタフェースの数を削減し、
多機能で小型のコントローラユニットを実現すると共
に、省電力化を図っている。
【0118】本例のコンピュータ20においては、各P
CMCIAスロット10aおよび10bに対し、アドレ
スをラッチする外付けバッファ91aおよび91bと、
データをラッチする外付けバッファ92aおよび92b
をそれぞれ設けてあり、これらの4つのバッファ91
a、92a、91bおよび92bをアドレスバス31に
接続してある。さらに、これらのバッファ91a、92
a、91bおよび92bにはコントローラユニットのP
CMCIAコントローラ78から制御線93aおよび9
3bを介してラッチ信号が供給されている。本例におい
ては、後述するようにラッチ信号としてIBENと同様
にサイクル信号を用いているが、クロック同期したラッ
チ信号を用いることも可能である。
【0119】図18に、本例のコンピュータ20におい
て、一方のPCMCIAインタフェース10aに対する
リードサイクルを示してある。時刻t91にADSが発
行されると、コントローラユニット21はアドレスをデ
コードし、PCMCIAに対する入出力処理であると判
別すると、時刻t92にBOFFを発行する。次のクロ
ック信号によって時刻t93にCPU1からアドレスバ
ス31およびデータバス32が開放され、CPU1は低
消費電力モードに移行する。
【0120】これによって、アドレスバス31の制御
は、PCMCIAコントローラ78に引き継がれ、PC
MCIA用のバス48として機能する。PCMCIAコ
ントローラ78は、ラッチしていたアドレスをPCMC
IAバス48に出力する。そして、ラッチ信号を外付け
バッファ91aおよび92aに出力する。さらに、PC
MCIAインタフェース10aおよび10bには、ライ
トおよびリードを示すコントロール信号が信号線46を
介してPCMCIAコントローラ78からそれぞれのP
CMCIAスロット10aおよび10bに供給される。
このコントロール信号がリードの場合は、外付けバッフ
ァ91aが最初のラッチ信号によって時刻t94にPC
MCIAバス48に表れたアドレスを取得する。次に、
外付けバッファ92aは、次のラッチ信号によって時刻
t95にPCMCIAインタフェースに表れたリードデ
ータをラッチし、PCMCIAバス48に出力する。こ
れによって、コントローラユニット21はリードデータ
を取得し、PCMCIAバスを用いたリード処理は終了
する。次に、時刻t96にBOFFを解除し、次のクロ
ック信号である時刻t97にアドレスバス31およびデ
ータバス32をCPU1に戻し、CPU1を通常の動作
モードに復帰させる。なお、上述した例と同様に、BO
FFによってCPU1から開放されたデータバス32を
用いてビデオリフレッシュが行われる。時刻t98にC
PU1からリードサイクルのADSが再び出力され、こ
れに呼応して時刻t99にコントローラユニット21か
ら取得していたリードデータがデータバス32に出力さ
れる。CPU1は、同時に発行されたCRDYによって
データを読み取り、一連のリードサイクルを完了する。
【0121】このように、本例のコンピュータ20にお
いては、CPU1のアドレスバス31をPCMCIA用
のバス48として兼用しており、コントローラユニット
21のインタフェースを増加することなく2つのPCM
CIAインタフェース10aおよび10bを活用できる
ようにしている。そして、インタフェース10aおよび
10bによってカードの出し入れを検出し、バッファ9
1および92の信号をハイインピーダンスにすることに
よってシステムの電源を入れたままカードを抜き差しで
きるように、カードの挿入を検出して信号線をハイイン
ピーダンス状態にして、上記にて説明したような、信号
線を出力したままでは起きる可能性のあるラッチアップ
や、システムが動作しているときにシステムの内部バス
とPCMCIA用のバスが接続されるとシステムに異常
が発生する可能性を未然に防止している。
【0122】また、本例のコンピュータ20は、CPU
のアドレスバス31が上記の実施例2と同様にISAバ
ス43としても利用できるようになっている。アドレス
バス31をISAバス43として共用する動作について
は上記実施例と同様につき、ここでは詳しい説明を省略
する。
【0123】なお、もう一方のPCMCIAインタフェ
ース10bに対するリードサイクルも同様に行われ、A
DSが発行されると、コントローラユニット21はアド
レスをデコードし、PCMCIAに対する入出力処理で
あると判別するとBOFFを発行する。CPU1から開
放されたアドレスバス31の制御は、PCMCIAコン
トローラ78に引き継がれ、PCMCIA用のバス48
として機能する。PCMCIAコントローラ78は、ア
ドレスをPCMCIAバス48に出力し、ラッチ信号を
外付け91bおよび92bに出力する。そして、PCM
CIAインタフェース10bにおいて、信号線46を介
して供給されたコントロール信号によってリード処理が
行われ、外付けバッファ92bからPCMCIAバス4
8に出力され、コントローラユニット21がリードデー
タを取得する。ライトサイクルにおいては、PCMCI
Aコントローラ78から書き込みを指示するコントロー
ル信号が信号線46を介してPCMCIAスロット10
bに供給され、PCMCIAバス48を介して外付けバ
ッファ92bにラッチされていたデータがPCMCIA
スロット10bに差し込まれているカードデバイスに書
き込まれる。
【0124】以上の実施例に説明したように、本発明に
係るコンピュータは、CPU1のアドレスバス31がI
バス40、ISAバス43、さらにPCMCIA用のバ
ス48として兼用できるようになっており、インタフェ
ースの量を大幅に削減することができる。従って、チッ
プに必要とされる電極の数も少なくてすみ、機能の集約
されたチップを小型にでき、コンピュータの大幅な小型
化を図れる。さらに、インタフェースが削減されたた
め、これらの駆動するための消費電力も削減される。そ
して、バスを切り換えている間は、CPU1において消
費される電力も削減されているので、バッテリーなどの
限られた電源によって長時間稼働可能な本格的に携帯用
として利用できるコンピュータを実現できる。また、ビ
デオリフレッシュをバス切り換え中に同時に行うなど、
パフォーマンスの向上が図られており、本発明により高
性能で小型・省電力の携帯に適したコンピュータを提供
できる。
【0125】なお、上記では、インテル社製のCPUを
用いたコンピュータを例として説明しているが、これに
限定されないことはもちろんである。例えば、IBM社
製のCPUであるPowerPC を用いたコンピュータにおい
ては上記のBOFFによる制御はアドレスリトライ信号
ARTRYおよびデータリトライ信号DRTRYの組み
合わせによって行うことができる。これらの信号はアド
レスのレディー信号であるアドレスアクノリッジ信号A
ACKおよびデータのレディー信号であるトランスファ
ーアクノリッジTAを出力した次のクロックに同期して
それぞれ出力可能である。そして、PowerPC はAACK
あるいはTAといったレディー信号を受けてから次のク
ロックでARTRYあるいはDRTRYの無いことを確
認してから次のサイクルに移る。また、PowerPC はDR
TRYを受け付けるとバスを駆動しない。従って、Powe
rPC をCPUとして用いたコンピュータにおいては、C
PUが入出力命令、例えば、ライト命令を出力すると、
いったんアドレスおよびデータを受け取った後、アドレ
スバスビジー信号ABBを出力しバスをCPUに与えな
い。あるいはCPUのバス要求信号BRに対しバスグラ
ント信号BGを出力しないことでバスをCPUに与えず
にコントローラユニット(メモリコントローラ)がマス
ターとなってバスを制御すれば良い。また、入出力命令
がリード命令の場合は、サイクル終了後、DRTRYを
CPUに出力し、その間に各デバイスとアクセスしてデ
ータを揃え、DRTRYをディセーブルすると共にその
データをCPUに供給すれば良い。
【0126】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の情報処
理装置においては、CPU用のバスをI/Oコントロー
ラなどに接続された内部バス(Iバス)、ISAバスな
どの拡張バス、さらに、PCMCIA用のバスなどとし
て共用できるようにしている。そして、BOFFなどの
CPUからバスを開放する手段を用いてこの共用のバス
を使用するタイミングを分離している。従って、CP
U、メモリコントローラ、I/Oコントローラ、システ
ムメモリ、ビデオメモリ、BIOSROM、さらに、I
SAデバイスなどを接続するバスのハードウェア構成を
非常に簡略化することができ、これに係るインタフェー
スの量を大幅に削減することができる。このため、IC
チップの小型化を図れ、高密度実装も簡単に行えるよう
になり、小型の情報処理装置を安価に提供することがで
きる。また、CPUから開放されたバスを、さらに、I
/Oコントローラ等に対して2段階あるいはさらに多段
階に開放することが可能であり、これによって、さらに
情報処理装置の小型化が図れる。
【0127】さらに、バスを開放している間はCPUを
低消費電力の状態にし、あるいは、I/Oコントローラ
等がバスに接続されていない間はクロックの供給を停止
するなどの方法によって情報処理装置の消費電力の低減
が図れている。さらに、バスを切り換えて使用する際
に、規格や動作の安定上の問題のない場合はバスを駆動
する電圧を下げるようにしているので、さらに消費電力
の低減が可能となる。
【0128】また、CPUから開放された共用のバス
は、例えばアドレスバスをアドレスおよびデータのマル
チプレクスされた内部バスとして用い、他のデータバス
をビデオリフレッシュなどのために同時に用いれるよう
にしてある。このため、情報処理装置として十分なパフ
ォーマンスを維持することができる。マルチプレクスさ
れたバスはサイクル信号によってデータの有効性および
タイミングを指示できるようにしてあるので、クロック
信号は不要であり、EMIやクロストークといった問題
を回避することができる。さらに、本発明の情報処理装
置は、バスがCPUから開放されることを利用し、入出
力データの加工等も行えるようにしてあるなど上述した
ように多種多様な機能を実現でき、多くの効果を備えた
情報処理装置である。このように、本発明の情報処理装
置は、小型化および低消費電力化が可能であり、さら
に、十分な性能を確保できるものであり、小型、軽量化
が進む携帯用の情報処理装置として好適なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のクレーム対応図である。
【図2】本発明の図1と異なるクレーム対応図である。
【図3】本発明の実施例1に係る情報処理装置の概略構
成を示すブロック図である。
【図4】図3に示す情報処理装置のコントローラユニッ
トおよびその周辺の構成を更に詳しく示すブロック図で
ある。
【図5】図3に示す情報処理装置のCPUの構成をさら
に詳しく示すブロック図である。
【図6】図3に示す情報処理装置において、I/Oコン
トローラに対し入出力命令(ライト命令)を行う際の動
作を示すタイミングチャートである。
【図7】省電力状態においてSTPCLKを受け入れる
CPUを用いた本発明に係る情報処理装置において、I
/Oコントローラに対し入出力命令(ライト命令)を行
う際の動作を示すタイミングチャートである。
【図8】図3に示す情報処理装置において、BIOSR
OMに対しリード命令を行う際の動作を示すタイミング
チャートである。
【図9】図3に示す情報処理装置において、I/Oコン
トローラにIバスを開放する際の動作を示すタイミング
チャートである。
【図10】図3に示す情報処理装置において、アクセラ
レータを用いて描画を行う際の動作を示すタイミングチ
ャートである。
【図11】本発明の実施例2に係る情報処理装置の概略
構成を示すブロック図である。
【図12】図11に示す情報処理装置において、CPU
のアドレスバス、ISAバス、Iバスとしての信号配置
を示す図である。
【図13】図11に示す情報処理装置のIバスを用いた
リードサイクルを示すタイミングチャートである。
【図14】図11に示す情報処理装置のISAバスを用
いたリードサイクルを示すタイミングチャートである。
【図15】図11に示す情報処理装置のISAバスを用
いたライトサイクルを示すタイミングチャートである。
【図16】図11に示す情報処理装置のAHOLDを用
いたリードサイクルを示す図である。
【図17】本発明の実施例3に係る情報処理装置の概略
構成を示すブロック図である。
【図18】図17に示す情報処理装置のPCMCIAバ
スを用いたリードサイクルを示すタイミングチャートで
ある。
【図19】従来の情報処理装置の概略構成を示すブロッ
ク図である。
【符号の説明】
1・・CPU 3・・システムメモリ(メインメモリ) 5・・メモリコントローラ 7・・バス変換ユニット 9・・CPUバス 11・・I/Oコントローラ 12・・ビデオメモリ 13・・ビデオコントローラ 14・・ディスプレイ 15・・ワンチップマイコン 17・・BIOSROM 18・・BIOSROM用のバッファ 20・・情報処理装置 21・・コントローラユニット(メモリコントローラ&
ビデオコントローラ) 22・・メモリユニット 31・・アドレスバス 32・・データバス 33・・バックオフ信号線 34・・ステータス信号線 35・・Iバス制御信号線 36・・ICEN信号線 38・・CPUに対する制御信号線 40・・Iバス(内部バス) 43・・ISAバス 48・・PCMCIA用バス 54・・CPUのバス制御部 61・・コントローラユニットの管理部 63・・CPU管理部 64・・システムメモリ制御部 65・・VGA制御部 66・・アクセラレータ制御部 67・・メモリ制御部 68・・モニター制御部 69・・リフレッシュバッファ 70・・ラッチ部 71・・CPUインタフェースコントローラ 72・・メモリーコントローラ 73・・ビデオコントローラ 74・・内部バスコントローラ 75・・ISAバスコントローラ 76・・インタフェースコントローラ 77・・内部バスコントローラ 78・・PCMCIAコントローラ 79・・デバイスコントローラ 80・・HDD 81・・CD−ROM 82・・ISA拡張用バッファ 83・・拡張スロット 91、92・・PCMCIA用外付けバッファ

Claims (40)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 CPU、第1の処理部および第2の処理
    部または記憶部が共通のバスにより接続された情報処理
    装置であって、 前記CPUは処理サイクルの発生中に前記CPUを前記
    共通のバスから開放可能なバス開放手段を備えており、 前記第1の処理部は、前記CPUから前記第2の処理部
    または記憶部に対する入出力命令が出ると前記バス開放
    手段に対しバス開放を指示するCPUインタフェース手
    段と、前記第1の処理部がマスターとなって前記共通の
    バスを使用して前記第2の処理部または記憶部に対し前
    記入出力命令に従った処理を行う第1のバス管理手段と
    を備えていることを特徴とする情報処理装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記共通のバスは、
    前記CPUがマスターとなった第1の機能と、前記第1
    の処理部がマスターとなった第2の機能とを備えている
    ことを特徴とする情報処理装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記共通のバスに第
    3の処理部が接続されており、 前記CPUインタフェース手段は、前記CPUから前記
    第3の処理部に対する入出力命令が出ると前記バス開放
    手段に対しバス開放を指示し、 前記第1の処理部は、前記共通のバスを使用して前記第
    3の処理部に対し前記入出力命令に従った処理を行う第
    2のバス管理手段を備えていることを特徴とする情報処
    理装置。
  4. 【請求項4】 請求項3において、前記共通のバスは、
    前記CPUがマスターとなった第1の機能と、前記第1
    の処理部がマスターとなって前記第1のバス管理手段に
    よって前記第2の処理部または記憶部に対し入出力処理
    を行う第2の機能と、前記第1の処理部がマスターとな
    って前記第2のバス管理手段によって前記第3の処理部
    に対し前記第2の機能と異なる方式の入出力処理を行う
    第3の機能とを備えていることを特徴とする情報処理装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項3において、前記入出力命令の開
    始情報が前記第2の処理部に前記共通のバスを介して入
    力されており、前記第2の処理部が自己の選択の有無を
    示す選択信号を出力し、前記第1の処理部が前記選択信
    号によって前記第1のバス管理手段および前記第2のバ
    ス管理手段のいずれかを選択することを特徴とする情報
    処理装置。
  6. 【請求項6】 請求項5において、前記第1の処理部お
    よび前記第2の処理部は、前記選択信号を伝達する伝達
    手段によって接続されており、この伝達手段を介して前
    記第2の処理部における前記入出力処理の完了を示すレ
    ディー信号が伝達されることを特徴とする情報処理装
    置。
  7. 【請求項7】 請求項3において、前記第3の処理部は
    機能拡張用インタフェースあるいはこの機能拡張用イン
    タフェースを介して接続される処理装置であることを特
    徴とする情報処理装置。
  8. 【請求項8】 請求項1において、前記共通のバスに第
    3の処理部またはそのインタフェースが接続されてお
    り、 前記第2の処理部は、前記第1の処理部に対して前記共
    通のバスの開放を指示し、前記第2の処理部がマスター
    となって前記共通のバスを介して前記第3の処理部また
    はそのインタフェースにアドレスおよびデータの少なく
    ともいずれかを出力する第2のバス管理手段を備えてい
    ることを特徴とする情報処理装置。
  9. 【請求項9】 請求項8において、前記第2の処理部は
    入出力コントローラであり、前記第3の処理部は機能拡
    張用インタフェースまたはこの機能拡張用インタフェー
    スを介して接続される処理装置であることを特徴とする
    情報処理装置。
  10. 【請求項10】 請求項1において、前記CPUは前記
    バス開放手段によって前記共通のバスが復帰すると前記
    入出力命令を再度出力することを備えていることを特徴
    とする情報処理装置。
  11. 【請求項11】 請求項10において、前記CPUイン
    タフェース手段は前記CPUのバックオフ入力を用いて
    バス開放を指示することを特徴とする情報処理装置。
  12. 【請求項12】 請求項1において、前記第1の処理部
    はメモリーコントローラであることを特徴とする情報処
    理装置。
  13. 【請求項13】 請求項1において、前記共通のバスは
    アドレスバスおよびデータバスを備えており、前記第1
    の処理部と前記第2の処理部は前記アドレスバスおよび
    データバスのいずれか一方のバスを内部バスとして用
    い、この内部バスはアドレスおよびデータがマルチプレ
    クスされたバスであることを特徴とする情報処理装置。
  14. 【請求項14】 請求項13において、前記第1のバス
    管理手段は、前記内部バスのアドレスおよびデータの有
    効性とアクセスのタイミングを指示する独立したサイク
    ル信号を発生することを特徴とする情報処理装置。
  15. 【請求項15】 請求項14において、前記サイクル信
    号は少なくとも2サイクルの信号であることを特徴とす
    る情報処理装置。
  16. 【請求項16】 請求項13において、前記第1の処理
    部は、前記CPUインタフェース手段によってバス開放
    を指示すると前記内部バスに印加する電圧を低減する手
    段を備えていることを特徴とする情報処理装置。
  17. 【請求項17】 請求項13において、前記アドレスバ
    スが前記内部バスとして用いられることを特徴とする情
    報処理装置。
  18. 【請求項18】 請求項17において、少なくとも1つ
    のメモリーと、このメモリーを制御可能なコントローラ
    とを有し、前記データバスに前記メモリーおよびコント
    ローラが接続されていることを特徴とする情報処理装
    置。
  19. 【請求項19】 請求項18において、前記メモリーが
    ビデオメモリーであり、前記コントローラがビデオコン
    トローラであり、前記データバスを介してビデオリフレ
    ッシュが可能であることを特徴とする情報処理装置。
  20. 【請求項20】 請求項18において、前記コントロー
    ラはメモリーコントローラであり、前記データバスを介
    してメモリーリフレッシュが可能であることを特徴とす
    る情報処理装置。
  21. 【請求項21】 請求項18において、前記コントロー
    ラはDMAコントローラであり、前記データバスを介し
    てDMAサイクルが実行可能であることを特徴とする情
    報処理装置。
  22. 【請求項22】 請求項13において、前記共通のバス
    に第3の処理部が接続されており、前記第1の処理部と
    前記第3の処理部は前記アドレスバスおよびデータバス
    のいずれか一方のバスを拡張バスとして用いて接続さ
    れ、この拡張バスは第2のアドレスバスと第2のデータ
    バスを備えていることを特徴とする情報処理装置。
  23. 【請求項23】 請求項22において、前記アドレスバ
    スが前記拡張バスとして用いられることを特徴とする情
    報処理装置。
  24. 【請求項24】 請求項1において、前記共通のバスは
    アドレスバスおよびデータバスを備えており、前記第1
    の処理部と前記第2の処理部は前記アドレスバスおよび
    データバスのいずれか一方のバスを拡張バスとして用
    い、この拡張バスは第2のアドレスバスと第2のデータ
    バスを備えていることを特徴とする情報処理装置。
  25. 【請求項25】 請求項1において、前記CPUは、前
    記バス開放手段によって前記共通のバスが開放されると
    省電力化する機能を備えていることを特徴とする情報処
    理装置。
  26. 【請求項26】 請求項25において、前記CPUは、
    前記バス開放手段によって前記共通のバスが開放される
    と内部クロックを停止する機能を備えていることを特徴
    とする情報処理装置。
  27. 【請求項27】 請求項1において、前記CPUへ供給
    されるクロックの制御手段を有しており、このクロック
    制御手段は、前記共通のバスが開放されると前記クロッ
    クを停止する機能および前記共通のバスが開放されると
    該クロックの周波数を下げる機能の少なくともいずれか
    を備えていることを特徴とする情報処理装置。
  28. 【請求項28】 請求項1において、前記共通のバスの
    開放および復帰に伴い前記第2の処理部へのクロックの
    供給を開始および停止する手段を有することを特徴とす
    る情報処理装置。
  29. 【請求項29】 請求項1において、前記第1のバス管
    理手段は、前記第2の処理部または記憶部のアドレスお
    よびデータの少なくともいずれか一方を変換する手段を
    備えていることを特徴とする情報処理装置。
  30. 【請求項30】 請求項1において、前記第1のバス管
    理手段は、前記入出力命令のアドレスおよびデータの少
    なくともいずれか一方をラッチするラッチ手段を備えて
    おり、前記第2の処理部または記憶部との間で前記ラッ
    チ手段の情報に基づき少なくとも1回のサイクルの処理
    を実行することを特徴とする情報処理装置。
  31. 【請求項31】 請求項30において、前記CPUは前
    記バス開放手段によって前記共通のバスが復帰すると前
    記入出力命令を再度出力し、 前記第1の処理部は、再度出力された前記入出力命令に
    対し処理を行わずにレディー信号を返すことを特徴とす
    る情報処理装置。
  32. 【請求項32】 請求項30において、前記CPUは前
    記バス開放手段によって前記共通のバスが復帰すると前
    記入出力命令を再度出力し、 前記第1の処理部は、該第1の処理部がマスターとなっ
    て行った前記処理によって得たデータをCPUの入力形
    式に合わせて加工し、再度出力された前記入出力命令に
    対し出力することを特徴とする情報処理装置。
  33. 【請求項33】 CPUと第1の処理部が第1のバスに
    よって接続され、前記第1の処理部と第2の処理部また
    は記憶部が第2のバスにより接続された情報処理装置で
    あって、 前記第2のバスは少なくともアドレスおよびデータがマ
    ルチプレクスされたバスであり、 前記第1の処理部は、前記一方のバスのアドレスおよび
    データの有効性とアクセスのタイミングを指示する独立
    した少なくとも2サイクルのサイクル信号を発生する手
    段を備えていることを特徴とする情報処理装置。
  34. 【請求項34】 CPU、第1の処理部および第2の処
    理部または記憶部が共通のバスにより接続された情報処
    理装置の制御方法であって、 前記CPUは処理サイクルの発生中に前記CPUを前記
    バスから開放可能なバス開放手段を備えており、 前記CPUから前記第2の処理部または記憶部に対する
    入出力命令が出ると前記バス開放手段に対しバス開放を
    指示する第1のステップと、 前記第1の処理部がマスターとなって前記バスを使用し
    て前記第2の処理部または記憶部に対し前記入出力命令
    に従った処理を行う第2のステップとを有することを特
    徴とする情報処理装置の制御方法。
  35. 【請求項35】 請求項34において、前記共通のバス
    が開放されると、前記共通のバスに印加する電圧を下げ
    ることを特徴とする情報処理装置の制御方法。
  36. 【請求項36】 請求項34において、前記第1のステ
    ップに先立って、前記第1の処理部が前記入出力命令の
    アドレスおよびデータの少なくともいずれか一方をラッ
    チするステップを有し、 前記第2のステップにおいて、前記第2の処理部または
    記憶部との間でラッチした情報に基づき少なくとも1回
    のサイクルの処理を実行することを特徴とする情報処理
    装置の制御方法。
  37. 【請求項37】 請求項36において、前記第2のステ
    ップに続いて、前記共通のバスを復帰する第3のステッ
    プと、 前記CPUから再度出力された前記入出力命令に対しレ
    ディー信号を返し、前記入出力命令がリード命令のとき
    は前記処理で得たデータを前記CPUの入力形式に合わ
    せて加工して出力する第4のステップとを有することを
    特徴とする情報処理装置の制御方法。
  38. 【請求項38】 請求項34において、前記共通のバス
    に第3の処理部が接続されており、 前記CPUから前記第3の処理部に対する入出力命令が
    出ると前記第1のステップを行い、その後、共通のバス
    を使用して前記第3の処理部に対し前記入出力命令に従
    った処理を行う第5のステップを有することを特徴とす
    る情報処理装置の制御方法。
  39. 【請求項39】 請求項38において、前記入出力命令
    の少なくとも開始情報が前記第2の処理部に前記共通の
    バスを介して入力されており、 前記第5のステップに先立って、前記第2の処理部が前
    記開始情報によって自己の選択の有無を判断する第6の
    ステップを有し、 前記第5のステップにおいて、前記第1の処理部は前記
    第2の処理部の判断に従って、前記共通のバスを前記第
    2の処理部に接続する第1の制御方式および、前記第3
    の処理部に接続する第2の制御方式のいずれかで共通の
    バスの制御することを特徴とする情報処理装置。
  40. 【請求項40】 請求項34において、前記共通のバス
    に第3の処理部またはそのインタフェースが接続されて
    おり、 前記CPUから前記第3の処理部に対する入出力命令が
    でると前記第1のステップを行い、その後、前記第2の
    処理部が前記第1の処理部に対して前記共通のバスの開
    放を指示するステップと、 前記第2の処理部がマスターとなって前記共通のバスの
    少なくとも1部を介して前記第3の処理部またはそのイ
    ンタフェースにアドレスおよびデータの少なくともいず
    れかを出力するステップとを有することを特徴とする情
    報処理装置の制御方法。
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