JPH09111330A - 取鍋精錬装置における溶鋼の昇温方法 - Google Patents

取鍋精錬装置における溶鋼の昇温方法

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JPH09111330A
JPH09111330A JP29473395A JP29473395A JPH09111330A JP H09111330 A JPH09111330 A JP H09111330A JP 29473395 A JP29473395 A JP 29473395A JP 29473395 A JP29473395 A JP 29473395A JP H09111330 A JPH09111330 A JP H09111330A
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JP
Japan
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molten steel
temperature
additive
based oxide
ladle
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Application number
JP29473395A
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English (en)
Inventor
Yoshihisa Kimura
義久 木村
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶鋼の精錬に使用される取鍋精錬装置におい
て、耐火物の溶損を防止して寿命の増大と、精錬コスト
の低減を図った溶鋼の昇温方法を提供する。 【解決手段】 取鍋精錬装置において、内部のAlとの
発熱反応に必要な量のFe系酸化物を被覆した昇温用添
加材を投入し、取鍋内の溶鋼中で溶解して、その反応熱
により昇温することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶鋼の精錬に使用
される取鍋精錬装置において、耐火物の溶損を防止しつ
つ、溶鋼を効果的に昇温する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高級鋼はもちろんのこと、普通鋼におい
ても品質向上のため取鍋精錬装置を使って炉外精錬が行
われている。この取鍋精錬装置においては、溶鋼を循
環、撹拌、混合させることにより、脱炭、脱ガス、脱
酸、介在物浮上及び成分調整等の精錬効果が得られる。
したがって、溶鋼の精錬中は溶鋼の温度低下を防ぎ、溶
鋼温度を確保する必要がある。そのため、従来から溶鋼
に酸素ガスを供給する方法や酸化反応熱の大きい金属を
添加する方法が知られている。
【0003】前記溶鋼に酸素ガスを供給する方法は、溶
鋼中のAl、Siと酸素との発熱反応により溶鋼の昇温
を行うので、酸素ガス吹き込みノズルを溶鋼中に浸漬し
ておく必要があり、そのため酸素ガス吹き込みが終了し
た後も、なんらかのガスを吹き込みノズルの閉鎖を防止
する必要がある。
【0004】また、後者の方法として、例えば循環式真
空脱ガス装置における溶鋼の昇温方法について説明す
る。図3に示すように、真空槽11は周壁中央に合金投
入口3を有し、その下方に細管からなる酸素ガス送入用
の羽口13を設け、下端に突設した還流管14a、14b
を取鍋12の溶鋼17中に浸漬してなり、合金投入口3
から溶鋼17中に酸化反応熱の大きいAl添加材15を
投入し、また羽口13から酸素ガスを送入することによ
り、その際の酸化反応熱により溶鋼を加熱するのであ
る。
【0005】前記循環式真空脱ガス装置における溶鋼の
昇温方法では、図3に示すように、局所的に高温域16
ができ、その高温域は溶鋼還流が下降する還流管14a
側へ運ばれ、真空槽11の耐火物を溶損してしまう。
【0006】また、酸素ガスを供給する手段が溶鋼表面
付近に埋め込まれた複数本の細管からなる羽口13を用
いているために、脱ガス処理中に溶鋼表面から高温のス
プラッシュや輻射熱を受け、羽口詰まりや羽口が溶損し
てしまうという問題がある。
【0007】更に、溶鋼の昇温が必要でないときは、羽
口詰まりや溶損防止のために、Ar等の不活性ガスを吹
き込んでいるが、この不活性ガスも高価なため溶鋼の精
錬コストに大きな影響を及ぼしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前記のごとく、従来の
酸化反応熱の大きい金属を添加する方法における溶鋼の
昇温方法では、局所的な高温域の発生により真空槽耐火
物の溶損を引き起こすと共に、酸素ガス供給用羽口の詰
まりや溶損防止を考慮する必要があり、溶鋼の精錬コス
トに大きな影響を及ぼしている。
【0009】本発明は、前記の現状に鑑み、従来の溶鋼
の昇温方法に見られる問題点を解決し、取鍋精錬装置に
おいて耐火物の溶損を防止して寿命の増大と、精錬コス
トの低減を図った溶鋼の昇温方法を提供するものであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明は溶鋼の精錬に使用される取鍋精錬装置にお
いて、内部のAlとの発熱反応に必要な量のFe系酸化
物を被覆した昇温用添加材を投入し、取鍋内の溶鋼中で
溶解して、その反応熱により昇温することを特徴とす
る。
【0011】本発明は、昇温用添加材の酸化反応熱によ
り溶鋼の昇温を行う、全ての取鍋精錬装置に適用するこ
とができる。また、昇温用添加材の被覆層に用いるFe
系酸化物としては、Fe23やFeOを使用することが
でき、酸化反応熱を効果的に得るため、後記するように
Al球に対し一定量の厚さに被覆する。
【0012】
【発明の実施の形態】取鍋精錬装置として、図1に示す
循環式真空脱ガス装置について、本発明の溶鋼の昇温方
法を説明する。この装置は、真空槽1の底面に突設した
2本の還流管4a、4bを取鍋2中の溶鋼10に浸漬し、
一方の還流管4bに不活性ガスを還流ガス18として吹
き込むことにより、ガスリフトポンプの原理を用いて、
真空槽1と取鍋2の間で還流管4aを下降流用として溶
鋼10を一定方向に循環させながら、真空槽1内の溶鋼
表面よりガスを排出して排気口5から排気し脱ガス精錬
を行うのである。
【0013】転炉から出鋼した溶鋼の成分及び温度が連
続鋳造機での要求値に満たない場合には、この循環式脱
ガス装置において成分調整及び昇温が行われる。成分調
整は、合金投入口3から成分調整用の添加合金を投入
し、一定時間以上溶鋼を循環させて均一に溶解させて行
われる。
【0014】また、溶鋼の昇温時には、図2に示すよう
に、ある直径(d1)のAl球6aにある一定量の厚さ
{(d2−d1)/2}のFe系酸化物6bを被覆した昇
温用添加材6を合金投入口3より投入する。なお、昇温
用添加材の粒径は、設備や処理条件により変えて最大温
度上昇点の制御効果が得られるようにする。
【0015】真空槽1内に投入された昇温用添加材6
は、下降流用の還流管4aを通り取鍋2内に流れ込む。
この際、Al球6aを被覆したFe系酸化物6bが溶鋼の
熱により徐々に溶解し、溶解し終わると引続きAlが溶
解する。溶鋼に溶解したFe系酸化物、例えばFe23
は、同様に溶解したAlと以下に示す化学式により発熱
反応を起こし、その反応熱により溶鋼の昇温が可能とな
る。
【0016】 2Al+Fe23→Al23+2Fe+ΔH ただし ΔH=−2.04×105 (kcal/kg
−Al)
【0017】また、昇温用添加材の粒径と添加量は、要
求される昇温量並びに取鍋内の耐火物の溶損状況に応じ
て変化させる。この際の昇温用添加材におけるAlを被
覆するFe系酸化物(Fe23またはFeO)の厚さに
より、溶鋼中の加熱域を制御することになる。
【0018】その際のAl球径d1とFe系酸化物径d2
は、以下の関係を満たすものとする。 d2=1.4d1
【0019】また、昇温用添加材径Dρの上限として
は、以下に示す浮上速度Umの式より、
【0020】
【数1】
【0021】下降流用還流管側の還流速度をUcとする
と、昇温用添加材の昇温しない条件は、Um<Ucであ
るから、Uc近似1とすると、
【0022】
【数2】
【0023】より、Dρ<0.06(m)であれば浮上
しないことになるので、これを最大の上限値とする。こ
こで、g=9.8 (m/s2)、C=0.44 、溶
鋼密度ρ=7000(kg/m3)、昇温用添加材の平
均密度ρρ=4500(kg/m3)とした。
【0024】以上説明したように、Al球径d1と被覆
したFe系酸化物径d2の関係がd2=1.4d1で、か
つ昇温用添加材径Dρが0.06(m)以下の条件を満
足すれば、投入された昇温用添加材は、溶鋼中で効果的
に発熱反応を起こし、その反応熱により溶鋼を昇温でき
る。
【0025】
【実施例】例えば、転炉から出鋼された溶鋼270t
りの取鍋に対し、取鍋精錬装置の内図1に示す循環式真
空脱ガス装置を使って脱ガス処理を行い、引続き本発明
方法の実施により溶鋼の昇温を行った。この際、真空槽
1の下部と取鍋2に4か所の温度測定点A、B、C、D
を設定し、それぞれに熱電対7、8、9a、9bを設け、
本発明による実施例(a)、(b)、(c)及び比較の
ため金属Alを添加する従来法の4つの方法について比
較試験した。
【0026】この試験に用いた昇温用添加材を表1に示
す。なお、用いた昇温用添加材の個数は、溶鋼の処理
量、昇温量、添加材のAl球径d1に応じて決定した。
【0027】
【表1】
【0028】上記温度上昇測定結果を図4に示す。この
結果より、従来法では最大温度上昇点が測定点Aで測定
され、その最大温度上昇分は300℃と高い値を示す
が、本発明法(a)は測定点Bで、本発明法(b)は測
定点Cで、本発明法(c)は測定点Dで、それぞれ異な
った位置で最大温度上昇点が測定され、その最大温度上
昇点も従来法のおおよそ1/4程度であった。そして、
これら本発明法(a)、(b)、(c)で用いた昇温用
添加材をそれぞれ処理50チャージごとに切り替えて使
った結果、図5に示すように、従来法では真空槽下部の
寿命が600チャージ程度しか保たなかったものが、本
発明法の実施によれば900チャージとほぼ1.5倍保
つようになった。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、さまざまな粒径の昇温
用添加材を用いることにより、溶鋼内の最大温度上昇点
の制御が容易となり、また昇温用添加材の粒径を適切に
変えることにより、取鍋精錬装置の寿命を増大し、溶鋼
精錬コストの削減に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明法の実施のために使用する真空脱ガス装
置の概略を示す説明図である。
【図2】本発明の実施において使用する昇温用添加材の
構成を示す説明図である。
【図3】従来法により溶鋼精錬を行うための真空脱ガス
装置の概略を示す説明図である。
【図4】図1の真空脱ガス装置を使って溶鋼精錬を行っ
た際の昇温用添加材の違いによる最大温度上昇の変化を
示すグラフである。
【図5】本発明法と従来法により真空脱ガス装置を使っ
て溶鋼精錬を行った場合の真空槽下部の寿命を比較して
示すグラフである。
【符号の説明】
1 真空槽 2 取鍋 3 合金投入口 4a、4b 還流管 5 排気口 6 昇温用添加材 6a Al球 6b Fe系酸化物 7、8、9a、9b 熱電対 10 溶鋼 11 真空槽 12 取鍋 13 羽口 14a、14b 還流管 15 Al添加材 16 高温域 17 溶鋼 18 還流ガス

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 取鍋精錬装置において、内部のAlとの
    発熱反応に必要な量のFe系酸化物を被覆した昇温用添
    加材を投入し、取鍋内の溶鋼中で溶解して、その反応熱
    により昇温することを特徴とする取鍋精錬装置における
    溶鋼の昇温方法。
JP29473395A 1995-10-17 1995-10-17 取鍋精錬装置における溶鋼の昇温方法 Pending JPH09111330A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000071955A1 (de) * 1999-05-20 2000-11-30 Sms Mevac Gmbh Verfahren und anlage zum behandeln von flüssigen metallen
WO2001083833A1 (en) * 2000-04-28 2001-11-08 Qual-Chem Limited Reheating molten steel by aluminium-iron oxide additive
KR100851179B1 (ko) * 2001-12-03 2008-08-08 주식회사 포스코 용강 단열발열제를 이용한 2차정련방법
JP2010243171A (ja) * 2009-04-01 2010-10-28 Nippon Steel Corp 溶鋼の連続測温方法

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KR100851179B1 (ko) * 2001-12-03 2008-08-08 주식회사 포스코 용강 단열발열제를 이용한 2차정련방법
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