JPH09105745A - ヘマトクリット値の簡易な測定用具及び測定方法 - Google Patents

ヘマトクリット値の簡易な測定用具及び測定方法

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JPH09105745A
JPH09105745A JP29793595A JP29793595A JPH09105745A JP H09105745 A JPH09105745 A JP H09105745A JP 29793595 A JP29793595 A JP 29793595A JP 29793595 A JP29793595 A JP 29793595A JP H09105745 A JPH09105745 A JP H09105745A
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JP
Japan
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light
measuring
blood
hematocrit value
film
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JP29793595A
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Yoshinori Takahashi
好範 高橋
Yoshihiko Higuchi
善彦 樋口
Takehiro Yamaguchi
武広 山口
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Arkray Inc
Original Assignee
KDK Corp
Kyoto Daiichi Kagaku KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のヘマトクリット測定法は、多くの時間
と手間を要する他、種々の欠点を有している。例えば、
Wintrobe管を用いる方法や毛細管高速遠沈法
は、専用の遠沈管を必要とし、密封されていないと、血
液が飛散したりする。また、遠沈する際には、その遠沈
条件を一定にする必要がある。電気抵抗法は、専用の伝
導度計を必要とするため、高価であり、多くの血液因子
によって測定値に影響を及ぼす。 【解決手段】 少なくとも一部が平面である光透過性フ
ィルム、該光透過性フィルムを覆うように、かつ該光透
過性フィルムとの間に毛細管室を形成するように該光透
過性フィルムに固定され、試料供給口と空気抜き口を有
するカバーからなる測定用具を作製し、試料供給口から
血液を供給し、毛細管室の光学的変化を測定する。これ
によって、血液のヘマトクリット値を迅速かつ簡易に測
定することができた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明に属する技術分野】 本発明は、血液のヘマトク
リット値を測定するための用具及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】 血液のヘマトクリット値とは、赤血球
の全容積が血液(全血)の全容積に占める割合(%)を
いい、臨床的には末梢(静脈)血が用いられている。
【0003】ヘマトクリット値の正常値は、男女間で明
らかに差があり、かつ年齢によっても変化する。後に述
べる毛細管高速遠沈法では、一般的に、男子45%(3
8〜54%)、女子40%(36〜47%)と言われて
いる。ヘマトクリット値の低下は、鉄欠乏による貧血、
水血症などの場合に見られ、上昇は、多血症、赤血球増
加症などの場合に見られる。
【0004】臨床的に用いられるヘマトクリット値測定
方法には、次の方法などがあげられる。 1)Wintrobe管を用いる方法 抗凝固剤を添加した血液約1mlを毛細管ピペットにと
り、その先端をWintrobe管の底まで達せしめ、
徐々に血液を出しながら、管の「0」の目盛まで入れ、
遠心力2264Gで遠沈し、赤血球容積の占める割合を
読む。 2)毛細管高速遠沈法 ヘマトクリット値測定用毛細管の一端を血液の中に入
れ、適当な傾斜を保つと毛細管現象で血液が上がってく
るから、毛細管全長の2/3〜3/4に達するまで採血
する。必要血液量は微量で、わずかに50μlである。
次いで、毛細管に付属しているクリトシールに、血液を
吸引した一端を、ほぼ直角に差し込み封ずる。一端を封
じた毛細管は、ヘマトクリット値測定用遠沈器で、12
000rpm、5分間遠沈した後、計測板を用いて割合
(%)を読む。 3)電気抵抗法 1897年、Stewartは、赤血球が直流に対し完
全な絶縁体であることを発見し、赤血球の伝導度は大体
血清の1/100であると述べた。Rosentha
l、Stewart、Ponderらは、血液の伝導度
が、血球、特に赤血球により著しく影響され、低下を示
すことを見いだした。これらの事実から、一定の血液容
積内における赤血球の電気抵抗値を求め、その血液中の
全赤血球容積を知ることができる。例えば、直読式マイ
クロヘマトクリット法(米国Yellow Sprin
g社製:YSI Model 30)が市販されてい
る。これは、まず、付属のサンプルキュベットに約20
μlの血液を吸引し、器械上部の電極間にはさみ、リー
ドボタンを20〜30秒間押して、指針が安定した後、
その数値を読む。 (臨床検査技術全書3:血液検査、三輪史朗編、医学書
院:1972年)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】 上記の従来技術は、
多くの時間と手間を要する他、種々の欠点を有してい
る。例えば、Wintrobe管を用いる方法や毛細管
高速遠沈法は、専用の遠沈管を必要とし、密封されてい
ないと、血液が飛散したりする。また、遠沈する際に
は、その遠沈条件(例:毛細管高速遠沈法は、1200
0rpmで5分間)を一定にする必要があるという課題
があった。電気抵抗法は、専用の伝導度計を必要とする
ため、高価であり、多くの血液因子(例:血清タンパク
の変動、溶血、貧血、白血病)によって測定値に影響を
及ぼすという課題があった。
【0006】本発明の目的は、上記のような従来技術の
問題点を解決し、迅速かつ簡易に精度良く、血液のヘマ
トクリット値を測定するための用具及び方法を提供する
ことである。
【0007】
【課題を解決するための手段】 本発明は、血液のヘマ
トクリット値を測定するための用具であって、少なくと
も一部が平面である光透過性フィルム、該光透過性フィ
ルムを覆うように、かつ該光透過性フィルムとの間に毛
細管室を形成するように該光透過性フィルムに固定さ
れ、試料供給口と空気抜き口を有するカバー、からなる
ことを特徴とするヘマトクリット値の簡易な測定用具で
ある。
【0008】また、上記の測定用具を用いて、血液中の
ヘマトクリット値を測定するための方法であって、試料
供給口から血液を供給し、毛細管室の光学的変化を測定
することを特徴とするヘマトクリット値の簡易な測定方
法である。
【0009】
【発明の実施の形態】 本発明における光透過性フィル
ムは、種々のものが使用できる。例えば、ポリエチレン
テレフタレートフィルム、ポリスチレンフィルム、セル
ロースアセテートフィルムなどがあげられるが、寸法安
定性、光安定性、熱安定性の面から、ポリエチレンテレ
フタレートフィルムが好適である。
【0010】カバーは、光透過性フィルムに固定されて
試料供給口と空気抜き口を有する。これらは、カバーに
開けられた穴であってもよいが、カバーの一部を切り裂
いて設けた隙間でも、カバーと光透過性フィルムとの間
に設けた隙間でもよい。また、カバーの形状は、光透過
性フィルムに固定されて毛細管室、試料供給口及び空気
抜き口を有するようなものであれば、成形品でも構わな
いし、フィルムの両側にカバーガイドを配置することに
よって毛細管室を形成するようにしても構わない。カバ
ーの材質もまた、種々のものが使用できる。例えば、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリスチレン、セルロース
アセテートなどの他に塩化ビニル、アクリルなどがあげ
られる。
【0011】毛細管室は、血液が毛細管力によって移送
される形状、つまり、微小な隙間を有するものであれば
なんでもよい。毛細管室の隙間高さは、好ましくは5〜
200μm、より好ましくは10〜50μmがよい。さ
らに、毛細管室を形成する光透過性フィルム及びカバー
の全て又は一部に、血液の移送方向に平行な細い溝を配
置して、血液の移送を容易にしてもよいし、界面活性剤
をコーティングすることなどにより親水化処理して、血
液の移送を容易にしても構わない。
【0012】毛細管室の光学的変化を求める方法は、光
透過性フィルム側からの透過率でよい。そのためには、
カバーが光透過性であることが必要である。さらに、毛
細管室の光学的変化を求める方法は、光透過性フィルム
側からの反射率でもよい。そのためには、カバーが光反
射性であることが必要である。この場合、フィルム内に
二酸化チタンを含有した白色フィルムが使用される。
【0013】上記の毛細管室の光学的変化を求める方法
における測定波長は、ヘモグロビンの吸収を少しでも持
つ波長であれば、350〜640nmの範囲で種々選択
できる。
【0014】以下に実施例を示すが、これによって本発
明が限定されるものではない。
【0015】
【実施例】 (作製方法)測定用具を図1(断面図)及び図2(上面
図)に示す。厚さ250μmの透明ポリエチレンテレフ
タレートフィルムを5mm×15mmに裁断し、光透過
性フィルム1とする。また、厚さ250μmの白色ポリ
エチレンテレフタレートフィルムを5mm×15mmに
裁断する。次に、両面に熱可塑性樹脂をコーティングし
た厚さ50μmの透明ポリエチレンテレフタレートフィ
ルムを1mm×15mmに裁断し、カバーガイド6とす
る。これを5mm×15mmに裁断された白色ポリエチ
レンテレフタレートフィルムの両側に熱圧着し、カバー
2とする。最後に、先に述べた5mm×15mmの光透
過性フィルムに、毛細管室を形成するようにカバーを熱
圧着し、測定用具とする。 (測定方法)人から採血した血液からヘマトクリット値
の異なる血液を調製する。これらの血液を試料供給口4
から吸引させ、毛細管室3をほぼ満たしたところで、光
透過性フィルム側から、色差計(日本電色工業製、Σ−
90)を用いて、600nmにおける反射率を測定し
た。測定結果を表1に示す。
【0016】
【表1】
【0017】血液のヘマトクット値に高くなるのにつれ
て、反射率が低くなるのが確認された。
【0018】
【発明の効果】以上、詳述したように、本発明の測定用
具を用いると、血液のヘマトクリット値を迅速かつ簡易
に測定することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明における実施例の測定用具の断面図で
ある。
【図2】 本発明における実施例の測定用具の上面図で
ある。
【符号の説明】
1 光透過性フィルム 2 カバー 3 毛細管室 4 試料供給口 5 空気抜き口 6 カバーガイド

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 血液のヘマトクリット値を測定するため
    の用具であって、少なくとも一部が平面である光透過性
    フィルム、該光透過性フィルムを覆うように、かつ該光
    透過性フィルムとの間に毛細管室を形成するように該光
    透過性フィルムに固定され、試料供給口と空気抜き口を
    有するカバー、からなることを特徴とするヘマトクリッ
    ト値の簡易な測定用具。
  2. 【請求項2】 毛細管室の隙間高さが一定であり、その
    隙間高さが5〜200μmであることを特徴とする請求
    項1に記載の測定用具。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の測定用具を用い
    て、血液中のヘマトクリット値を測定するための方法で
    あって、試料供給口から血液を供給し、毛細管室の光学
    的変化を測定することを特徴とするヘマトクリット値の
    簡易な測定方法。
  4. 【請求項4】 毛細管室の光学的変化を求める方法が、
    光透過性フィルムの少なくとも一部が平面の部分におけ
    る、光透過性フィルム側からの透過率であり、そのため
    カバーが光透過性であることを特徴とする請求項3に記
    載のヘマトクリット値の簡易な測定方法。
  5. 【請求項5】 毛細管室の光学的変化を求める方法が、
    光透過性フィルムの少なくとも一部が平面の部分におけ
    る、光透過性フィルム側からの反射率であり、そのため
    カバーが光反射性であることを特徴とする請求項3に記
    載のヘマトクリット値の簡易な測定方法。
JP29793595A 1995-10-09 1995-10-09 ヘマトクリット値の簡易な測定用具及び測定方法 Pending JPH09105745A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011515681A (ja) * 2008-03-21 2011-05-19 アボット ポイント オブ ケア インコーポレイテッド 赤血球中に含まれるヘモグロビンの固有色素を利用して血液試料のヘマトクリットを測定する方法及び装置
JP4763794B2 (ja) * 2005-10-07 2011-08-31 フライブルク大学 懸濁液における相の体積分率測定装置および手段

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