JPH09105687A - センサ - Google Patents

センサ

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Publication number
JPH09105687A
JPH09105687A JP26335595A JP26335595A JPH09105687A JP H09105687 A JPH09105687 A JP H09105687A JP 26335595 A JP26335595 A JP 26335595A JP 26335595 A JP26335595 A JP 26335595A JP H09105687 A JPH09105687 A JP H09105687A
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JP
Japan
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drive signal
sensor
signal
detection
setting
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Application number
JP26335595A
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English (en)
Inventor
Eiki Noro
栄樹 野呂
Shinji Hironaka
慎司 広中
Yoshinobu Mukai
良信 向
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 単純な構成で中立点の自動補正ができるとと
もに、被検出体の状態を高感度、高精度に検出すること
ができるセンサを提供する。 【解決手段】 コイルからなるセンサ素子2と、センサ
素子2のコイルを駆動する駆動信号発生手段3と、駆動
信号制御手段5、センサ信号検出手段6を備え検出手段
4とから構成するセンサ1。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、装置に搭載して
中立位置を自動的に設定することができるセンサに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来のセンサ、例えば車両の電動パワー
ステアリング装置に搭載してドライバの操舵トルクを検
出する操舵トルクセンサは、本願出願人が実開昭61−
143039号公報に開示したように、電動パワーステ
アリング装置の入力軸と出力軸がトーションバーにより
連結される連結部の周囲に配置され、ハンドル操作によ
って発生する操舵トルクを入出力軸の相対的な回転角度
差に伴って入出力軸方向に変位するように設けられた筒
状の可動鉄芯(コア)と、ステアリングコラムの内壁に
固着された1次コイルおよび2つの2次コイルからなる
差動変成器とから構成される。
【0003】このように構成された操舵トルクセンサ
は、ハンドルに作用する操舵トルクを可動鉄芯(コア)
の入出力軸方向の変位に変換し、この変位に対応して差
動変成器の2つの2次コイルに差動的に発生する電気的
信号により検出するよう構成されている。
【0004】2つの2次コイルはインダクタンスが等し
くなるようコイル巻数が設定され、ハンドルが中立位置
にある場合には可動鉄芯(コア)の位置も2つの2次コ
イルから等距離になるよう配置され、1次コイルを交流
駆動信号(例えば、正弦波信号)で駆動して2つの2次
コイルに誘起する電気的信号の差動出力が0となるよう
設定される。
【0005】なお、操舵トルクは、それぞれ操舵トルク
の大きさを差動出力の絶対値(信号レベル)、操舵トル
クの方向を差動出力の極性で検出するよう構成されてい
る。
【0006】一方、実開昭61−143039号公報に
開示されているように、製造ばらつきに伴う操舵トルク
センサの中立点(零点)位置のずれ補正は、差動変成器
が固着されたステアリングコラムを軸方向に移動させ、
2つの2次コイルと可動鉄芯(コア)の相対位置を調節
することにより、2つの2次コイルに誘起する電気的信
号の差動出力が0となるように設定される。
【0007】なお、操舵トルクセンサの中立点(零点)
は、レベルシフト回路(例えば、2.5Vを仮想接地点
とした+5V単一電源駆動の差動増幅器)を用いて2.
5Vで検出し、一方、左方向トルクは2.5Vを下回る
値、右トルクは2.5Vを超える値で検出するよう構成
される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】センサ、例えば操舵ト
ルクセンサの中立点(零点)がずれている場合には、ハ
ンドルを操作して左右方向に同じ操舵トルクを加えて
も、電動パワーステアリング装置の補助操舵力は一方が
大きく、他方が小さくなって補助操舵力にアンバランス
が生じて操舵フィーリングの劣化を招く課題がある。
【0009】図15に操舵トルクセンサの操舵トルク−
センサ検出値の特性図を示す。図15において、G1
(実線表示)は中立点が操舵トルクT(=0)に補正さ
れた操舵トルクセンサの特性を示し、G2(破線表示)
は中立点が操舵トルクT(=Ta)にずれた操舵トルク
センサの特性を示す。なお、操舵トルクセンサの中立点
(零点)とは、操舵トルクセンサのセンサ検出値がセン
タ値VCとなる状態を表す。
【0010】G1特性はセンサ検出値がセンタ値VC
なる操舵トルクTは0に設定されているが、G2特性で
はセンサ検出値がセンタ値VCとなる操舵トルクTが右
方向にTaだけずれた状態にある。
【0011】したがって、G1特性を有する操舵トルク
センサを搭載した電動パワーステアリング装置では、左
右同じ大きさの操舵トルクTに対してセンサ検出値のセ
ンタ値VCからの偏差(絶対値)は等しくなり、ステア
リング系に作用する補助操舵力は左右方向共に等しくな
ってバランスされるが、G2特性を有する操舵トルクセ
ンサを搭載した電動パワーステアリング装置では、操舵
トルクセンサの中立点がずれているため、操舵トルクT
が0でセンサ検出値がセンタ値VCを下回るVA値となっ
て左方向の操舵補助力が既に作用した状態にあり、この
状態はセンサ検出値がセンタ値VCになる右方向の操舵
トルクT(=Ta)まで継続する。
【0012】このように、G2特性を有する操舵トルク
センサを搭載した電動パワーステアリング装置は、右方
向のハンドル操作をする場合には操舵トルクTaまでは
手動の操舵力と反対方向の操舵補助力が作用してハンド
ルが重く、左方向のハンドル操作をする場合には最初
(操舵トルクT=0)から手動の操舵力と同じ方向の比
較的大きな操舵補助力が作用してハンドルが軽く、左右
の操舵特性がアンバランスとなって操舵フィーリングが
低下する課題がある。
【0013】一般に、センサの中立点(零点)補正は、
センサ単体で行う方法と、装置にセンサを搭載した状態
で行う方法が想定されるが、以下の課題がある。センサ
単体で行う方法では、装置に搭載する前に個別にセンサ
の中立点(零点)補正を行うため、調整のための測定器
やチェッカ等の準備のための費用が発生し、調整作業に
多くの時間が必要となって製品のコストアップを招く課
題がある。また、中立点(零点)補正を行ったセンサを
装置に搭載する場合に、中立点(零点)がずれる恐れも
ある。
【0014】一方、装置にセンサを搭載した状態で行う
方法は、例えば図15に示す操舵トルクセンサのセンタ
値VCからずれたセンサ検出値VAを装置の制御系でセン
タ値として処理可能なので、操舵トルクTに対応した左
右の操舵特性はバランスして操舵フィーリングの低下を
防止することができるが、左方向の操舵トルクTがTb
を超える(T>Tb)と、センサ検出値が飽和してハン
ドル操作左方向の操舵補助力が一定値に制限されてしま
う課題がある。
【0015】また、装置にセンサを搭載した状態で行う
方法は、本願出願人が特開平2−249762号公報に
開示したようなフェールセーフを目的とした駆動方向判
別回路を備え、操舵トルクセンサのセンサ検出値に基づ
いた電動機の駆動方向信号と、メイン演算ユニットから
の電動機の駆動方向信号との論理積信号で電動機の駆動
/停止を制御する電動式かじ取り装置(電動パワーステ
アリング装置)に中立点(零点)のずれた操舵トルクセ
ンサを搭載することを想定した場合には、メイン演算ユ
ニットは図15に示す操舵トルクセンサの中立点(零
点)のずれ(センサ検出値VA)をセンタ値として補正
し、左右方向の操舵トルクTに対応した駆動方向信号を
出力するが、駆動方向判別回路はセンサ検出値から電動
機の駆動方向信号を決定し、操舵トルクTが右方向Ta
までは左方向の駆動方向信号を発生するため、論理積信
号により電動機が停止制御されて右方向の操舵トルク0
からTaまでは電動機が駆動されず、操舵補助力が発生
しない課題がある。
【0016】なお、操舵トルクセンサに限らず他のセン
サについても、センサの中立点(零点)がずれている場
合、および中立点補正には同様な上記のような課題があ
る。
【0017】この発明はこのような課題を解決するため
なされたもので、その目的は単純な構成で中立点の自動
補正ができるとともに、被検出体の状態を高感度、高精
度に検出することができるセンサを提供することにあ
る。
【0018】また、中立点補正を自動的に行うセンサを
適用した電動パワーステアリング装置の操舵トルクセン
サを提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
この発明に係るセンサの検出手段は、被検出体が中立状
態の時の検出信号に基づいて駆動信号発生手段が発生す
る駆動信号を設定する駆動信号制御手段を備えたことを
特徴とする。
【0020】この発明に係るセンサは、被検出体が中立
状態の時の検出信号に基づいて駆動信号発生手段が発生
する駆動信号を設定する駆動信号制御手段を備えたの
で、駆動信号を調節して検出信号をセンサの中立状態に
自動設定することができる。
【0021】また、この発明に係るセンサの駆動信号制
御手段は、前記被検出体が中立状態にある時の検出信号
の基準値を記憶する基準値記憶手段と、被検出体が中立
状態にある時の検出信号と基準値との偏差に基づいて駆
動信号発生手段に設定信号を供給するとともに、偏差が
0の場合の設定信号を保存する設定手段と、を備えたこ
とを特徴とする。
【0022】この発明に係るセンサは、駆動信号制御手
段にセンサ中立状態の検出信号の基準値を記憶する基準
値記憶手段と、被検出体が中立状態にある時の検出信号
と基準値との偏差に基づいて駆動信号発生手段に設定信
号を供給するとともに、偏差が0の場合の設定信号を保
存する設定手段と、を備えたので、設定信号を常に保持
してセンサの中立点を自動的に補正することができる。
【0023】さらに、この発明に係るセンサは、1次コ
イルと2次コイルとからなる変成器と、1次コイルを正
弦波駆動信号で駆動する正弦波駆動信号発生手段と、2
次コイルに誘起するセンサ信号に基づいて被検出体の状
態を検出して検出信号を出力する検出手段と、からなる
センサにおいて、検出手段は、被検出体が中立状態の時
の検出信号に基づいて正弦波駆動信号発生手段が発生す
る正弦波駆動信号の周波数を設定する駆動信号制御手段
を備えたことを特徴とする。
【0024】この発明に係るセンサの検出手段は、被検
出体が中立状態の時の検出信号に基づいて正弦波駆動信
号発生手段が発生する正弦波駆動信号の周波数を設定す
る駆動信号制御手段を備えたので、正弦波駆動信号の周
波数を自動的に調整し、検出信号を基準値に合せ込ん
で、検出コイル1個のセンサの中立点を補正することが
できる。
【0025】また、この発明に係るセンサの差動変成器
は、2つの2次コイルをそれぞれ異なる巻数で形成する
とともに、検出手段は、被検出体が中立状態の時の検出
信号に基づいて正弦波駆動信号発生手段が発生する正弦
波駆動信号の周波数を設定する駆動信号制御手段を備え
たことを特徴とする。
【0026】この発明に係るセンサは、2つの2次コイ
ルをそれぞれ異なる巻数で形成した差動変成器を備えた
ので、差動出力の検出信号を有限値で検出することがで
きる。また、検出手段に、被検出体が中立状態の時の検
出信号に基づいて正弦波駆動信号発生手段が発生する正
弦波駆動信号の周波数を設定する駆動信号制御手段を備
えたので、正弦波駆動信号の周波数を調節して有限値の
検出信号をセンサ中立点の基準値に一致させることがで
きる。
【0027】さらに、この発明に係るセンサを用いたト
ルクセンサは、入出力軸間を弾性体で連結し、入出力軸
間の相対回転により変位するコアと、1次コイルおよび
2つの2次コイルからなる差動変成器と、1次コイルを
正弦波駆動信号で駆動する正弦波駆動信号発生手段と、
コアの変位に対応し、それぞれ巻数の異なる2つの2次
コイルに誘起するセンサ信号の偏差に基づいてコアの変
位を検出して検出信号を出力するトルク検出手段とから
なり、このトルク検出手段に、コアが中立状態の時の検
出信号に基づいて正弦波駆動信号発生手段が発生する正
弦波駆動信号を設定する駆動信号制御手段を備え、トル
クセンサの中立状態を設定することを特徴とする。
【0028】この発明に係るセンサを用いたトルクセン
サは、トルク検出手段に、コアが中立状態の時の検出信
号に基づいて正弦波駆動信号発生手段が発生する正弦波
駆動信号を設定する駆動信号制御手段を備えたので、正
弦波駆動信号の周波数を調節して検出信号をセンサ中立
点の基準値に一致させることができる。
【0029】また、この発明に係るセンサは、コイルお
よび抵抗器からなる積分要素と、この積分要素をパルス
駆動信号で駆動する矩形波駆動信号発生手段と、積分要
素のステップ応答のセンサ信号に基づいて被検出体の状
態を検出して検出信号を出力する検出手段と、からなる
センサにおいて、検出手段は、被検出体が中立状態の時
の検出信号に基づいて矩形波駆動信号発生手段が発生す
るパルス駆動信号のデューティサイクルまたは周期を設
定する駆動信号制御手段を備えたことを特徴とする。
【0030】この発明に係るセンサの検出手段は、被検
出体が中立状態の時の検出信号に基づいて矩形波駆動信
号発生手段が発生するパルス駆動信号のデューティサイ
クルまたは周期を設定する駆動信号制御手段を備えたの
で、パルス駆動信号のデューティサイクルまたは周期を
自動的に調整し、検出信号を基準値に合せ込んで、積分
要素1個のセンサの中立点を補正することができる。
【0031】さらに、この発明に係るセンサのブリッジ
回路は、2つのコイルをそれぞれ異なる巻数で形成する
とともに、検出手段は、被検出体が中立状態の時の検出
信号に基づいて矩形波駆動信号発生手段が発生するパル
ス駆動信号のデューティサイクルまたは周期を設定する
駆動信号制御手段を備えたことを特徴とする。
【0032】この発明に係るセンサは、2つのコイルを
それぞれ異なる巻数で形成するブリッジ回路を備えたの
で、ブリッジ回路からの差動出力の検出信号を有限値で
検出することができる。また、検出手段に、被検出体が
中立状態の時の検出信号に基づいて矩形波駆動信号発生
手段が発生するパルス駆動信号のデューティサイクルま
たは周期を設定する駆動信号制御手段を備えたので、パ
ルス駆動信号のデューティサイクルまたは周期を調節し
て有限値の検出信号をセンサ中立点の基準値に一致させ
ることができる。
【0033】また、この発明に係るセンサを用いたトル
クセンサは、入出力軸間を弾性体で連結し、入出力軸間
の相対回転により変位するコアと、2組のコイルおよび
抵抗器の積分要素を備えたブリッジ回路と、このブリッ
ジ回路をパルス駆動信号で駆動する矩形波駆動信号発生
手段と、コアの変位に対応し、それぞれの積分要素から
出力されるセンサ信号の偏差に基づいてコアの変位を検
出して検出信号を出力するトルク検出手段とからなり、
トルク検出手段に、コアが中立状態の時の検出信号に基
づいて矩形波駆動信号発生手段が発生するパルス駆動信
号のデューティサイクルまたは周期を設定する駆動信号
制御手段を備え、トルクセンサの中立状態を設定するこ
とを特徴とする。
【0034】この発明に係るセンサを用いたトルクセン
サは、トルク検出手段に、コアが中立状態の時の検出信
号に基づいて矩形波駆動信号発生手段が発生するパルス
駆動信号を設定する駆動信号制御手段を備えたので、パ
ルス駆動信号のデューティサイクルまたは周期を調節し
て検出信号をセンサ中立点の基準値に一致させることが
できる。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を添
付図面に基づいて説明する。なお、本発明は、被検出体
が中立状態にある場合のセンサの中立点補正を、センサ
が検出した検出信号に基づいてセンサを駆動する正弦波
駆動信号の周波数、パルス駆動信号のデューティサイク
ルまたは周期を自動的に調節し、検出信号レベルが予め
設定した基準値と等しくなる場合の設定信号を記憶して
おき、この設定信号に基づいて常にセンサを駆動するこ
とにより、中立点に補正されたセンサで被検出体の任意
の状態を検出するものである。
【0036】図1はこの発明に係るセンサの基本機能ブ
ロック構成図である。図1において、センサ1は、コイ
ルからなるセンサ素子2と、センサ素子2のコイルを駆
動する駆動信号発生手段3と、検出手段4とから構成
し、センサ素子(コイル)2を駆動信号VIで駆動し、
被検出体9の状態に対応したセンサ素子(コイル)2の
インダクタンスの変化をセンサ信号VOで出力し、検出
手段4はこのセンサ信号VOを検出信号VDに変換して出
力する。
【0037】また、センサ1は、装置に搭載された最初
の設定で、被検出体9が中立状態にある場合の検出手段
4の検出信号VDと基準値VKとの偏差(VD−VK)に基
づいて設定信号DSを駆動信号発生手段3に出力し、設
定信号DSに対応した正弦波駆動信号VIの周波数、また
はパルス(矩形波)駆動信号VIのデューティサイクル
または周期を自動的に調節し、検出信号VDが基準値VK
と一致してセンサ1の中立点補正がなされた設定信号D
Sをメモリに記憶しておき、以後この設定信号DSに対応
した駆動信号VIでセンサ素子2を駆動し、被検出体9
の変化に応じた検出信号VDを出力して被検出体9の任
意状態を検出する。
【0038】センサ素子2は、1次コイルと2次コイル
を有する変成器、またはコイル(インダクタンスL)お
よび抵抗器(抵抗値R)からなる1個または2個の積分
要素、および1次コイルと2次コイルの間、または積分
要素のコイル近傍に配置した可動鉄芯(コア)で構成
し、駆動信号発生手段3から供給される駆動信号VI
駆動され、被検出体9の状態に対応した可動鉄芯(コ
ア)の変位に応じたセンサ信号VOを検出手段4に提供
する。
【0039】例えば、正弦波駆動信号VIで変成器の1
次コイルを駆動した場合には、2次コイルに誘起する正
弦波電圧がセンサ信号VOとして出力され、一方パルス
(矩形波)駆動信号VIで積分要素を駆動した場合に
は、積分要素の時定数で決定される過渡応答電圧がセン
サ信号VOとして出力される。
【0040】駆動信号発生手段3は、検出手段4を構成
するマイクロプロセッサの一部で構成し、例えば基準ク
ロックを分周して任意の周波数のクロック信号を発生す
る分周手段、任意の周波数のクロック信号から階段状の
近似正弦波を発生するDAC(D/Aコンバータ)、近
似正弦波の高調波成分を減衰させて所望の歪減衰量の正
弦波信号を発生するLPF(ローパスフィルタ)を備
え、正弦波駆動信号VIを発生する。
【0041】また、駆動信号発生手段3は、例えば基準
クロックを分周して任意の周波数のクロック信号を発生
する分周手段、デューティサイクル変更手段または周期
変更手段を備え、所定のデューティサイクルまたは周期
のパルス駆動信号VIを発生する。
【0042】なお、駆動信号発生手段3は、周波数制御
手段、デューティサイクル制御手段または周期制御手段
を備え、設定手段8から供給される設定信号DSに基づ
いて検出手段4の検出信号VDがセンサ1の中立点とな
るよう、例えば正弦波駆動信号VIの周波数を設定した
り、パルス駆動信号VIのデューティサイクルまたは周
期を設定する。
【0043】設定信号DSが、例えば2進化符号で形成
され、この2進化符号で周波数制御手段、デューティサ
イクル制御手段または周期制御手段を制御し、所望の周
波数、デューティサイクルまたは周期が設定されるよう
構成する。
【0044】検出手段4はマイクロプロセッサを基本に
各種演算機能、処理機能、メモリで構成し、駆動信号制
御手段5、センサ信号検出手段6を備え、センサ信号V
Oを対応する検出信号VDに変換して出力するとともに、
センサ1が装置に搭載されて最初に行うセンサの中立点
設定時に、被検出体9の中立状態に対応した検出信号V
Dと、被検出体9が中立状態でセンサ1の中立点に対応
して予め実験値や設計値で設定した基準値VKとの偏差
電圧ΔV(=VD−VK)を演算し、偏差電圧ΔVに対応
した設定信号DSを駆動信号発生手段3に出力し、駆動
信号発生手段3の周波数、デューティサイクルまたは周
期を変更した駆動信号VIでセンサ素子3が駆動されて
発生する検出信号VDにより偏差電圧ΔV(=VD
K)が0の設定信号DSを電気的に書換え可能なEEP
ROM等のメモリに保存する。
【0045】なお、一旦偏差電圧ΔV(=VD−VK)が
0に設定された以降、EEPROM等のメモリに保存さ
れた偏差電圧ΔV(=VD−VK)が0の設定信号D
Sは、センサ1が搭載された装置の電源がオフ状態でも
保存を継続し、装置の電源がオンする毎に常時、EEP
ROM等のメモリに保存された偏差電圧ΔV(=VD
K)が0の設定信号DSを駆動信号発生手段3に供給す
るよう駆動信号制御手段5が制御される。
【0046】センサ信号検出手段6は、センサ素子2を
変成器で構成し、駆動信号VIが正弦波信号の場合に
は、正弦波のセンサ信号VOをディジタル信号に変換す
るA/D変換器、A/D変換器からの出力を所定時間T
Kで平均値を演算する平均値演算手段およびセンサの中
立点に対応したセンサ信号VOを直流駆動電源(例え
ば、5V)の中点電位(2.5V)で検出する、中点電
位(2.5V)を仮想接地点とした単一電源(例えば、
5V)駆動の差動増幅器で構成し、センサの中立点を
2.5Vの検出信号VDで検出するよう設定する。
【0047】なお、センサ素子2が中立点から一方の変
化を検出した場合には中点電位(2.5V)を超える検
出信号VD(VD>2.5V)で検出し、センサ素子2が
中立点から反対方向の変化を検出した場合には中点電位
(2.5V)を下回る検出信号VD(VD<2.5V)で検
出する。
【0048】また、センサ信号検出手段6は、センサ素
子2を積分要素で構成し、駆動信号VIがパルス(矩形
波)信号の場合には、センサの中立点に対応したパルス
応答の過渡応答電圧波形のセンサ信号VOを直流駆動電
源(例えば、5V)の中点電位(2.5V)で検出す
る、中点電位(2.5V)を仮想接地点とした単一電源
(例えば、5V)駆動の差動増幅器で構成し、センサの
中立点を2.5Vの検出信号VDで検出するよう設定す
る。この場合、駆動信号VIのパルス信号の波高値を直
流駆動電源(例えば、5V)に一致させてもよい。
【0049】基準値記憶手段7はROM等のメモリで構
成し、予め実験値または設計値から求めたセンサ素子2
の中立点に対応した検出信号VD(例えば、センサ信号
検出手段6の直流駆動電源5Vの中点電位2.5V)を
基準値VKとして記憶し、この基準値VKを設定手段8に
供給する。
【0050】設定手段8は、偏差演算手段または比較手
段、設定値記憶手段等を備え、センサ信号検出手段6か
ら供給される検出信号VDと、基準値記憶手段7から供
給される基準値VKとを比較して偏差電圧ΔV(=VD
K)を演算し、偏差電圧ΔVに対応した設定信号DS
駆動信号発生手段3に供給する。
【0051】また、設定手段8は、偏差電圧ΔV(=V
D−VK)が0(ΔV=0)の場合に対応した設定信号D
Sを電気的に書換え可能な、例えばEEPROMで構成
した設定値記憶手段に記憶して保存し、これ以降の検出
信号VDおよび基準値VKの入力を禁止してセンサ1に電
源が投入された場合には常に、設定値記憶手段から偏差
電圧ΔV(=VD−VK)が0に対応した設定信号DS
駆動信号発生手段3に供給する。
【0052】図2にこの発明に係る設定手段の実施の形
態要部ブロック構成図を示す。図2において、設定手段
8は、ソフト制御の偏差演算機能8A、アクセス手段8
B、設定値記憶手段8Cを備える。
【0053】偏差演算機能8Aは、センサ信号検出手段
6から供給される検出信号VDと、基準値記憶手段7か
ら供給される基準値VKとの偏差ΔV(=VD−VK)を
演算し、偏差電圧ΔV(=VD−VK)をアクセス手段8
Bに供給する。
【0054】アクセス手段8BはROM等のメモリおよ
びデータの書込み/読出し可能な駆動手段を備え、偏差
演算機能8Aから供給される偏差電圧ΔV(=VD
K)に対応した設定信号DSのデータテーブルを予めR
OM等のメモリに設定しておき、偏差電圧ΔVに対応し
た設定信号DSを読み出して駆動信号発生手段3に提供
する。
【0055】また、アクセス手段8Bは偏差電圧ΔVが
0に対応した設定信号DSを読み出した場合には、設定
信号DSを読み出して駆動信号発生手段3に提供すると
ともに、この設定信号DSを設定値記憶手段8Cに書き
込むよう電気的に制御する。さらに、アクセス手段8B
は偏差電圧ΔVが0に対応した設定信号DSを設定値記
憶手段8Cに書込み制御した以降は、検出手段4に駆動
電源が投入された場合には常に、偏差電圧ΔV(=VD
−VK)の取込みを禁止し、設定値記憶手段8Cに記憶
されている偏差電圧ΔV(=VD−VK)が0に対応した
設定信号DSを読み出して駆動信号発生手段3に提供す
る。
【0056】設定値記憶手段8Cは、電気的に書換え可
能なEEPROM等のメモリで構成し、アクセス手段8
Bの書込み制御によって偏差電圧ΔV(=VD−VK)が
0に対応した設定信号DSを記憶するとともに、記憶し
た設定信号DSを駆動電源がオフ状態でも保存し、駆動
電源がオン状態には常にアクセス手段8Bの読み出し制
御によって記憶した設定信号DSを出力する。
【0057】このように、この発明に係るセンサは、被
検出体が中立状態の時の検出信号に基づいて駆動信号発
生手段が発生する駆動信号を設定する駆動信号制御手段
を備えたので、駆動信号を調節して検出信号をセンサの
中立状態に自動設定することができる。
【0058】また、この発明に係るセンサは、駆動信号
制御手段にセンサ中立状態の時の検出信号の基準値を記
憶する基準値記憶手段と、被検出体が中立状態にある時
の検出信号と基準値との偏差に基づいて駆動信号発生手
段に設定信号を供給するとともに、偏差が0の場合の設
定信号を保存する設定手段と、を備えたので、設定信号
を常に保持してセンサの中立点を自動的に補正すること
ができる。
【0059】なお、本願の実施の形態では、駆動信号発
生手段3や検出手段4をマイクロプロセッサの一部で構
成したが、マイクロプロセッサと独立したゲート回路や
アナログ回路で構成してもよい。
【0060】また、駆動信号発生手段3および検出手段
4をセンサ1に含めた構成にしたが、駆動信号発生手段
3、または検出手段4の一部または全てをセンサ1が搭
載される装置の制御手段に構成することもできる。
【0061】次に、図1のセンサ1の具体的な実施の形
態について説明する。図3はセンサ素子を1次コイルと
1個の2次コイルを有する変成器で構成したセンサの要
部ブロック構成図である。なお、本実施の形態は、図1
の駆動信号発生手段3に正弦波駆動信号発生手段13を
用い、正弦波駆動信号VIで変成器12の1次コイルを
駆動するものである。
【0062】図3において、センサ11は、変成器1
2、正弦波駆動信号発生手段13、検出手段14を備え
る。変成器12は、1次コイル12A、2次コイル12
B、および1次コイル12Aと2次コイル12Bの間に
配置され、被検出体9(図1に図示)の状態に対応して
変位(変位量X)する可動鉄芯(コア)18から構成
し、正弦波駆動信号発生手段13から供給される正弦波
駆動信号VIで1次コイル12Aを駆動し、2次コイル
に誘起するセンサ信号VOを検出手段14に供給する。
【0063】被検出体9の状態は、対応して変位する可
動鉄芯(コア)18によって2次コイル12Bのインダ
クタンス変化に伴うセンサ信号VOで検出することがで
きる。
【0064】正弦波駆動信号発生手段13は、例えば図
1で説明したような基準クロックを分周して任意の周波
数のクロック信号を発生する分周手段、任意の周波数の
クロック信号から階段状の近似正弦波を発生するDAC
(D/Aコンバータ)、近似正弦波の高調波成分を減衰
させて所望の歪減衰量の正弦波信号を発生するLPF
(ローパスフィルタ)を備えたディジタル処理の正弦波
発生器、またはアナログ回路で構成した正弦波発振器で
構成し、ディジタル処理の正弦波発生器の場合には周波
数を決定するクロック信号の分周手段、アナログ回路の
正弦波発振器の場合には周波数切替手段を備え、検出手
段14から供給される設定信号DSの制御により、分周
数を設定したり周波数切替手段を切り替えて設定信号D
Sに対応した周波数の正弦波駆動信号VIを変成器12に
供給する。
【0065】検出手段14は、A/D変換器15、検出
信号設定手段16、駆動信号制御手段17を備える。A
/D変換器15は2次コイルに誘起した正弦波のセンサ
信号VOを図示しない所定の時間毎にディジタル値に変
換し、センサ信号VOの周波数に比例した数のディジタ
ル値を発生させ、ディジタル信号VADを検出信号設定手
段16に提供する。
【0066】検出信号設定手段16は、平均値演算手
段、単一電源(例えば、5V)駆動の差動増幅器等を備
え、A/D変換器15から供給されるディジタル信号V
ADを所定時間TK毎に加算処理し、加算処理した値を所
定時間TKで平均値を演算した後、この平均値信号を単
一電源(例えば、5V)駆動の差動増幅器に供給し、中
点電位(2.5V)をセンサ11の中立点とし、可動鉄
芯(コア)16が中立点から一方へ変化した場合には中
点電位(2.5V)を超える検出信号VD(VD>2.5
V)で検出し、可動鉄芯(コア)18が中立点から反対
方向の変化を検出した場合には中点電位(2.5V)を
下回る検出信号VD(VD<2.5V)で検出するよう構
成する。
【0067】このように、A/D変換器15でセンサ信
号VOを正弦波の周波数に比例した数のディジタル値の
ディジタル信号VADに変換し、このディジタル信号VAD
を検出信号設定手段16で所定時間TKの平均値で検出
するので、平均値は周波数が低ければ小さい値となり、
周波数が高ければ大きな値となってセンサ信号VOの周
波数に比例した平均値を検出することができる。
【0068】また、検出信号設定手段16は、中点電位
(2.5V)をセンサ11の中立点とした単一電源(例
えば、5V)駆動の差動増幅器を備えたので、中点電位
(2.5V)を基準としてセンサ11で検出したセンサ
信号VOから方向と大きさを有する検出信号VDを得るこ
とができる。
【0069】駆動信号制御手段17は図1と同様な基準
値記憶手段と設定手段を備え、被検出体9が中立状態の
時の検出信号VDと、センサ11の中立点に対応した基
準値VKとの偏差電圧ΔVを演算し、この偏差電圧ΔV
に対応した設定信号DSを設定手段から正弦波駆動信号
発生手段13に供給し、検出信号VDを基準値VKに合せ
込んで偏差電圧ΔVが0となるような周波数の正弦波駆
動信号VIを発生するよう制御する。
【0070】図4にこの発明に係る偏差電圧ΔVと駆動
信号VIの周波数の特性図を示す。例えば、被検出体が
中立状態の場合に、駆動信号制御手段17の偏差電圧Δ
VがΔV+(対応する正弦波駆動信号VIの周波数はfO
+Δf)とすると、駆動信号制御手段17から出力され
る設定信号DSは正弦波駆動信号発生手段13から発生
する正弦波駆動信号VIの周波数(fO+Δf)を減少さ
せ、偏差電圧ΔVを次第に減少させ、最終的に周波数f
Oで偏差電圧ΔVが0となるよう設定する。
【0071】一方、被検出体が中立状態の場合に、駆動
信号制御手段17の偏差電圧ΔVがΔV-(対応する正
弦波駆動信号VIの周波数はfO−Δf)とすると、設定
信号DSは正弦波駆動信号発生手段13から発生する正
弦波駆動信号VIの周波数(fO−Δf)を増加させ、偏
差電圧ΔVを次第に増加させ、最終的に周波数fOで偏
差電圧ΔVが0となるよう設定する。
【0072】偏差電圧ΔVが0になると、正弦波駆動信
号発生手段13はこの状態の設定信号DSを電気的に書
換え可能なEEPROM等のメモリに記憶させ、以降は
この設定信号DSのみを常時出力し、正弦波駆動信号発
生手段13から被検出体が中立状態の場合にセンサ11
の中点補正がされた周波数fOの正弦波駆動信号VIを変
成器12に供給するよう構成する。
【0073】図5は中点補正の過程を示す正弦波駆動信
号(VI)と検出信号(VD)の説明図である。(a)図
に正弦波駆動信号(VI)波形図、(b)図に検出信号
(VD)波形図を示す。最初、被検出体が中立状態にあ
り、正弦波駆動信号VIが比較的低い周波数(図4のfO
−Δfに対応)の正弦波駆動信号VI1が出力され、この
正弦波駆動信号VI1に対応して検出されるセンサ11の
中立点の検出信号VDがVD1とすると、駆動信号制御手
段13は検出信号VD1と基準値VKの偏差ΔV(=VD1
−VK)を演算し、偏差電圧ΔV(=VD1−VK)に基づ
いて設定信号DSを出力し、正弦波駆動信号VIの周波数
を増加する。
【0074】正弦波駆動信号VIの周波数が増加するに
つれて、検出信号VDも次第に増加し、駆動新制御手段
13は正弦波駆動信号VIの周波数がさらに増加するよ
うな設定信号DSを出力し、周波数fOの正弦波駆動信号
IKで検出信号VDK(=基準値VK)となり、センサ1
1の中立点を自動的に設定することができる。
【0075】なお、センサ11の中立点設定は、センサ
11を装置に搭載して行う初めての検査、例えば製品検
査時または製品の出荷検査時に行い、以降はセンサ11
を保守する場合を除いて行わない。
【0076】しかし、被検出体が中立状態にある時を検
出してその度毎にセンサの中立点設定を行うようにして
もよい。この場合には、経年変化に伴うセンサの中立点
のずれを自動的に補正することができる。
【0077】また、A/D変換器15に代えてセンサ信
号VOを直流に変換する整流回路を採用するとともに、
検出信号設定手段16に中点電位(2.5V)をセンサ
11の中立点とした単一電源(例えば、5V)駆動の差
動増幅器を採用したアナログ回路のみで構成してもよ
い。
【0078】このように、この発明に係るセンサの検出
手段は、被検出体が中立状態の検出信号に基づいて正弦
波駆動信号発生手段が発生する正弦波駆動信号の周波数
を設定する駆動信号制御手段を備えたので、正弦波駆動
信号の周波数を自動的に調整し、検出信号を基準値に合
せ込んで、検出コイル1個のセンサの中立点を補正する
ことができる。
【0079】図6はセンサ素子を1次コイルと2個の2
次コイルを有する変成器で構成したセンサの要部ブロッ
ク構成図である。なお、本実施の形態は、図1の駆動信
号発生手段3に正弦波駆動信号発生手段13を用い、正
弦波駆動信号VIで変成器22の1次コイルを駆動し、
巻数の異なる2個の2次コイルにそれぞれ誘起する電圧
の偏差のセンサ信号に基づいて被検出体の状態を検出す
るものである。
【0080】図6において、センサ21は、変成器(差
動変成器)22、正弦波駆動信号発生手段13、検出手
段14を備える。なお、正弦波駆動信号発生手段13お
よび検出手段14は、図3に示すものと同一構成、同一
作用を有するので説明を省略する。
【0081】差動変成器を構成する変成器22は、1次
コイル22A、2次コイル22B、2次コイル22C、
および1次コイル22Aと2次コイル22B、22Cの
間に配置され、被検出体9(図1に図示)の状態に対応
して変位(変位量X)する可動鉄芯(コア)28から構
成し、正弦波駆動信号発生手段13から供給される正弦
波駆動信号VIで1次コイル22Aを駆動する。
【0082】2次コイル22Bと2次コイル22Cは、
それぞれ異なる巻数で形成し、正弦波駆動信号VIで駆
動される1次コイル22Aから誘起される誘起電圧
S1、VS 2が異なる値で出力されるよう構成する。
【0083】また、2次コイル22Bの誘起電圧VS1
2次コイル22Cの誘起電圧VS2は互いに逆極性となる
ようコイルの巻方向を設定して差動変成器を形成し、変
成器22のセンサ信号VOは誘起電圧VS1と誘起電圧−
S2の偏差(VS1+VS2)の有限値で検出するよう構成
する。
【0084】被検出体が中立状態の時のセンサ21の中
立点設定は、変成器22の正弦波のセンサ信号VOをA
/D変換器15でセンサ信号VOの周波数に比例した数
のディジタル値VADに変換し、検出信号設定手段16で
複数のディジタル値VADの所定時間TKでの平均値を演
算した後、この平均値信号を単一電源(例えば、5V)
駆動の差動増幅器に供給し、中点電位(2.5V)をセ
ンサ21の中立点とした有限値の検出信号VDを出力
し、駆動信号制御手段17で検出信号VDと、検出信号
Dが中点電位(2.5V)に等しくなる基準値VKとの
偏差電圧ΔVに基づいて設定信号DSを出力し、正弦波
駆動信号発生手段13の正弦波駆動信号VIの周波数を
調節して有限値の検出信号VDが基準値VKとなる(偏差
電圧ΔV=0)よう制御する。
【0085】このように、この発明に係るセンサは、2
つの2次コイルをそれぞれ異なる巻数で形成した差動変
成器を備えたので、差動出力の検出信号を有限値で検出
することができる。また、検出手段に、被検出体が中立
状態の時の検出信号に基づいて正弦波駆動信号発生手段
が発生する正弦波駆動信号の周波数を設定する駆動信号
制御手段を備えたので、正弦波駆動信号の周波数を調節
して有限値の検出信号をセンサ中立点の基準値に一致さ
せることができる。
【0086】図7はセンサ素子をコイルと抵抗器からな
る積分要素で構成したセンサの要部ブロック構成図であ
る。なお、本実施の形態は、図1の駆動信号発生手段3
に矩形波駆動信号発生手段33を用い、矩形波(パル
ス)駆動信号VIで積分要素32を駆動するものであ
る。
【0087】図7において、積分要素32は、検出コイ
ル32Aと抵抗器32Bの直列回路、および検出コイル
32Aの近傍に配置され、被検出体9(図1に図示)の
状態に対応して変位(変位量X)する可動鉄芯(コア)
38から構成し、矩形波駆動信号発生手段33から供給
される矩形波(パルス)駆動信号VIで検出コイル32
Aと抵抗器32Bの直列回路を駆動し、抵抗器32Bの
両端から出力される過渡応答電圧(例えば、矩形波の立
下り電圧のステップ応答)を検出してセンサ信号VO
検出手段34に供給する。
【0088】図8に矩形波駆動信号(VI)と積分要素
の過渡応答電圧の関係図を示す。図8において、矩形波
駆動信号VIはLレベル(0V)の時間がTD、Hレベル
(VI=5V)の時間が(T−TD)の周期Tの矩形波
(パルス)信号であり、被検出体が中立状態にある場合
に、矩形波駆動信号VIのLレベル(矩形波の立下りパ
ルス)に駆動された積分要素32のセンサ信号(過渡応
答電圧)VOは、時間TDで基準値VK(=2.5V)より
も小さな値VO1にある状態を示す。
【0089】この状態で、積分要素32は検出コイル3
2AのインダクタンスをL、抵抗器32Bの抵抗値をR
とすると、時間TDにおけるセンサ信号VIの過渡応答電
圧VO1は数1で表される。
【0090】
【数1】VO1=VI*e-(R/L)TD
【0091】数1で表される過渡応答電圧VO1をセンサ
31の中立点に相当する基準値VKに設定するには、矩
形波駆動信号VIの周期Tを変えずにデューティサイク
ルを変化させてLレベル(0V)の時間TDをΔTだけ
短くしてTA(=TD−ΔT)とし、時間TAにおける過
渡応答電圧VO2が基準値VKと等しく(VO2=VK)なる
よう矩形波駆動信号VIのデューティサイクルを設定す
る。なお、時間TAは数2から算出する。
【0092】
【数2】VO2=VK=VI*e-(R/L)TA
【0093】同様にして、被検出体が中立状態にあり、
矩形波駆動信号VIに駆動された積分要素32のセンサ
信号(過渡応答電圧)VOが、時間TDで基準値VK(=
2.5V)よりも大きな値VO1の場合には、矩形波駆動
信号VIの周期Tを変えずにデューティサイクルを変化
させてLレベル(0V)の時間TDを長く設定すること
により、センサ31の中立点を基準値VKに設定するこ
とができる。
【0094】被検出体が中立状態から変化すると、被検
出体の変化量および変化の方向に対応して可動鉄芯36
がX方向に変位するので、検出コイル32Aのインダク
タンスLが変化して過渡応答特性も変化し、センサ信号
Oがセンサ中立点(VOが2.5V)を中心にして増減
するため、センサ信号VOの増加方向および減少方向で
被検出体の中立状態からの変化方向を検出し、センサ信
号VOの増加量および減少量で被検出体の中立状態から
の変化量を検出する。
【0095】また、センサ31の中立点を設定する別の
方法としては、デューティサイクルを変更せず、矩形波
駆動信号VIの周期を変更することもできる。例えば、
図8において、過渡応答電圧VO1を基準値VKに設定す
る場合には、矩形波駆動信号VIの周期Tを短く設定
し、Lレベル(0V)の短くなった時間TDで過渡応答
電圧VO2を基準値VKに一致させるよう構成する。
【0096】なお、矩形波駆動信号VIのデューティサ
イクルまたは周期の設定は、図7に示す検出手段34か
ら供給される設定信号DSに基づいて矩形波駆動信号発
生手段33により行われる。
【0097】図7において、検出手段34は過渡電圧検
出手段35、検出信号設定手段36、駆動信号制御手段
37を備える。なお、過渡電圧検出手段35および検出
信号設定手段36は、図1に示すセンサ信号検出手段6
を構成する。過渡電圧検出手段35は、例えばボトムホ
ールド回路で構成し、積分要素32から出力されるセン
サ信号VOの最小値(ボトム値)である過渡応答電圧V
O1を保持し、ボトム信号VO1を検出信号設定手段36に
供給する。
【0098】検出信号設定手段36は中点電位(2.5
V)を仮想接地点とした単一電源(例えば、5V)駆動
の差動増幅器等を備え、過渡電圧検出手段35から供給
されるボトム信号VO1を、中点電位(2.5V)をセン
サ31の中立点とし、可動鉄芯(コア)38が中立点か
ら一方へ変化した場合には中点電位(2.5V)を超え
る検出信号VD(VD>2.5V)で検出し、可動鉄芯
(コア)38が中立点から反対方向の変化を検出した場
合には中点電位(2.5V)を下回る検出信号VD(VD
<2.5V)で検出する。
【0099】駆動信号制御手段37は、図1に示す基準
値記憶手段7と設定手段8を備えた駆動信号制御手段5
と同様に構成し、被検出体が中立状態にある場合の検出
信号設定手段36から供給される検出信号VDと基準値
Kの偏差ΔVを演算し、偏差電圧ΔV(=VD−VK
に対応し、矩形波駆動信号VIのデューティサイクルま
たは周期を設定する設定信号DS(例えば、2進化符
号)を矩形波駆動信号発生手段33に提供する。
【0100】矩形波駆動信号発生手段33は、基準クロ
ックを分周して所定周波数のパルス信号(矩形波信号)
を発生する矩形波発生手段、パルス波形のデューティサ
イクルを選択するデューティサイクル選択手段を備え、
駆動信号制御手段37から供給される設定信号DSに基
づいてデューティサイクル選択手段がデューティサイク
ルを設定し、矩形波発生手段から設定したデューティサ
イクルの矩形波駆動信号VIを積分要素32に供給す
る。
【0101】または、デューティサイクル選択手段に代
えてパルス波形の周期を選択する周期選択手段を備え、
駆動信号制御手段37から供給される設定信号DSに基
づいて周期選択手段が周期を設定し、矩形波発生手段か
ら設定した周期の矩形波駆動信号VIを積分要素32に
供給する。
【0102】矩形波駆動信号発生手段33から偏差電圧
ΔV(=VD−VK)に対応して設定されたデューティサ
イクルまたは周期の矩形波駆動信号VIで積分要素32
を駆動する過程を繰返し、偏差電圧ΔVが0(VD
K)となると、偏差電圧ΔVが0に対応した設定信号
Sが書換え可能なEEPROM等のメモリに保持さ
れ、矩形波駆動信号発生手段33は常に偏差電圧ΔVが
0に対応した設定信号DSにより設定された固定値のデ
ューティサイクルまたは周期の矩形波駆動信号VIで積
分要素32を駆動する。
【0103】なお、偏差電圧ΔVが0になると、駆動信
号制御手段37は検出信号VDの取込みを禁止し、検出
信号VDと基準値VKの偏差ΔVの演算も停止してEEP
ROM等のメモリに保持された偏差電圧ΔVが0に対応
した設定信号DSを矩形波駆動信号発生手段33に供給
し続ける。
【0104】このように、この発明に係るセンサの検出
手段は、被検出体が中立状態の時の検出信号に基づいて
矩形波駆動信号発生手段が発生するパルス駆動信号のデ
ューティサイクルまたは周期を設定する駆動信号制御手
段を備えたので、パルス(矩形波)駆動信号のデューテ
ィサイクルまたは周期を自動的に調整し、検出信号を基
準値に合せ込んで、積分要素1個のセンサの中立点を補
正することができる。
【0105】図9はセンサ素子をコイルと抵抗器で形成
した2組の積分要素からなるブリッジ回路構成したセン
サの要部ブロック構成図である。なお、本実施の形態
は、図1の駆動信号発生手段3に矩形波駆動信号発生手
段33を用い、矩形波(パルス)駆動信号VIで2個の
積分要素で構成されたブリッジ回路42を駆動するもの
である。
【0106】図9において、図1に示すセンサ素子を構
成するブリッジ回路42は、検出コイル42Aと抵抗器
42Cが直列接続された積分要素と、検出コイル42B
と抵抗器42Dが直列接続された積分要素とを並列接続
したブリッジ回路、および検出コイル42Aおよび検出
コイル42Bの近傍に配置され、被検出体9(図1に図
示)の状態に対応して変位(変位量X)する可動鉄芯
(コア)46から構成し、矩形波駆動信号発生手段33
から供給される矩形波(パルス)駆動信号VIでブリッ
ジ回路42を駆動し、それぞれ抵抗器42Dおよび抵抗
器42Cの両端から出力される過渡応答電圧VX、V
Y(例えば、矩形波の立下り電圧のステップ応答)の偏
差(VX−VY)検出してセンサ信号VO(=VX−VY
を検出手段44に供給する。
【0107】また、検出コイル42Aと検出コイル42
Bの巻線数を異なるように形成し、被検出体が中立状態
にある場合のブリッジ回路42で検出する過渡応答電圧
X、VYを異なる値となるよう設定し、センサ信号VO
(=VX−VY)を0ではない有限値となるようにする。
【0108】本実施の形態では、検出コイル42Aより
も検出コイル42Bの巻線数を大きく形成した例を示
し、検出コイル42AのインダクタンスL1より検出コ
イル42BのインダクタンスL2が大きい(L2>L
1)ため、矩形波駆動信号VIの立下り電圧に対するス
テップ応答は、時定数(τX=L2/R)の長い過渡応
答電圧VXが時定数(τY=L1/R)の短い過渡応答電
圧VYよりも大きな値(VX>VY)で検出できる。ま
た、被検出体が最大の変化をしても、常にセンサ信号V
O(=VX−VY)が正の値になるよう検出コイル42B
の巻線数を大きく形成する。
【0109】図10に矩形波駆動信号(VI)の矩形波
の立下り電圧に対するセンサ信号(VO)のステップ応
答特性図を示す。図10において、矩形波駆動信号VI
はLレベル(0V)の時間がTD、Hレベル(VI=5
V)の時間が(T−TD)の周期Tの矩形波(パルス)
信号であり、被検出体が中立状態にある場合に、矩形波
駆動信号VIに駆動されたブリッジ回路42のセンサ信
号VO(=VX−VY)は、時間TDにおいてVO1(=VX1
−VY1)で検出される。
【0110】時間TDのセンサ信号VO1(=VX1
Y1)がセンサ41の中立点の基準値VKよりも大きく
(VO1>VK)、センサ信号VO1をセンサ41の中立点
の基準値VKに設定するには、矩形波駆動信号VIの周期
Tを変えずにデューティサイクルを変化させてLレベル
(0V)の時間TDをΔTだけ短くしてTB(=TD−Δ
T)とし、時間TBにおけるセンサ信号VO2(=VX2
Y2)が基準値VKとなるよう矩形波駆動信号VIのデュ
ーティサイクルを設定する。
【0111】同様に、被検出体が中立状態にあり、矩形
波駆動信号VIに駆動されたブリッジ回路42のセンサ
信号VO1(=VX1−VY1)が基準値VKよりも小さい場
合には、矩形波駆動信号VIの周期Tを変えずにデュー
ティサイクルを変化させてLレベル(0V)の時間TD
を長く設定することにより、センサ41の中立点を基準
値VKに設定することができる。
【0112】被検出体が中立状態から変化すると、被検
出体の変化量および変化の方向に対応して可動鉄芯46
がX方向に変位するので、検出コイル42Aおよび検出
コイル42BのそれぞれのインダクタンスL1、L2が
互いに反対方向に増減して過渡応答電圧VX、VYの特性
も変化し、センサ信号VOがセンサの中立点(基準値
K)を中心にして増減するため、センサ信号VOの値か
ら被検出手段の変化方向および変化量を検出することが
できる。
【0113】また、センサ41の中立点を設定する別の
方法としては、矩形波駆動信号VIのデューティサイク
ルを変更せず、矩形波駆動信号VIの周期Tを変更する
こともできる。例えば、図9において、矩形波駆動信号
Iの周期Tを短く設定し、Lレベル(0V)の短くな
った時間TDでセンサ信号VO2(=VX2−VY2)が基準
値VKと一致するよう構成する。
【0114】なお、矩形波駆動信号VIのデューティサ
イクルまたは周期の設定は、図9に示す検出手段44か
ら供給される設定信号DSに基づいて矩形波駆動信号発
生手段を制御することにより実行する。
【0115】図9において、検出手段44は、過渡電圧
検出手段45、検出信号設定手段36、駆動信号制御手
段37を備える。なお、検出手段44は、過渡電圧検出
手段45の一部を除き、図7に示す検出手段34と同一
構成、同一作用を有するので詳細な説明は省略する。
【0116】過渡電圧検出手段45は、過渡応答電圧V
Xおよび過渡応答電圧VYのそれぞれの最小値(ボトム
値)を保持する2個のボトムホール回路、過渡応答電圧
XとVYの偏差を演算する偏差演算手段を備え、矩形波
立上り時点(時間TD)の最小値(ボトム値)VX1およ
びVY1を検出して保持し、ボトム値VX1とVY1の偏差を
演算してセンサ信号VO1(=VX1−VY1)を検出信号設
定手段36に供給する。
【0117】センサ信号VO1(=VX1−VY1)は、セン
サ中点の場合(VO1=VK)に検出信号VDが検出信号設
定手段36の中点電位(2.5V)になるようレベルシ
フトまたは増幅され、中点電位(2.5V)を仮想接地
点とした単一電源(例えば、5V)駆動の差動増幅器を
介し、中点電位(2.5V)を被検出体の中立状態、中
点電位(2.5V)を超える値を被検出体の一方への変
化、中点電位(2.5V)を下回る値を被検出体の他方
への変化として検出信号VDが出力される。
【0118】被検出体が中立状態にある場合、駆動信号
制御手段37で検出信号VDと基準値VKの偏差が演算さ
れ、偏差電圧ΔV(=VD−VK)に対応した設定信号D
S(例えば、2進化符号)が矩形波駆動信号発生手段3
3に供給され、偏差電圧ΔVが0となるようにデューテ
ィサイクルまたは周期が調整された矩形波駆動信号VI
が出力される。なお、偏差電圧ΔVが0となって被検出
体の中立状態にセンサ41の中点が設定されると、デュ
ーティサイクルまたは周期の調整は禁止され、これ以降
は常に一定のデューティサイクルまたは周期の矩形波駆
動信号VIでセンサ41が駆動される。
【0119】このように、この発明に係るセンサは、2
つの検出コイルをそれぞれ異なる巻数で形成するブリッ
ジ回路を備えたので、ブリッジ回路からの差動出力の検
出信号を有限値で検出することができる。また、検出手
段に、被検出体が中立状態の時の検出信号に基づいて矩
形波駆動信号発生手段が発生するパルス(矩形波)駆動
信号のデューティサイクルまたは周期を設定する駆動信
号制御手段を備えたので、パルス駆動信号のデューティ
サイクルまたは周期を調節して有限値の検出信号をセン
サ中立点の基準値に一致させることができる。
【0120】次に、図6に示す差動変成器を正弦波駆動
信号で駆動したセンサを用いたトルクセンサ、および図
9に示すブリッジを矩形波駆動信号で駆動したセンサを
用いたトルクセンサについて説明する。
【0121】図11は差動変成器を正弦波駆動信号で駆
動したセンサを用いたトルクセンサの要部ブロック構成
図である。なお、本実施の形態は差動変成器からのセン
サ信号をAC/DC変換手段で直流に変換するものであ
る。図11において、トルクセンサ51は、センサ手段
52、正弦波駆動信号発生手段53、検出手段54から
構成する。
【0122】センサ手段52は、入力軸57、出力軸5
8、入力軸57および出力軸58を連結する図示しない
弾性体からなるトーションバー、および変位センサを形
成し、1次コイル(図示せず)、2次コイル52B、5
2C、コア56からなる差動変成器を備える。なお、差
動変成器の2次コイル52Bと2次コイル52Cは、そ
れぞれ異なる巻数で形成し、入力軸57と出力軸58間
にトルク(T)が作用しない中立状態(コア56の中立
位置)でコイル52Bと2次コイル52Cに誘起する誘
起電圧(センサ信号)VS1、VS2が異なるよう設定す
る。
【0123】入力軸57と出力軸58間にトルク(T)
が作用すると、トーションバーにトルク(T)に比例し
た捩れ角(θT)が生じる。この捩れ角(θT)は、両シ
ャフトに結合されたピンとコア44に設けられたスパイ
ラル溝および縦溝(いずれも図示せず)の作用により、
入出力軸方向のコア56の変位(xT)に変換される。
【0124】コア56の変位(xT)は、既に説明した
差動変成器の2次コイル52B、52Cのインダクタン
ス変化(ΔLT)として検出され、1次コイルを駆動す
る正弦波駆動信号VIが2次コイル52B、52Cに誘
起されてそれぞれ正弦波のセンサ信号VS1、VS2を出力
する。
【0125】正弦波駆動信号発生手段53は図6に示す
正弦波駆動信号発生手段13と同様に構成し、所定周波
数の正弦波駆動信号VIでセンサ手段52の1次コイル
を駆動する。また、正弦波駆動信号発生手段53は検出
手段54から供給される設定信号DSに基づいて正弦波
駆動信号VIの周波数を変更する。
【0126】検出手段54は、アナログの整流および平
滑回路からなるAC/DC変換手段55A、55Bを備
え、正弦波電圧のセンサ信号VS1、VS2をそれぞれ直流
電圧に変換し、変換した直流電圧の偏差電圧VDCを検出
信号設定手段16に供給する点のみが図6の検出手段1
4と異なる。
【0127】図12にトルクセンサの差動変成器とAC
/DC変換器の基本構成図を示す。図12において、ト
ルク(T)が作用してない状態では、一次コイル52A
とそれぞれ2次コイル52B、52Cの巻線数に対応し
た誘起電圧(正弦波センサ信号)VS1、VS2が2次コイ
ル52B、52Cに発生する。
【0128】AC/DC変換手段55Aは半波整流器を
形成するダイオードと、平滑回路を形成するコンデンサ
とで構成し、2次コイル52Bに誘起された正弦波のセ
ンサ信号VS1を直流電圧に変換し、同様に、AC/DC
変換手段55Bは2次コイル52Cに誘起された正弦波
のセンサ信号VS2を直流電圧に変換してAC/DC変換
手段55Aの直流出力とAC/DC変換手段55Bの直
流出力との有限値の直流電圧の偏差電圧VDCを出力す
る。
【0129】有限値の偏差電圧VDCは、単一電源(例え
ば、5V)駆動の差動増幅器に供給され、中点電位
(2.5V)をトルクセンサ51の中立点とした有限値
の検出信号VDとして出力され、駆動信号制御手段17
で検出信号VDと、検出信号VDが中点電位(2.5V)
に等しくなる基準値VKとの偏差電圧ΔVに基づいて設
定信号DSを出力し、正弦波駆動信号発生手段53の正
弦波駆動信号VIの周波数を調節して有限値の検出信号
Dが基準値VKとなる(偏差電圧ΔV=0)よう制御す
る。
【0130】このように、この発明に係るセンサを用い
たトルクセンサは、入出力軸間を弾性体で連結し、入出
力軸間の相対回転により変位するコアと、1次コイルお
よび2つの2次コイルからなる差動変成器と、1次コイ
ルを正弦波駆動信号で駆動する正弦波駆動信号発生手段
と、コアの変位に対応し、それぞれ巻数の異なる2つの
2次コイルに誘起するセンサ信号の偏差に基づいてコア
の変位を検出して検出信号を出力するトルク検出手段と
からなり、このトルク検出手段に、コアが中立状態の時
の検出信号に基づいて正弦波駆動信号発生手段が発生す
る正弦波駆動信号を設定する駆動信号制御手段を備えた
ので、正弦波駆動信号の周波数を調節して検出信号をセ
ンサ中立点の基準値に一致させることができる。
【0131】図13は積分要素のブリッジ回路を矩形波
駆動信号で駆動したセンサを用いたトルクセンサの要部
ブロック構成図である。なお、本実施の形態はブリッジ
回路からのセンサ信号(過渡応答電圧)をボトムホール
ド回路で検出するものである。
【0132】図13において、トルクセンサ61は、セ
ンサ手段62と、トルク検出手段67とから構成する。
なお、トルク検出手段67には、矩形波駆動信号発生手
段73を含む構成とする。
【0133】トルクセンサ61は、入力軸63、出力軸
64、入力軸63および出力軸64を連結する図示しな
い弾性体で形成したトーションバー、変位センサを形成
する検出コイル66A、検出コイル66B、コア65、
および検出コイル66A、66Bのそれぞれと積分要素
を形成する図示しない基準抵抗器を備える。なお、検出
コイル66Aと検出コイル66Bは、それぞれ異なる巻
数で形成し、入力軸63と出力軸64間にトルク(T)
が作用しない中立状態(コア65の中立位置)でセンサ
手段62から出力される過渡応答電圧のセンサ信号
X、VYが異なる値になるよう設定する。
【0134】入力軸63と出力軸64にトルク(T)が
作用すると、トーションバーにトルク(T)に比例した
捩れ角(θT)が生じる。この捩れ角(θT)は、入出力
軸に結合されたピンとコア44に設けられたスパイラル
溝および縦溝(いずれも図示せず)の作用により、入出
力軸方向のコア65の変位(xT)に変換される。
【0135】コア65の変位(xT)は、既に説明した
検出コイル66A、検出コイル66Bのインダクタンス
変化(ΔLT)として検出され、インダクタンス変化
(ΔLT)は検出コイル66A、検出コイル66Bおよ
び2個の基準抵抗で構成されるブリッジ回路に印加され
る矩形波駆動信号VIの過渡応答電圧(センサ信号)
X、VYとして検出する。
【0136】トルク検出手段67は、センサ手段62に
矩形波駆動信号VIを供給する矩形波駆動信号発生手段
73、センサ手段62で検出した過渡応答電圧としての
センサ信号VX、VYに含まれるスイッチングノイズ(N
S)を除去する1次のCRローパスフィルタ(LPF)
68Aおよび68B、過渡応答電圧VX、VYのボトム電
圧VT2、VT1を保持して出力するボトムホールド回路6
9Aおよび69B、ボトム電圧VT2とボトム電圧VT1
の偏差(VT2−VT1)を演算してゲインG1だけ増幅
し、偏差電圧Vbを出力する差動増幅器70、偏差電圧
Vbを反転させ、基準電圧(例えば、2.5V)だけシ
フトさせたトルク検出電圧VTを検出する反転増幅器7
1、トルク検出電圧VTと基準値VKの偏差に基づいてデ
ューティサイクルまたは周期を設定する設定信号DS
矩形波駆動信号発生手段73に供給する駆動信号制御手
段72を備える。
【0137】矩形波駆動信号発生手段73は、クロック
発生器73Aおよび出力回路73Bを備え、駆動信号制
御手段72から供給される設定信号DSに基づいてデュ
ーティサイクルまたは周期を変更した矩形波駆動信号V
Iでセンサ手段62を駆動する。
【0138】駆動信号制御手段72は、図9に示す駆動
信号制御手段37と同様にセンサ手段62のコア65が
中立状態にある場合、トルク検出電圧VTと基準値VK
偏差を演算し、偏差電圧ΔV(=VD−VK)に対応した
設定信号DS(例えば、2進化符号)を矩形波駆動信号
発生手段73に供給し、偏差電圧ΔVが0となるように
デューティサイクルまたは周期が調整された矩形波駆動
信号VIが出力されるよう制御する。
【0139】なお、偏差電圧ΔVが0となってコア65
の中立状態にトルクセンサ61の中点が設定されると、
デューティサイクルまたは周期の調整は禁止され、これ
以降は常に一定のデューティサイクルまたは周期の矩形
波駆動信号VIでトルクセンサ61が駆動される。
【0140】このように、この発明に係るセンサを用い
たトルクセンサは、入出力軸間を弾性体で連結し、入出
力軸間の相対回転により変位するコアと、2組のコイル
および抵抗器の積分要素を備えたブリッジ回路と、この
ブリッジ回路をパルス駆動信号で駆動する矩形波駆動信
号発生手段と、コアの変位に対応し、それぞれの積分要
素から出力されるセンサ信号の偏差に基づいてコアの変
位を検出して検出信号を出力するトルク検出手段とから
なり、トルク検出手段に、コアが中立状態の時の検出信
号に基づいて矩形波駆動信号発生手段が発生するパルス
(矩形波)駆動信号のデューティサイクルまたは周期を
設定する駆動信号制御手段を備えたので、パルス駆動信
号のデューティサイクルまたは周期を調節して検出信号
をセンサ中立点の基準値に一致させることができる。
【0141】図14にトルク検出手段の機能ブロックの
波形を示す。(a)図は矩形波駆動信号発生手段73の
矩形波駆動信号VI波形、(b)図はセンサ手段62の
ブリッジ回路で検出した過渡応答電圧(センサ信号)V
X、VY波形であり、矩形波駆動信号VIの立下りおよび
立上りに矩形波駆動信号発生手段73の出力回路73B
(例えば、スイッチング・トランジスタ)のスイッチン
グノイズNSが含まれる。
【0142】(c)図はローパスフィルタ(LPF)6
8A、68Bを通過したセンサ信号Va(VX、VY)波
形であり、スイッチングノイズNSが除去される。
(d)図にボトム電圧VT1およびボトム電圧VT2波形を
示し、(e)図はボトム電圧VT2とボトム電圧VT1の偏
差(VT2−VT1)をゲインG1だけ増幅した偏差電圧V
b波形を示す。
【0143】(f)図は偏差電圧Vbを反転させ基準電
圧(例えば、2.5V)だけシフトさせたトルク検出電
圧VT波形であり、トルク(T)が0の場合にはトルク
検出電圧VTが基準電圧(2.5V)で、トルク(T)の
方向と大きさに対応してリニアに変化する。
【0144】なお、実施例ではトルク検出手段67をア
ナログ回路で構成したが、ディジタル回路で構成するこ
ともできる。また、マイクロプロセッサを用いて演算、
判定等の処理をソフト対応で構成することもできる。
【0145】
【発明の効果】このように、この発明に係るセンサは、
被検出体が中立状態の時の検出信号に基づいて駆動信号
発生手段が発生する駆動信号を設定する駆動信号制御手
段を備え、駆動信号を調節して検出信号をセンサの中立
状態に自動設定することができるので、制御系の調整の
みの単純な構成で、被検出体が中立状態におけるセンサ
の中立点の自動調整を装置に搭載した状態で実行するこ
とができる。
【0146】また、この発明に係るセンサの駆動信号制
御手段は、中立状態の時の検出信号の基準値を記憶する
基準値記憶手段と、被検出体が中立状態にある時の検出
信号と基準値との偏差に基づいて駆動信号発生手段に設
定信号を供給するとともに、偏差が0の場合の設定信号
を保存する設定手段とを備え、設定信号を常に保持して
センサの中立点を自動的に補正することができるので、
中立点が補正された検出精度の高いセンサを実現するこ
とができる。
【0147】さらに、この発明に係るセンサは、1次コ
イルと2次コイルとからなる変成器と、1次コイルを正
弦波駆動信号で駆動する正弦波駆動信号発生手段と、2
次コイルに誘起するセンサ信号に基づいて被検出体の状
態を検出して検出信号を出力する検出手段と、からなる
センサにおいて、検出手段は、被検出体が中立状態の時
の検出信号に基づいて正弦波駆動信号発生手段が発生す
る正弦波駆動信号の周波数を設定する駆動信号制御手段
を備え、正弦波駆動信号の周波数を自動的に調整し、検
出信号を基準値に合せ込んで、検出コイル1個のセンサ
の中立点を補正することができるので、被検出体の状態
を正確に検出することができる。
【0148】また、この発明に係るセンサの差動変成器
は、2つの2次コイルをそれぞれ異なる巻数で形成する
とともに、検出手段は、被検出体が中立状態の時の検出
信号に基づいて正弦波駆動信号発生手段が発生する正弦
波駆動信号の周波数を設定する駆動信号制御手段を備
え、差動出力の検出信号を有限値で検出することができ
るので、被検出体の状態を高感度に検出することができ
る。なお、正弦波駆動信号の周波数を調節して有限値の
検出信号をセンサ中立点の基準値に一致させることがで
きるので、被検出体の状態を高精度に検出することがで
きる。
【0149】さらに、この発明に係るセンサを用いたト
ルクセンサは、入出力軸間を弾性体で連結し、入出力軸
間の相対回転により変位するコアと、1次コイルおよび
2つの2次コイルからなる差動変成器と、1次コイルを
正弦波駆動信号で駆動する正弦波駆動信号発生手段と、
コアの変位に対応し、それぞれ巻数の異なる2つの2次
コイルに誘起するセンサ信号の偏差に基づいてコアの変
位を検出して検出信号を出力するトルク検出手段とから
なり、このトルク検出手段に、コアが中立状態の時の検
出信号に基づいて正弦波駆動信号発生手段が発生する正
弦波駆動信号を設定する駆動信号制御手段を備え、正弦
波駆動信号の周波数を調節して検出信号をセンサ中立点
の基準値に一致させることができ、トルクセンサが搭載
される装置(例えば、電動パワーステアリング装置)の
中立状態におけるトルクセンサの中立点を自動で調整す
ることができるとともに、装置に発生するトルクを高感
度および高精度に検出することができる。
【0150】また、この発明に係るセンサは、コイルお
よび抵抗器からなる積分要素と、この積分要素をパルス
駆動信号で駆動する矩形波駆動信号発生手段と、積分要
素のステップ応答のセンサ信号に基づいて被検出体の状
態を検出して検出信号を出力する検出手段と、からなる
センサにおいて、検出手段は、被検出体が中立状態の時
の検出信号に基づいて矩形波駆動信号発生手段が発生す
るパルス駆動信号のデューティサイクルまたは周期を設
定する駆動信号制御手段を備え、パルス駆動信号のデュ
ーティサイクルまたは周期を自動的に調整し、検出信号
を基準値に合せ込んで、積分要素1個のセンサの中立点
を補正することができ、単純な構成で被検出体の状態を
正確に検出することができる。
【0151】さらに、この発明に係るセンサのブリッジ
回路は、2つのコイルをそれぞれ異なる巻数で形成する
とともに、検出手段は、被検出体が中立状態の時の検出
信号に基づいて矩形波駆動信号発生手段が発生するパル
ス駆動信号のデューティサイクルまたは周期を設定する
駆動信号制御手段を備え、パルス駆動信号のデューティ
サイクルまたは周期を調節して有限値の検出信号をセン
サ中立点の基準値に一致させることができ、被検出体の
状態を高精度に検出することができる。
【0152】また、この発明に係るセンサを用いたトル
クセンサは、入出力軸間を弾性体で連結し、入出力軸間
の相対回転により変位するコアと、2組のコイルおよび
抵抗器の積分要素を備えたブリッジ回路と、このブリッ
ジ回路をパルス駆動信号で駆動する矩形波駆動信号発生
手段と、コアの変位に対応し、それぞれの積分要素から
出力されるセンサ信号の偏差に基づいてコアの変位を検
出して検出信号を出力するトルク検出手段とからなり、
トルク検出手段に、コアが中立状態の時の検出信号に基
づいて矩形波駆動信号発生手段が発生するパルス駆動信
号のデューティサイクルまたは周期を設定する駆動信号
制御手段を備え、パルス駆動信号のデューティサイクル
または周期を調節して検出信号をセンサ中立点の基準値
に一致させることができ、トルクセンサが搭載される装
置(例えば、電動パワーステアリング装置)の中立状態
におけるトルクセンサの中立点を自動で調整することが
できるとともに、装置に発生するトルクを高感度および
高精度に検出することができる。
【0153】よって、単純な構成で中立点の自動補正が
できるとともに、被検出体の状態を高感度、高精度に検
出することができるセンサを提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るセンサの基本機能ブロック構成
【図2】この発明に係る設定手段の実施の形態要部ブロ
ック構成図
【図3】センサ素子を1次コイルと1個の2次コイルを
有する変成器で構成したセンサの要部ブロック構成図
【図4】この発明に係る偏差電圧ΔVと駆動信号VI
周波数の特性図
【図5】中点補正の過程を示す正弦波駆動信号(VI
と検出電圧(VD)の説明図
【図6】センサ素子を1次コイルと2個の2次コイルを
有する変成器で構成したセンサの要部ブロック構成図
【図7】センサ素子をコイルと抵抗器からなる積分要素
で構成したセンサの要部ブロック構成図
【図8】矩形波駆動信号(VI)と積分要素の過渡応答
電圧の関係図
【図9】センサ素子をコイルと抵抗器で形成した2組の
積分要素からなるブリッジ回路構成したセンサの要部ブ
ロック構成図
【図10】矩形波駆動信号(VI)の矩形波の立下り電
圧に対するセンサ信号(VO)のステップ応答特性図
【図11】差動変成器を正弦波駆動信号で駆動したセン
サを用いたトルクセンサの要部ブロック構成図
【図12】トルクセンサの差動変成器とAC/DC変換
器の基本構成図
【図13】積分要素のブリッジ回路を矩形波駆動信号で
駆動したセンサを用いたトルクセンサの要部ブロック構
成図
【図14】トルク検出手段の機能ブロックの波形
【図15】操舵トルクセンサの操舵トルク−センサ検出
値の特性図
【符号の説明】
1,11,21,31,41…センサ、2…センサ素
子、3…駆動信号発生手段、4,14,34,44…検
出手段、5,17,37,72…駆動信号制御手段、6
…センサ信号検出手段、7…基準値記憶手段、8…設定
手段、8A…偏差演算機能、8B…アクセス手段、8C
…設定値記憶手段、12,22…変成器、13,53…
正弦波駆動信号発生手段、15…A/D変換器、16,
36…検出信号設定手段、18,28,38,46,5
6、65…可動鉄芯(コア)、32…積分要素、33,
73…矩形波駆動信号発生手段、35,45…過渡電圧
検出手段、51,67…トルクセンサ、52,62…セ
ンサ手段、55A,55B…AC/DC変換手段、5
7,63…入力軸、58,64…出力軸、54,67…
トルク検出手段、68A,68B…ローパスフィルタ
(LPF)、69A,69B…ボトムホールド回路、7
0…差動増幅器、71…反転増幅器、73A…クロック
発生器、73B…出力回路、DS…設定信号、T…周
期、VAD…ディジタル信号、VD…検出信号、VI…駆動
信号(正弦波駆動信号、矩形波駆動信号)、VK…基準
値、VO,VO1,VO2…センサ信号(過渡応答電圧)、
S1,VS2…誘起電圧、ΔV(=VD−VK)…偏差電
圧、VX,VY…過渡応答電圧。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インダクタンスの変化に基づいて被検出
    体の状態に対応したセンサ信号を出力するコイルと、こ
    のコイルを駆動する駆動信号を発生する駆動信号発生手
    段と、センサ信号に基づいて前記被検出体の状態を検出
    して検出信号を出力する検出手段と、からなるセンサに
    おいて、 前記検出手段は、前記被検出体が中立状態の時の検出信
    号に基づいて前記駆動信号発生手段が発生する駆動信号
    を設定する駆動信号制御手段を備えたことを特徴とする
    センサ。
  2. 【請求項2】 前記駆動信号制御手段は、前記被検出体
    が中立状態にある時の検出信号の基準値を記憶する基準
    値記憶手段と、前記被検出体が中立状態にある時の検出
    信号と基準値との偏差に基づいて前記駆動信号発生手段
    に設定信号を供給するとともに、偏差が0の場合の設定
    信号を保存する設定手段と、を備えたことを特徴とする
    請求項1記載のセンサ。
  3. 【請求項3】 1次コイルと2次コイルとからなる変成
    器と、前記1次コイルを正弦波駆動信号で駆動する正弦
    波駆動信号発生手段と、前記2次コイルに誘起するセン
    サ信号に基づいて被検出体の状態を検出して検出信号を
    出力する検出手段と、からなるセンサにおいて、 前記検出手段は、前記被検出体が中立状態の時の検出信
    号に基づいて前記正弦波駆動信号発生手段が発生する正
    弦波駆動信号の周波数を設定する駆動信号制御手段を備
    えたことを特徴とするセンサ。
  4. 【請求項4】 1次コイルおよび2つの2次コイルから
    なる差動変成器と、前記1次コイルを正弦波駆動信号で
    駆動する正弦波駆動信号発生手段と、前記2つの2次コ
    イルのそれぞれに誘起するセンサ信号の偏差に基づいて
    被検出体の状態を検出して検出信号を出力する検出手段
    と、からなるセンサにおいて、 前記差動変成器は、2つの2次コイルをそれぞれ異なる
    巻数で形成するとともに、前記検出手段は、前記被検出
    体が中立状態の時の検出信号に基づいて前記正弦波駆動
    信号発生手段が発生する正弦波駆動信号の周波数を設定
    する駆動信号制御手段を備えたことを特徴とするセン
    サ。
  5. 【請求項5】 入出力軸間を弾性体で連結し、前記入出
    力軸間の相対回転により変位するコアと、1次コイルお
    よび2つの2次コイルからなる差動変成器と、前記1次
    コイルを正弦波駆動信号で駆動する正弦波駆動信号発生
    手段と、前記コアの変位に対応し、それぞれ巻数の異な
    る前記2つの2次コイルに誘起するセンサ信号の偏差に
    基づいて前記コアの変位を検出して検出信号を出力する
    トルク検出手段と、を備えたトルクセンサを形成するセ
    ンサにおいて、 前記トルク検出手段は、前記コアが中立状態の時の検出
    信号に基づいて前記正弦波駆動信号発生手段が発生する
    正弦波駆動信号を設定する駆動信号制御手段を備え、前
    記トルクセンサの中立状態を設定することを特徴とする
    センサ。
  6. 【請求項6】 コイルおよび抵抗器からなる積分要素
    と、この積分要素をパルス駆動信号で駆動する矩形波駆
    動信号発生手段と、前記積分要素のステップ応答のセン
    サ信号に基づいて被検出体の状態を検出して検出信号を
    出力する検出手段と、からなるセンサにおいて、 前記検出手段は、前記被検出体が中立状態の時の検出信
    号に基づいて前記矩形波駆動信号発生手段が発生するパ
    ルス駆動信号のデューティサイクルまたは周期を設定す
    る駆動信号制御手段を備えたことを特徴とするセンサ。
  7. 【請求項7】 2組のコイルおよび抵抗器の積分要素を
    備えたブリッジ回路と、このブリッジ回路をパルス駆動
    信号で駆動する矩形波駆動信号発生手段と、前記2組の
    積分要素のそれぞれが出力するセンサ信号の偏差に基づ
    いて被検出体の状態を検出して検出信号を出力する検出
    手段と、からなるセンサにおいて、 前記ブリッジ回路は、2つのコイルをそれぞれ異なる巻
    数で形成するとともに、前記検出手段は、前記被検出体
    が中立状態の時の検出信号に基づいて前記矩形波駆動信
    号発生手段が発生するパルス駆動信号のデューティサイ
    クルまたは周期を設定する駆動信号制御手段を備えたこ
    とを特徴とするセンサ。
  8. 【請求項8】 入出力軸間を弾性体で連結し、前記入出
    力軸間の相対回転により変位するコアと、2組のコイル
    および抵抗器の積分要素を備えたブリッジ回路と、この
    ブリッジ回路をパルス駆動信号で駆動する矩形波駆動信
    号発生手段と、前記コアの変位に対応し、それぞれの積
    分要素から出力されるセンサ信号の偏差に基づいて前記
    コアの変位を検出して検出信号を出力するトルク検出手
    段と、を備えたトルクセンサを形成するセンサにおい
    て、 前記トルク検出手段は、前記コアが中立状態の時の検出
    信号に基づいて前記矩形波駆動信号発生手段が発生する
    パルス駆動信号のデューティサイクルまたは周期を設定
    する駆動信号制御手段を備え、前記トルクセンサの中立
    状態を設定することを特徴とするセンサ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009128155A (ja) * 2007-11-22 2009-06-11 Honda Motor Co Ltd 磁歪式トルクセンサ装置およびその計測値中点ずれ補償方法
JP2013019916A (ja) * 2012-11-01 2013-01-31 Honda Motor Co Ltd 磁歪式トルクセンサおよびその計測値中点ずれ補償方法
KR102485281B1 (ko) * 2022-06-02 2023-01-04 주식회사 능인솔루션 누수 및 누액 등의 노출된 아날로그 센서의 측정 시 유입된 노이즈의 감쇄 및 정밀 측정 시스템

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