JPH09117529A - 人体矯正補助具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 運動者に苦痛を与えることなく、背部、胸部
などの人体の主要部の筋肉の硬結を解除するために、簡
単な構成で、しかも、少ない運動補助者でも、矯正操作
が容易、かつ、効果的に実現できる人体矯正補助具を提
供する。 【解決手段】 椅子に座った状態で人体の肩部に押圧力
を与えて、上側半身をのけ反らし、また、左右に捻転す
る際に使用する人体矯正補助具であって、前後に延びる
架台と、上記架台に固定された椅子と、上下調節可能に
架台に設けた背当て部材と、上記背当て部材を架台後方
から支える支持部材とより構成され、上記背当て部材
は、人体をのけ反らした際に、人体上背部を支えるよう
に、その上部が後方に湾曲した形状になっていることを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明が属する技術分野】本発明は、人体における筋肉
の硬結、捻転を矯正する目的で作られた人体矯正補助具
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】動物学的に人間の肢体について検討する
と、進化の過程で起立姿勢になったために、四肢に掛か
る負担は、その生活形態の多様化に従って、通常の犬、
猫のような哺乳動物と異なり、左右、上下均等ではな
く、偏ったものとなっており、歪力的緊張が起こり易い
状態にある。そこで、本発明者は、特開平３−７７５５
４号公報で明らかにしたように、四肢の硬結が起こり易
い部分を挟持して、捩りを与え、筋肉に残された歪み力
を解消する四肢筋肉調整具を提唱した。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、ここで採用し
た調整具は、主として、脚部の内でも、大腿部の矯正に
主眼を置いて構成されているので、人体の上半身の歪み
を矯正するのには、採用できない。この矯正は、椅子に
座った状態で人体の肩部に押圧力を与えて、上側半身を
のけ反らし、また、左右に捻転する動作で実施される。
このため、椅子に対して人体の下半身を確実に保持する
必要があり、また、のけ反らした際の背当てが、筋肉の
硬結を解消する場合の運動補助として作用しなければな
らない。

【０００４】そこで、通常は、複数人の運動補助者によ
って、椅子に着座した運動者の下半身を保持し、合わせ
て、椅子の転倒を防止する一方で、運動者の下側背部を
椅子の背当てで支えた状態で、他の運動補助者によっ
て、肩部に押圧力を加えて、繰り返して、のけ反らしを
させ、また、左右の捻転で、背筋や胸筋の硬結を解消し
ている。

【０００５】この場合、多くの運動補助者が必要であ
り、また、椅子の背当ては、運動者の上背部を支えてい
ないので、繰り返して、のけ反らされる運動者自体の、
起きあがり動作の負担が大きく、また、のけ反らしの際
に、背当ての上縁が運動者の背中に食い込み、苦痛を与
える虞がある。

【０００６】本発明は上記事情に基いてなされたもの
で、主として、運動者に苦痛を与えることなく、背部、
胸部などの人体の主要部の筋肉の硬結を解除するため
に、簡単な構成で、しかも、少ない運動補助者でも、矯
正操作が容易、かつ、効果的に実現できる人体矯正補助
具を提供しようとするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】このため、本発明では、
椅子に座った状態で人体の肩部に押圧力を与えて、上側
半身をのけ反らし、また、左右に捻転する際に使用する
人体矯正補助具であって、前後に延びる架台と、上記架
台に固定された椅子と、上下調節可能に架台に設けた背
当て部材と、上記背当て部材を架台後方から支える支持
部材とより構成され、上記背当て部材は、人体をのけ反
らした際に、人体上背部を支えるように、その上部が後
方に湾曲した形状になっている。

【０００８】従って、繰り返して、のけ反らされる運動
者は、起きあがりの際の上背部の支えが得られ、運動の
繰り返しを容易にすると共に、背当て部材の上縁が背中
に食い込むこともなく、筋肉硬結の解除のための運動
に、苦痛を伴わない。また、架台に対して椅子、背当て
部材が装備されており、背当て部材の後方に延びる支持
部材でのけ反りの際の押圧力を支えるので、運動に際し
て、椅子の転倒などを回避するために、椅子、背当て部
材を運動補助者によって支持する必要がなくなり、その
負担を軽減できる。

【０００９】この場合、上記椅子もしくは背当て部材に
は、のけ反らしの際に、椅子からの腰部の浮き上がりを
防止する腰部拘束具が装備され、また、上記椅子もしく
は架台には、のけ反らしの際に、下肢の浮き上がりを防
止する下肢拘束具が装備されていることが好ましい。こ
れによって、運動者の下半身を保持する運動補助者が不
要となる。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、本発明を図示の実施の形態
に基いて具体的に説明する。本発明に係わる人体矯正補
助具は、基本的には、椅子に座った状態で人体の肩部に
押圧力を与えて、上側半身をのけ反らし、また、左右に
捻転する際に使用するもので、前後に延びる架台１と、
架台１に固定された椅子２と、上下調節可能に架台１に
設けた背当て部材３と、背当て部材３を架台１ぼ後方か
ら支える支持部材４とより構成され、背当て部材３は、
人体をのけ反らした際に、人体の上背部を支えるよう
に、その上部３Ａが後方に湾曲した形状になっている。

【００１１】更に詳述すれば、この実施の形態では、架
台１は、長方形に屈折形成した、例えば、アルミなどの
金属パイプ製の枠体で構成されており、要所には、床面
に接する筒状のクッション部材１１が装着されている。
このクッション部材１１には、例えば、加硫ゴムや軟質
合成樹脂などの材料が用いられると良い。

【００１２】椅子２は、座板２１の下に、架台と同様
の、金属パイプ製の脚部材２２を、取り付け板部材２３
を介して、装着したもので、脚部材２２の一部２２Ａ
は、椅子２の左右から前方に延びており、その前端は、
架台１の前縁に設けた連結具１２の筒状嵌合部１２Ａに
嵌脱自在に嵌合されていて、筒状嵌合部１２Ａに設けた
止めネジ１３で固着される。

【００１３】また、背当て部材３は、背当て板３１の前
側に背当てクッション３２を装着したもので、背当て板
３１には、その湾曲に反って湾曲された、架台と同様
の、金属パイプ製の逆Ｕ字形の支持枠３３が設けてあ
る。また、背当て板３１には、支持枠３３の垂直部を支
持、固着するための縦溝３４Ａを有する取り付け板３４
が設けてある。

【００１４】更に、取り付け板３４の両側には、縦溝３
４Ａと並んで、平行に縦溝３４Ｂが形成されており、こ
れには、背当て部材３の支持用の支柱３５が摺動自在に
嵌挿してあり、取り付け板３４に螺合した止めネジ３６
で、支柱３５に対して、背当て板３１を、図１あるいは
図６に示すように、運動者の座高に合わせて、所望の高
さに固定することができる構造になっている。

【００１５】この場合、支柱３５に対して背当て板３１
が上下にずれるのを防止するため、止めネジ３６の先端
が支柱３５に食い込むように、通常の椅子の背当てに採
用されているように、支柱３５に係合孔あるいは係合凹
み（図示せず）を複数段に形成すると良い。

【００１６】なお、この実施の形態では、支柱３５は、
椅子２に連結されておらず、その下端に設けた水平枢軸
３５Ａを、架台１側の連結部材１４に枢着している。こ
のため、図５あるいは図７に示すように、枢軸３５Ａの
軸線を中心に、前後に傾動させることができる。特に、
図５のように、背当て部材３を後傾させると、椅子２に
着座した運動者に対して、その肩部に押圧力を与えて、
上半身を左右に捻転する場合、その動作に際して、背当
て部材３が運動補助者の操作を妨げない。

【００１７】また、支持部材４は、図１および図２に示
すように、平面視で、ほぼ、コ字形に屈折形成した、架
台と同様な、金属パイプ製の床面支持部材４１と、背当
て部材２と床面支持部材４１との間で突っ張り棒の役目
をする背当て支持部材４２とで構成されている。床面支
持部材４１の基端には架台１の後縁枠部において枢支さ
れる枢支部４１Ａがあり、また、先端側には、円筒状の
クッション部材４３が装着してある。

【００１８】また、背当て支持部材４２は、上端に筒状
の枢支部４２Ａを具備しており、下端の、左右に延びる
係合部４２Ｂを、床面支持部材４１の左右に架設した、
ほぼ断面コ字形の支持梁４４に嵌脱可能に嵌合させるこ
とができるように構成されている。このため、運動者が
反り返った場合、椅子２共々、後方に転倒するのを防止
することができ、運動補助者は、図８の想像線で示すよ
うに、椅子２に着座した運動者の肩部を押して、十分
に、運動者をのけ反らせることができる。

【００１９】従って、このような構成では、繰り返し
て、のけ反らされる運動者は、起きあがりの際の上背部
の支えが得られ、運動の繰り返しを容易にすると共に、
背当て部材２の上縁が背中に食い込むこともなく、筋肉
硬結の解除のための運動に、苦痛を伴わない。また、架
台１に対して椅子２、背当て部材３が装備されており、
背当て部材３の後方に延びる支持部材４でのけ反りの際
の押圧力を支えるので、筋肉の硬結を解除するための運
動に際して、椅子２の転倒などを回避することができ
る。このために、従来のように、椅子、背当て部材を運
動補助者によって支持する必要がなくなり、その負担を
軽減できる。

【００２０】なお、この実施の形態では、椅子２（もし
くは背当て部材３でもよいが）には、のけ反らしの際
に、椅子２からの腰部の浮き上がりを防止するため、ベ
ルトなどの形式で、構成された腰部拘束具５が装備さ
れ、また、椅子２（もしくは架台１でもよいが）には、
のけ反らしの際に、下肢の浮き上がりを防止するため、
同じく、ベルトなどの形式で、構成された下肢拘束具６
が装備されている。従って、これによって、従来不可欠
であった、運動者の下半身を保持する運動補助者が不要
となる。

【００２１】なお、この実施の形態では、止めネジ１３
を弛めて、脚部材２２の一部２２Ａを、架台１の前縁に
設けた連結具１２の筒状嵌合部１２Ａから離脱させ、図
７に示すように、背当て部材２を前傾させ、また、支持
部材４のうち、床面支持部材４１を、その枢支部４１Ａ
を中心として、回動して、反対側から架台１の下側に、
更には、架台の内側空間に折り畳ませることができる。

【００２２】また、この実施の形態では、椅子２の脚部
材２２の、前方に延びる一部２２Ａには、着脱自在に足
置き板７が架設してあり、また、必要なら、図８に示す
ように、上肢が左右に開かないように、バンド形式の拘
束具８が用意されるとよい。

【００２３】

【発明の効果】本発明は以上詳述したようになり、椅子
に座った状態で人体の肩部に押圧力を与えて、上側半身
をのけ反らし、また、左右に捻転する際に使用する人体
矯正補助具であって、前後に延びる架台と、上記架台に
固定された椅子と、上下調節可能に架台に設けた背当て
部材と、上記背当て部材を架台後方から支える支持部材
とより構成され、上記背当て部材は、人体をのけ反らし
た際に、人体上背部を支えるように、その上部が後方に
湾曲した形状になっている。

【００２４】従って、 従って、繰り返して、のけ反ら
される運動者は、起きあがりの際の上背部の支えが得ら
れ、運動の繰り返しを容易にすると共に、背当て部材の
上縁が背中に食い込むこともなく、筋肉硬結の解除のた
めの運動に、苦痛を伴わない。また、架台に対して椅
子、背当て部材が装備されており、背当て部材の後方に
延びる支持部材でのけ反りの際の押圧力を支えるので、
運動に際して、椅子の転倒などを回避するために、椅
子、背当て部材を運動補助者によって支持する必要がな
くなり、その負担を軽減できるなどの効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態の１つを説明するための側
面図である。

【図２】同じく、その平面図である。

【図３】同じく、背面図である。

【図４】同じく、正面図である。

【図５】背当て部材を後傾した状態を示す側面図であ
る。

【図６】背当て部材を引き上げた状態を示す側面図であ
る。

【図７】椅子を除いて、全体を折り畳む状態を示す側面
図である。

【図８】本発明の実施の形態における使用態様を説明す
るための側面図である。

【符号の説明】

１ 架台 １１ クッション部材 １２ 連結具 １２Ａ 筒状嵌合部 １３ 止めネジ ２ 椅子 ２１ 座板 ２２ 脚部材 ２２Ａ 一部 ２３ 取り付け板 ３ 背当て部材 ３Ａ 上部 ３１ 背当て板 ３２ クッション ３３ 支持枠 ３４ 取り付け板 ３４Ａ、３４Ｂ 縦溝 ３５ 支柱 ３５Ａ 水平枢軸 ３６ 止めネジ ４ 支持部材 ４１ 床面支持部材 ４１Ａ 枢支部 ４２ 背当て支持部材 ４２Ａ 枢支部 ４２Ｂ 係合部 ４３ クッション部材 ４４ 支持梁 ５ 腰部拘束具 ６ 下肢拘束具 ７ 足置き板 ８ 拘束具

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 椅子に座った状態で人体の肩部に押圧力
   を与えて、上側半身をのけ反らし、また、左右に捻転す
   る際に使用する人体矯正補助具であって、前後に延びる
   架台と、上記架台に固定された椅子と、上下調節可能に
   架台に設けた背当て部材と、上記背当て部材を架台後方
   から支える支持部材とより構成され、上記背当て部材
   は、人体をのけ反らした際に、人体上背部を支えるよう
   に、その上部が後方に湾曲した形状になっていることを
   特徴とする人体矯正補助具。
2. 【請求項２】 上記椅子もしくは背当て部材には、のけ
   反らしの際に、椅子からの腰部の浮き上がりを防止する
   腰部拘束具が装備されていることを特徴とする請求項１
   に記載の人体矯正補助具。
3. 【請求項３】 上記椅子もしくは架台には、のけ反らし
   の際に、下肢の浮き上がりを防止する下肢拘束具が装備
   されていることを特徴とする請求項１および２に記載の
   人体矯正補助具。
4. 【請求項４】 上記背当て部材は、椅子より後方に退避
   できるように構成されていることを特徴とする請求項１
   〜３に記載の人体矯正補助具。