JPH09127475A - 一体型情報記録媒体の収納ケース - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 一体型媒体を保護し、媒体からの電極取り出
しを確実かつ簡便に行い、かつ構造簡単にして量産化を
図る。 【解決手段】 画像領域及び透過率モニタ領域をカバー
する１つの窓が形成された上蓋と、１つの露光用窓が形
成された下蓋とが一体型情報記録媒体を収納して互いに
固定され、前部または側部に電極取り出し口が形成さ
れ、上蓋および下蓋をＡＢＳ樹脂製としたことを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、光センサ及び液晶
記録媒体を積層し、液晶記録媒体の配向を変化させて画
像記録する一体型情報記録媒体の収納ケースに関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】従来、液晶ー高分子複合体層を電極上に
形成した液晶記録媒体と、電極層上に光導電層が形成さ
れた光センサとを積層して一体化した液晶記録媒体にお
いて、電圧印加露光により画像記録するものが知られて
いる。図１はこのような一体型情報記録媒体を示してお
り、図中、１０は光センサ、２０は液晶記録媒体をそれ
ぞれ示している。光センサ１０は透明支持体１１上に透
明電極１２、光導電層１３が順次積層され、液晶記録媒
体２０は、透明電極２２上に液晶ー高分子複合体層２３
が積層されている。光導電層１３は、無機光導電層とし
てアモルファスセレン、アモルファスシリコン等、有機
光導電層としてポリビニルカルバゾールにトリニトロフ
ルオレノンを添加した単層構造のものや、電荷発生層と
してアゾ系の顔料をポリビニルブチラール等の樹脂中に
分散したものと電荷移動層としてヒドラゾン誘導体をポ
リカーボネート等の樹脂と混合したものを積層したもの
等が使用可能である。一体型情報記録媒体では、図１
（ａ）に示すように光センサ上に液晶記録媒体を直接積
層するものと、図１（ｂ）に示すように、透明な誘電体
の中間層２４を介在させた透過型のもの、または中間層
を誘電体ミラーとした反射型のものとがある。

【０００３】図２に示すように、このような一体型情報
記録媒体の電極１２、２２間に電源３０により電圧を印
加し、書き込み光として可視光を照射すると、露光強度
に応じて光導電層１３の導電性が変化し、液晶ー高分子
複合体層２３にかかる電界が変化して液晶の配向状態が
変化し、印加電圧をＯＦＦして電界を取り除いた後もそ
の状態が維持され、画像情報の記録が行われる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、液晶記録媒
体と光センサの層厚は、それぞれ６μｍ、１０μｍ程度
で、一体型情報記録媒体全体の層厚も２０μｍ未満と非
常に薄い。このように、非常に薄い媒体の取り扱いは慎
重を要し、僅かな衝撃でガラスが破損したり、また、直
接手で触れたりすると画質に影響がでてしまうことにな
る。また、媒体が薄くかつ小さいために確実な電極取り
出しは困難で、例えば、カメラなどに装填して手軽に撮
影可能にする場合に対応できない。そのため、かかる媒
体を収納して量産化を可能にするための構造簡単な収納
ケースが望まれていた。

【０００５】本発明はかかる事情に鑑みてなされたもの
で、一体型媒体を保護し、かつ媒体からの電極取り出し
を確実かつ簡便に行うことができ、量産化に対応可能な
一体型情報記録媒体の収納ケースを提供することを目的
とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、画像領域及び
透過率モニタ領域をカバーする１つの窓が形成された上
蓋と、１つの露光用窓が形成された下蓋とが一体型情報
記録媒体を収納して互いに固定され、前部または側部に
電極取り出し口が形成されていることを特徴としてい
る。かかる構成により記録媒体が保護され、かつ電極取
り出しを確実かつ簡便に行うことができるとともに、量
産化に適した簡単な構造とすることが可能である。

【０００７】

【発明の実施の形態】図３は本発明の一体型記録媒体の
電極取り出しを説明するための平面図である。なお、使
用する記録媒体は図１、図２で説明したと同様のもので
ある。図３（ａ）において、上部電極取り出し端子３０
は、例えば液晶記録媒体の各Ｒ，Ｇ，Ｂ電極に接続され
た端子であり、下部電極端子３１は光センサの電極に接
続された端子であり、これらの対向する領域が画像記録
領域３２を形成している。透過率モニタ領域３３は、上
部電極取り出し端子３０とは反対側に形成された各Ｒ，
Ｇ，Ｂ電極の一部電極領域で、暗部の透過率をモニタす
るためのものである。また、電流値モニタ領域３４は媒
体端部に形成され、暗部における電流（暗電流）をモニ
タするための領域を形成している。そして、これら上部
電極取り出し端子３０、下部電極端子３１、電流値モニ
タ領域３４は、後述するように同じ側（図の手前側）、
または側部（電流値モニタ領域側）から一括して電極取
り出しされるように形成されている。

【０００８】図３（ｂ）は一体型記録媒体の各部のサイ
ズの例を示したもので、５２ｍｍ×９７ｍｍの媒体に対
して、電極取り出し側の各領域の幅は、電流値モニタ領
域５ｍｍ、上部電極取り出し領域１０ｍｍ、下部電極取
り出し領域５ｍｍである。

【０００９】図４は図３に示した各領域の電極取り出し
を行うためのプリント基板の１例を示す図である。フレ
キシブルプリント基板４０にはパターニング電極４１が
印刷形成されている。パターニング電極４１の４１ａ〜
４１ｃはＲ，Ｇ，Ｂの上部電極取り出し端子３０に、４
１ｄは下部電極端子３１に、４１ｅは電流値モニタ領域
３４にそれぞれ接続される接点部分である。そしてパタ
ーンニングされた配線は前面側に一括され、後述する収
納ケースの前面に設けられた電極取り出し口から外部に
接続できるようになっている。

【００１０】図５は図４のプリント基板のパターニング
電極を一体型媒体の取り出し電極と接続した状態を示す
図である。パターニング電極が形成されたフレキシブル
プリント基板４０の各接点部分が下側になるようにして
一体型媒体の取り出し電極領域に重ね、各接点部分が一
体型媒体の各取り出し電極に接続され、前面より電極取
り出しが行われる。

【００１１】図６は図３に示した各領域の電極取り出し
を行うためのプリント基板の他の例を示す図である。フ
レキシブルプリント基板５０にはパターニング電極５１
が印刷形成されている。パターニング電極５１の５１ａ
〜５１ｃはＲ，Ｇ，Ｂの上部電極取り出し端子３０に、
５１ｄは下部電極端子３１に、５１ｅは電流値モニタ領
域３４にそれぞれ接続される接点部分である。

【００１２】この例におけるフレキシブルプリント基板
５０は、パターニングされた配線を電流値モニタ領域３
４を迂回して側部に一括し、後述する収納ケースの側部
に設けられた電極取り出し口から外部に接続するように
した点以外は、図４のフレキシブルプリント基板４０と
同じである。

【００１３】図７は図６に示したプリント基板のパター
ニング電極を一体型媒体の取り出し電極と接続した状態
を示す図である。パターニング電極が形成されたフレキ
シブルプリント基板５０の各接点部分が下側になるよう
にして一体型媒体の取り出し電極領域に重ね、各接点部
分が一体型媒体の各取り出し電極に接続され、側部より
電極取り出しが行われる。

【００１４】次に、このような電極取り出しを行う一体
型情報記録媒体の収納ケースについて説明する。図８は
本発明の収納ケースの１例を示す図で、図８（ａ），
（ｂ）は上蓋、図８（ｃ），（ｄ）は下蓋を示してい
る。収納ケース６０は、熱収縮率が小さいため、射出成
形が容易で軽く、黒色で遮光効果を高めることのできる
ＡＢＳ樹脂製である上蓋６１、下蓋６５からなってい
る。上蓋６１（液晶媒体側）には、Ｒ，Ｇ，Ｂ画像形成
領域、透過率モニタ領域を確保するための１つの窓６２
が設けられ、この窓を形成した枠の窓に隣接する側でこ
れを囲む領域に深さ０．５ｍｍのザグリが設けられ（図
８（ｂ）の６３）、この部分に一体型媒体の周囲を押さ
えるためのゴムが張られる。また、前面側には電極取り
出し口６４が設けられている。

【００１５】また、図８（ｃ），（ｄ）に示すように、
下蓋６５（光センサ側）にもＲ，Ｇ，Ｂ画像形成領域用
の１つの窓６６が形成され、窓を形成した枠の窓に隣接
する側でこれを囲む領域に深さ１．２０ｍｍのザグリ６
７が設けられ、この部分に厚さ１．１ｍｍの一体型媒体
が嵌め込まれ、前述した押さえ用ゴムで押さえつけられ
る。

【００１６】こうして間に一体型媒体６０を入れて挟ん
だ上蓋６１と下蓋６５とは、ネジ止め、ビス止め、超音
波接着等により互いに固定される。

【００１７】なお、図９に示すように上蓋の窓６２と下
蓋の窓６６とは前後に位置をずらして形成し、上蓋窓に
より、透過率モニタ領域を確保するようにしているが、
両方の窓の位置、大きさは一致させるようにしてもよ
い。

【００１８】図１０は本発明の収納ケースの他の例を示
す図で、図１０（ａ），（ｂ）は上蓋、図１０（ｃ），
（ｄ）は下蓋を示している。収納ケース７０は、熱収縮
率が小さいため、射出成形が容易で軽く、黒色で遮光効
果を高めることのできるＡＢＳ樹脂製である上蓋７１、
下蓋７５からなっていて、上蓋７１（液晶媒体側）には
Ｒ，Ｇ，Ｂ画像形成領域、透過率モニタ領域を確保する
ための１つの窓７２が設けられ、この窓を形成した枠の
窓に隣接する側でこれを囲む領域に深さ０．５ｍｍのザ
グリが設けられ（図１０（ｂ）の７３）、この部分に一
体型媒体の周囲を押さえるためのゴムが張られる。ま
た、側面側には電極取り出し口７４が設けられている。

【００１９】また、図１０（ｃ），（ｄ）に示すよう
に、下蓋７５（光センサ側）にもＲ，Ｇ，Ｂ画像形成領
域用の１つの窓７６が形成され、窓を形成した枠の窓に
隣接する側でこれを囲む領域に深さ１．２０ｍｍのザグ
リ７７が設けられ、この部分に一体型媒体が嵌め込ま
れ、前述した押さえ用ゴムで押さえつけられる。

【００２０】こうして間に一体型媒体６０を入れて挟ん
だ上蓋７１と下蓋７５とは、ネジ止め、ビス止め、超音
波接着等により互いに固定される。

【００２１】図１１は上蓋と下蓋の端部接合部に互いに
凹凸の関係になるようなかみ合わせ機構を設けた例を示
しており、このようなかみ合わせ機構により両者を接合
してビス止め、或いは超音波接着することにより、接合
を容易にするとともに、かつ接合強度を増すことができ
る。

【００２２】図１２は下蓋端部にテーパー部を形成して
一体型媒体をセットし易くした例を示したもので、テー
パー部は一体型媒体の落とし込み機構として作用し、正
確な位置決めをしなくても、僅かな力の作用で媒体はテ
ーパーに沿って所定位置に移動するので、製作を容易に
し、かつ正確な位置決めが可能となる。

【００２３】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、一体型情
報記録媒体を収納ケースに組み込むようにしたので媒体
を保護しながら電極取り出しを確実かつ簡便に行うこと
ができ、さらにケースをＡＢＳ樹脂製として構造を簡単
化したので、射出成形等により量産化を図ることが可能
となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 一体型液晶記録媒体を説明する図である。

【図２】 一体型液晶記録媒体の画像露光方法を説明す
る図である。

【図３】 本発明の媒体仕様を説明する図である。

【図４】 本発明のプリント基板の１例を説明する図で
ある。

【図５】 パターニング電極を媒体に接続した状態を示
す図である。

【図６】 本発明のプリント基板の他の例を説明する図
である。

【図７】 パターニング電極を媒体に接続した状態を示
す図である。

【図８】 収納ケースの１例を説明する図である。

【図９】 上蓋と下蓋の画像形成領域用窓の関係を説明
する図である。

【図１０】 収納ケースの他の例を示す図である。

【図１１】 収納ケースの他の例を示す図である。

【図１２】 収納ケースの他の例を示す図である。

【符号の説明】

３０…上部電極取り出し端子、３１…下部電極端子、３
２…画像記録領域、３３…透過率モニタ領域、３４…電
流値モニタ領域、４０，５０…フレキシブルプリント基
板、４１，５１…パターニング電極、５０，６０…収納
ケース、６１，７１…上蓋、６２，７２…窓、６３，７
３…ザグリ、６４，７４…電極取り出し口、６５…下
蓋。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 液晶ー高分子複合体層を電極層上に積層
   した液晶記録媒体と、透明基板上に電極層、光導電層を
   形成した光センサとを液晶ー高分子複合体層と光導電層
   が対向するように直接または中間層を介在させて積層
   し、前記両電極層の取り出し電極が同一側に形成された
   一体型情報記録媒体の収納ケースであって、 画像記録領域及び透過率モニタ領域をカバーする１つの
   窓が形成された上蓋と、１つの露光用窓が形成された下
   蓋とが一体型情報記録媒体を収納して互いに固定され、
   前部または側部に電極取り出し口が形成された一体型情
   報記録媒体の収納ケース。
2. 【請求項２】 請求項１記載のケースにおいて、ＡＢＳ
   樹脂で作成したことを特徴とする一体型情報記録媒体の
   収納ケース。
3. 【請求項３】 請求項１記載のケースにおいて、上蓋及
   び下蓋の端部に噛み合わせ機構を設けて両者を接合した
   ことを特徴とする一体型情報記録媒体の収納ケース。
4. 【請求項４】 請求項１記載のケースにおいて、下蓋端
   部にテーパー部からなる落とし込み機構を設けて一体型
   媒体を収納するようにしたことを特徴とする一体型情報
   記録媒体の収納ケース。