JPH09104873A - 高分子化合物の熱分解油化方法及び装置 - Google Patents

高分子化合物の熱分解油化方法及び装置

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JPH09104873A
JPH09104873A JP26120595A JP26120595A JPH09104873A JP H09104873 A JPH09104873 A JP H09104873A JP 26120595 A JP26120595 A JP 26120595A JP 26120595 A JP26120595 A JP 26120595A JP H09104873 A JPH09104873 A JP H09104873A
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JP
Japan
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oil
gas
pyrolysis
tank
boiling point
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JP26120595A
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English (en)
Inventor
Ryokichi Yamada
良吉 山田
Tomoko Kaneko
朋子 金子
Hisao Yamashita
寿生 山下
Toshiaki Arato
利昭 荒戸
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/62Plastics recycling; Rubber recycling

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  • Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)
  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)
  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】熱可塑性樹脂を熱分解ガス化するときの固体残
渣を減らす。 【解決手段】熱可塑性樹脂を熱分解する際に、高沸点
(300℃以上)の熱分解生成油を用いて熱分解する。 【効果】熱分解生成油を用いないときに比べて、固体残
渣の量を大幅に減らすことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱硬化性樹脂や熱
可塑性樹脂などの高分子化合物を熱分解ガス化したのち
凝縮して油化する方法及び装置に関する。本発明は、廃
棄プラスチックを再資源化する方法として極めて有効で
ある。本発明は、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂とが混在
している廃棄物に対しても適用することができる。
【0002】
【従来の技術】プラスチック生産量の増加に伴い、その
廃棄物は年々増加しており社会問題となっている。現
在、廃棄プラスチックの大半が埋立てと焼却によって処
分されているが、埋立て用地の不足や、焼却炉の短命化
或いは有害排ガスによる環境汚染の問題などから、廃棄
プラスチックを再資源化し、またエネルギーを回収する
方法が研究されている。
【0003】プラスチック,ゴム,塗料,潤滑油,油
脂,アスファルト,ピッチ,合成繊維,天然繊維,有機
合成固形物などの高分子廃棄物の再資源化処理に関して
は、一部を燃焼し、この熱で残りの高分子廃棄物を熱処
理する、いわゆる部分酸化燃焼・乾留熱分解方式が一般
に知られており、特公平2−5796 号公報に記載されてい
る。また、熱可塑性樹脂の再資源化処理に関しては、加
熱分解処理を行って燃料油として再資源化することが知
られており、特開昭48−60777 号公報,特開昭49-17477
号公報,特開昭59−174689号公報などに記載されてい
る。
【0004】熱硬化性樹脂は、単独で加熱分解するのが
困難であることから、熱可塑性樹脂と混在させ、両者の
融点の違いを利用して個別に処理する方法が知られてお
り、特開平3−212491 号公報に示されている。この方法
は、高分子廃棄物をその分解油に入れて250〜280
℃程度の温度で熱可塑性樹脂をまず溶融させ、その後、
熱硬化性樹脂を主成分とする未溶融分を600〜700
℃の高温度下で分解する方法である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】熱硬化性樹脂を加熱す
ると、一部は熱分解してガス化するが、残りは分解せず
に網目構造を形成し、硬化して固体残渣となる。従っ
て、高分子廃棄物の熱分解油化においては、この熱硬化
性樹脂の固体残渣の量を減らすことが望まれる。また、
高分子廃棄物の中には、フィルムあるいはシート状のも
のも含まれている。これらのフィルムあるいはシートの
ものは主に熱可塑性樹脂であり、軟らかいために、破砕
されにくい。熱分解は、原料を細かく破砕した方がすす
み易いことから、フィルムあるいはシート状の樹脂が混
在する場合には、これを破砕しやすくすることが望まれ
る。また、フィルムあるいはシート状の樹脂は、熱分解
槽の投入口などに溶融付着して閉塞を起こしやすいこと
から、熱分解槽の投入口などに溶融付着しないようにす
ることも望まれる。更に、廃棄物中に塩化ビニール系の
プラスチックが混入している場合には、熱分解ガス化時
に塩化水素などの有害ガスが発生して機材を腐食するお
それがある。
【0006】従って、本発明は、熱硬化性樹脂の熱分解
ガス化において、固体残渣の量を少なくできる方法及び
装置を提供することにある。
【0007】また、高分子廃棄物中にフィルム或いはシ
ートなどのプラスチックが混入していた場合でも、通常
の破砕機で容易に破砕でき、しかも熱分解槽の投入口な
どに溶融付着しないようにした前処理方法及び装置を提
供することにある。
【0008】更に、塩化ビニール系のプラスチックが混
入していた場合に、熱分解ガス化時に塩化水素などの有
害ガスが発生して機材を腐食したりしないようにした塩
素除去方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、熱硬化性樹脂
の熱分解ガス化を、該樹脂がガス化する温度よりも高い
沸点を有する油の存在下で行うことにある。これによ
り、固体残渣を少なくできる。前記油としては、沸点3
00℃以上の熱分解生成油を用いることができる。
【0010】本発明の高分子廃棄物の熱分解油化方法
は、高分子化合物の廃棄物を破砕し、熱分解槽に投入し
て熱分解ガス化したのち冷却して沸点が300℃以上の
熱分解生成油を生成し、この熱分解生成油に熱硬化性樹
脂を混入して該樹脂とともに再び熱分解ガス化したのち
凝縮して油化することにある。この際、沸点が300℃
以上の熱分解生成油を生成したときに液化せずに残留し
たガスは、凝縮して油化することが望ましい。
【0011】高分子廃棄物中にフィルム或いはシート等
の薄膜状の樹脂が含まれている場合には、破砕する前に
フィルム或いはシートを加熱硬化することが望ましく、
その際の加熱媒体としては、熱分解生成油または石油系
の油を用いることができる。高分子廃棄物中に塩化ビニ
ール系の樹脂が含まれている場合には、熱分解ガス化す
る前に、該樹脂を加熱して塩素を気化させることが望ま
しく、その際の加熱媒体としては熱分解生成油を用いる
ことができる。
【0012】本発明による高分子廃棄物の熱分解油化装
置の基本構成は、高分子廃棄物を熱分解しやすいように
破砕する手段、破砕された高分子廃棄物を熱分解ガス化
する第1の熱分解槽、該第1の熱分解槽で得られたガス
中の高沸点成分を凝縮して沸点が300℃以上の熱分解
生成油を得る冷却手段、該冷却手段で生成された油を非
凝縮のガスと分離する気液分離手段、該気液分離手段で
分離された沸点が300℃以上の前記熱分解生成油に熱硬
化性樹脂を混ぜて両者を熱分解ガス化する第2の熱分解
槽、及び該第2の熱分解槽で得られたガスを凝縮して油
化する手段を備える。この熱分解油化装置において、更
に前記気液分離手段で分離されたガスを凝縮して油化す
る手段を具備することは望ましい。
【0013】本発明による高分子廃棄物の熱分解油化装
置において、実際的な装置構成は、高分子廃棄物に含ま
れているフィルム或いはシート状の樹脂を予め加熱硬化
する前処理手段或いは該高分子廃棄物に含まれている塩
化ビニール系の樹脂に含まれている塩素を予め加熱して
気化する前処理手段,これらの前処理を終えた高分子廃
棄物を熱分解しやすいように破砕する手段,破砕された
高分子廃棄物を熱分解ガス化する第1の熱分解槽,該第
1の熱分解槽で得られたガス中の高沸点成分を凝縮して
沸点が300℃以上の熱分解生成油を生成する第1の冷
却手段、該第1の冷却手段で生成された油を非凝縮のガ
スと分離する第1の気液分離手段,該第1の気液分離手
段で分離された非凝縮のガスを凝縮して油化する手段,
該第1の気液分離手段で分離された沸点が300℃以上
の熱分解生成油に熱硬化性樹脂を混ぜて両者を熱分解ガ
ス化する第2の熱分解槽,該第2の熱分解槽で得られた
ガス中の高沸点成分を凝縮して沸点が300℃以上の熱
分解生成油を得る第2の冷却手段,該第2の冷却手段で
生成された油を非凝縮のガスと分離する第2の気液分離
手段,該第2の気液分離手段で分離されたガスを触媒の
存在下で低沸点物に分解し軽質化する接触分解槽,該接
触分解槽で軽質化されたガスを凝縮して油化する手段、
及び該第2の気液分離手段で分離された熱分解生成油の
一部を前記第2の熱分解槽に還流する手段を備える。
【0014】この場合に、前記第2の気液分離手段で分
離された熱分解生成油の一部を、高分子廃棄物に含まれ
ているフィルム或いはシート状の樹脂を予め加熱硬化す
る前処理手段或いは該高分子廃棄物に含まれている塩化
ビニール系の樹脂に含まれている塩素を予め加熱して気
化する前処理手段の加熱媒体として還流する手段を更に
備えることは望ましい。
【0015】熱硬化性樹脂を熱分解ガス化したときに固
体残渣が生じ易いのは、熱分解時の加熱によって生成し
たラジカルが再び結合して架橋・環化して高分子量化し
てしまうことによる。熱硬化性樹脂を熱分解ガス化する
ときに、該樹脂がガス化する温度よりも高い沸点を有す
る油を共存させると、ラジカルの結合が抑制され、低分
子量化したまま存在するようになり、ガス化されやす
く、固体残渣が少なくなる。
【0016】熱硬化性樹脂がガス化し始める温度は、お
およそ300℃以下であるから、高沸点油としては沸点
が300℃以上の油を使用することが望ましい。また、
この油は高分子廃棄物を熱分解油化する過程で得られる
油を使用して自前でまかなうことが望ましい。同様に高
分子廃棄物中にフィルムやシート状の樹脂、或いは塩化
ビニール系の樹脂が含まれている場合に、フィルムやシ
ート状の樹脂を加熱硬化させるために使用する油及び塩
化ビニール中に含まれる塩素を気化するために使用する
油も自前でまかなうことが望ましい。
【0017】熱硬化性樹脂を熱分解ガス化するときに使
用する油を自前でまかなうようにするために、第1の熱
分解槽と第2の熱分解槽を備え、第1の熱分解槽で得ら
れたガスを凝縮するときの冷却温度を調整して、まず沸
点が300℃以上の熱分解生成油を得、これに熱硬化性
樹脂を混ぜて第2の熱分解槽で熱分解することが望まし
い。
【0018】第2の熱分解槽では、熱硬化性樹脂のガス
化とともに油の量も減少するので、第2の熱分解槽で得
られたガスから沸点300℃以上の熱分解生成油を生成
し、これを第2の熱分解槽に還流して油の減少を補うこ
とが望ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図1を
用いて説明する。
【0020】図1には、熱硬化性樹脂,熱可塑性樹脂な
どの高分子化合物を熱分解したのち凝縮して油化する熱
分解油化システムの概略構成模式図を示す。
【0021】図中の各符号は、それぞれ、1が前処理
槽,2が目皿板,3が送油ポンプ,4が塩素固定化槽,
5が廃プラスチック回収槽,6が目皿板,7が熱分解生
成油回収槽,8が移送ポンプ,9が破砕機,10が第1
の熱分解槽,11が第1の冷却器,12が第1の気液分
離器,13が第2の熱分解槽,14が熱硬化性樹脂,1
5が第2の冷却器,16が第2の気液分離器,17が接
触分解槽,18が第3の冷却器,19が油回収槽,20
が油貯留槽,21と22が移送ポンプ,30が熱可塑性
樹脂及び熱硬化性樹脂等が混在した廃プラスチック,3
1が廃プラスチックをシート或いはフイルム等のいわゆ
る薄膜状のプラスチックとそれ以外のプラスチックとに
分別する分離器,32が薄膜状のプラスチックを除いた
残りの廃プラスチック,33が薄膜状のプラスチックを
示している。
【0022】次に、動作について説明する。図1におい
て、回収された廃プラスチック30には、多くの場合、
軟らかいシート及びフィルム等が含まれている。そこで
これらのシート或いはフィルムを、熱分解ガス化する前
に加熱硬化する。この際に、高分子廃棄物中からシート
或いはフィルムを分離器31を用いて予め分離しても良
いし、分離せずにシート或いはフィルムと他の樹脂とが
混在したままの状態で加熱硬化処理しても良い。分離器
31は、風力,手選別等のいずれでも良く限定されるも
のではない。シート及びフィルム等の廃プラスチックは
弁50が開,弁51が閉の状態で前処理槽1に供給さ
れ、この後、弁50が閉じられる。前処理槽1には予め
熱分解生成油が貯留されており、シート及びフィルムが
加熱軟化する温度に保持されている。シート及びフィル
ム類を前処理槽1に数分から数十分も浸したならば引き
出して乾燥する。これによりシート及びフィルム類は固
まって硬化する。この間、弁52が開かれ送油ポンプ3
が作動して、前処理槽1の熱分解生成油が目皿板2から
弁52を介して、送油ポンプ3により前処理槽1の底部
に供給循環され、この循環流により前処理槽1中のプラ
スチック類が撹拌される。塩化ビニール系のプラスチッ
クが混入する場合には、前処理槽1の熱分解生成油の温
度を塩化ビニール中の含有塩素がガス化される温度に保
持する。そして、弁53を開にしてガス化した塩素を抜
き出し、塩素固定化剤が充填された塩素固定化槽4を通
して塩素を固定化し、残りのガスを配管100を経て系
外に排出する。これらの前処理操作によりシート及びフ
ィルム類が熱硬化され、またビニール中の含有塩素が除
去される。送油ポンプ3が停止され、弁52が閉じら
れ、弁51が開かれて前処理槽1に投入されたプラスチ
ックが熱分解生成油とともに廃プラスチック回収槽5に
移送される。移送された熱分解生成油は弁54及び目皿
板6(プラスチックが通過しない開孔を有する)を介し
て熱分解生成油回収槽7に貯留されたのち、移送ポンプ
8により前処理槽1に返送される。一方、廃プラスチッ
ク回収槽5に回収された廃プラスチック200はベルト
コンベアーなどの手段により破砕機9に移送され適宜の
大きさ,形状に破砕される。
【0023】破砕された廃プラスチックは、第1の熱分
解槽10に供給され熱分解ガス化される。熱分解ガスは
第1の冷却器11で所定の温度まで冷却され、ガス中の
高沸点成分が凝縮油化される。第1の気液分離器12に
おいて、液化生成油(高沸点物)と非凝縮のガス状生成
物(低沸点物)とに分離される。分離された低沸点ガス
生成物は弁57を介して第3の冷却器18において第1
の冷却器11よりもさらに低い温度で冷却凝縮され、油
回収槽19に回収される。油回収槽19には凝縮液化さ
れた生成油が回収貯留され、ガス状生成物は配管101
を経て加熱用燃料などに使用される。第1の熱分解槽1
0でガス化されない残渣は弁55を介して系外に排出さ
れる。一方、第1の気液分離器12で分離された高沸点
生成油は弁56を介して第2の熱分解槽13に供給され
る。この時点において、予め破砕された熱硬化性樹脂1
4が第2の熱分解槽13に供給され、高沸点生成油と一
緒に熱分解ガス化される。ガス化生成物は第2の冷却器
15で冷却凝縮され、第2の気液分離器16において液
化生成油(高沸点物)とガス状生成物(低沸点物)とに
分離される。分離された低沸点ガス状生成物は、接触分
解槽17において、触媒の存在下で低沸点物に分解・軽
質化される。触媒としては、例えばゼオライトに錫酸化
物を担持させたものが使用できる。軽質化生成ガスは第
3の冷却器18において、第2の冷却器15よりもさら
に低い所定の温度で冷却凝縮され、油回収槽19に回収
される。
【0024】一方、第2の気液分離器16で分離された
高沸点生成油は弁58を介して油貯留槽20に貯留され
る。貯留された高沸点生成油は一部が移送ポンプ21が
作動され、弁61を介して前処理槽1に供給される。な
お、前処理槽1には、第2の熱分解槽13に供給された
高沸点生成油の一部を、移送ポンプ22を作動し弁62
を介して供給するようにしてもよい。第2の熱分解槽1
3でガス化分解されない残渣は弁60を介して系外に排
出される。また、油貯留槽20に貯留された高沸点生成
油の一部は、弁59を介して第2の熱分解槽13へ還流
される。この第2の熱分解槽13への高沸点生成油の還
流は、第2の熱分解槽での油の減少を補うものであり、
従って、この場合には第2の冷却器15の冷却温度を調
整して高沸点生成油の沸点が300℃以上になるように
することが望ましい。
【0025】(実施例1)高分子化合物として、熱硬化
性樹脂と熱可塑性樹脂とが混在したものを用いた。熱硬
化性樹脂には、エポキシ樹脂(EP)200gとフェノ
ール樹脂(PF)100gを用い、熱可塑性樹脂にはポ
リスチレン(PS)400gとポリプロピレン(PP)
400gとポリエチレン(PE)400gを用いた。こ
れにシート及びフィルム類50gを混ぜて用いた。シー
ト及びフィルム類を混ぜる前に熱硬化性樹脂と熱可塑性
樹脂の混合プラスチックを50mm角程度に粗破砕した。
【0026】前処理槽1に、予め高分子化合物を熱分解
して生成した油を入れ、280℃に保持した。この油は
280℃の温度ではまだ気化しない。この状態でシート
及びフィルム類とともに粗破砕した混合プラスチックを
前処理槽1に投入した。前処理槽1に焼く30分浸して
から引き出して乾燥させた。シート及びフルム類は絡み
合い、あたかも団子のような状態になって硬化した。そ
の他の混合プラスチックも一部溶融及び硬化が見られ
た。前処理槽から回収したプラスチックを5mm角程度に
なるように破砕したところ、問題無く破砕することがで
きた。
【0027】破砕を終えたプラスチックを次に第1の熱
分解槽10に入れ、450℃に加熱保持して1時間熱分
解ガス化した。得られたガスを第1の冷却器11で出口
温度が300℃に成るように冷却し、沸点が300以上
の成分を凝縮した。そして、第1の気液分離器12にて
気液分離した。これにより高沸点生成油が対供給原料重
量比で28重量%回収された。ガス状生成物は第3の冷
却器にて出口温度が5℃になるまで冷却して再度凝縮し
た。これにより、低沸点生成油が対供給原料重量比で4
2重量%回収され、ガス状生成物は対供給原料重量比で
21重量%に減少した。
【0028】第1の気液分離器12で分離された高沸点
生成油を第2の熱分解槽13に投入し500℃に加熱保
持して1時間熱分解ガス化した。この際に、予め5mm角
程度に破砕したエポキシ樹脂(EP)200gとフェノ
ール樹脂(PF)100gよりなる熱硬化性樹脂14も
投入した。
【0029】得られたガスを第2の冷却器15で出口温
度が300℃になるように冷却し、高沸点成分を凝縮し
た。そして、第2の気液分離器16で気液分離した。
【0030】その結果、熱硬化性樹脂14の熱分解生成
物のうちガス化しない残渣率は対熱硬化性樹脂重量比で
11重量%となり、ガス化率は89重量%となった。さ
らに、第2の気液分離器では対熱硬化性樹脂重量比で3
6重量%の高沸点生成油が分離でき、この高沸点生成油
と第1の気液分離器12から第2の熱分解槽13に供給
された高沸点生成油とが油貯留槽20に回収された。
【0031】(比較例1)第1の気液分離器12で得ら
れた高沸点生成油を第2の熱分解槽13に還流しない
で、実施例2で用いた熱硬化性樹脂14を単独で第2の
熱分解槽13に投入して500℃の温度で1時間熱分解
ガス化した。その結果、熱硬化性樹脂の熱分解生成物の
うちガス化しない残渣率は対熱硬化性樹脂重量比で20
重量%であり、ガス化率は80重量%であった。
【0032】(実施例2)本実施例では、実施例1で使
用した高分子化合物原料中に塩化ビニール系のプラスチ
ックが混入した場合の前処理について述べる。この原料
は、実施例1で使用した高分子化合物原料に更に塩化ビ
ニールが100g混在している。シート及びフィルム類
を除く混合プラスチックを50mm角程度に粗破砕し、前
処理槽1に投入した。前処理槽1には、実施例1で得ら
れた油回収槽20から移送した高沸点生成油を入れ、温
度300℃に約1時間加熱保持した。塩化ビニール中の
塩素の含有率は48重量%であり、塩化ビニールの量は
100gであるから塩素含有量は48gとなる。以下の
塩素含有率は対原料供給塩素含有重量比で示す。前処理
槽1で発生した塩素ガスを水酸化カルシウム200gを
充填した塩素固定化槽4に導入し、配管100の排出ガ
スを水酸化ナトリウム溶液に吸収したのち、ガス中の塩
素ガス濃度をイオンクロマト分析計で測定した。その結
果、排出ガス中の含有塩素ガス濃度は30ppm となっ
た。また、水酸化カルシウム中の塩素含有率をイオンク
ロマト分析計で調べた結果、塩素の合計量48g中の8
3重量%が固定化された。このように本方法により塩素
をガス化除去できることがわかった。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、熱硬化性樹脂の熱分解
ガス化において、固体残渣の量を著しく低減することが
できる。
【0034】また、高分子化合物中にフィルムやシート
類が含まれていても、加熱硬化することにより、破砕し
やすくし、かつ熱分解槽の入り口等に溶融付着するのを
防止できる。
【0035】さらに、塩化ビニール等が混入していて
も、熱分解前に塩素を気化して除去することにより、塩
素による腐食を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂を含む高分子化
合物の熱分解油化システムを示す模式図。
【符号の説明】
1…前処理槽、4…塩素固定化槽、5…廃プラスチック
回収槽、7…熱分解生成油回収槽、9…破砕機、10…
第1の熱分解槽、11…第1の冷却器、12…第1の気
液分離器、13…第2の熱分解槽、14…熱硬化性樹
脂、15…第2の冷却器、16…第2の気液分離器、1
7…接触分解槽、18…第3の冷却器、19…油回収
槽、20…油貯留槽、31…分離器、101…配管。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荒戸 利昭 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱硬化性樹脂を該樹脂がガス化する温度よ
    りも高い沸点を有する油の存在下で熱分解ガス化したの
    ち凝縮して油化することを特徴とする高分子化合物の熱
    分解油化方法。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記油として沸点30
    0℃以上の熱分解生成油を用いることを特徴とする高分
    子化合物の熱分解油化方法。
  3. 【請求項3】高分子化合物の廃棄物を破砕し、熱分解槽
    に投入して熱分解ガス化したのち冷却して沸点が300
    ℃以上の熱分解生成油を生成し、この熱分解生成油に熱
    硬化性樹脂を混入して該樹脂とともに再び熱分解ガス化
    したのち凝縮して油化することを特徴とする高分子廃棄
    物の熱分解油化方法。
  4. 【請求項4】請求項3において、前記沸点が300℃以
    上の熱分解生成油を生成したときに液化せずに残留した
    ガスを凝縮して油化することを特徴とする高分子廃棄物
    の熱分解油化方法。
  5. 【請求項5】請求項3または4において、前記高分子廃
    棄物を破砕する前に、該高分子廃棄物中に含まれている
    フィルム或いはシート等の薄膜状の樹脂を加熱硬化し、
    その際に加熱媒体として熱分解生成油または石油系の油
    を用いることを特徴とする高分子廃棄物の熱分解油化方
    法。
  6. 【請求項6】請求項3または4において、前記高分子廃
    棄物を熱分解ガス化する前に、該高分子廃棄物中に含ま
    れている塩化ビニール系の樹脂を加熱して該樹脂に含ま
    れている塩素を気化させ、その際に加熱媒体として熱分
    解生成油を用いることを特徴とする高分子廃棄物の熱分
    解油化方法。
  7. 【請求項7】高分子化合物の廃棄物を熱分解しやすいよ
    うに破砕する手段,破砕された高分子廃棄物を熱分解ガ
    ス化する第1の熱分解槽,該第1の熱分解槽で得られた
    ガス中の高沸点成分を凝縮して沸点が300℃以上の熱
    分解生成油を得る冷却手段,該冷却手段で生成された油
    を非凝縮のガスと分離する気液分離手段,該気液分離手
    段で分離された沸点が300℃以上の前記熱分解生成油
    に熱硬化性樹脂を混ぜて両者を熱分解ガス化する第2の
    熱分解槽,該第2の熱分解槽で得られたガスを凝縮して
    油化する手段を具備したことを特徴とする高分子廃棄物
    の熱分解油化装置。
  8. 【請求項8】請求項7において、前記気液分離手段で分
    離されたガスを凝縮して油化する手段を具備したことを
    特徴とする高分子廃棄物の熱分解油化装置。
  9. 【請求項9】高分子化合物の廃棄物を熱分解ガス化した
    のち油化する装置であって、高分子廃棄物に含まれてい
    るフィルム或いはシート状の樹脂を予め加熱硬化する前
    処理手段或いは該高分子廃棄物に含まれている塩化ビニ
    ール系の樹脂に含まれている塩素を予め加熱して気化す
    る前処理手段,これらの前処理を終えた高分子廃棄物を
    熱分解しやすいように破砕する手段,破砕された高分子
    廃棄物を熱分解ガス化する第1の熱分解槽,該第1の熱
    分解槽で得られたガス中の高沸点成分を凝縮して沸点が
    300℃以上の熱分解生成油を生成する第1の冷却手
    段,該第1の冷却手段で生成された油を非凝縮のガスと
    分離する第1の気液分離手段,該第1の気液分離手段で
    分離された非凝縮のガスを凝縮して油化する手段,該第
    1の気液分離手段で分離された沸点が300℃以上の熱
    分解生成油に熱硬化性樹脂を混ぜて両者を熱分解ガス化
    する第2の熱分解槽,該第2の熱分解槽で得られたガス
    中の高沸点成分を凝縮して沸点が300℃以上の熱分解
    生成油を得る第2の冷却手段,該第2の冷却手段で生成
    された油を非凝縮のガスと分離する第2の気液分離手
    段,該第2の気液分離手段で分離されたガスを触媒の存
    在下で低沸点物に分解し軽質化する接触分解槽,該接触
    分解槽で軽質化されたガスを凝縮して油化する手段、及
    び該第2の気液分離手段で分離された熱分解生成油の一
    部を前記第2の熱分解槽に還流する手段を備えたことを
    特徴とする高分子廃棄物の熱分解油化装置。
  10. 【請求項10】請求項9において、前記第2の気液分離
    手段で分離された熱分解生成油の一部を、高分子廃棄物
    に含まれているフィルム或いはシート状の樹脂を予め加
    熱硬化する前処理手段或いは該高分子廃棄物に含まれて
    いる塩化ビニール系の樹脂に含まれている塩素を予め加
    熱して気化する前処理手段の加熱媒体として還流する手
    段を備えたことを特徴とする高分子廃棄物の熱分解油化
    装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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