JPH09122277A - ラケットおよびその製造方法 - Google Patents

ラケットおよびその製造方法

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JPH09122277A
JPH09122277A JP7283198A JP28319895A JPH09122277A JP H09122277 A JPH09122277 A JP H09122277A JP 7283198 A JP7283198 A JP 7283198A JP 28319895 A JP28319895 A JP 28319895A JP H09122277 A JPH09122277 A JP H09122277A
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JP
Japan
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yoke
foam
fiber
resin
layer
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JP7283198A
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Haruo Ohara
春夫 尾原
Masahiro Nishihara
正浩 西原
Tetsuyuki Kyono
哲幸 京野
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Toray Industries Inc
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  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】低コストで、性能に優れたヨーク部を有するラ
ケットおよびその製造方法を提供する。 【解決手段】繊維強化樹脂製のフレーム部と、2層の発
泡体からなる中実部層と、その周囲を繊維強化樹脂から
なる外周部層とで構成されたヨーク部を備えてなること
を特徴とするラケット。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、繊維強化樹脂
(以下FRPという)製のテニスなどのラケットおよび
その製造方法に関し、さらに詳しくは性能に優れたヨー
ク部を有するラケットおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】繊維強化樹脂製ラケットフレームの製法
は、補強繊維を一方向に引き揃えて樹脂を含浸させたプ
リプレグシートをカット後、可撓性チューブに巻き付け
て、同チューブ内に空気等の気体圧を付与して得られる
中空フレームを成形する製法が一般的であるが、ヨーク
部には可撓性チューブを配置するのが困難であるためこ
の部分のみは気体圧による内圧付与は困難である。
【0003】そこで従来技術として、特公昭59ー66
66号公報には発泡体としてポリウレタン発泡体を使用
することや、特開平5ー228228号公報にはRIM
成形法において成形時の熱や圧力に耐えうる芯材として
ポリメタクリルイミド硬質発泡体をフレームやヨークの
芯材に用いる提案がなされている。
【0004】これらの公知例では、いずれも芯材として
1種類の発泡体を使用した中実構造のヨークが提案され
ている。しかるに、ヨーク部を1種類の発泡体のみで芯
材を形成した場合、ガット張り後に実打球による衝撃耐
久試験の時に受ける衝撃のためにガット穴陥没が発生し
やすく、耐久性に劣るという欠点がある。
【0005】さらに、ポリウレタン発泡体やポリメタク
リルイミド硬質発泡体を芯材として強化繊維で巻回した
ものを金型にセットする方法は、型閉じした際に強化繊
維を噛み込みやすく、強化繊維の切断や配列乱れのため
に、ラケットフレーム性能低下を起こしやすい。また、
成形にあたって樹脂が硬化する過程で内圧が付与できな
いために、ヨーク部の表層に樹脂リッチ部やボイドを生
じやすくなるという問題点があった。
【0006】さらにまた、可撓性チューブに筒状の連続
繊維を配置したプリフォームを金型に納め、金型に樹脂
を注入して内圧成形するレジントランスファー(RT
M)成形によるラケットフレームに関しては特開平6ー
286005や、本発明者らが提案した特願平6ー23
1485号があるが、いずれもヨークの改良に関しての
記載はなく、前述の問題点を解決する必要があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この発明の目的は、従
来の上述した問題点を解決し、低コストで、しかも、性
能に優れたヨーク部を有するラケットおよびその製造方
法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの、本発明の構成は以下のとおりである。
【0009】(1)繊維強化樹脂製のフレーム部と、少
なくとも2層の発泡体からなる中実部層と、その周囲を
繊維強化樹脂からなる外周部層とで構成されたヨーク部
を備えてなることを特徴とするラケット。
【0010】(2)繊維強化樹脂製のフレーム部と、少
なくとも2層の発泡体からなる中実部層と、外周部が繊
維強化樹脂層で構成され、かつ、上記中実部層と繊維強
化樹脂層の間が繊維強化樹脂層のマトリックス樹脂と同
一の樹脂層で構成されたヨーク部を備えてなることを特
徴とするラケット。
【0011】(3)少なくとも2層の発泡体が硬さが異
なるものであることを特徴とする前記(1)または
(2)に記載のラケット。
【0012】(4)発泡体のうち少なくとも1種類が熱
可塑性樹脂からなることを特徴とする前記(1)〜
(3)のいずれかに記載のラケット。
【0013】(5)少なくとも2層の発泡体がポリウレ
タン発泡体とポリスチレン発泡体からなるものであるこ
とを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の
ラケット。
【0014】(6)ヨーク部の繊維強化樹脂層を構成す
る強化繊維が、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、
またはPVA繊維のうち少なくとも1種を含むことを特
徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載のラケッ
ト。
【0015】(7)繊維強化樹脂製ラケットを構成する
マトリックス樹脂が熱硬化性樹脂であることを特徴とす
る前記(1)〜(6)のいずれかに記載のラケット。
【0016】(8)発泡体と未発泡の発泡材料をあわせ
て配置したものを芯材として、その周囲を強化繊維で包
んだものをヨーク部予備成形体として構成し、これを可
撓性チューブの周囲に連続繊維を配置したフレーム部の
予備成形体のヨーク部に配置して一体化した状態で金型
内に配置し、金型を加熱することによってヨーク部の未
発泡の発泡材料を発泡させるとともに、フレーム部の可
撓性チューブに気体を吹き込みながら金型に液状樹脂を
注入、硬化させることによってヨーク部とフレーム部を
同時に一体成形することを特徴とするラケットの製造方
法。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明は、ヨーク部が少なくとも
2種類の発泡体よりなる中実層を形成していることを特
徴とする。すでに発泡済みの芯材(第一芯材とする)と
成形工程で発泡を起こす発泡材料(第二芯材とする)と
の組合せで構成されて、成形後のヨーク部の中実層は2
層となっている。ここでいうフレーム部とは、ラケット
を形成する全体からヨーク部分(図1の2で示す部分)
を除いた頂部からグリップ部までをいう。
【0018】第二芯材はフレームを成形するときの金型
温度で発泡を起こすことが好ましく金型温度に対して±
10℃以内で20分以下の時間で発泡するものが好まし
い。このように成形するときの金型温度近辺で発泡する
発泡材料を選ぶことにより、樹脂硬化過程でヨーク部に
内圧を付与することが可能となり、最外周部に繊維強化
樹脂層を配置した中実構造の繊維強化樹脂製ヨークを得
ることができる。
【0019】ここで第二芯材のベースとなる樹脂は熱可
塑性樹脂が好ましい。この第二芯材は金型温度で発泡し
て内圧を発生させることが重要であるが、フレーム成形
(繊維強化樹脂層のマトリックス樹脂硬化)完了後のア
フターキュア等の際に受ける熱で、溶融するものでもか
まわない。例えばポリスチレン、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ABS、塩化ビニル、塩化ビニリデン、エチ
レン・酢酸ビニル共重合体等が好ましいが、汎用的に使
われている熱可塑性樹脂を主成分としたものであれば特
に限定されない。
【0020】第二芯材の形態としては、シート状、ビー
ズ状あるいは粉末状に成形したものを用いることができ
る。
【0021】第一芯材に用いる発泡体としてはウレタン
系発泡体、ポリメタクリルイミド系発泡体、ポリエチレ
ンテレフタレート系発泡体、セルロース系発泡体等が好
ましく用いられる。
【0022】第一芯材と第二芯材をあわせて2層にし、
その周囲に繊維強化樹脂層を配置する方法としては、シ
ート状または板状の第一芯材にビーズ状またはシート状
の第二芯材をはりあわせて、さらに、その上に強化繊維
層を設けたものを、金型内に設置し、次いで金型を加熱
することにより第二芯材を発泡させる、などによる。本
発明は第一芯材と第二芯材を組み合わせて使用すること
が特徴的であるが、特にウレタン発泡体とポリスチレン
発泡材料との組み合わせは後述するRTM成形の場合に
好ましく用いることができる。
【0023】なお、2層構造としては、図5〜図7(本
発明の実施態様に係るヨーク芯材の断面図を示す)に示
すように、第二芯材7は第一芯材9の片面(図7)、両
面(図5)、周囲全体(図6)のいずれの構造をとって
もよい。
【0024】すなわち、いずれの場合も硬さの異なる2
種類の発泡体が2層構造を形成することにより、複数の
柔らかい層の変形により1層のみにくらべて応力集中を
分散させることができるので、実施例に示すようにガッ
ト穴陥没防止に多大な効果を発揮する。これに対して1
種類の発泡体のみの場合は、ガット張り時の張力に加え
て実打球による繰り返し衝撃負荷の際の打球衝撃によ
り、ヨーク断面全体が一様な変形を生じるため、ガット
穴近傍に応力集中が発生しやすく、打球衝撃による耐久
性が低いばかりか陥没破壊時の様式も脆性的になる。
【0025】なお、発泡体は、2層以上に形成されたも
のであっもよい。
【0026】発泡体と発泡材料をあわせて芯材としたも
のの周囲に巻きつける強化繊維としては、炭素繊維、ガ
ラス繊維、アラミド繊維、PVA繊維のうち少なくとも
一種を含む。補強形態としては特に限定されるものでは
ないが、織物、ブレード、不織布、FWによって構成さ
れたものが好ましい。また、本発明のラケットを構成す
るフレームおよびヨークに用いるマトリックス樹脂は、
熱硬化性樹脂であることが好ましい。たとえば、エポキ
シ樹脂のほか、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステ
ル樹脂等を単独または混合して用いることができる。
【0027】本発明のヨーク部は2層の発泡体からなる
中実層と最外層の繊維強化樹脂層とのあいだに繊維強化
樹脂層のマトリックス樹脂と同じ樹脂からなる中間層を
有する4層構造を形成することがさらに好ましい。すな
わち、この構成により、中間層の樹脂が密度の高い中実
層になるのでより補強効果が大きくなり、例えば、ガッ
トを張ったときに起きるガット穴陥没防止とか変形防止
に一層大きな効果をもたらす。また、前述のようにフレ
ーム全体をアフターキュアーした時に、万一発泡体が熱
溶融して芯材として応力を負荷しなくなった場合でも、
マトリックス樹脂層が中実層として有効に機能する。
【0028】本発明のラケットの製造方法は、発泡体と
未発泡の発泡材料をあわせて配置したものを芯材とし
て、その周囲を強化繊維で包んだものをヨーク部予備成
形体として構成し、これを可撓性チューブの周囲に連続
繊維を配置したフレーム部と一体化してラケットフレー
ムの予備成形体とし、これを金型内に配置し、金型を加
熱することによってヨーク部の未発泡の発泡材料を発泡
させるとともに、フレーム部の可撓性チューブに気体を
吹き込みながら金型に液状樹脂を注入、硬化させること
によってヨーク部とフレーム部を同時に一体成形するこ
とを特徴とする。さらに詳しくは、予備成形体を金型に
納めて液状樹脂を注入して内圧成形する方法において、
中実となる芯材をドライの強化繊維で巻いたヨーク部の
予備成形体を、可撓性チューブに筒状の連続繊維をブレ
イドやFWによって構成されたフレーム部の予備成形体
のヨーク部に配置して一体化する。この時、フレーム部
とヨーク部の接合部分は強化繊維で構成した織物または
ブレード等を巻回すことにより補強するのが好ましい。
次いで加熱した金型に納めて芯材を発泡させるととも
に、可撓性チューブに加圧した空気を吹き込んで内圧を
かけながら金型内に樹脂を注入し、硬化させることによ
ってフレーム部とヨーク部を同時に一体成形する。
【0029】第一芯材と第二芯材を組み合わせた芯材は
可撓性のチューブにおさめて両端を緊縛するか接着テー
プ等で閉塞すると、液状の樹脂を注入して成形した時に
発泡体の間隙に樹脂が浸透するのを防ぐことができ、好
ましい方法である。可撓性チューブの材料としては薄く
て、かつ、第二芯材が発泡して体積が膨張したときに伸
びやすいプラスチック、例えばナイロン6、ナイロン6
6、ナイロン9、ナイロン11、ナイロン12等のポリ
アミド樹脂やこれらの共重合ポリアミド樹脂、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の
ポリエステル樹脂やこれらの共重合ポリエステル樹脂お
よびフッ素系樹脂等を使用することができる。
【0030】金型内で第二芯材を発泡させる温度はフレ
ームを実際に成形するときの金型温度に近いことが好ま
しく、発泡に要する時間は短い程よい。たとえば金型温
度に対して±10℃の温度で20分以内に発泡させるこ
とが好ましい。
【0031】樹脂はラケットフレームの頂部から注入
し、抽気はグリップの端部から行うのが好ましい。注入
後、樹脂が液状を保っている間に樹脂に付与する内圧を
調整することによりヨーク部の構造を、2層からなる中
実層と繊維強化樹脂層の3層構造を形成する場合と、2
層の中実層と繊維強化樹脂層の間に樹脂層の4層構造を
形成する場合に調整することができる。液状樹脂の圧力
は可撓性チューブへの内圧の高さや注入樹脂の抜き出し
法等により調整することができる。
【0032】注入した樹脂の樹脂圧が0.78MPa以
下であると3層構造になりやすく、また0.78MPa
以上であると4層構造になりやすい。その理由は明らか
ではないが、樹脂圧が0.78MPa以上になると、い
ったん発泡した芯材を押しつぶして樹脂だけの中間層が
形成されると考えられる。したがって樹脂層の厚さは樹
脂圧の大きさで決まり、0.78から1.96MPaの
範囲が好ましい。1.96MPa以上では発泡後の第二
芯材が必要以上につぶされて前述の2層の発泡体層を実
質的に形成しなくなることがあり、耐衝撃性を改善する
効果が小さくなる。また、ヨーク部の重量が大きくなっ
てフレーム全体が重くなり、フレーム設計上からも好ま
しくない。
【0033】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明をさらに説明す
る。
【0034】実施例1 炭素繊維製織物(東レ(株)製“トレカ”(登録商標)
織物CO6343)を1枚、縦25cm、横25cmに
裁断準備する。別に第一の芯材としてウレタン発泡体
(三洋化成工業(株)製サンニックス)を厚み3mm、
幅15mm、長さ100mmに切り出し、このウレタン
発泡体にスプレー糊を吹きかけ、第二の芯材を構成する
未発泡ポリスチレンビーズ(積水化成(株)製、“エス
レンビーズ”、粒径約1.0mm)をウレタン発泡体の
両面にまんべんなくまぶして付着させ、これをナイロン
製チューブ(厚み100μm、周長60mm)に納め、
両端をテープでシールしてヨーク部の芯材とし、さらに
この芯材を、準備した織物で巻回し、ヨーク部用予備成
形体を作製した。
【0035】また、周長55mmの表面が滑らかで傷の
ない鉄棒にナイロン製チューブ(厚み100μm,周長
60mm)をかぶせ、その上にさらに炭素繊維製ブレイ
ド(東レ(株)製トレカブレイドT6483)を3層重
ね、次に鉄棒を引き抜いてフレーム部予備成形体を作製
し、これをラケットフレームの形状に木型を用いて予備
賦形した。これに準備した前記のヨーク部用予備成形体
を配置し、接合部分は炭素繊維製織物(東レ(株)製ト
レカ織物CO6343)を巻回して補強した。この一体
化した予備成形体を図1に示すような金型にセットし
た。金型は100℃に昇温してあり、セット後直ちに型
閉じしてそのまま10分間放置した。次に、ノズル4を
介してナイロン製チューブ内を0.39MPaの空気圧
で加圧しながらエポキシ樹脂エピコート827と硬化剤
エピキュア113(いずれも油化シェル(株)製)を1
00:30の割合で混合した後に、ラケットフレーム頂
部の樹脂注入口1から約0.98MPaの圧力で注入し
た。この時グリップ端部の抜き出し口3からは真空ポン
プにより金型キャビテイー内を脱気しておいた。樹脂注
入口1からの樹脂注入は抜き出し口3から注入した樹脂
がでてきた時点で止め、その後、ヨーク部に充填した樹
脂圧が0.59MPaになるようにフレーム部のナイロ
ンチューブ内の圧力を上昇させ、そのまま10分間保持
し、樹脂を硬化させラケットフレームを成形した。ヨー
ク部の表面状態は良好であった。
【0036】成形したラケットフレームのヨーク部を切
り出し、断面をみると、図2に示すように織物と2種類
の発泡体の3層構造であった。発泡体は内層9にウレタ
ン、外層8にポリスチレンの2層になっていた。
【0037】成形したラケットフレームにガット穴をあ
け、ガット張力を267、311、356ニュートンに
順番に上げたときのヨーク部の状態を観察した。結果を
表1に示す。
【0038】ガット張力356ニュートンにおいて破壊
したが発泡体が1種類にくらべて本発明のヨークはガッ
ト張力が高く張っても破壊しにくい。、破壊したヨーク
部はガット溝補強部材(グロメット)全体がガットの張
力方向に陥没していた。ガット張力を高く張れるほど打
球時の性能は良好で本発明の効果が現れている。
【0039】実施例2 成形時の樹脂圧を1.47MPaで成形した以外は実施
例1と同様に成形を行った。
【0040】ヨーク部の断面を見ると、図3に示すよう
に、外層に織物層7、中間層に樹脂層10、最内層に2
種類の発泡体8,9の4層構造になっていた。ヨークの
表面状態は良好であった。
【0041】成形したラケットフレームにガット穴をあ
け、ガット張力を267、311、356ニュートンに
順番に上げたときのヨーク部の状態を観察した。結果を
表1に示す。ガット張力356ニュートンにおいても破
壊しなかった。
【0042】比較例1 芯材にウレタン発泡体を使用して実施例1と同様に成形
を行った。ヨーク部の断面は図4に示すように外層に織
物7と発泡体9の2層構造であった。
【0043】成形したラケットフレームにガット穴をあ
け、ガット張力を267ニュートンにしたときのヨーク
部の状態を観察した。結果を表1に示す。ガット張力2
67ニュートンで破壊した。
【0044】
【表1】
【0045】
【発明の効果】この発明は上述したようにヨーク部の中
実部に汎用性の熱可塑性樹脂製発泡体と合わせた2種類
の発泡体を使用することによりヨーク部の力学的特性が
高いラケットを提供できる。さらに、第一芯材と第二芯
材とRTMを組み合わせることにより、耐熱性の高くな
い安価な汎用性発泡材でヨーク部の内圧成形が可能にな
る。
【0046】この発明によれば、ヨーク部とフレーム部
を一体化した予備成形体をRTM成形することにより、
同時に一体成形が可能となり成形コストの大幅低減が達
成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のRTM成形工程を示す概略図であり、
(A)は下型にドライプリフォームをセットした状況を
示す概略図で、(B)は樹脂注入状況を示す概略図であ
る。
【図2】実施例1のヨーク断面を示す概略図である。
【図3】実施例2のヨーク断面を示す概略図である。
【図4】比較例1のヨーク断面を示す概略図である。
【図5】他の実施態様に係るヨーク芯材の断面を示す概
略図である。
【図6】他の実施態様に係るヨーク芯材の断面を示す概
略図である。
【図7】他の実施態様に係るヨーク芯材の断面を示す概
略図である。
【符号の説明】
1:樹脂注入口 2:ヨーク 3:樹脂抜き出し口 4:エアー吹き込みノズル 5:樹脂溜 6:フイルムゲート 7:繊維強化樹脂層 8:熱可塑性樹脂製発泡体 9:発泡体 10:マトリックス樹脂層

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繊維強化樹脂製のフレーム部と、少なくと
    も2層の発泡体からなる中実部層と、その周囲を繊維強
    化樹脂からなる外周部層とで構成されたヨーク部を備え
    てなることを特徴とするラケット。
  2. 【請求項2】繊維強化樹脂製のフレーム部と、少なくと
    も2層の発泡体からなる中実部層と、外周部が繊維強化
    樹脂層で構成され、かつ、上記中実部層と繊維強化樹脂
    層の間が繊維強化樹脂層のマトリックス樹脂と同一の樹
    脂層で構成されたヨーク部を備えてなることを特徴とす
    るラケット。
  3. 【請求項3】少なくとも2層の発泡体が硬さが異なるも
    のであることを特徴とする請求項1または2に記載のラ
    ケット。
  4. 【請求項4】発泡体のうち少なくとも1種類が熱可塑性
    樹脂からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    に記載のラケット。
  5. 【請求項5】少なくとも2層の発泡体がポリウレタン発
    泡体とポリスチレン発泡体からなるものであることを特
    徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のラケット。
  6. 【請求項6】ヨーク部の繊維強化樹脂層を構成する強化
    繊維が、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、または
    PVA繊維のうち少なくとも1種を含むことを特徴とす
    る請求項1〜5のいずれかに記載のラケット。
  7. 【請求項7】繊維強化樹脂製ラケットを構成するマトリ
    ックス樹脂が熱硬化性樹脂であることを特徴とする請求
    項1〜6のいずれかに記載のラケット。
  8. 【請求項8】発泡体と未発泡の発泡材料をあわせて配置
    したものを芯材として、その周囲を強化繊維で包んだも
    のをヨーク部予備成形体として構成し、これを可撓性チ
    ューブの周囲に連続繊維を配置したフレーム部の予備成
    形体のヨーク部に配置して一体化した状態で金型内に配
    置し、金型を加熱することによってヨーク部の未発泡の
    発泡材料を発泡させるとともに、フレーム部の可撓性チ
    ューブに気体を吹き込みながら金型に液状樹脂を注入、
    硬化させることによってヨーク部とフレーム部を同時に
    一体成形することを特徴とするラケットの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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