JPH09108507A - ろ過装置 - Google Patents

ろ過装置

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JPH09108507A
JPH09108507A JP7266881A JP26688195A JPH09108507A JP H09108507 A JPH09108507 A JP H09108507A JP 7266881 A JP7266881 A JP 7266881A JP 26688195 A JP26688195 A JP 26688195A JP H09108507 A JPH09108507 A JP H09108507A
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tanks
cleaning
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Kazumichi Kinoshita
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 その表面積が大きく,かつ通水性のよいフィ
ルタを使用するのに適したろ過装置を提供する。 【解決手段】 上方が開放された容器2の内部空間を第
1の隔壁30〜33で区画して形成された複数の処理槽
21〜24,及び1つの排出槽29と、これらを直列に
接続するよう、上記第1の隔壁25〜28の上部にそれ
ぞれ形成されたオーバーフロー用切欠き34〜37と、
始端の処理槽21に原水61を供給するための給水手段
5と、排出槽29の下部に配設された処理水排出口71
と、その下部に連通口38〜41を有し,各処理槽21
〜24にU字状の流路を形成するようそれぞれ配設され
た第2の隔壁30〜33と、各処理槽21〜24の流路
を遮るように配設された,所定形状の複数のろ過材が集
積されてなるフィルタ42〜45とを備えたものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、池の水質浄化,産
業排水の二次処理,上水の前処理等に使用されるろ過装
置に関し、特にろ過材の表面積が大きく,かつ通水性の
よいフィルタを使用するのに適したろ過装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】図6は従来のろ過装置の構成を示した部
分断面図であり、図において、1はろ過装置、2はタン
ク、4は吸水ポンプ、5は吸水ポンプ4を介して池の水
と上記タンク57の供給口との間を接続する吸水パイ
プ、61は原水、58はタンク2内に配設されたフィル
タ、62は処理水、56は処理水62を池に排出するた
めの加圧ポンプ、6は該加圧ポンプ56を介してタンク
2の排出口と池の水との間を接続する処理水排出パイプ
である。
【0003】次に、この従来のろ過装置1の動作を説明
する。池の水61は吸水ポンプ4により吸い上げられて
タンク2に供給され、フィルタ58でろ過されて処理水
62となった後、加圧ポンプ56で池に戻される。
【0004】ところで、上記フィルタ58として従来、
砂、砂利、木炭等が使用されていたが、近年、バクテリ
アによる生物ろ過の効果が重視されるようになった。こ
のバクテリアによるろ過効果はろ過材の表面積が大きい
程良い。
【0005】このような生物ろ過に適したろ過材とし
て、例えば、プラスチック棒材を軸方向に小ピッチで螺
旋状に切り込み、適長に切断して形成された螺旋形ろ過
材がある(特公平7−47097号公報参照)。この螺
旋形ろ過材を集積させてフィルタとして用いた場合、ろ
過材の表面積が砂利の10倍以上もあることからバクテ
リアによる生物ろ過の効果が大きく、かつろ過材間の空
隙が大きいため通水性がよく目詰まりしにくいという優
れた効果が得られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この螺
旋形ろ過材を用いたフィルタを上述の従来のろ過装置に
そのまま使用すると以下の問題が生じる。すなわち、ろ
過装置内の水流の圧力分布が均一でない一方、フィルタ
の通水性がよいため、原水がフィルタの一部のみを通過
し、フィルタ全体を有効に利用することができない。ま
た、フィルタの通水性がよいため、一回のろ過ではろ過
効率が低く、何回も繰り返しろ過する必要がある。さら
に、ろ過時と逆方向に洗浄水を通してフィルタを洗浄す
る,逆洗浄ができない。
【0007】本発明は上記のような問題点を解消するた
めになされたもので、その表面積が大きく,かつ通水性
のよいフィルタを使用するのに適しており、フィルタを
有効に利用することができ、ろ過効率が高く、かつ逆洗
浄が容易なろ過装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明(請求項1)に係
るろ過装置は、上方が開放された容器の内部空間を第1
の隔壁で区画して形成された複数の処理槽,及び1つの
排出槽であって、上記第1の隔壁の上部に形成されたオ
ーバーフロー用切欠きで上記排出槽を終端として順次直
列に接続された複数の処理槽,及び1つの排出槽と、上
記直列に接続された処理槽の始端に位置する処理槽に原
水を供給するための給水手段と、上記排出槽の下部に配
設された,最終処理水を外部に排出するための処理水排
出口と、その下部に連通口が形成され,上記各処理槽の
水が流入する部分と水が流出する部分との間を仕切って
該各処理槽に水が下方へ移動する下降部と水が上方へ移
動する上昇部とを形成するよう該各処理槽にそれぞれ配
設された第2の隔壁と、上記各処理槽の上記下降部又は
上記上昇部の流路を遮るように配設された,複数のろ過
材を集積してなるフィルタであって、上記ろ過材が,そ
の表面部にその表面積を拡大せしめるような形状の空隙
を有し、かつ上記ろ過材が,該ろ過材を複数集積したと
き該ろ過材間に,上記フィルタを通過する水の主な流路
となるような空隙を形成するものであるフィルタとを備
えたものである。
【0009】本発明(請求項2)に係るろ過装置は、上
記のろ過装置(請求項1)に記載のろ過装置において、
上記ろ過材が、プラスチックの丸棒を、軸方向に該丸棒
の直径に比し小さなピッチで、刃物を用いて該丸棒の中
心付近まで達するように深く螺旋状に切り込み、所定の
長さに切断して形成されるものであるとしたものであ
る。
【0010】本発明(請求項3)に係るろ過装置は、上
記のろ過装置(請求項1又は2)に記載のろ過装置にお
いて、上記複数の処理槽の上記上昇部に洗浄用水をそれ
ぞれ供給するための洗浄用水供給手段と、上記各処理槽
の上記下降部にそれぞれ配設された洗浄排水排出口と、
該各洗浄排水排出口にそれぞれ設けられた開閉手段とを
備えたものである。
【0011】本発明(請求項4)に係るろ過装置は、上
記のろ過装置(請求項3)に記載のろ過装置において、
上記各洗浄排水排出口を、上記各処理槽の上記下降部
の,上記フィルタの上面の高さより高くかつ該各処理槽
の上記上昇部のオーバーフロー用切欠きの底部の高さよ
り低い位置にそれぞれ配設したものである。
【0012】本発明(請求項5)に係るろ過装置は、上
記のろ過装置(請求項1ないし4)に記載のろ過装置に
おいて、上記第2の隔壁が所定の高さを有しており、か
つ上記始端に位置する処理槽の、上記オーバーフロー用
切欠きのうちその底部の高さが最も高いものの底部の高
さより高く,かつ上記第2の隔壁の所定の高さより低い
位置に配設された溢水排出口を備えたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
実施の形態1. 構成1.本発明の実施の形態1におけるろ過装置(請求
項1)1は、図1〜4に示されるように、上方が開放さ
れた容器2の内部空間を第1の隔壁25〜28で区画し
て形成された複数の処理槽21〜24,及び1つの排出
槽29であって、上記第1の隔壁25〜28の上部に形
成されたオーバーフロー用切欠き34〜37で上記排出
槽29を終端として順次直列に接続された複数の処理槽
21〜24,及び1つの排出槽29と、上記直列に接続
された処理槽の始端に位置する処理槽21に原水61を
供給するための給水手段5と、上記排出槽29の下部に
配設された,最終処理水62を外部に排出するための処
理水排出口71と、その下部に連通口38〜41が形成
され,上記各処理槽21〜24の水が流入する部分と水
が流出する部分との間を仕切って該各処理槽21〜24
に水が下方へ移動する下降部21a〜24aと水が上方
へ移動する上昇部21b〜24bとを形成するよう該各
処理槽21〜24にそれぞれ配設された第2の隔壁30
〜33と、上記各処理槽21〜24の上記下降部21a
〜24a又は上記上昇部21b〜24bの流路を遮るよ
うに配設された,複数のろ過材51,54を集積してな
るフィルタ42〜45であって、上記ろ過材51,54
が,その表面部にその表面積を拡大せしめるような形状
の空隙52を有し、かつ上記ろ過材51,54が,該ろ
過材51,54を複数集積したとき該ろ過材51,54
間に,上記フィルタ42〜45を通過する水の主な流路
となるような空隙53を形成するものであるフィルタ4
2〜45とを備えたものである。これにより、各処理槽
21〜24において、大気圧の作用する上下方向に水が
移動しつつ各フィルタ42〜45を通過することから、
水流が均一になり、フィルタ42〜45の通水性が高く
てもこれを均一に通過せしめることができ、その結果、
各フィルタ42〜45を有効に利用することができ、ま
た、原水62を複数回ろ過することができ、通水性がよ
いが故にろ過効率の低いフィルタ42〜45を用いて
も、ろ過装置1全体のろ過効率を向上させることができ
る。
【0014】構成2.本発明の実施の形態1におけるろ
過装置(請求項2)1は、図4に示されるように、上記
の構成1のろ過装置において、上記ろ過材54が、プラ
スチックの丸棒を、軸方向に該丸棒の直径に比し小さな
ピッチで、刃物を用いて該丸棒の中心付近まで達するよ
うに深く螺旋状に切り込み、所定の長さに切断して形成
されるものである。これにより、螺旋形ろ過材54が得
られ、該螺旋形ろ過材54に形成された空隙52と螺旋
形ろ過材54間に形成される粗い空隙53のバランスが
よいことから、バクテリアによる生物ろ過の効果がより
大きくなり、かつフィルタの通水性がよりよくなり、目
詰まりしにくくなる。また、ろ過材の作製が容易にな
る。
【0015】構成3.本発明の実施の形態1におけるろ
過装置(請求項3)1は、図1,5に示されるように、
上記の構成1又は2のろ過装置において、上記複数の処
理槽21〜24の上記上昇部21a〜24aに洗浄用水
をそれぞれ供給するための洗浄用水供給手段8と、上記
各処理槽21〜24の上記下降部21b〜24bにそれ
ぞれ配設された洗浄排水排出口70a〜70dと、該各
洗浄排水排出口70a〜70dにそれぞれ設けられた開
閉手段9とを備えたものである。これにより、各処理槽
21〜24毎に、各フィルタ42〜45にろ過時と逆方
向に洗浄用水63をそれぞれ通水し、通水性がよいフィ
ルタ42〜45から被ろ過物を容易に遊離させることが
でき、その結果、逆洗浄を容易に行うことができ、ま
た、各処理槽21〜24の逆洗浄を同時に行うことがで
き、さらに、フィルタ42〜45の洗浄具合を、洗浄排
水の状態を見ることにより判断することができ、無駄な
洗浄時間を省くことができる。
【0016】構成4.本発明の実施の形態1におけるろ
過装置(請求項4)1は、図1,5に示されるように、
上記の構成3のろ過装置において、上記各洗浄排水排出
口70a〜70dを、上記各処理槽21〜24の上記下
降部21a〜24aの,上記フィルタ42〜45の上面
の高さより高くかつ該処理槽21〜24の上記上昇部2
1b〜24bのオーバーフロー用切欠き34〜37の底
部の高さより低い位置にそれぞれ配設したものである。
これにより、フィルタ42〜45の上側にも洗浄用水が
存在することとなり、洗浄用水63がフィルタ42〜4
5を均一に通過し、該フィルタ42〜45の洗浄を均一
に行うことができる。
【0017】構成5.本発明の実施の形態1におけるろ
過装置(請求項5)1は、図1,2に示されるように、
上記の構成1ないし4のろ過装置において、上記第2の
隔壁30〜33が所定の高さを有しており、かつ上記始
端に位置する処理槽21の、上記オーバーフロー用切欠
き34〜37のうちその底部の高さが最も高いものの底
部の高さより高く,かつ上記第2の隔壁30〜33の所
定の高さより低い位置に配設された溢水排出口16を備
えたものである。これにより、フィルタ42〜45が目
詰まりした場合、溢れた水が溢水排出口16から容器2
外に排出され、未処理水が下流側に流出するのを防止す
ることができる。
【0018】実施例1.本発明の実施の形態1における
一実施例について説明する。図1は本実施例1によるろ
過装置の外観を示す斜視図、図2は図1のA−A断面図
であり、図において、1は産業排水の二次処理に使用さ
れるろ過装置、2はろ過装置1の本体を構成する直方体
状のタンク(容器)、3はタンク2にゴミ等が侵入する
の防止するため,該タンク2の上面を覆うように該タン
ク2に着脱可能に設けられた蓋である。タンク2の内部
空間は、その長手方向に4つの第1の隔壁25〜28で
区画されて第1〜第4の処理槽21〜24,及び排出槽
29が形成され、各第1の隔壁25〜28の上部にはオ
ーバーフロー用切欠き34〜37が形成され、このオー
バーフロー用切欠き34〜37により第1〜第4の処理
槽21〜24,及び排出槽29が直列に接続されてい
る。このオーバーフロー用切欠き34〜37は、本実施
例1では第1の隔壁25〜28の全幅に渡って形成され
ている(図示せず)が、第1の隔壁25〜28の幅方向
における一部のみに形成してもかまわない。また、この
オーバーフロー用切欠き34〜37の底部の高さは、本
実施例1では全て同じ高さとしたが、高さが少々異なっ
ていてもかまわない。
【0019】各処理槽21〜24は、タンク2の側壁と
同じ高さを有する第2の隔壁30〜33でタンク2の長
手方向に水を下方に移動させるための下降部21a〜2
4aと水を上方に移動させるための上昇部21b〜24
bとにそれぞれ仕切られ、これら下降部21a〜24
a,及び上昇部21b〜24bは、各第2の隔壁30〜
33の下部に設けられた連通口38〜41により連通さ
れてU字状の流路をそれぞれ形成している。この連通口
38〜41は、本実施例1では第2の隔壁30〜33の
全幅に渡って形成されている(図示せず)が、第2の隔
壁30〜33の幅方向における一部のみに形成してもか
まわない。
【0020】各処理槽21〜24の上昇部21b〜24
bの,上記連通口38〜41とオーバーフロー用切欠き
34〜37との間にはフィルタ42〜45が流路を遮る
ように配設されている。フィルタ42〜45は、後述す
る螺旋形ろ過材を、適宜なメッシュの網かごに充填した
ものであり、上方から着脱できるようになっている。従
って、蓋3を開けて、フィルタ42〜45を容易に出し
入れすることができる。このフィルタ42〜45は各処
理槽21〜24の下降部21a〜24aに設置してもか
まわない。なお、各処理槽21〜24の下降部21a〜
24a,及び上昇部21b〜24bの面積は、スペース
を有効に利用するため、フィルタを設置する方の部分の
面積を大きくするのが望ましい。
【0021】第1の処理槽21の下降部21aの上部に
は、原水61を供給するための吸水パイプ5の一端が配
置され、該吸水パイプ5の他端は吸水ポンプ4を介して
汚水槽(図示せず)に接続されている。吸水パイプ5に
は、該吸水パイプ5を開閉する第5のバルブ17が設置
されている。第1の処理槽21の上部であって、オーバ
ーフロー用切欠き34〜37の底部の高さより高く,か
つ第2の隔壁30〜33の高さより低い位置に、溢水排
出口72が配設され、該溢水排出口72に溢水排出パイ
プ16の一端が接続され、該溢水排出パイプ16の他端
は汚水槽に接続されている。排出槽29の下部には最終
処理水62をタンク2から排出するための処理水排出口
71が配設され、該処理水排出口71に処理水排出パイ
プ6が接続され、該処理水排出パイプ6には該処理水排
出パイプ6を開閉する第1のバルブが設置されている。
【0022】タンク2の上部には、洗浄用水を供給する
ための洗浄用水供給パイプ8が配管されている。洗浄用
水供給パイプ8は、その先端が分岐しており、各分岐の
先端が各処理槽21〜24の上昇部21b〜24bの上
部に位置するよう設置され、各分岐毎に該分岐を開閉す
る第3のバルブ11が設置されている。
【0023】各処理槽21〜24の下降部21a〜24
aの,フィルタ42〜45の上面の高さより少し高くか
つ該各処理槽21〜24の上昇部21b〜24bのオー
バーフロー用切欠き34〜37の底部の高さより低い位
置に、洗浄排水排出口70a〜70dがそれぞれ配設さ
れ、各洗浄排水排出口70a〜70dに洗浄排水排出パ
イプ10a〜10dの一端がそれぞれ接続され、該洗浄
排水排出パイプ10a〜10dの他端は主排水パイプ1
4に接続されている。各洗浄排水排出パイプ10a〜1
0dには、該洗浄排水排出パイプ10a〜10dを開閉
する第2のバルブ9がそれぞれ設置されている。なお、
12は各処理槽21〜24の下部に設置された水抜きパ
イプ、13は該水抜きパイプ12を開閉する第4のバル
ブ、15は各処理槽21〜24を大気と連通するための
通気孔である。
【0024】図3(a) は図1のフィルタに使用されるろ
過材を模式的に示した外観図、図3(b) は図3(a) のろ
過材の縦断面を示した断面図であり、図において51は
螺旋形ろ過材、52は螺旋形ろ過材51の表面部に形成
された螺旋状の狭い空隙であり、図では分かり易くする
ため、空隙52の幅,及びピッチを少し誇張して大きく
描いてある。53は集積された螺旋形ろ過材51間に形
成された粗い空隙である。この螺旋形ろ過材51は、例
えば切削加工により、プラスチックの丸棒に、軸方向に
小ピッチで、螺旋状の狭い溝52を形成し、その後適宜
な長さに切断することにより作製される。
【0025】この螺旋形ろ過材51を集積したフィルタ
では、ろ過材料どうしはほとんど点で接触し、その空隙
53は螺旋形ろ過材51の空隙52に比しかなり大きく
なる。従って、このようなフィルタでは、浮遊物は螺旋
形ろ過材51の狭い空隙52に引っ掛かって除去され、
水は主として螺旋形ろ過材51間の粗い空隙53を通っ
て流れる。また、螺旋形ろ過材51の狭い空隙52内で
は水流が緩やかになってそこにバクテリアが繁殖し、溶
解性有機物がこのバクテリアにより分解される。従っ
て、生物ろ過と浮遊物ろ過が同時に行え、かつ通水性が
高く、目詰まりがしにくい。
【0026】図4(a) は他のタイプのろ過材を示す外観
図、図4(b) は図4(a) のろ過材が集積された状態を示
す外観図であり、図において図3と同一符号は同一又は
相当する部分を示しており、54は螺旋形ろ過材であ
る。螺旋形ろ過材54は、プラスチックの丸棒を、軸方
向に該丸棒の直径に比し小さなピッチで、刃物を用いて
該丸棒の中心付近まで達するように深く螺旋状に切り込
み、所定の長さに切断して形成される。すなわち、この
作製方法によれば、刃物により薄い厚みで丸棒から切り
出された材料が、その周方向に、交互に反対側の軸方向
が開放された漏斗状の空隙52を形成するように褶曲し
つつ,そのターン間が密着して巻回するように変形し、
図に示されるように、巻き貝状の全体形状を有する螺旋
形ろ過材54が形成される。本実施例1では、例えば、
直径10〜15mmの塩化ビニールの丸棒を用い、上記
ピッチを0.5mm程度とし、全体長を上記巻き回数が
3回程度となるような長さとした。この螺旋形ろ過材5
4の全体長は、余り長すぎると該ろ過材54間に形成さ
れる空隙53が大きくなり過ぎるため、上記巻き回数が
数回程度となるような長さにするのが好ましい。この螺
旋形ろ過材54は、該ろ過材54に形成された漏斗状の
空隙52の一部が開放されているため、該空隙52を通
じて螺旋状ろ過材54を透過するように水が流れるが、
この水流は僅かであるため、大部分の水は、図3の場合
と同様に、螺旋形ろ過材54間の粗い空隙53を通って
流れ、図3の場合と同様の効果が得られる。そして、こ
の螺旋形ろ過材54は、該ろ過材54に形成された空隙
52と螺旋形ろ過材54間に形成される粗い空隙53の
バランスがよく、かつ作製が容易なことから、最も好ま
しい形状のものである。なお、ろ過材としては、その表
面部にその表面積を拡大せしめるような形状の空隙を有
し、かつ該ろ過材を複数集積したとき該ろ過材間に,フ
ィルタを通過する水の主な流路となるような空隙を形成
するものであればよく、これらの他に、例えば、プラス
チック成形により松かさ状に形成されたものを用いるこ
とができる。
【0027】次に、本実施例1によるろ過装置の動作を
説明する。まず図1,及び図2に従って、ろ過動作を説
明する。図はろ過動作における定常状態を示しており、
吸水パイプ5の第5のバルブ17,及び処理水排出パイ
プ6の第1のバルブ7が開かれ、洗浄水排出パイプ8の
第3のバルブ11,洗浄排水排出パイプ10の第2のバ
ルブ9,水抜きパイプ12の第4のバルブ13は閉じら
れている。吸水ポンプ4により汚水槽から原水61が第
1の処理槽21の下降部21aに供給される。第1の処
理槽21の下降部21aの水面と上昇部21bの水面に
は等しく大気圧が加わっているから、この下降部21a
に供給された原水61は自重によりその下流側部分21
bに移動する。すなわち、この原水61は、まず下方に
移動し、連通口38を通って上昇部21bに入る。この
上昇部21bに入った原水61は上方に移動し、フィル
タ42を通過し、この際に溶解性有機物や浮遊物の除去
が行われる。フィルタ42を通過した1次処理水は水面
47近くまで上昇した後オーバーフロー用切欠き34を
通って第2の処理槽22に入る。この1次処理水は、第
1の処理槽の場合と同様に、順次第2〜第4の処理槽を
通過して2次〜4次ろ過され、最終処理水62となって
排出槽29に流出し、処理水排出パイプ6からタンク2
外へ排出される。
【0028】以上のように、本実施例1では、各処理槽
21〜24の水面に大気圧が作用し、その大気圧の作用
する上下方向に水が移動しつつ各フィルタ42〜45を
通過するから、水流が均一になり、フィルタ42〜45
の通水性が高くてもこれを均一に通過せしめることがで
き、その結果、各フィルタ42〜45を有効に利用する
ことができる。
【0029】また、本実施例1では、複数の処理槽21
〜24を備えるから、原水62を複数回ろ過することが
でき、その結果、通水性がよいが故にろ過効率の低いフ
ィルタ42〜45を用いても、ろ過装置1全体のろ過効
率を向上させることができる。
【0030】さらに、本実施例1では、タンク2の内部
空間を第1の隔壁で区画することにより処理槽を形成す
るから、その用途に応じて,処理槽の数を変えてろ過装
置を作製することが容易にできる。
【0031】次に、フィルタ42〜45が目詰まりした
場合について説明する。例えば、第2の処理槽のフィル
タ43が目詰まりしたと仮定すると、第2の処理槽22
の下降部22aの水位がまず上昇し、この水位の上昇は
第1の処理槽21の下降部21aまで波及し、この上昇
した水位が溢水排出口72の底部の高さまで達すると、
溢れた原水61が溢水排出パイプ16を通って汚水槽に
戻される。従って、フィルタ42〜45が目詰まりした
場合でも、未処理水が溢れて次段に流出するのが防止さ
れる。
【0032】図5は、図1のろ過装置の逆洗浄の状態を
示す断面図であり、図において、図1,及び図2と同一
符号は同一又は相当する部分を示している。次に図1,
及び図5に従って、逆洗浄作業を説明する。まず、吸水
ポンプ4を停止し、吸水パイプ5の第5のバルブ17,
及び処理水排出パイプ6の第1のバルブ7を閉じる。次
に、洗浄排水排出パイプ10a〜10dのバルブ9をそ
れぞれ開く。すると、各処理槽21〜24の水は洗浄排
水排出口70a〜70dから洗浄排水排出パイプ10a
〜10dにそれぞれ流出し、各処理槽21〜24の水位
47は、図示するように、各洗浄排水排出口70a〜7
0dの底部の高さまで低下する。次に、洗浄用水供給パ
イプ8の第3のバルブ11を開き、洗浄用水63を各処
理槽21〜24の上昇部21b〜24bにそれぞれ供給
する。これにより、フィルタ42〜45がろ過時と逆方
向に通水され、フィルタ42〜45に付着している,ろ
過による被除去物がフィルタ42〜45から遊離し、洗
浄水とともに洗浄排水排出パイプ10a〜10dを通っ
てタンク2外に排出される。なお、特定の処理槽のみ洗
浄する場合は、所望の処理槽用の第3のバルブ11のみ
を開き、他の処理槽用の第3のバルブ11を閉じるよう
にすればよい。
【0033】以上のように、本実施例1では、通水性の
よいフィルタ42〜45を用い、各処理槽21〜24毎
に、各フィルタ42〜45にろ過時と逆方向に洗浄用水
63をそれぞれ通すようにしたから、逆洗浄を容易に行
うことができる。
【0034】また、本実施例1では、各処理槽21〜2
4毎に洗浄用水63を供給するようにしたから、全処理
槽を同時に逆洗浄することができ、かつ1槽のみ単独で
洗浄することもできる。
【0035】さらに、本実施例1では、洗浄排水排出口
70a〜70dの底部がフィルタ42〜45の上面より
少し高い位置にあるから、フィルタ42〜45の上側に
も洗浄用水63が存在することとなり、洗浄用水63が
フィルタ42〜45を均一に通過し、該フィルタ42〜
45の洗浄を均一に行うことができる。
【0036】さらにまた、本実施例1では、フィルタ4
2〜45の洗浄具合を、蓋3を開けて洗浄排水の状態を
見ることにより判断することができるから、無駄な洗浄
時間を省くことができる。
【0037】なお、上記の実施例においては、タンクの
内部空間を、一次元方向に区画する場合を説明したが、
タンクの内部空間を二次元方向に区画し、それにより形
成された複数の処理槽を直列に接続するようにすること
もできる。
【0038】また、上記の実施例においては、本発明を
産業用排水の二次処理に使用されるろ過装置に適用する
場合を説明したが、本発明は、池の水質浄化,上水の前
処理等に使用されるろ過装置にも同様に適用することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるろ過装置の外観を示す斜視図で
ある。
【図2】 図1のA−A断面図である。
【図3】 本発明によるろ過装置に使用されるろ過材を
示す外観図(図3(a) ),及び断面図(図3(b) )であ
る。
【図4】 本発明によるろ過装置に使用される他のタイ
プのろ過材を示す外観図(図4(a) ),及びそれらが集
積された状態を示す外観図(図4(b) )である。
【図5】 本発明によるろ過装置の逆洗浄の状態を示す
断面図である。
【図6】 従来のろ過装置を示す部分断面図である。
【符号の説明】
1 ろ過装置、2 タンク、5 吸水パイプ、6 処理
水排出パイプ、7 第1のバルブ、8 洗浄用水供給パ
イプ、9 第2のバルブ、10 洗浄排水排出パイプ、
16 溢水排出パイプ、21〜24 第1〜第4の処理
槽、21a〜24a 下降部、21b〜24b 上昇
部、25〜28 第1の隔壁、29 排出槽、30〜3
3 第2の隔壁、34〜37 オーバーフロー用切欠
き、38〜41 連通口、42〜45 フィルタ、5
1,54 螺旋形ろ過材、52 ろ過材に形成された空
隙、53 ろ過材間に形成された空隙、61 原水、6
2 最終処理水、63 洗浄用水、70 洗浄排水排出
口、71 処理水排出口、72溢水排出口。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上方が開放された容器の内部空間を第1
    の隔壁で区画して形成された複数の処理槽,及び1つの
    排出槽であって、上記第1の隔壁の上部に形成されたオ
    ーバーフロー用切欠きで上記排出槽を終端として順次直
    列に接続された複数の処理槽,及び1つの排出槽と、 上記直列に接続された処理槽の始端に位置する処理槽に
    原水を供給するための給水手段と、 上記排出槽の下部に配設された,最終処理水を外部に排
    出するための処理水排出口と、 その下部に連通口が形成され,上記各処理槽の水が流入
    する部分と水が流出する部分との間を仕切って該各処理
    槽に水が下方へ移動する下降部と水が上方へ移動する上
    昇部とを形成するよう該各処理槽にそれぞれ配設された
    第2の隔壁と、 上記各処理槽の上記下降部又は上記上昇部の流路を遮る
    ように配設された,複数のろ過材を集積してなるフィル
    タであって、上記ろ過材が,その表面部にその表面積を
    拡大せしめるような形状の空隙を有し、かつ上記ろ過材
    が,該ろ過材を複数集積したとき該ろ過材間に,上記フ
    ィルタを通過する水の主な流路となるような空隙を形成
    するものであるフィルタとを備えたことを特徴とするろ
    過装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のろ過装置において、 上記ろ過材は、プラスチックの丸棒を、軸方向に該丸棒
    の直径に比し小さなピッチで、刃物を用いて該丸棒の中
    心付近まで達するように深く螺旋状に切り込み、所定の
    長さに切断して形成されるものであることを特徴とする
    ろ過装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のろ過装置におい
    て、 上記複数の処理槽の上記上昇部に洗浄用水をそれぞれ供
    給するための洗浄用水供給手段と、 上記各処理槽の上記下降部にそれぞれ配設された洗浄排
    水排出口と、 該各洗浄排水排出口にそれぞれ設けられた開閉手段とを
    備えたことを特徴とするろ過装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のろ過装置において、 上記各洗浄排水排出口を、上記各処理槽の上記下降部
    の,上記フィルタの上面の高さより高くかつ該各処理槽
    の上記上昇部のオーバーフロー用切欠きの底部の高さよ
    り低い位置にそれぞれ配設したことを特徴とするろ過装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載のろ
    過装置において、 上記第2の隔壁は所定の高さを有しており、 かつ上記始端に位置する処理槽の、上記オーバーフロー
    用切欠きのうちその底部の高さが最も高いものの底部の
    高さより高く,かつ上記第2の隔壁の所定の高さより低
    い位置に配設された溢水排出口を備えたことを特徴とす
    るろ過装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013540575A (ja) * 2010-08-24 2013-11-07 ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ 重力送り式フィルタを有する浄水装置

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JP2013540575A (ja) * 2010-08-24 2013-11-07 ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ 重力送り式フィルタを有する浄水装置

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