JPH0910768A - 高電子活性度を有する殺菌水及びその生成方法 - Google Patents

高電子活性度を有する殺菌水及びその生成方法

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JPH0910768A
JPH0910768A JP18345695A JP18345695A JPH0910768A JP H0910768 A JPH0910768 A JP H0910768A JP 18345695 A JP18345695 A JP 18345695A JP 18345695 A JP18345695 A JP 18345695A JP H0910768 A JPH0910768 A JP H0910768A
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chloride
electrolytic
soln
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JP18345695A
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Toshio Ogawa
俊雄 小川
Yoshikazu Hamazaki
嘉和 濱崎
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AIKEN KOGYO KK
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AIKEN KOGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 農業、医療、獣医畜産、食品加工、環境衛生
等の各分野において用いた際に人体に無害であり安全、
かつ、低コストで製造することのできる殺菌水及びその
生成方法を提供することを目的とする。 【構成】 少量の塩化ナトリウム・塩化カリウム・塩化
カルシウムなどの電解質を添加した水溶液を、半透明の
隔膜を有する電気分解槽を用いて電気分解して生成され
る電子活動度peの値が16以上の電解水でなる高電子
活性度を有する殺菌水を提供する。生成方法としては少
量の電解質を添加した水溶液中に正負の電極を隔膜を介
して対向させて浸漬し、一定電圧をかけて電極に電流を
流すことにより、電解質中の陽イオンを陰極側に移動さ
せるとともに陰イオンを陽極側に移動させ、水の電気分
解によって陰極側の水を強アルカリ性水とし、陽極側の
水を強酸性水とした高電子活性度を有する殺菌水の生成
方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、農業、医療、獣医畜
産、水産加工、環境衛生、厨房清掃等の分野における滅
菌、殺菌を含む消毒のための散布、流水、清掃のために
用いる殺菌水及びその生成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から農業用の消毒剤とか殺菌剤とし
て用いられる農薬は、有機塩素系、ジチオカーバメート
系、カルボン酸イミド系、安息香酸アニリド系、ベンズ
イミダゾール系、有機リン系、トリアゾール系、抗生物
質等があり、それらの詳細と使用方法については河野修
一郎著「日本農薬事情」(岩波書店、1990年発
行)、香月繁孝著「農薬便覧」(農山漁村文化協会、1
959年発行)等に記載されている。
【0003】他方で医療関係に用いられる消毒薬には、
手洗い用とか皮膚・粘膜消毒用、器具・機械消毒用、環
境その他(病室、手術室、寝具・リネン等)の消毒用、
感染症患者の滅菌・消毒、MRSA(黄色ブドウ状球
菌)の殺菌、医療廃棄物等の消毒等があり、それらの使
用法については日本病院薬剤師会編「消毒剤の使用指
針」(薬事日報社、1987発行)などに記載されてい
る。
【0004】上記に関連した先願技術として特公平7−
8768号公報により、塩化ナトリウム水溶液を有隔膜
で電気分解して陽極側に得られる殺菌水であって、少な
くとも残留塩素を40ppm含有するとともにpHが
6.5以下の殺菌水が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の農業用の消毒剤、殺菌剤として用いられる農
薬は、農産物に一部残留することが知られており、これ
を食する人体の安全を害するばかりでなく、使用する農
民に副作用を起こす危険性がある。他方の医療用消毒用
に用いる化学薬品は、使用方法が適切でない場合には患
者に種々の副作用を起こすことがあり、特に体力のない
患者の場合はこれによって死亡する等の重大事故を引き
起こす虞れがある外、使用する医師・看護人にも副作用
を及ぼす危険がある。
【0006】更に院内感染を起こす惧れのあるMRSA
(黄色ブドウ状球菌)には適切な消毒剤が開発されてい
ないのが現状であり、これは獣医畜産分野でも同様であ
る。また、食品加工業の分野で用いられている消毒剤
は、取扱い上の安全性と食品衛生上などの面で問題点が
あり、殺菌効果の不備に加えてコストが高いという問題
点も残存している。
【0007】また、前記特公平7−8768号によって
提案された殺菌水の場合は、残留塩素を40ppm以上
含有し、pHが6.5以下の電解水として特徴づけられ
ており、残留塩素による薬害は無視できない。従ってこ
の電解水を農業用とか医療用として利用する場合には、
残留塩素を少なくとも30ppm以下として薬害を最小
限にしなければならない。
【0008】そこで本発明は上記の問題点に鑑みてなさ
れたものであり、特に農業、医療、獣医畜産、食品加
工、環境衛生等広範囲の各分野において用いた際に人体
に無害であり安全、かつ、低コストで製造することので
きる殺菌水及びその生成方法を提供することを目的とす
るものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するために、請求項1により、少量の塩化ナトリウム
・塩化カリウム・塩化カルシウムなどの電解質を添加し
た水溶液を、半透明の隔膜を有する電気分解槽を用いて
電気分解して生成される電子活動度peの値が16以上
の電解水でなる高電子活性度を有する殺菌水を提供す
る。
【0010】更に請求項2により、少量の塩化ナトリウ
ム・塩化カリウム・塩化カルシウムなどの電解質を添加
した水溶液中に正負の電極を隔膜を介して対向させて浸
漬し、電極間に電流を流すことにより、電解質中の陽イ
オンを陰極側に移動させるとともに陰イオンを陽極側に
移動させ、水の電気分解によって陰極側の水を電子活動
度peが低下した強アルカリ性水とし、陽極側の水を電
子活動度peが上昇した強酸性水とした高電子活性度を
有する殺菌水の生成方法を提供する。
【0011】
【作用】かかる本実施例によって得られた電子活動度p
eの値の大きな殺菌水をウイルスや細菌にかけると、そ
の極端な電子不足(pe大)と同時に水素イオン過剰
(pH小)の電気的な特徴により、細胞壁の内外の電位
バランスがくずれて細菌は一瞬のうちに運動を停止す
る。特に高pe殺菌水の強い電気力によってウイルスや
細菌の細胞壁に孔が開いたり破裂したりして内部の核が
溶け出して殺菌作用が高められる。
【0012】高電子活性度を有する殺菌水の殺菌作用は
電気力によるものであり、この電気効果はウイルスや細
菌のような薄い細胞壁を破壊するのに十分であるが、植
物や人体のような硬い細胞膜を破壊することがない。従
って普通の殺菌剤である抗生物質や化学薬品のように、
ウイルスや細菌にとって毒となると同時に菌の宿主であ
る植物や人体にも悪影響を与えるということがなくな
り、しかもこれらの殺菌剤が有している残留性及び副作
用がなく、安全性は万全となる。
【0013】
【実施例】以下本発明にかかる高電子活性度を有する殺
菌水の各種実施例を説明する。先ず本実施例で説明して
いる電子活動度peの概念を説明する。近時、水道水に
食塩又は塩化カリウム等の電解物質を添加した水を電気
分解することによって得られる強電解水が強い殺菌作用
を持つことが分かり、種々の分野で利用されている。こ
の強電解水とは、酸・アルカリ度を表すpHの値が約
2.5の強酸性水と、このpHが約11.5の強アルカリ
水とがあり、何れも人体に無害であることから病院での
消毒用とか、農業分野での農薬による悪影響を避けるた
めに農薬に代えて野菜とか果樹に伝染する病原菌の消毒
用に用いられている。
【0014】上記強電解水を生成する一例として、約
0.075%濃度の食塩水を電気分解すると、陽極(ア
ノード)側にpHが約2.5の強酸性電解水が得られ、
陰極(カソード)側にpHが約11.5の強アルカリ電
解水が得られる。基本的な化学反応式は以下の通りであ
る。 H2O=H+ +OH- (1) 2H+ +2e- =H2 (2) O2+2H2O+4e- =4OH- (3) NaCl=Na+ +Cl- (4) HCl=H+ +Cl- (5) 〔1/2〕Cl2+e- =Cl- (6) HOCl+H+ +e- =〔1/2〕Cl2+H2O (7) HOCl=H+ +OCl- (8) 即ち、食塩水を電気分解すると、水溶液中に水素イオン
[H+]、水酸化物イオン[OH-]、水素[H2]、酸
素[O2]のほかに、ナトリウムイオン[Na+]、塩素
イオン[Cl-]、塩素[Cl2]、次亜塩素酸[HOC
l]、次亜塩素酸イオン[OCl-]、塩酸[HCl]
が生成されるが、このような電解水中の成分がどのよう
な割合で存在しているのかは、水素イオン[H+]濃度
を表すpHと、電子[e-]の活動度を表すpeで表現
することができる。
【0015】上記のpHとpeは次式で与えられる。 pH=−log[H+] pe=−log[e-] 上記の電子活動度pe(ピーイー)とは、電解水溶液中
で活動する電子濃度[e-]について10を底とする対
数をとってマイナス記号をつけたものである。これは基
本的には水素イオン濃度[H+]から酸性度を表すpH
(ピーエッチ又はペーハー)を定義した場合とほぼ同様
の定義によるものである。このpeの値が大きい電解水
は、電子が極端に不足した水である。
【0016】このような電子活動度peの値が大きい電
解水が何故強い殺菌力を有しているのかについて説明す
ると、殺菌の対象となる病原微生物には、B型肝炎ウイ
ルス(HBV)、エイズウイルス(HIV)、黄色ブド
ウ状球菌(MRSA)、大腸菌、サルモネラ菌、結核菌
等がある。これらのウイルスや細菌は細胞壁で囲まれた
単細胞の微生物で、1ミクロンから1/100ミクロン
程度の大きさをもっている。ウイルスの網目状の細胞壁
は鎧のようなものを着た状態になっており、これは細菌
だけにあって人間の細胞には存在しない。ウイルス自身
ではタンパク質の合成ができず、一定期間生きるための
生命部分と、子孫を増やすための情報、遺伝子因子をも
つ核酸からなり、他の生きている細胞の中で増殖する性
質をもっている。これらのウイルス又は細菌類の細胞壁
は植物や人間の細胞膜よりはずっと薄くできている。
【0017】これらウイルス又は細菌類の細胞壁には、
プロトン・ポンプと呼ばれるものがあって、細胞の中か
ら水素イオンを外に汲み出している。このため細胞壁の
内外に水素イオン濃度あるいは分布の差ができて電位差
が発生し、これによる電気力がウイルス又は細菌の活動
エネルギーに変換されている。これはプロトン駆動力と
呼ばれ、あらゆる生物に共通する基本的なエネルギー獲
得形式となっている。これらのことがらについては相沢
慎一著「原子が生命に転じるとき」(光文社、1993
年発行)に解説されている。
【0018】上記の細菌は、細胞壁から外に出ているベ
ン毛を動かして、ブラウン運動のような運動をする。こ
のベン毛を動かすエネルギーの元がプロトン駆動力であ
る。またこの細胞壁の内外電位差によって、細胞壁の内
外にナトリウム、カリウム、カルシウムなどのイオンを
取り込んだり汲み出したりして生命を保つ働きをしてい
る。
【0019】このようにウイルスや細菌の活動の根源
は、細胞壁の内外にかかる水素イオンの電気力による。
この電気力を用いて動き回っていることが細菌が生きて
いることの証拠になる。特別の場合を除いて運動の停止
は細菌の死滅を意味する。このようなウイルスや細菌
に、電子活動度peの値の大きい強電解水をかけると、
その極端に電子不足(pe大)と同時に水素イオン過剰
(pH小)の電気的な特徴によって、細胞壁の内外の電
位バランスが完全にくずれてしまい、細菌は一瞬のうち
に運動を停止する。高pe殺菌水の強い電気力によって
ウイルスや細菌の細胞壁に孔が開いたり、破裂したりし
て、内部の核(DNA)が溶け出す。
【0020】従来の殺菌剤には大別して抗生物質と化学
薬品剤がある。抗生物質は土壌中などに存在する細菌カ
ビ等の微生物の中にあるもので、その微生物自身が生き
ぬくために、他の微生物が増えないように持っている武
器となるべきものを取り出して薬品にしたものである。
化学薬品剤は無機の化学薬品でウイルスや細菌にとって
毒となるものであるが、これらの殺菌薬には菌だけを殺
すという選択性はなく、目的とする殺菌効果のほかに、
菌の宿主である植物や人体にも同様の影響を与える。こ
れが残留性や副作用をもたらす原因となっている。
【0021】これに比べて高pe殺菌水の殺菌作用は、
完全に電気力だけによるものであって、この電気効果は
ウイルスや細菌のような薄い細胞壁を破壊するのに十分
であるが、植物や人体のような硬い細胞膜を破壊するこ
とはできない。これが高pe殺菌水に残留性や副作用の
ない原因である。
【0022】強酸性電解水の殺菌作用には、強酸性、高
酸化還元電位、塩素、活性酸素の4つの要因が考えられ
る。このうち塩素成分は生成直後の電解水直上で蒸発す
る塩素ガスを除き、次亜塩素酸の殺菌効果は他の塩素系
殺菌剤の濃度に較べて一桁以上少ない溶存塩素しか含ん
でいない。活性酸素も電気分解の過程で生成され、寿命
が短くて効果は小さい。従って強酸性電解水の殺菌作用
はほとんど強酸性、高酸化還元電位に起因している。強
酸性とは水素イオン濃度(pH)が高い水を指し、高酸
化還元電位とは前記したように極端に電子不足の水(高
pe水)を指している。
【0023】以下に本実施例にかかる高電子活性度を有
する殺菌水の具体的な実施例を説明する。先ず水道水に
電解質として塩化ナトリウムを微量に添加調整した水溶
液を、一定の電圧で一定の時間電気分解を行い、陽極側
の電子活動度peが16以上、好ましくはpeが19以
上の溶存塩素の異なる強酸性電解水を得た。
【0024】電解水の生成は定電圧電解及び定電流電解
の方法があるが、定電圧電解を基本として以下の工程に
基づいて実施する。即ち、水中に正負の電極を隔膜を介
して対向させて浸漬し、一定電圧をかけて電極に電流を
流すと、溶解している微量の電解質のうち陽イオンは陰
極側に移動するとともに陰イオンは陽極側に移動し、同
時に水の電気分解によって陰極側の水のpHが上昇して
アルカリ性水になり、陽極側の水のpHは低下して酸性
水になる。この時にそれぞれの電極で起こる酸化還元反
応により、陽極側の水の酸化還元電位は上昇し、陰極側
の水の酸化還元電位は低下する。
【0025】この場合に水溶液中に含まれる電解質の量
によって電解電流の流れ方が異なり、この時の電解量は
ファラデーの法則に基づいて〔電流×時間〕に比例する
ため、pH及び酸化還元電位が電気分解時の電荷量によ
って左右される。従って有隔膜による電気分解を行った
場合、水溶液の電解質の量を調整するか、電解電圧を調
整することによって電解電流を調整するか、又は電解時
間を調整するなどの方法によって両極の水のpHと酸化
還元電位を調整することができる。
【0026】図1は本発明にかかる高電子活性度を有す
る殺菌水を生成する際のブロックダイアグラムであり、
電解電圧を一定として、電解質の添加量を調整する機能
と、水量を調整することによって電解時間を調整可能と
する連続式電解装置の一例である。主要な装置構成を説
明すると、10は電解槽であり、この電解槽10は隔膜
13によって陽極槽14と陰極槽15とで隔成されてい
て、各槽内に陽極16と陰極17とが対向して浸漬配置
されている。5は塩化物タンク、6は塩化物ポンプ、7
は混合器、18は直流電源、19は制御回路、20は操
作パネルである。
【0027】そして給水口1から送り込まれる浄水され
た水は、電磁弁2によって供給と停止が制御されながら
水圧調整器3によって減圧調整されて一定水圧となり、
水量センサ4によって毎分当たりの水量が検知されて操
作パネル20に設けられた表示器によって確認されつつ
混合器7に流入する。通常使用する水は蒸留水とか精製
水もしくは水道水などを使用するが、水道水の場合は浄
水装置を通してから供給される。
【0028】塩化物タンク5に予め一定濃度の塩化物溶
液を用意しておき、塩化物ポンプ6に伴って塩化物溶液
が水量に応じた量で自動的に混合器7に連続的に添加さ
れる。混合器7によって塩化物溶液と水とが均一に混合
されて水溶液となり、この水溶液が自動水抜弁8を通し
て電解槽10に供給される。自動水抜弁8は一定水圧以
下の場合は自動的にドレン9側に排水するように機能す
る。従って電磁弁2が開いて正常な水量と水圧で水溶液
が供給されている場合は、この水溶液が電解槽10側に
供給される。
【0029】電解槽10内に対向配置された陽極16と
陰極17は直流電源18に接続されており、水溶液が電
解槽10内で直流電流によって電気分解され、陽極槽1
4側からは強酸性電解水21が取水されるとともに、陰
極槽15側からは強アルカリ電解水22が取水される。
尚、上記の操作は制御回路19にインプットされたプロ
グラムに基づいて自動的に制御される。
【0030】図2はpe殺菌水のpe−pHダイアグラ
ムである。1リットルの水道水に塩化ナトリウム1.0
グラムを投入して作った塩化ナトリウム水溶液(0.1
%食塩水)について発生する各化学成分のモル濃度境界
線の位置を実線で示した。水道水に添加する塩化ナトリ
ウムの量によって、これらの濃度がどのように変化する
かを調べるために、1リットルの水道水に添加する塩化
ナトリウムの量を0.5グラムの場合(0.05%食塩
水)と、0.1グラム(0.01%食塩水)についても調
べた。
【0031】その結果、塩化ナトリウムの量が0.5グ
ラムの場合は、同1.0グラムの場合とほとんど変化が
なく、特に塩化ナトリウムの量が0.1グラムの場合に
は塩素分子(Cl2)の存在範囲のところに変化が現わ
れ、それを点線で示した。電気分解する時間の長さを変
えた場合、食塩水の濃度が水道水1リットル中に1.0
グラムの場合(○印)、同0.5グラムの場合(□
印)、0.1グラムの場合(△印)によってどのような
違いが出てくるかについて調べた。図2ではそれらの測
定データをそれぞれ○印、□印、△印で示した。電解時
間は分の単位を用いて○印、□印、△印の傍のカッコ内
の数字で示した。(0)は電気分解直前のデータであ
る。(4)は4分間電気分解した場合、(15)は15
分間電気分解した場合のデータである。
【0032】普通の水道水のpe値は5〜10程度であ
り、含まれている電解質の量が少なく、有隔膜により一
定の電圧で一定時間電気分解を行っても陽極側のpe値
を十分に上昇させることは困難である。そこで本実施例
のように塩化ナトリウムや塩化カリウム、塩化カルシウ
ム等の電解質を所定量添加してから電気分解を行うこと
によって目的とするpe値を有する強電解水が得られ、
かつ、添加物に含まれる物質から生成される溶存塩素の
量を低減して安全性が高められるという作用が得られ
る。
【0033】表1はこのように生成した3種類の実施例
1〜3の水溶液の濃度・強酸性電解水のpH・pe・残
留塩素の値を示しており、表2は殺菌試験結果を示して
いる。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】試験方法及び使用細菌と培養方法は以下の
通りである。先ず試験方法は、試験菌を調整して一定数
の菌液を造り、1ml生理食塩水で希釈してその1ml
を強酸性電解水9mlに加えて一定時間後の菌数を調べ
る。細菌がMRSAの時は標準寒天培地で培養温度37
℃,24時間で培養し、細菌が緑膿菌の場合は標準寒天
培地で培養温度37℃,24時間培養する。
【0037】上記実施例1〜3の結果から、強酸性電解
水の殺菌効果は、残留塩素の濃度やpHにあまり依存性
がなく、peの値に大きく依存していることがわかる。
また、実施例1〜3の結果によると、peは16以上、
好ましくは19以上であれば、残留塩素の濃度は0.7
ppmであっても瞬時的な殺菌効果があることを示して
いる。
【0038】表3には強酸性電解水の殺菌力を、水道
水,塩酸(pH2.6),次亜塩素酸ソーダ(10pp
m),塩化ベンザルコニウム(100ppm)と比較試
験した結果を示している。表3では初発菌数約2万〜8
00万個の細菌が殺菌されるまでの時間を測定してい
る。30秒とは30秒以内で殺菌されたことを示し、非
殺菌とは殺菌されなかったことを示している。
【0039】
【表3】
【0040】表3によれば、塩酸酸性水は約pH2.6
でpeは15、次亜塩素酸ソーダ(10ppm)は約p
H6.7でpeは約17、塩化ベンザルコニウム(10
0ppm)は約pH6.5でpeは約10である。
【0041】更にpe22/pH2.6の強酸性電解水
では、セレウス菌の2分を除いてすべて30秒以内で殺
菌されているのに対し、pe15/pH2.6の塩酸の
水溶液で30秒以内で殺菌されたものは腸炎ビブリオ菌
だけであり、その他の菌は殺菌までに24時間を要する
か、殺菌されないと言う結果が出ている。この試験結果
から強酸性電解水の殺菌作用は単にpHが低いというだ
けではないことを示している。また、同時に行った次亜
塩素酸ソーダ(10ppm),塩化ベンザルコニウム
(100ppm)と比較してもpeの高い強酸性電解水
の方が優れた殺菌効果を示している。
【0042】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明にか
かる高電子活性度を有する殺菌水及びその生成方法によ
れば、得られた電子活動度peの値の大きな殺菌水の持
つ極端な電子不足と水素イオン過剰の電気的な特徴によ
ってウイルスや細菌の細胞壁の内外の電位バランスがく
ずれ、細菌の運動を一瞬のうちに停止して大きな殺菌効
果が得られる。特に農業用に用いた場合でも従来の消毒
剤、殺菌剤として用いられている農薬のように農産物に
残留することは全くないので、食品衛生上及び人体に対
する安全性は万全である。
【0043】また、医療用として用いた場合であっても
高電子活性度を有する殺菌水の強い電気力によってウイ
ルスや細菌の細胞壁に孔が開くか破裂により内部の核が
溶け出して殺菌作用が高められ、この殺菌作用は電気力
によるものであって植物や人体のような硬い細胞膜を破
壊することがなく、普通の殺菌剤である抗生物質とか化
学薬品のように菌の宿主である植物や人体に悪影響を与
えることがなく、体力のない患者とか医師・看護人にも
副作用を起こす虞れはない。特に従来から適切な消毒剤
が開発されておらず、院内感染を起こす惧れがあるMR
SA(黄色ブドウ状球菌)を取扱う場合にも使用して有
効である。
【0044】以上説明したように、本発明にかかる高電
子活性度を有する殺菌水は安全で取扱いが容易である
上、電気分解装置を用いて容易に生成することができる
ので、従来の殺菌水に比してコストを低減する効果が大
きい。生成された高電子活性度を有する殺菌水は農業、
医療、獣医畜産、食品加工、環境衛生、家庭衛生、厨房
清掃等広範囲の分野における殺菌作用に利用できるとい
う顕著な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる高電子活性度を有する殺菌水を
生成する装置のブロックダイアグラム。
【図2】本発明で得られた殺菌水のpe−pHダイアグ
ラム。
【符号の説明】
1…給水口 2…電磁弁 3…水圧調整器 4…水量センサ 5…塩化物タンク 6…塩化物ポンプ 7…混合器 8…自動水抜弁 9…ドレン 10…電解槽 13…隔壁 14…陽極槽 15…陰極槽 16…陽極 17…陰極 18…直流電源 19…制御回路 20…操作パネル 21…強酸性電解水 22…強アルカリ電解水

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少量の塩化ナトリウム・塩化カリウム・
    塩化カルシウムなどの電解質を添加した水溶液を、半透
    明の隔膜を有する電気分解槽を用いて電気分解して生成
    される電子活動度peの値が16以上の電解水でなるこ
    とを特徴とする高電子活性度を有する殺菌水。
  2. 【請求項2】 少量の塩化ナトリウム・塩化カリウム・
    塩化カルシウムなどの電解質を添加した水溶液中に正負
    の電極を隔膜を介して対向させて浸漬し、電極間に電流
    を流すことにより、電解質中の陽イオンを陰極側に移動
    させるとともに陰イオンを陽極側に移動させ、水の電気
    分解によって陰極側の水を電子活動度peが低下した強
    アルカリ性水とし、陽極側の水を電子活動度peが上昇
    した強酸性水とした高電子活性度を有する殺菌水の生成
    方法。
JP18345695A 1995-06-26 1995-06-26 高電子活性度を有する殺菌水及びその生成方法 Pending JPH0910768A (ja)

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