JPH09107091A - Mosゲートサイリスタ及びその制御方法 - Google Patents
Mosゲートサイリスタ及びその制御方法Info
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- JPH09107091A JPH09107091A JP7264286A JP26428695A JPH09107091A JP H09107091 A JPH09107091 A JP H09107091A JP 7264286 A JP7264286 A JP 7264286A JP 26428695 A JP26428695 A JP 26428695A JP H09107091 A JPH09107091 A JP H09107091A
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- mgt
- thyristor
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- normally
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Abstract
(57)【要約】
【課題】サイリスタと同程度の低いオン電圧を持ち、I
GBTと同程度に大きな短絡耐量、RBSOAを持つM
OSゲート制御サイリスタを提供する。 【解決手段】4層構造のBRTにおいて、ターンオフゲ
ートをノーマリオン型のPMOS11、ターンオンゲー
トをノーマリオフ型のNMOS12で構成し、双方の絶
縁ゲートを抵抗22を通してゲート電極Gに接続してい
る。PMOS11のしきい値(E1)>NMOS12の
しきい値(E2)とし、E1以上(例えば15V)でタ
ーンオンし、E2以下(例えば0V)でターンオフす
る。BRTはターンオン時、NMOS12の電流をトリ
ガーにカソードから電子が注入されてラッチアップし、
サイリスタ動作をしている。保護回路10がBRTの過
電流を検出すると、絶縁ゲートに印加される電圧V2が
E1より低くE2より高い値に制御され、PMOS11
がオンしてPベース18とN+カソード16が短絡さ
れ、サイリスタ動作が禁止され、BRTはIGBT動作
に遷移する。
GBTと同程度に大きな短絡耐量、RBSOAを持つM
OSゲート制御サイリスタを提供する。 【解決手段】4層構造のBRTにおいて、ターンオフゲ
ートをノーマリオン型のPMOS11、ターンオンゲー
トをノーマリオフ型のNMOS12で構成し、双方の絶
縁ゲートを抵抗22を通してゲート電極Gに接続してい
る。PMOS11のしきい値(E1)>NMOS12の
しきい値(E2)とし、E1以上(例えば15V)でタ
ーンオンし、E2以下(例えば0V)でターンオフす
る。BRTはターンオン時、NMOS12の電流をトリ
ガーにカソードから電子が注入されてラッチアップし、
サイリスタ動作をしている。保護回路10がBRTの過
電流を検出すると、絶縁ゲートに印加される電圧V2が
E1より低くE2より高い値に制御され、PMOS11
がオンしてPベース18とN+カソード16が短絡さ
れ、サイリスタ動作が禁止され、BRTはIGBT動作
に遷移する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体装置に関し、
汎用のMOSゲート制御サイリスタ及びその制御方法に
関する。
汎用のMOSゲート制御サイリスタ及びその制御方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】MOSゲート制御サイリスタはラッチア
ップ型素子であり、オン電圧が低いという長所の反面、
オン電流に飽和特性をもたない。このため、サイリスタ
素子が電源を短絡した場合や、複数接続されたサイリス
タ素子間の動作タイミングがずれた場合などに、素子に
大電流が流れ短時間で破壊されてしまうという欠点があ
る。つまり、負荷短絡耐量、逆バイアス安全動作領域
(RBSOA)が小さいという問題がある。
ップ型素子であり、オン電圧が低いという長所の反面、
オン電流に飽和特性をもたない。このため、サイリスタ
素子が電源を短絡した場合や、複数接続されたサイリス
タ素子間の動作タイミングがずれた場合などに、素子に
大電流が流れ短時間で破壊されてしまうという欠点があ
る。つまり、負荷短絡耐量、逆バイアス安全動作領域
(RBSOA)が小さいという問題がある。
【0003】一方、IGBT(Insulated Gate Bipolar
Transistor)は非ラッチアップ型素子なので、MOS
FETと同様に動作電流に飽和特性が存在し、素子が短
絡したような場合は飽和電流に制限されるので、素子が
短時間で破壊されることはなく負荷短絡耐量が大きい。
しかし、非サイリスタ動作のために、オン電圧は高く損
失が大きいという欠点がある。
Transistor)は非ラッチアップ型素子なので、MOS
FETと同様に動作電流に飽和特性が存在し、素子が短
絡したような場合は飽和電流に制限されるので、素子が
短時間で破壊されることはなく負荷短絡耐量が大きい。
しかし、非サイリスタ動作のために、オン電圧は高く損
失が大きいという欠点がある。
【0004】このように、サイリスタとIGBTは相反
する長、短所を有する。ユーザーにとって、安全動作領
域や負荷短絡耐量が大きいことは、製品の信頼性が高く
使い勝手がよい。特に、IGBTは電圧制御型素子であ
るため、ゲートドライブ回路が単純にできその応用範囲
が広い。
する長、短所を有する。ユーザーにとって、安全動作領
域や負荷短絡耐量が大きいことは、製品の信頼性が高く
使い勝手がよい。特に、IGBTは電圧制御型素子であ
るため、ゲートドライブ回路が単純にできその応用範囲
が広い。
【0005】上記の事情から、オン電圧の高い欠点をも
つIGBTに代えて、MOSゲートでサイリスタのター
ンオン、ターンオフを制御するMOSゲート制御サイリ
スタ(MGT)が注目されている。すなわち、EST
(Emitter Switched Thyristor)、BRT(Base Resis
tance controlled Thyristor)、MOS GTO(MOS‐
Gate Turn‐Off thyristor)、MCT(MOS controlled
thyristor)などである。これらMGTはサイリスタの
ためオン電圧は小さい。また、電圧制御されるためゲー
ト駆動回路を簡略化できるという特徴を持つ。
つIGBTに代えて、MOSゲートでサイリスタのター
ンオン、ターンオフを制御するMOSゲート制御サイリ
スタ(MGT)が注目されている。すなわち、EST
(Emitter Switched Thyristor)、BRT(Base Resis
tance controlled Thyristor)、MOS GTO(MOS‐
Gate Turn‐Off thyristor)、MCT(MOS controlled
thyristor)などである。これらMGTはサイリスタの
ためオン電圧は小さい。また、電圧制御されるためゲー
ト駆動回路を簡略化できるという特徴を持つ。
【0006】最近、上記のMGTに保護回路を設け、通
常はサイリスタ動作し、過電流通電時はIGBT動作さ
せる方式が提案されている。図4は、特開平5−335
554号に開示され、保護回路を設けたMOS GTO
の構成図である。過電流保護回路40は素子としてIG
BT42を備え、そのエミッタとMOS GTOのカソ
ードKの間に過電流検出用の抵抗41接続し、その接続
点がオフゲートGoffに接続される。オンゲートGonと
IGBTの絶縁ゲートも接続されている。抵抗41に過
電流が流れると、接続点の電位V1、すなわちGoffの
電位が上昇し、NMOS43をオンしてPベース44が
接地され、MOS GTOはサイリスタ動作からIGB
T動作に変換される。
常はサイリスタ動作し、過電流通電時はIGBT動作さ
せる方式が提案されている。図4は、特開平5−335
554号に開示され、保護回路を設けたMOS GTO
の構成図である。過電流保護回路40は素子としてIG
BT42を備え、そのエミッタとMOS GTOのカソ
ードKの間に過電流検出用の抵抗41接続し、その接続
点がオフゲートGoffに接続される。オンゲートGonと
IGBTの絶縁ゲートも接続されている。抵抗41に過
電流が流れると、接続点の電位V1、すなわちGoffの
電位が上昇し、NMOS43をオンしてPベース44が
接地され、MOS GTOはサイリスタ動作からIGB
T動作に変換される。
【0007】図5は、特開平5−326936号に記載
されているMCTの構成図である。図示を省略している
が、図4と同様の保護回路を設けている。MCTはもと
もと、一つのゲートで制御する3端子素子であるが、公
知例ではゲートをGon、Goffの二つに分け、過電流検
出時にGoffに負電圧を印加し、PMOS50をオンし
てPベース51を接地し、IGBT動作に変換してい
る。
されているMCTの構成図である。図示を省略している
が、図4と同様の保護回路を設けている。MCTはもと
もと、一つのゲートで制御する3端子素子であるが、公
知例ではゲートをGon、Goffの二つに分け、過電流検
出時にGoffに負電圧を印加し、PMOS50をオンし
てPベース51を接地し、IGBT動作に変換してい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、過電流
保護回路を内蔵したMGTによれば、過電流時にサイリ
スタ動作からIGBT動作に変換することができるの
で、IGBTのみによっては不可能な低オン電圧と高負
荷短絡耐量を併せもつ素子の実現が期待できる。しか
し、提案されている従来の保護機能付きMGTは、過電
流時にサイリスタのオフゲートをオンさせるのみであ
り、サイリスタからIGBTへの円滑な移行は困難であ
った。
保護回路を内蔵したMGTによれば、過電流時にサイリ
スタ動作からIGBT動作に変換することができるの
で、IGBTのみによっては不可能な低オン電圧と高負
荷短絡耐量を併せもつ素子の実現が期待できる。しか
し、提案されている従来の保護機能付きMGTは、過電
流時にサイリスタのオフゲートをオンさせるのみであ
り、サイリスタからIGBTへの円滑な移行は困難であ
った。
【0009】さらに、公知例に示すいずれの提案も4端
子素子で実現したものであり、3端子素子に比べて使い
勝手が悪い。電力変換装置など現状の世の中のシステム
は、3端子素子が主流であり、4端子素子の採用にはシ
ステム設計の変更が必要となるため、ユーザーにとって
簡単には受け入れ難い。
子素子で実現したものであり、3端子素子に比べて使い
勝手が悪い。電力変換装置など現状の世の中のシステム
は、3端子素子が主流であり、4端子素子の採用にはシ
ステム設計の変更が必要となるため、ユーザーにとって
簡単には受け入れ難い。
【0010】本発明の課題は、従来技術の問題点を克服
して、3端子素子でサイリスタ動作からIGBT動作に
変換できるMOSゲートサイリスタ及びその制御方法を
提供することにある。また、このMOSゲートサイリス
タを複数接続してなる半導体装置とその制御方法を提供
することにある。
して、3端子素子でサイリスタ動作からIGBT動作に
変換できるMOSゲートサイリスタ及びその制御方法を
提供することにある。また、このMOSゲートサイリス
タを複数接続してなる半導体装置とその制御方法を提供
することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の課題を達成する
MOSゲート制御サイリスタ(MGT)は、カソード電
極とアノード電極及びゲート電極の3端子と、MGTの
状態をラッチアップ動作から非ラッチアップ動作に遷移
するスイッチング部を含む素子構造を有し、前記スイッ
チング部としてMGTの絶縁ゲートを構成するMOSF
ETを設けたことを特徴とする。
MOSゲート制御サイリスタ(MGT)は、カソード電
極とアノード電極及びゲート電極の3端子と、MGTの
状態をラッチアップ動作から非ラッチアップ動作に遷移
するスイッチング部を含む素子構造を有し、前記スイッ
チング部としてMGTの絶縁ゲートを構成するMOSF
ETを設けたことを特徴とする。
【0012】前記素子構造は、カソード電極とアノード
電極間にサイリスタ構造とIGBT構造を含み、前記サ
イリスタ構造の絶縁ゲートと前記IGBT構造の絶縁ゲ
ート間に電位差を持たせる回路素子を接続したことを特
徴とする。
電極間にサイリスタ構造とIGBT構造を含み、前記サ
イリスタ構造の絶縁ゲートと前記IGBT構造の絶縁ゲ
ート間に電位差を持たせる回路素子を接続したことを特
徴とする。
【0013】あるいは前記素子構造は、カソード電極と
アノード電極間に第二導電型カソード、第一導電型ベー
ス、第二導電型ベース、第一導電型アノードの少なくと
も4層を含むとともに、前記絶縁ゲートのMOSFET
にノーマリオフ型MOSFETで構成されるターンオン
ゲートとノーマリオン型MOSFETで構成されるター
ンオフゲートを含むことを特徴とする。
アノード電極間に第二導電型カソード、第一導電型ベー
ス、第二導電型ベース、第一導電型アノードの少なくと
も4層を含むとともに、前記絶縁ゲートのMOSFET
にノーマリオフ型MOSFETで構成されるターンオン
ゲートとノーマリオン型MOSFETで構成されるター
ンオフゲートを含むことを特徴とする。
【0014】前記ノーマリオン型MOSFETは、前記
ノーマリオフ型MOSFETに比べて大きいしきい値を
持つことを特徴とする。
ノーマリオフ型MOSFETに比べて大きいしきい値を
持つことを特徴とする。
【0015】前記ノーマリオン型MOSFETは、MG
Tに印加される電圧を保持する前記第二導電型ベースま
たは前記第二導電型カソードをボディとすることを特徴
とする。
Tに印加される電圧を保持する前記第二導電型ベースま
たは前記第二導電型カソードをボディとすることを特徴
とする。
【0016】前記ノーマリオン型MOSFETは、オン
時に前記第二導電型カソードと第一導電型ベースを短絡
することを特徴とする。
時に前記第二導電型カソードと第一導電型ベースを短絡
することを特徴とする。
【0017】前記第一導電型はP型、前記第二導電型は
N型であることを特徴とする。
N型であることを特徴とする。
【0018】また、本発明の課題を達成するMOSゲー
ト制御サイリスタ(MGT)は、チップ上に、カソード
電極からアノード電極に向けて第二導電型カソード、第
一導電型ベース、第二導電型ベース、第一導電型アノー
ドの少なくとも4層と、ゲート電極に接続される絶縁ゲ
ートを設けた3端子構造において、前記絶縁ゲートは、
ノーマリオフ型MOSFETで構成されるターンオンゲ
ートと、ノーマリオン型MOSFETで構成されるター
ンオフゲートを有し、MGTの動作電流が所定値以上の
場合に、前記ノーマリオフ型MOSFETのオン状態を
維持し、前記ノーマリオン型MOSFETをオンさせる
保護回路を設けたことを特徴とする。
ト制御サイリスタ(MGT)は、チップ上に、カソード
電極からアノード電極に向けて第二導電型カソード、第
一導電型ベース、第二導電型ベース、第一導電型アノー
ドの少なくとも4層と、ゲート電極に接続される絶縁ゲ
ートを設けた3端子構造において、前記絶縁ゲートは、
ノーマリオフ型MOSFETで構成されるターンオンゲ
ートと、ノーマリオン型MOSFETで構成されるター
ンオフゲートを有し、MGTの動作電流が所定値以上の
場合に、前記ノーマリオフ型MOSFETのオン状態を
維持し、前記ノーマリオン型MOSFETをオンさせる
保護回路を設けたことを特徴とする。
【0019】前記ノーマリオン型MOSFETのしきい
値電圧E1は、前記ノーマリオフ型MOSFETのしき
い値電圧E2より大きな値を有し、前記保護回路は、前
記動作電流が所定値以上の場合に前記絶縁ゲートにE1
より小さくE2より大きい所定ゲート電圧が印加される
ように制御することを特徴とする。
値電圧E1は、前記ノーマリオフ型MOSFETのしき
い値電圧E2より大きな値を有し、前記保護回路は、前
記動作電流が所定値以上の場合に前記絶縁ゲートにE1
より小さくE2より大きい所定ゲート電圧が印加される
ように制御することを特徴とする。
【0020】前記保護回路は、電流値検出回路と、電流
値検出回路にMGTの動作電流に比例した電流を流すス
イッチと、所定値以上の電流値が検出される場合に前記
ゲート電極の印加電圧を分圧して前記絶縁ゲートに前記
所定電圧を印加する出力回路を備えることを特徴とす
る。
値検出回路にMGTの動作電流に比例した電流を流すス
イッチと、所定値以上の電流値が検出される場合に前記
ゲート電極の印加電圧を分圧して前記絶縁ゲートに前記
所定電圧を印加する出力回路を備えることを特徴とす
る。
【0021】前記保護回路は、MGTと同一チップ上に
設けることを特徴とする。
設けることを特徴とする。
【0022】MOSゲートサイリスタ(以下、MGTと
呼ぶ)の制御方法において、さらに、本発明の課題を達
成するMOSゲート制御サイリスタ(MGT)の制御方
法は、ノーマリオフ型MOSFETとノーマリオン型M
OSFETを制御する絶縁ゲートに、第1の電圧信号を
入力して前記ノーマリオフ型MOSFETをオンしてM
GTのラッチアップ動作をターンオンさせ、第2の電圧
信号を入力してMGTの動作をターンオフさせるととも
に、前記ラッチアップ動作時に、前記第1の電圧信号よ
り小さく前記第2の電圧信号より大きい第3の電圧信号
を前記絶縁ゲートに入力して前記ノーマリオン型MOS
FETをオンし、前記非ラッチアップ動作に遷移させる
ことを特徴とする。
呼ぶ)の制御方法において、さらに、本発明の課題を達
成するMOSゲート制御サイリスタ(MGT)の制御方
法は、ノーマリオフ型MOSFETとノーマリオン型M
OSFETを制御する絶縁ゲートに、第1の電圧信号を
入力して前記ノーマリオフ型MOSFETをオンしてM
GTのラッチアップ動作をターンオンさせ、第2の電圧
信号を入力してMGTの動作をターンオフさせるととも
に、前記ラッチアップ動作時に、前記第1の電圧信号よ
り小さく前記第2の電圧信号より大きい第3の電圧信号
を前記絶縁ゲートに入力して前記ノーマリオン型MOS
FETをオンし、前記非ラッチアップ動作に遷移させる
ことを特徴とする。
【0023】前記第3の電圧信号は、MGTに流れる電
流が所定値以上のときに入力されることを特徴とする。
流が所定値以上のときに入力されることを特徴とする。
【0024】あるいは、同一チップ上にMOSゲート制
御サイリスタ(MGT)とIGBTを並列に積層した半
導体装置の制御方法において、前記IGBTのMOS部
(金属‐絶縁膜‐半導体構造)に流れる電流でMGTを
構成するバイポーラトランジスタ部にベース電流を供給
し、共通のゲート電極からMGTとIGBTの各絶縁ゲ
ートに印加される電圧信号の前者が後者より低くなるよ
うに電位差を持たせ、MGTの絶縁ゲートに、第1の電
圧信号または第2の電圧信号が印加されているとき、M
GTおよびIGBTをともにターンオン/ターンオフす
るとともに、前記第1の電圧信号より小さく前記第2の
電圧信号より大きい第3の電圧信号が印加されていると
き、IGBTのオン状態を維持しながらMGTをターン
オフすることを特徴とする。
御サイリスタ(MGT)とIGBTを並列に積層した半
導体装置の制御方法において、前記IGBTのMOS部
(金属‐絶縁膜‐半導体構造)に流れる電流でMGTを
構成するバイポーラトランジスタ部にベース電流を供給
し、共通のゲート電極からMGTとIGBTの各絶縁ゲ
ートに印加される電圧信号の前者が後者より低くなるよ
うに電位差を持たせ、MGTの絶縁ゲートに、第1の電
圧信号または第2の電圧信号が印加されているとき、M
GTおよびIGBTをともにターンオン/ターンオフす
るとともに、前記第1の電圧信号より小さく前記第2の
電圧信号より大きい第3の電圧信号が印加されていると
き、IGBTのオン状態を維持しながらMGTをターン
オフすることを特徴とする。
【0025】さらに、本発明の課題を達成する半導体装
置は、カソード電極とアノード電極及びゲート電極の3
端子を持つ複数のMOSゲートサイリスタ(MGT)を
接続し、MGTは、絶縁ゲートに印加されるゲート電圧
に応じてラッチアップ動作から非ラッチアップ動作に遷
移できる構成とすると共に、MGTに流れる電流が所定
値以上の場合に、前記非ラッチアップ動作へ遷移するゲ
ート電圧に制御する保護回路を備えることを特徴とす
る。
置は、カソード電極とアノード電極及びゲート電極の3
端子を持つ複数のMOSゲートサイリスタ(MGT)を
接続し、MGTは、絶縁ゲートに印加されるゲート電圧
に応じてラッチアップ動作から非ラッチアップ動作に遷
移できる構成とすると共に、MGTに流れる電流が所定
値以上の場合に、前記非ラッチアップ動作へ遷移するゲ
ート電圧に制御する保護回路を備えることを特徴とす
る。
【0026】または、3端子を持つ複数のMOSゲート
サイリスタ(MGT)を接続した半導体装置において、
MGTは、絶縁ゲートに印加されるゲート電圧に応じて
ラッチアップ動作から非ラッチアップ動作に遷移できる
構成とすると共に、半導体装置に流れる電流値によっ
て、前記サイリスタ動作をするMGTの数を可変する保
護回路を備えることを特徴とする。
サイリスタ(MGT)を接続した半導体装置において、
MGTは、絶縁ゲートに印加されるゲート電圧に応じて
ラッチアップ動作から非ラッチアップ動作に遷移できる
構成とすると共に、半導体装置に流れる電流値によっ
て、前記サイリスタ動作をするMGTの数を可変する保
護回路を備えることを特徴とする。
【0027】前記半導体装置の前記保護回路は、MGT
と1対1に設けることを特徴とする。
と1対1に設けることを特徴とする。
【0028】さらに、本発明の課題を達成する前記半導
体装置の制御方法は、半導体装置に所定値を超える電流
が流れる場合に、前記保護回路によってMGTをターン
オンする電圧以下でターンオフする電圧以上に前記ゲー
ト電圧を制御し、MGTを前記非ラッチアップ動作へ遷
移して電流を抑制することを特徴とする。あるいは、あ
るMGTに所定値以上の電流が流れると、対応する保護
回路によって当該MGTのゲート電圧を制御して前記非
ラッチアップ動作に遷移させ、一部のMGTへの電流集
中を抑制することを特徴とする。
体装置の制御方法は、半導体装置に所定値を超える電流
が流れる場合に、前記保護回路によってMGTをターン
オンする電圧以下でターンオフする電圧以上に前記ゲー
ト電圧を制御し、MGTを前記非ラッチアップ動作へ遷
移して電流を抑制することを特徴とする。あるいは、あ
るMGTに所定値以上の電流が流れると、対応する保護
回路によって当該MGTのゲート電圧を制御して前記非
ラッチアップ動作に遷移させ、一部のMGTへの電流集
中を抑制することを特徴とする。
【0029】このように構成される本発明の作用を以下
に説明する。
に説明する。
【0030】上述のように、もともと3端子のBRTや
MCT等のMGTにおいて、ゲートに正電圧を印加する
とターンオンし、負電圧を印加するとターンオフする。
このため、過電流を検出してゲート電圧を正から負に変
化させても、素子は単にターンオフするだけで、IGB
T動作に変換されることはない。
MCT等のMGTにおいて、ゲートに正電圧を印加する
とターンオンし、負電圧を印加するとターンオフする。
このため、過電流を検出してゲート電圧を正から負に変
化させても、素子は単にターンオフするだけで、IGB
T動作に変換されることはない。
【0031】そこで、本発明のMGTの一つのタイプ
は、ターンオフゲートをノーマリオン型のMOSFE
T、ターンオンゲートをとノーマリオフ型のMOSFE
Tで構成し、前者の閾値電圧を後者のそれよりも大きく
する。そして、MGTのゲートに両しきい値の間にある
制御電圧を印加すると、サイリスタ動作を停止してIG
BT動作へと変化する。
は、ターンオフゲートをノーマリオン型のMOSFE
T、ターンオンゲートをとノーマリオフ型のMOSFE
Tで構成し、前者の閾値電圧を後者のそれよりも大きく
する。そして、MGTのゲートに両しきい値の間にある
制御電圧を印加すると、サイリスタ動作を停止してIG
BT動作へと変化する。
【0032】これによれば、負電圧が不要になるので、
サイリスタ動作からIGBT動作に遷移可能なMGTを
3端子構造によって実現できる。また、MGTのターン
オンは、ノーマリオフ型のMOSFETに流れる電流を
トリガとしているが、制御電圧がターンオン電圧より低
下するために、トリガ電流が減少してIGBT動作への
遷移を円滑にする。
サイリスタ動作からIGBT動作に遷移可能なMGTを
3端子構造によって実現できる。また、MGTのターン
オンは、ノーマリオフ型のMOSFETに流れる電流を
トリガとしているが、制御電圧がターンオン電圧より低
下するために、トリガ電流が減少してIGBT動作への
遷移を円滑にする。
【0033】本発明のMGTの他のタイプは、チップ上
に並置されたサイリスタ構造とIGBT構造を、共通の
ゲート電極からの二つの電圧信号で同時にターンオン/
ターンオフする。このとき、全体としてはサイリスタ動
作となる。二つの電圧信号の間にある電圧信号を印加し
てサイリスタ構造のみをオフたとき、全体としてはIG
BT動作となる。
に並置されたサイリスタ構造とIGBT構造を、共通の
ゲート電極からの二つの電圧信号で同時にターンオン/
ターンオフする。このとき、全体としてはサイリスタ動
作となる。二つの電圧信号の間にある電圧信号を印加し
てサイリスタ構造のみをオフたとき、全体としてはIG
BT動作となる。
【0034】このような本発明によれば、低オン電圧化
による損失低減と、低飽和電流化による高負荷短絡耐量
や、逆バイアス安全動作領域(RBSOA)の大きい、
3端子構造のMGTが実現できる。
による損失低減と、低飽和電流化による高負荷短絡耐量
や、逆バイアス安全動作領域(RBSOA)の大きい、
3端子構造のMGTが実現できる。
【0035】さらに、本発明によるMGTに保護回路を
付設することによって、MGTの電流が過電流になる場
合、あるいは複数のMGTを接続をした回路での電流集
中を回避できるので、パワー半導体モジュールなどに広
く適用できる。
付設することによって、MGTの電流が過電流になる場
合、あるいは複数のMGTを接続をした回路での電流集
中を回避できるので、パワー半導体モジュールなどに広
く適用できる。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
面に従って詳細に説明する。
面に従って詳細に説明する。
【0037】図1は、BRTを用いた保護回路付きMG
Tの構成図である。BRTはアノードAからカソードK
に向け、P+アノード20、N−ベース19、Pベース
18及びN+カソード16の4層から構成されている。
ゲートGと接続される絶縁ゲートは、ターンオフゲート
がノーマリオンMOSFET、ターンオンゲートがノー
マリオフMOSFETで、それぞれ構成されている。
Tの構成図である。BRTはアノードAからカソードK
に向け、P+アノード20、N−ベース19、Pベース
18及びN+カソード16の4層から構成されている。
ゲートGと接続される絶縁ゲートは、ターンオフゲート
がノーマリオンMOSFET、ターンオンゲートがノー
マリオフMOSFETで、それぞれ構成されている。
【0038】ノーマリオンMOSFETは、点線枠11
に示すように、表面にP−層17を設けたN−ベース1
9をボディとし、P+ダイバータ21をソース、Pベー
ス18をドレインとしたPMOS11によって構成して
いる。また、ノーマリオフMOSFETは、点線枠12
に示すように、N−ベース19、Pベース18及びN+
カソード16からなるNMOS12によって構成してい
る。
に示すように、表面にP−層17を設けたN−ベース1
9をボディとし、P+ダイバータ21をソース、Pベー
ス18をドレインとしたPMOS11によって構成して
いる。また、ノーマリオフMOSFETは、点線枠12
に示すように、N−ベース19、Pベース18及びN+
カソード16からなるNMOS12によって構成してい
る。
【0039】保護回路10は、BRTの動作電流に比例
した電流が流れるスイッチ13、過電流検出回路14及
びスイッチ15から構成される。図示で、スイッチ13
はIGBT23、検出回路14は抵抗22、スイッチ1
5はNMOS24とダイオード25からなる。スイッチ
13の主端子はそれぞれアノードAと検出回路14に、
ゲート端子は抵抗22を通してゲートGに接続され、過
電流検出回路14のもう一方はカソードKに接続されて
いる。また、スイッチ15の主端子はカソードKと抵抗
22に、ゲート端子はスイッチ13と検出回路14の接
続点に接続されている。
した電流が流れるスイッチ13、過電流検出回路14及
びスイッチ15から構成される。図示で、スイッチ13
はIGBT23、検出回路14は抵抗22、スイッチ1
5はNMOS24とダイオード25からなる。スイッチ
13の主端子はそれぞれアノードAと検出回路14に、
ゲート端子は抵抗22を通してゲートGに接続され、過
電流検出回路14のもう一方はカソードKに接続されて
いる。また、スイッチ15の主端子はカソードKと抵抗
22に、ゲート端子はスイッチ13と検出回路14の接
続点に接続されている。
【0040】上記の構成において、BRTをターンオン
する場合、ゲートGの電圧をハイ(High)、例えば1
5VにしてNMOS12をオンし、ノーマリオン型MO
SFETであるPMOS11をオフする。この状態で、
カソードKからNMOS12を通してNベース19に電
子が注入され、これがトリガ電流となる。このとき、P
MOS11はオフのため、Pベース18とN+カソード
16は短絡されず、Pベース18はフローティングとな
るため、BRTはラッチアップする。
する場合、ゲートGの電圧をハイ(High)、例えば1
5VにしてNMOS12をオンし、ノーマリオン型MO
SFETであるPMOS11をオフする。この状態で、
カソードKからNMOS12を通してNベース19に電
子が注入され、これがトリガ電流となる。このとき、P
MOS11はオフのため、Pベース18とN+カソード
16は短絡されず、Pベース18はフローティングとな
るため、BRTはラッチアップする。
【0041】BRTをターンオフする場合は、ゲートG
の電圧をロウ(Low)、例えば0Vとして、NMOS1
2をオフするとともに、PMOS11をオンする。この
状態で、カソードKからの電子の注入は遮断され且つ、
Pベース18とN+カソード16は短絡されるので、B
RTはターンオフする。
の電圧をロウ(Low)、例えば0Vとして、NMOS1
2をオフするとともに、PMOS11をオンする。この
状態で、カソードKからの電子の注入は遮断され且つ、
Pベース18とN+カソード16は短絡されるので、B
RTはターンオフする。
【0042】従来のBRTでは、Pベース18とN+カ
ソード16を短絡するPMOSがノーマリオフ型であ
り、ターンオフする場合にゲートGを負電位(例えば、
−7V)としなければならなかった。しかし、本実施形
態ではノーマリオン型PチャネルMOSFETのしきい
値電圧以下でターンオフできるので、負電源が必要なく
なり、本MGTを3端子構造で実現できる。
ソード16を短絡するPMOSがノーマリオフ型であ
り、ターンオフする場合にゲートGを負電位(例えば、
−7V)としなければならなかった。しかし、本実施形
態ではノーマリオン型PチャネルMOSFETのしきい
値電圧以下でターンオフできるので、負電源が必要なく
なり、本MGTを3端子構造で実現できる。
【0043】図2(a)に、本実施形態によるBRTの
ゲート電圧に応じた動作領域を示す。図示のように、ノ
ーマリオンPMOS11のしきい値=6V、ノーマリオ
フNMOS12のしきい値=2Vとして、ゲート電圧6
〜15Vの範囲はPMOS11オフ、NMOS12オン
でBRTのターンオン動作(ラッチアップ動作)、ゲー
ト電圧2V以下ではPMOS11オン、NMOS12オ
フでターンオフする。
ゲート電圧に応じた動作領域を示す。図示のように、ノ
ーマリオンPMOS11のしきい値=6V、ノーマリオ
フNMOS12のしきい値=2Vとして、ゲート電圧6
〜15Vの範囲はPMOS11オフ、NMOS12オン
でBRTのターンオン動作(ラッチアップ動作)、ゲー
ト電圧2V以下ではPMOS11オン、NMOS12オ
フでターンオフする。
【0044】両しきい値の間のゲート電圧2〜6Vの範
囲は、PMOS11とNMOS12が共にオンする。そ
の結果、ゲートGがハイ(High)を維持している状態
で、Pベース18とN+カソード16が短絡され、結果
的にPベース18は接地される。これによりN+カソー
ド16、Pベース18、N−ベース18からなるNPN
バイポーラトランジスタの動作が禁止され、ラッチアッ
プ動作から非ラッチアップに遷移して、BRTはIGB
T動作となる。
囲は、PMOS11とNMOS12が共にオンする。そ
の結果、ゲートGがハイ(High)を維持している状態
で、Pベース18とN+カソード16が短絡され、結果
的にPベース18は接地される。これによりN+カソー
ド16、Pベース18、N−ベース18からなるNPN
バイポーラトランジスタの動作が禁止され、ラッチアッ
プ動作から非ラッチアップに遷移して、BRTはIGB
T動作となる。
【0045】次に、保護回路を含めた本MGTの動作に
ついて説明する。ゲートGがハイ(High)でBRTが
オン状態を考える。BRTの動作電流に比例したスイッ
チ13の電流が、過電流検出レベルを超えると、電位V
1がNMOS24のしきい値より大きくなり、スイッチ
15がオンされる。このとき、BRTのゲート電圧は、
スイッチ15のオン抵抗とゲートGに接続された抵抗2
2の比から決まる電位V2となる。V2はPMOS11
のしきい値より小さい値に設定されているので、PMO
S11がオンしてPベース18とN+カソード16が短
絡され、BRTはラッチアップ動作から非ラッチアップ
に遷移する。
ついて説明する。ゲートGがハイ(High)でBRTが
オン状態を考える。BRTの動作電流に比例したスイッ
チ13の電流が、過電流検出レベルを超えると、電位V
1がNMOS24のしきい値より大きくなり、スイッチ
15がオンされる。このとき、BRTのゲート電圧は、
スイッチ15のオン抵抗とゲートGに接続された抵抗2
2の比から決まる電位V2となる。V2はPMOS11
のしきい値より小さい値に設定されているので、PMO
S11がオンしてPベース18とN+カソード16が短
絡され、BRTはラッチアップ動作から非ラッチアップ
に遷移する。
【0046】さらに、過電流検出時のゲート電圧V2
は、NMOS12のゲート電圧でもあるので、V2の減
少によりNMOS12のドレイン電流が減少する。すな
わち、BRTのトリガ電流が自動的に減少するので、P
+アノード20からPベース18へのホール電流が減少
し、Pベース19の接地がされやすくなり、結果として
IGBT動作への遷移を容易にする。
は、NMOS12のゲート電圧でもあるので、V2の減
少によりNMOS12のドレイン電流が減少する。すな
わち、BRTのトリガ電流が自動的に減少するので、P
+アノード20からPベース18へのホール電流が減少
し、Pベース19の接地がされやすくなり、結果として
IGBT動作への遷移を容易にする。
【0047】図2(b)は、BRTのサイリスタ動作か
らIGBT動作への遷移を示す動特性図である。図示の
ように、サイリスタ動作では低いオン電圧が維持され
る。過電流検出レベルの設定値に達すると、ゲート電圧
がノーマリオフ型NMOS12のしきい値と、ノーマリ
オン型PMOS11のしきい値の間に制御されるので、
NMOS12とPMOS11が同時にオン状態となり、
BRTのサイリスタ動作(ラッチアップ動作)を停止さ
せて、IGBT動作(非ラッチアップ動作)に遷移させ
る。
らIGBT動作への遷移を示す動特性図である。図示の
ように、サイリスタ動作では低いオン電圧が維持され
る。過電流検出レベルの設定値に達すると、ゲート電圧
がノーマリオフ型NMOS12のしきい値と、ノーマリ
オン型PMOS11のしきい値の間に制御されるので、
NMOS12とPMOS11が同時にオン状態となり、
BRTのサイリスタ動作(ラッチアップ動作)を停止さ
せて、IGBT動作(非ラッチアップ動作)に遷移させ
る。
【0048】図3は、本実施形態のBRTによる負荷短
絡シミュレーションを、従来と比較しながら示したもの
である。同図(a)に、シミュレーション回路を示す。
電源電圧600Vで、抵抗負荷31には定格電流I1=
200Aが流れるように調節している。時刻T=0でス
テップ状にゲート電圧15Vを印加し、時刻T1で負荷
31を短絡して、シミュレーションを実施した。
絡シミュレーションを、従来と比較しながら示したもの
である。同図(a)に、シミュレーション回路を示す。
電源電圧600Vで、抵抗負荷31には定格電流I1=
200Aが流れるように調節している。時刻T=0でス
テップ状にゲート電圧15Vを印加し、時刻T1で負荷
31を短絡して、シミュレーションを実施した。
【0049】同図(b)は、保護回路を内蔵していない
従来のBRTによる負荷電流波形で、短絡した時刻T1
から約5μs後の時刻T2で、BRTは過電流によって
破壊に至っている。同図(c)は本実施形態の場合で、
短絡した時刻T1から約3μs後の時刻T3で、BRT
はサイリスタ動作からIGBT動作に遷移し、負荷電流
は飽和電流ISに抑制される。
従来のBRTによる負荷電流波形で、短絡した時刻T1
から約5μs後の時刻T2で、BRTは過電流によって
破壊に至っている。同図(c)は本実施形態の場合で、
短絡した時刻T1から約3μs後の時刻T3で、BRT
はサイリスタ動作からIGBT動作に遷移し、負荷電流
は飽和電流ISに抑制される。
【0050】本実施形態のMGTによれば、3端子の絶
縁ゲート型サイリスタのチップ上に、ノーマリオン型M
OSFETによるターンオフゲートと、ノーマリオフ型
MOSFETのターンオンゲートを設け、前者により大
きいしきい値を持たせているので、MGTのオン状態で
ゲートをハイ(High)に維持しながらノーマリオン型
MOSFETをオンして、サイリスタ動作状態からIG
BT動作に遷移させることができる。
縁ゲート型サイリスタのチップ上に、ノーマリオン型M
OSFETによるターンオフゲートと、ノーマリオフ型
MOSFETのターンオンゲートを設け、前者により大
きいしきい値を持たせているので、MGTのオン状態で
ゲートをハイ(High)に維持しながらノーマリオン型
MOSFETをオンして、サイリスタ動作状態からIG
BT動作に遷移させることができる。
【0051】これによれば、サイリスタ動作による低オ
ン電圧と、IGBT動作による低飽和電流の特性をとも
に具備でき、低損失で高負荷短絡耐量さらにはRBSO
Aの大きいMGTを提供できる。
ン電圧と、IGBT動作による低飽和電流の特性をとも
に具備でき、低損失で高負荷短絡耐量さらにはRBSO
Aの大きいMGTを提供できる。
【0052】さらに、MGTに併設してその動作電流に
比例した電流を検出し、過電流の場合にゲート電圧を制
御してMGTをIGBT動作に遷移させる保護回路を設
けているので、過電流を抑制して素子の損傷が防止で
き、信頼性の高いMGTを提供できる。
比例した電流を検出し、過電流の場合にゲート電圧を制
御してMGTをIGBT動作に遷移させる保護回路を設
けているので、過電流を抑制して素子の損傷が防止で
き、信頼性の高いMGTを提供できる。
【0053】さらに、ゲートに負電源を要しない3端子
構造としているので使い勝手がよく、3端子素子を使用
しているシステムに採用でき、適用範囲が広い。
構造としているので使い勝手がよく、3端子素子を使用
しているシステムに採用でき、適用範囲が広い。
【0054】ところで、本発明は上記した負荷短絡時の
みならず、並列動作時のターンオン/ターンオフ特性の
ばらつきによる電流集中の回避にも有効である。従っ
て、複数のMGTチップを接続して用いるシステムにも
適用できる。
みならず、並列動作時のターンオン/ターンオフ特性の
ばらつきによる電流集中の回避にも有効である。従っ
て、複数のMGTチップを接続して用いるシステムにも
適用できる。
【0055】図8に、本実施形態による保護回路付き3
端子MGTを並列接続した半導体装置の構成を示す。図
示のように、過電流保護回路を内蔵した複数のMGTチ
ップを並列接続している。
端子MGTを並列接続した半導体装置の構成を示す。図
示のように、過電流保護回路を内蔵した複数のMGTチ
ップを並列接続している。
【0056】この構成により、チップ間のターンオン特
性にばらつきがある場合、各チップに流れる電流がばら
ついても、過電流検出レベルまで電流が増大したチップ
は、付設の保護回路が動作して減流作用が働き、各チッ
プの電流は均一化される。このため、あるチップのオン
電圧が大きくなるのを防ぎ、損失が減少する。また、タ
ーンオフ特性にばらつきがある場合、電流が集中するチ
ップは大電流が流れるため、保護回路が働いて非ラッチ
アップ動作に遷移し、よりターンオフしやすくなってR
BSOAの改善につながる。
性にばらつきがある場合、各チップに流れる電流がばら
ついても、過電流検出レベルまで電流が増大したチップ
は、付設の保護回路が動作して減流作用が働き、各チッ
プの電流は均一化される。このため、あるチップのオン
電圧が大きくなるのを防ぎ、損失が減少する。また、タ
ーンオフ特性にばらつきがある場合、電流が集中するチ
ップは大電流が流れるため、保護回路が働いて非ラッチ
アップ動作に遷移し、よりターンオフしやすくなってR
BSOAの改善につながる。
【0057】なお、複数のMGTに1個の保護回路の構
成では、各MGTのターンオン/ターンオフ特性がばら
つきによる電流手中を回避できない。すなわち、本実施
形態によるMGTの並列接続では、MGTのチップとそ
の保護回路が1対1に構成されることが望ましい。もち
ろん、半導体モジュール全体としての過電流抑制や、あ
る種の直列接続では、複数のMGTに一つの保護回路の
構成も可能である。また、動作電流が小さく、個々の電
流手中が問題にならない場合にも同様である。
成では、各MGTのターンオン/ターンオフ特性がばら
つきによる電流手中を回避できない。すなわち、本実施
形態によるMGTの並列接続では、MGTのチップとそ
の保護回路が1対1に構成されることが望ましい。もち
ろん、半導体モジュール全体としての過電流抑制や、あ
る種の直列接続では、複数のMGTに一つの保護回路の
構成も可能である。また、動作電流が小さく、個々の電
流手中が問題にならない場合にも同様である。
【0058】
【実施例】次に、本発明の他の実施例を説明する。
【0059】図6は、MCTを用いた保護回路付きMG
Tの構成図である。MCTは、Nカソード62、Pベー
ス51及びN−ベース19によるNPNバイポーラトラ
ンジスタと、Pベース51、N−ベース19及びP+コ
レクタ20によるPNPバイポーラトランジスタから構
成されている。
Tの構成図である。MCTは、Nカソード62、Pベー
ス51及びN−ベース19によるNPNバイポーラトラ
ンジスタと、Pベース51、N−ベース19及びP+コ
レクタ20によるPNPバイポーラトランジスタから構
成されている。
【0060】ターンオフゲートとなるノーマリオン型の
PMOS61は、Nカソード62をボディとし、さら
に、Nカソード62中にP−層60を形成してなる。ま
た、ターンオンゲートとなるノーマリオフ型のNMOS
63は、Nカソード62、Pベース51、N−ベース1
9からなる。
PMOS61は、Nカソード62をボディとし、さら
に、Nカソード62中にP−層60を形成してなる。ま
た、ターンオンゲートとなるノーマリオフ型のNMOS
63は、Nカソード62、Pベース51、N−ベース1
9からなる。
【0061】保護回路10はMCTの各3端子に、図1
と同様に接続されている。保護回路10は、MCTのサ
イリスタ動作中に過電流を検出すると、ゲートGの電圧
をPMOS61のしきい値以下、NMOS63のしきい
値以上に調整し、NMOS63のオンを維持しながらP
MOS61をオンして、MCTをIGBT動作へ変換す
る。
と同様に接続されている。保護回路10は、MCTのサ
イリスタ動作中に過電流を検出すると、ゲートGの電圧
をPMOS61のしきい値以下、NMOS63のしきい
値以上に調整し、NMOS63のオンを維持しながらP
MOS61をオンして、MCTをIGBT動作へ変換す
る。
【0062】次に、本発明のさらに他の実施例を説明す
る。本実施形態はESTとIGBTの複合素子からな
り、通常はESTとIGBTの両方がオンして全体とし
てサイリスタ動作し、過電流時などにはESTの動作が
禁止されて、IGBT動作に変換する。
る。本実施形態はESTとIGBTの複合素子からな
り、通常はESTとIGBTの両方がオンして全体とし
てサイリスタ動作し、過電流時などにはESTの動作が
禁止されて、IGBT動作に変換する。
【0063】図7は、ESTとIGBTからなる複合素
子に保護回路を設けた構成図である。複合素子はゲート
78を共通にして、P+コレクタ80、N−ベース7
0、Pベース81、N+エミッタ82からなるIGBT
77と、P+アノード80、N−ベース70、P+ベー
ス83、フローティングN+カソード75からなるサイ
リスタ76を構成している。また、サイリスタ76はP
ベース83をボディ、N+層84をソース、フローティ
ングN+カソード75をドレインとする点線枠のNMO
S72でカソードKに接続され、ESTを構成してい
る。
子に保護回路を設けた構成図である。複合素子はゲート
78を共通にして、P+コレクタ80、N−ベース7
0、Pベース81、N+エミッタ82からなるIGBT
77と、P+アノード80、N−ベース70、P+ベー
ス83、フローティングN+カソード75からなるサイ
リスタ76を構成している。また、サイリスタ76はP
ベース83をボディ、N+層84をソース、フローティ
ングN+カソード75をドレインとする点線枠のNMO
S72でカソードKに接続され、ESTを構成してい
る。
【0064】NMOS72は、本MGTをサイリスタか
らIGBTへ変換する、キー制御部となっている。保護
回路10で制御されるゲート電圧V2によって、NMO
S72のゲート電位がしきい値以下となるように、ゲー
ト78とゲート79の間に抵抗71が接続されている。
らIGBTへ変換する、キー制御部となっている。保護
回路10で制御されるゲート電圧V2によって、NMO
S72のゲート電位がしきい値以下となるように、ゲー
ト78とゲート79の間に抵抗71が接続されている。
【0065】この複合素子の通常の動作を説明する。タ
ーンオンする場合はゲート電圧をハイ(High)、例え
ば15Vにすると、NMOS72、73、74がオンす
る。この状態で、カソードKからNMOS72、フロー
ティングN+カソード75、NMOS73を通し、及
び、カソードKからNMOS74を通してN−ベース7
0に電子が注入される。この電子電流がトリガとなっ
て、サイリスタ76がラッチアップし、サイリスタ76
の電流がNMOS72を通してカソードKに流れるた
め、オン電圧は小さくなる。
ーンオンする場合はゲート電圧をハイ(High)、例え
ば15Vにすると、NMOS72、73、74がオンす
る。この状態で、カソードKからNMOS72、フロー
ティングN+カソード75、NMOS73を通し、及
び、カソードKからNMOS74を通してN−ベース7
0に電子が注入される。この電子電流がトリガとなっ
て、サイリスタ76がラッチアップし、サイリスタ76
の電流がNMOS72を通してカソードKに流れるた
め、オン電圧は小さくなる。
【0066】ターンオフする場合はゲート電圧をロウ
(Low)、例えば0Vにすると、NMOS72、73、
74がオフして、フローティングN+カソード75をカ
ソードKから切り離し、サイリスタ76の電流を遮断し
てターンオフする。また、IGBT77もターンオフす
る。
(Low)、例えば0Vにすると、NMOS72、73、
74がオフして、フローティングN+カソード75をカ
ソードKから切り離し、サイリスタ76の電流を遮断し
てターンオフする。また、IGBT77もターンオフす
る。
【0067】次に、保護回路10を含めた動作について
説明する。スイッチ15が過電流によってオンするまで
の動作は、前述のBRTやMCTの場合と同じである。
説明する。スイッチ15が過電流によってオンするまで
の動作は、前述のBRTやMCTの場合と同じである。
【0068】スイッチ15がオンするとゲート79の電
位は、スイッチ15のオン抵抗と抵抗71の比で決まる
電位V2となる。このとき、ゲート78の電位はゲート
電極Gに印加されている電圧で、NMOS72、73、
74のしきい値以上である。
位は、スイッチ15のオン抵抗と抵抗71の比で決まる
電位V2となる。このとき、ゲート78の電位はゲート
電極Gに印加されている電圧で、NMOS72、73、
74のしきい値以上である。
【0069】過電流が検出されてスイッチ15がオン
し、V2がNMOS72のしきい値より小さい値になる
と、NMOS72がオフし、NMOS72を経由するサ
イリスタ76とカソードKのパスが遮断される。この結
果、アノード電圧が増加してN−ベース70の電位が上
昇し、NMOS73がオフする。さらに、NMOS7
3、NMOS74を経由するサイリスタ76とカソード
Kのパスが遮断され、サイリスタ76はターンオフす
る。
し、V2がNMOS72のしきい値より小さい値になる
と、NMOS72がオフし、NMOS72を経由するサ
イリスタ76とカソードKのパスが遮断される。この結
果、アノード電圧が増加してN−ベース70の電位が上
昇し、NMOS73がオフする。さらに、NMOS7
3、NMOS74を経由するサイリスタ76とカソード
Kのパスが遮断され、サイリスタ76はターンオフす
る。
【0070】一方、ゲート78はハイ(High)を保持
しているので、NMOS74はオンのままであり、IG
BT77をオン状態に維持する。こうして、本複合素子
は過電流時に、サイリスタ動作からIGBT動作に変換
される。
しているので、NMOS74はオンのままであり、IG
BT77をオン状態に維持する。こうして、本複合素子
は過電流時に、サイリスタ動作からIGBT動作に変換
される。
【0071】以上のように、本実例のMGTは上述した
2つの実施例と、いくぶん動作原理が相違する。上述の
2例は、MGTのターンオフゲートとなるノーマリター
ンオフ型のMOSFETを制御部として、ゲートをハイ
(High)に維持しながら所定のゲート電圧を印加し
て、IGBT動作に変換している。
2つの実施例と、いくぶん動作原理が相違する。上述の
2例は、MGTのターンオフゲートとなるノーマリター
ンオフ型のMOSFETを制御部として、ゲートをハイ
(High)に維持しながら所定のゲート電圧を印加し
て、IGBT動作に変換している。
【0072】これに対し、本実施例ではMGTないし半
導体装置を、ESTとIGBTの複合素子から構成し、
ESTの絶縁ゲートを構成するNMOSを制御部とし
て、ゲート電極のターンオン電圧から低下した電圧を制
御部に与えて、ESTのみをオフして複合素子をIGB
T動作のみに変換している。
導体装置を、ESTとIGBTの複合素子から構成し、
ESTの絶縁ゲートを構成するNMOSを制御部とし
て、ゲート電極のターンオン電圧から低下した電圧を制
御部に与えて、ESTのみをオフして複合素子をIGB
T動作のみに変換している。
【0073】次に、本発明によるMGTの並列接続の実
施例を説明する。
施例を説明する。
【0074】図9は、保護回路内蔵のMGTチップを並
列接続したモジュール構成である。セラミックス基板1
20に、4個の保護回路内蔵MGT100を並列接続し
ている。本実施例によれば、コンパクトな並列接続が実
現できる。さらに、ボンディングワイヤ121のインダ
クタンス等にばらつきで、各チップに流れる負荷電流に
アンバランスを生じる場合にも、内蔵の保護回路で各の
チップの電流を検出して均等化できる。
列接続したモジュール構成である。セラミックス基板1
20に、4個の保護回路内蔵MGT100を並列接続し
ている。本実施例によれば、コンパクトな並列接続が実
現できる。さらに、ボンディングワイヤ121のインダ
クタンス等にばらつきで、各チップに流れる負荷電流に
アンバランスを生じる場合にも、内蔵の保護回路で各の
チップの電流を検出して均等化できる。
【0075】図10は、MGTと保護回路を別チップに
した場合のモジュール構成である。MGT130の各々
の近傍に、別チップの保護回路10を配置している。サ
イリスタ/IGBT切り替え用配線131を極力短くす
ることで、保護回路10をオンチップした場合(図9)
に比べ、見劣りしない性能を確保できる。オンチップに
比べ、モジュールのサイズはやや大きくなるが、製造プ
ロセスが容易なためコストを低減できる。
した場合のモジュール構成である。MGT130の各々
の近傍に、別チップの保護回路10を配置している。サ
イリスタ/IGBT切り替え用配線131を極力短くす
ることで、保護回路10をオンチップした場合(図9)
に比べ、見劣りしない性能を確保できる。オンチップに
比べ、モジュールのサイズはやや大きくなるが、製造プ
ロセスが容易なためコストを低減できる。
【0076】次に、本発明によるMGTを適用したパワ
ーエレクトロニクス回路の一例を説明する。
ーエレクトロニクス回路の一例を説明する。
【0077】図11は、保護回路付きMGTを制御素子
とする3相インバータの主回路構成を示す。保護回路付
きMGT100と、そのスナバ回路151が各相に設け
られている。ドライバ回路150はコントローラ15
3、論理回路152の信号を受けてゲートドライブ信号
を生成し、保護回路付きMGT100を駆動する。
とする3相インバータの主回路構成を示す。保護回路付
きMGT100と、そのスナバ回路151が各相に設け
られている。ドライバ回路150はコントローラ15
3、論理回路152の信号を受けてゲートドライブ信号
を生成し、保護回路付きMGT100を駆動する。
【0078】本インバータにおいては、負荷短絡等によ
り過電流が流れ他場合に、MGT100はその保護回路
によってIGBT動作に変換し、素子の動作電流を抑制
して事故保護を行う。なお、本MGTはDC・ACコン
バータ、サイクロコンバータ等、種々のパワーエレクト
ロニクスシステムに適用できる。
り過電流が流れ他場合に、MGT100はその保護回路
によってIGBT動作に変換し、素子の動作電流を抑制
して事故保護を行う。なお、本MGTはDC・ACコン
バータ、サイクロコンバータ等、種々のパワーエレクト
ロニクスシステムに適用できる。
【0079】
【発明の効果】本発明のMGTによれば、3端子構造に
よってサイリスタとしてのラッチアップ動作からIGB
Tとしての非ラッチアップ動作への変換を可能にしたの
で、低オン電圧化と低飽和電流化の特性を具備でき、M
GTの損失低減、高負荷短絡耐量、RBSOAの増大を
達成できる効果がある。また、3端子のため、広範なシ
ステムに適用できる効果がある。
よってサイリスタとしてのラッチアップ動作からIGB
Tとしての非ラッチアップ動作への変換を可能にしたの
で、低オン電圧化と低飽和電流化の特性を具備でき、M
GTの損失低減、高負荷短絡耐量、RBSOAの増大を
達成できる効果がある。また、3端子のため、広範なシ
ステムに適用できる効果がある。
【0080】本発明のMGTまたは複数のMGTを接続
した半導体装置によれば、過電流や電流集中を検出して
ラッチアップ動作から非ラッチアップ動作に切り替え制
御する保護回路を設け、過電流や電流集中を抑制するの
で、MGTの損傷を防止して信頼性を向上できる効果が
ある。
した半導体装置によれば、過電流や電流集中を検出して
ラッチアップ動作から非ラッチアップ動作に切り替え制
御する保護回路を設け、過電流や電流集中を抑制するの
で、MGTの損傷を防止して信頼性を向上できる効果が
ある。
【0081】本発明のMGTによれば、低圧に制御され
たゲート電圧による非ラッチアップ動作の切り替え時
に、ラッチアップのトリガー電流も低減されるので、I
GBTへの切り替えが容易になる効果がある。
たゲート電圧による非ラッチアップ動作の切り替え時
に、ラッチアップのトリガー電流も低減されるので、I
GBTへの切り替えが容易になる効果がある。
【図1】本発明の一実施形態による、MOSゲートサイ
リスタ(MGT)の構成図。
リスタ(MGT)の構成図。
【図2】本MGTの動作特性を示す説明図。
【図3】MGTの負荷短絡試験回路とシミュレーション
波形を示す説明図。
波形を示す説明図。
【図4】保護回路付きMGTの従来の構成図(MOS
GTOの場合)。
GTOの場合)。
【図5】保護回路付きMGTの従来の構成図(MCTの
場合)。
場合)。
【図6】他の実施例であるMOSゲートサイリスタ(M
GT)の構成図。
GT)の構成図。
【図7】さらに、他の実施例である複合素子による半導
体装置の構成図。
体装置の構成図。
【図8】さらに、他の実施例である複数のMGTを接続
した半導体装置の構成図。
した半導体装置の構成図。
【図9】図8の半導体装置の実装構成を示す模式図。
【図10】図8の半導体装置の別の実装構成を示す模式
図。
図。
【図11】本発明のMGTを適用したインバータの主回
路図。
路図。
10…保護回路、11…PMOS(ノーマリオン型MO
SFET)、12…NMOS(ノーマリオフ型MOSF
ET)、13…スイッチ、14…過電流検出回路、15
…スイッチ、16…N+カソード、17…P−層、18
…Pベース、19…N−ベース、20…P+アノード、
21…P+ダイバータ、22…抵抗、61…PMOS
(ノーマリオン型MOSFET)、63…NMOS(ノ
ーマリオフ型MOSFET)、76…サイリスタ、77
…IGBT、100…保護回路付きMGT、A…アノー
ド電極、K…カソード電極、G…ゲート電極。
SFET)、12…NMOS(ノーマリオフ型MOSF
ET)、13…スイッチ、14…過電流検出回路、15
…スイッチ、16…N+カソード、17…P−層、18
…Pベース、19…N−ベース、20…P+アノード、
21…P+ダイバータ、22…抵抗、61…PMOS
(ノーマリオン型MOSFET)、63…NMOS(ノ
ーマリオフ型MOSFET)、76…サイリスタ、77
…IGBT、100…保護回路付きMGT、A…アノー
ド電極、K…カソード電極、G…ゲート電極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 9184−5K H03K 17/56 Z
Claims (20)
- 【請求項1】 カソード電極とアノード電極及びゲート
電極の3端子からなるMOSゲートサイリスタ(以下、
MGTと呼ぶ)において、 MGTの状態をラッチアップ動作から非ラッチアップ動
作に遷移させるスイッチング部を含む素子構造を有し、
前記スイッチング部としてMGTの絶縁ゲートを構成す
るMOSFETを設けたことを特徴とするMOSゲート
サイリスタ。 - 【請求項2】 請求項1において、 前記素子構造は、カソード電極とアノード電極間にサイ
リスタ構造とIGBT構造を含み、前記サイリスタ構造
の絶縁ゲートと前記IGBT構造の絶縁ゲート間に電位
差を持たせる回路素子を接続したことを特徴とするMO
Sゲートサイリスタ。 - 【請求項3】 請求項1において、 前記素子構造は、カソード電極とアノード電極間に第二
導電型カソード、第一導電型ベース、第二導電型ベー
ス、第一導電型アノードの少なくとも4層を含むととも
に、前記絶縁ゲートのMOSFETにノーマリオフ型M
OSFETで構成されるターンオンゲートとノーマリオ
ン型MOSFETで構成されるターンオフゲートを含む
ことを特徴とするMOSゲートサイリスタ。 - 【請求項4】 請求項3において、 前記ノーマリオン型MOSFETは、前記ノーマリオフ
型MOSFETに比べて大きいしきい値を持つことを特
徴とするMOSゲートサイリスタ。 - 【請求項5】 請求項3または4において、 前記ノーマリオン型MOSFETは、MGTに印加され
る電圧を保持する前記第二導電型ベースまたは前記第二
導電型カソードをボディとすることを特徴とするMOS
ゲートサイリスタ。 - 【請求項6】 請求項3または4または5において、 前記ノーマリオン型MOSFETは、オン時に前記第二
導電型カソードと第一導電型ベースを短絡することを特
徴とするMOSゲートサイリスタ。 - 【請求項7】 請求項3または4または5または6にお
いて、 前記第一導電型はP型、前記第二導電型はN型であるこ
とを特徴とするMOSゲートサイリスタ。 - 【請求項8】 チップ上に、カソード電極からアノード
電極に向けて第二導電型カソード、第一導電型ベース、
第二導電型ベース、第一導電型アノードの少なくとも4
層と、ゲート電極に接続される絶縁ゲートを設けた3端
子構造のMOSゲートサイリスタ(以下、MGTと呼
ぶ)において、 前記絶縁ゲートは、ノーマリオフ型MOSFETで構成
されるターンオンゲートと、ノーマリオン型MOSFE
Tで構成されるターンオフゲートを有し、 MGTの動作電流が所定値以上の場合に、前記ノーマリ
オフ型MOSFETのオン状態を維持し、前記ノーマリ
オン型MOSFETをオンさせる保護回路を設けたこと
を特徴とするMOSゲートサイリスタ。 - 【請求項9】 請求項8において、 前記ノーマリオン型MOSFETのしきい値電圧E1
は、前記ノーマリオフ型MOSFETのしきい値電圧E
2より大きな値を有し、 前記保護回路は、前記動作電流が所定値以上の場合に前
記絶縁ゲートにE1より小さくE2より大きい所定ゲー
ト電圧が印加されるように制御することを特徴とするM
OSゲートサイリスタ。 - 【請求項10】 請求項8または9において、 前記保護回路は、電流値検出回路と、電流値検出回路に
MGTの動作電流に比例した電流を流すスイッチと、所
定値以上の電流値が検出される場合に前記ゲート電極の
印加電圧を分圧して前記絶縁ゲートに前記所定電圧を印
加する出力回路を備えることを特徴とするMOSゲート
サイリスタ。 - 【請求項11】 請求項8または9または10におい
て、 前記保護回路は、MGTと同一チップ上に設けることを
特徴とするMOSゲートサイリスタ。 - 【請求項12】 カソード電極、アノード電極及びゲー
ト電極の3端子からなるMOSゲートサイリスタ(以
下、MGTと呼ぶ)の制御方法において、 ノーマリオフ型MOSFETとノーマリオン型MOSF
ETを制御する絶縁ゲートに、第1の電圧信号を入力し
て前記ノーマリオフ型MOSFETをオンしてMGTの
ラッチアップ動作をターンオンさせ、第2の電圧信号を
入力してMGTの動作をターンオフさせるとともに、 前記ラッチアップ動作時に、前記第1の電圧信号より小
さく前記第2の電圧信号より大きい第3の電圧信号を前
記絶縁ゲートに入力して前記ノーマリオン型MOSFE
Tをオンし、前記非ラッチアップ動作に遷移させること
を特徴とするMOSゲートサイリスタの制御方法。 - 【請求項13】 請求項12において、 前記第3の電圧信号は、MGTに流れる電流が所定値以
上のときに入力されることを特徴とするMOSゲートサ
イリスタの制御方法。 - 【請求項14】 同一チップ上にMOSゲート制御サイ
リスタ(以下、MGTと呼ぶ)とIGBTを並列に積層
した半導体装置の制御方法において、 前記IGBTのMOS部(金属‐絶縁膜‐半導体構造)
に流れる電流でMGTを構成するバイポーラトランジス
タ部にベース電流を供給し、 共通のゲート電極からMGTとIGBTの各絶縁ゲート
に印加される電圧信号の前者が後者より低くなるように
電位差を持たせ、 MGTの絶縁ゲートに、第1の電圧信号または第2の電
圧信号が印加されているとき、MGTおよびIGBTを
ともにターンオン/ターンオフするとともに、前記第1
の電圧信号より小さく前記第2の電圧信号より大きい第
3の電圧信号が印加されているとき、IGBTのオン状
態を維持しながらMGTをターンオフすることを特徴と
する半導体装置の制御方法。 - 【請求項15】 カソード電極とアノード電極及びゲー
ト電極の3端子を持つ複数のMOSゲートサイリスタ
(以下、MGTと呼ぶ)を接続した半導体装置におい
て、 MGTは、絶縁ゲートに印加されるゲート電圧に応じて
ラッチアップ動作から非ラッチアップ動作に遷移できる
構成とすると共に、MGTに流れる電流が所定値以上の
場合に、前記非ラッチアップ動作へ遷移するゲート電圧
に制御する保護回路を備えることを特徴とする半導体装
置。 - 【請求項16】 カソード電極とアノード電極及びゲー
ト電極の3端子を持つ複数のMOSゲートサイリスタ
(以下、MGTと呼ぶ)を接続した半導体装置におい
て、 MGTは、絶縁ゲートに印加されるゲート電圧に応じて
ラッチアップ動作から非ラッチアップ動作に遷移できる
構成とすると共に、半導体装置に流れる電流値によっ
て、前記サイリスタ動作をするMGTの数を可変する保
護回路を備えることを特徴とする半導体装置。 - 【請求項17】 請求項15または16において、 前記保護回路は、MGTと1対1に設けることを特徴と
する半導体装置。 - 【請求項18】 カソード電極とアノード電極及びゲー
ト電極の3端子を持つ複数のMOSゲートサイリスタ
(以下、MGTと呼ぶ)を接続した、請求項15または
請求項16に記載の半導体装置の制御方法において、 半導体装置に所定値を超える電流が流れる場合に、前記
保護回路によってMGTをターンオンする電圧以下でタ
ーンオフする電圧以上に前記ゲート電圧を制御し、MG
Tを前記非ラッチアップ動作へ遷移して電流を抑制する
ことを特徴とする半導体装置の制御方法。 - 【請求項19】 カソード電極とアノード電極及びゲー
ト電極の3端子を持つ複数のMOSゲートサイリスタ
(以下、MGTと呼ぶ)を接続した、請求項17に記載
の半導体装置の制御方法において、 あるMGTに所定値以上の電流が流れると、対応する保
護回路によって当該MGTのゲート電圧を制御して前記
非ラッチアップ動作に遷移させ、一部のMGTへの電流
集中を抑制することを特徴とする半導体装置の制御方
法。 - 【請求項20】 請求項19において、 複数のMGTは並列接続されていることを特徴とする半
導体装置の制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7264286A JPH09107091A (ja) | 1995-10-12 | 1995-10-12 | Mosゲートサイリスタ及びその制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7264286A JPH09107091A (ja) | 1995-10-12 | 1995-10-12 | Mosゲートサイリスタ及びその制御方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09107091A true JPH09107091A (ja) | 1997-04-22 |
Family
ID=17401061
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7264286A Pending JPH09107091A (ja) | 1995-10-12 | 1995-10-12 | Mosゲートサイリスタ及びその制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09107091A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1998053503A1 (de) * | 1997-05-23 | 1998-11-26 | Vishay Semiconductor Gmbh | Thyristor mit selbstschutz |
JP2000200909A (ja) * | 1998-12-31 | 2000-07-18 | Stmicroelectronics Sa | 制御されたdi/dtを有するパワ―・スイッチ |
JP2018129909A (ja) * | 2017-02-07 | 2018-08-16 | ローム株式会社 | Dc/dcコンバータおよびその制御回路、制御方法、車載電装機器 |
JP2018129326A (ja) * | 2017-02-06 | 2018-08-16 | 富士電機株式会社 | 半導体装置 |
-
1995
- 1995-10-12 JP JP7264286A patent/JPH09107091A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1998053503A1 (de) * | 1997-05-23 | 1998-11-26 | Vishay Semiconductor Gmbh | Thyristor mit selbstschutz |
US6423987B1 (en) | 1997-05-23 | 2002-07-23 | Vishay Semiconductor Gmbh | Self-protect thyristor |
JP2000200909A (ja) * | 1998-12-31 | 2000-07-18 | Stmicroelectronics Sa | 制御されたdi/dtを有するパワ―・スイッチ |
JP4608716B2 (ja) * | 1998-12-31 | 2011-01-12 | エステーミクロエレクトロニクス ソシエテ アノニム | 制御されたdi/dtを有するパワー・スイッチ |
JP2018129326A (ja) * | 2017-02-06 | 2018-08-16 | 富士電機株式会社 | 半導体装置 |
JP2018129909A (ja) * | 2017-02-07 | 2018-08-16 | ローム株式会社 | Dc/dcコンバータおよびその制御回路、制御方法、車載電装機器 |
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