JPH09113591A - 磁気センサー - Google Patents

磁気センサー

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JPH09113591A
JPH09113591A JP7272181A JP27218195A JPH09113591A JP H09113591 A JPH09113591 A JP H09113591A JP 7272181 A JP7272181 A JP 7272181A JP 27218195 A JP27218195 A JP 27218195A JP H09113591 A JPH09113591 A JP H09113591A
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magnetic
film
magnetic film
magnetized
longitudinal direction
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JP7272181A
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English (en)
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Koichi Hara
浩一 原
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Canon Electronics Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一方向に沿って所定の着磁ピッチで交互に逆
極性に着磁された着磁媒体に対し前記一方向に沿って相
対的に移動して着磁媒体の磁界を磁気インピーダンス効
果により検出する磁気エンコーダー用の磁気センサーに
おいて、媒体の複数の磁化の検出及びその平均化を可能
にする。 【解決手段】 非磁性基板10上に高透磁率磁性膜12
を形成して構成される。磁性膜12は、膜面上に複数の
凸部12aが磁性膜12の長手方向に沿って着磁ピッチ
Pと等ピッチで1列並設されたラック状に形成される。
磁性膜12の長手方向を磁気センサーの移動方向に沿わ
せて磁性膜12を着磁媒体14に平行に対向させ、磁性
膜12に対し両端部から高周波電流を印加し、媒体14
からの磁束により磁性膜12の両端部間に発生するイン
ピーダンスの変化を電気信号に変換して出力を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、位置検出等に用い
られる磁気エンコーダーにおいて一方向に沿って所定の
着磁ピッチで交互に逆極性に着磁された着磁媒体に対し
前記一方向に沿って相対的に移動して着磁媒体の磁界を
検出する磁気センサーに関し、特に磁気インピーダンス
効果を利用して磁気検出を行う高精度の磁気エンコーダ
ー用の磁気センサーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近のビデオカメラのオートフォーカ
ス,高解像プリンター,計測機器等に於ける位置検出,
位置決め機構は小型高精度化が進んでおり、そこに採用
されている磁気エンコーダーも更に高精度、高分解能化
が期待されている。
【0003】従来の磁気エンコーダー用の磁気センサー
は磁気抵抗効果素子(以下、MR素子と略す)が主に採
用されているが、高精度、高分解能化による着磁媒体の
着磁ピッチの短縮により、着磁媒体から外部に漏れる磁
束が極端に小さくなり、将来に於いて感度不足が懸念さ
れる。
【0004】そこで、最近注目を集めているのが、特開
平7−181239号に開示されているアモルファスワ
イヤーによる磁気インピーダンス効果を利用した磁気検
出素子(以下、MI素子という)である。磁気インピー
ダンス効果とは、磁性体にMHz帯域の高周波電流を流
すと、外部磁界により磁性体のインピーダンスが変化
し、それによる磁性体の両端電圧の振幅が数ガウスの微
小磁界で数10%変化する現象である。
【0005】MI素子の磁束検出の分解能が、MR素子
の0.1Oeという低感度に対して、10-5Oe程度の
高感度が得られることにより、MI素子の磁気エンコー
ダー用磁気センサーへの応用が期待される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記MI素子の機能は
アモルファスワイヤーで見い出されているものであり、
アモルファスワイヤーは材料として生産性は優れてい
る。
【0007】しかし、アモルファスワイヤーは、断面が
円形であることや径が細く曲がりやすいことにより、磁
気エンコーダー用磁気センサーの検出素子本体として要
求される直線性の確保や複雑なパターンの形成が困難と
なる。
【0008】また、磁気エンコーダー用磁気センサーで
は、通常着磁媒体の着磁ムラの影響を少なくするため
に、複数の磁化の磁束を検出し平均化する必要がある。
【0009】これに対し、MR素子では素子本体の磁性
体に対し幅方向の磁束を検出するので、上記平均化のた
め、従来のMR素子を用いた磁気センサーでは、一般的
に図11の様に、MR素子本体としての磁性膜101
を、着磁媒体102の着磁ピッチPと等ピッチで順次折
り返されるつづら折りパターンに形成した構成が採用さ
れてきた。
【0010】しかし、MI素子は素子本体の磁性体の長
手方向の磁束を検出するため、MR素子のようなつづら
折りパターンが採用できず、平均化手法に対し新しい構
造を工夫する必要がある。
【0011】そこで、本発明の課題は、磁気インピーダ
ンス効果を利用した磁気センサーであって、上記のよう
な問題を解決でき、高精度、高分解能の磁気エンコーダ
ー用として好適な磁気センサーを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め本発明によれば、一方向に沿って所定の着磁ピッチで
交互に逆極性に着磁された着磁媒体に対し前記一方向に
沿って相対的に移動して前記着磁媒体の磁界を磁気イン
ピーダンス効果により検出する磁気エンコーダー用の磁
気センサーであって、非磁性基板上に高透磁率磁性膜を
形成して構成され、前記磁性膜は、膜面上に複数の凸部
が該磁性膜の長手方向に沿って前記着磁ピッチの奇数倍
のピッチで少なくとも1列並設されたラック状に形成さ
れており、前記磁性膜の長手方向を磁気センサーの移動
方向に沿わせて該磁性膜を着磁媒体に平行に対向させ、
該磁性膜に対し両端部から高周波電流を印加し、着磁媒
体からの磁束により該磁性膜の両端部間に発生するイン
ピーダンスの変化を電気信号に変換して出力を得られる
ようにした構成を採用した。
【0013】このような構成によれば、磁性膜の隣り合
う凸部どうしのそれぞれにより着磁媒体の複数の磁化の
それぞれから磁束を還流磁束として磁性膜の本体部分に
引き込み、長手方向に流すことができるので、磁気イン
ピーダンス効果を発生させることができる。磁性膜全体
のインピーダンスは各磁束還流部のインピーダンスの和
として現れるので、複数の磁化の磁束の検出と平均化を
行える。
【0014】また、非磁性基板上に素子本体としての磁
性膜を形成して構成されるので、ほぼ平面的に形成で
き、素子本体として複雑なパターンも容易に形成でき、
高精度磁気エンコーダー用として好適である。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図を参照して本発明の実施
形態を説明する。
【0016】[第1の実施形態]図1は、本発明の第1
の実施形態による磁気エンコーダー用磁気センサーの基
本的な構造を示すものである。
【0017】図1において、14は着磁媒体であり、こ
こではテープ状のものとし、長手方向に所定の着磁ピッ
チPで交互に逆極性に着磁されている。この着磁媒体1
4に対し、次に述べる非磁性基板10上に高透磁率磁性
膜12を形成して構成される磁気センサーが相対的に移
動する。すなわち、磁気センサーまたは着磁媒体14が
移動する。その移動方向は、矢印で示すように、着磁媒
体14の着磁が連続する方向である長手方向に沿った方
向とする。
【0018】一方、図1において10は磁気センサーの
非磁性基板(以下、基板と略す)であり、チタン酸カル
シウム(Ti−Ca系セラミック),酸化物ガラス,チ
タニア(TiO2),アルミナ(Al23)等の非磁性
材から長方形の平板として形成されている。基板10は
長手方向が着磁媒体14の長手方向に沿い、その上面が
着磁媒体14の面に近接して平行に対向するように配置
される。
【0019】基板10の上面には、磁気センサーの磁気
検出素子本体として高透磁率磁性膜(以下、磁性膜と略
す)12が真っ直ぐなラック状のパターンに形成されて
おり、その長手方向が基板10の長手方向、すなわち着
磁媒体14の長手方向であって磁気センサーの相対移動
方向に沿わされ、着磁媒体14に近接して平行に対向す
るように配置される。
【0020】磁性膜12の膜面上には、直線状の凸部1
2aが着磁ピッチPと等しいピッチで複数互いに平行に
突出して形成され、1列並設されている。凸部12aの
長手方向は、図中で符号14aを付した破線で示す磁化
反転の境界の方向として示される着磁媒体14のピッチ
Pのそれぞれの磁化の同一位相を結ぶ方向(以下、磁化
の同一位相方向という)に平行にされる。ここでは磁化
の同一位相方向が着磁媒体14の長手方向と垂直な幅方
向になっているため、凸部12aの長手方向も磁性膜1
2の長手方向に垂直な幅方向にされている。磁化の同一
位相方向が着磁媒体14の長手方向に対して垂直でな
く、傾斜している場合には、それに対応して凸部12a
の長手方向も磁性膜12の長手方向に対し傾斜した方向
とする。
【0021】このような凸部12aにより着磁媒体14
の磁化から発生する磁束を磁性膜12の本体部分に引き
込み、隣り合う凸部12aどうしで形成される閉磁路に
より磁束を還流させることができる。
【0022】なお、磁性膜12は、Fe−Co−B系等
のアモルファス膜やFe−Ta−N系やFe−Ta−C
系等の微結晶膜などの高透磁率金属磁性膜からなり、こ
こでは単層の膜とする。
【0023】また、磁性膜12は、その磁化容易軸方向
が膜面内で磁性膜12の長手方向と垂直である図中の矢
印方向となるように、成膜後の磁場中アニール等により
磁気異方性をつけておく。
【0024】また、磁性膜12の両端部に連続して端子
16a,16bが設けられている。端子16a,16b
はCu,Auなどの導電膜として形成されるか、あるい
は磁性膜12の両端部を延長して形成される。
【0025】以上のような構成のもとに、磁気エンコー
ダーの検出動作時には、磁性膜12の両端に設けられた
端子16a,16bより磁性膜12に高周波電流を印加
し、着磁媒体14から磁性膜12内部に引き込まれた磁
束により、磁性膜12の両端の端子16a,16b間の
インピーダンスが変化し、その変化を電気信号に変換し
て出力を得られるようになっている。
【0026】次に本実施形態の磁気センサーの検出動作
時の作用、効果について図2,図3を用いて説明する。
【0027】図2に示すように、着磁媒体14の個々の
磁化から外部に漏れた磁束が矢印の通り凸部12aのそ
れぞれから磁性膜12の本体部分に引き込まれて流れ、
隣りの凸部12aから着磁媒体14に戻り、還流磁束が
形成される。
【0028】ここで凸部12aの幅Wは、あまり狭すぎ
ると還流磁束に対する磁気抵抗が大きくなることで下限
を3μmとし、また幅が広すぎると着磁媒体からの漏れ
磁束の変化が曖昧となるため着磁ピッチPの1/2を上
限とするのが望ましい。また、凸部12aの長さl(図
1参照)は、着磁媒体14からの磁束を拾う幅となり、
磁気ヘッドで言うトラック幅に相当する。ここでは凸部
12aの長さを磁性膜12の幅寸法に等しくしたが、そ
うしなくてもよいことは勿論である。また、凸部12a
の高さhは1〜10μm程度である。
【0029】凸部12aがここでは9本形成されている
ことにより、着磁媒体14の8つの磁化の磁束を還流磁
束として磁性膜12の本体部分に引き込むことができ
る。磁性膜12の本体部分に引き込まれた磁束は磁性膜
12の長手方向に流れ、磁性膜12は磁化容易軸方向が
長手方向に垂直になるように磁気異方性がつけられてい
るので、磁気インピーダンス効果を発生させることがで
きる。
【0030】ここで磁性膜12の本体部分において各凸
部12a間で交互に逆方向に磁束が流れるが、磁気イン
ピーダンス効果は図3の通り外部磁界Hの方向に対して
対称の特性をもっているため、磁束の方向に関わらず、
磁性膜12全体のインピーダンスは各磁束還流部のイン
ピーダンスの和として現れる。すなわち、8つの磁化の
磁束によるインピーダンスの和が得られ8つの磁界の磁
束の検出と平均化を行え、これにより着磁媒体に着磁ム
ラがあっても、影響が緩和される。
【0031】また、別の効果として磁性膜12の長手方
向に沿って進入する着磁媒体14以外からのノイズとな
る有害な外部磁界Hexの影響も回避することができ
る。
【0032】すなわち、図2に示す隣接する逆方向の還
流磁束が流れるA,B部のインピーダンスはHex=0
の場合は図3のZoに対応しているとすると、Hex>
0の場合、A部では還流磁束が外部磁界Hexに対し逆
方向の為インピーダンスがZmに低下するが、B部では
逆に還流磁束が順方向のためZpに増加し、その和は2
Zoと大差なく、外部磁界の影響がほぼ相殺される。但
し、磁性膜12全体として外部磁界の影響を相殺するに
は、磁性膜12内の還流磁束の正逆方向の数を等しくす
る必要があり、このために凸部12aの数は3以上の奇
数を選択する必要がある。
【0033】以上のように、本実施形態のセンサーは着
磁媒体14の複数の磁化の検出とその平均化を行うこと
ができ、磁気エンコーダー用として好適に用いることが
できる。しかもノイズとなる外部磁界の影響を回避し、
安定した出力が得られる。
【0034】また、凸部12aの幅Wを3μmまで細く
できて凸部12aのピッチPを小さくできるため、素子
本体の磁性体の幅方向の磁界を検知するMR素子に比
べ、より短い着磁ピッチの着磁媒体の磁界検出を行うこ
とができ、高精度、高分解能の磁気エンコーダー用に好
適である。
【0035】また、センサーの素子本体は磁性膜で構成
されるので、従来のアモルファスワイヤーでの取り扱い
の困難さや複雑なパターンへの対応ができなかったこと
等の問題が解消され、生産性にも優れている。
【0036】なお、本実施形態では磁性膜12の凸部1
2aのピッチを着磁ピッチPと同じとしたが、着磁ピッ
チPが極端に短い場合、凸部12aのピッチを例えば着
磁ピッチPの3倍というように着磁ピッチPに対して1
より大きな奇数倍のピッチとしてもよい。こうしても、
凸部12aのピッチを着磁ピッチPと等ピッチ(着磁ピ
ッチの1倍のピッチ)にした場合と同様に、隣り合う凸
部12aどうしの間で着磁媒体の磁化1個分の磁界の差
ができ、着磁媒体から磁性膜12に磁束を引き込んで検
出を行なうことができる。
【0037】[他の実施形態]次に他の実施形態を図4
〜図10により説明する。これらの図において第1の実
施形態の図1,図2中と共通ないし対応する部分には共
通の符号が付してあり、共通部分の説明は省略する。
【0038】[第2の実施形態]次に図4,図5は第2
の実施形態の磁気センサーの構造を示している。図4に
示すように、本実施形態では基板10上の磁性膜12の
外形は第1の実施形態の磁性膜12と同じであるが、図
5に示すように磁性膜12は2層の磁性膜121,12
2を積層したものとして形成されている。そして、磁性
膜121,122の間に磁性膜121,122より細い
導電膜24が挟まれている。導電膜24は磁性膜12
1,122の全長にわたって挟まれており、両端部が磁
性膜121,122の両端部から突出し、端子24a,
24bとして形成されている。
【0039】このような構成で検出動作時には、端子2
4a,24bから導電膜24に高周波電流を流す。すな
わち導電膜24とともに磁性膜121,122に高周波
電流を流す。着磁媒体からの磁束が第1の実施形態と同
様に磁性膜12に流れることにより導電膜24の端子2
4a,24b間のインピーダンス、すなわち磁性膜12
と導電膜24のインピーダンスが変化し、その変化が電
気信号に変換されて出力が得られるようになっている。
【0040】このような構成によれば、第1の実施形態
のように磁性膜12が単層構造のものより磁性膜12の
直流抵抗分を下げることでQ値を上げ、磁気センサーを
発振回路に接続した場合の発振条件が容易となる。
【0041】[第3の実施形態]磁気エンコーダーで
は、高精度、高分解能化の為に着磁媒体の着磁ピッチの
縮小とともに、磁気エンコーダーの検出素子本体を多相
配置し電気的に信号処理し、2相出力を得る手法が一般
化している。その2相出力を得られるようにした第3の
実施形態を図6〜図8により説明する。
【0042】図6は第3の実施形態の磁気センサーの基
本構造を示す。図6において、基板10上にそれぞれ第
1の実施形態の図1の磁性膜12と同じ2本の磁性膜1
2,12′が形成されている。
【0043】磁性膜12,12′は互いの長手方向を平
行にして並んで配置され、その長手方向が磁気センサー
移動方向に沿う基板10の長手方向に平行になるように
配置されている。そして磁性膜12,12′のそれぞれ
の凸部12a,12a′のピッチは両者ともに前述の着
磁ピッチPと同じであるが、凸部12aと凸部12a′
の位置は磁性膜12,12′の長手方向にP/2分ずれ
ている。
【0044】次に本実施形態の磁気センサーの動作時の
作用について図7,図8を用いて説明する。
【0045】図7は、磁性膜12の凸部12aがそれぞ
れ着磁媒体14の磁化反転境界14aの真下にあり、ま
た磁性膜12′の凸部12a′がそれぞれ各磁化の中央
つまり磁化反転境界14aよりP/2分ずれた位置にあ
る状態を示す。
【0046】ここで磁性膜12の両端の端子16a,1
6b間のインピーダンスをZ1、磁性膜12′の両端の
端子16a′,16b′間のインピーダンスをZ2とす
ると、図7の状態は、磁性膜12では着磁媒体14から
の流入磁束量が最大となり、また磁性膜12′ではその
流入磁束量が最小の0となる状態であり、図8に示す媒
体移動量Xの0の位置に対応し、この状態ではZ1が最
大、Z2が最小となる。
【0047】この状態から着磁媒体14が移動すると、
Z1は移動量が着磁ピッチPの正数倍、Z2は移動量が
着磁ピッチPの正数倍+P/2のところでそれぞれ最大
となり、その和Z1+Z2は図8の通り着磁ピッチP分
の移動量に対し2個のピークを得ることができ、2相化
に対応した信号が得られる。
【0048】このように本実施形態によれば2相出力が
得られ、高精度、高分解能化に対応できる。
【0049】[第4の実施形態]次に、第3の実施形態
と異なる方法により2相出力を得られるようにした第4
の実施形態の磁気センサーを図9に示す。
【0050】本実施形態では、磁性膜12の膜面上に、
着磁ピッチPと等ピッチで磁性膜12の長手方向に沿っ
て並ぶ複数の凸部12aの列が磁性膜12の2辺のそれ
ぞれに沿って2列平行に設けられている。そして、2列
の一方の列の凸部12aと他方の列の凸部12aの位置
は磁性膜12の長手方向にP/2ずれている。なお、凸
部12aの長さは磁性膜12の幅の1/2より短くされ
ており、2列の凸部12aがその長手方向にオーバーラ
ップしないように配置されている。
【0051】このような本実施形態の構造によれば、磁
性膜12は言わば第3の実施形態の磁性膜12,12′
を一体化したものであり、同様の作用により2相出力が
得られる。
【0052】[第5の実施形態]MI素子は素子本体の
磁性体の長さが短いとインダクタンスが小さくなること
で、回路に接続した場合にノイズの影響を受けやすくな
り、また、発振回路に接続した場合は発振が安定しな
い。
【0053】そのために単純に素子本体の長さを長くす
る方法はあるが、そうすると着磁媒体との対向面が長く
なることで着磁媒体とのスペーシングの変動の影響を受
けやすくなる。この点を考慮した第5の実施形態を図1
0に示す。
【0054】図10に示す通り、本実施形態では基板1
0上に、それぞれ第1の実施形態の磁性膜12と同様に
凸部12aを着磁ピッチPと等ピッチで1列並設した4
つの磁性膜12が互いの長手方向を平行にして並んで配
置されている。そして4つの磁性膜12のそれぞれの凸
部12aの長手方向は磁性膜12の長手方向に垂直であ
って、着磁媒体14の磁化反転境界14aの方向として
示される磁化の同一位相方向に平行にされているが、隣
り合う磁性膜12どうしで凸部12aの位置が磁性膜1
2の長手方向に着磁ピッチの1/2ずらされている。
【0055】また、4つの磁性膜12は導電膜からなる
接続部28b,28c,28dにより順次折り返すよう
にして電気的に直列接続されている。接続部28b,2
8c,28dは磁性膜12のそれぞれの端部を延長した
ものとしても良い。さらに、4つの磁性膜12の直列接
続の両端には導電膜からなる端子28a,28eが接続
されているが、これも磁性膜12を延長して形成しても
よい。
【0056】このような構成のもとに、動作時には端子
28a,28eから高周波電流を4つの磁性膜12に印
加し、着磁媒体14から磁性膜12のそれぞれの内部に
引き込まれた磁束により各磁性膜12の両端間のインピ
ーダンスが変化し、その変化が電気信号に変換され出力
が得られる。
【0057】このような本実施形態によれば、磁気セン
サー全体のセンサー移動方向の長さの割に4つの磁性膜
12の総延長を稼いでインダクタンスを稼ぐことがで
き、回路に接続した場合ノイズの影響を受け難く、発振
回路に接続した場合に発振を安定させることができると
ともに、着磁媒体とのスペーシングの変動の影響を受け
難くすることができる。
【0058】なお、本実施形態とともに、第3,第4の
実施形態のそれぞれにおいても磁性膜12を第2の実施
形態のように導電膜を挟んだ2層の磁性膜としてもよ
い。
【0059】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、一方向に沿って所定の着磁ピッチで交互に逆
極性に着磁された着磁媒体に対し前記一方向に沿って相
対的に移動して前記着磁媒体の磁界を磁気インピーダン
ス効果により検出する磁気エンコーダー用の磁気センサ
ーであって、非磁性基板上に高透磁率磁性膜を形成して
構成され、前記磁性膜は、膜面上に複数の凸部が該磁性
膜の長手方向に沿って前記着磁ピッチの奇数倍のピッチ
で少なくとも1列並設されたラック状に形成されてお
り、前記磁性膜の長手方向を磁気センサーの移動方向に
沿わせて該磁性膜を着磁媒体に平行に対向させ、該磁性
膜に対し両端部から高周波電流を印加し、着磁媒体から
の磁束により該磁性膜の両端部間に発生するインピーダ
ンスの変化を電気信号に変換して出力を得られるように
した構成を採用したので、従来ではMI素子で困難であ
った着磁媒体の複数の磁化の磁界の検出及びその平均化
が可能になった。しかも、外部からのノイズ磁界に対し
て強く、安定した出力が得られる上に、MR素子に比
べ、より短い着磁ピッチの着磁媒体の磁界の検出が可能
であり、高精度、高分解能の磁気エンコーダー用として
好適である。さらに、素子本体が磁性膜からなるので、
従来のアモルファスワイヤーのような取り扱い上の困難
さがなく、複雑なパターンの形成も容易であり、生産性
にも優れている等の優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の磁気エンコーダー用
磁気センサーの基本的な構造を示す斜視図である。
【図2】同磁気センサーの検出動作時の作用を説明する
説明図である。
【図3】同磁気センサーの磁気検出素子本体の磁性膜の
磁気インピーダンス特性を示すグラフ図である。
【図4】第2の実施形態のセンサーの構造を示す斜視図
である。
【図5】図4のA−A′線に沿う断面図である。
【図6】第3の実施形態のセンサーの構造を示す斜視図
である。
【図7】同センサーの検出動作時の作用を説明する説明
図である。
【図8】同センサーにおける着磁媒体移動量と磁性膜の
インピーダンス変化の関係を示すグラフ図である。
【図9】第4の実施形態のセンサーの構造を示す斜視図
である。
【図10】第5の実施形態のセンサーの構造を示す平面
図である。
【図11】従来のMR素子を用いたセンサーの平面図で
ある。
【符号の説明】
10 非磁性基板 12,12′ 高透磁率磁性膜 12a,12a′ 凸部 14 着磁媒体 16a,16b 端子 24 導電膜 24a,24b 端子 28a,28e 端子 28b,28c,28d 接続部 121,122 磁性膜

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方向に沿って所定の着磁ピッチで交互
    に逆極性に着磁された着磁媒体に対し前記一方向に沿っ
    て相対的に移動して前記着磁媒体の磁界を磁気インピー
    ダンス効果により検出する磁気エンコーダー用の磁気セ
    ンサーであって、 非磁性基板上に高透磁率磁性膜を形成して構成され、 前記磁性膜は、膜面上に複数の凸部が該磁性膜の長手方
    向に沿って前記着磁ピッチの奇数倍のピッチで少なくと
    も1列並設されたラック状に形成されており、 前記磁性膜の長手方向を磁気センサーの移動方向に沿わ
    せて該磁性膜を着磁媒体に平行に対向させ、該磁性膜に
    対し両端部から高周波電流を印加し、着磁媒体からの磁
    束により該磁性膜の両端部間に発生するインピーダンス
    の変化を電気信号に変換して出力を得られるようにした
    ことを特徴とする磁気センサー。
  2. 【請求項2】 前記磁性膜の複数の凸部は所定長の直線
    状で互いに平行に形成されており、該凸部の長手方向が
    前記着磁媒体の磁化の同一位相を結ぶ方向に平行にされ
    ることを特徴とする請求項1に記載の磁気センサー。
  3. 【請求項3】 前記磁性膜は、磁化容易軸方向が膜面内
    で長手方向に対し垂直になるように磁気異方性がつけら
    れていることを特徴とする請求項1または2に記載の磁
    気センサー。
  4. 【請求項4】 前記凸部の幅が3μm以上で前記着磁ピ
    ッチの1/2以下の範囲内であることを特徴とする請求
    項1から3までのいずれか1項に記載の磁気センサー。
  5. 【請求項5】 前記磁性膜に少なくとも1列並設される
    複数の凸部の1列に並ぶ数が3以上の奇数であることを
    特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載の
    磁気センサー。
  6. 【請求項6】 前記磁性膜に前記複数の凸部の列が2列
    平行に設けられ、該2列の一方の列の凸部と他方の列の
    凸部の位置が磁性膜の長手方向に前記着磁ピッチの1/
    2ずれていることを特徴とする請求項1から5までのい
    ずれか1項に記載の磁気センサー。
  7. 【請求項7】 前記複数の凸部を1列並設した磁性膜が
    複数設けられ、互いの長手方向を平行にして並んで配置
    され、隣り合う磁性膜どうしで前記凸部の位置が該磁性
    膜の長手方向に前記着磁ピッチの1/2ずれていること
    を特徴とする請求項1から5までのいずれか1項に記載
    の磁気センサー。
  8. 【請求項8】 前記複数の磁性膜が電気的に直列接続さ
    れていることを特徴とする請求項7に記載の磁気センサ
    ー。
  9. 【請求項9】 前記複数の磁性膜どうしが該磁性膜の端
    部のそれぞれを延長した磁性膜からなる接続部により電
    気的に直列接続されていることを特徴とする請求項8に
    記載の磁気センサー。
  10. 【請求項10】 前記磁性膜は、該磁性膜より細い帯状
    の導電膜を全長にわたって挟んで積層された2層の磁性
    膜であり、 前記導電膜の両端部は前記2層の磁性膜の両端部から露
    出しており、 前記導電膜に対し両端部から高周波電流を印加し、着磁
    媒体からの磁束により該導電膜の両端部間に発生するイ
    ンピーダンスの変化を電気信号に変換して出力が得られ
    るようにしたことを特徴とする請求項1から9までのい
    ずれか1項に記載の磁気センサー。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008072610A1 (ja) * 2006-12-13 2008-06-19 Alps Electric Co., Ltd. 磁気センサ及びそれを用いた磁気エンコーダ
CN108291821A (zh) * 2015-12-04 2018-07-17 日本电产三协株式会社 位置检测装置

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