JPH09109387A - インクジェット記録装置およびこれを用いた記録方法 - Google Patents

インクジェット記録装置およびこれを用いた記録方法

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JPH09109387A
JPH09109387A JP26693495A JP26693495A JPH09109387A JP H09109387 A JPH09109387 A JP H09109387A JP 26693495 A JP26693495 A JP 26693495A JP 26693495 A JP26693495 A JP 26693495A JP H09109387 A JPH09109387 A JP H09109387A
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隆之 猪井
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】インク滴の大きさと飛翔方向とを共に調整可能
で、記録ドットの大きさ及び位置の調整を同時に調整で
きるインクジェット記録装置を提供する。 【解決手段】ノズル10内のインク12をノズルの軸に
垂直な面内でノズルの軸に関して対称に加熱する発熱素
子14A,14B,14Cを、ノズルの軸に沿って吐出
口11から離れる方向に設ける。三つの発熱素子14A
〜14Cのうちから一つだけを選択して発熱させること
により、インク12中に粘度が局部的に低下した部分1
6Aを形成して、インク滴12Bの分離位置を変え、大
きさを調整する。更に、吐出口11から発熱素子14C
より遠い位置に、上下の発熱体を独立して駆動可能な発
熱素子を設け、上および下のいずれか一方の発熱体のみ
を発熱させることで、インク12の粘度がノズルに垂直
な面内で非対称にすることにより、インク滴12Bの飛
翔方向を上または下に調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェット記録
装置およびこれを用いた記録方法に関し、特に、ノズル
からインクを吐出させるためのエネルギー供給手段とし
て圧電素子を用いたインクジェット記録装置およびこれ
を用いた記録方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録装置はノンインパク
ト記録方式の特徴を備え、従来、多くの構造のものが提
案されているが、いずれにしても、多諧調表現が可能
で、記録ドットの位置ずれが少く高精細でしかも、記録
スピードが高速であることが望まれる。これら満足すべ
き条件のうち多諧調表現に関して言えば、シリアル型イ
ンクジェット記録装置では、従来、二度打ちにより多諧
調表現を行う方法が知られている。しかしこの方法で
は、本来一度で済む記録動作を複数回行わなければなら
ないことから、記録スピードが低下する。又、先のドッ
トと後のドットとの重なりがドット位置の再現性に左右
されるので、記録状態の精細さが低下せざるを得ない。
【0003】そこで、一度のインク吐出により多諧調表
現を行うために、インクの吐出量を可変にする技術が開
発された。そのような吐出量可変のインクジェット記録
装置の一例が、特開平3ー213346号公報に開示さ
れている。図3は、同公報に記載されたインクジェット
記録ヘッドにおける一連の吐出動作を、時系列で表わす
断面図である。図3を参照すると、この図に示す記録ヘ
ッド31は、ノズル32と、ノズル内のインク33を吐
出させインク滴36とするためのエネルギー供給手段と
しての発熱素子37と、吐出するインクの量を調整する
ための圧電素子38とからなる。ノズル32先端にはイ
ンク吐出口34が設けられている。この記録ヘッドによ
り記録するときは、先ず、図3(b)に示すように、圧
電素子38を、ノズルの体積が拡がるように変形させ
る。これにより、ノズル先端の吐出口34と発熱素子3
7との間にあるインク量が減じ、吐出口34に形成され
ていたインクのメニスカス35が、図3(a)に示す状
態から図3(b)に示す状態に後退する。この後、発熱
素子37を発熱させることにより、図3(c)に示すよ
うに、インク33中に気泡39を発生させる。そして、
図3(d)に示すように、発熱素子37より吐出口34
側にあるインク柱36Aを押し出す。その後、図3
(e)に示すように、気泡39が縮小すると共に押し出
されたインク柱36Aが分離しインク滴36となり、同
時に初期の状態に復帰する。この記録ヘッドでは、圧電
素子38を変形させメニスカス35を後退させてから
(図3(b))発熱素子37を発熱させて気泡を発生さ
せる(図3(c))迄の遅れ時間を調整することによ
り、吐出口34と発熱素子37との間に存在するインク
量を調整できるので、これによってインク滴36の大き
さを変化させる。
【0004】吐出量可変のインクジェット記録装置の他
の例が、特開昭60ー220757号公報に開示されて
いる。同公報記載の記録装置は、圧電素子のみでインク
の吐出動作およびその吐出量を制御する。この例の記録
装置では、圧電素子を駆動する際のパルス幅を変えるこ
とにより圧電素子の変形量を変え、これによって、吐出
するインク滴の体積を調整している。この記録装置は、
圧電素子のみでインクの吐出量を調整できる、すなわ
ち、構成要素が上述の図3に示すインクジェット記録装
置より少なく構造が簡単であるが、インク滴の体積を変
化させるために、圧電素子への印加パルス幅を可変にす
る必要があることから、駆動回路が複雑にならざるを得
ない。
【0005】一方、インクジェット記録装置に要求され
る条件のうち、高精細性を満たすには、記録ドットの位
置が可変であることが必要となる。そのような、記録ド
ット位置可変のインクジェット記録装置が、特開昭59
ー68247号公報に開示されている。同公報記載の記
録装置では、帯電インク滴を利用する。すなわち、同公
報記載の記録装置の断面図を示す図4を参照すると、こ
の記録装置は、インク滴42を吐出するための圧電素子
43と、吐出したインク滴42を帯電させるための帯電
電極44と、帯電したインク滴42Aを偏向させるため
の偏向電極45と、不要なインク滴42Bを回収するた
めのガター46とからなる。この記録装置を用いて記録
を行うには、先ず、圧電素子43に電界を印加し変形さ
せて、インク滴42を吐出させる。次に、飛翔している
インク滴42を、これが帯電電極44を通過する際に帯
電させ、帯電したインク滴42Aを形成する。次いで、
偏向電極45に電界を印加し、帯電したインク滴42A
の飛翔方向を変え記録材47上に付着させることによ
り、記録を行う。記録に供しない不要なインク滴42B
は、偏向電極45に電界を印加しないことにより直進飛
翔させ、ガター46で回収する。この例の記録装置で
は、偏向電極45に印加する電界の大きさをコントロー
ルすることにより帯電インク滴42Aの飛翔方向を調整
し、記録ドットの位置を調整できる。この記録装置に
は、インク滴を帯電させるための帯電電極とその駆動回
路および、インクを偏向させるための偏向電極とその駆
動回路が必要となるので、装置の小型化は困難であろ
う。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、イン
クジェット記録装置には、多諧調表現、高精細性および
高速性が要求され、それら要求を満たすには、一度打ち
でインク滴の体積が調整可能であることと、インク滴の
飛翔方向の調整が可能であることとが必要であるが、従
来、両方の条件を同時に満たすインクジェット記録装置
はなく、どのような記録装置であれ、どちらか一方の条
件を満たすだけである。
【0007】すなわち上記特開平3ー213346号公
報に記載された記録装置および特開昭60ー22075
7号公報に記載された記録装置はいずれも、インク滴の
体積は調整可能であるが、その飛翔方向は一定である。
一方、特開昭59ー68247号公報記載の記録装置
は、インク滴の飛翔方向は調整可能であるものの、その
体積は一定である。
【0008】従って、本発明は、一度打ちが可能なイン
クジェット記録装置であって、インク滴の体積および飛
翔方向が共に調整可能なインクジェット記録装置を提供
することを目的とするものである。
【0009】本発明の他の目的は、インク滴の体積が調
整可能なインクジェット記録装置であって、上記のイン
ク滴の体積および飛翔方向が調整可能なインクジェット
記録装置を構成するのに最適な構造を持つインクジェッ
ト記録装置を提供することである。
【0010】本発明の更に他の目的は、インク滴の飛翔
方向の調整が可能なインクジェット記録装置であって、
上記のインク滴の体積および飛翔方向が調整可能なイン
クジェット記録装置を構成するのに最適な構造を持つイ
ンクジェット記録装置を提供することである。
【0011】本発明は又、上記のインクジェット記録装
置を用いて、多諧調表現が可能で、高精細な記録を行う
方法を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
記録装置は、圧電素子を用い、記録すべき情報に基づく
電気信号に応じてノズル内のインクに圧力を加えること
により、ノズル先端の吐出口からインクを吐出して記録
体に情報を記録する構成のインクジェット記録装置にお
いて、前記ノズル内のインクをノズルの軸に垂直な面内
でノズルの軸に関して対称に加熱する加熱手段を、ノズ
ルの軸に沿って前記吐出口から離れる方向に少くとも二
つ以上、備えることを特徴とする。本発明の記録方法で
は、このインクジェット記録装置を用い、前記複数の加
熱手段の中から一つを選択しこれを発熱させて前記ノズ
ル内のインクの粘度を局部的に低粘度化させることによ
り、インク滴の分離位置を前記選択された加熱手段の前
記ノズルの軸上での吐出口からの距離に応じて変化させ
て、記録ドットの大きさを調整する。
【0013】本発明のインクジェット記録装置は又、圧
電素子を用い、記録すべき情報に基づく電気信号に応じ
てノズル内のインクに圧力を加えることにより、ノズル
先端の吐出口からインクを吐出して記録体に情報を記録
する構成のインクジェット記録装置において、前記ノズ
ル内のインクを、ノズルの軸に垂直な面内でノズルの軸
に関して非対称に、加熱する加熱手段を備えることを特
徴とする。本発明の記録方法では、このインクジェット
記録装置を用い、前記加熱手段を発熱させて前記ノズル
内のインクの粘度を、ノズルの軸に垂直な面内で局部的
に低粘度化させることによりインク滴の飛翔方向を変化
させて、記録ドットの位置を調整する。
【0014】そして、本発明のインクジェット記録装置
は、圧電素子を用い、記録すべき情報に基づく電気信号
に応じてノズル内のインクに圧力を加えることにより、
ノズル先端の吐出口からインクを吐出して記録体に情報
を記録する構成のインクジェット記録装置において、前
記ノズル内のインクをノズルの軸に垂直な面内でノズル
の軸に関して対称に加熱する第1の加熱手段を、ノズル
の軸に沿って前記吐出口から離れる方向に少くとも二つ
以上備えると共に、前記ノズル内のインクをノズルの軸
に垂直な面内でノズルの軸に関して非対称に加熱する第
2の加熱手段を、前記吐出口から前記第1の加熱手段よ
り遠い位置に備えることを特徴とする。本発明の記録方
法では、このインクジェット記録装置を用い、前記複数
の第1の加熱手段の中から一つを選択しこれを発熱させ
て前記ノズル内のインクの粘度を局部的に低粘度化させ
ることにより、インク滴の分離位置を前記選択された第
1の加熱手段の前記ノズルの軸上での吐出口からの距離
に応じて変化させると共に、前記第2の加熱手段を発熱
させて前記ノズル内のインクの粘度を、ノズルの軸に垂
直な面内で局部的に低粘度化させることにより、インク
滴の飛翔方向を変化させて、記録ドットの大きさ及び記
録ドットの位置を調整する。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1の
実施の形態によるインクジェット記録ヘッドの断面を、
ヘッドの動作順に時系列で示す図である。図1(a)を
参照して、この図に示す記録ヘッド1は、ノズル10
と、そのノズルが通じるインク室15と、ノズル内のイ
ンク12に吐出エネルギーを付与する手段としての圧電
素子13と、ノズル内のインク12を局部的に加熱して
低粘度化させるための三つの発熱素子14A,14B,
14Cとからなる。ノズル10は四角筒で、三つの発熱
素子14A,14B,14Cはそれぞれ、角筒の上側面
に設けられた発熱体と下側面に設けられた発熱体とで一
つの発熱素子を構成する。上下それぞれの発熱体は、幅
(紙面に垂直な方向の寸法)×長さ(紙面水平方向の寸
法)が35μm×25μmである。各発熱素子14A,
14B,14Cは角筒の軸に沿ってこの順に、ノズル先
端の吐出口11から150μmの位置を基準にして、1
00μm置きに配置されている。それぞれの発熱素子1
4A〜14Cは、いずれか一つだけが選択的に発熱させ
られるのであるが、その発熱の際には、上下の発熱体が
同時に発熱する。ノズル10の後方(吐出口11に対向
する側)にはインク室15が設けられており、更にその
インク室15に接して、圧電素子13が配置されてい
る。圧電素子13は、ノズル10の軸に沿う方向から見
たとき、断面0.15mm×0.3mmで、厚さ5mm
である。
【0016】以下に、本実施の形態による記録ヘッドの
動作を、図1を用いて説明する。図1(a)は、インク
吐出動作が行われる以前の状態を示す。この状態で、先
ず、図1(b)に示すように、三つの発熱素子14A〜
14Cのうちのいずれか一つ(この場合は、吐出口11
に一番近い発熱素子14A)を駆動し、発熱させる。本
実施の形態では、25V,20μsの単発パルスを印加
した。これにより、インク12中に局部的に粘度を低下
させた部分16Aを形成する。
【0017】次に、この状態において、図1(c)に示
すように、圧電素子13を駆動して変形させ、粘度を低
下させた部分16Aを保ったままで、インク柱12Aを
吐出口11より外部に押し出す。圧電素子13の駆動に
は、20V,100μsの単発パルスを印加した。
【0018】次いで、図1(d)に示すように、圧電素
子13の変形が復帰すると、同時にインク柱12Aが元
に戻ろうとする。この時、インク柱12Aの先端部分に
は、インク滴12Bが分離独立して飛び出す方向に慣性
力が働く。その場合、インク滴の分離はインクの粘度が
低い方が起り易いので、粘度を低下させた部分16Aを
起点にしてインク滴が分離し、飛翔インク滴12Bとな
る。
【0019】この後、図1(e)に示すように、インク
滴12Bとして飛び出した量のインクの補充がインク室
15から行われ、初期状態に戻る。以上の、図1(a)
から図1(e)迄の一連の動作は、インク12の流動性
やノズル10における抵抗によっても相違するが、概ね
100数十μsから数100μs程度の時間で行われ
る。
【0020】本実施の形態においてインク滴12Bの大
きさは、図1(b)における発熱素子14〜14Cの発
熱工程の際に、発熱させた発熱素子の位置により低粘度
化させる部分の位置を変化させることで、行う。すなわ
ち、インク滴12Bの大きさは、吐出口11に一番近い
発熱素子14Aを発熱させた場合に一番小さくなる。一
方、吐出口11から一番離れた発熱素子14Cを発熱さ
せた場合に一番大きくなる。本実施の形態では、インク
滴の量を、10pl,20pl,30plの3種類に調
整できた。
【0021】尚、これまでの説明は、これを簡略化して
理解を容易にするために、インク滴の量を発熱素子14
A〜14Cで3種類に調整する場合について述べたが、
同一構造の記録ヘッドを用いて、4種類に調整可能にす
ることもできる。その場合には、圧電素子13の駆動条
件を変えて、発熱素子14A〜14Cのいずれもが加熱
されていないときのインク滴の分離位置を、発熱素子1
4Aより更に吐出口11に近い位置になるようにすれば
良い。このことは、例えば前述の特開昭60ー2207
57号公報記載の記録装置にも用いられている技術であ
って、特に困難なことではない。
【0022】次に、本発明の第2の実施の形態につい
て、説明する。図2は、本発明の第2の実施の形態によ
るインクジェット記録ヘッドの断面を、ヘッドの動作順
に時系列で示す図である。図2(a)を参照して、この
図に示す記録ヘッド1は、ノズルの吐出口11から一番
遠い第3番目の発熱素子14Cとインク室15との間に
発熱素子14Dが設けられている点が、第1の実施の形
態と構成上異っている。この新たに設けられた発熱素子
14Dは、角筒ノズル10の上側面に設けられた発熱体
と下側面に設けられた発熱体の二つの発熱体からなる。
但し、上下の発熱体は第1の実施の形態とは異って、そ
れぞれ独立に発熱させることができるようにされてい
る。発熱素子14Dの上下の発熱体は、幅35μm×長
さ200μmである。尚、本実施の形態では発熱素子1
4A〜14Cに、第1の実施の形態におけると同一の、
幅35μm×長さ25μmの発熱体を用い、4つの発熱
素子14A〜14Dを、吐出口11から100μmの位
置を基準にして、70μmずつの間隔で配置した。
【0023】以下に、本実施の形態による記録ヘッドの
動作を、図2を用いて説明する。図2(a)は、インク
吐出動作が行われる以前の状態を示す。この状態で、先
ず、図2(b)に示すように、三つの発熱素子14A〜
14Cのうちのいずれか一つ(この場合は、吐出口に一
番近い発熱素子14A)と第4番目の発熱素子14Dの
上下いずれか一つの発熱体(この場合は、下側の発熱
体)を駆動し、発熱させる。本実施の形態では、いずれ
の発熱体にも、25V,20μsの単発パルスを印加し
た。これにより、インク12中に局部的に粘度を低下さ
せた部分16A,16Dを形成する。
【0024】次に、この状態において、図2(c)に示
すように、圧電素子13を駆動して変形させ、粘度を低
下させた部分16A,16Dを保ったままで、インク柱
12Aを吐出口11より外部に押し出す。この場合、イ
ンク12の動き易さは、局部的に粘度を低下させた部分
16Dとそうでない部分とでは異り、粘度の低い方が動
き易い。このことから、吐出口11におけるインク柱1
2Aの吐出速度は、紙面下側の方が上側より速く、その
結果、インク柱12Aの押し出される方向が、図2
(c)に示すように、紙面上方向に変化する。尚、この
工程で圧電素子13の駆動には、20V,100μsの
単発パルスを印加した。
【0025】次いで、図2(d)に示すように、圧電素
子13の変形が復帰すると、同時にインク柱12Aが元
に戻ろうとする。この時、インク柱12Aの先端部分に
は、インク滴12Bが分離独立して飛び出す方向に慣性
力が働く。その場合、インク滴の分離はインクの粘度が
低い方が起り易いので、粘度を低下させた部分16Aを
起点にしてインク滴が分離し、飛翔インク滴12Bとな
る。
【0026】この後、図2(e)に示すように、インク
滴12Bとして飛び出した量のインクの補充がインク室
15から行われ、初期状態に戻る。
【0027】本実施の形態においてインク滴12Bの飛
翔方向は、第4番目の発熱素子14Dの発熱のさせ方に
よって、調整する。すなわち、発熱素子14Dの上下二
つの発熱体のうち下側の発熱体を発熱させることによっ
て、飛翔方向を上向きにすることができる。一方、上側
の発熱体を発熱させることによって、下向きの飛翔方向
にすることができる。この場合、発熱素子14Dによる
加熱の程度を変化させることによりインク12の粘度を
調整することにより、飛翔方向の変化の程度を制御する
ことができる。又、第1の実施の形態におけると同様
に、発熱素子14A〜14Cの選択の仕方により、イン
ク滴の大きさを調整できる。すなわち、本実施の形態の
記録ヘッドでは、インク滴の飛翔方向と大きさとを、共
に調整可能である。
【0028】尚、本実施の形態においても、第1の実施
の形態におけると同様に、インク滴の大きさを4種類に
調整可能にすることができる。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のインクジ
ェット記録装置は、ノズル内のインクをノズルの軸に垂
直な面内でノズルの軸に関して対称に加熱するための、
ノズルの軸に沿って吐出口から離れる方向に配置された
少くとも二つ以上の加熱手段と、ノズル内のインクをノ
ズルの軸に垂直な面内でノズルの軸に関して非対称に加
熱する加熱手段とを備えている。
【0030】これにより本発明によれば、一度打ちで、
インク滴の大きさと飛翔方向とを共に調整可能なインク
ジェット記録装置を提供できる。そして、本発明の記録
方法によれば、一度打ちで、異る特性の記録材に対して
もそれぞれの特性に応じた適切なインク吐出量にコント
ロールでき、又、記録ドットの位置をも調整できるの
で、にじみ率の違い等による不均一性のない高品位で高
精細な多諧調記録を、高速で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるインクジェッ
ト記録ヘッドの断面を、動作順に時系列で示す図であ
る。
【図2】本発明の第2の実施の形態によるインクジェッ
ト記録ヘッドの断面を、動作順に時系列で示す図であ
る。
【図3】従来の技術による一例のインクジェット記録ヘ
ッドの断面を、動作順に時系列で示す図である。
【図4】従来の技術による他の例のインクジェット記録
ヘッドの断面図である。
【符号の説明】
1,3,31,41 記録ヘッド 10,32 ノズル 11,34 インク吐出口 12,33 インク 12A,36A インク柱 12B,36,42 インク滴 13,38,43 圧電素子 14A,14B,14C,14D,47 発熱素子 15 インク室 16A,16D 粘度低下部分 35 メニスカス 39 気泡 42A 帯電インク滴 42B 不要インク滴 44 帯電電極 45 偏向電極 46 ガター 47 記録材

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電素子を用い、記録すべき情報に基づ
    く電気信号に応じてノズル内のインクに圧力を加えるこ
    とにより、ノズル先端の吐出口からインクを吐出して記
    録体に情報を記録する構成のインクジェット記録装置に
    おいて、 前記ノズル内のインクをノズルの軸に垂直な面内でノズ
    ルの軸に関して対称に加熱する加熱手段を、ノズルの軸
    に沿って前記吐出口から離れる方向に少くとも二つ以
    上、備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】 圧電素子を用い、記録すべき情報に基づ
    く電気信号に応じてノズル内のインクに圧力を加えるこ
    とにより、ノズル先端の吐出口からインクを吐出して記
    録体に情報を記録する構成のインクジェット記録装置に
    おいて、 前記ノズル内のインクを、ノズルの軸に垂直な面内でノ
    ズルの軸に関して非対称に、加熱する加熱手段を備える
    ことを特徴とするインクジェット記録装置。
  3. 【請求項3】 圧電素子を用い、記録すべき情報に基づ
    く電気信号に応じてノズル内のインクに圧力を加えるこ
    とにより、ノズル先端の吐出口からインクを吐出して記
    録体に情報を記録する構成のインクジェット記録装置に
    おいて、 前記ノズル内のインクをノズルの軸に垂直な面内でノズ
    ルの軸に関して対称に加熱する第1の加熱手段を、ノズ
    ルの軸に沿って前記吐出口から離れる方向に少くとも二
    つ以上備えると共に、 前記ノズル内のインクをノズルの軸に垂直な面内でノズ
    ルの軸に関して非対称に加熱する第2の加熱手段を、前
    記吐出口から前記第1の加熱手段より遠い位置に備える
    ことを特徴とするインクジェット記録装置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のインクジェット記録装
    置を用い、前記複数の加熱手段の中から一つを選択しこ
    れを発熱させて前記ノズル内のインクの粘度を局部的に
    低粘度化させることにより、インク滴の分離位置を前記
    選択された加熱手段の前記ノズルの軸上での吐出口から
    の距離に応じて変化させて、記録ドットの大きさを調整
    することを特徴とする記録方法。
  5. 【請求項5】 請求項2に記載のインクジェット記録装
    置を用い、前記加熱手段を発熱させて前記ノズル内のイ
    ンクの粘度を、ノズルの軸に垂直な面内で局部的に低粘
    度化させることによりインク滴の飛翔方向を変化させ
    て、記録ドットの位置を調整することを特徴とする記録
    方法。
  6. 【請求項6】 請求項3に記載のインクジェット記録装
    置を用い、前記複数の第1の加熱手段の中から一つを選
    択しこれを発熱させて前記ノズル内のインクの粘度を局
    部的に低粘度化させることにより、インク滴の分離位置
    を前記選択された第1の加熱手段の前記ノズルの軸上で
    の吐出口からの距離に応じて変化させると共に、 前記第2の加熱手段を発熱させて前記ノズル内のインク
    の粘度を、ノズルの軸に垂直な面内で局部的に低粘度化
    させることにより、インク滴の飛翔方向を変化させて、
    記録ドットの大きさ及び記録ドットの位置を調整するこ
    とを特徴とする記録方法。
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