JPH09127230A - Gps受信機の衛星信号追尾方法 - Google Patents

Gps受信機の衛星信号追尾方法

Info

Publication number
JPH09127230A
JPH09127230A JP7280650A JP28065095A JPH09127230A JP H09127230 A JPH09127230 A JP H09127230A JP 7280650 A JP7280650 A JP 7280650A JP 28065095 A JP28065095 A JP 28065095A JP H09127230 A JPH09127230 A JP H09127230A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pseudo noise
signal
phase
satellite
generator
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP7280650A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3226449B2 (ja
Inventor
Yoshifumi Tateda
良文 舘田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP28065095A priority Critical patent/JP3226449B2/ja
Publication of JPH09127230A publication Critical patent/JPH09127230A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3226449B2 publication Critical patent/JP3226449B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Position Fixing By Use Of Radio Waves (AREA)
  • Radar Systems Or Details Thereof (AREA)
  • Superheterodyne Receivers (AREA)
  • Monitoring And Testing Of Transmission In General (AREA)
  • Mobile Radio Communication Systems (AREA)
  • Radio Relay Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成で精度良く位置を測定できるGP
S受信機の衛星信号追尾方法を提供する。 【解決手段】 GPS受信機において、疑似雑音の符号
速度と整数比でない周期を持ち、零から疑似雑音の位相
を量子化する位相の間、色々な位相値をほぼ一様な分布
となる変調信号を出力する変調信号発生器30を設ける。
疑似雑音発生器31に設定する位相に変調信号発生器30の
出力を加えた後に、疑似雑音発生器31の基準のクロック
信号の周期に相当する位相を単位として量子化し、疑似
雑音発生器31に設定する。疑似雑音の位相と50bpsのデ
ータのタイミングを測定し、衛星が電波を発射した時刻
を求める。制御部21にて、複数の衛星から受け取った軌
道情報や時刻情報と測定した時刻を使って、GPS受信
機のアンテナ2の位置を演算により求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、測位衛星の信号を
受信し位置を測定するGPS(GlobalPositioning Syste
m)受信機、特に米国で運用されているNAVSTAR衛
星や、ロシア共和国で運用されているGLONASS衛
星など、測定した複数の衛星時刻を比較することによっ
て位置を求めるGPS受信機の衛星信号追尾方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、GPS受信機はカーナビゲーショ
ンシステムや、船舶の航法装置、航空機の航法装置の位
置センサーとして広く利用されている。
【0003】以下に特開昭63−15182号公報に開示され
る従来のGPS受信機の衛星信号追尾方法について説明
する。図6はNAVSTAR衛星を利用する従来のGP
S受信機の構成を示すブロック図である。図6におい
て、1はGPS衛星、2は搬送周波数が1.57542GHzであ
るGPS衛星の信号を受けるアンテナ、3は衛星信号を
濾波するフィルタ、4は衛星信号を増幅する増幅器、5
は増幅した衛星信号を中間周波信号に周波数変換する1.
571328GHzの局部発振器、6は局部発振器5の信号と衛
星信号を混合する混合器、7は周波数変換した4.092MHz
の中間周波信号を濾波するフィルタ、8は中間周波信号
を増幅する増幅器、9は中間周波信号を2値化する比較
器、10は2値化した中間周波信号を標本化するラッチ、
11は中間周波信号を基底帯域に周波数変換するための局
部発振器、12は局部発振器11の出力を混合する混合器で
ある。
【0004】また、13は複数の衛星についてそれぞれ固
有の疑似雑音を発生する疑似雑音発生器、14は、複数の
衛星それぞれについて、衛星信号と疑似雑音発生器13の
出力を混合して相関を求め、一定の周期で時間積分する
復調器、15は衛星ごとに時間積分した復調器14の出力を
切り換えて時間順次とするスイッチ、16は、衛星信号の
ドップラーシフトおよび基準発振器22の誤差を補正し、
複数の衛星について、衛星信号の搬送波を追尾し、再生
した搬送波を順次出力する数値制御発振器、17は、数値
制御発振器16の出力により、復調器14の出力信号を各衛
星について順次直交周波数変換する混合器、18は混合器
17の出力するI信号とQ信号を交互に切り換えるスイッ
チ、19は混合器17の出力を累積加算する加算器、20は累
積加算の中間結果を保存するRAM(ランダムアクセス
メモリ)、21は、混合器17が出力する衛星信号の同相成
分と直交成分の累積加算値を用いて、衛星信号に追尾す
るように疑似雑音発生器13と数値制御発振器16を制御す
る制御部、22はGPS受信機が基準とするタイミングを
決める基準発振器である。
【0005】以上のように構成されたGPS受信機にお
ける衛星信号の追尾方法を説明する。まず、複数のGP
S衛星1の電波をアンテナ2で受け、受けた信号はフィ
ルタ3で不要な信号を除いて増幅器4で増幅する。さら
に、局部発振器5,混合器6およびフィルタ7で構成す
る周波数変換回路で周波数変換をする。このフィルタ7
が出力する中間周波信号の周波数は4.092MHzを中心とす
る信号である。つぎに、中間周波信号を増幅器8で増幅
および振幅制限した後、比較器9において2値化した信
号に変換する。この2値化した信号を、ラッチ10におい
て、基準発振器22が出力する16.368MHzのクロック信号
で標本化する。これ以降は受信した信号を離散値として
ロジック回路又は演算回路で、またはディジタル信号と
して処理する。
【0006】次に、局部発振器11が出力する4.092MHzの
I信号と90゜位相が異なるQ信号によって、標本化した
信号を直交周波数変換する。周波数変換した衛星信号の
I,Q信号は、受信する衛星ごとに独立した信号処理を
行う。疑似雑音発生器13は受信する衛星ごとに固有の疑
似雑音を出力する。衛星固有の疑似雑音はC/Aコード
と呼ばれ、符号速度が1.023Mbpsで符号長1023ビット、
周期は1msecである。復調器14では衛星ごとに衛星信号
と疑似雑音を混合する。
【0007】疑似雑音の位相は、信号処理のクロック信
号である16.368MHzに相当する1/16チップを単位とし
て量子化し、この量子化した位相値を疑似雑音発生器13
に設定する。復調器14で衛星信号と疑似雑音を混合した
後、数百kHzの標本化周波数まで時間積分によって平滑
化する。数値制御発振器16はそれぞれの衛星について再
生搬送波を発振し、直交したI信号とQ信号を出力す
る。この出力によって混合器17は前記平滑化した信号を
直交周波数変換する。この周波数変換は、信号の標本化
周波数が低くなっているので、複数の衛星について時分
割で処理する。混合器17が出力する同相成分のI信号と
直交成分のQ信号は、スイッチ18において時間順次信号
に変換する。
【0008】そして、加算器19とRAM20で構成する累
積加算器は、衛星ごとに混合器17の出力するI信号およ
びQ信号を累積加算する。加算する期間はC/Aコード
の始まりから終わりまでの1msecを1区間とする。制御
部21は、1msecの累積加算結果を受け取り、累積加算結
果であるQ信号成分の振幅が小さくなるように数値制御
発振器16を制御することによって、衛星信号の搬送波に
追尾する。
【0009】さらに、1msecを区切りとして疑似雑音発
生器13が出力する位相を動かして、累積加算結果である
I信号成分の振幅の変化を調べ、この変化から疑似雑音
発生器13の疑似雑音と衛星信号の疑似雑音とにおける位
相差を測定することで、衛星信号の疑似雑音を追尾す
る。さらに制御部21は、累積加算結果であるI信号成分
の正負より、衛星からBPSK変調(Binary Phase Shif
t Keying)で送られる50bpsのデータを受け取る。そし
て、疑似雑音の位相と50bpsのデータのタイミングを測
定することにより、衛星が電波を発射した時刻を求め
る。さらに制御部21において、複数の衛星について受け
取った軌道情報や時刻情報と測定した時刻を使って、G
PS受信機のアンテナ位置を、演算により求め外部へ出
力する。
【0010】図7は従来のGPS受信機における疑似雑
音発生器の構成を示すブロック図である。図7におい
て、13aはGPS受信機内の基準時刻を刻む内部時計、1
3bは複数の衛星それぞれについて制御部21が出力する位
相と内部時刻を比較して疑似雑音の開始タイミングを求
める時刻比較、13cは、この開始タイミングによって第
1の最長符号系列の出力を開始し、その後クロック信号
16個ごとに次の符号を出力する第1符号発生器、13dは
第1符号発生器13cと同様に第2の最長符号系列を順次
出力する第2符号発生器、13eは制御部21が指定する疑
似雑音の番号によって、定められた2個の位相選択信号
を出力する符号番号変換表、13fはこの2個の位相選択
信号により第2符号発生器の出力から信号を選択する位
相選択、13gはこの選択した2信号と第1符号発生器の
出力の論理和を求める2個の演算素子である。
【0011】以上のように構成した疑似雑音発生器13に
ついて、以下にその動作を説明する。内部時計13aはG
PS受信機が基準とする時計であって、この時刻を基に
作る疑似雑音と衛星信号の疑似雑音を比較することによ
って、衛星信号が示す時刻を測定する。時刻比較13bは
疑似雑音の開始タイミングを求めることにより、内部時
計13aに対する疑似雑音の位相を決定する。この疑似雑
音の開始タイミングは概略1msec周期であって、発生す
る疑似雑音の位相は1msecに1回変更することになる。
【0012】第1符号発生器13cと第2符号発生器13dは
10ビットのシフトレジスタと論理演算素子で構成する。
さらに、第2符号発生器13dは10ビットのシフトレジス
タそれぞれから並列に、クロック信号16個分ずつ互いに
位相がずれた10種類の位相をもつ信号を出力する。
【0013】疑似雑音発生器13は基準発振器22が出力す
る16.368MHzのクロック信号のタイミングで1または0
の符号列を出力する。従って、疑似雑音発生器13が出力
する符号の位相は16.368MHzのクロック信号が最小のス
テップである。すなわち、疑似雑音発生器13には1/16
チップ単位で量子化した位相の値を設定する。なお、こ
の位相の基準はGPS受信機の制御部でクロック信号を
計数して決めている内部時計である。
【0014】図8(a)は復調器の出力である疑似雑音の
位相を変えたときの衛星信号との相関値の変化を示し、
図8(b)は疑似雑音発生器に量子化した位相を設定し、
復調器で得られる相関値の変化を模式的に示す図であ
る。図8は、GPS受信機で作る疑似雑音の位相変化に
よる、衛星信号との相関値の変化を示し、横軸はGPS
受信機で発生する疑似雑音の位相変化、縦軸は衛星信号
とGPS受信機で発生する符号の相関値であって、絶対
値で示している。符号の位相は相対変化であって、基準
を設けていない。
【0015】図8(a)は、疑似雑音発生器13が出力する
疑似雑音の位相を変えたときの衛星信号との相関値で、
復調器14の出力である。相関値が最大となるのは、疑似
雑音発生器13が出力する疑似雑音と、衛星信号の疑似雑
音の位相が一致しているところである。両者の位相差が
前後1チップの範囲で振幅が減少し、位相差が1チップ
を越すと概略零の振幅となる。ただし、1チップは疑似
雑音の1ビット分に相当する時間間隔である。
【0016】いま、内部時計と衛星信号が刻む時刻と
が、ある位相関係にあるとする。疑似雑音発生器13には
1/16チップ単位で量子化した位相を設定する。図8
(b)は、この量子化前の設定位相を横軸とし、疑似雑音
発生器13に量子化した位相を設定したときに、復調器14
で得られる相関値の変化を模式的に示している。また、
量子化の単位は1/16チップである。GPS受信機が刻
んでいる内部時計と衛星信号の位相関係が変われば図8
(b)の形は変化するが、階段状になるのは同じである。
この量子化による誤差があると、衛星信号の位相すなわ
ち衛星時刻の測定誤差が増大する。そこで、衛星信号に
対し約1/2チップ程度の前と後の位相を疑似雑音発生
器13に設定し、量子化の際に切り上げまたは切り捨てた
部分を使って、量子化しない場合の観測結果を予測する
方法により量子化誤差を除く。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】基準発振器の周波数を
疑似雑音の符号速度と整数比の関係にならないように定
め、累積加算の期間を疑似雑音の周期1msecと関連づけ
ないようにすれば、量子化した位相値を疑似雑音発生器
に設定することで、疑似雑音発生器の出力位相は量子化
した分だけゆらぎがあることになるが、このゆらぎは速
い変化であって、疑似雑音の追尾を行うフィルタによっ
て除去できる。従って測定結果の乱れは少ないが、基準
発振器の周波数と疑似雑音の符号速度が整数比でないた
め、GPS受信機の制御タイミングや衛星信号の周波数
変換などが複雑になるという欠点がある。そのため、基
準発振器の周波数を疑似雑音の符号速度と整数比の関係
としているGPS受信機が多い。
【0018】しかしながら、従来例の図6に示すよう
に、両者の関係を整数比としているGPS受信機では、
受信中の衛星信号に含まれる疑似雑音の符号速度と、基
準発振器の周波数比が非常に整数に近くなったとする
と、前記の疑似雑音発生器が出力する位相は、符号クロ
ック信号幅だけ時折変化する。このようなゆらぎ成分は
低い周波数成分であって、疑似雑音の追尾を行うフィル
タによって除去できない。量子化を1/16チップとする
とゆらぎ量は距離にして9m余りになり測位精度が劣化
する。
【0019】また前記従来の構成では、基準発振器の精
度を落として、安価な発振器を使用すると、基準発振器
の周波数と衛星信号の符号速度との比が整数から大きく
はずれた場合、相関値を求める累積加算の1msec期間内
に、衛星信号とGPS受信機の疑似雑音間で位相差が大
きく変化するので、時刻の測定精度が劣化するという問
題点を有していた。基準発振器22の誤差が100ppmとする
と、1msec経過した後のC/Aコードのズレは1/10チ
ップ程度であって、距離にして約30mと大きくなる。
【0020】さらに、量子化の単位を小さくしてゆらぎ
を少なくする方法も考えられるが、標本化の周波数を高
くするのは、回路の動作周波数が高くなり、消費電力が
動作周波数にほぼ比例して増大するという問題があっ
た。
【0021】本発明は、前記従来技術の問題を解決する
ものであり、簡単な回路構成により消費電力の増加を抑
え、安価な基準発振器であっても、精度良く位置が測定
できるGPS受信機の衛星信号追尾方法を提供すること
を目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明のGPS受信機の衛星信号追尾方法は、疑似
雑音発生器に設定する位相を変調する変調信号発生器お
よび変調回路を設け、変調信号発生器による位相の変調
が、疑似雑音発生器が疑似雑音を発生するクロック信号
の周期にほぼ相当する範囲の位相変化であって、この変
調信号の変化を、衛星信号の疑似雑音に対する追尾時定
数に比べ短い時間の周期とするか、実質的に乱数となる
ようにし、制御部が出力する疑似雑音発生器の位相を、
変調回路により変調信号発生器の出力で変調した後、疑
似雑音発生器が疑似雑音を発生するクロック信号の周期
に相当する量を単位として量子化して、疑似雑音発生器
に位相値として設定することによって、疑似雑音発生器
の出力信号と衛星信号の相関を測定し、この相関値が最
大となるように疑似雑音発生器の位相を制御して、衛星
信号の疑似雑音を追尾することを特徴とする。
【0023】また、疑似雑音発生器に設定する位相を変
調する変調信号発生器は、変調信号の出力を変更するタ
イミングが、受信している衛星信号それぞれに同期し、
さらに前記変調信号発生器が発生する信号の周期が、衛
星信号の疑似雑音の周期と整数比の関係にならないよう
に定める。
【0024】また、疑似雑音発生器に、疑似雑音の周期
または整数倍の周期に同期して前記疑似雑音発生器の位
相を変更する第1の状態と、疑似雑音の周期より短い時
間で周期的にまたは随時位相を変更する第2の状態とを
切り換える手段を設け、疑似雑音発生器が疑似雑音を発
生するクロック信号の周期に相当する量を単位として、
制御部が受信衛星ごとに出力する疑似雑音の位相を量子
化し、疑似雑音発生器に設定すると共に、受信している
衛星ごとに衛星信号に含まれる疑似雑音の符号速度と、
発振器の周波数との比を求める。この比が整数に近い状
態か否かの判定基準を定め、整数に近い状態においては
第1の状態として、疑似雑音の位相を量子化する際に切
り上げまたは切り捨てた部分を使って、量子化しない場
合の観測結果を予測する方法により量子化誤差を除き、
整数に近くない状態では第2の状態として、数値制御発
振器の位相を制御することで、衛星信号の疑似雑音を追
尾することを特徴とする。
【0025】この方法によって、基準発振器の周波数と
衛星信号の疑似雑音の符号速度が整数比に近い場合に
も、疑似雑音の位相に変調を加えて量子化し、疑似雑音
発生器に設定することにより、量子化によるゆらぎが生
じないようにする。あるいは量子化により切り上げまた
は切り捨てた部分を使って、量子化しない場合の観測結
果を予測する方法によって量子化誤差を除くことによ
り、量子化によるゆらぎが生じない精度の良い測位がで
きる。さらに、安価な基準発振器を用いた安価なGPS
受信機であって、基準発振器の周波数と衛星信号の疑似
雑音の符号速度が整数比からはずれている状況でも、疑
似雑音発生器の位相を短期間で変更することにより、疑
似雑音発生器の位相設定周期が長いと問題となる、疑似
雑音発生器の位相を変更する期間内に生じる位相変化が
小さくなるので、位置を精度良く測定できる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形
態1におけるGPS受信機の構成を示すブロック図であ
る。また以下の各図において、前記従来例の図6で説明
した同一作用効果のものには同一の符号を付す。図1に
おいて、1はGPS衛星、2はアンテナ、3,7はフィ
ルタ、4,8は増幅器、5,11は局部発振器、6,12,
17は混合器、9は比較器、10はラッチ、14は復調器、1
5,18はスイッチ、16は数値制御発振器、19は加算器、2
0はRAM、21は制御部、22は基準発振器、30は変調信
号発生器、31は疑似雑音発生器である。本実施の形態1
の構成と従来例との違いは、8ビットの変調信号を発生
する変調信号発生器30を設けると共に、図6に示した疑
似雑音発生器13の構成を変えて、制御部21が疑似雑音発
生器13に設定する信号の位相値を、前記変調信号で変調
する手段を設けた疑似雑音発生器31を用いる点である。
【0027】以上のように構成したNAVSTAR衛星
を利用するGPS受信機について、以下その動作を説明
する。ここで、複数のGPS衛星1の電波をアンテナ2
で受信し、フィルタ3で不要な信号を除き増幅器4で増
幅する。さらに、局部発振器5,混合器6およびフィル
タ7で構成する周波数変換回路で周波数変換した中間周
波信号を増幅器8で増幅および振幅制限し、比較器9に
おいて2値化した信号に変換する。この2値化した信号
をラッチ10において、基準発振器22のクロック信号で標
本化する。つぎに、局部発振器11が出力するI信号と90
゜位相が異なるQ信号によって、標本化した信号を直交
周波数変換する。周波数変換した衛星信号のI,Q信号
は、受信する衛星ごとに独立した信号処理を行う。疑似
雑音発生器31は受信する衛星ごとに固有の疑似雑音を出
力する。復調器14は衛星ごとに衛星信号と疑似雑音を混
合する。
【0028】以上の動作は従来例と同様であり、この従
来例では、信号処理のクロック信号である16.368MHzに
相当する1/16チップを単位として、疑似雑音発生器31
に設定する位相を14ビットの位相値に量子化している
が、本実施の形態1ではさらに1/256の細かさで量子
化した22ビットの離散値を疑似雑音発生器31に設定す
る。
【0029】復調器14で衛星信号と疑似雑音を混合した
後、数百kHzの標本化周波数まで時間積分によって平滑
化する。数値制御発振器16はそれぞれの衛星について再
生搬送波信号を発振し、直交したI信号とQ信号を出力
する。この出力によって混合器17は前記平滑化した信号
を直交周波数変換する。信号の標本化周波数が低くなっ
ているので、この周波数変換は複数の衛星について時分
割で処理する。混合器17が出力する同相成分のI信号と
直交成分のQ信号は、スイッチ18において時間順次信号
に変換する。
【0030】そして、加算器19とRAM20で構成する累
積加算器は、衛星ごとに混合器17の出力のI信号および
Q信号を累積加算する。加算する期間はC/Aコードの
始まりから終わりまでの1msecとする。制御部21は、1
msecの累積加算結果を受け取り、累積加算結果であるQ
信号成分の振幅が小さくなるように数値制御発振器16を
制御することによって、衛星信号の搬送波を追尾する。
【0031】また従来例では、1msecを区切りとして疑
似雑音発生器31が出力する位相を変えていたが、本実施
の形態1の疑似雑音発生器31は58クロックに1回の割合
で位相を変える。しかし、衛星信号と疑似雑音発生器31
の相関値は1msecの時間に区切って評価する。この相関
値である累積加算結果のI信号成分について振幅の変化
を調べ、この変化から疑似雑音発生器31の疑似雑音と衛
星信号の疑似雑音との位相差を測定し、衛星信号の疑似
雑音を追尾する。
【0032】なお、位相差の測定において、疑似雑音発
生器31の位相を、衛星信号に対し約1/2チップ前後に
設定し、相関値が等しくなるように疑似雑音の位相を制
御するが、疑似雑音発生器31に位相を設定する際の量子
化誤差に特別の配慮を必要としない。さらに制御部21
は、累積加算結果であるI信号成分の正負より、衛星か
らBPSK変調で送られる50bpsのデータを受け取る。
そして、疑似雑音の位相と50bpsのデータのタイミング
を測定することにより、衛星が電波を発射した時刻を求
める。さらに制御部21において、複数の衛星から受け取
った軌道情報や時刻情報と測定した時刻を使って、GP
S受信機のアンテナ2の位置を演算により求め、外部へ
出力する。
【0033】図2は実施の形態1におけるGPS受信機
の疑似雑音発生器の構成を示すブロック図である。図2
において、31aはGPS受信機内の基準時刻を刻む内部
時計、31bは、複数の衛星それぞれについて、後述する
加算器の出力する位相と内部時計31aの時刻を比較して
疑似雑音の開始タイミングと更新タイミングを求める時
刻比較、31cは時刻比較31bの開始タイミングと更新タイ
ミングによって第1の最長符号系列を出力する第1符号
発生器、31dは第1符号発生器31cと同様に第2の最長符
号系列を出力する第2符号発生器、31eは、制御部21が
指定する疑似雑音の番号を入力し、この番号で定まる2
個の位相選択信号を出力する符号番号変換表、31fはこ
の2個の位相選択信号により第2符号発生器31dの出力
を選択する位相選択、31gはこの選択した2信号と第1
符号発生器31cの出力の論理和を求める2個の演算素
子、31hは、変調信号発生器30が出力する8ビットの信
号と、図1に示す制御部21が出力するそれぞれの衛星に
対応した22ビットの位相を加算する加算器である。
【0034】以上のように構成した疑似雑音発生器31に
ついて、以下にその動作を説明する。内部時計31aはG
PS受信機が基準とする時計であって、この時刻を基に
作る疑似雑音と衛星信号の疑似雑音を比較することによ
って、衛星信号が示す時刻を測定する。時刻比較31b
は、疑似雑音の開始タイミングと疑似雑音を更新する更
新タイミングを発生する。これらは実質的に周期的で前
者は約1msec、後者は約0.998μsecである。そして、第
1符号発生器31cと第2符号発生器31dは、開始タイミン
グを受け取るとクロック入力に同期して内部を初期化す
る。また、更新タイミングを受け取るごとに、クロック
入力に同期して疑似雑音を1チップ更新する。疑似雑音
の位相は制御部21が22ビットデータとして出力し、その
値は58クロックに1回の割合で更新する。変調信号発生
器30の出力も58クロックに1回の割合で変更する。変調
信号発生器30の出力は256回の更新で元に戻り、その間
にランダムに0から255のすべての値を一度ずつ出力す
る。変調信号発生器30の出力8ビットは、制御部21が出
力する位相22ビットと、下位ビットを合わせて加算器31
hによって加算する。そして、加算出力の内上位14ビッ
トを時刻比較31bに出力する。時刻比較31bは入力された
14ビットについて内部時計31aの出力と比較し開始タイ
ミングを求める。
【0035】また、入力した内部時計31aの出力と加算
器31hの出力14ビットの内、下位4ビットのみを比較し
て更新タイミングを求める。第1符号発生器31cと第2
符号発生器31dは10ビットのシフトレジスタと論理演算
素子で構成する。さらに、第2符号発生器31dは10ビッ
トのシフトレジスタのそれぞれから並列に、更新タイミ
ング分ずつ互いに位相がずれた10種類の位相をもつ信号
を出力する。なお、疑似雑音の位相は16進表示で0から
3FEFFFまでであって、加算器31hはこれを越すと
0に戻るような仕組みにしている。
【0036】疑似雑音発生器31は基準発振器22が出力す
る16.368MHzのクロック信号のタイミングで1または0
の符号列を出力する。したがって、疑似雑音発生器31が
出力する符号の位相は16.368MHzのクロック信号が最小
のステップである。すなわち、時刻比較31bには1/16
チップ単位で量子化した位相の値を設定する。しかし、
本実施の形態1ではクロック信号を最小のステップ以下
8ビットの位相を入力し、この下位8ビットの大きさに
応じた確率でクロック信号の1ステップ分桁上がりする
ようにしている。したがって、長時間の平均でみると下
位ビットの分も反映した位相になっている。このような
考え方は、衛星信号の疑似雑音と疑似雑音発生器31の疑
似雑音の位相が一致しているあたりでは成り立たない
が、1/2チップ程度進みまたは遅れているあたりのよ
うな、位相差に対して相関結果が直線的に変化する位相
では成り立っており、疑似雑音の追尾は精度良く行え
る。
【0037】さらに、変調信号発生器30の出力信号は0.
9msec程度の周期で変化しており、疑似雑音の周期との
干渉を考慮しても10msec程度の周期である。疑似雑音の
追尾時定数を数秒ないし数十秒とするので、このような
成分は測定に影響しない。制御部21は衛星信号に追尾し
ている疑似雑音発生器31の位相に対して、1/2チップ
に相当する前後の位相を設定し、2者の位相における衛
星信号の相関値が等しくなるように制御することで、衛
星信号の疑似雑音を追尾する。
【0038】以上のように本実施の形態1によれば、疑
似雑音の符号速度と整数比でない周期を持ち、零から疑
似雑音の位相を量子化する量子化単位に相当する位相の
間、色々な位相値をほぼ一様な分布となるようにした変
調信号を、疑似雑音発生器31に設定する疑似雑音の位相
に加えた後、疑似雑音発生器31の1クロック信号に相当
する位相を単位として量子化し、疑似雑音発生器31に設
定するので、1クロック分より細かな精度で等価的に疑
似雑音発生器31の位相を制御でき、基準発振器22の周波
数と衛星信号の疑似雑音の符号速度が整数比に近い場合
であっても、測定結果にふらつきが無く、高い精度で位
置が測定できる。また、追加する構成要素が少ないので
回路規模の増加は少ない。
【0039】また、従来例の課題であった、安価な基準
発振器22を用いたことによって、基準発振器22の周波数
と衛星信号の疑似雑音の符号速度が整数比からかなりず
れた場合においても、疑似雑音発生器31の位相を変更す
る周期が約3.5μsecであり、疑似雑音発生器31の位相を
変更する期間内で生じる位相変化が小さいなど、安価で
測位精度が高いGPS受信機を提供することができる。
【0040】図3は本発明の実施の形態2におけるGP
S受信機の疑似雑音発生器の構成を示すブロック図であ
る。図3において、実施の形態1で説明した図2とほぼ
同じであるが、時刻比較31bが更新タイミングを5個出
力したときに、変調信号発生器30に信号を出力する構成
とした点が異なっている。また、実施の形態1では変調
信号発生器30が複数の衛星に対して共通の信号を出力す
るとしたが、本実施の形態2では複数の衛星について個
別に変調信号を出力をする。
【0041】上記のように構成した本実施の形態2につ
いて、以下にその動作を説明する。ここで、動作はあら
まし実施の形態1と同様であるので、その違いについて
のみ説明する。図2に示した実施の形態1においては、
変調信号発生器30が58クロックに1回の割合でその出力
を変更するとしたが、本実施の形態2では、時刻比較31
bが更新タイミングを5回出力する度に信号を変調信号
発生器30に出力し、変調信号発生器30はこの信号を受け
て8ビットの変調信号を更新する。変調信号発生器30の
出力は256回の更新で元に戻り、その間にランダムに0
から255のすべての値を出力する。
【0042】したがって実施の形態1と同様、基準発振
器22の周波数と衛星信号の疑似雑音の符号速度が整数比
に近い場合であっても、高い精度で位置が測定できる。
また、変調信号発生器30の出力信号は1.3msec程度の周
期で変化しており、疑似雑音の周期との干渉を考慮して
も5msec程度の周期である。疑似雑音の追尾時定数は数
秒ないし数十秒とするので、このような成分は測定に影
響しない。基準発振器22の周波数と衛星信号の疑似雑音
の符号速度が整数比からかなりずれた場合においても、
疑似雑音発生器31の位相を変更する周期が約4.9μsecで
あり、疑似雑音発生器31の位相を変更する期間内に生じ
る位相変化が小さく、精度良く位置が測定できるなど、
高精度で安価なGPS受信機を提供することができる。
【0043】さらに、実施の形態1においては、衛星信
号と変調信号との干渉成分が、衛星信号のドップラーシ
フトや基準発振器22の周波数変化によって干渉の状態が
変化するのに対し、本実施の形態2では衛星信号と変調
信号は一定の関係を保持できるので、常に安定した状況
で測定できる。
【0044】以上のように安価で測位精度が高いことに
加え、衛星信号に対して一定の関係を保った、衛星個々
に対応する変調信号を発生し、この信号を疑似雑音発生
器31に設定する疑似雑音の位相に加えた後、疑似雑音
発生器31の1クロック信号に相当する位相を単位とし
て量子化して、疑似雑音発生器31に設定するので、衛星
信号のドップラーシフトや基準発振器22の周波数変化に
る性能変化が少ない、安定した性能を持つGPS受信機
が提供できる。
【0045】図4は本発明の実施の形態3におけるGP
S受信機の構成を示すブロック図である。図4におい
て、1はGPS衛星、2はアンテナ、3,7はフィル
タ、4,8は増幅器、5,11は局部発振器、6,12,17
は混合器、9は比較器、10はラッチ、14は復調器、15,
18はスイッチ、16は数値制御発振器、19は加算器、20は
RAM、21は制御部、22は基準発振器、32は疑似雑音発
生器である。本実施の形態3の構成は、図6の従来例と
同様であるが、従来例とは疑似雑音発生器32の動作にお
いて違っている。
【0046】以上のように構成されたGPS受信機につ
いて、以下にその動作を説明する。概略の動作は、あら
まし実施の形態1または2と同様であるが、制御部21が
疑似雑音発生器32の位相を制御する方法が異なる。本実
施の形態3では、基準発振器22の周波数と衛星信号に含
まれる疑似雑音の符号速度の比がほぼ整数の関係になる
ようにしているが、受信しているそれぞれの衛星につい
て、この関係が整数値に対して2ppmを越える精度で一
致している場合とそうでない場合で、疑似雑音発生器32
の位相を制御する方法を変えるようにしている。
【0047】図5は実施の形態3におけるGPS受信機
の疑似雑音発生器の構成を示すブロック図である。図5
において、32aはGPS受信機内の基準時刻を刻む内部
時計、32bは、複数の衛星それぞれについて、制御部21
が出力する位相と内部時刻を比較して疑似雑音の開始タ
イミングと更新タイミングを求める時刻比較、32cは、
時刻比較32bが出力する開始タイミングによって第1の
最長符号系列の出力を開始し、後述するスイッチが出力
する更新タイミングごとに次の符号を出力する第1符号
発生器、32dは第1符号発生器32cと同様に第2の最長符
号系列を順次出力する第2符号発生器、32eは、制御部2
1が指定する疑似雑音の番号を入力し、この番号で定ま
る2個の位相選択信号を出力する符号番号変換表、32f
は符号番号変換表32eの出力する2個の位相選択信号に
より第2符号発生器32dの出力信号を選択する位相選
択、32gはこの選択した2信号と第1符号発生器32cの出
力の論理和を求める2個の演算素子、32iは衛星それぞ
れについてクロック信号を16分の1に分周した更新タイ
ミングを出力するカウンタ、32jは時刻比較32bとカウン
タ32iが出力する更新タイミングの一方を選択するスイ
ッチである。
【0048】受信中の衛星において、基準発振器22の周
波数と衛星信号に含まれる疑似雑音の符号速度の比が、
整数値に対して精度2ppmを越えない場合について説明
する。このとき、スイッチ32jはカウンタ32iが出力する
更新タイミングを選択する。したがって、疑似雑音発生
器32の動作は従来例と同様に、時刻比較32bは、内部時
計32aに対する疑似雑音の位相を決め、疑似雑音の開始
タイミングを出力する。また、時刻比較32bは更新タイ
ミングも出力するがスイッチ32jにより使用しない。こ
の疑似雑音の開始タイミングは概略1msec周期であっ
て、発生する疑似雑音の位相は1msecに1回変更する。
第1符号発生器32cと第2符号発生器32dはこの開始タイ
ミングによっ最長符号系列の出力を開始し、その後カウ
ンタ32iの更新タイミングであるクロック信号16個ごと
に次の符号を出力する。さらに、この開始タイミングに
よってカウンタ32iを初期化する。
【0049】第1符号発生器32cと第2符号発生器32dは
10ビットのシフトレジスタと論理演算素子で構成し、第
2符号発生器32dは10ビットのシフトレジスタのそれぞ
れから並列に、クロック信号16個分ずつ互いに位相がず
れた10種類の位相をもつ信号を出力する。位相選択32f
は受信する衛星により定まる2個を選択する。演算素子
32gはこの選択した2信号と第1符号発生器32cの出力の
論理和を求め疑似雑音として出力する。制御部21は、疑
似雑音発生器32の位相を、衛星信号に対し約1/2チッ
プ前後の位相を設定するが、この設定値は離散値であっ
て、信号処理のクロックである16.368MHzのタイミング
で1/16チップを単位として量子化した値である。
【0050】さらに、この量子化により切り上げまたは
切り捨てた部分を使って、量子化しない場合の観測結果
を、図8(a)に示すような復調器14の相関特性を使って
予測する方法により量子化誤差を除く。制御部21はさら
にこの予測値を、衛星信号に追尾している疑似雑音発生
器32の位相に対して、1/2チップ前後の位相として相
関を測定し、2者の相関値が等しくなるように疑似雑音
発生器32の位相を制御することにより、衛星信号を追尾
する。
【0051】次に、基準発振器22の周波数と衛星信号に
含まれる疑似雑音の符号速度の比が、整数値に対して精
度2ppmを越える場合について説明する。このとき、ス
イッチ32jは時刻比較32bの更新タイミングを選択する。
したがって、疑似雑音発生器32の動作は実施の形態1の
図2と同様に、時刻比較32bは、疑似雑音の開始タイミ
ングと疑似雑音を更新する更新タイミングを発生する。
これらは実質的に周期的で前者は約1msec、後者は約0.
998μsecである。
【0052】そして、第1符号発生器32cと第2符号発
生器32dは、開始タイミングを受け取ると、クロック入
力に同期して内部を初期化する。また、スイッチ32jを
介して更新タイミングを受け取るごとに、クロック入力
に同期して疑似雑音を1チップ更新する。疑似雑音の位
相は制御部21が14ビットデータとして出力し、その値は
58クロックに1回の割合で更新する。
【0053】実施の形態1との違いは、図2の変調信号
発生器30と加算器31hによる、疑似雑音の位相に変調を
加えていない点である。しかし、基準発振器22の周波数
と衛星信号に含まれる疑似雑音の符号速度の比が、整数
値に対して精度2ppmを越えているので、疑似雑音発生
器32に設定する位相が、量子化の単位である1/16チッ
プ変化するのは、31msec以下の時間間隔で発生する。量
子化した位相を疑似雑音発生器32に設定するので、出力
する符号のタイミングはクロック信号の周期分だけ、設
定すべき位相に対してゆらぎがあることになるが、この
ゆらぎは速い変化なので、衛星信号の疑似雑音号を追尾
するフィルタによって除去でき、測定結果の乱れは少な
い。しかも、基準発振器22の周波数と疑似雑音の符号速
度との比は実質的に整数比になっているので、制御タイ
ミングや衛星信号の周波数変換などが複雑になるという
欠点がない。
【0054】基準発振器22の周波数と衛星信号に含まれ
る疑似雑音の符号速度の比は、GPS受信機の基準発振
器22を1個とし、局部発振器5,局部発振器11および数
値制御発振器16が基準発振器22の出力を基にしているの
で、衛星信号の搬送波を追尾する過程においてこれを容
易に測定することができる。
【0055】以上のように、基準発振器22の周波数と衛
星信号に含まれる疑似雑音の符号速度の比を実質的に整
数の関係とし、受信中のそれぞれの衛星について、この
比の関係が、その整数値に対して2ppmを越える場合と
そうでない場合で、疑似雑音発生器32の位相を制御する
方法を変えることにより、疑似雑音発生器32に設定する
位相の量子化によるゆらぎが、衛星信号が示す時刻の測
定に影響せず、さらに疑似雑音の位相を変更する周期
が、位相の変化に比べ十分速い周期としているので、衛
星時刻を高精度で測定できる上に、実施の形態1および
形態2に比べ規模の小さな構成で実現できるので、安価
で測位精度が高いGPS受信機が提供できる。
【0056】なお、以上の説明ではNAVSTAR衛星
を利用するGPS受信機につて説明したが、GLONA
SS衛星など、他のスペクトル拡散信号の位相を測定し
て位置を測定するGPS受信機にも適用できる。復調器
14は受信衛星1個について1個設け、疑似雑音の位相を
時間で変更して、衛星信号との位相差を測定するとした
が、これに限定せず疑似雑音の位相差を複数の復調器14
により一度に測定するようにすることもできる。また、
基準発振器22の周波数や、周波数変換の段数や中間周波
数、標本化の周期なども変えることができる。さらにま
た、変調信号は8ビットの、零から疑似雑音の位相を量
子化する量子化単位に相当する位相の間、色々な位相値
をほぼ一様な分布となるようにした信号であって、疑似
雑音の追尾時定数に比べ十分速く変化し、疑似雑音の周
期に対し簡単な比にならなければ、異なる信号を用いて
も良く、簡単には別の目的で設置したカウンタの計数値
を用いることもできる。変調信号発生器30は、周期的に
大きさが変化するとしたが、乱数を発生する発振器とす
ることもできる。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
基準発振器の周波数と衛星信号の疑似雑音の符号速度を
概略整数比とするので、制御タイミングや衛星信号の周
波数変換などが簡単な構成になり、ディジタル処理によ
り衛星信号を追尾するので、簡単な構成で精度良く衛星
時刻が測定できる。さらに、ディジタル処理による疑似
雑音の位相設定の量子化誤差は、疑似雑音の周期と整数
比でない周期を持つ変調信号を、疑似雑音の位相に加え
た後に量子化し、疑似雑音発生器に設定する方法、また
は基準発振器の周波数と衛星信号の疑似雑音の周波数が
整数比に近くなった場合に、疑似雑音発生器の位相を、
衛星信号の符号周期1msecに合ったタイミングで位相を
変更し、量子化による切り上げまたは切り捨てた部分に
より、復調器の相関特性を使って、測定結果を補正する
方法により除くようにしている。加えて安価な基準発振
器を用い、基準周波数の精度が劣化した場合において
も、疑似雑音発生器の位相を高い頻度で変更するので、
疑似雑音発生器の位相を変更する時間間隔内で、疑似雑
音の位相変化が少なく、測位精度が劣化しないため、安
価で高い測位精度が実現できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1におけるGPS受信機の
構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態1におけるGPS受信機の
疑似雑音発生器の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態2におけるGPS受信機の
疑似雑音発生器の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態3におけるGPS受信機の
構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態3におけるGPS受信機の
疑似雑音発生器の構成を示すブロック図である。
【図6】従来のGPS受信機の構成を示すブロック図で
ある。
【図7】従来のGPS受信機における疑似雑音発生器の
構成を示すブロック図である。
【図8】(a)は復調器の出力である疑似雑音の位相を変
えたときの衛星信号との相関値の変化を示し、(b)は疑
似雑音発生器に量子化した位相を設定し、復調器で得ら
れる相関値の変化を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1…GPS衛星、 2…アンテナ、 3,7…フィル
タ、 4,8…増幅器、5,11…局部発振器、 6,1
2,17…混合器、 9…比較器、 10…ラッチ、13…変
調信号発生器、 13a,31a,32a…内部時計、 13b,31
b,32b…時刻比較、 13c,31c,32c…第1符号発生
器、 13d,31d,32d…第2符号発生器、 13e,31e,3
2e…符号番号変換表、 13f,31f,32f…位相選択、 1
3g,31g,32g…演算素子、 14…復調器、 15,18,32
j…スイッチ、 16…数値制御発振器、 19,31h…加算
器、 20…RAM、 21…制御部、 22…基準発振器、
30…変調信号発生器、 31,32…疑似雑音発生器、
32i…カウンタ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04B 17/00 H04B 7/26 106Z

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 衛星の電波を受けるアンテナと、受信し
    た信号を増幅,濾波,周波数変換などを行う高周波回路
    と、GPS受信機が基準周波数源とする基準発振器と、
    周波数変換した信号を量子化するアナログ・ディジタル
    変換器または比較器と、衛星固有の符号列を発生する疑
    似雑音発生器と、該疑似雑音発生器の出力信号と衛星信
    号の相関を求める相関器と、搬送波を順次出力する数値
    制御発振器と、該数値制御発振器に対応する周波数変換
    器と、GPS受信機を制御する制御部とを備えるGPS
    受信機において、前記疑似雑音発生器に設定する位相を
    変調する変調信号発生器および変調回路を設け、前記変
    調信号発生器による位相の変調が、疑似雑音発生器が疑
    似雑音を発生するクロック信号の周期に概略相当する範
    囲の位相変化であって、この変調信号の変化を、衛星信
    号の疑似雑音に対する追尾時定数に比べて短い時間の周
    期とするか、または実質的に乱数となるようにし、前記
    制御部が出力する疑似雑音発生器の位相を、前記変調回
    路により前記変調信号発生器の出力で変調した後、前記
    疑似雑音発生器が疑似雑音を発生するクロック信号の周
    期に相当する量を単位として量子化して、前記疑似雑音
    発生器に位相値として設定することによって、前記疑似
    雑音発生器の出力信号と衛星信号の相関を測定し、この
    相関値が最大となるように前記疑似雑音発生器の位相を
    制御して、衛星信号の疑似雑音を追尾することを特徴と
    するGPS受信機の衛星信号追尾方法。
  2. 【請求項2】 疑似雑音発生器に設定する位相を変調す
    る変調信号発生器は、変調信号の出力を変更するタイミ
    ングが、受信している衛星信号それぞれに同期し、さら
    に前記変調信号発生器が発生する信号の周期が、衛星信
    号の疑似雑音の周期と整数比の関係にならないように定
    めることを特徴とする請求項1記載のGPS受信機の衛
    星信号追尾方法。
  3. 【請求項3】 衛星の電波を受けるアンテナと、受信し
    た信号を増幅,濾波,周波数変換などを行う高周波回路
    と、GPS受信機が基準周波数源とする基準発振器と、
    周波数変換した信号を量子化するアナログ・ディジタル
    変換器または比較器と、衛星固有の符号列を発生する疑
    似雑音発生器と、該疑似雑音発生器の出力信号と衛星信
    号の相関を求める相関器と、搬送波を順次出力する数値
    制御発振器と、該数値制御発振器に対応する周波数変換
    器と、GPS受信機を制御する制御部とを備えるGPS
    受信機において、前記疑似雑音発生器に、疑似雑音の周
    期または整数倍の周期に同期して前記疑似雑音発生器の
    位相を変更する第1の状態と、疑似雑音の周期より短い
    時間で周期的にまたは随時位相を変更する第2の状態と
    を切り換える手段を設け、前記疑似雑音発生器が疑似雑
    音を発生するクロック信号の周期に相当する量を単位と
    して、前記制御部が受信衛星ごとに出力する疑似雑音の
    位相を量子化し、前記疑似雑音発生器に設定すると共
    に、受信している衛星ごとに衛星信号に含まれる疑似雑
    音の符号速度と、前記基準発振器の周波数との比を求め
    整数に近い状態か否かの判定基準を定め、整数に近い状
    態においては前記第1の状態として、疑似雑音の位相を
    量子化する際に切り上げまたは切り捨てた部分を使っ
    て、量子化しない場合の観測結果を予測することにより
    量子化誤差を除き、整数に近くない状態では第2の状態
    として、前記基準発振器の出力を基にする前記数値制御
    発振器の位相を制御することで、衛星信号の疑似雑音を
    追尾することを特徴とするGPS受信機の衛星信号追尾
    方法。
JP28065095A 1995-10-27 1995-10-27 Gps受信機の衛星信号追尾方法 Expired - Fee Related JP3226449B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28065095A JP3226449B2 (ja) 1995-10-27 1995-10-27 Gps受信機の衛星信号追尾方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28065095A JP3226449B2 (ja) 1995-10-27 1995-10-27 Gps受信機の衛星信号追尾方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09127230A true JPH09127230A (ja) 1997-05-16
JP3226449B2 JP3226449B2 (ja) 2001-11-05

Family

ID=17628020

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28065095A Expired - Fee Related JP3226449B2 (ja) 1995-10-27 1995-10-27 Gps受信機の衛星信号追尾方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3226449B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009128027A (ja) * 2007-11-20 2009-06-11 Seiko Epson Corp 受信信号判定方法、プログラム、測位装置及び電子機器
CN110764123A (zh) * 2019-11-22 2020-02-07 中国科学院上海天文台 一种基于glonass广播星历的伪距定位改进方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009128027A (ja) * 2007-11-20 2009-06-11 Seiko Epson Corp 受信信号判定方法、プログラム、測位装置及び電子機器
CN110764123A (zh) * 2019-11-22 2020-02-07 中国科学院上海天文台 一种基于glonass广播星历的伪距定位改进方法
CN110764123B (zh) * 2019-11-22 2023-03-31 中国科学院上海天文台 一种基于glonass广播星历的伪距定位改进方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3226449B2 (ja) 2001-11-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3738271B2 (ja) Gps受信機とgps信号を処理する方法
US8229460B2 (en) Demodulation apparatus and receiving apparatus
AU622688B2 (en) Global positioning system receiver with improved radio frequency and digital processing
RU2280261C2 (ru) Способ и устройство для компенсации частотной погрешности гетеродина
RU2236692C2 (ru) Приемник сигналов системы gps и способ обработки сигналов системы gps
US6441780B1 (en) Receiver for pseudo-noise signals from a satellite radio-navigation systems
US6363123B1 (en) Receiver calibration technique for global orbiting navigation satellite system (GLONASS)
US7313421B2 (en) GPS receiver having RF front end power management and simultaneous baseband searching of frequency and code chip offset
JP3231624B2 (ja) Gps受信機
US20070010212A1 (en) Apparatus for transmitting positioning signal, positioning system including the apparatus, and system for transmitting positioning signal
US8810449B2 (en) Satellite radio receiver
US6600909B1 (en) Device for receiving signals from satellite radio-navigation systems
JP3226449B2 (ja) Gps受信機の衛星信号追尾方法
US20080123718A1 (en) Positioning apparatus and control method thereof
US20090180520A1 (en) Positioning apparatus
US6714159B1 (en) Method for performing positioning and an electronic device
JP2003057328A (ja) 航法衛星信号受信機
JPH09119971A (ja) Gps受信機の信号処理方法
JP2000031926A (ja) Fdma受信装置用チャネル間の周波数に対する特性偏差検出装置
RU2357267C2 (ru) Способ определения местоположения удаленного устройства
JP5455542B2 (ja) Gps受信機とgps信号を処理する方法
JPH112674A (ja) Gps受信機
JPH08136636A (ja) Gps受信機の衛星信号追尾方法
WO1999060763A2 (en) Telematics device comprising the combination of a cellular telephone and an electronic navigation apparatus

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070831

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080831

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080831

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090831

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees