JPH09122289A - スポーツ用具に靴を締付け固定するためのビンディング装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 スポーツ用具とくにスノーボードに靴を締め
付け固定するビンディング装置において、スポーツ用具
にユーザの足の甲をより快適に固定可能とする。 【解決手段】 ビンディング装置は、長さが異なるか或
いは異なる平面上に配される少なくとも２つのバンド
（１５ａ、１５ｂ、１６）を有した中央主体部により構
成される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、スポーツ用具とく
にスノーボードに靴を締付け固定するためのビンディン
グ装置に関する。

【０００２】

【関連する技術】従来のスノーボード用ビンディング
は、少なくとも２つのストラップを備え、足の前部領域
および甲領域の夫々においてストラップにより靴を締め
つけて、ユーザの足をスノーボードへ堅固に連結し、ス
ポーツ用具を正確かつ最適に操作できるようにしてい
る。

【０００３】前部領域に配されるストラップは、足を下
向きに押圧して垂直方向の力を加えて足をロックする。
また、足の甲領域に作用するストラップは、一般には、
ボードの水平面に関して約４５度の角度で傾斜した単一
要素から構成されている。ここで、反時計方向回転を正
とする。上記ストラップに付与される傾斜は、足の甲を
ロック可能とするのに必要であるが、理想的ではない。
足の甲が、足の裏に対して二重の湾曲部、水平方向のも
のと垂直方向のものとを有しているからである。

【０００４】実際、足は、相異なる別々の２つの湾曲部
をもつような形状を有している。一方の湾曲部は足の甲
の上方部分にあり、他方の湾曲部は足の甲の外側にあ
る。このため、スポーツ運動中に足の甲がとる種々の位
置に対してストラップは適合できなくなる。また、スト
ラップは或る程度の剛性を有している。この剛性は、ス
ポーツ運動中に足を確実に固定するのに必要であり、ま
た、多くの応力および力に耐えるのに必要である。そし
て、ストラップは、或る程度の柔軟性を有して足の湾曲
に適合可能になっている。この柔軟性は、先に述べた剛
性と相反する特性である。

【０００５】従来のストラップには幾つかの欠点があ
る。即ち、材料に剛性があるので、ストラップは、靴、
とくに足の甲領域の二重湾曲部を完全に包囲するもので
はなく、確実なフィット性を得ることができない。この
ため、スポーツ運動中に足が屈曲すると、足の甲に加わ
る圧力の分布は不均一になる。特に、ストラップの長手
方向縁では不快な局所的な圧力点が生じることになる。

【０００６】上記の問題を解消するため、ユーザは、ス
トラップの閉じ度合いを緩めることはできる。但し、こ
の場合、ビンディング内側で靴が移動して、スポーツ用
具の操作感度が低下し、ユーザの安全性が低下すること
がある。足の甲の二重湾曲部にストラップを適合させる
という課題に対する部分的な解決策として、中央領域に
凹部をストラップ長手方向に設けることが知られてい
る。

【０００７】しかしながら、この解決策にも欠点があ
る。即ち、足が屈曲した際に、凹部の内縁同士が相互作
用して、この解決策においても引き続き生じるストラッ
プの長手方向縁による局所的な圧力点にオーバーラップ
する更なる圧力点を生じさせる。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、スポ
ーツ用具とくにスノーボード・ビンディングに足の甲を
より快適に固定できる装置を提供することにより、上述
の技術的問題点を解決して、上述の先行技術の欠点を解
消することにある。上記目的の範囲内において重要な目
的は、スポーツ運動での静的および動的ステップの間、
ユーザの足の甲の形状に適合可能な装置を提供し、これ
により、局所的な圧力領域の形成を回避してユーザの快
適レベルを向上させることにある。

【０００９】別の目的は、靴の固定度合いを増大可能な
装置を提供して、良好な快適度合いを維持しつつ、操作
感度を増大させてスポーツ運動中のユーザの安全性を向
上させることにある。重要な目的は、スポーツ運動中に
なされる屈曲運動の結果として足の甲に生じる傾斜およ
び湾曲に最適に適合可能なように特別な手法で構成した
装置を提供することにある。

【００１０】別の目的は、従来の機械、設備を用いて得
られる製造コストが低廉な装置を提供することにある。

【００１１】

【課題を解決するための手段】上記の、および、以下に
おいて明らかとなる目的は、スポーツ用具とくにスノー
ボードに足を締付け固定するためのビンディング装置に
より達成される。このビンディング装置は、長さが異な
るか或いは異なる平面に配される少なくとも２つのバン
ドを設けた中央主体部を備える。

【００１２】本発明の更なる特性および利点は、添付図
面に非限定的な例として記載される幾つかの特定の実施
例についての詳細な説明から明らかとなろう。

【００１３】

【発明の実施の形態】添付図面を参照すると、参照符号
１は、ベース２により構成されたスノーボード・ビンデ
ィングを示す。ベース２からは、２つの側方肩部３ａ、
３ｂが同一側へ直角に突出している。円板４は、ベース
２に回転自在に関連づけられている。また、円板４は、
ベース２に形成された相補形状の座部内に配されてい
る。円板４は、図示しない下側のスノーボードに円板を
固定可能とする孔５を有している。

【００１４】ビンディング１は、略Ｕ字状の後部支持体
６を有する。この後部支持体６は２つのウィング７ａ、
７ｂからなる。両ウィング７ａ、７ｂは、２つの側方肩
部３ａ、３ｂに側方から堅固に連結され、また、接続要
素７ｃにより接続されている。接続要素７ｃは、円板４
の後方かつ上方に配され、また、円板４と略同一の幅に
なっている。

【００１５】略矩形状でかつ湾曲したフラップ８は、支
持体６に関連づけられ、また、支持体６の上方に突出し
ている。このフラップ８は、第１ヒール領域９の上方に
おいてユーザの足を後方から支持可能なように設けられ
ている。ビンディング１は、図１に破線で示す前部スト
ラップ１０を有している。ストラップ１０の両端は、ユ
ーザの足の先端の第２領域１１の近くで、２つの側方肩
部３ａ、３ｂに関連づけられている。

【００１６】ビンディング要素１２は、ビンディング１
に関連づけられている。ビンディング要素１２は、略矩
形状の中央主体部１３により構成されている。この中央
主体部１３は、湾曲した外形を有している。中央主体部
１３よりも幅狭の第１バンド１４ａおよび第２バンド１
４ｂが、中央主体部１３の両端からほぼ中央軸線に沿っ
て突出している。

【００１７】図示の特定の実施例において、中央主体部
１３は、２つの第１側方バンド１５ａ、１５ｂと、両バ
ンド１５ａ、１５ｂよりも短い第２中央バンド１６とに
より構成されている。この様に、第２中央バンド１６
は、２つの第１側方バンド１５ａ、１５ｂの配置面とは
異なりかつこの配置面よりも下方にある平面に配置さ
れ、これにより、第３甲領域１７の湾曲を再形成可能に
している。

【００１８】第１座部１８ａは第１連結装置１９のため
のものであり、また、第２座部１８ｂは、ビンディング
１に対してビンディング要素１２を一時固定する第２装
置２０のためのものである。両座部１８ａ、１８ｂは、
ビンディング要素１２の第１バンド１４ａおよび第２バ
ンド１４ｂに夫々形成されている。第２固定装置２０
は、従来型のもので、例えばレバーアーム２１により構
成されている。このレバーアーム２１は、要素１２の上
方に関連づけられた第３歯付きバンド２２と相互作用す
る。

【００１９】好ましくは、ビンディング要素１２の第１
バンド１４ａおよび第２バンド１４ｂがビンディング１
に繋ぎ止められるポイントは、後部支持体６とフラップ
８との間の領域にある。フラップ８は、第４踝領域２３
の下方に配されている。ビンディング要素１２は、反時
計方向回転を正としたとき、板４の面に対して約４５度
の角度で傾斜している。

【００２０】ビンディング装置の作動は次のとおりであ
る。ストラップ１０を固定し、また、ビンディング要素
１２を特定要件に応じて第２装置２０により固定するこ
とにより、ユーザはビンディング１に靴をロックする。
ビンディング要素１２は、その第２バンド１６が足の甲
領域１７にありかつその第１側方バンド１５ａ、１５ｂ
が第２バンド１６から僅かに離隔するように配される。
足の屈曲中、第１バンド１５ａ、１５ｂは、第２中央バ
ンド１６と部分的にオーバーラップ可能である。このた
め、ビンディング上での、前もってセットされた足のロ
ックを第２バンドにより維持できる。

【００２１】従って、上記の如く創案された本発明が、
企図した目的を達成可能であることが明らかになった。
また、スポーツ運動の静的および動的ステップの間、ス
ポーツ用具とくにスノーボードに足の甲をより快適にロ
ック可能とする装置が提供されることが明らかになっ
た。先ず、傾きを異にする隣接領域の夫々が２つの第１
側方バンド１５ａ、１５ｂにより足の甲領域１７に固定
され、また、この領域は長さを異にする第２中央バンド
１６によりロックされる。従って、第１または第２バン
ドへのテンション付与により、特別な足のロックが実際
に達成可能である。

【００２２】足の屈曲中に２つの第１側方バンドが第２
中央バンドにオーバーラップするので、局所的な圧力点
の形成が回避される。このため、締付け固定装置の閉じ
度合いを緩めることなしに、スポーツ用具に対する足の
ロックを中央バンドにより維持できる。ロック要素は、
足の甲領域において圧力を均一に分布させることがで
き、ユーザの快適さレベルを増大して、スポーツ運動中
のユーザの操作感度および安全性が向上する。

【００２３】本発明によるビンディング装置は、種々に
変形可能であり、その全ては同一の発明概念の範囲内に
入る。図４は第２実施例を示す。この第２実施例におい
て、ロック要素１１２には、内側部分で関連づけられた
柔らかいカバー１３０が設けられる。このカバー１３０
は、下向き領域において２つの第１バンド１１５ａ、１
１５ｂと第２バンド１１６とを接続する単一部品により
構成されている。この単一部品は、ビンディング要素１
１２とユーザの足の甲領域との間に配される。

【００２４】この解決策もまた、企図した目的を達成可
能である。図５は別の実施例を示す。この実施例におい
て、ビンディング要素２１２は、第２中央バンド２１６
を備え略Ｈ字形状の中央主体部２１１を有している。２
つの第１側方バンド２１５ａ、２１５ｂは、適当なねじ
又はリベット２３１により主体部２１１に関連づけられ
ている。

【００２５】２つの第１バンド２１５ａ、２１５ｂは、
第２バンド２１６を含む平面に関して上方レベルに配さ
れている。この解決策もまた、企図した目的を達成可能
である。

【００２６】

【発明の効果】本発明のビンディング装置は、長さが異
なるか或いは異なる平面に配される少なくとも２つのバ
ンドを有した中央主体部を備えるので、スポーツ用具と
くにスノーボード・ビンディングに足の甲をより快適に
固定できる。また、本発明のビンディング装置は、スポ
ーツ運動での静的および動的ステップの間、ユーザの足
の甲の形状に適合可能であり、局所的な圧力領域の形成
を回避してユーザの快適レベルを向上できる。更に、本
発明によれば、靴の固定度合いを増大可能であり、良好
な快適度合いを維持しつつ、操作感度を増大させてスポ
ーツ運動中のユーザの安全性を向上できる。そして、本
発明によれば、スポーツ運動中になされる屈曲運動の結
果として足の甲に生じる傾斜および湾曲に最適に適合可
能なビンディング装置を提供できる。また、本発明のビ
ンディング装置は、従来の機械、設備を用いて製造で
き、製造コストが低廉である。

【図面の簡単な説明】

【図１】スノーボード・ビンディングの斜視図である。

【図２】本発明によるビンディング要素の斜視図であ
る。

【図３】図２のＩＩＩ−ＩＩＩ面に沿う断面図である。

【図４】本発明の第２実施例の、図３に類似の断面図で
ある。

【図５】本発明の第３実施例の斜視図である。

【図６】直立位置にある足の側面図である。

【図７】第１傾斜位置にある足の側面図である。

【図８】第２傾斜位置にある足の側面図である。

【符号の説明】

１ ビンディング装置 ２ ベース ３ａ、３ｂ 側方肩部 ４ 板 ６ 後部支持体 ７ａ、７ｂ ウィング ８ フラップ １２ ビンディング要素 １３ 中央主体部 １４ａ 第１バンド １４ｂ 第２バンド １５ａ、１５ｂ、１１５ａ、１１５ｂ、２１５ａ、２１
５ｂ 側方バンド １６、１１６、２１６ 中央バンド １８ａ 第１座部 １８ｂ 第２座部 １９ 連結部材 ２０ 固定装置 １３０ 柔らかいカバー ２３１ ねじ又はリベット

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 長さが異なるか或いは異なる平面に配さ
   れる少なくとも２つのバンドを有した中央主体部を備え
   ることを特徴とする、スポーツ用具に靴を締付け固定す
   るためのビンディング装置。
2. 【請求項２】 ベースを備え、 このベースから、同一の側に直角に２つの側方肩部が突
   出し、 両前記側方肩部の間にはストラップが配され、 前記スポーツ用具への固定のための板は、両前記側方肩
   部に回転自在に関連づけられ、 後部支持体の２つのウィングは、前記２つの側方肩部に
   接続され、 フラップは、前記後部支持体に関連づけられ、 前記中央主体部は、湾曲した外形をもった略矩形形状を
   有し、 前記中央主体部よりも幅狭の第１バンドおよび第２バン
   ドは、前記中央主体部の両端から略中央軸線に沿って突
   出することを特徴とする、請求項１に記載のスポーツ用
   具に靴を締付け固定するためのビンディング装置。
3. 【請求項３】 前記中央主体部は、２つの側方バンドと
   中央バンドとにより構成され、 前記中央バンドは、前記２つの側方バンドよりも短く、
   また、前記２つの側方バンドの下方に延びる平面に配さ
   れて、足の甲領域の湾曲に追従可能であることを特徴と
   する、請求項１に記載の、スポーツ用具に靴を締付け固
   定するためのビンディング装置。
4. 【請求項４】 第１座部および第２座部は、前記第１バ
   ンドおよび前記第２バンドに夫々形成され、連結部材、
   および、前記中央主体部を前記ビンディング装置に一時
   的に固定するための固定装置をそれぞれ収容することを
   特徴とする、請求項３に記載の、スポーツ用具に靴を締
   付け固定するためのビンディング装置。
5. 【請求項５】 前記第１バンドおよび第２バンドは、踝
   領域の下方に延び前記後部支持体と前記フラップとの間
   に介在する領域の中に位置する繋ぎ止めポイントを有
   し、 前記中央主体部は、反時計方向を正としたとき、前記板
   の配置面に関して４５度の角度で傾斜していることを特
   徴とする、請求項４に記載の、スポーツ用具に靴を締付
   け固定するためのビンディング装置。
6. 【請求項６】 前記ビンディング装置の一回の固定操作
   は、前記足の甲領域における前記中央バンドの位置決め
   および前記中央バンドへのテンション付与と、これと同
   時になされる、解剖学的形状を異にする隣接領域の夫々
   への前記２つの側方バンドの位置決めおよび前記２つの
   側方バンドへのテンション付与とを伴うことを特徴とす
   る、請求項１ないし５のいずれかに記載の、スポーツ用
   具に靴を締付け固定するためのビンディング装置。
7. 【請求項７】 内側部分に関連づけられた柔らかいカバ
   ーを備え、 このカバーは、足の甲領域においてユーザの足と相互作
   用する単一部品から構成され、２つの側方バンドと中央
   バンドとを下向き領域において接続することを特徴とす
   る、請求項１ないし６のいずれかに記載の、スポーツ用
   具に靴を締付け固定するためのビンディング装置。
8. 【請求項８】 略Ｈ形状の中央主体部を有し、 この中央主体部には２つの側方バンドが同一の側で関連
   づけられ、 両前記側方バンドは、中央バンドに対して側方に隣接し
   て配されると共に、前記中央バンドを含む平面に関して
   高い平面に配され、 前記２つの側方バンドの各々の両端は、ねじ又はリベッ
   トにより前記中央主体部に関連づけられることを特徴と
   する、請求項１ないし７のいずれかに記載の、スポーツ
   用具に靴を締付け固定するためのビンディング装置。