JPH09108887A - 耐摩耗材 - Google Patents
耐摩耗材Info
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- JPH09108887A JPH09108887A JP29349195A JP29349195A JPH09108887A JP H09108887 A JPH09108887 A JP H09108887A JP 29349195 A JP29349195 A JP 29349195A JP 29349195 A JP29349195 A JP 29349195A JP H09108887 A JPH09108887 A JP H09108887A
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Abstract
た耐摩耗性を示し、しかも経済性に優れた耐摩耗材を提
供する。 【構成】 マンガンを主な合金成分とするマンガンオー
ステナイト系合金または硬度がHv500〜900であ
るマルテンサイト系合金をマトリックスとし、そのマト
リックス中に断面積比で20〜70%の高硬度炭化物粒
子を混合した複合材を肉盛する。肉盛には、エレクトロ
スラグ溶接、エレクトロガス溶接、エレクトロノンガス
溶接等の大入熱溶接を用いた単層立て向き溶接を使用す
る。
Description
ブルやローラのような高面圧摩擦を受ける面部材に使用
されて優れた耐摩耗性を示す耐摩耗材に関する。
ける破砕面の肉盛には、耐摩耗性に優れた高炭素高クロ
ム鋳鉄系の合金が用いられてきた。その組成は例えばC
3〜6%、Cr14〜35%を主成分とし、Nb,M
o,W,V,B,Ti等の高硬度炭化物を形成する合金
元素を単独に又は複数種混合して含有させたものであ
り、代表的なものとしてはC5.5%−Cr22%−Nb
7%−Mo7%−W2%−V1.5%がある。
盛金属に多数の割れを生じ、破砕面に大きい衝撃が加わ
ると剥離する危険性をもつものの、現時点では最も耐摩
耗性に優れることから、やむを得ず使用されているのが
実情である。ちなみに、高硬度炭化物形成元素を含有し
ていない単なるマルテンサイト系合金やマンガンオース
テナイト系合金、Mn−Crオーステナイト系合金等
は、剥離脱落の危険性はないものの、低面圧下での使用
では十分な耐摩耗性を示さないことが知られている。
砕面に肉盛を行う方法としては、例えば粉砕機のローラ
を例に取れば、下向き自動溶接により溶接ワイヤをロー
ラの表面に巻付けるような方法が採用されてきた。
積層されるため、溶接内部応力が蓄積され、30mm以
上の厚さになると、使用中にローラの破砕面が受ける剪
断、衝撃、圧縮応力により、一種の冶金的不連続部を形
成する肉盛金属と母材の境界面に集中応力が発生して、
肉盛金属が母材ローラとの境界面から剥離脱落を生じた
り、表層部が衝撃により剥離したりする。そのため、3
0mm以上の肉盛は困難であった。また溶接能力が低い
ために、多量の金属を肉盛する場合は多大の工数を必要
として、コスト的に見合わないのが現状である。
面の肉盛溶接に関して大入熱の単層立て向き溶接を用い
ることを企画した(特開平7−51585号公報)。
トロガス溶接、エレクトロノンガス溶接等の大入熱溶接
を用いた単層立て向き溶接方法であり、1951年頃に
旧ソ連のキエフ市にあるパトン研究所で開発された。こ
の方法の本来の使い方は、例えば40mm以上の厚肉の
板材を突き合わせ溶接する場合、突き合わせ間隔を約2
0〜30mmのI型開先とし、その開先を立てると共に
両側から水冷銅当金により開先を囲い、前述した大入熱
溶接法を用いて電極ワイヤを開先内に下から上へ順次溶
融充填して板材を溶接するというようなものである。
先内に3〜6本の電極ワイヤを挿入し、多電極で肉盛を
行えるので、300mmを超える肉厚の鋼板でさえ高能
率に溶接できる。例えば、300mmの肉厚をもつ鋼板
を、1000mmの長さにわたって溶接したとすれば、
アーク時間は約2時間となる。これを下向き溶接で行っ
たとすれば、最も高能率と言われるサブアージアーク溶
接を使用しても、約7〜10時間のアーク時間を要す
る。両溶接方法とも3電極を使用し、溶接電流は600
A、開先間隔は50mmとした場合である。
下向き溶接の間には実に約3.5〜5倍の能率の違いが存
在する。この比較は単にアーク時間の比較に留めている
が、溶接に必要な段取り時間やその溶接に関わる手間時
間を考慮すると、更に大きな差異が生じる。
は、非常に高能率であるので、破砕面の肉盛に使用すれ
ば、巨大ローラのように多量の溶接材料を必要とする場
合も、コスト的に見合う施工を期待できる。
入熱による単層立て向き溶接方法に従来から使用されて
いる耐摩耗性の溶接肉盛材料、すなわち高炭素高クロム
鋳鉄系合金を用いると、次のような重大な問題を生じる
ことが判明した。
硬度耐摩耗金属は総じて金属自体に殆ど靱性がない。そ
のため、仮に多数の割れを発生せずに厚肉に金属を肉盛
することができたとしても、内部に蓄積されている応力
のため、使用中の僅かな衝撃により表層部が小片状ある
いは鱗状、切片状に微小剥離を繰り返し、早期摩耗に進
展する現象が生じる。
厚さが最大5mm程度であることから、1層毎にこの割
れが発生し、溶接内部応力を自ら解放することにより、
内部応力の蓄積による表層部の微小剥離が防止される。
このようなことから、アメリカではこの割れを応力除去
割れと呼び、剥離防止のためにむしろ歓迎する傾向にあ
る。
向き溶接では、肉盛金属が緩慢冷却されるために割れの
発生が抑制されて、溶接内部応力の解放を殆ど期待でき
なくなり、そのために肉盛金属に蓄積される内部応力は
莫大になり、その結果、使用中の僅かな衝撃によっても
肉盛金属表層部の微小剥離を繰り返し、意外にも早期摩
耗を生じるのである。また、下向き溶接姿勢において
も、1層当りの肉厚が10mmを超えると同様に割れの
発生が抑制されて同様の傾向を示した。
用される高面圧ダブルロールクラッシャーの破砕面が受
ける最大面圧は約350N/mm2 にもなり、この巨大
面圧でクリンカーがケーキ状に粉砕され、その結果、次
工程で仕上げ粉砕に使用されるボールミルでの粉砕時間
が著しく短縮され莫大な電気エネルギーが節約される。
しかし、あまりにも破砕面の面圧が高いので、肉盛金属
が数千時間使用後に剥離を発生したり、母材ローラとの
肉盛金属との境界面から脱落を発生するため、現在は非
常に短寿命である。そのため、この粉砕機を使用してい
る工場ではそのメンテナンスに困っているのが現状であ
る。
多量の原料を粉砕、乾燥するために巨大竪型ミルが使用
されているが、その粉砕ローラの重量は約7〜11トン
もあり、破砕面に生じる面圧は約800〜1000kg
/cm2 にも達する。この巨大ローラの構成材は高クロ
ム鋳鉄、ニハード鋳鉄、クロム−モリブデン鋳鉄(FC
W)等の耐摩耗性金属からなる鋳造材である。
は、母材合金ローラに普通鋳鋼を使用し、肉盛は単層立
て向き溶接方法を適用して、少なくとも50〜100m
mの肉厚を確保する必要がある。従来の肉盛方法である
ローラ表面にワイヤを巻きつける肉盛方法では、前述し
たように30mm以上肉盛すると剥離脱落が発生して使
用に供せないのが現状であり、例え30mm程度肉盛し
たとしても、100mm以上の肉厚を摩耗させる耐摩耗
鋳鉄に匹敵する寿命を与えることが不可能なため、この
種巨大粉砕ローラの肉盛製作は事実上不可能であった。
単層立て向き溶接により肉盛でき、しかも高面圧を受け
た場合にも、微小剥離による早期摩耗を生じない耐摩耗
材を提供することにある。
に、本発明の耐摩耗材は、低面圧下での耐摩耗性を犠牲
にして靱性を高めたマトリックス金属と、そのマトリッ
クス金属の耐摩耗性を補うためにマトリックス金属中に
20〜70%の断面積比で分散混合された高硬度炭化物
粒子とを組み合わせた複合材を用いる。
な合成成分とするマンガンオーステナイト系合金または
硬度がHv500〜900であるマルテンサイト系合金
を用いる。これらは、高クロム鋳鉄系の合金と比較し
て、低面圧の場合の耐摩耗性は良くないが、高面圧の場
合の耐摩耗性はほぼ同等であり、そして何よりも靱性が
格段に良好である。ただし、両者を比較した場合は、使
用面圧範囲の広いマンガンオーステナイト系合金の方が
望ましい。
ではG5131に規定されており、重衝撃摩耗に強く靱
性に著しく優れるので、従来から粉砕機やブルドーザー
のツース等に適用されてきた。例えば14%マンガン鋼
はエレクトロスラグ溶接法を適用して肉盛された場合、
巨大入熱を与えられ緩慢冷却されるので肉盛金属が脆化
しやすいが、例え脆化を生じても前記に示した高クロム
鋳鉄系肉盛合金に発生する割れから判断して、このマト
リックスと比較すれば遙かに耐摩耗性や破壊抵抗を保持
しており、靱性に優れている。その脆化の程度は約30
0℃で1時間連続加熱した場合でさえ、引張強度や硬度
は常温と比較しても殆ど変化なく伸びや絞りが約10%
低下するに過ぎない。
ト系合金は、JIS G5131をベースとしたもので
あり、Mn以外の合金元素としてはオーステナイト組織
を安定化させるNi、変形抵抗を高めるMoおよびC
r、炭化物を形成しやすいNb,V,WおよびB等を適
宜添加することができる。マンガンオーステナイト系合
金がもつ基本的な性質に悪影響を及ぼさなければ如何な
る合金元素の添加も可能であるが、例えばP,S等はマ
ンガンオーステナイト系合金を脆化させるので、極力少
なくするのが望ましい。望ましい成分組成は以下の通り
である。
あると変形抵抗が大幅に減少し且つ耐摩耗性が減少す
る。Cが1.8%を超えると著しく靱性を減じるし、粒界
に炭化物を析出し易い。又、エレクトロスラグ溶接にお
いてはこれ以上の炭素量になるとスラグが不安定になり
安定した溶接が困難になる。特に望ましいC量は0.5〜
1.2%である。
25%以上を超えると肉盛金属の伸びが減少し靱性か損
なわれるようになる。あまりクロム含有量が多くなると
フェライト組織を高めるのでこれを限界とする。特に望
ましいCr量は1.5〜20%である。
ことができないが、18%Cr,Ni8%の添加で十分
な強度が得られていることは公知である。従って、5%
以上が引張強度を得るために必要である。Mnが30%
を超えると引張強度、硬度が上昇し靱性が損なわれるよ
うになる。従って、Mn含有量の上限は30%までとす
る。特に望ましいMn量は11〜25%である。
金元素であるが、10%以上になる耐摩耗性が悪くなり
当初の目的とする高面圧下における耐摩耗性を持つマト
リックスが得られない。特に望ましいNi量は0.3〜5
%である。
超えると急激に粘り強さや強度が低下する。特に望まし
いSi量は0.3〜1.0%である。
ために窒素が添加されることもある。その他、不可避不
純物のP,S等が考えられるが、基本成分であるMn−
オーステナイト系鋼の基本的性質に悪影響を与えない程
度に含有されるのはやむを得ない。P<0.100%、S
<0.050%がJISにて規定されている。
形成元素として添加されるが、一部マトリックスに溶解
する。溶解によるマトリックスへの含有量は複数の元素
の合計が10%を超えるとマトリックスの粘さや衝撃抵
抗が損なわれる。
ト系合金も、マンガンオーステナイト系合金と同様に、
巨大入熱を与える単層立て向き溶接方法を使用して肉盛
しても、その蓄積された内部応力で使用中の高面圧摩耗
を受けた場合でさえ、破砕面が微小剥離を発生すること
がない。
学成分を持つ合金が存在し、JIS規格では合金工具鋼
系、高速度鋼系、マルテンサイト系13%Cr鋼、同1
7%Cr鋼、熱間ダイス系鋼、冷間ダイス系鋼等があ
る。単層立て向き溶接方法は非常に供給熱量が高く、溶
接後緩慢徐冷されるためにマルテンサイト変態を行って
も肉盛金属は割れ難く、とりわけ予熱の必要もなく、こ
の種金属系の肉盛方法としては最適と考えられる。
は500未満ならばマトリックスとしての耐摩耗性に乏
しく早期摩耗を発生しやすく、900を超える硬度にな
ればマトリックスがマルテンサイトであっても高硬度炭
化物を析出する金属になり、チッピングを生じやすくな
るからである。
の範囲は0.3〜1.3wt%が望ましい。Cが0.3%未満
ならば十分な硬度が得られない。Cが1.3%を超える
と、炭化物を形成しやすい合金元素が含まれている場
合、マトリックスに例えばB炭化物、Nb炭化物、Cr
炭化物等の炭化物が析出して本来の目的とする靱性のあ
る基地組織が得られなくなる。しかし、JIS SKH
9種の高速度鋼程度の炭化物の析出は許容される。
を高めると同時に耐摩耗性を向上させるCr,Mo,M
n,V,W,B等の合金元素の適切な量を添加するのが
望ましい。Niは焼入れない状態の粘り強さを増加する
ので、粘さを調整するために添加するのがよい。Siは
焼入れ性を高め、硬度を高める作用が強く、焼戻しに対
する抵抗性を与える。最大4%程度まで添加した合金も
ある。高速度鋼系になるとCoが添加される。この元素
はマトリックスの炭素の溶解度を高め炭素をより多く地
に溶解するので、焼戻し安定度と高温硬さを増加させ
る。
の耐摩耗性を高めるために、断面面積比率で20〜70
%占めるように添加される。マトリックスの硬度が軟ら
かい場合には炭化物の添加量を多くし、硬度が高い場合
には添加量を少なめに調整される。又、破砕面が受ける
面圧が非常に高い場合に炭化物の量があまりに多いと、
脱落現象を発生するので、面圧に応じて炭化物の量を調
整しなければならない。炭化物が20%未満ならば十分
な耐摩耗性を与えることができず、70%を超えると靱
性の有るマトリックスの量が不足して使用中の高面圧を
受けると炭化物がマトリックスから脱落しやすくなり早
期摩耗を発生しやすい。
として適宜粒度を混ぜて製造すればよいが、粗粉砕の場
合には粗粒の炭化物粒を多目とし、微粉砕を行う場合に
は細粒の炭化物を多目にする必要がある。
r炭化物,Nb炭化物,V炭化物,Mo炭化物、W炭化
物,Zr炭化物等を単独または複数種混合して用いるこ
とができる。
上、特に100kg/cm2 以上の高面圧摩擦を受ける
面部材に適する。破砕面の場合、破砕面の原料との接触
面積をS,破砕面に付加される全荷重をMとすると、M
/Sにより面圧が算出される。接触面積Sは破砕面が偏
摩耗を発生して交換された時点で最も粉砕に寄与した想
定される破砕面を取り上げ、その部分の面積を計測する
ことにより求めることが可能である。接触面の荷重とは
ローラの重量以外にローラを保持するシャフト類等の全
ての荷重が含まれる。又、ローラに外部から負荷される
圧力も含めた荷重を採用する。
テーブル、タイヤ等があり、さらに具体的には2個の相
対抗する破砕面で、例えば製鉄所のスラグ、セメント工
場のクリンカー、石炭、石灰等を高面圧で粉砕する粉砕
機の破砕面がある。しかし、高面圧を摩耗面に受ける用
途ならば粉砕機の破砕面以外に適用しても良い。例え
ば、ブルドーザーのショベルの底板やツース等にも適用
可能である。また、従来、オーステナイトマンガン鋼溶
接棒やワイヤを使用して肉盛していた用途において、例
えその用途が低応力研磨耗を受ける場合であっても炭化
物が多量含有されているので以前に比べ優れた耐磨耗性
を与えることが出来る。
クトロスラグ、エレクトロガス、エレクトロノンガス等
の大入熱溶接を用いた単層立て向き肉盛溶接を用いるこ
とが望ましいが、従来の下向き溶接姿勢で使用すること
も可能であり、その場合は1層当りの肉厚を厚く肉盛が
できて能率を向上させることが可能である。
く、50mm以上が更に望ましく、100mm以上も可
能である。このような極厚の単層肉盛も行い得ることに
本発明の一つの意義がある。
材金属の線膨張係数より大きいのが望ましい。線膨張係
数の差異により発生する内部応力により肉盛金属と母材
金属との境界面に故意に融合不良を発生させれば、肉盛
金属に発生する割れを軽減しもしくは防止し、さらに溶
接内部応力の蓄積を軽減して、例え粉砕時に高面圧摩耗
を受けても溶着金属の微小剥離を抑えることができる。
また、溶け込み不良により肉盛金属が母材金属から脱落
する事故は溶け込み線の投錨効果を与える形状により回
避することができる。
は、管状溶接ワイヤの内に当初から包合させておく他、
マトリックスと炭化物とを別に添加する外部供給方法も
可能である。
媒体により受ける面圧により摩耗量が大きく変化し、面
圧が大きくなればなるほど摩耗量は増加することが知ら
れている。粉砕機ローラに使用される各種耐摩耗金属が
低応力、高応力を受けた場合の耐摩耗性の変化、並びに
金属間相互の耐摩耗性の相違を摩耗試験により調査し
た。その、結果を以下に説明する。
の荷重を付加した低応力研摩試験と試験片に50k/c
m2 から1560k/cm2 までの面圧を付加した高面
圧研摩試験の2種類とした。前者と後者の摩耗試験方法
は異なるが、各種耐摩耗性金属の相互間の摩耗比較は例
え試験方法が異なっても問題はなく、傾向を把握する上
では十分に有効である。
の金属はすべて鉄基マトリックスである。
ドレスベルトグラインダーを利用して研摩ベルト上の試
験片に1.5kgの荷重を付加して1分間摩耗させてその
摩耗減量を測定して摩耗容積を算出する。標準試験片を
高クロム鋳鉄として、各種試験金属との摩耗容積を比較
した。
験片に荷重を加えるための油圧シリンダーを装備してお
り、、その軸端に試験片を取りつけ、一定圧力を付加し
て一定時間回転させる。試験片は円筒形の容器の中に詰
められた研摩耗媒体を回転しつつ粉砕する。その間の試
験片の摩耗減量が測定され標準試験片と比較される。標
準試験片は高クロム鋳鉄を使用する。摩耗試験は測定誤
差を避けるために10回行い、その平均を測定値とし
た。10回毎に研摩耗媒体は取り替えられる。摩耗係数
は上記低応力摩耗試験方法と同じである。
は、粉砕機で粉砕される主たる原料(例えば石炭、石
灰、粘度、岩石、土砂等)に最も多く含まれて固い材料
がシリカであるからである。従って、実際に即応できる
ように研摩耗媒体にシリカを採用した。
並びに高面圧研摩試験の結果を示す。
ンオーステナイト系合金(オーステナイトマンガン鋼お
よびMn−Crオーステナイト鋼)の約2倍の耐摩耗性
があり、マルテンサイト系合金の約3〜6倍の耐摩耗性
を示す。高炭素高クロム鋳鉄系溶接ワイヤになると、N
o. 4では約5倍、No. 6で約9倍程、高クロム鋳鉄よ
り耐摩耗性が優れる。
ロム鋳鉄より更に耐摩耗性が優れるのは、肉盛り溶接ワ
イヤには多量の炭素や各種炭化物析出合金が添加されマ
トリックスに多量の炭化物が析出されるためである。高
クロム鋳鉄は鋳鉄であるからあまり炭化物の析出を多く
すると靱性に欠け使用中に破断する危険性があるので、
耐摩耗性をある程度犠牲にして衝撃を高めるように設計
している。しかし、肉盛ワイヤは母材金属に軟鋼を使用
してその上に肉盛りして使用されるために衝撃に対する
破断の防止は母材が受け持つので肉盛金属の耐摩耗性は
著しく高めることが出来るわけである。
の圧力が少ない場合には、高硬度炭化物を多量に析出し
ている金属の方が優れた耐摩耗性を示すことが判明し
た。
変わる。オーステナイトマンガン鋼およびMn−Crオ
ーステナイト鋼の場合、高クロム鋳鉄との耐摩耗性の差
は、面圧が50kg〜560kg/cm2 の間では材質
にもよるが高クロム鋳鉄の方が約1.2〜1.6倍程度良好
であるにすぎず、その差は非常に少なくなる。
は逆に高クロム鋳鉄より耐摩耗性が良くなる。これはマ
ンガンオーステナイト系合金の特性である摩耗面の加工
硬化によることと、靱性に優れているために摩耗面に微
小剥離現象が発生しないことと想定される。1560k
g/cm2 になると高クロム鋳鉄の方が良くなるのは、
マンガンオーステナイト系合金に発生する加工硬化層の
厚みが非常に薄く、大まかな測定によっても0.3mm程
度であって、この薄層の硬度は約Hv700程度の硬度
があり、著しい面圧のために微小剥離を発生して高クロ
ム鋳鉄との耐摩耗性に逆転現象が発生したためと想定さ
れる。
の場合には、加工硬化層を除けば本来のHV200〜H
V260の硬度の柔らかい金属が現出するが、高クロム
鋳鉄では肉厚方向に対し前者より一定した高硬度を保持
し、その硬度はHv680程度あり、硬度差はマンガン
オーステナイト系合金の約2〜3倍に相当するので、そ
の差により耐摩耗性が逆転したと想定できるのである。
耗性の差は少なく1.5倍程度に過ぎない。この現象から
マンガンオーステナイト鋼やMn−Crオーステナイト
鋼は50kg/cm2 以上の高面圧を受ける破砕面の耐
摩耗材のマトリックスに非常に適切であることがわか
る。
は高クロム鋳鉄と約3〜6倍の耐摩耗性の差になるが、
高面圧になるとその差が少なくなり、鋼種や面圧にもよ
るが、1〜2倍程度の差に縮まる。特に面圧が560k
g/cm2 になると高クロム鋳鉄より耐摩耗性に優れた
材料もあり、傾向としては高クロム鋳鉄の耐摩耗性に接
近してくる。
接触面の温度が500〜600℃のマルテンサイト鋼の
焼戻し温度に上昇して二次硬化を発生して耐摩耗性が改
善されたものと考えられる。従って、二次硬化をして硬
度が上昇するマルテンサイト系合金の使用も望ましく、
具体的には例えばJIS合金工具鋼のSKD4,5,
6,61や高速度鋼のSKH9種等を挙げることができ
る。
ると接触面の温度はさらに上昇して硬度が軟化して耐摩
耗性が悪くなり、高クロム鋳鉄の約1/2以下の耐摩耗
性に低下する。従って、マルテンサイト系合金は面圧が
100〜1000kg/cm2 の範囲での高面圧を受け
る破砕面の耐摩耗材のマトリックスに適切である。
イヤについてであるが、No. 6ワイヤは低面圧下では高
クロム鋳鉄の約9倍の耐摩耗性を示すが、面圧が上昇す
るとその差は非常に少なくなり、約2.4〜3.3倍程度に
縮まる。
受ける面圧は840〜1060k/cm2 程度が想定さ
れるが、この面圧下ではNo. 6の肉盛ワイヤは高クロム
鋳鉄と比較して僅か2.4倍の耐摩耗性しか与えることが
できない。例えば、ローラの摩耗距離が100mmで交
換されると仮定すれば、高クロム鋳鉄ローラの2倍の寿
命を与えるためには約80〜85mmの肉厚が必要であ
る。
ヤの中でも最高の耐摩耗性を与える成分であるが、この
合金でさえ高クロム鋳鉄のわずか2.4倍の耐摩耗性しか
与えることができないのが現状である。このワイヤは非
常にコストが高く巨大ローラの肉盛に適用してもコスト
的に採算が取れず、事実上肉盛ローラの製作は不可能と
結論されている。
に、破砕面の面圧が上昇するとマトリックスに多量の高
硬度炭化物を析出する高炭素高クロム鋳鉄系溶接ワイヤ
や高クロム鋳鉄は、粉砕原料としての激しい引っ掻き摩
耗を受け、硬い炭化物がミクロ的にチッピングを発生し
て早期摩耗を発生していると想定できた。
により高面圧を受けると内部応力解放のために容易に微
小剥離を繰り返し早期摩耗を発生しているようにも想定
できた。これらの現象は高硬度炭化物を多量に析出し
て、マトリックスの靱性に乏しい金属系ほど顕著であっ
た。
の破砕面等にはマトリックスとしてマンガンオーステナ
イト系合金、マルテンサイト系合金等が望ましい。マン
ガンオーステナイト系合金の場合には単層立て向き溶接
法のような巨大入熱を供給する方法では肉盛金属が脆化
して強度が低下するが、現在肉盛に使用されている高炭
素高クロム鋳鉄系溶接ワイヤのマトリックスでは無数に
割れを発生して殆ど靱性がないことから判断すれば、少
々脆化しても使用に対して全く問題を生じない。しか
し、625℃の応力除去焼鈍を行う場合にはやはり脆化
は避けられないので、熱影響を受けにくいMn−Crオ
ーステナイト系鋼を使用すれば良い。
の耐摩耗性をWとすれば、Wは高クロム鋳鉄の耐摩耗性
wを100として50以上200以下の範囲内に入って
いれば良い。
使用面圧範囲が約100〜1000kg/cm2 と狭く
適用範囲が限定されやすいのに対し、マンガンオーステ
ナイト系マトリックスはその面圧の適用範囲が広く安心
して適用できる。
ために高硬度を持つ各種炭化物を機械的に包合させる必
要がある。炭化物は供給熱で溶融しないことが重要であ
るが、マトリックスの靱性に影響を与えない程度の一部
溶融は許される。従って、融点の高い炭化物を選択すべ
きであることは当然である。エレクトロスラグ法では溶
融スラグのジュール熱を利用して溶接肉盛されるので、
アーク法とは異なり供給熱の温度が低く炭化物の溶融は
生じ難い。炭化物の粒径は20〜5000μmの範囲と
して小粒と大粒とが混在している方がよい。炭化物の形
状は球形が好ましいが塊状に粉砕されたものでも良い。
合には耐摩耗性を与える各種炭化物の添加量を増加すれ
ば良く、マトリックスが耐摩耗性に優れている場合には
逆に添加量を少なくしてバランスを取れば良い。
化物、チタン炭化物、ニオブ炭化物、タングステン炭化
物、バナジウム炭化物、クロム炭化物、モリブデン炭化
物、ジルコン炭化物等のうちの1種または2種以上がマ
トリックス金属中に断面積比で20〜70%を占める割
合で包含された複合材である。
rオーステナイト系鋼を使用した(表中のNo. 3金
属)。このマトリックスの初期硬度はHv260であ
る。C1.2% Cr9.5% Mn18% Si0.3%
Nb3%
グステン炭化物を用いた。試験片は上記マトリックス中
にこのタングステン炭化物を面積比で50〜60%混合
させたものである。
を用いた単層立て向きのエレクトロスラグ肉盛溶接によ
り行った。溶接では肉厚が30mmの水冷鋼板で底部と
四方を囲って形成した横30mm×縦30mm×高さ5
0mmの空間に管状ワイヤにてマトリックスおよび約3
0%の炭化物を供給し、残りの炭化物を外部から供給し
た。溶接条件は以下の通りとした。
m2 の高面圧研摩耗試験を行った。試験結果は非常に良
好で高クロム鋳鉄の約4倍の耐摩耗性を示した。このよ
うな高面圧下でさえタングステン炭化物の脱落は発生せ
ず、所期の目的を達成した。
測定したところ、初期硬度Hv260からHv650〜
700まで上昇した。これは高面圧により研摩材との引
っ掻き摩耗を受けて加工硬化したものと想定できる。硬
度から判断すれば高クロム鋳鉄と同程度の硬度になり、
これによりマトリックスの摩耗を防止し、タングステン
炭化物粒子の添加効果により、4倍の耐摩耗性が得られ
たと推定できる。No.6の高炭素高クロム鋳鉄ワイヤと
比較すれば2倍の耐摩耗性を示した。
の成分を選択した(表中No. 8金属)。C0.5% Mn
2.0% Si0.2% Cr12% V0.5% Mo4.0
% W1.0% Ni2.0%
鋼であるが、V,Mo,W,Ni等の合金元素が多種類
含有されているので、550℃の焼戻しを受けると二次
硬化して硬度がHv540からHv680にも上昇する
特性を持つ。このマトリックスに実施例1と同じ方法で
粒径が0.5〜1.0mmのタングステン炭化物を50〜6
0%添加した。560kg/cm2 の高面圧で摩耗試験
したところ、高クロム鋳鉄の約4倍の耐研摩耗性を示し
た。高面圧での摩耗試験後の硬度を測定したところ、H
v650〜Hv690の硬度を示した。これも高クロム
鋳鉄の硬度とほぼ同程度であり、この場合にもタングス
テン炭化物の脱落は発生しなかった。
能と考えられたセメント工場で使用される原料ミルの巨
大粉砕ローラの肉盛加工を可能にする。また、従来、高
炭素高クロム鋳鉄系ワイヤで50mm厚み肉盛していた
粉砕ローラに対しては、約2倍の耐摩耗性を持つことか
ら肉厚が25mmですみ、さらにエレクトロスラグ溶接
による高能率により肉盛時間が大幅に短縮されるため、
従来コストが見合わなかった粉砕ローラの肉盛製作を可
能にする。
金元素であるが、10%以上になると耐摩耗性が悪くな
り当初の目的とする高面圧下における耐摩耗性を持つマ
トリックスが得られない。特に望ましいNi量は0.3
〜5%である。
Claims (3)
- 【請求項1】 摩擦を受ける面部材に使用されて優れた
耐摩耗性を示す耐摩耗材であって、マンガンを主な合金
成分とするマンガンオーステナイト系合金または硬度が
Hv500〜900であるマルテンサイト系合金をマト
リックスとして、そのマトリックス中に断面積比で20
〜70%の高硬度炭化物粒子を混合した複合材であるこ
とを特徴とする耐摩耗材。 - 【請求項2】 50kg/cm2 以上の高面圧摩擦を受
ける面部材に使用されることを特徴とする請求項1に記
載の耐摩耗材。 - 【請求項3】 大入熱を用いた単層立て向き溶接法によ
り肉盛された単層肉盛材であることを特徴とする請求項
1または2に記載の耐摩耗材。
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JP2006241505A (ja) * | 2005-03-02 | 2006-09-14 | Ing Shoji Kk | 高硬度異形炭化物粒子及びこれを用いた耐摩耗材 |
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1995
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