JPH09108617A - 熱転写記録媒体 - Google Patents

熱転写記録媒体

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JPH09108617A
JPH09108617A JP7271298A JP27129895A JPH09108617A JP H09108617 A JPH09108617 A JP H09108617A JP 7271298 A JP7271298 A JP 7271298A JP 27129895 A JP27129895 A JP 27129895A JP H09108617 A JPH09108617 A JP H09108617A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単に形成できるとともに、良好な印字の得
られる熱転写記録媒体を提供すること。 【解決手段】 光によりラジカル重合するとともにその
重合物のガラス転移温度が0℃以下となるモノマーを記
録材料に含ませ、この記録材料に光を照射して前記モノ
マーをラジカル重合させて前記重合物を形成することに
よりインク層3を構成したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はワープロ、ファクシ
ミリ等の情報処理装置の出力用端末機器として利用され
ている熱転写記録装置における熱転写記録媒体に係り、
特に、インク層を紫外線硬化樹脂により形成されている
熱転写記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、ワープロ、ファクシミリ、コンピ
ュータ等の情報処理装置の出力用端末機器として、各種
プリンタが用いられており、その記録方式として、熱転
写方式、電子写真方式、インクジェット方式、ワイヤド
ット方式など各種の方式が提案されている。
【0003】これらの中で、その静寂性、低コスト性、
小型化適応能力、簡易操作性、高信頼性の各点から、サ
ーマルヘッドと称される発熱抵抗素子アレイを用いた熱
転写方式が従来より広く用いられており、近年ではその
用途が業務用からホームユース、さらにはホビー用へと
拡大している。
【0004】また、この熱転写方式は、熱転写記録媒体
のインクをサーマルヘッドの熱により溶融して普通紙か
らなる記録用紙に転写する溶融熱転写方式と設定温度以
上の熱により発色する感熱紙を使用しこの感熱紙をサー
マルヘッドの熱により発色する昇華熱転写方式の2種類
に大別できるが、価格の面から溶融熱転写記録方式が主
流となっているのが現状である。
【0005】図3は、前述した溶融型熱転写方式の基本
原理およびこの溶融型熱転写方式に使用される熱転写記
録媒体1の基本的な構成を示したものであり、一般にイ
ンクリボン、インクシートなどと称される熱転写記録媒
体1は、基材2にインク層7を積層させた構造となって
いる。
【0006】前記熱転写記録媒体1の基材2には、通常
1〜12μmの膜厚を有する高分子樹脂フィルムが用い
られており、基材2の材料としては、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド、
ポリエーテルエーテルケトン、アラミドなどの汎用樹脂
が利用されている。
【0007】また、基材2の背面2aには、摺接による
サーマルヘッドの摩耗の低減、熱転写記録媒体1たるイ
ンクリボンの走行の安定化、インクリボンの巻取り時の
インク面との融着防止などの目的で潤滑層4を塗布する
のが一般的である。
【0008】前記熱転写記録媒体1のインク層7は、ワ
ックス等の熱溶融性物質と記録用紙との密着性の良好な
熱溶融性樹脂を主成分とし、着色剤として各種顔料およ
び各種の可塑剤、分散剤、酸化防止剤等を微量添加する
ことにより構成されている。このインク層7に用いられ
るワックスとしては、カルナバワックス、キャンデリラ
ワックス、ライスワックス、パラフィンワックス、マイ
クロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックスなど
を挙げることができ、これらが単独あるいは混合されて
使用される。
【0009】また、インク層7に用いられる熱溶融性樹
脂としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン
−酪酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル共重合体な
どのエチレン系共重合体、ポリラウリルメタクリレー
ト、ポリヘキシルアクリレート等のポリ(メタ)アクリ
ル酸エステル類、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合体、塩化ビニル−ビニルアルコール共重合体
などの塩化ビニル系共重合体などを挙げることができ、
これらの樹脂が単独あるいは混合されて使用される。
【0010】そして、この熱転写記録媒体1を形成する
際には、ホットメルト法、すなわち前記ワックス等の熱
溶融性物質と前記熱溶融性樹脂とを主成分としたインク
を加熱して溶融状態で前記基材2に塗布した後、冷却固
化させて形成するか、あるいは、ソルベント法、すなわ
ち基材2を樹脂溶液又はその分散液中に浸し、付着した
膜を残すために溶剤を蒸発させて取り除くことにより形
成されていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
熱転写記録媒体1では、ホットメルト法により形成する
場合には、インクを常に溶融しておく必要があり、装置
も大型化し消費電力が大きくなってしまうという問題が
あった。一方、ソルベント法により形成する場合には、
溶剤の廃棄処理の問題や、溶剤を取り除く蒸発熱を与え
るために加熱しなければならず、この加熱に必要な電気
炉などの装置や空気の加熱のために相当なエネルギを消
費してしまうという問題があった。
【0012】一方、近年、無公害や省エネルギという特
徴をもつ樹脂として、紫外線硬化樹脂が塗料や印刷イン
クなどの分野で注目されてきており、これを熱転写記録
媒体1に利用しようという試みがなされている。
【0013】この紫外線硬化樹脂は、公害問題が少ない
とともに、通常、硬化の際に加熱の必要はなく紫外線を
照射すればよいので消費エネルギが少なくて済むし、さ
らに短時間で硬化するので生産効率が向上するという長
所を有している。
【0014】しかしながら、この紫外線硬化樹脂のうち
一般的なものを基材2に塗工して熱転写記録媒体1を形
成したとしても、ガラス転移温度、すなわち、粘性域あ
るいは弾性域の状態から硬い非晶質領域の状態へ変化す
る温度が高いものが多いため、前記熱転写記録媒体1に
より得られる印字は、ガラス転移温度が高い場合ではイ
ンク層7が硬化した状態のままで全く印字できないとい
う問題があった。
【0015】本発明はこのような問題点に鑑みてなされ
たもので、簡単に形成できるとともに、良好な印字の得
られる熱転写記録媒体を提供することを目的とするもの
である。
【0016】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
本発明の請求項1に記載の熱転写記録媒体の特徴は、光
によりラジカル重合するとともに、その重合物のガラス
転移温度が0℃以下となるモノマーを記録材料に含ま
せ、この記録材料に光を照射して前記モノマーをラジカ
ル重合させて前記重合物を形成することによりインク層
を構成した点にある。そして、このような構成を採用し
たことにより、光を照射するだけでインク層が形成で
き、良好な印字を施すことのできる熱転写記録媒体を得
ることができる。
【0017】また、請求項2に記載の熱転写記録媒体の
特徴は、請求項1に記載のモノマーの配合量を10〜9
5重量部とし、熱溶融物質の配合量を5〜80重量部と
し、着色材の配合量を1〜25重量部とした点にある。
そして、このような構成を採用したことにより、より確
実に良好な印字を施すことのできる熱転写記録媒体を簡
単に形成することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示す実施の
形態により説明する。
【0019】まず、本発明の熱転写記録媒体1を図1を
用いて説明する。
【0020】図1に示すように本発明の熱転写記録媒体
1は、基材2上に熱転写用記録材料からなるインク層3
が積層された構成とされており、前記基材2の背面2a
には潤滑層4が成膜されている。前記インク層3を構成
する熱転写用記録材料は、光としての紫外線を照射する
ことにより硬化する紫外線硬化樹脂を主成分とし、必要
に応じて熱溶融物質、着色剤、その他の微量添加剤が0
〜10重量部程度配合された組成とされている。
【0021】前記熱転写記録媒体1の基材2には、0.
5〜20μm、好ましくは2〜10μmの膜厚を有する
高分子樹脂フィルムが用いられている。もし、この基材
2の膜厚が0.5μm以下に形成されると強度が不足し
てしまうし、20μm以上に形成されると感度が不足し
てしまい好ましくない。そして、前記高分子樹脂フィル
ムの材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
フェニレンサルファイド、ポリイミド、ポリエチレンナ
フタレート、ポリカーボネート、アラミドなどが好適で
ある。
【0022】また、基材2の背面2aには、1μm以
下、好ましくは0.5μm以下の膜厚を有する潤滑層4
がフッ素系またはシリコン系コーティング剤により成膜
されている。もし、この膜厚が1μm以上に成膜されて
いると感度不足となるため好ましくない。この潤滑層4
による背面処理が施されることにより摺接によるサーマ
ルヘッドの摩耗の低減、熱転写記録媒体1たるインクリ
ボンの走行の安定化、インクリボンの巻取り時のインク
面との融着防止が図れる。
【0023】つぎに、前記熱転写用記録材料の主成分で
ある紫外線硬化樹脂について説明する。
【0024】まず、一般的な前記紫外線硬化樹脂は、光
重合性プレポリマー、光重合性モノマー、光開始剤の3
つの成分を主体として構成されており、この中の光重合
性プレポリマーは通常は0〜99重量部の範囲で添加さ
れ、樹脂の骨格をなす重要な成分である。
【0025】この光重合性プレポリマーは光化学的作用
によってさらに重合するポリマーであり、光重合性不飽
和ポリマー、光重合性オリゴマーと呼ばれることもあ
る。
【0026】また、光重合性モノマーは前記光重合性プ
レポリマーの希釈剤の役割を担い、通常は0〜99重量
部の範囲で添加することによりインクの実用上の作業性
を確保するとともに、紫外線照射時に末端官能基の作用
により、自らが重合反応に関与するものである。この光
重合性モノマーは、官能基の数により単官能性モノマ
ー、多官能性モノマーに分類できる。また、特に多官能
性モノマーは高分子間の橋かけをなす架橋剤の役割を果
すものである。
【0027】また、光開始剤は紫外線を吸収して重合反
応のトリガーになるものである。
【0028】以上のような構成をなす一般的な紫外線硬
化樹脂のうち、本実施の形態における紫外線硬化樹脂
は、特に、前記光重合性モノマーと前記光重合性プレポ
リマーの役割を担うものとして、紫外線が照射されると
ラジカル重合反応を行ない、その重合物のガラス転移温
度が0℃以下であるアクリル系モノマーを使用してお
り、このアクリル系モノマーを10〜95重量部、好ま
しくは20〜80重量部配合している。もし、このアク
リル系モノマーの配合量が、10重量部以下である場合
には室温での塗工材粘度が高くなり塗工できず、80重
量部以上では熱転写性に劣ることとなる。
【0029】ここで、ガラス転移温度とは、前述したよ
うに、粘性域あるいは弾性域の状態から硬い非晶質領域
の状態へ変化する温度であり、この温度は、紫外線硬化
組成物の配合比や硬化温度等により決定される温度であ
る。そして、ラジカル重合により発生した前記重合物が
0℃以下のガラス転移温度を有する場合に、熱転写記録
媒体1として好適なインク層3を形成することとなり、
さらに−10℃以下のガラス転移温度の場合にはより良
好な記録を施せるインク層3が形成できる。もし、前記
重合物が0℃以上のガラス転移温度を有する場合には、
熱転写性が劣ってしまい、前記熱溶融物質として低融点
のワックスを使用しなければならないため、印字状態が
汚れ、潰れ等を生じやすくなってしまう。
【0030】また、前述のラジカル重合反応とは、紫外
線硬化反応の1つをいい、この反応は光開始剤を必要と
するとともに、通常、開始反応、成長反応、連鎖移動反
応および停止反応の各反応に分けられる。このうち、前
記開始反応は、紫外線硬化組成物に紫外線を照射したと
きに、光開始剤が活性化しラジカルが生成されて前記光
重合性モノマーを活性化させる反応である。なお、光開
始剤が活性化する主な方法としては、光開裂、水素引き
抜き、電子移動がある。また、前記成長反応は、前記開
始反応で生成されたラジカルの重合度が次第に大きくな
っていく反応のことをいい、前記連鎖移動反応は、ラジ
カルが他の分子に移る反応のことをいう。そして、前記
停止反応は、ラジカルが消滅してラジカル反応が終了す
る反応をいう。
【0031】一方、本実施の形態における紫外線硬化樹
脂においては、前記アクリル系モノマーが使用されてお
り、前記光重合性プレポリマーは配合されていない。し
かし、光重合性モノマーだけであっても十分所望の効果
を得ることができる。なお、前記アクリル系モノマーの
種類によっては、重合速度を向上させるために前記光重
合性プレポリマーを微少量使用してもよい。
【0032】つぎに、前記熱転写用記録材料に用いられ
る光重合性モノマーとしては、2−エチルヘキシルカル
ビトールアクリレート、フェノールEO変性アクリレー
ト、ノニルフェノールEO変性アクリレート等を好適な
ものとして挙げることができる。
【0033】また、光開始剤としては、ビアセチル、ア
セトフェノン、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベン
ジル、ベンゾイン、ベンゾインイソブチルエーテル、ベ
ンジルジメチルケタール、テトラメチルチウラムスルフ
ィド、アゾビスイソブチルニトリル、ベンゾイルパーオ
キサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、1−ヒド
ロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ
−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1
−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2
−メチルプロパン−1−オン、2−クロロチオキサント
ン、メチルベンゾイルフォーメイトなどを好適なものと
して挙げることができる。
【0034】つぎに、前記熱転写用記録材料の他の成分
としての熱溶融物質について説明する。
【0035】前記熱溶融物質としては、パラフィン等の
石油系ワックス、カルナウバ、キャンデリラ等の植物系
ワックス、ビーズ等の動物系ワックス、モンタン等の石
炭系ワックスおよびフィッシャー・トロプシュ等の合成
系ワックス、あるいは、低分子量ポリエチレン、エチレ
ンビニルアセテート、エチレンエチルアクリレート等の
熱溶融性または軟化性樹脂が使用されており、これらの
配合量としては、5〜80重量部、好ましくは10〜7
0重量部とされている。もし、前記熱溶融物質の配合量
が5重量部以下の場合には、熱転写性に劣ってしまい、
80重量部以上の場合には、室温での塗工材粘度が高く
塗工できなくなり好ましくない。
【0036】また、前記着色剤としては、カーボンブラ
ック、アセチレンブラック、オイルブラック等の黒色顔
料ならびにチタニア、炭酸カルシウム等の白色顔料のほ
かに、イエロー、マゼンタ、シアンなどの公知の染料を
挙げることができ、これらの顔料あるいは染料の添加量
を適宜変化させることにより色調などが所望の状態に調
整されるものである。具体的には、1〜25重量部、好
ましくは5〜20重量部であり、1重量部以下では着色
力不足となり、25重量部以上では塗工剤が粉体状にな
りそのままでは塗工できなくなってしまう。
【0037】さらにまた、前記微量添加剤としては、シ
リコンオイル等のオイル、ホホバ油等の液状ワックス、
水添ロジンや水添テルペン等の粘着付与性樹脂、分散剤
等が挙げられ、その配合量は、0〜20重量部、好まし
くは0〜10重量部とされている。もし、前記オイルが
20重量部以上添加されると印字の際に汚れが生じやす
く、また粘着付与性樹脂が20重量部以上添加されると
基材2からのインクの抜けが悪くなってしまうため好ま
しくない。
【0038】なお、前記熱転写用記録材料には、その他
必要に応じて、増感剤、顔料、充填剤、レベリング剤等
の添加剤が配合される。
【0039】つぎに、前記熱転写記録媒体1の形成方法
について説明する。
【0040】まず、前述した熱転写用記録材料を構成す
る各材料を熱溶融物質が溶融される温度下で通常の攪拌
機を用いて混合する。そして、これを室温に冷却した
後、3本ロールミル等の通常の分散機によりミーリング
し、前記熱転写用記録材料を作成する。このミーリング
の際には、分散効率を向上させるためにわずかに加熱し
てもよい。
【0041】つぎに、この熱転写用記録材料を室温下に
おいて、通常の塗工方法、例えばダイレクトグラビア、
ナイフ、ブレード、リバース、ワイヤーバー、ロッド等
により基材2に均一な膜厚となるように塗工する。この
塗工の際には塗工効率を向上させるためにわずかに加熱
してもよい。
【0042】つぎに、図2に示すように、前記熱転写用
記録材料が全面塗工された熱転写記録媒体1の基材2
側、すなわち背面2a側より、紫外線照射器5により紫
外線を全面照射する。紫外線照射器5の光源としては、
低圧あるいは高圧水銀灯、水銀キセノン、メタルハライ
ドランプなどの紫外線を放射するものが少なくとも1本
用いられ、紫外線照射器5から照射される紫外線は拡散
光、あるいは集光レンズ(図示せず)を介した集光のい
ずれでもよい。
【0043】このとき、紫外線照射器5による紫外線照
射の前に、あらかじめ熱転写用記録材料の表面を嫌気性
雰囲気に形成するため前記熱転写用記録材料の表面に大
気を遮断する遮断手段たる平板状の板体6を密着するよ
うに接合させる。この板体6は、少なくとも前記紫外線
照射器5からの紫外線が到達する範囲のインク層3の表
面を被覆していればよい。
【0044】前記板体6としては、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリエステル、ナイロン、ポリスチレン、
ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネ
ート、ポリウレタン、フッ素樹脂、メチルメタアクリレ
ート、ポリアクリルニトリル、ポリブテン、ポリイミ
ド、ポリアリレート、ポリエーテルサルフォン、ポリエ
ーテルエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリエーテル
イミド、アラミドフィルムなどのプラスチックフィルム
としてもよいし、銅、鉄、アルミニウム、ステンレス、
クロメートメッキ、ニッケルメッキ、アルマイトなどの
金属板としてもよい。また、ガラス、セラミックなどの
板状の無機材料あるいはシリコンゴムなどの板状のゴム
材料を前記板体6としてもよい。
【0045】そして、板体6によりインク層3の表面を
被覆してその表面を嫌気性雰囲気としたうえで、基材2
を介して紫外線照射器5からインク層3に紫外線を照射
すると、前記インク層3には基材2を介して紫外線が到
達することになるが、前記インク層3の表面には大気が
存在しないので、インク層3の表面のラジカル重合反応
が大気中の酸素により阻害されることがなく、インク層
3はその表面と内部においてほぼ均一に短時間のうちに
硬化され、熱転写記録媒体1が形成されることとなる。
【0046】
【実施例】つぎに、本発明の熱転写記録媒体1の具体的
な実施例を説明する。
【0047】本実施例の前記基材2の高分子樹脂フィル
ムとしては、膜厚が4μmのトレリナ(東レ製)を使用
し、前記熱転写用記録材料の主成分であるアクリル系モ
ノマーとしてはガラス転移温度が−65℃のM−120
(東亜合成製)とガラス転移温度が17℃のM−111
(東亜合成製)とを後述の表1に示す種々の配合比で混
合した組成物を55重量部使用し、前記熱溶融物質とし
てはサゾールA−1(サゾール社製)を25重量部とポ
リワックス655(日本ナチュラルプロダクツ製)を1
0重量部使用し、前記着色剤としてはMA−100(三
菱化成製)を5重量部使用し、粘着付与性樹脂としては
CLEARON P−85(ヤスハラケミカル製)を5
重量部使用することとした。
【0048】そして、熱転写用記録材料を作成するため
に、前述した熱転写用記録材料の各成分となる材料のす
べてを90℃の温度下でスターラーにより30分間攪拌
混合し、その後室温まで冷却する。これを3本ロールミ
ルによりミーリングし、所望の熱転写用記録材料を得
る。熱転写記録媒体1である熱転写リボンを形成するた
めに、前記熱転写用記録材料をオフセットグラビア機に
より前記基材2である膜厚4μmの前記トレリナに厚さ
が3μmとなるように塗工してインク層3を形成した。
その後、この塗工物にポリエチレンフィルムを重ねて高
圧水銀灯により5000(mj/cm2)の紫外線光を照射し
硬化させて熱転写リボンを形成した。
【0049】この熱転写リボンをJT−144(スター
製)の熱転写プリンタを使用して熱転写用のワープロ用
紙(ユニオンケミカー製)に印字した。
【0050】これらの印字状態の良否については、前記
アクリル系モノマーであるM−120と前記M−111
との配合比およびこれらを混合して作成される紫外線硬
化樹脂のガラス転移温度とともに表1に示す。
【0051】 この表1からわかるように、M−120と前記M−11
1とを混合して作成される紫外線硬化樹脂が−4℃のガ
ラス転移温度を有する場合には、前記熱転写リボンによ
る印字は良好な状態を呈し、さらに、紫外線硬化樹脂が
−14℃以下のガラス転移温度を有する場合には、前記
熱転写リボンによる印字はきわめて良好な状態を呈し
た。
【0052】これに対し、紫外線硬化樹脂が0℃以上の
ガラス転移温度を有する場合には、前記熱転写リボンに
よる印字がかすれてしまうか、あるいは全く印字がなさ
れない状態となった。
【0053】つぎに、本実施例に対する比較例として、
比較例1および比較例2を示す。
【0054】まず、比較例1について説明する。この比
較例1は、アクリル系モノマーとしてM−111のみを
使用し、前記熱溶融物質としてミツロウ(日本ナチュラ
ルプロダクツ製)を使用し、その他の熱転写記録材料の
組成物としては前記本発明の実施例と同様の組成物を使
用し、かつ同様の形成方法により前記熱転写記録媒体1
を形成している。
【0055】より具体的には、前記基材2の高分子樹脂
フィルムとして、膜厚が4μmのトレリナ(東レ製)を
使用し、前記熱転写用記録材料として、ガラス転移温度
が17℃のアクリル系モノマーであるM−111(東亜
合成製)を30重量部、前記熱溶融物質であるミツロウ
(日本ナチュラルプロダクツ製)を60重量部、前記着
色剤であるMA−100(三菱化成製)を5重量部、粘
着付与性樹脂であるCLEARON P−85(ヤスハ
ラケミカル製)を5重量部の配合比となるようにそれぞ
れ使用した。
【0056】そして、これらを本発明の実施例で説明し
た方法と同様の形成方法により、熱転写用記録材料を作
成し、さらに熱転写記録媒体1を形成して印字状態を観
察した。その結果、印字部分は汚れの多い状態となっ
た。この原因は、前記紫外線硬化樹脂として使用したM
−111のガラス転移温度が17℃であり熱転写性に劣
るため、これを改善すべく融点の低い熱溶融物質である
ミツロウを配合したことで、インクが軟化してしまった
ためである。
【0057】つぎに、比較例2について説明する。本比
較例2は、前記各実施例で使用した熱転写用記録材料を
市販のUVインクであるSEPTER(大日本インキ
製)に変更して使用している。
【0058】そして、前記SEPTERを室温下でスタ
ーラーにより30分間攪拌混合し、これを3本ロールミ
ルによりミーリングして、所望の熱転写用記録材料を得
る。前記熱転写記録媒体1である熱転写リボンを形成す
るために、前記熱転写用記録材料をオフセットグラビア
機により前記基材2である膜厚4μmの前記トレリナに
厚さが3μmとなるように塗工してインク層3を形成し
た。その後、この塗工物にポリエチレンフィルムを重ね
て高圧水銀灯により5000(mj/cm2)の紫外線光を照
射し硬化させて熱転写リボンを形成した。
【0059】この熱転写リボンをJT−144(スター
製)の熱転写プリンタを使用して熱転写用のワープロ用
紙(ユニオンケミカー製)に印字し、その印字状態を観
察したところ全く印字を施すことができなかった。これ
は、通常の紫外線硬化樹脂では、硬化後に熱転写装置の
サーマルヘッドによる加熱程度では熱溶融することはな
いためである。
【0060】以上の結果より、ガラス転移温度が0℃以
下の前記紫外線硬化樹脂を前記熱転写用記録材料に使用
すれば、良好な印字を施すことができる熱転写記録媒体
1を紫外線光を照射するだけという簡単な方法で形成す
ることができる。さらに、ガラス転移温度が−10℃以
下の前記紫外線硬化樹脂を使用すれば、より良好な印字
を施すことのできる熱転写記録媒体1を得ることができ
る。
【0061】したがって、本発明の実施の一形態におい
ては、熱転写記録媒体1の構成する熱転写用記録材料と
して紫外線硬化樹脂を使用しているため、前記熱転写記
録媒体1の形成の際に紫外線光を照射するだけでよく簡
単に形成することができる。また、前記熱転写記録媒体
1を形成する装置についても紫外線照射装置があればよ
く大型装置を必要としないため、消費電力が小さくコス
トの低減を図ることができる。
【0062】なお、本発明は前記実施の一形態のものに
限定されるものではなく、必要に応じて種々変更するこ
とが可能である。
【0063】たとえば、前記紫外線硬化樹脂は前記実施
の一形態において挙げたアクリル系モノマーに限られる
ことはなく、ガラス転移温度が0℃以下のアクリル系モ
ノマーであればよい。
【0064】
【発明の効果】以上述べたように本発明に係る熱転写記
録媒体によれば、良好な印字を施すことができる熱転写
記録媒体を紫外線光を照射するだけという簡単な方法で
形成することができる。
【0065】したがって、熱転写記録媒体の形成の際に
要する消費電力やコストの低減を図ることができる等の
効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る熱転写記録媒体の実施の一形態を
示す側面断面図
【図2】本発明に係る熱転写記録媒体の実施の一形態の
形成方法を示す説明図
【図3】従来の熱転写記録媒体を示す側面断面図
【符号の説明】
1 熱転写記録媒体 2 基材 3 インク層 4 潤滑層 5 紫外線照射器 6 板体

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィルム基材にインク層を積層してなる
    熱転写記録媒体であって、前記インク層を、光によりラ
    ジカル重合するとともにその重合物のガラス転移温度が
    0℃以下であるモノマーと、熱溶融物質と、着色剤とを
    少なくとも含む記録材料の前記モノマーを光によりラジ
    カル重合して前記重合物を形成することにより構成した
    ことを特徴とする熱転写記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記モノマーの配合量を10〜95重量
    部とし、前記熱溶融物質の配合量を5〜80重量部と
    し、前記着色材の配合量を1〜25重量部としたことを
    特徴とする請求項1に記載の熱転写記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107554107A (zh) * 2016-06-30 2018-01-09 合肥高科科技股份有限公司 一种uv图案转移技术

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