JPH09106451A - 地形モデル作成装置および地形モデル作成プログラムを記憶した媒体 - Google Patents

地形モデル作成装置および地形モデル作成プログラムを記憶した媒体

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JPH09106451A
JPH09106451A JP8312679A JP31267996A JPH09106451A JP H09106451 A JPH09106451 A JP H09106451A JP 8312679 A JP8312679 A JP 8312679A JP 31267996 A JP31267996 A JP 31267996A JP H09106451 A JPH09106451 A JP H09106451A
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terrain model
terrain
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Masaharu Ishii
雅治 石井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】単に幾何学的で技巧的な方法によることなく、
地形学的に妥当で、微細な襞等を含む自然な形状特徴を
持つ数値化地形モデルを等高線から再現する。 【解決手段】地形モデル作成装置1は、等高線データを
入力する入力手段4と、入力された等高線データから2
次元面上で定義された関数としての地形モデルを計算す
る計算手段と、等高線データを境界値とし、流水線また
はその近傍に沿って地形モデルの標高値を平滑化する作
用素に関する境界値問題を、少なくとも近似的に解くこ
とにより地形モデルを求める演算手段3と、演算手段3
によって求められた地形モデルを出力する出力手段5と
から構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、等高線データから
地形を再現するための地形モデル作成技術に関し、特
に、微細な襞等を含む自然な形状特徴を持つ数値化地形
モデルを等高線データから再現することができる地形モ
デル作成装置および地形モデル作成プログラムを記憶し
た媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】等高線から再現された、最も単純な地形
モデルは、等高線に囲まれた領域の標高値は一定であ
り、領域を取り囲む等高線の平均値であるとしたモデル
である。これはスタッキングモデルと呼ばれている。ス
タッキングモデルの持つ情報は等高線と全く等価であ
る。スタッキングモデルでは、等高線の密度が低い領域
において、各等高線ごとの段差や等高線間の平坦性が顕
著なものになってしまう。そこで、等高線に囲まれた領
域の標高値を変化させ、等高線と等高線の間を連続的な
面で接続することが問題になる。これが等高線からの地
形再現問題である。標高値を変化させるために必要な情
報は、等高線から直接与えられるわけではない。従っ
て、この問題は、等高線デ−タに適切な情報を付加して
妥当な標高面デ−タを得るという、情報付加の問題であ
り、情報の付加内容および情報の付加形式の2つの問題
に分解できる。
【0003】従来技術の多くは、ほぼ次の4種類に分類
される。 (1)幾つかの方向に関して、スプライン曲線の補間等
により地形断面を計算し、 これらの断面に適当に
重みをつけ平均をとる方法。 (2)等高線と等高線の間に三角パッチを張り巡らし、
その三角パッチの上で補間を行なう方法。 (3)スッタキングモデル等の容易に生成できる初期モ
デルに対し、2次元的なロ−パスフィルタ−等を作用さ
せることにより、初期モデルの角ばった部分を滑らかに
する方法。 (4)等高線を点集合とみなし、適当な評価関数を作っ
てこれを最小化することにより、面の当てはめを行なう
方法。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】出力結果を見た場合、
上記(1)の方法の場合、段差や溝および星状のノイズ
が表れ、(2)については、図5に示すように、三角パ
ッチ501が地形の癖として残存してしまう。また上記
(3)、(4)の方法では、図6に示すように、地表面
が細かい襞や褶曲のない異様な丸みをおびたものにな
る、という問題があった。
【0005】従来技術において、このような問題が生じ
るのは、情報の付加内容として、地形の地形学的な特質
ではなく、単に幾何学的で技巧的な条件だけを与えるか
らである。また情報の付加形式の点から見ても、従来技
術には困難がある。上記(1)〜(3)の方法は、その
原理上情報の付加形式に従いほぼ情報の付加内容が決定
されるという、一体化処理であり、必要に応じて付加内
容の一部分を追加したり削除することは極めて困難であ
る。また(4)の方法では、評価関数の変更により情報
の付加内容を選択できるが、いずれにせよこの付加内容
は大域的な最適化問題として定式化しておかねばなら
ず、局所的な要請を取り入れることは極めて困難であ
り、選択の余地も狭い。
【0006】本発明は上記の点にかんがみて成されたも
ので、地形モデル作成装置および方法は、従来の、単に
幾何学的で技巧的な方法が持つ、幾何学的ノイズや不自
然な形状特徴等が結果に表れるという問題点を解消し、
地形学的に妥当で、微細な襞等を含む自然な形状特徴を
持つ数値化地形モデルを、等高線から再現することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明においては、等高線を境界値として設定し、
2次元面上で定義された関数空間上の作用素の境界値問
題として地形再現問題を定式化する。情報の付加形式を
境界値問題としたので、作用素の変更により情報の付加
内容を選択でき、局所的な要請を取り入れることも容易
であり、広い範囲の物理学的、地形学的特徴を表現する
ことができる。特に、雨による侵食が主に地形形状を支
配している地域では、情報の付加内容として、地形標高
値は流水線方向に沿って滑らかであるという地形学的特
質を与えることは最も自然であり、このことが地形再現
問題にとって基本的な課題となる。そこで、本発明にお
いては流水線またはその近傍に沿って地形モデルの標高
値を平滑化する作用素を導入することにより、少なくと
もこの地形学的特質を地形モデルに与えることを可能に
した。また、他の作用を付加した作用素を構成すること
により、種々の特質を地形モデルに与えることができ
る。本明細書において、流水線またはその近傍に沿って
標高値を平滑化する作用素とは、この平滑化作用を、少
なくとも作用の一部として含む作用素を意味する。
【0008】この結果、本発明は、従来技術が持つ、幾
何学的ノイズや不自然な形状特徴等が結果に表れるとい
う問題を解消し、さらに、地形学的に妥当で、微細な襞
等を含む自然な形状特徴を持つ数値化地形モデルを等高
線から再現することを可能にした。
【0009】
【実施例】以下本発明の実施例についてについて説明す
る。まず記号法を説明し、これをもとに本発明の実施例
における情報の付加形式を表す。
【0010】表記 A ← B により、変数 Bの内容を変数
Aに代入する操作を表す。地形を再現する地域を Dとお
く。簡単化のためこれは正方形であるものとしておく。
地域Dを縦横とも正方形のブロックに N分割して量子化
し、それぞれのブロックを2個の整数の組すなわち点
(x,y) ( x,y = 0,1,2、・・・,N-1)で表す。しかしこの量
子化は説明の簡単化のために導入したものに過ぎず、不
均等な大きさを持つ三角形によるもの等、他の量子化を
使うこともできる。等高線は D内の1次元部分集合であ
り、各等高線を C1, C2,・・・ とし、対応する標高値をそ
れぞれ v1, v2,・・・ とする。
【0011】数値化地形モデルは、2次元面の整数格子
点 (x,y) 上に値(標高値)をとる関数、すなわち2次
元配列 h(x,y) 等により表される。2次元面上で定義さ
れた関数の空間上の作用素とは、2次元配列に2次元配
列を対応させる変換であり、2次元配列 hを h'に変換
する作用素 Tの作用を h'= T(h) と表記する。また、2
個の作用素 S、T の合成変換 h'= S(T(h))、を S・T と
表記する。作用素に関する境界値問題とは、例えば h =
T(h) というような作用素を含む h に関する方程式
を、 D の1次元部分集合 C の任意の点 (x,y) で h(x,
y) = v が成立しなくてはならない、といった制約条件
の下で解き、 h を求める問題である。
【0012】以上の記号法の下で、本発明における情報
の付加形式の1つは、次の境界値問題として設定でき
る。
【0013】流水線またはその近傍に沿って標高値を平
滑化する作用素を T とする。地形モデルが十分に平滑
化されれば、もうそれ以上平滑化が進行しない平衡状態
に達すると考えられる。このとき地形モデル h は、 h
= T(h) という方程式を、各等高線 Ci ( i = 1,2、・・・)
の任意の点 (x,y) において h(x,y) = vi ( i = 1,2、
・・・) という条件の下で満足する、境界値問題の解とし
て表される。方程式をこの形においたのは求解が比較的
簡単であるからであり、例えば別の考察により、 T'(h)
= 0 とする定式化から出発してもよい。
【0014】この境界値問題は、適当な初期値 ho が与
えられ、作用素 T が初期値の近傍で安定であれば、等
高線の情報を代入し境界値を設定する作用素 B を使
い、反復法により解くことができる。
【0015】作用素 B は、h'= B(h)とおいたとき次の
変換規則により定義される。すなわち、点 (x,y)が等高
線 Ci に含まれる場合は h'(x,y) = vi であり、含ま
れない場合は h'(x,y) = h(x,y) である。
【0016】作用素 S を S = B・T で定義する。このと
き ho に S を反復作用させ、 h =S・S・ ・・・ ・S(ho)、を
計算すると、この h が境界値問題の近似解になること
が知られている。また解が収束しない場合にも、漸近的
な近似解が得られる。方程式そのものが、現象論的なモ
デルに過ぎないから、解の厳密性をあまり要求しても意
味がない。
【0017】なお、反復法としては上記以外の他の方法
を用いてもよい。
【0018】等高線同士が離れ過ぎるなどして、互いの
形状が非相関的な場合には、得られた近似解 h に対し
て T だけを何回か反復作用させる修正フィルタリング
を行なうことにより、自然な結果が得られるときがあ
る。これは、等高線の情報よりも、作用素のもっている
情報の付加内容を優先する、地形形状決定の方法であ
る。
【0019】次に、実施例の装置のハードウェア構成を
図1のブロック図を参照して説明する。実施例の装置1
は、記憶装置2、演算装置3、等高線データを入力する
入力装置4、求められた地形モデルまたは画像データを
出力する出力装置5、制御装置6を有しており、これら
はバスライン7,8によって相互に接続されている。
【0020】記憶装置2は、図1に示すように、等高線
データを格納する等高線データ格納部、初期地形データ
を作成するプログラムが格納される初期地形データ作成
プログラム部、流水線またはその近傍に沿って入力地形
モデルの標高値を平滑化する作用素の作用プログラムが
格納される平滑化プログラム部、境界条件を設定するプ
ログラムが格納される境界条件設定プログラム部、本装
置により生成された数値化地形データを格納する数値化
地形データ格納部、OS等の制御プログラムを格納する
制御プログラム部を備えている。
【0021】演算装置3はCPU等から構成され、入力
装置4はたとえばデジタイザ、マウス、キーボード、数
値ファイルあるいはライトペン等により構成されてい
る。出力装置5はたとえば数値ファイル、ネットワーク
中継装置等である。制御装置6はプログラムを実行する
ための各装置を制御している。
【0022】次に実施例の装置の基本動作について図2
のフローチャートを用いて説明する。まず、初期地形モ
デル hoを作成し(101)、ho を初期値として設定す
る(102)。次に、流水線またはその近傍に沿って標
高値を平滑化する作用素 T を地形モデル h に作用させ
(103)、さらに等高線の情報を代入し境界値を設定
する作用素 B を地形モデル h に作用させる(10
4)。ステップ103,104の演算回数 nをチェック
して(105)、演算回数 n が規定回数 nmax 未満な
らステップ103へ戻り、規定回数 nmaxに達したらス
テップ106へ進んで数値化地形 モデルを hを出力す
る。
【0023】図2のフローチャートにおいて、ステップ
101およびステップ102によって等高線から初期地
形モデルを作成し、ステップ103ないしステップ10
6によって流水線またはその近傍に沿って標高値を平滑
化する。
【0024】これらの手段を含む拡張された装置構成
や、作用素の選択により、本発明の各種の実現形態が生
じる。しかしステップ101およびステップ102は共
通であるから、ここで説明し、作用素の具体的な定義方
法や装置の拡張構成については、続く各項の実施例の中
で説明する。
【0025】ステップ101およびステップ102で
は、例えば等高線からスタッキングモデルを作成し初期
地形とすればよい。これは、画面領域の塗りつぶし技術
等により容易に作成できる。等高線に囲まれた領域の1
点を取りだし、この点を種として、この領域を等高線か
ら決まる標高値で塗りつぶす等の手法をつかえばよい。
スタッキングモデル以外にも、三角パッチを利用する補
間方法等、著しいノイズが発生しない方法であればなん
でも初期値作成手段に利用できる。
【0026】(実施例1)本実施例の作用素は各点の8
点近傍において、流水線の決定、標高値の平滑化等全て
の演算を行なう。作用が局所的であるので流水線の積分
器部分が必要なく、インプリメントが簡単という特徴を
持つ。
【0027】平滑化作用素 T の、地形モデル h に対す
る、点 (x,y) における作用を次のように定義する(以
下適宜図3を用いて説明する)。 (1)点 (x,y) と8点近傍の標高値を基に、この点に
おける勾配ベクトル gradh(x,y) を決定する。このとき
には、8点近傍全ての点の標高値を計算に入れることが
望ましい。 (2)この勾配ベクトルが 0 ベクトルではない場合
(この点を図3においてP1で示す) 平滑化作用素 To を作用させる。この作用 h' = To(h)
を次のように定める。 1)勾配ベクトル(図3に301で示す)を、水平方
向、垂直方向、右上がり45度方向、左上がり45度方向の
うち、最も近い方向に量子化する。 図3の例
では右上がり45度方向に決定される。 2)量子化方向の直線と8点近傍(図3にU1で示す)
との3つの交点を取り出し、これらの集合を局所流水線
(図3に302で示す)とする。 3)局所流水線
の3点の標高値に、総和が1である適当な重みをつけて
平均をとることにより、局所流水線に沿った平滑化を行
ない、点P1:(x,y) における新たな標高値 h'(x,y) を
与える。この重みとしては、 図3で示せば、
例えば、P1 の重みを 0 とし、他の2点P2,P3
重みを 1/2 ずつとしたものを用いることがで
きる。 (3)勾配ベクトルが 0 ベクトルである場合(この点
を図3においてP4で示す) 流水線(図3にcで示す)を延長するために、8点近傍
(図3にU2で示す)の点の標高値に、総和が1である
適当な重みをつけて平均をとることにより、2次元的な
平滑化を行ない、新たな標高値を与える。この重みとし
ては、例えば、図3に点P4の周りに斜線で示す4点 (x
-1,y),(x+1,y),(x,y-1),(x,y+1)の重みを 1/4 ずつと
し、他の点の重みを 0 としたものを用いることができ
る。
【0028】本実施例の上記(2)における平滑化手段
は、前記手段に限られるわけではなく、勾配ベクトルに
直接依存するフィルタ−や、非線型フィルタ−等であっ
てもよい。また、上記(3)の平滑化手段も、非線型フ
ィルタ−等であってもよい。たとえば、hx=h(x+1,y)-h
(x-1,y), hy=h(x,y+1)-h(x,y-1)としたとき、 h'(x,y)=(h(x-1,y)+h(x+1,y))・|hx|/4(|hx|+|hy|) +(h(x,y-1)+h(x,y+1))・|hy|/4(|hx|+|hy|) で定まる非線形作用素を利用することができる。初期値
として滑らかな地形モデルを選べば、上記(3)の場合
はほとんど生じることはなく、(1)、(2)だけから
構成される作用素を使うこともできる。
【0029】この作用素 T を図2のフロ−チャ−トに
組み込んで使用すれば、数値化地形モデルが得られる。
この実施例により、従来技術の持つ、幾何学的ノイズや
不自然な形状特徴等が結果に表れるという問題は解消で
きる。
【0030】(実施例2)次に本発明の第2の実施例を
説明する。この実施例では、作用素の作用の範囲を広
げ、積分器を用いて必要な長さの流水線を求め、ある程
度広い範囲で平滑化を行なう。また、尾根、谷領域に対
してはこの平滑化の度合を低減することによりよりシャ
ープな尾根、谷の地形再現を行う。
【0031】まず、平滑化作用素 T の、地形モデル h
に対する作用を次のように定義する。 (1)地形モデル h の勾配ベクトル場 grad h を決定
する。
【0032】(2)この勾配ベクトル場から、点 (x,y)
を通る整数格子点上の流水線を求める離散的な積分演
算を行う。流水線 c(t)は次のとおり定義される。 c(t) =(c1(t), c2(t)) (c(0) =(x,y), c(t) ≠ c(t+
1)) 流水線 c(t)は、上記条件に加えて、|c(t)-c(t-1)|≠
0 かつ |c(t+1)-c(t)|≠ 0 のとき、内積 (c(t)-c
(t-1), c(t+1)-c(t)) が正であるという条件を満足する
ことが望ましい。 この積分は、流水線の始点から
終点までの全域に渡ってではなく、平滑化 手段の
作用範囲程度の局所的な領域上だけで行なってもよい。
【0033】(3)この流水線が、平滑化に必要な領域
上で存在する場合。平滑化作用素 T1 を作用させる。こ
の作用、h' = T1(h) を、 h'(x,y) = Σ w(c(t)-(x,y)) h(c(t)) / Σ w(c(t)-(x,
y)) で定める。ここで和は両者とも t についてとり、この
範囲は、流水線と、 重み w の非零定義領域
(台)とを交差させる t の値全体とする。ここで重み
w は例えば、 w(x,y) = exp( -(x2+y2)/(2σ2)) ( -3σ< x,y < 3
σ,σ:定数) w(x,y) = 0 ( x,y が上の範囲以
外のとき) とすればよい。これは重み付けをガウス分布的にした例
である。ここに示した作用素は最も簡単なものであり、
非線型フィルタ−等を利用してもよい。
【0034】(4)流水線が、必要なだけ存在しない場
合。 1)点 (x,y)が尾根、谷領域の点に該当するか否かの判
定を行なう。この判定は、例えば、 a+ = h(x+1,y)-h(x,y), a- = h(x-1,y)-h(x,y), b+ = h(x,y+1)-h(x,y), b- = h(x,y-1)-h(x,y), とおき、a+ ・ a- > 0 または b+ ・ b- > 0 のとき該
当、これ以外のとき非該当、とすることにより行なうこ
とができる。この方法は一例に過ぎず、より大域的な方
法等、これ以外の方法で判定を行なってもよい。 2)点 (x,y)が尾根、谷領域の点である場合。平滑化作
用素 T2 を作用させる。この作用、h' = T2(h) を例え
ば、 h'(x,y) = ( h(x,y) + wd(x,y) ・ hL(x,y)) /( 1 + w
d(x,y)) で定める。ここで hL は、 hL(x,y) = ( h(x-1,y) + h(x+1,y) + h(x,y-1) + h(x,y
+1))/ 4 とした。wd は点 (x,y) の尾根度、谷度により変化する
重みであり、例えば、h のラプラシアン(物理的には水
の流入出量を表わす)等の関数として与えてやればよ
い。特に、 T2 の定義方法は色々な手法を考えることが
できる。例えば、 wd を、勾配ベクトルが零である点か
らの距離により増加する関数にとることや、hL の代わ
りに、非線型フィルタ−等の作用結果を利用することも
できる。 3)2)以外の場合。前記 hL の定める平滑化作用素
h'(x,y) = hL(x,y) を作用させる。
【0035】ここで、上記(4)において、尾根、谷領
域に関する判定を行なわずに、常に上記3)の平滑化を
行なう、やや簡単な構成を考えることもできる。この場
合は、実施例1の作用素 To を単に T1 に置き換えた構
成と見なすことができる。
【0036】上記作用素 T を図2のフロ−チャ−トに
組み込んで使用すれば、数値化地形モデルが得られる。
本実施例によれば、等高線密度の低い地域まで処理が及
びにくい、尾根、谷領域の地形が平坦になりやすい、お
よび地形斜面がややシャ−プさに欠ける、といった問題
を解消し、地形学的に妥当で、微細な襞等を含む自然な
形状特徴を持つ数値化地形モデルを、等高線から再現す
ることができる。
【0037】(実施例3)本実施例では、高速処理のた
めの、拡張的構成を示す。本境界値問題の解法に反復法
を用いる場合、平滑化の平衡状態に達するまでに必要な
作用素の反復回数は、一般にほぼ等高線同士の間隔に比
例する。例えば、量子化単位の大きさを、基本単位の4
倍にして、地域Dの各辺の分割数をN/4とした量子化
では、等高線同士のブロック間隔は1/4になり、した
がって反復回数も1/4になる。また計算すべき格子点
の数も1/4×1/4すなわち1/16になる。よって
基本の量子化に比べ、1/64の計算量で結果が得られ
る。量子化単位を基本単位の2倍に変更し、各辺の分割
数がN/2である格子面上に、この結果を補間拡大して
得られる地形モデルは、スタッキングモデルに比べては
るかに良い平衡状態の近似になっている。したがって、
この量子化の段階での反復回数はごくわずかで済む。以
下、結果を補間拡大する同様な手順を再帰的に実行する
ことにより、基本の量子化での地形モデルが得られる。
【0038】本実施例の構成の一例は次のとおりであ
る。 (1)入力等高線デ−タのスケールを縦横それぞれ 1/4
に縮小し、実施例2の装置により1/4 スケ−ルの地形
モデルを作成する。 (2)前記作成結果を2倍に補間拡大する。 (3)前記拡大結果を初期値とし、また入力等高線デ−
タのスケールを縦横それぞれ 1/2 に縮小し、これを境
界値として、実施例2の装置で用いた平滑化方法によ
り、1/2 スケ−ルの地形モデルを作成する。 (4)前記作成結果を2倍に補間拡大する。 (5)前記拡大結果を初期値とし、入力等高線デ−タを
境界値として、実施例2の装置で用いた平滑化方法によ
り、もとの 1/1 スケ−ルの地形モデルを作成る。
【0039】上記例では、縮小、拡大のスケ−ル比を2
としたが、別の比をとってもよく、各段階ごとに変化さ
せてもよい。開始スケ−ルも 1/4 である必要はない。
【0040】上記(2)、(4)における地形モデルの
補間拡大の際に、平面の当てはめ等の1次補間を利用し
て、補間点の標高値をその最隣接点の標高値から求める
ことは望ましくない。このような補間では、尾根や谷は
無視されて平坦な拡大が行なわれるからである。一旦失
われた凹凸を上記(3)、(5)の平滑化方法により復
元することは困難であり、尾根や谷は潰れたままになっ
てしまう。
【0041】しかし、たとえば最小2乗法やラグランジ
ュの補間法等による3次曲面の当てはめ等を利用すれ
ば、地形の凹凸まで補間できる。図4はそのことを説明
する地形断面図であり、図の横軸はx軸を、縦軸は標高
値を表わしている。点P1〜P4は標高値が既知の点であ
り、Pは標高値を補間したい点である。実線cは1次補
間した平面であり、破線c’は高次補間した曲面であ
る。hは1次補間した場合の標高値であり、h’は高次
補間した場合の標高値であって、両者の間に図に示すよ
うな差が生じる。このように地形モデルの補間拡大に
は、上記のような高次補間が望ましい。
【0042】以上で示した方法は、従来より偏微分方程
式等の高速解法として知られていたものである。従来、
この方法はラプラス方程式等の境界値問題に適用され、
通常、数倍程度の高速化効果が得られていた。この方法
は、その構成から明らかなように、解の周波数成分の大
きさが、周波数の増大につれてゆっくり減少するという
構造をもつ場合に、解の概形を求める際、特に有効であ
る。しかし、従来の問題では、解がフラクタル(自己相
似)構造とよばれるこのような構造を持たなかったうえ
に、結果の厳密性が必要とされることが多かった。
【0043】ここでの地形再現問題の場合はこれらの要
因は有利に働く。というのも、近年の地形に対するフラ
クタル科学の成果により、地形モデルがもともとフラク
タル構造を持つことが解明されており、また、結果の厳
密性も本質的には必要ないからである。実在の幾つかの
地形の等高線を入力とするテストによれば、数十倍から
百倍程度の高速化が可能である。従来の通常の問題と高
速化の度合いを比較すると、十倍以上の効果が得られて
いる。従って、公知の方法を新しい問題に、単に適用し
たという以上の顕著な効果が認められる。
【0044】またこの方法を適用することにより、平滑
化作用素の、反復作用の回数を著しく低減できるので、
尾根、谷領域での平滑化抑制効果も得られ、尾根、谷筋
の通った地形モデルが得られる。
【0045】なお本明細書に添付した参考図(穂高岳周
辺図)は、実施例3の装置により作成された地形モデル
を、実施例2の作用素 T を用いた修正フィルタによっ
て修正して作成した地形モデルを利用して作成したもの
である。この地形モデルに対して仮想的に左上方向から
光を当て、この光線に対する地形表面の各点における傾
きより陰影を計算し、さらに地形モデルの標高値により
変化する色調を計算し、この陰影と色調を組み合わせた
画像データを作成した。この画像データに、実施例3の
装置へ入力した等高線データおよびその他のデータを重
ねて印刷したものが添付参考図である。同参考図におい
ては、シャープな尾根線、谷線あるいは細かい山の襞な
どが表現され、全体として自然な地形再現に成功してい
る。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の地形モデ
ル作成装置および方法によれば、従来の、単に幾何学的
で技巧的な方法が持つ、幾何学的ノイズや不自然な形状
特徴等が結果に表れるという問題を解消し、地形学的に
妥当で、微細な襞等を含む自然な形状特徴を持つ数値化
地形モデルを、等高線から再現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による地形モデル作成装置の一実施例の
ブロック図である。
【図2】実施例の動作を説明するフローチャートであ
る。
【図3】実施例1の作用素を説明する図である。
【図4】実施例3における補間拡大を説明する図であ
る。
【図5】従来の地形モデル作成方法により作成された地
形モデルの例を示す図である。
【図6】従来の地形モデル作成方法により作成された地
形モデルの他の例を示す図である。
【符号の説明】
1 地形モデル作成装置 301 勾配ベクトル 302 局所流水線

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 等高線データを入力する入力手段と、前
    記入力された等高線データから2次元面上で定義された
    関数としての地形モデルを計算する計算手段と、前記等
    高線データを境界値とし、流水線またはその近傍に沿っ
    て地形モデルの標高値を平滑化する作用素に関する境界
    値問題を、少なくとも近似的に解くことにより地形モデ
    ルを求める演算手段と、前記演算手段によって求められ
    た地形モデルを出力する出力手段とから成ることを特徴
    とする地形モデル作成装置。
  2. 【請求項2】 等高線データを入力する入力手段と、前
    記入力された等高線データから2次元面上で定義された
    関数としての初期地形を計算する計算手段と、前記等高
    線データを境界値とし、流水線またはその近傍に沿って
    入力地形モデルの標高値を平滑化する作用素に関する境
    界値問題を、前記初期地形を初期値とする反復法により
    少なくとも近似的に解いて地形モデルを求める演算手段
    と、前記演算手段によって求められた地形モデルを出力
    する出力手段とから成ることを特徴とする地形モデル作
    成装置。
  3. 【請求項3】 地形モデル作成結果を初期値として入力
    する入力手段と、境界条件をつけることなく流水線また
    はその近傍に沿って入力地形モデルの標高値を平滑化す
    る作用素を、前記初期値に対し一回または再帰的に作用
    させる演算手段と、前記演算手段によって求められた地
    形モデルを出力する出力手段とから成ることを特徴とす
    る地形モデル修正装置。
  4. 【請求項4】 等高線データを入力する入力手段と、前
    記入力された等高線データから2次元面上で定義された
    関数としての地形モデルを計算する計算手段と、前記等
    高線データを境界値とし、流水線またはその近傍に沿っ
    て地形モデルの標高値を平滑化する作用素に関する境界
    値問題を、少なくとも近似的に解くことにより地形モデ
    ルを求める演算手段と、前記演算手段によって求められ
    た地形モデルに対して仮想的に光を当て、この光線に対
    する地形表面の各点における傾きより陰影を計算して画
    像データを作成する画像データ作成手段と、前記画像デ
    ータ作成手段によって作成された画像データを出力する
    出力手段とから成ることを特徴とする画像データ作成装
    置。
  5. 【請求項5】 等高線データを入力する入力手段と、前
    記入力された等高線データから2次元面上で定義された
    関数としての地形モデルを計算する計算手段と、前記等
    高線データを境界値とし、流水線またはその近傍に沿っ
    て地形モデルの標高値を平滑化する作用素に関する境界
    値問題を、少なくとも近似的に解くことにより地形モデ
    ルを求める演算手段と、前記演算手段によって求められ
    た地形モデルに対して仮想的に光を当て、この光線に対
    する地形表面の各点における傾きより陰影を計算する手
    段と、地形モデルの標高値により変化する色調を計算す
    る手段と、前記計算された陰影と色調とを組み合わせて
    画像データを作成する画像データ作成手段と、前記画像
    データ作成手段によって作成された画像データを出力す
    る出力手段とから成ることを特徴とする画像データ作成
    装置。
  6. 【請求項6】 コンピュータによって地形モデルを作成
    するためのプログラムを記憶させた媒体であって、前記
    プログラムは、コンピュータに、等高線データから2次
    元面上で定義された関数としての地形モデルを作成さ
    せ、前記等高線データを境界値とし、流水線またはその
    近傍に沿って地形モデルの標高値を平滑化する作用素に
    関する境界値問題を、少なくとも近似的に解くことによ
    り、地形モデルを作成させることを特徴とする地形モデ
    ル作成プログラムを記憶した媒体。
  7. 【請求項7】 コンピュータによって地形モデルを作成
    するためのプログラムを記憶させた媒体であって、前記
    プログラムは、コンピュータに、等高線データからスタ
    ッキングモデル等の2次元面上で定義された関数として
    地形モデルを計算させ、このモデルを初期地形として設
    定させ、等高線を境界値とし、流水線またはその近傍に
    沿って入力地形モデルの標高値を平滑化する作用素に関
    する境界値問題を、前記初期地形を初期値とする反復法
    により少なくとも近似的に解いて、地形モデルを作成さ
    せることを特徴とする地形モデル作成プログラムを記憶
    した媒体。
  8. 【請求項8】 コンピュータによって地形モデルを修正
    するためのプログラムを記憶させた媒体であって、前記
    プログラムは、コンピュータに、地形モデル作成結果を
    初期値とし、境界条件をつけることなく流水線またはそ
    の近傍に沿って入力地形モデルの標高値を平滑化する作
    用素を、前記初期値に対し一回または再帰的に作用させ
    て地形モデルを修正することを特徴とする地形モデル修
    正プログラムを記憶した媒体。
  9. 【請求項9】 コンピュータによって画像データを作成
    するためのプログラムを記憶させた媒体であって、前記
    プログラムは、コンピュータに、等高線データから2次
    元面上で定義された関数としての地形モデルを計算さ
    せ、前記等高線データを境界値とし、流水線またはその
    近傍に沿って地形モデルの標高値を平滑化する作用素に
    関する境界値問題を、少なくとも近似的に解くことによ
    り地形モデルを求めせ、求められた地形モデルに対して
    仮想的に光を当て、この光線に対する地形表面の各点に
    おける傾きより陰影を計算して画像データを作成させる
    ことを特徴とする画像データ作成プログラムを記憶した
    媒体。
  10. 【請求項10】 コンピュータによって画像データを作
    成するためのプログラムを記憶させた媒体であって、前
    記プログラムは、コンピュータに、等高線データから2
    次元面上で定義された関数としての地形モデルを計算さ
    せ、前記等高線データを境界値とし、流水線またはその
    近傍に沿って地形モデルの標高値を平滑化する作用素に
    関する境界値問題を、少なくとも近似的に解くことによ
    り地形モデルを求めせ、求められた地形モデルに対して
    仮想的に光を当て、この光線に対する地形表面の各点に
    おける傾きより陰影を計算しさせ、さらに地形モデルの
    標高値により変化する色調を計算させ、前記陰影と前記
    色調とを組み合わせた画像データを作成させることを特
    徴とする画像データ作成プログラムを記憶した媒体。
  11. 【請求項11】 前記プログラムは、前記境界値問題を
    解く際に、流水線またはその近傍に沿って標高値を平滑
    化する第1の作用素を地形モデルに作用させ、さらに等
    高線の情報を代入し境界値を設定する第2の作用素を地
    形モデルに作用させる請求項6,7,9または10に記
    載のプログラムを記憶した媒体。
  12. 【請求項12】 計算機によって、地形標高値は流水線
    方向に沿って滑らかであるという地形学的特質をシミュ
    レートするために、2次元面上で定義された関数である
    地形モデル作成結果を初期値とし、境界条件をつけるこ
    となく流水線またはその近傍に沿って入力地形モデルの
    標高値を平滑化する作用素を、前記初期値に対し一回ま
    たは再帰的に作用させることを特徴とする地形モデル修
    正方法。
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