JPH0910806A - 継目無鋼管の傾斜圧延装置および傾斜圧延方法 - Google Patents

継目無鋼管の傾斜圧延装置および傾斜圧延方法

Info

Publication number
JPH0910806A
JPH0910806A JP9838196A JP9838196A JPH0910806A JP H0910806 A JPH0910806 A JP H0910806A JP 9838196 A JP9838196 A JP 9838196A JP 9838196 A JP9838196 A JP 9838196A JP H0910806 A JPH0910806 A JP H0910806A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rolling
roll
roller guide
roller
rolled
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9838196A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuhiro Wada
康裕 和田
Shuji Yamamoto
修治 山本
Shuichi Hamauzu
修一 濱渦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP9838196A priority Critical patent/JPH0910806A/ja
Publication of JPH0910806A publication Critical patent/JPH0910806A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Reduction Rolling/Reduction Stand/Operation Of Reduction Machine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 継目無鋼管圧延製造プロセスに用いられる傾
斜圧延において、無駆動のローラーガイドを用いること
により、既存設備にローラーガイド駆動設備等の付帯設
備を増設することなく、スティッカ現象によるかみ止ま
りや、管端のフレア現象を防止するとともに、外表面性
状の美麗な製品の圧延を可能とする傾斜圧延装置と方法
を提供する。 【構成】 圧延方向に配列された、パスラインに相対向
した2対の無駆動ローラーガイドを、圧延ロールに隣接
する位置に所定の傾斜角および交叉角をもたせて配置す
る。 【効果】 継目無鋼管圧延製造プロセスの中の傾斜圧延
において、従来の一体型の無駆動ローラーガイドにおい
ては、スティッカ現象またはフレア現象により、圧延不
能であった薄肉管の圧延においても、無駆動のローラー
ガイドを適用することが可能となり、簡易な設備構造
で、外表面性状が美麗な製品を製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、継目無鋼管の穿孔
もしくは延伸圧延工程に用いられる傾斜圧延装置および
それを用いる傾斜圧延方法に関する。
【0002】
【従来の技術】継目無鋼管の圧延工程は、一般に、図1
2(a)に示すプラグミルプロセスと、図12(b)に
示すマンドレルミルプロセスに大別される。これら2つ
の圧延プロセスの穿孔機もしくはエロンゲータと称され
る延伸圧延機には、一般に図10(a)(b)に示すよ
うな、複数の樽型ロール6または円錐型ロール7を、一
定の傾斜角および必要に応じて交叉角をもたせて配置さ
せた、図9に示すような傾斜圧延装置が用いられる。な
お、傾斜角とは、図11(a)にその説明図を示すよう
に、圧延ロールに1よる被圧延材4の圧下方向に垂直な
平面へ投影した圧延ロール軸とパスラインとがなす角度
θである。交叉角とは、図11(b)にその説明図を示
すように、圧延ロール1による被圧延材4の圧下方向と
平行な平面に投影した圧延ロール軸とパスラインとがな
す角度γである。
【0003】管の傾斜圧延機においては、上記圧延ロー
ルによる圧下方向に垂直な方向への被圧延材の張り出し
を防止し、被圧延材の外径を規定するために、図5ある
いは図9に示すような、固定ガイドシューと称される工
具5を圧延ロール1間の間にパスラインを挟んで対向し
て設置する。
【0004】このガイドは板状の固定式ガイドであるた
めに、圧延中のガイドと被圧延材との間の摩擦により焼
き付きが生じ、製品外面に疵が発生するという問題があ
る。この外面疵改善策として、円盤状のガイドであるデ
ィスクガイドを用い、ガイドにパスライン方向の回転を
与えさせながら圧延を行う方法があるが、この方法で
は、特開昭60−68104号公報に述べられているよ
うに、圧延中に回転しながらパスライン方向に前進する
被圧延材とガイドの間のパスライン方向のすべりは解消
することが可能であるが、被圧延材の回転方向のすべり
については依然として改善されず、被圧延材の外面疵の
抜本的な解消とはならず、また、ディスクガイドはその
直径が3m以上となる場合もあり、設備が大規模となる
ことから、既存設備に新たに設置することが不可能な場
合も生じている。
【0005】また、ガイドを圧延ロールと同じくローラ
ー形状とすることによって、被圧延材の回転方向のすべ
りをも解消する方法がある。これは、ロールバイトの入
口から出口に至る領域において、被圧延材をロールによ
りガイドする一体型のローラーガイドを設けるものであ
る。この方法では、外面疵の発生を大幅に低減すること
は可能であるものの、薄肉材の圧延においては、特開昭
60−68104号公報に述べられているように、図6
に示すようにロールとローラーガイド8の隙間に被圧延
材が進入し、滞留する、いわゆるスティッカ現象により
圧延が停止するという問題、あるいは圧延は停止するこ
となく完了した場合でも、管の後端部が図7に示すよう
なフレア状になり真円形状ではなくなる、いわゆるフレ
ア現象が多々生じ、その実用化は難しかった。これは一
体型のローラーガイドとすることによって外面疵の問題
は解消されるものの、図5に示すような固定ガイドの場
合と比較して、図8に示すように圧延ロール1とローラ
ーガイド8とで囲まれた空間が大きくなるために、圧延
中の被圧延材の圧延ロールとローラーガイドの間の隙間
への進入が容易になり、前述のスティッカ現象およびフ
レア現象が生じやすくなるためである。
【0006】従って、ロールとローラーガイドを近接さ
せて配置させ、圧延中の被圧延材の圧延ロールとローラ
ーガイドの間への進入を防止することが固定ガイド以上
にスティッカ現象およびフレア現象防止のための重要な
課題となる。
【0007】しかしながら、ロールバイトの入口から出
口にかけて一体型のローラーをガイドとして用いる一体
型のローラーガイドによる圧延では、上述のように傾斜
圧延装置においては、圧延ロール、ローラーガイドがと
もに傾斜角、交叉角をもって複雑に配置されているため
に、ロールバイト入口から出口の範囲のある一点におい
て、圧延ロールとローラーガイドとが接触し、それ以上
ローラーガイドを圧延ロールに近接させることが不可能
となり、接触点以外の位置では、圧延ロールとローラー
ガイドとの間隔が拡大し、圧延ロールとローラーガイド
の間で開放された状態となる場合が多々生じる。
【0008】ローラーガイドの形状を変更することによ
り、一体型のローラーガイドを用いて、ローラーガイド
をその全長にわたって、圧延ロールに近接させることは
可能であるが、実際の圧延操業においては、ロール隙等
の圧延条件は、被圧延材の寸法等によって変更されるこ
とが多く、圧延スケジュールに応じて多数のローラーガ
イドを準備することが必要となり、ガイド交換頻度が増
大し、作業能率の低下を引き起こす。
【0009】以上のことから、任意の圧延条件におい
て、スティッカ現象やフレア現象の原因となる圧延ロー
ルとローラーガイドの間への被圧延材の進入を防止する
ことが可能な適切なローラーガイド位置を設定するため
には、一体型のローラーガイドでは限界があると考えら
れる。
【0010】このような問題を解決する手段として、特
開昭55−54203号公報においては、被圧延材の回
転方向に配列された複数のローラー群を一組としたロー
ラーガイドが提案されている。この方法では、一つ一つ
のローラーの径を小さくできるので、ロールとローラー
ガイドの間の隙間を小さくすることによってフレア現象
は防止できるが、ローラー径が小さくなるため、ローラ
ー軸の強度が不足し、圧延中の反力にローラーガイドが
耐えるように、バックアップロールによりローラーガイ
ドを支持する等の対策が必要となり、その構造は複雑な
ものとなる。
【0011】これらの問題点を考慮して、特開昭60−
68104号公報では、ローラーガイドをドライブ式と
することにより、スティッカ現象を防止しつつ、被圧延
材の外面疵を防止する方法が提案されている。しかしな
がら、ローラーガイドをドライブ式として駆動する場
合、ローラーガイドを駆動するため駆動設備が必要であ
り、付帯設備の新設が必要となる上に、駆動のためのモ
ーターも圧延ロールと同等程度の大型のものが必要とな
る場合も考えられ、既存設備の適用に当たっては、大規
模な設備改造が必要となる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の問題
に対して、継目無鋼管圧延製造プロセスの中の傾斜圧延
において、無駆動のローラーガイドを用いて、スティッ
カ現象による圧延停止およびフレア現象を引き起こすこ
となく、外面疵発生を防止できる傾斜圧延装置を提供し
ようとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、加熱炉にて所
定温度に加熱された鋼片を穿孔・圧延する継目無鋼管の
傾斜圧延装置において、各々が樽型あるいは円錐型形状
を有する、圧延方向に配列された、パスラインをはさん
で相対向する2対の無駆動のローラーガイドを、圧延ロ
ールに隣接する位置に所定の傾斜角および交叉角をもた
せて配置することを特徴とする継目無鋼管の傾斜圧延装
置である。また、本発明は、上記の圧延装置を用いて行
う傾斜圧延方法において、ロールバイト入口側のローラ
ーガイド対の最小隙を、圧延ロール隙の最小値の115
%〜130%の範囲に設定して圧延することを特徴とす
る継目無鋼管の傾斜圧延方法である。
【0014】
【発明の実施の形態】傾斜圧延におけるガイドの第1の
機能は、圧延に伴う被圧延材のロール圧下方向と垂直な
方向への外径の拡大を抑制することにより被圧延材の外
径を規定することであり、第2の機能は、全圧延領域に
おいて、圧延中の被圧延材を一定の位置に支持し、材料
の振れまわり、偏肉等の発生を抑制することであるが、
前者は、被圧延材の肉厚が圧下される領域でのガイド機
能であり、この領域では、圧延ロールとローラーガイド
の間の隙間を極力小さくすることが必要である。後者
は、前述の領域およびそれ以外の領域でのガイド機能で
あり、前述の領域以外の部分では、スティッカ現象およ
びフレア現象が発生することはなく、前者の領域ほど圧
延ロールとローラーガイドの間の隙間を小さくする必要
はない。
【0015】ここで、傾斜圧延機で管を圧延した場合、
ロールバイト内の一部の領域においては、被圧延材のパ
スラインに垂直な断面の形状は、図3に示すように必ず
しも円形状ではないことが一般に知られている。ロール
1とガイド8との間への被圧延材の進入を防止するため
には、この円形状ではない断面形状の中の、図3中にD
で示した被圧延材4の外径が最大となる領域で被圧延材
4をガイド8、8により十分に拘束することにより、ガ
イド8、8とロール1、1の間への被圧延材4の進入を
抑制することが重要となる。ここで、圧延を途中止めす
ることにより、圧延中の被圧延材の最大径Dの大きさの
圧延方向分布を調査した。
【0016】被圧延材の最大径Dの分布は、図4にその
一例を示すように、ピークをもった山形の分布となる。
このピークの位置は、被圧延材と内面工具であるプラグ
9が接触し、肉厚圧下が開始する位置の近傍で、肉厚圧
下開始位置よりややロールバイト出口側に対応してい
る。このことから、肉厚圧下に伴い被圧延材4の最大径
Dは急激に増加を開始し、スティッカ現象の原因とな
る、被圧延材4のロール1とローラーガイド8の間への
進入は、この最大径Dのピークの位置の近傍において生
じる。この被圧延材4とプラグ9が接触を開始する位置
において、圧延ロール1とローラーガイド8を近接させ
ることによって、スティッカ現象およびフレア現象を防
止するものである。
【0017】本発明においては、図1に示すように、パ
スラインをはさんで相対向する2対のローラーガイド
2、3を、ロールバイトの入口から出口に向かって直列
に配列することにより、各々のローラーガイド2、3位
置を単独に決めることが可能となり、任意の場所でのロ
ーラーガイド2、3と圧延ロール1との間の隙間を小さ
くすることが可能となる。このことにより、被圧延材4
がロール1とガイド2、3の間への進入が生じやすいプ
ラグ9と被圧延材4が接触を開始する位置の近傍では、
ローラーガイド2、3隙を小さくし、スティッカ現象や
フレア現象を防止することが可能となり、なおかつ、そ
れよりロールバイト入口側では、被圧延材4の圧延ロー
ル1へのかみ込み不良が生じないようにローラーガイド
2、3隙を大きくすることが可能となり、被圧延材の圧
延ロールへのかみ込み不良等を防止することが可能とな
る。
【0018】本発明においては、図1のように、ローラ
ーガイド2、3を圧延ロール1、1のロールバイト入口
側および出口側に、パスラインを挟んで相対向して配置
するものであるが、ローラーガイド2、3の形状、大き
さ、および交叉角γ、傾斜角θは、上述のようにロール
バイトの近傍において、圧延ロール1とローラーガイド
8の間隔が小さくなるように、圧延ロール1の形状、圧
延ロールの傾斜角θ、交叉角γ等を、即ち圧延ロールと
ローラーガイドの周速等を勘案して決定するものであ
る。
【0019】ここで、本発明の傾斜圧延装置は、ロール
バイト入ロ側および出口側にそれぞれ1組ずつのローラ
ーガイド対を備えており、各々のローラーガイド対の隙
を任意に設定できることから、本装置によって被圧延材
を圧延する際に、一般に圧延ロール隙が最小となる位置
よりもロールバイトの入口側にあり、被圧延材の最大外
径Dが肉厚圧下に伴って拡大を開始する被圧延材とプラ
グとの接触開始位置もしくはその位置よりもロールバイ
ト入口側で、ローラーガイドの拘束により、被圧延材の
最大外径Dを予め縮小しておき、被圧延材の最大外径D
のピーク値を縮小することが、フレア現象やスティッカ
現象を防止するためにはより好ましい。
【0020】この際、ロールバイト入口側、出口側いず
れのローラーガイド対の拘束により被圧延材の外径を縮
小するかについては、本発明の対象とする傾斜圧延装置
は、ロールバイトの入口側および出口側に二組のローラ
ーガイド対を有するが、被圧延材がプラグと接触を開始
する位置は、一般に、ロール隙が最小となる位置よりも
ロールバイトの入口側にあることから、ロールバイト入
口側のローラーガイド3対を用いる。これは、ロールバ
イト出口側のローラーガイド4対を用いる場合は一対の
ローラーガイド対が、ロールバイトのほぼ全域で被圧延
材と接触することとなり、一体型のローラーガイドと同
様の問題が生じ、その適用は困難であると考えられるた
めである。その際、ロールバイト入口側のローラーガイ
ドのガイド隙の上下限値については、上限値は、スティ
ッカ現象やフレア現象の発生の有無によって制限され、
下限値は、ガイド隙が過度に小さい場合はかみ込み不良
による圧延不能が懸念されることから、かみ込み不良の
発生状況によって制限される。なお、ロールバイト出口
側のローラーガイドについては、ロールとローラーガイ
ドとの間の隙間が小さくなるように近接させて配置すれ
ば良い。
【0021】本発明者らは、ロールバイト入口側のロー
ラーガイド隙の上下限値について調査するために、図1
に示す構成の傾斜圧延機を用いて、圧延ロール隙を基準
にロールバイト入口側のローラーガイド隙を変化させて
実験を行った。なお、圧延ロール隙およびローラーガイ
ド隙については、ロールバイト内の場所によって変化す
るそれぞれの隙の最小値を代表値として用いた。圧延ロ
ールは、樽型形状のロールを用い、圧延ロール隙を6
5.0mmとした。ローラーガイドは円錐台形状のものを
用い、ロールバイト入口側のローラーガイドは、図1に
示すように、最大径の部分がロールバイトの出口側とな
るようにし、かつ最大径の部分が予めかみ止め実験によ
って確認した被圧延材とプラグとの接触開始位置となる
ように配置し、ロールバイト出口側のローラーガイド
は、同じく図1に示すように、最大径の部分がロールバ
イトの入口側となるように配置した。ローラーガイド隙
は、ロールバイト出口側にあるローラーガイド対は9
0.0mmとし、ロールバイト入口側にあるローラーガイ
ド対は70mm、75mm、84.5mm、90mmの4水準に
変更した。
【0022】以上の設定条件で圧延を行った結果、ロー
ルバイト入口側のローラーガイド隙が75mmおよび8
4.5mmの場合は、かみ止まり、スティッカ現象が生じ
ることなく圧延は完了したが、ロールバイト入口側のロ
ーラーガイド隙が70mmの場合はかみ止まりが、90mm
の場合は、スティッカ現象が発生した。この結果から、
ローラーガイド対の隙と圧延ロール隙との比(ローラー
ガイド隙/圧延ロール隙)が115%〜130%の範囲
では、スティッカ現象やフレア現象、およびかみ込み不
良を生じることなく圧延を行うことが可能であることが
確認された。
【0023】図1は本発明の樽型の圧延ロール1、1を
備えた傾斜圧延装置の一例を示す側面概略図であり、円
錐台形状ローラーガイド2をロールバイト出口側に、円
錐台形状ローラーガイド3をロールバイトの入口側にパ
スラインを挟んで相対向して配置したものである。ロー
ラーガイド2、3の形状は、パスライン方向の圧延ロー
ル1の周速の増減傾向(圧延ロールのパスライン方向の
径変化)と、ローラーガイド2、3の周速の増減方向
(ローラーガイドのパスライン方向の径変化)を近似さ
せるため円錐台形状とし、ロールバイト入口側のローラ
ーガイド3は、直径が大なる部分をロールバイトの出口
側に向けて、出口側のローラーガイド2は、直径の大な
る部分をロールバイトの入口側に向けて配置する。ま
た、入口側、もしくは出口側のローラーガイドが被圧延
材をガイドする領域に、圧延ロールの最大径部がある場
合は、樽型のローラーガイドを用い、ローラーガイドの
直径が最大となる部分が、圧延ロールの直径が最大とな
る部分に一致させるまたは、その近傍に位置するように
配置する。
【0024】また、図2は円錐台形状の圧延ロールを備
えた傾斜圧延装置であり、円錐台形状のローラーガイド
2をロールバイト出口側に、ローラーガイド3をロール
バイトの入口側にパスラインを挟んで相対向して配置し
たものである。圧延ロールが樽型の場合と同様に、ロー
ラーガイドは、パスライン方向の圧延ロール1の周速の
増減傾向と、ローラーガイド2、3の周速の増減傾向を
近似させるために、ロールバイト入口側、出口側とも、
円錐台形状のローラーガイドの直径が大なる側をロール
バイトの出口側に向けて配置する。
【0025】これは、圧延ロール1およびローラーガイ
ド2、3はともに圧延中は、剛体として回転するため
に、パスライン方向に各々の周速は、圧延ロール1およ
びローラーガイド2、3の軸方向の直径の変化、即ち形
状によって変化し、パスライン方向の圧延ロール1とロ
ーラーガイド2、3の周速の増減の傾向が一致せずアン
バランスな場合、圧延ロール1とプラグ9によって肉厚
圧下され、延伸した被圧延材4が、ローラーガイド2、
3と接触した際、ローラーガイド2、3が被圧延材4の
回転の抵抗となり、圧延ロール1とローラーガイド2、
3との間に被圧延材4が滞留することを防止するためで
ある。
【0026】傾斜角は、圧延中の圧延ロール1およびロ
ーラーガイド2、3の回転速度の、パスライン方向とそ
れに垂直な方向の速度への配分を決定する因子の一つで
ある。従って、ローラーガイド2、3の傾斜角について
も、圧延中の圧延ロール1とローラーガイド2、3の周
速の増減の傾向をバランスさせるように選択すれば良い
が、圧延ロール1とローラーガイド2、3の速度バラン
スの観点から、ローラーガイド2、3の傾斜角を圧延ロ
ール1の傾斜角に極力近付けることが好ましい。さらに
は、圧延ロール1の傾斜角と一致させることが望まし
い。
【0027】交叉角についても、ローラーガイド2、3
の交叉角が、圧延ロール1の交叉角と近似させるか、好
ましくは一致するようにローラーガイド2、3を設置す
ることが望ましい。これは、圧延ロールと圧延ロールと
の間の隙とローラーガイドとローラーガイドとの間の隙
のパスライン方向の変化をほぼ同一の傾向で変化させる
場合、圧延ロール1とローラーガイド2、3の交叉角が
異なると、圧延ロール1とローラーガイド2、3の形状
が異なったものとなる場合があり、また、これとは逆
に、同様の形状の圧延ロール1とローラーガイド2、3
を用いた場合に、圧延ロール1とローラーガイド2、3
の交叉角が異なると、上述のパスライン方向の圧延ロー
ル間の隙とローラーガイド間の隙の変化の傾向が異な
り、圧延ロール隙が拡大していく範囲でローラーガイド
隙は減少し、ローラーガイド2、3が圧延に伴い径が拡
大しようとする被圧延材4の前進の妨げとなり、前述の
圧延ロール1とローラーガイド2、3の形状の場合と同
様に、圧延ロール1とローラーガイド2、3との間での
被圧延材の滞留が生じる場合があるためである。
【0028】なお、ローラーガイド2、3の径は、圧延
ロール1、1間の間隙を勘案して決めればよい。またロ
ーラーガイド2、3は無駆動とする。これによって被圧
延材4の回転に伴うローラーガイド2、3と被圧延材4
との間の回転のズレを最小限にすることができ、製品の
表面性状の点で有利である。
【0029】以上のような形状・設定条件でローラーガ
イドを用いれば、無駆動のままでスティッカ現象やフレ
ア現象を防止することが可能となり、既存設備への適用
を考えた場合、その改造範囲は、ローラーガイドが無駆
動であることから、ローラーガイドとその支持台の製作
のみでよい。ミルへの設置は、支持台に設置したローラ
ーガイドを既存設備の固定ガイド支持台の上に設置する
のみで使用が可能となり、ドライブ式ローラーガイドの
ような付帯設備は、一切必要としない。この際、相対す
るローラーガイドの隙間の調整には、既存固定ガイドの
隙間調整機能が流用可能である。
【0030】本発明において、ローラーガイドを圧延方
向を2分割したことから、スティッカ現象およびフレア
現象の原因となる圧延ロールとローラーガイドの間への
被圧延材の進入を防止するために、圧延中の被圧延材と
プラグの接触開始点付近の圧延ロールとローラーガイド
の間の隙間が小さくなるように圧延ロールとローラーガ
イドを近接させて配置することが可能となる。
【0031】また、ローラーガイドは無駆動式であるた
めに、既存設備への適用を考えた場合、ローラーガイド
およびローラーガイドの支持台を製作するのみで、既存
の固定ガイドの支持装置が流用可能となる。
【0032】
【実施例】
(実施例1)延伸圧延される素管は、寸法が外径76.
3mm、肉厚5.7mm、長さ1,200mmの炭素鋼中空管
であり、延伸圧延後の寸法は、外径84.0mm、肉厚
4.2mm、長さ1,440mmであった。圧延ロールは樽
型ロールを用い、ロール隙の最小値を55.0mmとし、
圧延ロールの傾斜角は8°とした。使用したプラグの径
は68.1mmであった。この圧延条件において、一体型
のローラーガイドを用いた場合は、スティッカ現象によ
り、圧延が停止したことが事前に確認されている。
【0033】ローラーガイドは円錐台形状のものを用
い、ロールバイト入り口側に用いたものは、最小径75
mm、最大径85mm、長さ80mmであり、ロールバイト出
口側に用いたものは、最小径75mm、最大径85mm、長
さ110mmであった。ロールバイト入口側のローラーガ
イドは、図1に示すように、最大径の部分がロールバイ
トの出口側となるように、ロールバイトの出口側のロー
ラーガイドは、同じく図1に示すように、最大径の部分
がロールバイトの入口側に配置し、パスライン方向にみ
て、ロールバイト出口側のローラーガイドの最大径部
が、プラグと被圧延材の接触開始位置と一致するように
設置した。また、パスライン方向にみたロールバイト入
口側のローラーガイドとロールバイト出口側のローラー
ガイドの間隔は、40mmとした。ローラーガイド隙の最
小値は、ロールバイト入り口側にあるローラーガイド対
は85.0mm、ロールバイト出口側にあるローラーガイ
ド対は90.0mmとした。ローラーガイドの傾斜角は、
入り口側、出口側いずれも6°とした。
【0034】以上の設定条件で圧延を行った結果、かみ
止まり、スティッカ現象が生じることなく圧延は完了
し、圧延後の被圧延材の外表面には、疵の発生も認めら
れず、美麗な表面性状であった。
【0035】(実施例2)図1に示す構成の傾斜圧延機
を用いて、外径76.3mm、肉厚6.7mm、長さ100
0mmの炭素鋼中空管を、外径84.0mm、肉厚4.2m
m、長さ1390mmに延伸圧延した。圧延ロールは、
樽型形状のロールを用い、圧延ロール隙の最小値を6
5.0mmとし、圧延ロールの傾斜角は8°とした。使用
したプラグの径は68mmであった。ローラーガイドは円
錐台形状のものを用い、ロールバイト入口側に用いたも
のは、最小径75mm、最大径85mm、長さ80mmであ
り、ロールバイト出口側に用いたものは、最小径75m
m、最大径85mm、長さ110mmであった。
【0036】ロールバイト入口側のローラーガイドは、
図1に示すように、最大径の部分がロールバイトの出口
側となるようにし、かつ最大径の部分が予めかみ止め実
験によって確認した被圧延材とプラグとの接触開始位置
となるように配置し、ロールバイト出口側のローラーガ
イドは、同じく図1に示すように、最大径の部分がロー
ルバイトの入口側となるように配置した。また、パスラ
イン方向にみたロールバイト入口側のローラーガイドと
ロールバイト出口側のローラーガイドの間隔は、30mm
とした。ローラーガイド隙の最小値は、ロールバイト出
口側にあるローラーガイド対は90.0mmとし、ロール
バイト入口側にあるローラーガイド対は、82mm(ロー
ル隙の126%)とした。ローラーガイドの傾斜角は、
入口側、出口側いずれも6°とした。
【0037】以上の設定条件で圧延を行った結果、かみ
止まり、スティッカ現象が生じることなく圧延は完了
し、圧延後の被圧延材の外表面には、疵の発生も認めら
れず、美麗な表面性状であった。
【0038】
【発明の効果】本発明により、継目無鋼管圧延製造プロ
セスの中の傾斜圧延において、従来の一体型の無駆動ロ
ーラーガイドにおいては、スティッカ現象またはフレア
現象により、圧延不能であった薄肉管の圧延において
も、無駆動のローラーガイドを適用することが可能とな
り、美麗な外表面を有する製品を得ることが可能となっ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による、傾斜圧延装置の実施例の概略
図。
【図2】本発明による傾斜圧延装置の他の実施例の側面
概略図である。
【図3】ロールバイト内での被圧延材のパスラインに垂
直な断面形状を示す図。
【図4】圧延中の被圧延材の最大径の圧延方向分布の一
例を示す図。
【図5】固定ガイドを用いた場合の、傾斜圧延装置のロ
ールバイト内のパスラインに垂直な断面の間隙の状況を
示す図。
【図6】スティッカ現象を示す模式図。
【図7】フレア現象を示す模式図。
【図8】従来の一体型のローラーガイドを用いた場合
の、傾斜圧延装置のロールバイト内のパスラインに垂直
な断面を示す図。
【図9】従来の固定式ガイドを用いた傾斜圧延装置の概
略図。
【図10】傾斜圧延装置のロール形状を示す模式図であ
り、(a)は樽型形状の圧延ロールの模式図、(b)は
円錐台形状の圧延ロールの模式図である。
【図11】傾斜圧延装置の圧延ロールの傾斜角および交
叉角を説明する図であり、(a)は傾斜角の説明図、
(b)は交叉角の説明図である。
【図12】継目無鋼管の圧延製造プロセスを示す図で、
(a)はプラグミルプロセスを、(b)はマンドレルミ
ルプロセスを示す図。
【符号の説明】
1 圧延ロール 2 ロールバイト出口側に配置されたローラーガイド 3 ロールバイト入り口側に配置されたローラーガイ
ド 4 被圧延材 5 固定式ガイドシュー 6 樽型の圧延ロール 7 円錐台形状の圧延ロール 8 ローラーガイド 9 プラグ 10 プラグ支持用マンドレルバー θ 傾斜角 γ 交叉角 D 任意の断面における被圧延材の最大径

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱炉にて所定温度に加熱された鋼片を
    穿孔・圧延する継目無鋼管の傾斜圧延装置において、各
    々が樽型もしくは円錐台形状を有する無駆動のローラー
    ガイドを、前記圧延装置の圧延ロールのロールバイト入
    口側および出口側に、該圧延ロールに近接しかつ所定の
    傾斜角もしくは交叉角をもって、パスラインを挟んで相
    対向して配置することを特徴とする継目無鋼管の傾斜圧
    延装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の圧延装置を用いて行う傾
    斜圧延方法において、ロールバイト入口側のローラーガ
    イド対の最小隙を、圧延ロール隙の最小値の115%〜
    130%の範囲に設定して圧延することを特徴とする継
    目無鋼管の傾斜圧延方法。
JP9838196A 1995-04-26 1996-04-19 継目無鋼管の傾斜圧延装置および傾斜圧延方法 Pending JPH0910806A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9838196A JPH0910806A (ja) 1995-04-26 1996-04-19 継目無鋼管の傾斜圧延装置および傾斜圧延方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10271695 1995-04-26
JP7-102716 1995-04-26
JP9838196A JPH0910806A (ja) 1995-04-26 1996-04-19 継目無鋼管の傾斜圧延装置および傾斜圧延方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0910806A true JPH0910806A (ja) 1997-01-14

Family

ID=26439563

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9838196A Pending JPH0910806A (ja) 1995-04-26 1996-04-19 継目無鋼管の傾斜圧延装置および傾斜圧延方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0910806A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008126427A1 (ja) * 2007-03-30 2008-10-23 Sumitomo Metal Industries, Ltd. 穿孔機

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008126427A1 (ja) * 2007-03-30 2008-10-23 Sumitomo Metal Industries, Ltd. 穿孔機
US8104316B2 (en) 2007-03-30 2012-01-31 Sumitomo Metal Industries, Ltd. Piercing mill
JP5071476B2 (ja) * 2007-03-30 2012-11-14 住友金属工業株式会社 穿孔機

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4798071A (en) Seamless tube production
JPH0910806A (ja) 継目無鋼管の傾斜圧延装置および傾斜圧延方法
JP2006247721A (ja) 凹凸状金属板挟圧用ロールを用いた金属板の形状矯正方法および形状矯正装置
JP3119160B2 (ja) 継目無管の製造方法
JPH07124612A (ja) 継目無金属管の穿孔圧延方法
JP3082415B2 (ja) 管の圧延方法
JP3082414B2 (ja) 管の圧延方法
JP2002210504A (ja) リングローリング圧延方法および装置
JP2996124B2 (ja) 継目無金属管の穿孔圧延方法
JP4412277B2 (ja) 厚板圧延機の転回テーブル
JP3820896B2 (ja) 継目無管の傾斜圧延機およびその圧延方法
JPH05177221A (ja) 管の傾斜圧延方法
JP6950858B1 (ja) 傾斜圧延設備、継目無素管の製造方法および継目無鋼管の製造方法
JPH0866703A (ja) アッセルミルの中に前部から導入される円筒形中空体を圧延することにより外径又は肉厚を減少する方法
JPH07164022A (ja) 継目無管製造用傾斜圧延機
JPH081210A (ja) 継目無管製造装置及び継目無管製造方法
JPS6046805A (ja) マンドレルミルの制御法
JPH0417910A (ja) フランジを有する形材のエッジング圧延装置
JP2002102906A (ja) 継目無金属管の圧延方法
JPH05228514A (ja) 傾斜圧延機による拡管圧延法
JPH08206707A (ja) 継目無し鋼管の圧延方法及び圧延設備
JPS63238907A (ja) 継目無管の製造方法
KR20050002550A (ko) 연속 열간사상압연기 및 이를 이용한 사상압연방법
JP2001038407A (ja) 継目無金属管の穿孔圧延方法
JPH07241608A (ja) 継目無管の高拡管圧延方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040109

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040312

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Effective date: 20040312

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040720

A02 Decision of refusal

Effective date: 20041130

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02