JPH09103977A - 作業ロボットのティーチング装置および方法 - Google Patents

作業ロボットのティーチング装置および方法

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JPH09103977A
JPH09103977A JP25877295A JP25877295A JPH09103977A JP H09103977 A JPH09103977 A JP H09103977A JP 25877295 A JP25877295 A JP 25877295A JP 25877295 A JP25877295 A JP 25877295A JP H09103977 A JPH09103977 A JP H09103977A
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jig
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robot
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JP25877295A
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Akimori Watanabe
亮衛 渡辺
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Hino Motors Ltd
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Hino Motors Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 数値情報により作業ロボットの作業情報の入
力を可能としその利点を享受するとともに、実用的な作
業工程にその作業情報を適応させる。 【解決手段】 被工作物の一つの型式についてその被工
作物を作業ロボットの作業台に固定する一定形状の治具
を使用する。その治具をその作業台に固定した状態で、
その表面に表れる位置にあらかじめ少なくとも3個の所
定点を目視できる形態で設定しておく。数値情報にはあ
らかじめこの所定点の座標とを併せて入力しておく。そ
して、作業に際してはこの数値情報を取り込むととも
に、この所定点について現物からあらためて位置情報を
入力し、数値情報としてあらかじめ入力された位置情報
が、あらためて入力した所定点の実際の位置情報に一致
するように座標変換を行い、座標変換された数値情報に
より作業ロボットを制御する。 【効果】 ティーチングのための作業工数を小さくする
ことができるとともに、装置で生じる誤差を合理的に吸
収することができ、ティーチング後の装置に適合させる
ための修正をほとんど不要にすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する利用分野】本発明は、繰り返し多数の被
工作物を同一形状に加工する作業ロボットに利用する。
本発明は、作業ロボットに作業情報を入力するティーチ
ングに関する。本発明は、数値情報により作業ロボット
に作業情報を与えるティーチング装置およびそのティー
チング装置により与えられた情報により作業を行う作業
ロボットに関する。
【0002】
【従来の技術】作業ロボットは量産工場で広く利用され
ている。自動車の製造組立工程をはじめ、さまざまな大
量生産を行う作業工程できわめて重要な装置になってい
る。
【0003】作業ロボットの制御装置は、一般にティー
チング・モードおよびワーキング・モードが切替えて設
定できるようになっていて、ティーチング・モードでは
作業情報を入力し、ワーキング・モードではティーチン
グ・モードで入力された作業情報にしたがってその作業
を実行するように構成されている。ティーチング・モー
ドで入力する作業情報は、作業端の座標位置と、作業端
に取付けられたツールの角度情報である。従来の作業ロ
ボットでは、装置の制御モードをティーチング・モード
に設定しておいて、人が手動操作によりその作業端を現
物に合わせて移動させてその移動軌跡を記憶させ、その
後にワーキング・モードに切替えてから、その記憶した
移動軌跡のとおりに作業端を自動的に移動させるように
構成された装置が広く知られている。
【0004】このように構成された作業ロボットでは、
ティーチングのために大きい作業工数を要することか
ら、作業ロボットの作業情報を数値情報として入力する
ことが考えられた。特公昭63−21843号公報に開
示された三次元座標測定器はその技術の一つである。こ
の三次元座標測定器を利用することにより、被工作物の
複雑な形状が三次元座標情報として測定可能になり、そ
の座標情報を基にして演算処理を実行し、作業ロボット
に作業情報を入力することが可能になった。
【0005】三次元座標測定器を用いて作業ロボットに
作業情報を入力する技術として、特開平6−32040
6号公報に開示されたものがある。これは図7に示すよ
うなものである。ティーチング・モードで、三次元測定
器から入力された多数の点についての数値情報(X,
Y,Z)を作業ロボットの制御装置に入力する。そして
ワーキング・モードでは作業ロボットに取付けられたツ
ールが、その多数の点の数値情報を順にたどるような動
きをするようになっている。
【0006】また、特公平3−64808号公報には、
このような三次元座標情報により作業情報を入力すると
きに、座標測定器で測定した座標と作業ロボットの作業
状態での座標に角度や位置のずれがある場合に、それを
座標変換する技術が開示されている。
【0007】さらに、設計形状をはじめから数値処理に
より三次元情報として取込み、その三次元情報に基づい
て作業ロボットの作業情報を演算により作成して、その
作業情報を作業ロボットに入力して実際の加工作業を行
うことも可能になった。その場合には、作業を繰り返し
実行しながら適応的な修正を行うことが必要であること
が多い。
【0008】上記三次元座標測定器およびこの座標変換
技術の応用として、被工作物の理想的な設計形状により
設定された作業情報が、実用的な工程ではさまざまな誤
差や機械のくせなどにより微小な修正が必要であり、そ
の場合には、市販のコンピュータ装置を利用して、その
作業情報あるいは数値情報をコンピュータ装置の画面上
に展開して修正することなどが行われるようになった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】出願人はこのような従
来のロボット装置を用いて各種の作業を行っているが、
ティーチング・モードにより人が作業端の移動軌跡を入
力するものでは、入力される情報が即物的であり、さま
ざまな装置の誤差やその装置独特のくせ等を吸収した形
で制御を行うことができる。しかし、この作業情報の入
力にはきわめて大きい工数を要する。特に、いったんテ
ィーチングを行い試験運転をしたところ、作業ロボット
の作業情報に細かい修正を行うことが必要であることが
わかったときには、そのつど高度の技術を有する作業者
が時間のかかる作業を行うことが必要であり、作業ロボ
ットのティーチングやその修正が遅れがちになり、全体
工程管理の上での不都合がしばしば発生する。
【0010】一方、三次元座標測定器を用いて座標を数
値的に扱い、作業情報を数値情報として入力する場合に
は、作業ロボットの実際の動きは設計された理想的な形
状に沿うものであって、作業情報の入力や修正はコンピ
ュータ装置の画面上で短時間に行うことができる。ある
場合には被工作物のモデルが実物として存在しなくと
も、設計図面から読み取った数値情報から、作業ロボッ
トの作業情報を作ることができる利点がある。しかし、
実用的な作業ロボットによる作業工程に配置された被工
作物では、数値情報に表れない取付け誤差や機械の誤差
などがあり、実際に運転してからいろいろな修正を行う
ことが必要になることは免れることができない。
【0011】さらに数値情報によりティーチングを行う
と、被工作物を作業ロボットに取付けるときに、きわめ
て高い精度で取付けを行うことが必要になることがあ
る。これは連続的な繰り返し作業により量産を行う場合
に不利になる。
【0012】本願発明者は、数値情報により作業ロボッ
トに作業情報を入力する利点を生かしながら、実際に行
われる作業にこれを一致させて精度を向上させるととも
に、ティーチングのための工数を低減することを試み
た。
【0013】本発明は、数値情報により作業ロボットの
作業情報の入力を可能としてその利点を享受するととも
に、実用的な作業工程にその作業情報を即物的に適応さ
せることができるティーチング装置および方法を提供す
ることを目的とする。本発明は、ティーチングのための
作業工数を小さくすることができるとともに、実用的な
装置で生じる誤差を合理的に吸収することができる装置
および方法を提供することを目的とする。本発明は、テ
ィーチングの後に実用的な装置に適合させるための修正
をほとんど行う必要がない装置および方法を提供するこ
とを目的とする。本発明は、設計情報を数値情報として
受け取り、その数値情報にしたがって作業ロボットに作
業情報を入力することができるとともに、実用的な装置
で生じる誤差を簡単な作業で取り除くことができる装置
および方法を提供することを目的とする。本発明は、被
工作物の作業台への取付けは基本的にラフであってもよ
く、被工作物の取付けに対する作業工数の小さい装置お
よび方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は作業ロボットで
行う多くの作業が、被工作物を直接に作業ロボットの作
業台に取付けるのではなく、被工作物を一定の形状の治
具に取付け、その治具を作業ロボットの作業台に取付け
るようにして行っていることに着目したものである。一
般に被工作物とその被工作物に適合した治具との間に
は、作業ロボットで工作を行う工程期間にわたり問題に
なるような誤差は発生しない。被工作物を治具に取付け
る作業は簡単な作業により高い精度を維持することがで
きる。一方、その治具を作業台に取付けるには、大型の
ボルトおよびナットを用いて、作業台に設けられた長穴
に取付けるなど、その取付け誤差はかなり大きくなる。
【0015】この取付け誤差を数値的な演算処理で消去
することは困難であるが、使用する治具の全てに同一の
位置に3点〜10点程度の少数の所定点をマーキングに
より設けておき、この所定点に対して作業端を人手によ
り動かしてティーチングを行うことは簡単な作業であ
る。この所定点は、治具の表面に、治具を作業台に取付
けたときにも表面に表れるような位置に、人が目視によ
り認識できるようなマーキングにより設定される。
【0016】本発明の第一の観点は、ティーチング装置
であって、作業ロボットの作業端に取付けられたツール
の被工作物に対する作業位置および前記ツールの設定角
度を多数の数値情報(多次元の情報)として入力する入
力手段と、この数値情報について演算を行い演算結果に
したがって作業ロボットを制御する制御回路とを備えた
作業ロボットのティーチング装置である。本発明の特徴
とするところは、まず、被工作物の一つの型式について
その被工作物を作業ロボットの作業台に固定する定めら
れた形状の治具を備えるところにある。この治具はその
作業台に固定した状態でその治具の表面に表れる位置に
あらかじめ少なくとも3個の所定点(J0 、J1
2 、・・・)が目視できる形態で設定されている。さ
らに本発明の特徴とするところは、前記入力手段から被
工作物が前記治具に取付けられた状態についてこの所定
点(J0 、J1 、J2 、・・・)の座標があらかじめ前
記数値情報の一部として入力されるところにある。そし
て、実際の被工作物が前記治具と同一形状の治具を介し
て実際に作業台に取付けられた状態でこの所定点
(J0、J1 、J2 、・・・)の実際の位置情報があら
ためて入力され、前記制御回路は前記数値情報の一部で
ある所定点(J0 、J1 、J2 、・・・)の座標がこの
あらためて入力されたこの所定点(J0 、J1 、J2
・・・)の実際の位置情報が表す座標に一致するように
前記数値情報を座標変換する手段を備えたことを特徴と
する。この座標変換は3次元の座標変換である。
【0017】前記数値情報を前記作業ロボットに与える
情報が可搬記録媒体(例えばフロッピ・ディスク)に記
録されて移送される形態であることが望ましい。
【0018】本発明の第二の観点は作業ロボットであっ
て、作業情報を入力するティーチング・モードおよびそ
の作業情報にしたがって作業を実行するワーキング・モ
ードが設定可能な作業ロボットにおいて、前記ティーチ
ング・モードでは、上記のように数値情報を取込む手段
に加えて、作業台に固定された前記治具と同一形状の治
具についての前記所定点の実際の位置情報を入力する手
段とを備え、前記ワーキング・モードでは、取付けられ
たツールを前記ティーチング・モードで入力された前記
座標変換された座標により制御する制御回路を備えたこ
とを特徴とする。
【0019】本発明の第三の観点は、作業ロボットの制
御回路に対して数値情報により被工作物の作業情報を入
力するティーチング方法である。本発明は、前記被工作
物が定められた形状の治具に取付けられた状態にあるも
のとして、前記数値情報にはその治具の表面に設定され
た少なくとも3点の所定点についての位置情報を含み、
前記数値情報の入力に加えて、前記治具と同一形状の治
具がその作業ロボットの作業台に実際に固定された後に
その同一形状の治具の前記所定点の実際の位置情報を現
物に合わせて取込み、前記数値情報としての前記所定点
の位置情報が前記実際の位置情報に一致するように前記
数値情報を座標変換することを特徴とする。
【0020】すなわち本発明では、被工作物の設計モデ
ルを入力手段(例えばレイアウト装置)により数値情報
として入力する。その際に、被工作物の設計モデルを所
定の治具に固定しておく。この治具は被工作物に対して
作業ロボットにより加工工作などの作業を行う場合に、
その作業ロボットの作業台に取付けるための治具であ
る。その治具の上には数点の目視できる形態のマーキン
グを所定点として設けておく。入力手段ではその所定点
の位置も前記設計モデルの形状の情報に併せて数値情報
として入力する。
【0021】入力された数値情報は、望ましくは演算装
置で所望の作業ロボットに適合するように加工処理さ
れ、フロッピディスクに記録して、もしくは接続ケーブ
ルにより作業ロボットの制御回路に入力する。
【0022】作業ロボットでは、実際の作業に先立って
前記一定形状の治具に被工作物を取付ける。治具は、工
程上にある被工作物の数にしたがって、同一形状の物を
いくつも作っておくことができる。その治具には上記入
力手段に入力するときに用いた治具の所定点と同一のマ
ーキングが付けてある。その治具を作業ロボットの作業
台に固定した後に、この少数の所定点に対してのみ人手
によりその作業ロボットを使用してティーチング入力を
行う。これは作業ロボットに治具を取付ける作業の一環
として行うことができる。
【0023】作業ロボットの制御回路は、あらためてこ
の所定点のティーチング入力が行われると、数値情報と
して保持しているその所定点の座標が、あらためて入力
された所定点の座標と一致するように座標変換を行い、
その座標変換を行った情報について作業を実行する。す
なわち、ロボット装置では、所定点に対して現物合わせ
による入力が行われると、その所定点に対応して作業情
報の座標変換を実行し、数値入力された作業情報をその
所定点に適合するように直ちに自動的な演算により変更
することができる。
【0024】一般に治具は被工作物の形状に適合するよ
うに設計されるから、治具と被工作物との間の取付け誤
差は小さいが、治具を作業台に取付けるための誤差はし
ばしば大きくなる。この治具を作業台に取付けるための
誤差は上記座標変換により吸収されて作業結果には現れ
ない。このような手法により、数値情報による作業情報
の入力を行う利点を生かし、さらに現物合わせにより取
付け誤差その他各種の誤差を同時に取り除くことができ
る。
【0025】上記のような現物合わせの作業は、必ずし
も、全ての被工作物について繰り返すことは必要でな
い。実際の作業では、いったん治具の形状が定まり、上
記のような現物合わせにより所定点の入力のための作業
が行われると、連続する作業ではその状態を多数の被工
作物について継続させることができる。すなわち、前記
所定点があらかじめ10点設定されていたとしても、実
際の作業では、治具を作業台に取付けた後に、そのうち
の3点を入力すれば十分な精度が得られることもあり、
さらに治具を作業台に取付ける作業に慣れてくると、ま
ったく前記所定点を入力する作業が必要がなくなり、そ
の直前の状態を継続させることにより運転させることも
できるようになる。
【0026】
【実施例】次に、本発明実施例を図面に基づいて説明す
る。図1は本発明実施例の全体構成を示すブロック図、
図2は本発明実施例における作業ロボットのツールの設
定角度を説明する図、図3は本発明実施例における入力
手段の外観形状を示す斜視図である。
【0027】本発明実施例は、作業ロボット1の作業端
に取付けられたツール2の被工作物3aに対する作業位
置(x,y,z)およびツール2の設定角度αn を多数
の数値情報(三次元情報もしくは四次元情報)として入
力する入力手段4と、この数値情報について演算を行い
その演算結果を作業ロボット1に出力する演算装置5と
が備えられている。本発明の特徴として、第一に、被工
作物3aの一つの型式についてその被工作物3aを作業
ロボット1の作業台6に固定する一定形状の治具7を備
えることにある。被工作物3aは作業台6に直接取付け
るのではなく、治具7を介して取付ける。そして、この
治具7をその作業台6に固定した状態でその治具7の表
面に表れる位置にあらかじめ少なくとも3個の所定点J
0 、J1、J2 、・・・が目視できる形態で設定されて
いる。入力手段4から数値情報を入力する際に、この所
定点J0 、J1 、J2 、・・・の座標が併せて数値情報
の一部として入力される。数値情報は、演算装置5によ
りフロッピディスク11に記録されて演算装置5からフ
ロッピユニット12を介して作業ロボット1に移送され
る。
【0028】作業ロボット1には制御回路10が備えら
れ、この制御回路10には、作業情報を入力するティー
チング・モードおよびその作業情報にしたがって作業を
実行するワーキング・モードが設定可能である。ティー
チング・モードではまずこのフロッピディスク11から
数値情報を取り込む。その数値情報の中には、作業台6
に治具7が固定されたものとしての所定点J0 、J1
2 、・・・の位置情報が含まれている。
【0029】このような装置の入力作業および工作作業
について説明する。
【0030】まず入力作業では、入力手段4から数値情
報を入力する。入力手段4に用いられる被工作物はモデ
ルである。この被工作物モデル3は一つの型式について
1個あれば十分である。すなわちこの被工作物モデル3
は設計された形状であり、あるいは最終的な加工が終了
した理想的な形状をしているモデルである。これを入力
手段4(ここでは市販のレイアウト装置)を用いてその
形状を数値情報として計測し演算装置5に入力する。入
力手段4およびこの演算装置5が設置されている部屋は
清潔な環境の精密工作室がよい。この入力作業は被工作
物モデル3の一つの型式について、1回の精度の高い作
業を行えばよくこの作業を繰り返して行う必要はない。
【0031】ここで得られた数値情報は演算装置5によ
り適当なフォーマットに演算処理され、フロッピユニッ
ト12によりフロッピディスク11に記録される。この
フロッピディスク11は制御回路10のフロッピユニッ
ト12に移送される。
【0032】一方、作業台6にはこれから工作しようと
する被工作物3aが治具7に取付けられた状態で設置さ
れる。作業台6は実際に工作が行われる工場の作業場に
配置される。この作業場は切削のための冷却水の飛沫が
飛び、あるいは切削に伴う粉塵などが発生する現場であ
る。被工作物3aはまだこれから加工しようとする金属
材料の物体であり、この金属材料の物体を入力手段4で
入力した被工作物モデル3と同一の形状に加工しようと
するものである。この被工作物3aはきわめて多数個あ
る。被工作物3aが載置された治具7は作業者によって
作業ロボット1側の作業台6上に配置される。図示され
ていないボルトおよびナットなどにより作業台6に固定
される。
【0033】その固定作業が終わると、作業者はティー
チングパッド13を操作してティーチング・モードを設
定する。そして治具7の表面に設定された前記所定点J
0 、J1 、J2 の3点の位置にツール2の先端を移動さ
せ、その都度ティーチングパッド13を操作してその位
置を教示する。この教示が終わりティーチングパッド1
3を操作してワーキング・モードを設定すると、作業ロ
ボット1の制御回路10はこれまでに入力された作業情
報にしたがって作業を開始する。
【0034】このときに、この所定点J0 、J1 、J2
は入力手段4で入力された値と、作業台6に取付けられ
た状態の値との間で当然にずれがある。しかし、治具7
と被工作物モデル3との間にはほとんど問題になるずれ
はない。したがって、制御回路10は入力手段4で入力
された所定点J0 、J1 、J2 をこの作業台6に取付け
られた状態での所定点J0 、J1 、J2 に一致させるよ
うに、フロッピディスク11から入力されて制御回路1
0の内部に保持しているこの工作に係わるすべての数値
情報について座標変換を実行する。
【0035】ここで工作作業に入る。制御回路10はこ
の座標変換された数値情報にしたがって、実際の工作作
業を実行する。そうすると、その工作作業は治具7の位
置情報にしたがって変換された座標について実行される
から、治具7と作業台6との間の取付け形態にずれがあ
っても、これはすべて吸収されてしまい、治具7と被工
作物3aとの間にはずれがほとんど生じることなく、実
際の工作作業を理想的な形態で実行することができる。
【0036】上記実施例では入力手段4として図1およ
び図3に示すような三次元測定器が用いられるように説
明したが、他の入力手段として設計図から数値情報を読
み取る装置を用いることにより、現物を表す形状のもの
を用いることなく、すべてをソフトウエアで入力するよ
うな入力手段を用いることもできる。その場合には、被
工作物モデルは実在しない。そのモデルに取付ける治具
も実在しないが、実際に工作が行われる被工作物3aを
取付けるための治具は多数実在することになる。
【0037】ここで、本発明実施例の制御動作について
説明する。図4は本発明実施例における動作の流れを示
すフローチャートである。
【0038】被工作物モデル3が治具7上に載置され固
定される。この治具7が入力手段4にセットされる。プ
ローブ4aが被工作物モデル3の作業位置mn (n=
1、2、…)に順次位置合わせされると、入力手段4
は、図5に示す加工線の各作業位置mn の座標データお
よび図2に示すツール2の関節角度データを取込み演算
装置5に送出する。次いで、治具7上にあらかじめ設定
された所定点J0 、J1 、J2 に入力手段4のプローブ
4aが合わされると、入力手段4はこの所定点J0、J
1 、J2 のデータを演算装置5に送出する。
【0039】演算装置5は、この数値情報をフロッピデ
ィスク11または図外の接続ケーブルにより制御回路1
0に送出する。
【0040】制御回路10は、この作業位置mn および
ツール2の設定角度αn をこの所定点J0 、J1 、J2
に対する相対座標として治具7の平面位置を算出し、こ
の治具7の平面位置および治具7のデータから図6の架
空の加工線上に示す法線座標(x、y、z)およびベク
トルを算出する。次いで、算出した法線座標、ベクトル
および関節角度データを作業ロボット1用のデータに変
換し、必要ある場合には作業者によるデータ修正を受け
る。
【0041】作業者により作業台6に工作しようとする
被工作物3aが治具7に取付けられた状態で設置され、
ティーチングパッド13を操作してティーチング・モー
ドが設定される。治具7の表面に設定された所定点
0 、J1 、J2 の3点の位置にツール2の先端が合わ
されて教示される。制御回路10はその所定点の位置、
およびロボット用データに変換した法線座標の位置、ベ
クトル、関節角度データから各作業位置情報を算出す
る。ここで、ティーチングパッド13を操作してワーキ
ング・モードが設定されると、制御回路10は算出した
各作業情報を送出しロボットアーム1aを制御して工作
作業を実行させる。
【0042】このように本発明の装置および方法では、
設計の作業すなわち数値情報を作成する作業は、治具7
上の数点についての情報が加わるだけで事実上従来装置
と同様である。作業ロボット1による工作作業では、被
工作物3aを作業ロボット1の作業台6に取付ける作業
に加えて、数点の位置情報をティーチング入力すること
が必要であるが、このわずかな作業により、設計情報と
実際の工作作業との間に存在するさまざまな誤差がすべ
て吸収消滅することになり、工作精度はいちじるしく向
上する。これにより、数値情報による作業情報の入力を
行う利点を生かすとともに、各種の誤差を現物合わせに
よって取り除くことができる。本発明の方法では、設計
された数値情報を使用して実際の工作作業を行っても、
その間に修正をほとんど行わずにティーチングにより入
力されたとおりの作業を行うことができる。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、数
値情報により作業ロボットの作業情報の入力を可能とし
てその利点を享受するとともに、実用的な作業工程にそ
の作業情報を適応させることができる。これにより、テ
ィーチングのための作業工数を小さくすることができる
とともに、装置で生じる誤差を合理的に吸収してティー
チング後に装置に適合させるための修正をほとんど行う
必要をなくすことができ、さらに、被工作物の取付けに
要する作業工数を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の全体構成を示すブロック図。
【図2】本発明実施例における作業ロボットのツールの
設定角度を説明する図。
【図3】本発明実施例における入力手段の外観形状を示
す斜視図。
【図4】本発明実施例における動作の流れを示すフロー
チャート。
【図5】本発明実施例における被工作物の作業位置の座
標および所定点を説明する図。
【図6】本発明実施例における法線座標およびベクトル
を説明する図。
【図7】従来例の構成を示す図。
【符号の説明】
1 作業ロボット 1a ロボットアーム 2 ツール 3 被工作物モデル 3a 被工作物(実際の作業を行うもの) 4 入力手段 4a プローブ 5 演算装置 6 作業台 7 治具 10 制御回路 11 フロッピディスク 12 フロッピユニット 13 ティーチングパッド

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 作業ロボットの作業端に取付けられたツ
    ールの被工作物に対する作業位置および前記ツールの設
    定角度を数値情報として入力する入力手段と、この数値
    情報について演算を行いその演算結果に基づいて作業ロ
    ボットを制御する制御回路とを備えた作業ロボットのテ
    ィーチング装置において、 被工作物の一つの型式についてその被工作物を作業ロボ
    ットの作業台に固定する定められた形状の治具を備え、
    この治具をその作業台に固定した状態でその治具の表面
    に表れる位置にあらかじめ少なくとも3個の所定点(J
    0 、J1 、J2、・・・)が目視できる形態で設定さ
    れ、 前記入力手段から被工作物が前記治具に取付けられた状
    態についてこの所定点(J0 、J1 、J2 、・・・)の
    座標があらかじめ前記数値情報の一部として入力され、 被工作物が前記治具と同一形状の治具を介して実際に作
    業台に取付けられた状態でこの所定点(J0 、J1 、J
    2 、・・・)の実際の位置情報があらためて入力され、 前記制御回路は前記数値情報の一部である所定点
    (J0 、J1 、J2 、・・・)の座標がこのあらためて
    入力されたこの所定点(J0 、J1 、J2 、・・・)の
    実際の位置情報が表す座標に一致するように前記数値情
    報を座標変換する手段を備えたことを特徴とする作業ロ
    ボットのティーチング装置。
  2. 【請求項2】 前記数値情報を前記作業ロボットに与え
    る情報が可搬記録媒体に記録されて移送される請求項1
    記載の作業ロボットのティーチング装置。
  3. 【請求項3】 作業情報を入力するティーチング・モー
    ドおよびその作業情報にしたがって作業を実行するワー
    キング・モードが設定可能な作業ロボットにおいて、 前記ティーチング・モードでは、請求項1または2記載
    の数値情報を取込む手段と、作業台に固定された前記治
    具の前記所定点の実際の位置情報を入力する手段とを備
    え、 前記ワーキング・モードでは、取付けられたツールを前
    記ティーチング・モードで入力された前記座標変換され
    た座標により制御する制御回路を備えたことを特徴とす
    る作業ロボット。
  4. 【請求項4】 作業ロボットの制御回路に対して数値情
    報により被工作物の作業情報を入力するティーチング方
    法において、 前記被工作物が定められた形状の治具に取付けられた状
    態にあるものとして、前記数値情報にはその治具の表面
    に設定された少なくとも3点の所定点についての位置情
    報を含み、 前記数値情報の入力に加えて、前記治具と同一形状の治
    具がその作業ロボットの作業台に実際に固定された後に
    その同一形状の治具の前記所定点の実際の位置情報を現
    物に合わせて取込み、 前記数値情報としての前記所定点の位置情報が前記実際
    の位置情報に一致するように前記数値情報を座標変換す
    ることを特徴とするティーチング方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022142884A (ja) * 2021-03-17 2022-10-03 株式会社コヤマ 機械加工装置の加工支援システム

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