JPH09105741A - 多孔質材の内部透視装置 - Google Patents

多孔質材の内部透視装置

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JPH09105741A
JPH09105741A JP8017957A JP1795796A JPH09105741A JP H09105741 A JPH09105741 A JP H09105741A JP 8017957 A JP8017957 A JP 8017957A JP 1795796 A JP1795796 A JP 1795796A JP H09105741 A JPH09105741 A JP H09105741A
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wave
concrete structure
spectrum
porous material
reflected
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JP8017957A
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Masayuki Hirose
正行 広瀬
Keishin Yana
継新 梁
Ketsupei Shi
傑平 史
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IMPERIAL CONSULTANT KK
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H & B Syst Kk
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IMPERIAL CONSULTANT KK
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    • G01N29/04Analysing solids
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    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N29/00Investigating or analysing materials by the use of ultrasonic, sonic or infrasonic waves; Visualisation of the interior of objects by transmitting ultrasonic or sonic waves through the object
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    • G01N2291/04Wave modes and trajectories
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンクリート構造物内の鉄、鉄筋、鉄管
等の検出対象物の位置をその深さによらず容易に計測で
き、ひび割れ深さ、空隙深さ、コンクリート厚さ及び異
物位置等を計測でき、しかもこれらの計測精度が高い多
孔質材の内部透視装置を提供する。 【解決手段】 コンクリート構造物1の表面に配置さ
れ、超音波をコンクリート構造物1内に入力する超音波
発振センサ5と、コンクリート構造物1内部にて反射し
た反射波を受信して電気信号に変換する受信センサ6と
を有する。そして、この受信センサが検出した信号に対
してフィルタリングをかけて、発振波の卓越振動数成分
及びコンクリート構造物1の裏面からの反射波のうちの
高次項のスペクトル成分を低減する。そうすると、この
フィルタの出力は発振センサのピークの影響がなく、周
波数特性がフラットな入力波により得られた受信波の周
波数特性と同様になり、また反射波の高次項の影響がな
いスペクトルとなる。このスペクトルを基に、内部の鉄
筋等の位置を透視する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は橋、トンネル、ダ
ム、低高層ビル、基礎、杭及び道路等の土木建築のコン
クリート構造物並び地盤等の多孔質材の内部を超音波に
より透視し、その内部の鉄筋及びひび割れ等の検出対象
物の位置を検出する多孔質材の内部透視装置に関する。
【0002】
【従来の技術及びその問題点】例えば、医療分野におい
ては、超音波診断装置及びCTスキャン等の装置があ
り、航空宇宙分野においては電磁波を使用したレーダが
あり、海洋分野においては超音波を利用した魚群探知機
又は海底地形探査機がある。
【0003】しかし、コンクリート構造物のように内部
に気泡及び砂利等の異物が含まれる多孔質部材は、上述
の他分野において使用されている技術を応用して、その
内部に存在する鉄筋及びひび割れ等の対象物を検出し内
部を透視しようとしても、実質的に困難であった。これ
は、コンクリート構造物においては、種々の反射波が存
在するからである。即ち、これらの技術においては、1
乃至10MHzの超高周波の超音波又は電磁波が使用さ
れており、この超高周波の波はその入力方向にのみ直進
し、拡散しない。これにより、検出対象物で反射した波
を受信することにより、その位置を検出する。即ち、入
力波は直進しなければ、対象物の位置を検出することが
できない。
【0004】しかし、コンクリート構造物の内部におい
ては、気泡及び砂利等が多数分布しており、このため、
入力波は全方位的に拡散してしまう。また、コンクリー
ト自体が入力波のもつピーク振動数で励起され、大きな
振幅を有する多数の振動数領域の直接波が各種の反射波
に重畳されてしまう。
【0005】このため、電磁波を使用して、コンクリー
ト内の鉄筋位置又はそのピッチを計測しようとしても、
コンクリートの表面から浅い位置にある鉄筋は認識でき
るが、深い位置にあるものは検出できない。また、計測
装置が大がかりとなり、処理コストが高くなる。
【0006】一方、超音波を使用して、コンクリート内
のひび割れ深さを計測しようとしても、無筋のコンクリ
ートの場合しかひび割れ深さを検出できず、鉄筋が密に
配置されたようなコンクリート構造物については全く計
測できない。また、コンクリートの厚さは計測できるも
のの、入力する超音波の振動数を順次変化させて計測処
理する必要があるため、高価な機器を使用する必要があ
る。しかも、計測値の解析には振動学的判断が必要であ
り、解析の仕方によっては誤計測になってしまう。な
お、土も多孔質材であるため、このような事情は、土中
の探査においても同様である。
【0007】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、コンクリート構造物内の鉄、鉄筋、鉄管等
の検出対象物の位置をその深さによらず容易に計測で
き、ひび割れ深さ、空隙深さ、コンクリート厚さ及び異
物位置等を計測でき、しかもこれらの計測精度が高い多
孔質材の内部透視装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る多孔質材の
内部透視装置は、多孔質材の表面に配置され超音波を多
孔質材内に入力する超音波発振センサと、多孔質材内部
にて反射した反射波を受信して電気信号に変換する受信
センサと、この受信センサが検出した信号に対し発振波
の卓越振動数を低減すると共に振幅の大きい反射波の高
次項のスペクトル成分を低減するフィルタ手段と、この
フィルタ手段により得られたスペクトルを基に多孔質材
内の検出対象物の位置を演算する演算手段とを有するこ
とを特徴とする。この超音波発振センサの出力周波数は
例えば100乃至200kHzである。
【0009】本発明においては、受信信号に対し、発振
波の卓越振動数成分を低減するフィルタリングをかけ
る。超音波発振センサの出力特性は、必ず、ピーク周波
数を有している。従って、受信波から、発信波の卓越振
動数に相当する周波数成分を削減し又は低減することに
より、あたかも周波数特性がフラットな発振波をコンク
リート構造物等の多孔質材内に入射した場合に得られる
受信波のスペクトルと同様のスペクトルが得られる。ま
た、反射波のうち、1次の基本振動数によるもののみ抽
出し、2次以降の高次項を消去できる。このため、その
フィルタリング後の受信波スペクトルを基に、演算処理
することにより、その反射波から反射対象物の位置を高
精度で検出できる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について添
付の図面を参照して具体的に説明する。先ず、図1に示
すように、鉄筋コンクリート構造物1内には、浅い位置
の鉄筋2と深い位置の鉄筋3が埋設されており、更にひ
び割れ4が存在する。このコンクリート構造物1の表面
に、ひび割れ4を挟んで、超音波発振センサ5と、受信
センサ6を配置し、発振センサ5から超音波をコンクリ
ート構造物1内に入力し、コンクリート構造物1内から
の反射波を受信センサ6により検出する。この受信波
は、入力波により物体が励起されて生じる直接波と、
物体内に存在する各種の境界層(点、線、面)からの
反射波の基本振動数成分及びその高次項成分とが重畳し
た重畳波である。コンクリート構造物の場合に、前記境
界層とは、鉄筋、鉄骨、異物、空隙、ひび割れ、反対側
の面等がある。そして、検出対象としては、鉄筋、鉄
骨、異物又は空隙の位置、ひび割れ形状及び深さ、並び
にコンクリート構造物の厚さがある。
【0011】そして、図2はこの超音波発振センサ5に
よりコンクリート構造物1内に入力された入力波の一例
を示す。図2の上図が時系列波であり、下図がフーリエ
スペクトルである。28kHz付近にフーリエスペクト
ルのピークを有する入力波が時間経過と共にその最大振
幅が減少していく。一方、図3はこの入力波を入力した
ときに得られた受信波の経時変化と、その周波数スペク
トルを示す。この図3に示す受信波は、計測点Aで受信
された重畳波である。
【0012】次に、この受信波から対象物の位置を検出
するコンクリート構造物の内部透視原理について説明す
る。図1に示す計測点Aで超音波発振センサ5と受信セ
ンサ6とをひび割れ4を挟んでコンクリート構造物1の
表面に配置する。ひび割れがない場合は、両センサ5、
6を同一位置に配置する。図4に示すように、この計測
点Aから直下に超音波を発振すると、この入力波はセン
サ5から広がって伝搬する。そして、図5に示すよう
に、鉄筋2、3及びひび割れ4の底で反射して、これら
の反射波が重畳して受信センサ6に検出される。
【0013】この図5に示す反射波の基本振動数は振動
工学上下記数式1にて示す関係を有する。
【0014】
【数1】di=V/2fi 但し、di:計測点Aから境界までの距離 V:コンクリートの音速 fi:反射波の基本振動数 i:認識すべき境界の番号(サフィックス) である。
【0015】一般的なコンクリート構造物における反射
波の基本振動数は下記表1に示すとおりである。
【0016】
【表1】
【0017】そして、受信センサにより検出される反射
波のスペクトルには、基本振動数fの他に、2f,3
f,4f・・・nfなる高次の振動数成分がある。そこ
で、この基本振動数の高次の振動数成分を削除又は低減
し、基本振動数成分のみを抽出すれば、その抽出された
反射波を解析することにより、その反射位置を検出する
ことができる。
【0018】前記表1によれば、コンクリート構造物の
各反射波の基本振動数は、1〜100kHzの範囲にあ
る。従って、このような振動数領域の反射波スペクトル
を得るためには、入力波としては、図6の実線にて示す
ような100kHz以下の周波数領域でほぼ一定のスペ
クトル値を有する超音波発振センサを使用できれば都合
がよい。しかし、超音波発振センサの特性としては、そ
の出力パワーを大きくするためには、図2及び図6の破
線にて示すようにピークを有するスペクトルにならざる
を得ない。
【0019】そこで、本実施例においては、超音波発振
センサの卓越振動数のスペクトル成分を低減するフィル
タを受信波にかけた後、低周波数側のスペクトルのピー
ク位置を示す振動数の整数倍位置で、同様のフィルタを
かける。このようなフィルタをかけることにより、図8
に示すように、検出対象物からの反射波の基本振動数成
分のみを抽出することができる。
【0020】図7(a)はA点における入力波のフーリ
エスペクトルであり、図7(b)は受信波のフーリエス
ペクトルである。この入力波は28.125kHzにピ
ークを有する。このため、受信波も入力波のピークに合
わせてピークが存在し、この受信波スペクトルからはコ
ンクリート構造物1内部から反射してきた反射波の基本
振動数成分は認識できない。
【0021】一方、図8は入力波の卓越振動数である2
8.125kHzにてその振幅を低減するフィルタリン
グをかけたものである。このフィルタ特性は図18に示
すもので、後述する。図8(a)は入力波にこのフィル
タリングをかけた場合、図8(b)は受信波にこのフィ
ルタリングをかけた後、○印ピーク値振動数の整数倍振
動数位置で、同じフィルタリングをかけた場合のスペク
トルである。この図8に示すように、入力波はフラット
な特性を有し、このフラットな振幅を有する入力波を使
用して反射してきた反射波は、約6kHz、8kHz等
にピークを有するフーリエスペクトルのようになる。即
ち、受信波にこのフィルタリングをかけることにより、
あたかも図8(a)に示すフラットな特性(一定のスペ
クトル値)の入力波をコンクリート構造物1内に入力し
た場合の反射波から、その高次項を除いたものと同様の
反射波が図8(b)のように得られる。これがコンクリ
ート構造物1の内部で反射してきた波のスペクトルであ
り、これを数式1に基づいて解析することによりその反
射物体及びその位置を検出できる。
【0022】図8(b)からスペクトルのピーク値を与
える振動数を読みとると、下記表2に示すようになる。
【0023】
【表2】
【0024】この図1に示すモデルは、コンクリート構
造物1の厚さが300mmであり、下部鉄筋の上端位置
が242mm、ひび割れ深さが195mm、上部鉄筋の
上端位置が50mm、下端位置が66mm、上部鉄筋に
おける計測点Aの直下の鉄筋に隣接する鉄筋と計測点A
との距離が最短部で150mm、最長部で166mmで
ある。従って、この表2から明らかなように、得られた
フィルタリング後の反射波は、この図1に示すモデルの
鉄筋及びひび割れを極めて高精度で透視していることに
なる。
【0025】そこで、計測点Aにおいて得られた解析結
果のd値を、図9に示すように、計測点Aを中心とする
円弧により表す。即ち、A点を中心として半径dの円弧
を描く。そうすると、これはこの円弧状のいずれかの位
置からの反射波が計測点Aに到達していることを示す。
【0026】ところで、図10に示すように、入力波を
X、計測物体からの受信波をYであるとする。そうする
と、入力波をX/Xとすると、受信波はY/Xとなる。
このとき、図7(b)に示す受信波Yを入力波Xで除算
した後、○印で示す低周波側スペクトルのピーク位置で
の振動数の整数倍位置で、前述フィルタをかければ図1
1に示すようなY/Xのフーリエスペクトルが得られ
る。この図11に示すスペクトルは、図8の下図に示す
スペクトルとピーク値を与える周波数が殆ど一致してい
る。従って、この図10に示す受信波の入力波に対する
相関演算処理を行った後、反射波の高次項成分を取り除
くフィルタリング処理を行えば、図8(b)に示すフィ
ルタリング処理と同様の結果が得られる。このため、こ
の図10の相関演算処理を併用することができる。
【0027】次に、本実施例のフィルタリングについて
説明する。図18はフラットな周波数特性を有する波に
対し、任意成分の偶数倍スペクトル成分を増幅し、奇数
倍成分スペクトルを削除又は削減した結果のスペクトル
を示す。図中、線分1は1回フィルタリング処理した場
合、線分2は2回フィルタリング処理した場合、線分3
は3回フィルタリング処理した場合のスペクトルであ
る。図18において、上図はフィルタリングの結果、2
回及び3回のフィルタリングで、増幅度が2倍、4倍に
なっている様子を表す。一方、図18の下図はこれらの
各フィルタリングにおける増幅度を1に基準化したもの
である。
【0028】次に、この図18に示すようなフィルタ特
性を得るための方法について説明する。先ず、図19の
上図に示すf(t)の受信波が得られたとする。この受
信波f(t)に対し、Δt=30μsだけ位相をずらし
た信号f(t+Δt)を求める。このΔtは1/2f1
であり、半周期である。なお、図18に示す場合とフィ
ルタ機能が逆転するが、Δt=1/f1として、1周期
ずらせた信号を使用してもよい。そして、両者を加算し
1(t)=f(t)+f(t+Δt)を得ると共に、
減算してF2(t)=f(t)−f(t+Δt)を得る
(図19の下図参照)。
【0029】これらのF1(t)とF2(t)を夫々フー
リエスペクトルに変換すると、夫々図20及び図21の
下図に示すようになる。図20、21において、上図は
受信波f(t)のスペクトルである。また、図20、2
1において、破線は図19の加減算で得られる周波数フ
ィルタの特性を示す。図20はf1=16.6kHzの
奇数倍の振動数スペクトルを増幅し、偶数倍の振動数ス
ペクトルを削除したスペクトルとなっている。また、図
21はf1=16.6kHzの偶数倍の振動数スペクト
ルを増幅し、奇数倍の振動数スペクトルを削除したスペ
クトルとなっている。
【0030】そして、振動数f=xなる成分を取り出す
と、下記数式2、3で表される。
【0031】
【数2】fx(t)=axcosxt+bxsinxt
【0032】
【数3】F1x(t)=fx(t)+fx(t+Δt) この数式2を数式3に代入して整理すると、下記数式4
に示すようになる。
【0033】
【数4】F1x(t)=C1[axcos(xt+xΔt/
2)+bxsin(xt+xΔt/2) C1=2cos(xΔt/2) 同様に、F2x(t)は下記数式5、6により得られる。
【0034】
【数5】F2x(t)=fx(t)−fx(t+Δt)
【0035】
【数6】F2x(t)=C1[axsin(xt+xΔt/
2)+bxcos(xt+xΔt/2) C1=2sin(xΔt/2)
【0036】この数式4のC1が図20では破線のよう
になる。一方、数式6のC1が図18に示すフィルタで
あり、図21では破線にて示すようになる。このように
して、図18に示すフィルタ特性が得られる。
【0037】本実施例においては、先ず、図7(b)に
示す反射波が計測された場合、図18に示すフィルタの
基本振動数fを、図7(a)に示す発振センサの卓越振
動数28.125kHzに合わせて、受信波にフィルタ
をかける(第1次フィルタリング)。そうすると、図7
(a)に示すような入力波の卓越振動数に相当する受信
波のスペクトル成分が削除され、この卓越振動数に隠れ
ていたスペクトルが現れてくる。次いで、この第1次フ
ィルタリングにより得られた受信波スペクトルに対し、
図18に示すフィルタの基本振動数fを多孔質部材(コ
ンクリート構造物1)内の境界からの反射波の内、計測
点から遠い位置からの反射波(図8(b)で○印を付け
たスペクトルがこの反射波の基本振動数成分)の2次、
3次及び4次等の高次項の振動数に合わせて再度フィル
タリングをかける(第2次フィルタリング)。これによ
り、反射波のうち、基本振動数成分ではない高次の振動
数成分が削除される。上記フィルタリングにより、コン
クリート構造物1の内部からの各種反射波の基本振動数
成分のみから成るスペクトルが得られる。
【0038】このようにして、受信波に対して第1次、
第2次のフィルタリングをかけて得られたスペクトルが
図8(b)に示すスペクトルである。
【0039】このように、発振波の卓越振動数成分と反
射波の高次項を削除又は削減するフィルタを使用し、複
数の計測点にてその受信波を解析することにより、コン
クリート構造物1内を透視することができる。図1に示
すコンクリート構造物1において、各計測対象物からの
反射波に前記フィルタリングをかけ、数式1により各計
測点距離を測定したところ、下記表3に示す結果が得ら
れた。計測点Bは計測点Aを右方に45mmずらし、計
測点Cは計測点Aを右方へ100mmずらした位置であ
る。
【0040】
【表3】
【0041】計測点Aの値は図8(b)からの読みとり
値である。計測点Bのフィルタをかけた後の受信波のス
ペクトルは図12、計測点Cのフィルタをかけた後の受
信波のスペクトルを図13に示す。表3における計測点
B及びCの値はこれらの図12、13のスペクトルから
読みとったものである。なお、*印を付したものは、反
射波の高次項がフィルタリング処理で消去しきれず、残
存したものと思われる。
【0042】この表3に示す計測結果と図1に示す他の
計測点の計測結果を併せて、各計測点を中心として、得
られた各距離dを円弧にて表すと、図14乃至17に示
すようになる。
【0043】図14はコンクリート構造物1の表面から
300mmの位置にある境界を示しているので、これは
コンクリート構造物の厚さの透視結果となっている。ま
た、図15はコンクリート構造物1の下部にある下部鉄
筋3の透視結果であり、図16はひび割れ深さ(195
mm)に対応する透視結果であり、図17はコンクリー
ト構造物1の上部にある上部鉄筋2の透視結果である。
【0044】このようにして、コンクリート構造物1内
の鉄筋等の位置を2次元的に透視することができる。し
かし、円弧を球に変えることにより3次元的に多孔質材
内部を透視することもできることは勿論である。
【0045】図22は上述のごとく構成された透視装置
の装置構成を示すブロック図である。制御装置としての
パーソナルコンピュータ10は携帯電源11で駆動さ
れ、更にこの携帯電源11は信号変換器12のパルス発
生回路13を駆動する。このパルス発生回路13によ
り、超音波発振センサ5が駆動されて超音波を発振し、
受信波は受信センサ6により検出されてその電気信号が
アンプ16に入力される。そして、この受信信号はアン
プ16により増幅された後、ローパスフィルタ15によ
り高周波成分が除去された後、A/D変換ボード14を
介して、コンピュータ10に入力される。コンピュータ
10においては、この受信信号に対し、前述のようにし
て、図18に示す特性のフィルタリングが1次、2次の
ごとくかけられ、得られたスペクトル(図8(b)参
照)に基づいて、コンクリート構造物1内の鉄筋又はひ
び割れ等の位置を算出する。
【0046】なお、本実施例は受信波信号に対し、コン
ピュータのプログラム上でフィルタリングをかけ、反射
波の基本振動数成分を抽出しているが、本発明はこれに
限らず、例えば、アナログ信号に対してフィルタを1
次、2次フィルタとして設けてフィルタリングをかけて
もよい。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
受信センサが検出した受信波信号に対し、発振波の卓越
振動数のスペクトル成分を低減するフィルタリングをか
けるので、平坦な周波数特性を有する超音波をコンクリ
ート構造物等の多孔質材内に入力したときに得られる受
信波を容易に得ることができ、即ち、入力波のピークの
影響を有しない受信波を得ることができ、また、計測点
より遠い位置からの反射波の高次項のスペクトル成分を
低減するフィルタリングを続けてかけることで、多孔質
材内部からの反射波の基本振動数成分のみを抽出するこ
とができる。従って、本発明によれば、多孔質材であっ
ても、例えば3〜5%の誤差で高精度で鉄筋及びひび割
れ等を計測することができ、しかも、多孔質材の内部の
深い位置に配置された対象物も検出することができる。
このため、本発明は、従来計測できなかったコンクリー
ト構造物等の分野においても、内部透視装置の実用化が
可能となり、またコンクリート構造物の保全及び耐震診
断等に極めて有益であり、この種の分野の安全に多大の
貢献をなす。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例のコンクリート構造物モデルを示す図
である。
【図2】同じく入力波の一例を示す図である。
【図3】同じく受信波の一例を示す図である。
【図4】入力波の伝搬を示す図である。
【図5】超音波の反射経路を示す図である。
【図6】理想的入力波(実線)と現実的入力波(破線)
を示す図である。
【図7】(a)は入力波のフーリエスペクトル、(b)
は受信波のフーリエスペクトルを示す。
【図8】(a)はフィルタリング後の入力波のフーリエ
スペクトル、(b)はフィルタリング後の受信波のフー
リエスペクトルを示す。
【図9】計測点Aにおける計測解析結果を示す図であ
る。
【図10】相関演算を示すブロック図である。
【図11】受信波Y/Xのフーリエスペクトルを示す図
である。
【図12】計測点Bにおけるフィルタをかけた受信波ス
ペクトルを示す図である。
【図13】計測点Cにおけるフィルタをかけた受信波ス
ペクトルを示す図である。
【図14】コンクリートの厚さの透視結果を示す図であ
る。
【図15】下部鉄筋の透視結果を示す図である。
【図16】ひび割れ深さの透視結果を示す図である。
【図17】上部鉄筋の透視結果を示す図である。
【図18】フィルタの特性を示す図である。
【図19】受信波の加算/減算の処理を説明する図であ
る。
【図20】F2(t)のフーリエスペクトルを示す図で
ある。
【図21】F1(t)のフーリエスペクトルを示す図で
ある。
【図22】本実施例を構成する装置を示す図である。
【符号の説明】
1:コンクリート構造物 2:上部鉄筋 3:下部鉄筋 4:ひび割れ 5:超音波発振センサ 6:受信センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 梁 継新 東京都葛飾区立石六丁目35番11号アオトハ イツ302 株式会社エッチアンドビーシス テム内 (72)発明者 史 傑平 東京都葛飾区立石六丁目35番11号アオトハ イツ302 株式会社エッチアンドビーシス テム内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔質材の表面に配置され超音波を多孔
    質材内に入力する超音波発振センサと、多孔質材内部に
    て反射した反射波を受信して電気信号に変換する受信セ
    ンサと、この受信センサが検出した信号に対し発振波の
    卓越振動数を低減すると共に振幅の大きい反射波の高次
    項のスペクトル成分を低減するフィルタ手段と、このフ
    ィルタ手段により得られたスペクトルを基に多孔質材内
    の検出対象物の位置を演算する演算手段とを有すること
    を特徴とする多孔質材の内部透視装置。
  2. 【請求項2】 前記超音波発振センサによる入力波は1
    00乃至200kHzの周波数を有することを特徴とす
    る請求項1に記載の多孔質材の内部透視装置。
JP8017957A 1995-08-07 1996-02-02 多孔質材の内部透視装置 Pending JPH09105741A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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