JPH091224A - 熱延板材の冷却制御装置 - Google Patents

熱延板材の冷却制御装置

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Publication number
JPH091224A
JPH091224A JP7145036A JP14503695A JPH091224A JP H091224 A JPH091224 A JP H091224A JP 7145036 A JP7145036 A JP 7145036A JP 14503695 A JP14503695 A JP 14503695A JP H091224 A JPH091224 A JP H091224A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cooling
δtl
temperature
sheet material
control pattern
Prior art date
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Pending
Application number
JP7145036A
Other languages
English (en)
Inventor
Makoto Tsuruta
鶴田  誠
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
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Publication of JPH091224A publication Critical patent/JPH091224A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 きめ細かな冷却制御を行い、高品質な板材を
生産する。 【構成】 仕上げ圧延機3Aで圧延され冷却設備1Aで
冷却される鋼板2Aの先端部から尾端部に亘って制御ポ
イントを設定し、最初の制御ポイントでの板材の冷却ラ
イン入側温度、板速度、板厚に基づいて温度予測装置8
Aは必要な冷却温度降下量と演算し、冷却バンクオン/
オフ決定装置9Aはこの温度降下量から冷却制御パター
ン(冷却バンクのオン/オフパターン)を決定し、冷却
バンク制御装置10Aはこのパターンで冷却設備1Aに
より鋼板2Aを冷却する。その後の制御ポイントでは、
温度予測装置8Aは板材の冷却ライン入側温度と板速度
に対する冷却温度降下量に応じた影響係数を求め、冷却
バンクオン/オフ修正決定装置11Aはこの影響係数に
応じて、上記の冷却制御パターンを修正し、この修正し
たパターンで鋼板2Aを冷却する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱延板材の冷却制御装
置に関するもので、特に目標温度に冷却するよう精度の
よい冷却制御を実現するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、熱間圧延設備における仕上げ工程
と巻取り工程間における鋼板の巻取温度制御は材質を決
定する上で重要であり、特公昭62−22687号公報
に提案されているように、鋼板の移送速度から移送時間
を演算し、この移送時間と温度検出器によって検出され
た鋼板温度より鋼板の幅射による温度降下後の鋼板温度
を演算し、この鋼板温度と冷却水温度とから定められた
巻取温度、板厚検出器によって検出された鋼板板厚とを
用いて冷却時間を計算し、この冷却時間と移送に伴う残
冷却時間を予め定められた距離毎に計算し、この計算さ
れた残冷却時間が零になるまで冷却装置のオンオフ制御
を行っている。
【0003】図16は上記技術の構成を示す図で、図に
おいて、1は圧延機、2は板厚計、3は温度計(仕上げ
出側)、4は冷却装置、5は鋼板、6は温度計(巻
取)、7は巻取機、8は速度検出器、11はA/D変換
器、12は第1演算装置、13はシフトメモリ、14は
第2演算装置、15はバルブ開閉装置、16はタイミン
グ発生装置、17は所定長さ設定器、18は適応修正器
である。
【0004】次に動作について説明する。速度検出器8
は、圧延機1のロール回転速度を検出し、鋼板移送速度
として出力する。A/D変換器11は、板厚計2、温度
計3及び速度検出器8の各アナログ出力信号をディジタ
ル信号に変換し、第1演算装置12に出力する。第1演
算装置12は必要冷却時間を計算し、シフトメモリ13
に出力する。シフトメモリ13は冷却装置4のスプレー
バンク数に対応したメモリ数を持ち、各メモリには該当
スプレーバンク下における残冷却時間が格納されてい
る。
【0005】第2演算装置14は、シフトメモリ13の
第iメモリに格納されている残冷却時間を経過時間だけ
差引き、残差を以降のスプレーバンクにおける残冷却時
間として第i+1メモリに格納する。また、残冷却時間
が0でないとき、該当スプレーバンクを開くための出力
信号を出す。バルブ開閉操作器15は第2演算装置14
からの出力信号に応じて、スプレーバンクを開閉する。
タイミング発生装置16は速度検出器8の出力信号を積
分し、一定長毎に第1及び第2演算装置12、14に起
動タイミングを与えるもので、所定長さ設定器17でそ
の一定長の長さを設定する。適応修正器18は温度計6
の出力信号により、実績温度を用いて第1、第2演算装
置における熱伝達係数に適応修正を行う。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のように従来の技
術では所定の温度下降を行わせて仕上げ出側温度を冷却
装置により目標巻取温度に制御することは、以下の理由
により困難な点があり充分な精度を有する制御方法とは
言えない欠点を持っている。
【0007】仕上げ出側温度計と巻取温度計間を鋼板が
移送される時間計算が、冷却開始時の圧延速度と加速率
でのみ実施されているため、一般に熱間圧延設備におけ
る仕上げ工程で行われている仕上げ出側温度制御による
速度変動を考慮されていず、仕上げ出側温度計から巻取
温度計まで鋼板の制御ポイント(鋼板の先端部から尾端
部に亘って設定しておく制御を行う対象のポイント)が
移送されて行くまでに、加速率が変化していることを知
らないまま、この移送時間の変動を無視して冷却開始以
降の制御が行われることとなり、思うような所定の巻取
温度に冷却されず良好な制御が期待できない。
【0008】また、時間管理による冷却制御方式を採用
しているため、時間の誤差の積算が発生し、同様に所望
の鋼板の温度まで冷却されないこととなる。
【0009】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたものであり、冷却する上での鋼板の先端部
から尾端部までの鋼板全長に亘っての制御精度を向上
し、十分な品質の鋼板を生産できる冷却制御装置を提供
することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
(1)この発明に係る熱延板材の冷却制御装置は、走行
する熱延板材を冷却水で冷却する冷却設備を有する冷却
ラインにあって、冷却開始直前の上記板材の冷却ライン
入側温度、板速度および板厚に基づいて冷却制御パター
ンを基準として導出する基準冷却制御パターン決定手段
と、冷却を開始すると上記板材の走行に応じて上記板材
の冷却ライン入側温度および板速度に対する上記冷却ラ
インの入側から出側迄の温度降下量を影響係数として演
算する影響係数演算手段と、上記影響係数と上記基準か
らの速度偏差及び冷却ライン入側温度偏差に基づいて上
記基準冷却制御パターンを修正する修正冷却制御パター
ン決定手段とを備え、冷却開始時は上記基準冷却制御パ
ターンに応じて、冷却開始後は上記修正冷却制御パター
ンに応じて上記冷却設備で板材を冷却するようにしたも
のである。
【0011】(2)また、走行する熱延板材を冷却水で
冷却する冷却設備を有する冷却ラインにあって、冷却開
始直前または上記板材が所定の距離を走行すると、上記
板材の冷却ライン入側温度、板速度および板厚に基づい
て冷却制御パターンを基準として導出する基準冷却制御
パターン決定手段と、冷却を開始すると上記板材の走行
に応じて上記板材の冷却ライン入側温度および板速度に
対する上記冷却ラインの入側から出側迄の温度降下量を
影響係数として演算する影響係数演算手段と、上記影響
係数と上記基準からの速度偏差及び冷却ライン入側温度
偏差に基づいて上記基準冷却制御パターンを修正する修
正冷却制御パターン決定手段とを備え、冷却開始時また
は上記板材が所定の距離を走行した場合は、上記基準冷
却制御パターンに応じて、上記基準制御パターンの適用
以外は、上記修正冷却制御パターンに応じて上記冷却設
備で板材を冷却するようにしたものである。
【0012】(3)また、走行する熱延板材を冷却水で
冷却する冷却設備を有する冷却ラインにあって、冷却開
始直前または上記板材の板速度が所定の速度偏差を超え
ると、上記板材の冷却ライン入側温度、板速度および板
厚に基づいて冷却制御パターンを基準として導出する基
準冷却制御パターン決定手段と、冷却を開始すると上記
板材の走行に応じて上記板材の冷却ライン入側温度およ
び板速度に対する上記冷却ラインの入側から出側迄の温
度降下量を影響係数として演算する影響係数演算手段
と、上記影響係数と上記基準からの速度偏差及び冷却ラ
イン入側温度偏差に基づいて上記基準冷却制御パターン
を修正する修正冷却制御パターン決定手段とを備え、冷
却開始時または上記板材の板速度が所定の速度偏差を超
えると、上記基準冷却制御パターンに応じて、上記基準
制御パターンの適用以外は、上記修正冷却制御パターン
に応じて上記冷却設備で板材を冷却するようにしたもの
である。
【0013】(4)また、上記(1)〜(3)の一つに
対し、熱延板材の尾端部が冷却ラインを通過すると、通
過時の上記板材の冷却ライン入側および出側温度、板速
度に基づいて影響係数を再計算して修正する影響係数適
応修正手段を設け、この修正した影響係数を次の熱延板
材の冷却時に、影響係数として採用するようにしたもの
である。
【0014】(5)また、上記(1)〜(3)の一つに
対し、熱延板材の尾端部が冷却ラインを通過すると、通
過時の上記板材の冷却ライン入側および出側温度、板速
度基づいて影響係数を修正する修正係数を求める適応修
正係数演算手段を設け、次の熱延板材の冷却時に、上記
修正係数に応じて影響係数を修正し、この修正した影響
係数を採用するようにしたものである。
【0015】(6)また、上記(1)〜(3)の一つに
対し、熱延板材の先端部から尾端部に亘って複数個の制
御ポイントを設定し、最初の制御ポイントで基準冷却制
御パターンを適用し、その後の各制御ポイントでは修正
冷却制御パターンを適用し、基準冷却制御パターン決定
手段は、・空冷による温度降下
【0016】
【数8】
【0017】・水冷による温度降下
【0018】
【数9】
【0019】但し、 ε :幅射率 Cp :比熱 γ :比重 HF :板厚 TIME :FDTからCT間移送時間 (仕上げ出側温度検出器から巻取温度検出器までの移送
時間) FDT :仕上げ出側温度実績値 V :板速度 K :絶対温度換算値 VSTATUS :バーティカルスプレーON/OFF状況(ON:1.0
OFF :0.0 ) QX :上下バンク合計熱流束 QV :バーティカルスプレー熱流束 QS :サイドスプレー熱流束 LBNK :1バンク間距離 WVS :バーティカルスプレー噴射幅 LSD :サイドスプレー噴射幅 KX :サイドスプレー個数
【0020】また、TIME(V)は、 L=v0 ・t+(1/2)・α・t2 の運動方程式をtについて解いたものである。 L :FDT〜CT間の距離 v0 :FDTでの板速度 α :板のFDT〜CT間での加速度
【0021】上記式(1),(2)により、 必要冷却量(仕上げ出側温度−CTAIR ) を求め、 (必要冷却量)−(式(4)+式(5))=式(3) 即ち、(必要冷却量)−(ΔTS +ΔTV )=ΔTL から必要なΔTL が得られるよう冷却制御パターンを決
定する基準冷却制御パターン決定手段とし、
【0022】影響係数演算手段は、 ∂ΔTL /∂V :速度変化に対するΔTL の変動の割合 ∂ΔTL /∂FDT :FDT変化に対するΔTL 〃 ∂ΔTS /∂V :速度変化に対するΔTS 〃 ∂ΔTV /∂V : 〃 ΔTV 〃 ∂CTAIR /∂V : 〃 CTAIR 〃 ∂CTAIR /∂FDT :FDT変化に対するCTAIR 〃 ∂ΔTL /∂B :バンクのスプレー本数に対するΔTL の変 動の割合 を演算する影響係数演算手段とすると共に、
【0023】修正冷却制御パターン決定手段は、上記影
響係数を用いて、 ΔTi=∂ΔTL /∂V ・(Vi −Vo ) +∂ΔTL /∂FDT ・(FDTi −FDTo ) +∂ΔTS /∂V ・(Vi −Vo ) +∂ΔTV /∂V ・(Vi −Vo ) +∂CTAIR /∂V ・(Vi −Vo ) +∂CTAIR /∂FDT ・(FDTi −FDTo ) +FDTi −FDTo (6) ΔBi =ΔTi /(∂ΔTL /∂B) (7) を演算して、制御パターンの修正値ΔBi を求め、
【0024】基準冷却制御パターンをBo とすると、第
iポイントでの制御パターンは、 Bi =Bo +ΔBi (8) にて求める手段としたものである。
【0025】(7)また、上記(6)において、熱延板
材の尾端部が冷却ラインを通過すると、通過時の上記板
材の冷却ライン入側および出側温度、板速度から影響係
数を再計算して修正する影響係数適応修正手段を設け、
この影響係数適応修正手段での演算は、上記(6)の式
(6)の結果と、実績のバルブ数及び実績の仕上げ出側
温度(FDTm)並びに巻取温度(CTm)を用いて、
温度降下量実績ΔTL m=FDTm−CTmとし、ΔT
L mより以下の関数式が成立し、
【0026】
【数10】
【0027】但し、 a1=∂ΔTL /∂V 、x1=(Vi −Vo ) a2=∂ΔTL /∂FDT 、x2=(FDTi −FDTo ) a3=∂ΔTS /∂V 、x3=(Vi −Vo ) a4=∂ΔTV /∂V 、x4=(Vi −Vo ) a5=∂CTAIR /∂V 、x5=(Vi −Vo ) a6=∂CTAIR /∂FDT、x6=(FDTi −FDTo ) a7=1 、x7=(FDTi −FDTo )
【0028】上記式で、a3、a4、a5、a6は、予
め操業実績により決定可能であるため次式に整理され、 ΔTL m−a3・x3 −a4・x4 −a5・x5 −a6・x6 − x7=a1・x1+a2・x2 (9’) ΔTL m’=a1・x1+a2・x2 (10) このΔTL m’を用いて
【0029】
【数11】
【0030】
【数12】
【0031】
【数13】
【0032】
【数14】
【0033】でa1,a2を求め、ここで−1は逆行列
を示す。こうして、鋼板1本毎に求め、指数平滑を行
い、影響係数で重要な∂ΔTL /∂ΔTV 、∂ΔTL /
∂FDTについては、圧延が行われる毎に a1N=c1・a1T+(1−c1)・a10 a2N=c2・a2T+(1−c2)・a20 (15)
【0034】但し、 c1、c2 :平滑係数 aiN :次回採用値 aiT :瞬時値 aiO :今回採用値 を演算し、次の熱延板材の冷却時に、求めたa1N,a
2Nを影響係数として採用するようにしたものである。
【0035】(8)また、上記(6)において、熱延板
材の尾端部が冷却ラインを通過すると、通過時の上記板
材の冷却ライン入側および出側温度、板速度から影響係
数を修正する修正係数を求める適応修正係数演算手段を
設け、この適応修正係数演算手段での演算は、演算式
(9)〜(14)でa1、a2を求めると共に、
【0036】偏微分して求めた(∂ΔTL /∂V)及び
(∂ΔTL /∂FDT)から、 C1LT =a1/(∂ΔTL /∂V) C2LT =a2/(∂ΔTL /∂FDT) (16) を求め、 C1LN =e1・C1LT +(1−e1)・C1LO C2LN =e2・C2LT +(1−e2)・C2LO (17) なる計算を行い、このC1LN ,C2LN を影響係数の修正
係数とし、
【0037】次の熱延板材の冷却時に、 (∂ΔTL /∂V) C1LN ・(∂ΔTL /∂V) → (∂ΔTL /∂FDT) C2LN ・(∂ΔTL /∂FDT) (18)
【0038】但し、e1、e2 :平滑係数 CiLN :次回採用値 CiLT :瞬時値(式(16)にて得られた値) CiLO :今回採用値 を演算して影響係数を修正し、この修正した影響係数を
採用するようにしたものである。
【0039】
【作用】
(1)この発明に係る熱延板材の冷却制御装置におい
て、基準冷却制御パターン決定手段は、冷却開始直前の
上記板材の冷却ライン入側温度、板速度および板厚に基
づいて基準冷却制御パターンを導出し、影響係数演算手
段は、冷却を開始すると上記板材の走行に応じて上記板
材の冷却ライン入側温度および板速度に対する上記冷却
ラインの入側から出側迄の温度降下量を影響係数として
演算し、修正冷却制御パターン決定手段は、上記影響係
数と上記基準からの速度偏差及び冷却ライン入側温度偏
差に基づいて上記基準冷却制御パターンを修正し、冷却
開始時は上記基準冷却制御パターンに応じて、冷却開始
後は上記修正冷却制御パターンに応じて上記冷却設備で
板材を冷却する。
【0040】(2)また、基準冷却制御パターン決定手
段は、冷却開始直前または上記板材が所定の距離を走行
すると、上記板材の冷却ライン入側温度、板速度および
板厚に基づいて基準冷却制御パターンを導出し、影響係
数演算手段は、冷却を開始すると上記板材の走行に応じ
て上記板材の冷却ライン入側温度および板速度に対する
上記冷却ラインの入側から出側迄の温度降下量を影響係
数として演算し、修正冷却制御パターン決定手段は、上
記影響係数と上記基準からの速度偏差及び冷却ライン入
側温度偏差に基づいて上記基準冷却制御パターンを修正
し、冷却開始時または上記板材が所定の距離を走行した
場合は、上記基準冷却制御パターンに応じて、上記基準
制御パターンの適用以外は、上記修正冷却制御パターン
に応じて上記冷却設備で板材を冷却する。
【0041】(3)また、基準冷却制御パターン決定手
段は、冷却開始直前または上記板材の板速度が所定の速
度偏差を超えると、上記板材の冷却ライン入側温度、板
速度および板厚に基づいて冷却制御パターンを基準とし
て導出し、影響係数演算手段は、冷却を開始すると上記
板材の走行に応じて上記板材の冷却ライン入側温度およ
び板速度に対する上記冷却ラインの入側から出側迄の温
度降下量を影響係数として演算し、修正冷却制御パター
ン決定手段は、上記影響係数と上記基準からの速度偏差
及び冷却ライン入側温度偏差に基づいて上記基準冷却制
御パターンを修正し、冷却開始時または上記板材の板速
度が所定の速度偏差を超えると、上記基準冷却制御パタ
ーンに応じて、上記基準制御パターンの適用以外は、上
記修正冷却制御パターンに応じて上記冷却設備で板材を
冷却する。
【0042】(4)また、上記(1)〜(3)の一つに
対し、影響係数適応修正手段は、熱延板材の尾端部が冷
却ラインを通過すると、通過時の上記板材の冷却ライン
入側および出側温度、板速度から影響係数を再計算して
修正し、この修正した影響係数を次の熱延板材の冷却時
に、影響係数として採用する。
【0043】(5)また、上記(1)〜(3)の一つに
対し、適応修正係数演算手段は、熱延板材の尾端部が冷
却ラインを通過すると、通過時の上記板材の冷却ライン
入側および出側温度、板速度から影響係数を修正する修
正係数を求め、次の熱延板材の冷却時に、上記修正係数
に応じて影響係数を修正し、この修正した影響係数を採
用する。
【0044】(6)また、上記(1)〜(3)の一つに
対し、第1の冷却制御パターン決定手段は、 ・空冷による温度降下
【0045】
【数15】
【0046】・水冷による温度降下
【0047】
【数16】
【0048】但し、 ε :幅射率 Cp :比熱 γ :比重 HF :板厚 TIME :FDTからCT間移送時間 (仕上げ出側温度検出器から巻取温度検出器までの移送
時間) FDT :仕上げ出側温度実績値 V :板速度 K :絶対温度換算値 VSTATUS :バーティカルスプレーON/OFF状況(ON:1.0
OFF :0.0 ) QX :上下バンク合計熱流束 QV :バーティカルスプレー熱流束 QS :サイドスプレー熱流束 LBNK :1バンク間距離 WVS :バーティカルスプレー噴射幅 LSD :サイドスプレー噴射幅 KX :サイドスプレー個数
【0049】また、TIME(V)は、 L=v0 ・t+(1/2)・α・t2 の運動方程式をtについて解いたものである。 L :FDT〜CT間の距離 v0 :FDTでの板速度 α :板のFDT〜CT間での加速度
【0050】上記式(1),(2)により、 必要冷却量(仕上げ出側温度−CTAIR ) を求め、 (必要冷却量)−(式(4)+式(5))=式(3) 即ち、(必要冷却量)−(ΔTS +ΔTV )=ΔTL から必要なΔTL が得られるよう冷却制御パターンを第
1の冷却制御パターンとして決定し、
【0051】影響係数演算手段は、 ∂ΔTL /∂V :速度変化に対するΔTL の変動の割合 ∂ΔTL /∂FDT :FDT変化に対するΔTL 〃 ∂ΔTS /∂V :速度変化に対するΔTS 〃 ∂ΔTV /∂V : 〃 ΔTV 〃 ∂CTAIR /∂V : 〃 CTAIR 〃 ∂CTAIR /∂FDT :FDT変化に対するCTAIR 〃 ∂ΔTL /∂B :バンクのスプレー本数に対するΔTL の変 動の割合 を演算する影響係数演算手段とすると共に、
【0052】第2の冷却制御パターン決定手段は、上記
影響係数を用いて、 ΔTi=∂ΔTL /∂V ・(Vi −Vo ) +∂ΔTL /∂FDT ・(FDTi −FDTo ) +∂ΔTS /∂V ・(Vi −Vo ) +∂ΔTV /∂V ・(Vi −Vo ) +∂CTAIR /∂V ・(Vi −Vo ) +∂CTAIR /∂FDT ・(FDTi −FDTo ) +FDTi −FDTo (6) ΔBi =ΔTi /(∂ΔTL /∂B) (7) を演算して、制御パターンの修正値ΔBi を求め、
【0053】基準の冷却設備制御パターンをBo とする
と、第iポイントでの制御パターンは、 Bi =Bo +ΔBi (8) にて求める。
【0054】(7)また、上記(6)において、影響係
数適応修正手段は熱延板材の尾端部が冷却ラインを通過
すると、通過時の上記板材の冷却ライン入側および出側
温度、板速度から影響係数を再計算して修正し、この影
響係数適応修正手段での演算は、上記(6)の式(6)
の結果と、実績のバルブ数及び実績の仕上げ出側温度
(FDTm)並びに巻取温度(CTm)を用いて、温度
降下量実績ΔTL m=FDTm−CTmとし、ΔTL m
より以下の関数式が成立し、
【0055】
【数17】
【0056】但し、 a1=∂ΔTL /∂V 、x1=(Vi −Vo ) a2=∂ΔTL /∂FDT 、x2=(FDTi −FDTo ) a3=∂ΔTS /∂V 、x3=(Vi −Vo ) a4=∂ΔTV /∂V 、x4=(Vi −Vo ) a5=∂CTAIR /∂V 、x5=(Vi −Vo ) a6=∂CTAIR /∂FDT、x6=(FDTi −FDTo ) a7=1 、x7=(FDTi −FDTo )
【0057】上記式で、a3、a4、a5、a6は、予
め操業実績により決定可能であるため次式に整理され、 ΔTL m−a3・x3 −a4・x4 −a5・x5 −a6・x6 − x7=a1・x1+a2・x2 (9’) ΔTL m’=a1・x1+a2・x2 (10) このΔTL m’を用いて
【0058】
【数18】
【0059】
【数19】
【0060】
【数20】
【0061】
【数21】
【0062】でa1,a2を求め、ここで−1は逆行列
を示す。こうして、鋼板1本毎に求め、指数平滑を行
い、影響係数で重要な∂ΔTL /∂ΔTV 、∂ΔTL /
∂FDTについては、圧延が行われる毎に a1N=c1・a1T+(1−c1)・a10 a2N=c2・a2T+(1−c2)・a20 (15)
【0063】但し、 c1、c2 :平滑係数 aiN :次回採用値 aiT :瞬時値 aiO :今回採用値 を演算し、次の熱延板材の冷却時に、求めたa1N,a
2Nを影響係数として採用する。
【0064】(8)また、上記(6)において、適応修
正係数演算手段は、熱延板材の尾端部が冷却ラインを通
過すると、通過時の上記板材の冷却ライン入側および出
側温度、板速度から影響係数を修正する修正係数を求
め、この適応修正係数演算手段での演算は、演算式
(9)〜(14)でa1、a2を求めると共に、
【0065】偏微分して求めた(∂ΔTL /∂V)及び
(∂ΔTL /∂FDT)から、 C1LT =a1/(∂ΔTL /∂V) C2LT =a2/(∂ΔTL /∂FDT) (16) を求め、
【0066】 C1LN =e1・C1LT +(1−e1)・C1LO C2LN =e2・C2LT +(1−e2)・C2LO (17) なる計算を行い、このC1LN ,C2LN を影響係数の修正
係数とし、
【0067】次の熱延板材の冷却時に、 (∂ΔTL /∂V) C1LN ・(∂ΔTL /∂V) → (∂ΔTL /∂FDT) C2LN ・(∂ΔTL /∂FDT) (18) 但し、e1、e2 :平滑係数 CiLN :次回採用値 CiLT :瞬時値(式(16)にて得られた値) CiLO :今回採用値 を演算して影響係数を修正し、この修正した影響係数を
採用する。
【0068】
【実施例】
実施例1.先ず本発明における制御の原理について説明
する。仕上げ出側温度計から巻取温度計までの温度降下
量の数式は ・空冷による温度降下
【0069】
【数22】
【0070】・水冷による温度降下
【0071】
【数23】
【0072】に分類される。上記の式(1)〜(5)は
いずれも公知の式である。
【0073】ここで ε :幅射率 Cp :比熱 γ :比重 HF :板厚 TIME :FDTからCT間移送時間 (仕上げ出側温度検出器から巻取温度検出器までの移送
時間) FDT :仕上げ出側温度実績値 V :板速度 K :絶対温度換算値 VSTATUS :バーティカルスプレーON/OFF状況(ON:1.0
OFF :0.0 ) QX :上下バンク合計熱流束 QV :バーティカルスプレー熱流束 QS :サイドスプレー熱流束 LBNK :1バンク間距離 WVS :バーティカルスプレー噴射幅 LSD :サイドスプレー噴射幅 KX :サイドスプレー個数
【0074】なお、TIME(V)は、 L=v0 ・t+(1/2)・α・t2 の公知の運動方程式をtについて解いたものである。 L :FDT〜CT間の距離 v0 :FDTでの板速度 α :板のFDT〜CT間での加速度
【0075】基準となる冷却設備制御パターン(各冷却
設備であるバンクのオン/オフの制御パターン)が鋼板
のいずれかのポイントで決定されると、この基準を基に
以下のような本発明の式が成立する。
【0076】 ΔTi=∂ΔTL /∂V ・(Vi −Vo ) +∂ΔTL /∂FDT ・(FDTi −FDTo ) +∂ΔTS /∂V ・(Vi −Vo ) +∂ΔTV /∂V ・(Vi −Vo ) +∂CTAIR /∂V ・(Vi −Vo ) +∂CTAIR /∂FDT ・(FDTi −FDTo ) +FDTi −FDTo (6) にて計算される。
【0077】上記のΔTi を補償するための制御パター
ンは、 ΔBi =ΔTi /(∂ΔTL /∂B) (7) にて修正されることになる。
【0078】基準の冷却制御パターンをBo とすると、
第iポイントでの制御パターンは、 Bi =Bo +ΔBi (8) にて求まる。即ち、Bo をΔBi で修正し、Bi が冷却
制御パターンとなる。
【0079】ここで式(6)の下記のような、各温度降
下量を仕上げ出側温度と圧延速度で偏微分した値を影響
係数とする。 ∂ΔTL /∂V :速度変化に対するΔTL の変動の割合 ∂ΔTL /∂FDT :FDT変化に対するΔTL 〃 ∂ΔTS /∂V :速度変化に対するΔTS 〃 ∂ΔTV /∂V : 〃 ΔTV 〃 ∂CTAIR /∂V : 〃 CTAIR 〃 ∂CTAIR /∂FDT :FDT変化に対するCTAIR 〃 ∂ΔTL /∂B :バンクのスプレー本数に対するΔTL の変 動の割合 この影響係数を導出して、冷却制御パターンを修正する
のが、この発明の主要素である。
【0080】この発明は以上の数式に示すように、先端
部から尾端部にいたるまでの鋼板の各制御ポイントに対
して、鋼板の1点(先端部)を基準としてその基準点に
おける鋼板の冷却設備制御パターン(各冷却設備である
バンクのオン/オフの制御パターン)を求めておき、各
温度降下量を仕上げ出側温度と圧延速度で偏微分した値
である各影響係数と、当該制御ポイントの速度及び仕上
げ温度を用いて基準からの偏差計算を行って、当該制御
ポイントに対する冷却設備制御パターンを決定して、こ
のパターンで冷却制御を実現するものである。
【0081】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳
細に説明する。この実施例1は、図1に示されるような
熱間圧延設備の巻取温度制御装置において冷却設備1A
を用いた制御装置の構成図である。
【0082】図において、1Aは冷却設備で、従来の図
16の冷却設備4を簡略に表わいている。2Aは鋼板、
3Aは仕上げ圧延機、4Aは巻取機、5Aは速度検出
器、6Aは温度計、7Aは板厚計、8Aは温度予測装
置、9Aは冷却バンクオン/オフ決定装置、10Aは冷
却バンク制御装置、11Aは冷却バンクオン/オフ修正
決定装置である。
【0083】上記冷却設備1Aは、10数個の冷却ゾー
ン(制御対象としては冷却バンクと呼ばれる)に分割さ
れていて、各冷却ゾーン毎に独立に冷却水弁の開閉がで
き注水量を制御して鋼板2Aの温度制御を全長に亘って
可能としている。そうして鋼板2Aの先端部から尾端部
に亘って設定する制御ポイントは、通常、1バンク(1
ゾーン)分の長さ毎に設定している。
【0084】仕上げ圧延機3Aで圧延された鋼板2A
は、冷却設備1Aで冷却され巻取機4Aに巻取られる。
また、冷却装置1Aの入側には速度検出器5Aと温度計
6Aと板厚計7Aが設置されている。
【0085】次に動作について図2、図3のフローチャ
ートと共に説明する。鋼板2Aの冷却設備1Aでの入側
における実績温度及び圧延速度を温度計6Aと速度検出
器5Aで、実績板厚を板厚計7Aで検出し、板の先端部
における実績温度、圧延速度及び板厚を温度予測装置8
Aに入力する(S1)。
【0086】温度予測装置8Aは前述の式(1),
(2)により、 必要冷却量(仕上げ出側温度−CTAIR ) を計算する (S2)。
【0087】温度予測装置8Aは、必要冷冷却量になる
水冷降下量を得る為に、 (必要冷却量)−(式(4)+式(5))=式(3) を計算する(S3)。
【0088】この計算は、(必要冷却量)=式(4)+
式(5)+式(3)即ち、 (必要冷却量)=ΔTS +
ΔTV +ΔTLが水冷却による必要冷却量であるため、
まず、必要冷却量からΔTS とΔTV とを差し引いてΔ
TL を求めるものである。そして式(3)によりΔTL
を満たす冷却バンクでの冷却を行うようにする。
【0089】冷却バンクオン/オフ決定装置9Aは、計
算された水冷降下量の式(3)の結果(ΔTL )を用い
て冷却バンクオン/オフパターンを決定し、冷却バンク
制御装置10Aへ入力する(S4)。
【0090】冷却バンク制御装置10Aは、冷却設備1
Aを制御して鋼板2Aの冷却を実行する(S5)。 鋼板2Aが巻取温度計をオフ(通過)しなければ(S
6)、制御ポイントでの冷却装置入側の鋼板2Aの「温
度・圧延速度・板厚」を温度予測装置8Aに入力する
(S7)。
【0091】温度予測装置8Aは、上記S7での入力
と、式(1)〜(5)の計算結果とから温度計算式
(6)を演算し、影響係数・温度低下量変化△Ti(i
=1〜n)を求める(S8)。
【0092】冷却バンクオン/オフ修正決定装置11A
は、求めた△Tiを用いて冷却バンクオン/オフパター
ンからの修正量を式(7)(8)で計算し、この修正さ
れた冷却バンクオン/オフパターンを冷却バンク制御装
置10Aへ入力する(S9)。
【0093】次に、ステップS5に戻って、冷却設備1
Aを制御して鋼板2Aの冷却を実行する。制御ポイント
毎にステップS5からS9のループを実行し、ステップ
S6でYESになれば、冷却制御を終了する。
【0094】このように板の先端部(最初の制御ポイン
ト)を基準として、先端部以降の鋼板の制御ポイント
は、鋼板2Aの冷却設備での入側における実績温度・圧
延速度・実績板厚を検出し、前述の式(7)〜(8)を
用いて当該制御ポイントにおける冷却設備制御パターン
を修正決定し、決定された冷却バンクのオン/オフバタ
ーンは、冷却バンク制御装置10Aにより鋼板の制御ポ
イントが通過したときに水冷されるように制御する。
【0095】この発明によれば、従来の冷却時間を用い
た制御方法ではなく、先端部から尾端部に対して各制御
ポイント毎に必ず冷却設備制御パターンを決定して制御
する方式を採用しているため、十分な品質の鋼板を生産
できる高精度な冷却制御が期待される。
【0096】実施例2.この実施例を図4の冷却制御装
置の構成図に示す。図4において、図1と異なるところ
は、温度計算対象判断装置12Aを設けたもので、鋼板
2Aが予め指定された距離を通過するのを速度検出器5
Aの信号から判断し出力する。
【0097】次に動作について図5、図6のフローチャ
ートと共に説明する。ステップT1〜T6,T8〜T1
0は、図2、図3のステップS1〜S9と同一であり、
ステップT7及びT11を追加している。
【0098】鋼板2Aが予め設定された距離を通過する
までは、ステップT7は、NOで、実施例1と同様、制
御ポイント毎にステップT8〜T10,T5を繰り返す
が、鋼板2Aが温度計算対象判断装置12Aにより予め
設定された距離を通過すると(T7)、冷却設備1A入
側での鋼板2Aの「温度・圧延速度・板厚」を温度予測
装置8Aに入力する(T11)。そしてステップT2〜
T4のように鋼板2Aの先端部の場合と同様に必要冷却
量を再計算する。
【0099】実施例1では鋼板が先端部のみで冷却バン
クオン/オフパターンが計算され、その後は各制御ポイ
ント毎に影響係数を導出して冷却パンクオン/オフパタ
ーンを修正するので、速度変化の激しい板厚の薄い鋼板
に対しては、前述の式(6)〜(8)を用いると、誤差
が大きいため精度よい制御ができない。
【0100】この実施例2では、鋼板中予め定められた
距離を鋼板が通過する毎に、その制御ポイントで先端部
の計算結果を用いず、温度予測装置8A及び冷却バンク
オン/オフ決定装置9Aで再計算して影響係数と冷却バ
ンクオン/オフパターンを決定するので、鋼板の先端部
から尾端部に亘ってきめ細かな精度のよい冷却制御装置
を提供し、良好な品質の鋼板を生産できる高精度な冷却
制御が期待される。
【0101】実施例3.この実施例を図7の冷却制御装
置の構成図を示す。図7において、図1と異なるところ
は、制御ポイント判断装置13Aを設け、制御ポイント
での圧延速度が、鋼板2Aの先端部の圧延速度に対し予
め指定された速度偏差を超えたか否かを速度検出器5A
の信号から判断し出力する。
【0102】次に動作について図8、図9のフローチャ
ートと共に説明する。ステップU1〜U6,U8〜U1
0は、図2、図3のステップS1〜S9と同一であり、
ステップU7及びU11を追加している。
【0103】制御ポイント判断装置13Aにより、制御
ポイントでの圧延速度が、先端部の圧延速度からの所定
の速度偏差を超えると(U7)、冷却設備1A入側での
鋼板2Aの「温度・圧延速度・板厚」を温度予測装置8
Aに入力する(U11)。そしてステップU2〜U4の
ように鋼板2Aの先端部の場合と同様に必要冷却量を再
計算する。ステップU7で、制御ポイントの圧延速度
が、先端部の圧延速度からの所定の速度偏差以内であれ
ば、実施例1と同様、U8〜U10の処理を行う。
【0104】実施例2では予め定められた距離を通過す
る毎にしか細かい制御をしないが、この実施例では鋼板
中速度変化が指定された速度偏差より大きくなると、そ
の制御ポイント以降先端部の計算結果を用いず、温度予
測装置8A及び冷却バンクオン/オフ決定装置9Aで再
計算して、影響係数と冷却バンクオン/オフパターンを
決定するので、鋼板の先端部から尾端部に亘ってきめ細
かなより精度の冷却制御装置を提供し、速度変化の激し
い場合でも、良好な品質の鋼板を生産できる高精度な冷
却制御が期待される。
【0105】実施例4.この実施例を図10の冷却制御
装置の構成図を示す。図10において、図7と異なると
ころは、テーブル値適応修正値14Aと、冷却設備出側
に配設された巻取温度を測定する温度計6Bとを設けた
ものである。
【0106】次に動作について図11、図12のフロー
チャートと共に説明する。ステップV1,V3〜V9,
V11は、図8、図9のステップU1〜S8,U11と
同一であり、ステップV2,V10及びV12を追加し
ている。
【0107】鋼板2Aの先端部ではステップV2のよう
に、テーブル値適応修正装置14Aに前回圧延時の影響
係数の修正値a1N,a2Nが記憶されている場合は温
度予測装置8Aに入力しておく。そして制御ポイント毎
に影響係数を計算する場合、ステップV10おいて、影
響係数の修正値が記憶されている場合は、その修正値a
1N,a2Nを採用する。
【0108】ステップV7で鋼板2Aが巻取温度計をオ
フすれば、ステップV12でテーブル値適応修正装置1
4Aにより、式(9)〜(15)の演算式で影響係数の
修正値a1N,a2N を演算し記憶する。このa1
N,a2NをステップV2で、次回圧延時に採用する。
【0109】従って、この実施例は実施例3と同様に、
制御ポイント判断装置13Aにより予め指定された速度
偏差よりも大きいと判断されたとき、影響係数を再演算
して冷却バンクオン/オフパターンを更新しながら冷却
制御を実行し、その上に、鋼板2Aの尾端部が冷却設備
1Aを通過すると、テーブル値適応修正装置14Aによ
り影響係数を演算して修正値 a1N ,a2N を演
算し記憶しておき、次回の圧延時に採用する。
【0110】次に影響係数の修正値 a1N ,a2N
を演算する手段について説明する。前記式(6)におい
て、実績のバルブ数及び実績の仕上げ出側温度(FDT
m)並びに巻取温度(CTm)を用いて、温度降下量実
績ΔTL m=FDTm−CTmと定義し、ΔTL mより
以下の関数式が成立する。
【0111】
【数24】
【0112】ここで a1=∂ΔTL /∂V 、x1=(Vi −Vo ) a2=∂ΔTL /∂FDT 、x2=(FDTi −FDTo ) a3=∂ΔTS /∂V 、x3=(Vi −Vo ) a4=∂ΔTV /∂V 、x4=(Vi −Vo ) a5=∂CTAIR /∂V 、x5=(Vi −Vo ) a6=∂CTAIR /∂FDT、x6=(FDTi −FDTo ) a7=1 、x7=(FDTi −FDTo )
【0113】但し、a3、a4、a5、a6は、予め操
業実績により決定可能であるため、式(9)は次式に整
理される。 ΔTL m−a3・x3 −a4・x4 −a5・x5 −a6・x6 − x7=a1・x1+a2・x2 (9’) ΔTL m’=a1・x1+a2・x2 (10)
【0114】よって、式(10)は鋼板1本につき数十
から数百点の組み合わせのデータが採取でき、一般に言
われている多変数解析の以下の手法を用いれば当初の数
式の値をより高精度で修正してくれる。
【0115】
【数25】
【0116】を最小にするa1、a2を求めればよいわ
けで、
【0117】
【数26】
【0118】の両式を満足するa1、a2を解く。
【0119】
【数27】
【0120】と整理され、
【0121】
【数28】
【0122】ここで、−1は逆行列を示す。こうして、
鋼板1本毎に求め、指数平滑を行い、影響係数で重要な
∂ΔTL /∂ΔTV 、∂ΔTL /∂FDTについては、
圧延が行われる毎に a1N=c1・a1T+(1−c1)・a10 a2N=c2・a2T+(1−c2)・a20 (15)
【0123】ここで、 c1、c2 :平滑係数 aiN :次回採用値 aiT :瞬時値(式(14)にて得られた値) aiO :今回採用値 を演算し、a1N,a2Nを影響係数として更新してテ
ーブル値適応修正装置14Aのテーブルに記憶する。こ
の記憶したテーブル値を次回の圧延時に用いることによ
りより精度の良い制御を実現することができる。
【0124】実施例3では圧延毎に影響係数を修正して
いないため、精度が一部不良になる場合が有り得るが、
この実施例においては、装置に登録していたテーブル値
である影響係数を適応修正により精度向上を実現してい
るため、良好な品質の鋼板を生産できる高精度な冷却制
御が期待される。
【0125】実施例5.実施例4においては、影響係数
をテーブル値として登録して次回圧延時に用いている
が、本実施例においては式(1)〜(5)までを各変数
である仕上げ出側温度と圧延速度で偏微分して求め、こ
の偏微分して求めた影響係数の精度向上のため、図13
に示す計算値適応修正装置15Aを、実施例4に追加し
て制御を行うものである。
【0126】実施例4で記述している式(9)〜(1
4)で計算されたa1、a2と、偏微分して求まってい
る(∂ΔTL /∂V)及び(∂ΔTL /∂FDT)を以
下の関係式により更新していく。
【0127】 C1LT =a1/(∂ΔTL /∂V) C2LT =a2/(∂ΔTL /∂FDT) (16) とし、 C1LN =e1・C1LT +(1−e1)・C1LO C2LN =e2・C2LT +(1−e2)・C2LO (17) なる計算を行い、このC1LN ,C2LN を影響係数の修正
係数として、記憶して保存する。この演算および演算値
の保存は図13の計算値適応修正装置15Aで行う。
【0128】次回圧延時に冷却制御するときには、記憶
したC1LN ,C2LN を読み出し、下記の式(18)を用
いて、次回圧延時に演算した影響係数にC1LN ,C2LN
を乗じて影響係数を修正する。
【0129】 (∂ΔTL /∂V) C1LN ・(∂ΔTL /∂V) → (∂ΔTL /∂FDT) C2LN ・(∂ΔTL /∂FDT) (18) ここで、 e1、e2 :平滑係数 CiLN :次回採用値 CiLT :瞬時値(式(16)にて得られた値) CiLO :今回採用値
【0130】図13の冷却制御装置の構成図と図14、
図15のフローチャートを用いて動作を説明する。図1
3は図10に計算値適応修正装置15Aを加えたもので
ある。また、図14、図15のフローチャートのステッ
プW1,W3〜W9,W11と、図11、図12のフロ
ーチャートのV1,V3〜V9,V11と同一である。
【0131】鋼板2Aの冷却設備1Aでの入側における
実績温度及び圧延速度を温度計6Aと速度検出器5A
で、実績板厚を板厚計7Aで検出し、板の先端部におけ
る実績温度、圧延速度及び板厚を温度予測装置8Aに入
力する(S1)。
【0132】計算値適応修正値15Aに、前回圧延時の
影響係数の修正係数C1LN ,C2LNが記憶されている場
合は、温度予測装置8Aに入力する(S2)。
【0133】ステップW3からW9迄は、実施例3と同
一動作である。ステップW10で影響係数を演算する場
合、まず、影響係数を式(6)で演算し、初回の冷却制
御を行う場合(鋼板2Aの先端部に対して)のみ、影響
係数の修正係数C1LN ,C2LN を用いて、式(18)で
修正した影響係数を演算し、その結果を影響係数として
採用する。その後、ΔTiを求める。
【0134】ステップW10からW11、W3からW9
のループは実施例1(または実施例3)と同一である。
ステップW7で、鋼板2Aが巻取温度計をオフすれば、
テーブル値適応修正装置14Aにより(9)〜(14)
の演算式でa1,a2を演算する(W12)。
【0135】この計算値適応修正値15Aによりa1,
a2を用いて、(16)〜(17)の演算式で影響係数
の修正係数C1LN ,C2LN を演算する(W13)。そし
て冷却制御を終了し、演算したC1LN ,C2LN は、次回
冷却制御時に用いる。
【0136】この実施例においては、実施例4における
テーブル値を採用する適応修正に比較して、式(1)〜
(5)までを各変数である仕上げ出側温度と圧延速度で
偏微分して求めた影響係数により制御を行いかつ適応修
正機能を有しているため、広範囲の速度変動あるいは仕
上げ出側温度変動に対して制御が対応でき、良好な品質
の鋼板を生産できる高精度な冷却制御が期待される。
【0137】実施例6.実施例5で、テーブル値適応修
正装置14Aにおいて影響係数a1N,a2Nを演算し
て求め、また、計算値適応修正値15Aにより影響係数
の修正係数C1LN ,C2LN を求め、この両者を切替手段
を用いて切替えて冷却制御するようにしてもよい。
【0138】実施例7.また、実施例2の所定の距離毎
に必要な水冷却熱量を再計算する手段と、実施例3の板
速度が所定の速度偏差を超えると必要な水冷却熱量を再
計算する手段とを切替え用いるようにしてもよい。
【0139】実施例8また、実施例1や実施例2に対し
て、実施例4のテーブル値適応修正装置14Aを設けて
おき、鋼板が通過したときにa1N,a2Nを演算して
記憶し、次回冷却制御時に用いるようにしてもよい。
【0140】実施例9.また、実施例1や実施例2に対
して、実施例5の計算値適応修正値15Aを設けてお
き、鋼板が通過したときに影響係数の修正係数C1LN ,
C2LN を演算して記憶し、次回冷却制御時に用いるよう
にしてもよい。
【0141】実施例10.また、実施例1で、制御ポイ
ント設定して各制御ポイントで影響係数を導出して制御
パターンを修正したが、これは鋼板が所定の距離走行す
る毎に影響係数を導出することになる。これに対し、所
定の時間毎に影響係数を導出して制御パターンを修正す
るようにしてもよい。
【0142】実施例11.また、実施例2で、鋼板が所
定の距離走行すると、先端部での制御パターンを求める
と同様、制御パターンを再計算するようにしたが、所定
時間毎に制御パターンを再計算するようにしてもよい。
【0143】
【発明の効果】
(1)以上のようにこの発明によれば、冷却制御開始時
に基準冷却制御パターンを決定し、冷却制御開始後は影
響係数を導入して上記基準冷却制御パターンからの偏差
を求めて修正し、この修正された冷却制御パターンで冷
却制御するようにしたので、十分な品質の板材を生産で
きる高精度な冷却制御が実現できる。
【0144】(2)また、熱延板材が所定の距離走行す
る毎に、基準冷却制御パターンを再計算するようにした
ので、きめ細かな高精度の冷却制御が実現できる。
【0145】(3)また、熱延板材の走行速度が所定の
速度偏差を超えると、基準冷却制御パターンを再計算す
るようにしたので、速度変化の激しい場合でもより高精
度の冷却制御が実現できる。
【0146】(4)また、冷却制御終了時に影響係数を
再計算して修正し、次回の冷却制御に用いるようにした
ので、より適切な影響係数を採用することができ、より
高精度の冷却制御が実現できる。
【0147】(5)また、冷却制御終了時に影響係数を
修正する修正係数を求め、次回の冷却制御に用いるよう
にしたので、より適切な影響係数を採用することがで
き、より高精度の冷却制御が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例1による熱延板材の冷却制
御装置の構成図である。
【図2】 この発明の実施例1による冷却制御動作のフ
ローチャートである。
【図3】 この発明の実施例1による冷却制御動作のフ
ローチャートである。
【図4】 この発明の実施例2による熱延板材の冷却制
御装置の構成図である。
【図5】 この発明の実施例2による冷却制御動作のフ
ローチャートである。
【図6】 この発明の実施例2による冷却制御動作のフ
ローチャートである。
【図7】 この発明の実施例3による熱延板材の冷却制
御装置の構成図である。
【図8】 この発明の実施例3による冷却制御動作のフ
ローチャートである。
【図9】 この発明の実施例3による冷却制御動作のフ
ローチャートである。
【図10】 この発明の実施例4による熱延板材の冷却
制御装置の構成図である。
【図11】 この発明の実施例4による冷却制御動作の
フローチャートである。
【図12】 この発明の実施例4による冷却制御動作の
フローチャートである。
【図13】 この発明の実施例5による熱延板材の冷却
制御装置の構成図である。
【図14】 この発明の実施例5による冷却制御動作の
フローチャートである。
【図15】 この発明の実施例5による冷却制御動作の
フローチャートである。
【図16】 従来の熱延板材の冷却制御装置の構成図で
ある。
【符号の説明】
1A 冷却設備、2A 鋼板、3A 仕上げ圧延機、4
A 巻取機、5A 速度検出器、6A 温度計(入
側)、6B 温度計(出側) 7A 板厚計、8A 温度予測装置、9A 冷却バンク
オン/オフ決定装置、10A 冷却バンク制御装置、1
1A 冷却バンクオン/オフ修正決定装置、12A 温
度計算対象判断装置、13A 制御ポイント判断装置、
14A テーブル値適応修正装置、15A 計算値適応
修正装置。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行する熱延板材を冷却水で冷却する冷
    却設備を有する冷却ラインにあって、冷却開始直前の上
    記板材の冷却ライン入側温度、板速度および板厚に基づ
    いて冷却制御パターンを基準として導出する基準冷却制
    御パターン決定手段と、冷却を開始すると上記板材の走
    行に応じて上記板材の冷却ライン入側温度および板速度
    に対する上記冷却ラインの入側から出側迄の温度降下量
    を影響係数として演算する影響係数演算手段と、上記影
    響係数と上記基準からの速度偏差及び冷却ライン入側温
    度偏差に基づいて上記基準冷却制御パターンを修正する
    修正冷却制御パターン決定手段とを備え、冷却開始時は
    上記基準冷却制御パターンに応じて、冷却開始後は上記
    修正冷却制御パターンに応じて上記冷却設備で板材を冷
    却するようにしたことを特徴とする熱延板材の冷却制御
    装置。
  2. 【請求項2】 走行する熱延板材を冷却水で冷却する冷
    却設備を有する冷却ラインにあって、冷却開始直前また
    は上記板材が所定の距離を走行すると、上記板材の冷却
    ライン入側温度、板速度および板厚に基づいて冷却制御
    パターンを基準として導出する基準冷却制御パターン決
    定手段と、冷却を開始すると上記板材の走行に応じて上
    記板材の冷却ライン入側温度および板速度に対する上記
    冷却ラインの入側から出側迄の温度降下量を影響係数と
    して演算する影響係数演算手段と、上記影響係数と上記
    基準からの速度偏差及び冷却ライン入側温度偏差に基づ
    いて上記基準冷却制御パターンを修正する修正冷却制御
    パターン決定手段とを備え、冷却開始時または上記板材
    が所定の距離を走行した場合は、上記基準冷却制御パタ
    ーンに応じて、上記基準制御パターンの適用以外は、上
    記修正冷却制御パターンに応じて上記冷却設備で板材を
    冷却するようにしたことを特徴とする熱延板材の冷却制
    御装置。
  3. 【請求項3】 走行する熱延板材を冷却水で冷却する冷
    却設備を有する冷却ラインにあって、冷却開始直前また
    は上記板材の板速度が所定の速度偏差を超えると、上記
    板材の冷却ライン入側温度、板速度および板厚に基づい
    て冷却制御パターンを基準として導出する基準冷却制御
    パターン決定手段と、冷却を開始すると上記板材の走行
    に応じて上記板材の冷却ライン入側温度および板速度に
    対する上記冷却ラインの入側から出側迄の温度降下量を
    影響係数として演算する影響係数演算手段と、上記影響
    係数と上記基準からの速度偏差及び冷却ライン入側温度
    偏差に基づいて上記基準冷却制御パターンを修正する修
    正冷却制御パターン決定手段とを備え、冷却開始時また
    は上記板材の板速度が所定の速度偏差を超えると、上記
    基準冷却制御パターンに応じて、上記基準制御パターン
    の適用以外は、上記修正冷却制御パターンに応じて上記
    冷却設備で板材を冷却するようにしたことを特徴とする
    熱延板材の冷却制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項において、
    熱延板材の尾端部が冷却ラインを通過すると、通過時の
    上記板材の冷却ライン入側および出側温度、板速度に基
    づいて影響係数を再計算して修正する影響係数適応修正
    手段を設け、この修正した影響係数を次の熱延板材の冷
    却時に、影響係数として採用するようにしたことを特徴
    とする熱延板材の冷却制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれか1項において、
    熱延板材の尾端部が冷却ラインを通過すると、通過時の
    上記板材の冷却ライン入側および出側温度、板速度に基
    づいて影響係数を修正する修正係数を求める適応修正係
    数演算手段を設け、次の熱延板材の冷却時に、上記修正
    係数に応じて影響係数を修正し、この修正した影響係数
    を採用するようにしたことを特徴とする熱延板材の冷却
    制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜3のいずれか1項において、
    熱延板材の先端部から尾端部に亘って複数個の制御ポイ
    ントを設定し、最初の制御ポイントで基準冷却制御パタ
    ーンを適用し、その後の各制御ポイントでは修正冷却制
    御パターンを適用し、基準冷却制御パターン決定手段
    は、 ・空冷による温度降下 【数1】 ・水冷による温度降下 【数2】 但し、 ε :幅射率 Cp :比熱 γ :比重 HF :板厚 TIME :FDTからCT間移送時間 (仕上げ出側温度検出器から巻取温度検出器までの移送
    時間) FDT :仕上げ出側温度実績値 V :板速度 K :絶対温度換算値 VSTATUS :バーティカルスプレーON/OFF状況(ON:1.0
    OFF :0.0 ) QX :上下バンク合計熱流束 QV :バーティカルスプレー熱流束 QS :サイドスプレー熱流束 LBNK :1バンク間距離 WVS :バーティカルスプレー噴射幅 LSD :サイドスプレー噴射幅 KX :サイドスプレー個数 また、TIME(V)は、 L=v0 ・t+(1/2)・α・t2 の運動方程式をtについて解いたものである。 L :FDT〜CT間の距離 v0 :FDTでの板速度 α :板のFDT〜CT間での加速度 上記式(1),(2)により、 必要冷却量(仕上げ出側温度−CTAIR ) を求め、 (必要冷却量)−(式(4)+式(5))=式(3) 即ち、(必要冷却量)−(ΔTS +ΔTV )=ΔTL から必要なΔTL が得られるよう冷却制御パターンを決
    定する基準冷却制御パターン決定手段とし、影響係数演
    算手段は、 ∂ΔTL /∂V :速度変化に対するΔTL の変動の割合 ∂ΔTL /∂FDT :FDT変化に対するΔTL 〃 ∂ΔTS /∂V :速度変化に対するΔTS 〃 ∂ΔTV /∂V : 〃 ΔTV 〃 ∂CTAIR /∂V : 〃 CTAIR 〃 ∂CTAIR /∂FDT :FDT変化に対するCTAIR 〃 ∂ΔTL /∂B :バンクのスプレー本数に対するΔTL の変 動の割合 を演算する影響係数演算手段とすると共に、修正冷却制
    御パターン決定手段は、上記影響係数を用いて、 ΔTi=∂ΔTL /∂V ・(Vi −Vo ) +∂ΔTL /∂FDT ・(FDTi −FDTo ) +∂ΔTS /∂V ・(Vi −Vo ) +∂ΔTV /∂V ・(Vi −Vo ) +∂CTAIR /∂V ・(Vi −Vo ) +∂CTAIR /∂FDT ・(FDTi −FDTo ) +FDTi −FDTo (6) ΔBi =ΔTi /(∂ΔTL /∂B) (7) を演算して、制御パターンの修正値ΔBi を求め、基準
    冷却制御パターンをBoとすると、第iポイントでの制
    御パターンは、 Bi =Bo +ΔBi (8) にて求める手段としたことを特徴とする熱延板材の冷却
    制御装置。
  7. 【請求項7】 請求項6項において、熱延板材の尾端部
    が冷却ラインを通過すると、通過時の上記板材の冷却ラ
    イン入側および出側温度、板速度から影響係数を再計算
    して修正する影響係数適応修正手段を設け、この影響係
    数適応修正手段での演算は、請求項6項の式(6)の結
    果と、実績のバルブ数及び実績の仕上げ出側温度(FD
    Tm)並びに巻取温度(CTm)を用いて、温度降下量
    実績ΔTL m=FDTm−CTmとし、ΔTL mより以
    下の関数式が成立し、 【数3】 但し、 a1=∂ΔTL /∂V 、x1=(Vi −Vo ) a2=∂ΔTL /∂FDT 、x2=(FDTi −FDTo ) a3=∂ΔTS /∂V 、x3=(Vi −Vo ) a4=∂ΔTV /∂V 、x4=(Vi −Vo ) a5=∂CTAIR /∂V 、x5=(Vi −Vo ) a6=∂CTAIR /∂FDT、x6=(FDTi −FDTo ) a7=1 、x7=(FDTi −FDTo ) 上記式で、a3、a4、a5、a6は、予め操業実績に
    より決定可能であるため次式に整理され、 ΔTL m−a3・x3 −a4・x4 −a5・x5 −a6・x6 − x7=a1・x1+a2・x2 (9’) ΔTL m’=a1・x1+a2・x2 (10) このΔTL m’を用いて 【数4】 【数5】 【数6】 【数7】 でa1,a2を求め、ここで−1は逆行列を示す。こう
    して、鋼板1本毎に求め、指数平滑を行い、影響係数で
    重要な∂ΔTL /∂ΔTV 、∂ΔTL /∂FDTについ
    ては、圧延が行われる毎に a1N=c1・a1T+(1−c1)・a10 a2N=c2・a2T+(1−c2)・a20 (15) 但し、 c1、c2 :平滑係数 aiN :次回採用値 aiT :瞬時値 aiO :今回採用値 を演算し、次の熱延板材の冷却時に、求めたa1N,a
    2Nを影響係数として採用するようにしたことを特徴と
    する熱延板材の冷却制御装置。
  8. 【請求項8】 請求項6において、熱延板材の尾端部が
    冷却ラインを通過すると、通過時の上記板材の冷却ライ
    ン入側および出側温度、板速度から影響係数を修正する
    修正係数を求める適応修正係数演算手段を設け、この適
    応修正係数演算手段での演算は、請求項7の演算式
    (9)〜(14)でa1、a2を求めると共に、偏微分
    して求めた(∂ΔTL /∂V)及び(∂ΔTL /∂FD
    T)から、 C1LT =a1/(∂ΔTL /∂V) C2LT =a2/(∂ΔTL /∂FDT) (16) を求め、 C1LN =e1・C1LT +(1−e1)・C1LO C2LN =e2・C2LT +(1−e2)・C2LO (17) なる計算を行い、このC1LN ,C2LN を影響係数の修正
    係数とし、次の熱延板材の冷却時に、 (∂ΔTL /∂V) C1LN ・(∂ΔTL /∂V) → (∂ΔTL /∂FDT) C2LN ・(∂ΔTL /∂FDT) (18) 但し、 e1、e2 :平滑係数 CiLN :次回採用値 CiLT :瞬時値(式(16)にて得られた値) CiLO :今回採用値 を演算して影響係数を修正し、この修正した影響係数を
    採用するようにしたことを特徴とする熱延板材の冷却制
    御装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104209338A (zh) * 2013-05-30 2014-12-17 宝山钢铁股份有限公司 一种基于板坯宽度的入炉板坯推正控制方法
US11839389B2 (en) 2018-03-04 2023-12-12 Joint Innovation Technology, Llc. Arthroscopic shoulder arthroplasty, components, instruments, and method thereof

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