JPH09105759A - 流速測定装置 - Google Patents

流速測定装置

Info

Publication number
JPH09105759A
JPH09105759A JP26143795A JP26143795A JPH09105759A JP H09105759 A JPH09105759 A JP H09105759A JP 26143795 A JP26143795 A JP 26143795A JP 26143795 A JP26143795 A JP 26143795A JP H09105759 A JPH09105759 A JP H09105759A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flow velocity
magnetic field
conductive liquid
voltage
measuring device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP26143795A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuhiko Murakami
勝彦 村上
Noriko Kubo
典子 久保
Toshio Ishii
俊夫 石井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NKK Corp, Nippon Kokan Ltd filed Critical NKK Corp
Priority to JP26143795A priority Critical patent/JPH09105759A/ja
Publication of JPH09105759A publication Critical patent/JPH09105759A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measuring Volume Flow (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来技術では測定不可能であった400℃以
上の高温で、かつ直流および、交流のいかなる外部磁場
の存在下においても、任意の液源においてバルク液体の
局部的な流動速度を精度よく測定できる流速測定装置を
得る。 【解決手段】 銀、銅、白金、タンタル、レニウム、ロ
ジウム、ハフニウム、ニオブ、タングステン、モリブデ
ン又はこれら合金、若しくは炭素繊維を使用した空芯ソ
レノイド磁石により、高温導電性液体中に磁場を発生さ
せ、流速出力手段により、空芯ソレノイド磁石による磁
場のかかっている領域中に配置された2つの検出用電極
間の電圧により、高温導電性液体における励磁磁場及び
検出用電極間隔と直交する方向の流速に対応した電圧を
出力するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電性高温液体の
流動速度を測定する流速測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、バルク状態の導電性液体に対する
浸漬型電磁流速測定センサーとして、永久磁石を用いた
Vives型センサーが使用されているが、永久磁石を
用いているため磁石のキューリー点の関係から400℃
を超えるような高温では使用できないこと、及び直流の
起電力を検知しているため外部磁場として、静磁場(直
流磁場)が存在する場合は測定不可能であった。さら
に、このような高温域で直流の微少起電力を測定する場
合、周辺の温度変化に伴う熱起電力による外乱が発生す
るため、正負極の切り替えによる信号処理が必要で迅速
な測定が困難であった。
【0003】そこで、従来では、そのような環境に対し
ては、例えば、特開平5−60775号公報、特開平6
−137923号公報に記載されているような浸漬棒に
よる機械的な手法、すなわち、液体の流動に伴って生じ
る浸漬棒の回転モーメントを計測する手法が用いられて
いた。
【0004】また、高温の導電性液体に対しては、特開
平2−311766号公報に記載されたような非接触で
電磁力による測定装置と方法が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の流
速測定装置では、液体の流動に伴って生じる浸漬棒の回
転モーメントを計測する手法の場合、浸漬部の平均的な
速度として計測され、局部的な流動速度を精度よく測定
することは不可能であるという問題点があった。また、
非接触で電磁力により測定する手法の場合、被測定範囲
が広く平均的な流れしか測定できないという問題点があ
った。本発明は、このような問題点を解決するためにな
されたものであり、400℃以上の高温で、かつ直流及
び、交流のいかなる外部磁場の存在下においても、任意
の液深において、バルク液体の局部的な流動速度を精度
よく測定可能にする導電性液体の流速測定装置を得るこ
とを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係る流速測
定装置は、移動する高温導電性液体中に保護材で覆われ
て配置され、高温導電性液体中に磁場を発生させる少な
くとも1つの空芯ソレノイド磁石と、高温導電性液体の
空芯ソレノイド磁石による磁場のかかっている領域中に
配置された2つの検出用電極と、空芯ソレノイド磁石に
交流励磁電流を供給する励磁電流供給手段と、検出用電
極間の電圧を検出し、その電圧の励磁磁場と同じ周波数
かつ同相の成分に基づいて、高温導電性液体における励
磁磁場及び検出用電極間隔と直交する方向の流速に対応
した電圧を出力する流速出力手段とを備え、空芯ソレノ
イド磁石の巻線材料として、銀、銅、白金、タンタル、
レニウム、ロジウム、ハフニウム、ニオブ、タングステ
ン、モリブデン又はこれら合金、若しくは炭素繊維を使
用するものである。
【0007】第2の発明に係る流速測定装置の空芯ソレ
ノイド磁石の巻線材料は、耐酸化処理を施したものであ
る。第3の発明に係る流速測定装置の空芯ソレノイド磁
石は、所定の間隔をあけて上下一対に配置し、その空芯
ソレノイド磁石の間に、前記検出用電極を配置したもの
である。
【0008】第4の発明に係る流速測定装置は、検出用
電極及びそのリード線の材料として、銀、銅、白金、タ
ンタル、レニウム、ロジウム、ハフニウム、ニオブ、タ
ングステン、ボロン、ジルコニウム、モリブデン、又は
これらの合金、若しくは、炭素繊維、又は高融点金属を
含有したセラミックスを使用するものである。第5の発
明に係る流速測定装置は、検出用電極が、高温導電性液
体に対して反応溶解するとき、検出用電極の材料を、リ
ード線及び高温導電性液体に対して反応しない金属とし
て、高温導電性液体とリード線とを電気的に接触させる
ものである。
【0009】第6の発明に係る流速測定装置の励磁電流
供給手段は、空芯ソレノイド磁石の温度変化に伴うイン
ピーダンス変化に追従するように、出力電圧を変化させ
て、一定の励磁電流を前記空芯ソレノイド磁石に供給す
るものである。
【0010】第7の発明に係る流速測定装置は、移動す
る高温導電性液体中に、耐火物中に埋め込まれ、又は断
熱性を有する材料によりコーティングされて配置され、
高温導電性液体中に磁場を発生させる少なくとも一対の
永久磁石と、高温導電性液体の永久磁石による磁場のか
かっている領域中に配置され、固体金属又は液体金属か
らなる一対の検出用端子と、永久磁石の温度を検出する
温度検出手段と、検出用端子間の電圧を検出し、温度検
出手段により検出された永久磁石の温度に基づいて検出
用端子間の電圧を補正し、その補正された電圧に基づい
て、高温導電性液体における永久磁石による磁場及び検
出用端子と直交する方向の流速を測定する測定手段とを
備えるものである。第8の発明に係る流速測定装置の温
度測定手段及び検出用端子と測定手段を接続するリード
線は、耐火物中に埋め込まれ、又は断熱性を有する材料
によりコーティングされて、周囲と絶縁状態にされてい
るものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
実施形態1.図1は本発明の一実施形態に係る流速測定
装置のセンサ部の構成を示す構成図、図2は本発明の電
力供給及び測定系の構成を示すブロック図である。図1
において、1はソレノイドコイル、2はリード線、3は
溶融銀、4は溶鋼、5はコイル保護材、6は溶融銀保持
管、7はコイル用ボビン兼センサ支持棒である。図2に
おいて、20は発振器、21は発振器20の信号を増幅
する増幅器、22はセンサ部のソレノイドコイル1に電
流を供給する定電流装置、23は定電流装置22の参照
信号とセンサ部で発生した起電力が入力され、入力され
た起電力のソレノイドコイル1への励磁電流と同相の成
分を検波するロックインアンプ、24はロックインアン
プ23の出力を記録するデータレコーダである。
【0012】この実施形態は、被測定液体として鋼への
実施を行ったものである。ここで、鋼の溶融温度は15
00℃以上の高温であり、かつほとんどの金属と合金を
つくる、すなわち、ほとんどの金属を溶解するため、起
電力の測定用リード線として、固体状態で直接溶融鋼に
長時間接触させて使用できる金属は存在しない。
【0013】そこで、この実施形態では、図1に示すよ
うに、鋼と合金を作らない銀3を介して電気的に起電力
測定部の鋼とタンタル製のリード線2を接続させてい
る。当然のことながら、1500℃付近では、銀は溶融
状態にあるため、溶融銀が漏れ落ちないように図1のよ
うな特別の工夫をしている。
【0014】なお、センサーの浸漬探さが浅くなっても
溶融銀が溢れ出ないためには、図1に示すU字部長さH
に対して、溶融銀の総高さが2H未満とする必要があ
り、すなわち、2H>hA1+hA2で示される範囲にU字
部長さH及びU字部両サイドの溶融銀高さhA1,hA2を
決定するようになっている。また、磁界発生用のソレノ
イドコイル1は、リード線2と同じ材料の0.5mmΦ
のタンタル線を、外径10mmのアルミナ管に70回巻
き、その外周は耐熱性セメントでコーティングしてい
る。
【0015】そして、このようなセンサ部を、1545
℃の溶鋼中に浸漬させ、図2に示すような電力供給及び
測定系の回路により、発振周波数18Hzの交流電流を
定電流装置22からソレノイドコイル1に供給し、起電
力はロックインアンプ23により、供給電流の位相を参
照しながら位相検出した。なお、今回の測定時の交流磁
石の発生磁界強度は、3.5×104 AT/mで、所定
流速を確保した樋による流速の校正試験の結果、図3に
示すように、流速と起電力とは極めて良い直線性が得ら
れた。
【0016】なお、図3中の×印は、2800エルステ
ッドの直流外部磁場の存在下での測定値であり、図3に
見られるように、この実施形態では外部磁場の影響をほ
とんど受けないことが実証されたことになる。また、ソ
レノイドコイルの巻き線材料としては、融点が1500
℃以上で酸化に強い材料として白金もしくは白金−ロジ
ウム合金があり、この実施形態のタンタルの代りにそれ
らの材料を使用するようにしてもよい。また、耐酸化処
理を行うことにより、高融点金属であるモリブデン、ロ
ジウム、ハフニウム、ニオブ、タングステン、さらに
は、炭素繊維等も使用することができる。ただし、リー
ド線材料としては、溶融銀と合金を作らない金属である
タンタルやタングステン等に限定される。
【0017】また、溶鋼と反応しない金属として鉛があ
り、この実施形態で使用した溶鋼への接触電極としての
溶融銀の代りに溶融鉛も使用するようにしてもよい。な
お、この実施形態では、測定に用いた周波数が18Hz
であったが、外部磁場の周波数や、周辺の電気的な環境
に応じて、測定系に外乱を及ぼさないように最適な周波
数を選定すればよい。ただし、使用できるその周波数範
囲は、比較的大きな電流をソレノイドコイルに供給する
必要性と、ロックインアンプの増幅感度等の兼ね合いか
ら、0.1Hzから50KHz程度が限界と考えられ
る。
【0018】実施形態2.この実施形態は、実施形態1
と同様に、被測定液体として鋼への実施を行ったもので
あり、実施形態1では、安定して長時間の測定が可能な
ものの、センサ部の形状が複雑でかつ大型になりやすい
ため、センサ部の形状を簡単にし、比較的短時間の測定
に使用するようにしたものである。
【0019】図4は、本発明の他の実施形態に係る流速
測定装置のセンサ部の構成を示す構成図である。図にお
いて、1はソレノイドコイル、2はリード線、3は溶融
銀、4は溶鋼、5はコイル保護材、6は溶融銀保持管、
7はコイル用ボビン兼センサ支持棒、8は電極、リード
線絶縁管、9は電極である。ここでは、高融点金属を含
有したセラミックスは高温でも導電性があり、溶融金属
に対する耐侵蝕性が大きいため、電極として使用するこ
とができることを利用し、図4に示すようにホウ化ジル
コニウムを起電力測定用の電極9として使用している。
なお、ソレノイドコイル1は、実施形態1と全く同様に
作成し、流動速度に対して、図3に示す結果とほぼ同じ
検出感度を得ている。なお、起電力測定用の電極材料と
しては、ホウ化チタンや金属モリブデンを含有する酸化
ジルコニウムの使用も、ホウ化ジルコニウムの場合と同
様に使用可能であった。
【0020】実施形態3.この実施形態は、被測定液体
として銅合金への実施を行ったものである。ここで、銅
および銅合金は溶融温度が1080℃程度と比較的高い
にも拘わらず、金属タンタルとは合金を作らず、すなわ
ち、タンタルは溶融銅に溶解しない。
【0021】そこで、この実施形態では、起電力の測定
リード線2としてタンタルを使用している。また、交流
磁石としてのソレノイドコイル1の巻線材料としてもタ
ンタル線を用いて、図5に示す浸漬型センサ部を作成し
た。図5において、1はソレノイドコイル、2はリード
線、3は溶融銀、4は溶鋼、5はコイル保護材、6は溶
融銀保持管、7はコイル用ボビン兼センサ支持棒、8は
電極、リード線絶縁管である。
【0022】この実施形態のように、被測定液体が銅合
金の場合、実施形態1、2における溶鋼と異なって、起
電力測定用のタンタル線が直接溶銅と接触できるため、
センサーの構造はさらに簡単にすることができる。
【0023】なお、ソレノイドコイルは、実施形態1、
2まったく同様に作成し、同一の発生磁界強度におい
て、図3に示す結果とほぼ同様な流動速度と発生起電力
の関係を得ている。なお、起電力測定用のリード線は、
タンタルほどの安定性はないが、モリブデン、レニウム
および、タングステンも使用に十分耐え得る結果を得て
いる。
【0024】実施形態4.この実施形態は、被測定液体
としてアルミニウム、亜鉛、錫及びその合金への実施を
行ったものである。ここで、液体状態のアルミニウム
は、低温度のわりには、多くの金属と合金を作るため、
起電力測定用のリード線の選定には苦労するところであ
るが、モリブデン、チタンおよび、タングステンはアル
ミニウムの融点近傍の温度では、比較的溶解度が小さい
ため、実用上問題はない。
【0025】そこで、この実施形態では、リード線とし
てモリブデン線を使って、実施形態3と全く同様なセン
サ部を制作した。ただし、ソレノイドコイルの巻線材料
としては、その使用温度が700℃近傍であるため、一
般的な銅線を用いることも可能であるが、信頼性および
寿命の観点から白金線を使用した。また、溶融亜鉛、錫
およびその合金に対しても同じセンサーの使用が可能で
あった。
【0026】この実施形態においても、実施形態1と同
レベルの磁界発生強度において、図3に示す結果とほぼ
同じ検出感度を得ている。なお、溶融アルミニウムと溶
融鉛はほとんど溶け合わないため、発生起電力の測定端
子として、実施形態1と同様に溶融鉛を介して溶融アル
ミニウムと接触させれば長時間の安定性が確保できる。
【0027】実施形態5.この実施形態は、流速検出分
解能の向上への工夫を行ったものであり、実施形態1に
おいて、実用測定範囲での検出起電力が数マイクロボル
トであるため、より遅い速度を計測する必要性から、さ
らに検出分解能の向上を目的として新たなセンサーを制
作した。
【0028】実施形態1では、図6の(a)に示すよう
に、センサ部の小型化を指向したため、一つのソレノイ
ドコイル1しかセットしなかった。その結果、発生する
磁界の強度が弱く、小さな起電力しか発生しなかった。
この実施形態では、図6の(b)に示すように、ソレノ
イドコイル1を上下2段セットし、そのコイル間は、図
6の(b)に示すように、流体の流れる窓を設置し、そ
の両端に起電力測定用の端子を配置してある。
【0029】そして、実施形態1と同じ電流を各々のコ
イルに与え(電流の合計値は2倍)実施形態1と同じ条
件で校正試験を行ったところ、全ての流速範囲において
1.8倍の起電力が観測された。そして、この手法は実
施形態2、3、4の場合にも適用され得ることは言うま
でもない。
【0030】また、実施形態1、2、3、4、5におい
ては、一方向のみの流速が測定できるように、起電力測
定端子を配置したが、90度ずらせてもう1対の端子を
配置すれば、x,y両方向の流速が同時に計測可能にな
ることは、電磁流速計の原理から明らかである。さら
に、垂直方向の流速を測定する場合は、図7に示すよう
に磁束が水平方向に発生するようにソレノイドコイルを
配置すればよい。図7において、10はセンサ支持棒で
ある。
【0031】実施形態6.図8は、本発明の他の実施形
態に係る流速測定装置の構成を示す構成図である。図に
おいて、30,31は永久磁石、32,33は銀で作成
された端子、34は耐火物、35は溶鋼、36,37は
端子32,33に接続された導線、38,40は熱電
対、39,41は熱電対38,40に接続された導線、
42は計測装置、43は耐火物の保護管である。
【0032】この実施形態は、実施形態1と同様に、被
測定液体として鋼への実施を行ったものであり、実施形
態1と同様に、鋼の溶融温度は1500℃以上の高温で
あり、かつほとんどの金属と合金をつくる、すなわち、
ほとんどの金属を溶解するため、起電力等の測定用導線
として、固体状態で直接溶融鋼に長時間接触させて使用
できる金属は存在しない。
【0033】そこで、この実施形態では、図8に示すよ
うに、耐火物34で覆われたセンサ部を溶鋼35に浸漬
させて、センサ部の中央部分に開けられた穴を通過する
溶鋼の流速を測定するようにしている。そして、センサ
部の中央部分に開けられた穴の周囲には、穴下部の永久
磁石30と穴上部の永久磁石31を磁束方向が矢印Bに
なるようにして耐火物32の内部に設置し、端子に関し
ては永久磁石30,31が作る磁束方向Bと垂直方向に
なるように、穴右の端子32と穴左の端子33を鋼と合
金を作らない銀で作成している。
【0034】また、導線部分である左の端子33からの
導線36、右の端子32からの導線である37は、耐火
物43を保護管として、タンタル製の材料を使用して、
計測装置42に接続させている。
【0035】また、永久磁石は、図9に示すように使用
温度によりその磁力が低下するものであり、その永久磁
石の磁力低下を計測するために、永久磁石の温度を測定
する熱電対を使用し、上部の永久磁石31からはシース
熱電対38、下部の永久磁石30からはシース熱電対4
0を埋め込み、その導線39,41も計測装置42に接
続させている。
【0036】ここで、当然のことながら、端子32,3
3として使用している銀は、計測開始前には固相である
が、溶鋼35に接触すると1500℃程度に加熱されて
溶融状態になる。そのため、溶融銀が溶鋼中に漏れ落ち
ない工夫が必要となる。そこで、ここでは溶融銀の界面
張力と、溶融銀の上部を密閉(密度が溶鋼より重い溶融
銀でも落下しないように気密性を高めて真空になるよう
に)することにより流出を防止するようにしている。
【0037】次に、この実施形態の流速値の測定につい
て説明する。図10はこの実施形態の計測装置の動作を
示すフローチャートである。測定は、1550℃の溶鋼
中にセンサ部を浸漬し、溶鋼の流速測定を行い、計測時
間は時間の経過と共に永久磁石が加熱されるために磁場
の強度が低下を起こして、計測できなくなるため、この
実施形態の測定では最大30秒間の計測時間とした。
【0038】まず、熱電対38,40からの情報により
永久磁石30,31の温度を計測し(S100)、図9
に示す温度と磁束密度の関係から磁場強度を演算する
(S101)。
【0039】そして、S101で演算された磁場強度が
流速測定に十分な磁場強度か否かを判断する(S10
2)。そして、S102で流速測定に十分な磁場強度で
ないと判断されると、アラームなどにより測定不可能で
あることを知らせ、計測を中止し(S103)、S10
2で流速測定に十分な磁場強度であると判断されると、
その磁場強度、端子32,33間の起電力及びあらかじ
め用意されている起電力と流速値の関係を示す起電力デ
ータに基づいて、流速値を演算し(S104)、次の測
定へ移る(S105)。
【0040】このように測定した結果、永久磁石を使用
しているため、流速測定としては磁場強度を大きくと
れ、SN比が大きくなり、かつ永久磁石の温度を計測に
使用しているため、溶鋼中や非定常の温度変動により生
じるノイズを低減することができ、図11に示すよう
に、計測値と検定流速値とは極めて良い直線性が得られ
た。
【0041】なお、導線材料としては、融点が1500
℃以上で酸化に強い材料として白金、又は白金−ロジウ
ム合金等あるが、端子金属として銀を選択した場合に
は、溶融時の銀と合金を作らない金属であるタンタルや
タングステン等を使用することになる。また、溶鋼と反
応しない金属としては、例えば鉛があり、この実施形態
で使用した溶鋼への接触電極としての溶融銀の代りに溶
融鉛を使用するようにしてもよい。
【0042】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、銀、銅、
白金、タンタル、レニウム、ロジウム、ハフニウム、ニ
オブ、タングステン、モリブデン又はこれら合金、若し
くは炭素繊維を使用した空芯ソレノイド磁石により、高
温導電性液体中に磁場を発生させ、流速出力手段によ
り、空芯ソレノイド磁石による磁場のかかっている領域
中に配置された2つの検出用電極間の電圧により、高温
導電性液体における励磁磁場及び検出用電極間隔と直交
する方向の流速に対応した電圧を出力するようにしたの
で、外部磁場の存在下においても、また大きな温度変動
の発生するような環境下においても、外乱の影響がなく
精度よい高温導電性液体の流速の測定ができるという効
果を有する。
【0043】また、一対の永久磁石を、耐火物中に埋め
込む、又は断熱性を有する材料によりコーティングして
配置し、高温導電性液体中に磁場を発生させ、固体金属
又は液体金属からなる一対の検出用端子を、高温導電性
液体の永久磁石による磁場のかかっている領域中に配置
し、温度検出手段により、永久磁石の温度を検出し、測
定手段により、検出用端子間の電圧を検出し、温度検出
手段により検出された永久磁石の温度に基づいて検出用
端子間の電圧を補正し、その補正された電圧に基づい
て、高温導電性液体における永久磁石による磁場及び検
出用端子と直交する方向の流速を測定するようにしたの
で、永久磁石の温度による磁力低下が、補正され、高温
導電性液体の流速を精度よく測定することができるとい
う効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1の流速測定装置のセンサ部の構成を
示す構成図である。
【図2】電力供給及び測定系の構成を示すブロック図で
ある。
【図3】実施形態1の流速に対する起電力の特性図であ
る。
【図4】実施形態2の流速測定装置のセンサ部の構成を
示す構成図である。
【図5】実施形態3,4の流速測定装置のセンサ部の構
成を示す構成図である。
【図6】実施形態5のソレノイドコイルの配置を説明す
るための説明図である。
【図7】垂直方向の流速測定を説明するための説明図で
ある。
【図8】実施形態6の流速測定装置の構成を示す構成図
である。
【図9】永久磁石の磁力低下を説明するための説明図で
ある。
【図10】実施形態6の計測装置の動作を示すフローチ
ャートである。
【図11】実施形態6の検定流速値に対する測定値の特
性図である。
【符号の説明】
1 ソレノイドコイル 2 リード線 3 溶融銀 4 溶鋼 5 コイル保護材 6 溶融銀保持管 7 コイル用ボビン兼センサ支持棒 8 電極、リード線絶縁管 9 電極 10 センサ支持棒 20 発振器 21 増幅器 22 定電流装置 23 ロックインアンプ 24 データレコーダ 30、31 永久磁石 32、33 端子 34 耐火物 35 溶鋼 36、37 導線 38、40 熱電対 39,41 導線 42 計測装置 43 耐火物の保護管

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動する高温導電性液体中に保護材で覆
    われて配置され、前記高温導電性液体中に磁場を発生さ
    せる少なくとも1つの空芯ソレノイド磁石と、 前記高温導電性液体の前記空芯ソレノイド磁石による磁
    場のかかっている領域中に配置された2つの検出用電極
    と、 前記空芯ソレノイド磁石に交流励磁電流を供給する励磁
    電流供給手段と、 前記検出用電極間の電圧を検出し、その電圧の前記励磁
    磁場と同じ周波数かつ同相の成分に基づいて、前記高温
    導電性液体における前記励磁磁場及び前記検出用電極間
    隔と直交する方向の流速に対応した電圧を出力する流速
    出力手段とを備え、 前記空芯ソレノイド磁石の巻線材料として、銀、銅、白
    金、タンタル、レニウム、ロジウム、ハフニウム、ニオ
    ブ、タングステン、モリブデン又はこれら合金、若しく
    は炭素繊維を使用することを特徴とする流速測定装置。
  2. 【請求項2】 前記空芯ソレノイド磁石の巻線材料は、
    耐酸化処理が施されたものであることを特徴とする請求
    項1記載の流速測定装置。
  3. 【請求項3】 前記空芯ソレノイド磁石を、所定の間隔
    をあけて上下一対に配置し、その空芯ソレノイド磁石の
    間に、前記検出用電極を配置することを特徴とする請求
    項1又は2記載の流速測定装置。
  4. 【請求項4】 前記検出用電極及びそのリード線の材料
    として、銀、銅、白金、タンタル、レニウム、ロジウ
    ム、ハフニウム、ニオブ、タングステン、ボロン、ジル
    コニウム、モリブデン、又はこれらの合金、若しくは、
    炭素繊維、又は高融点金属を含有したセラミックスを使
    用することを特徴とする請求項1、2又は3記載の流速
    測定装置。
  5. 【請求項5】 前記検出用電極が、前記高温導電性液体
    に対して反応溶解するとき、前記検出用電極の材料を、
    前記リード線及び前記高温導電性液体に対して反応しな
    い金属として、前記高温導電性液体と前記リード線とを
    電気的に接触させることを特徴とする請求項4記載の流
    速測定装置。
  6. 【請求項6】 前記励磁電流供給手段は、前記空芯ソレ
    ノイド磁石の温度変化に伴うインピーダンス変化に追従
    するように、出力電圧を変化させて、一定の励磁電流を
    前記空芯ソレノイド磁石に供給するものであることを特
    徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の流速測定装
    置。
  7. 【請求項7】 移動する高温導電性液体中に、耐火物中
    に埋め込まれ、又は断熱性を有する材料によりコーティ
    ングされて配置され、前記高温導電性液体中に磁場を発
    生させる少なくとも一対の永久磁石と、 前記高温導電性液体の前記永久磁石による磁場のかかっ
    ている領域中に配置され、固体金属又は液体金属からな
    る一対の検出用端子と、 前記永久磁石の温度を検出する温度検出手段と、 前記検出用端子間の電圧を検出し、前記温度検出手段に
    より検出された前記永久磁石の温度に基づいて前記検出
    用端子間の電圧を補正し、その補正された電圧に基づい
    て、前記高温導電性液体における前記永久磁石による磁
    場及び前記検出用端子と直交する方向の流速を測定する
    測定手段とを備えることを特徴とする流速測定装置。
  8. 【請求項8】 前記温度測定手段及び検出用端子と前記
    測定手段を接続するリード線は、耐火物中に埋め込ま
    れ、又は断熱性を有する材料によりコーティングされ
    て、周囲と絶縁状態にされているものであることを特徴
    とする請求項7記載の流速測定装置。
JP26143795A 1995-10-09 1995-10-09 流速測定装置 Pending JPH09105759A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26143795A JPH09105759A (ja) 1995-10-09 1995-10-09 流速測定装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26143795A JPH09105759A (ja) 1995-10-09 1995-10-09 流速測定装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09105759A true JPH09105759A (ja) 1997-04-22

Family

ID=17361883

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26143795A Pending JPH09105759A (ja) 1995-10-09 1995-10-09 流速測定装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09105759A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100445583B1 (ko) * 2001-08-23 2004-08-25 재단법인 포항산업과학연구원 비접촉식 용융금속의 유속 측정장치 및 그 측정방법
CN105987728A (zh) * 2015-02-17 2016-10-05 艾默生过程控制流量技术有限公司 电磁流量计
CN110988387A (zh) * 2019-12-24 2020-04-10 石家庄铁道大学 一种磁力风速风向传感器

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100445583B1 (ko) * 2001-08-23 2004-08-25 재단법인 포항산업과학연구원 비접촉식 용융금속의 유속 측정장치 및 그 측정방법
CN105987728A (zh) * 2015-02-17 2016-10-05 艾默生过程控制流量技术有限公司 电磁流量计
CN105987728B (zh) * 2015-02-17 2023-06-06 艾默生过程控制流量技术有限公司 电磁流量计
CN110988387A (zh) * 2019-12-24 2020-04-10 石家庄铁道大学 一种磁力风速风向传感器
CN110988387B (zh) * 2019-12-24 2021-09-28 石家庄铁道大学 一种磁力风速风向传感器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6139180A (en) Method and system for testing the accuracy of a thermocouple probe used to measure the temperature of molten steel
US7817010B2 (en) Temperature probe and method of making the same
JP5898595B2 (ja) 腐食電位センサ
TWI223066B (en) Electrochemical sensor
JPH0618473A (ja) 酸素測定プローブ
JPH09105759A (ja) 流速測定装置
JPH07167823A (ja) イオン性溶融物における酸素分圧の電気化学的な測定用の照合電極
JP2000337809A (ja) 差動型渦流距離計
WO2002097378A1 (fr) Procede permettant de mesurer l'epaisseur d'une couche de scorie ou la position du niveau superficiel d'une couche de metal en fusion et dispositif de mesure
WO1996032637A1 (en) Continuous oxygen content monitor
JP3138953B2 (ja) スラグ厚測定装置
UA74799C2 (en) Method and device for detecting and counting foreign particles in molten metal
CN107290591A (zh) 一种立式的液体的电阻率测量装置
JP3553391B2 (ja) コーティング部材の劣化検出方法及び装置
US6946826B2 (en) Apparatus for the detection and measurement of particulates in molten metal
JPH07120339A (ja) ピラニ真空計
JP3766824B2 (ja) 配管内導電性流体の温度計測方法及び装置
KR0163375B1 (ko) 땜납의 웨팅성 측정장치
JPH02298851A (ja) 検出素子端子構造
US20020105342A1 (en) System and method for measuring liquid metal levels or the like
KR101734219B1 (ko) 탕면측정용 저항방식 프로브
JP2011177724A (ja) 渦電流式溶湯金属レベル検知器
JP3788704B2 (ja) パルス式磁束計
JPH109770A (ja) 金属溶融設備における温度変化検知装置
JPH03506076A (ja) 電磁エージングパラメータを有する1個または1個以上の素子のエージングについて加速された決定をおこなうための方法および装置