JPH09117826A - 加工装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】高速動作で長寿命な加工装置を提供する。 【構成】連続送りされる被加工材に少なくとも穴あけ加
工を行うプレスラムと、穴あけ加工された被加工材にね
じ立てを行うねじ立て装置と、プレスラムおよびねじ立
て装置を制御する操作盤を備え、ねじ立て装置はプレス
ラムの上方に配設され、プレスラムはねじ立て装置の下
方に被加工材を露出させる開口部を備え、ねじ立て装置
が開口部を介して被加工材にねじ立て加工を行うよう構
成する。 【効果】本発明によれば、下穴をプレスであけるので、
ねじ立て作業のスピードアップおよび高精度のねじ立て
が図れる。摩耗部品を少なくできるので装置の長寿命化
が図れる。また、回転伝達部の回転数を高めることがで
きるので加工スピードを高めることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、加工装置に係り、特に
高速化、装置の長寿命化に好適な動力伝達機構に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】この種の工作機構においては実公昭６０
−２１１４７に示すような装置があり、またねじ立て装
置として図４に示す例がある。これは汎用モータ２を常
時一方向回転させ、多板クラッチ（又は円錐クラッチ）
１８を多板クラッチ切換用シリンダ２２にて上下し、正
転逆転の切換を行う。１９は中間歯車、２０は正転側歯
車、２１は逆転側歯車、２３、２４はプッシュである。

【０００３】さらに図５に示すねじ立て盤の構造が多く
使用されている。汎用モータ２を正転逆転に切換え、ね
じ径に合せた専用歯車３７によりピッチ送り用プッシュ
２７を上下させ回転とピッチ送りの周期を回っている。

【０００４】又、図６にマシニングセンタ等の工作機械
に見られる伝達機構を示す。本方式は回転用モータ２８
と、ピッチ送り用モータ２９の２つのモータを有し、い
ずれもサーポモータを使用し２軸補間によりねじ立て加
工を行っている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】前述した従来技術は、
次の点に問題があった。

【０００６】図４の構造では回転軸部のプッシュ部２
３、２４には高速でかつ、ラジアル方向とスラスト方向
の摺動が加わり、周速が増す（ラジアル方向のみの約１
０％アップ）。このため適当な軸受がなく、メタルプッ
シュとなっており摩耗が激しく油洩れや、ガタが大きく
なりねじ精度を悪化させる。

【０００７】また摩擦力により動力を伝達しており滑り
が発生し、効率が悪く、高速化しようとした場合さらに
滑りが増大し、バラツキも大きくなり、クラッチの摩耗
が激しくメンテナンス費用が多く必要である。（数ヶ月
に1回） 図５の構造では汎用モータで正転・逆転しているため、
加工スピードに限界があり高速化できない（現在トップ
レベルは６５回／分である。）。またねじ径(ピッチ）
毎に歯車３７を交換する必要があり段取り時間を要す
る。

【０００８】さらに多軸の場合、すべて同ねじ径である
必要条件がある。（たとえばＭ３とＭ４を同時に加工で
きない。） 図６の構造ではＮＣマシニングセンタ等が主流であり、
サーポモータ２ヶ必要とし高価であり、また多軸には不
向きである。

【０００９】本発明の目的は、高速動作で長寿命な加工
装置を提供することにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記目的は、連続送りさ
れる被加工材に少なくとも穴あけ加工を行うプレスラム
と、穴あけ加工された被加工材にねじ立てを行うねじ立
て装置と、プレスラムおよびねじ立て装置を制御する操
作盤を備え、ねじ立て装置はプレスラムの上方に配設さ
れ、プレスラムはねじ立て装置の下方に被加工材を露出
させる開口部を備え、ねじ立て装置が開口部を介して被
加工材にねじ立て加工を行うよう構成することにより達
成される。

【００１１】

【作用】プレスラムにより下穴があけられるため穴あけ
作業が高速に行われ、しかも、バリの発生が少なく、作
業の高速化、部品または製品の寸法精度向上を図ること
ができる。また、ねじ立て装置はサーボモータの回転が
駆動側歯車および従動側歯車を介するだけで加工刃を回
転させる第１の回転軸および第２の回転軸に伝達するこ
とができるため、摩耗部品の数を減少させることができ
る。

【００１２】

【実施例】本発明の一実施例を図１〜図３および図７、
図８により説明する。

【００１３】１はサーポモータ、３はモータ１の回転軸
に固定された駆動側歯車、４は歯車３に係合する従動側
歯車、３８は歯車４と共に回転する回転軸（第１の回転
軸）、１４は回転軸３８に連結されたユニバーサルジョ
イント、１５はこのジョイント１４に取付られたタッ
プ、１７はタップによりねじが形成される被加工材であ
る。７と８はそれぞれ第１の支持板（以下支持板７）お
よび第２の支持板（以下支持板８）で、第１の回転軸と
しての回転軸３８をリング３９を介して摺動はできない
が回転自在に支えている。支持板７は駆動手段としての
上下用シリンダ１２によって駆動され貫通したシャフト
９（案内部材）によって上下方向（回転軸の軸方向）に
摺動案内され、これに伴って回転軸が軸方向に移動す
る。６はモータとシャフト９を支える取付枠、５はシャ
フト９とシリンダ１２を支えるベース、１３は支持板８
を上下摺動可能に油密に支えるシリンダである。上記取
付枠６とシリンダ１３で囲まれる部分には油４１が封入
される。１６は油密性を保つＯリングからなるパッキン
グである。

【００１４】サーポモータ1からタップ１５までの回転
動力伝達系としては、サーポモータ１→駆動側歯車３→
従動側歯車４→回転軸３８→ユニバーサルジョイント１
４である。本伝達系で駆動側歯車３と従動側歯車４は回
転方向とスラスト方向の双方の摺動となるが、長寿命化
のため焼処理、表面処理、仕上状態を良くし対策する。
また、回転軸３８と支持板７、ベース５、支持板８の摺
動部はラジアル方向のみとしたことにより、専用のラジ
アルベアリングが使用でき、高速化かつ長寿命化が図れ
る。タップ１５を被加工材１７に食い込ませるための上
下方向の伝達系は、上下シリンダ１２の動力より支持板
７→カラー状のリング３９（指示板７に固定され回転軸
３８を回転自在に支える）→支持板８→ユニバーサルジ
ョイント１４→タップ１５である。

【００１５】本伝達系には、駆動側歯車３と従動側歯車
４以外にはラジアル方向とスラスト方向双方の摺動を受
ける部品はなく、シャフト９とベース５およびモータ取
付枠の摺動部はスラスト方向摺動専用のリニアモーショ
ンぺアリング１０が使用できるので、長寿命化が図れ
る。また、回転軸３８と支持板７、８の係合は回転専用
のラジアルぺアリング１１が用いられる。

【００１６】また図３の（イ）と（ロ）はそれぞれ本装
置の動作上の上死点と下死点を示した図である。すなわ
ち、図３（イ）の状態ではシリンダ１２によって支持板
１２が上方に持上げられており、これと共にリング３
９、支持板８、回転軸３８、ジョイント１４およびタッ
プ１５が上死点位置にある。

【００１７】タッピング動作においては、上記（イ）の
状態でモータ1を回転させ、同時にシリンダによって支
持板７を下降（矢印方向）させる。従って上記各部分
８、１４、３８、３９が下降してタップ１５が被加工材
１７に当接し、そのままタップ加工を行う。

【００１８】なお、支持板８下方の回転軸４２（第２の
回転軸）はバイプ状を呈して内部にバネによって持上げ
られ上下摺動可能な中軸４３を有しており、この中軸に
ジョイント１４の上端が固定される。従ってタップ加工
に際し中軸４３はバネ圧に抗して下降することになる。
タップ加工後はモータ１を逆転させてタップ１５を被加
工材から抜取る。従って従来のような正転逆転用のクラ
ッチ、歯車は不用となる。この正逆切替はクラッチより
高速になされる。本装置では高速で摺動する部分が多
く、焼付け等の恐れがある。これを防止するためのタッ
プヘッド内部４０に潤滑油４１を充満させ長寿命化を図
る。潤滑油は、油圧ユニットタンク（図示せず）へ戻し
常に新鮮な潤滑油を供給する。実施例ではサーポモータ
１を３０００ｒｐｍ（汎用モータは１２００ｒｐｍ）で
回転させることができる。

【００１９】本実施例によれば従来加工スピード６５回
／分（1分に６５個のねじが切れる）を３０００ｒｐｍ
の場合８５〜９０回／分と約３５％スピードアップが図
れる。このスピードアップは回転速度向上と、正逆切替
の高速化によって達成される。

【００２０】また、摩耗部品は従来クラッチ、プッシュ
類と多くあり伝達部全体を分解する必要があるためメン
テナンス時間が多かったが、本実施例によれば、摩耗部
品は駆動側歯車のみである。これは長寿命化対策により
交換回数が減少し、かつ駆動側歯車を上部に配置するこ
とにより交換時分解も容易であるためメンテナンスが容
易で、費用を安くすることができる。

【００２１】また、図７は本実施例の多軸ねじ立盤をプ
レス機材に内蔵し、プレス加工と同時にねじ立加工を行
う多機能プレスの外観を示す。

【００２２】３０はタッピングを行うタッピングユニッ
ト、３２はプレスラム、３３は操作盤である。

【００２３】本実施例ではプレス＋ねじ立同時加工を４
０〜４５回／分可能となる。図８はその加工例を示す。
被加工材１７を供給し下穴加工４４打出し加工３４ねじ
立て加工３５およびプレス抜き曲げ加工後分断し完成品
３６となる。

【００２４】本加工によりねじ立てプレス部品の大幅な
原価低減が可能となる。

【００２５】なお、先の実施例では次のことが言える。

【００２６】（１）モータ直動方式では滑りが皆無であ
り、モータの回転力をムダなく全て伝達可能である。こ
のため高速化ができる。

【００２７】（２）サーポモータは許容回転トルクが大
きいので、高速回転が可能で、正逆立ち上り時間が極め
て短い等の特長がある。このため高速かつ、高頻度のね
じ立てが可能となる。

【００２８】（３）ラジアル方向の回転はモータ１より
駆動側歯車３→従動側歯車４→回転軸 （３）ラジアル方向の回転はモータ１より駆動側歯車３
→従動側歯車４→回転軸３８→ユニバーサルジョイント
１４と伝達する。伝達方向は回転方向のみとし、各々ラ
ジアルベアリング１１を配置する。またスラスト方向の
伝達は上下用シリンダ１２→支持板７→シャフト９→支
持板８→ユニバーサルジョイント１４とする。これによ
り、ラジアル方向の回転と、スラスト方向の摺動を分割
した。本方式により摺動部の回転周速を１０〜１５％低
減でき、かつスラスト方向、ラジアル方向専用の軸受を
選定できる。

【００２９】（４）摩耗が予想される部品を駆動側歯車
のみとし駆動側歯車は交換容易なように上部に配置し
た。これにより長寿命、メンテナンスが容易になる。

【００３０】

【発明の効果】本発明によれば下穴をプレスであけるの
で、ねじ立て作業のスピードアップおよび高精度のねじ
立てが図れる。摩耗部品を少なくできるので装置の長寿
命化が図れる。また、回転伝達部の回転数を高めること
ができるので加工スピードを高めることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に用いられるねじ立てユニッ
トの斜視図である。

【図２】本発明の一実施例に用いられるねじ立てユニッ
トの要部の断面図である。

【図３】本発明の一実施例に用いられるねじ立てユニッ
トの動作状態を示す断面図である。

【図４】従来例のねじ立てユニットの構成を示す断面図
である。

【図５】他の従来例のねじ立てユニットの構成を示す斜
視図である。

【図６】他の従来例のねじ立てユニットの構成を示す斜
視図である。

【図７】本発明の一実施例のねじ立てユニットとプレス
を有する加工装置の斜視図である。

【図８】本発明の一実施例の被加工材の加工状態を示す
斜視図である。

【符号の説明】

１：モータ、３：駆動側歯車、４：従動側歯車、５：ベ
ース、１０：摺動係合部、１１：回転係合部、１２：駆
動手段、１５：加工刃、７・８：支持板、９：案内部材

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】連続送りされる被加工材に少なくとも穴あ
   け加工を行うプレスラムと、穴あけ加工された被加工材
   にねじ立てを行うねじ立て装置と、上記プレスラムおよ
   び上記ねじ立て装置を制御する操作盤を備え、上記ねじ
   立て装置は上記プレスラムの上方に配設され、上記プレ
   スラムは上記ねじ立て装置の下方に上記被加工材を露出
   させる開口部を備え、上記ねじ立て装置が上記開口部を
   介して上記被加工材にねじ立て加工を行うよう構成され
   たことを特徴とする加工装置。
2. 【請求項２】上記ねじ立て装置は、正逆回転が可能なサ
   ーボモータと、このサーボモータの回転軸に固定されて
   上記サーボモータの回転軸の軸方向に延びる歯を有する
   駆動側歯車と、この駆動側歯車に係合して上記サーボモ
   ータの回転軸の軸方向に沿って摺動自在に設けられた複
   数個の従動側歯車と、この複数個の従動側歯車の各々の
   回転中心にこの従動側歯車と同軸に嵌挿されて上記サー
   ボモータの回転力を伝達する第１の回転軸と、上記駆動
   側歯車に面して設けられ上記第１の回転軸を複数本同時
   に回転自在に支持する第１の支持板と、この第１の支持
   板を上記第１の回転軸の軸方向に沿って上下に移動させ
   る駆動手段と、この駆動手段により上記第１の支持板が
   移動するとき上記第１の支持板を上記第１の回転軸の軸
   方向に摺動案内する案内部材と、上記駆動手段および上
   記案内部材を支えるとともに上記第１の回転軸が貫通す
   るベースと、このベースに関して上記第１の支持板と反
   対側に設けられて上記第１の回転軸を複数本同時に回転
   自在に支持する第２の支持板と、上記駆動手段により上
   記第１の支持板が移動するとき上記第１の支持板および
   上記第２の支持板に対する上記第１の回転軸の軸方向の
   位置関係を一定に保つリングと、上記第１の回転軸の下
   部に上記第１の回転軸と同軸に接続されて上記第２の支
   持板より下方に延びる第２の回転軸と、この第２の回転
   軸にユニバーサルジョイントを介して接続されて上記被
   加工材の加工を行う加工刃と、上記被加工材の加工時に
   は上記サーボモータを正転させるとともに加工後は上記
   サーボモータを逆転させる正逆切換手段を備えたことを
   特徴とする特許請求の範囲第１項記載の加工装置。