JPH09102635A - 圧電アクチュエータの駆動装置および駆動方法 - Google Patents

圧電アクチュエータの駆動装置および駆動方法

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JPH09102635A
JPH09102635A JP7258636A JP25863695A JPH09102635A JP H09102635 A JPH09102635 A JP H09102635A JP 7258636 A JP7258636 A JP 7258636A JP 25863695 A JP25863695 A JP 25863695A JP H09102635 A JPH09102635 A JP H09102635A
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    • HELECTRICITY
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、圧電アクチュエータのストローク
を十分に作動させても、圧電アクチュエータにクラック
および割れが発生しない圧電アクチュエータの駆動装置
および駆動方法を提供することを課題とする。 【解決手段】 圧電アクチュエータへの印加電圧の正負
一方で、圧電材料の180度分域反転量(太枠部分)が
該材料の全180度分域反転量S1 (斜線部分)の三分
の一以下に収まる安全範囲Vlim1を設定する安全範囲設
定過程と、印加電圧を安全範囲Vrange1内に制限して圧
電アクチュエータに印加する駆動過程とを有する圧電ア
クチュエータの駆動方法。ならびに、安全範囲Vrange1
で印加電圧を生じる駆動装置。必要に応じて温度補償も
行う。180度分域反転量が制限されるので、圧電アク
チュエータに局部的な応力集中が少なく、クラックおよ
び割れを生じない範囲でアクチュエータの能力は最大限
に発揮される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明の圧電アクチュエータ
の駆動装置および駆動方法は、各種精密機械等に装備さ
れうる圧電アクチュエータの駆動技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来の圧電アクチュエータを駆動する印
加電圧を制限する技術に関しては、特開平2−2019
77号、特開昭62−57265号、特開昭61−28
9682号、および特開平1−226187号の各公報
に開示されている技術がある。これらは、圧電アクチュ
エータの変位量を大きくしたり、圧電アクチュエータに
印加される電圧の低電圧化を図ったり、圧電アクチュエ
ータを形成している圧電材料の分極劣化を防止すること
などを解決すべき課題としている。
【0003】特に、特開平2−201977号および特
開平1−226187号の各公報では、変位量を大きく
することを目的にして、圧電材料の分極方向と逆極性に
あたる印加電圧の上限値または下限値を、同圧電材料の
抗電界以下の範囲に制限する技術が開示されている。ま
た、特開昭62−57265号公報では、圧電材料の分
極劣化を防止することを目的にして、同圧電材料の逆分
極方向に抗電界の1/4〜9/10の電界を与える電圧
に、印加電圧の上限値または下限値を制限する技術が開
示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述の各公報に開示さ
れている技術は、印加電圧の上限値および下限値のうち
少なくとも一方を制限しているものの、圧電アクチュエ
ータの駆動中に生じる割れおよびクラックを防止するこ
とには配慮がなされていない。したがって、上記のいず
れの技術によっても、圧電アクチュエータの割れおよび
クラックの発生を防止するのに十分な効果は得られな
い。
【0005】発明者らの知見によれば、抗電界に対して
印加電圧の範囲を制限しようとする前述の手段では、十
分な性能を発揮しつつクラックおよび割れを防止するこ
とは難しい。すなわち、圧電アクチュエータの作動スト
ロークを十分に取りながら、割れおよびクラックが発生
することがない安全範囲を定めるためには、抗電界のみ
に基づく印加電圧範囲の設定では十分な効果が望めな
い。
【0006】そこで本発明は、抗電界のみに基づく印加
電圧の安全範囲の設定に代わって、より有効な圧電アク
チュエータの印加電圧の安全範囲を設定し、もって圧電
アクチュエータを駆動することを目的としている。すな
わち、本発明は、圧電アクチュエータのストロークを本
来の設計値付近まで十分に作動させても、圧電アクチュ
エータにクラックおよび割れが発生しない圧電アクチュ
エータの駆動装置および駆動方法を提供することを課題
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
(装置発明)本発明の第1構成は、圧電材料よりなり該
材料の圧電効果によって変位または力を生じる圧電アク
チュエータに、所定の範囲で電圧を印加して該アクチュ
エータを駆動する駆動装置において、前記アクチュエー
タに印加される印加電圧の上限値および下限値のうち一
方は、該一方の値の当該印加電圧での前記圧電材料の1
80度分域反転量が、該材料の全180度分域反転量の
三分の一以下に収まる安全範囲に設定されている印加電
圧制限手段を有することを特徴とする圧電アクチュエー
タの駆動装置である。
【0008】ここでは、180度分域反転量および全1
80度分域反転量は、次のように定義されている。すな
わち、圧電アクチュエータを駆動する印加電圧を正負に
大きい範囲で振って、圧電アクチュエータに流れる微弱
な電流を測定すると、図1に示すように、電圧対電流の
ヒステリシス曲線が得られる。電圧をゼロに戻す過程で
は電流にピークは生じないが、正の電圧を増していく過
程で電流にピークP2 が生じ、負の電圧を増していく過
程で電流には負のピークP1 が生じる。この各ピークP
1 ,P2 を生じる際の電圧V1 ,V2 を抗電圧という。
抗電圧下では、圧電アクチュエータを形成している圧電
材料には抗電界が印加されている。
【0009】さて、図1に示すように、印加電圧を正か
ら負に振る過程で印加電圧が0Vになる時点における電
流値で底辺が形成され、ピークP1 を頂点とする下に凸
の電圧・電流領域(斜線部分)の面積S1 を、「全18
0度分域反転量」と定義する。そして、前述の印加電圧
0Vの時点から、負の所定電圧までの電圧・電流領域
(斜線部分)の面積(図中太枠の領域)をもって、「1
80度分域反転量」と定義する。180度分域反転量
(1/3・S1 )が、全180度分域反転量S1 の三分
の一に達する電圧をもって、印加電圧の安全範囲の下限
値Vlim1と定義する。
【0010】したがって、印加電圧の負の最大値(絶対
値)が下限値Vlim1(の絶対値)以下であれば良しとす
るのが、本発明の安全範囲の設定の仕方である。逆に正
の印加電圧については、絶縁破壊等の不具合が無いかぎ
り、特に制限を設ける必要は必ずしも無い。同様に、正
の電圧限界(上限値Vlim2)をもって、安全範囲が制限
されていてもよい。すなわち、図2に示すように、印加
電圧を負から正に振る過程で印加電圧が0Vになる時点
における電流値を底辺とし、正の電流ピークP2 を頂点
とする斜線の領域を、正の全180度分域反転量S2
定義する。そして、正の180度分域反転量(1/3・
2 )が、全180度分域反転量S2 の三分の一に達す
る電圧をもって、印加電圧の安全範囲の上限値Vlim2
定義する。
【0011】したがって、印加電圧の正の最大値が下限
値Vlim2以下であれば良しとする。この場合、逆に負の
印加電圧については、特に制限を設ける必要は無い。な
お、「分域反転」は、「分極反転」と同義である。本発
明の第2構成は、上記第1構成において、前記圧電アク
チュエータは、積層圧電アクチュエータ、バイモルフお
よびユニモルフのうちいずれかであることを特徴とす
る。
【0012】本発明の第3構成は、上記第1構成におい
て、前記圧電アクチュエータの温度を測定する温度計測
手段を備えており、前記印加電圧制限手段は、該温度計
測手段により測定された温度に基づいて前記の上限値お
よび下限値のうち一方の値を設定する温度補償手段を有
することを特徴とする。 (方法発明)本発明の第4構成は、圧電材料よりなり圧
電効果によって変位または力を生じる圧電アクチュエー
タに印加される印加電圧の正値領域および負値領域のう
ち一方において、該圧電材料の180度分域反転量が該
材料の全180度分域反転量の三分の一以下に収まる安
全範囲を設定する安全範囲設定過程と、前記印加電圧を
前記安全範囲内に制限して前記圧電アクチュエータに印
加する駆動過程とを有する圧電アクチュエータの駆動方
法である。
【0013】本発明の第5構成は、上記第4構成におい
て、前記安全範囲設定過程において、前記安全範囲は、
前記圧電アクチュエータの印加電圧に対する電流の特性
を測定を行うことにより設定されることを特徴とする。
本発明の第6構成は、上記第4構成において、前記安全
範囲設定過程において、前記安全範囲は、前記圧電アク
チュエータの材料特性の統計資料および数値計算のうち
いずれかに基づいて設定されることを特徴とする。
【0014】本発明の第7構成は、上記第4構成におい
て、予め計測、数値計算および統計資料のうちいずれか
の手段により、前記圧電アクチュエータの使用温度範囲
での該アクチュエータの温度と前記180度分域反転量
との関係が求められており、前記安全範囲設定過程にお
いては、該温度の計測値または推定値に基づいて、前記
関係により該温度での前記安全範囲が設定されることを
特徴とする。
【0015】本発明の第8構成は、上記第7構成におい
て、前記温度と前記安全範囲との関係が一次関数として
記憶されており、前記安全範囲設定過程においては、前
記圧電アクチュエータの温度の計測値または推定値に基
づいて、該一次関数から当該温度での前記安全範囲が算
出されることを特徴とする。
【0016】
【作用および発明の効果】
(装置発明)本発明の第1構成では、正負いずれか一方
の圧電材料の180度分域反転量が全180度分域反転
量の三分の一以下に収まっているので、印加電圧が抗電
圧に達しない範囲で制限される。すなわち、分域反転が
決定的に大きくならない範囲で圧電材料にかかる電圧が
制限されるので、極性が逆の印加電圧が印加された場合
にも、再び逆に分域反転して大きな電流ピークが生じる
こともない。それゆえ、分域反転による局部的な温度上
昇および内部応力は低く抑制され、圧電アクチュエータ
にクラックおよび割れが生じることがなく、圧電アクチ
ュエータの破壊限界は巧妙に回避される。
【0017】したがって、本構成によれば、不要な分域
反転が生じることがなく、圧電アクチュエータの破壊限
界は巧妙に避られるので、クラックおよび割れの発生が
防止されるという効果がある。逆に言えば、クラックお
よび割れが発生しない範囲で、圧電アクチュエータとし
て機能(作動ストロークまたは発生力)を最大限に発揮
させることが可能になるという効果がある。
【0018】なお、ここでいう「割れ」とは、圧電素子
が2分割以上に物理的に分離することであり、「クラッ
ク」とは、割れに達しない亀裂のことである。本発明の
第2構成では、積層圧電アクチュエータ、バイモルフお
よびユニモルフと明記されているので、より明確に駆動
対象の圧電アクチュエータを特定することができる。な
お、バイモルフまたはユニモルフが複数枚積層されてい
る積層型や、各種圧電アクチュエータが組み合わされて
いる複合型の圧電アクチュエータも、本構成に含まれる
ものとする。
【0019】本発明の第3構成では、温度計測手段およ
び温度補償手段が装備されている。温度計測手段によ
り、作動中の圧電アクチュエータの温度が計測され、そ
の温度での圧電材料の抗電圧特性に基づいて最も適正な
印加電圧の安全範囲の補償が、温度補償手段により行わ
れる。したがって、本構成によれば、圧電アクチュエー
タの作動温度が大きく変動する場合でも、その温度で最
適な安全範囲の設定が行われ、クラックおよび割れが発
生する危険なしに、最大限に圧電アクチュエータを駆動
することができるという効果がある。
【0020】すなわち、設計時に予想された温度を外れ
た温度で圧電アクチュエータが駆動される場合にも、ク
ラックおよび割れが生じる心配がなく、圧電アクチュエ
ータの信頼性と寿命を向上させることができる。逆に言
うと、温度の変動を見込んで最も不利な条件下でもクラ
ックおよび割れが発生することがないように、必要以上
に安全側に印加電圧の制限を設ける必要がなくなる。そ
の結果、あらゆる作動範囲の温度で、クラックおよび割
れの生じない限界である最大限の駆動性能を圧電アクチ
ュエータに発揮させることが可能になるという効果があ
る。
【0021】(方法発明)本発明の第4構成では、前述
の第1構成とほぼ同様の作用効果が得られる。すなわ
ち、安全範囲設定過程では、正負いずれか一方の圧電材
料の180度分域反転量が全180度分域反転量の三分
の一以下に収まる範囲で、印加電圧の安全範囲が設定さ
れる。そして、駆動過程では、この安全範囲にもとづい
て印加電圧が制御されるので、圧電アクチュエータの破
壊限界は巧妙に回避される。
【0022】したがって、本構成によれば、安全範囲設
定過程で設定された最適の印加電圧範囲で圧電アクチュ
エータが駆動されるので、クラックおよび割れの発生が
防止されるという効果がある。逆に言えば、クラックお
よび割れが発生しない範囲で、圧電アクチュエータとし
て機能(作動ストロークまたは発生力)を最大限に発揮
させることが可能になるという効果がある。
【0023】本発明の第5構成では、圧電アクチュエー
タの電圧・電流特性の実測値に基づいて安全範囲が設定
される。したがって、本構成によれば、より正確かつ安
全確実に安全範囲が設定され、圧電アクチュエータの性
能がクラックおよび割れの無い範囲で最大限に発揮され
るという効果がある。なお、この測定は、圧電アクチュ
エータの出荷試験の一部として行われるようにすると、
余分な手間をかけることなく安全範囲設定過程が実施さ
れるので、好都合である。
【0024】本発明の第6構成では、圧電アクチュエー
タの圧電材料の特性に関する統計資料や数値計算に基づ
いて、安全範囲が設定される。ここで、統計資料とは、
各圧電アクチュエータのもつ特性の個体差に関する統計
データを指す。あるいは、各種材料の成分の配合に関す
る抗電界および180度分域反転量のデータベース(こ
の成分では抗電界がこのくらいとか)をも含む。データ
ベースがあれば、それを補間して新しい配合の圧電材料
についても、分域特性を推定することが可能である。
【0025】一方、数値計算の世界では、スーパーコン
ピュータ等を用いて材料の組成から特性を推算する技術
が成長中であり、データベースの範疇外の全く新しい圧
電材料について、その特性を予測することも可能になり
つつある。したがって、本構成によれば、一つ一つの圧
電アクチュエータについて、その電圧・電流特性を測定
する必要がなくなり、コストダウンになるという効果が
ある。
【0026】本発明の第7構成では、使用温度範囲での
圧電アクチュエータの温度と180度分域反転量との関
係(すなわち三分の一分域反転量にあたる印加電圧)
が、何らかの手段で予め求められている。そして、安全
範囲設定過程において、圧電アクチュエータの温度の計
測値または推定値に基づいて、上記関係により最適の安
全範囲が定められる。換言すれば、印加電圧に関する温
度補償がなされるようになる。
【0027】したがって、本構成によれば、圧電アクチ
ュエータの温度が大きく変動している場合にも、常に最
適の安全範囲が定められる。それゆえ、設計時には予想
外の温度に対しても、圧電アクチュエータはクラックお
よび割れを生ずることなく駆動されるという効果があ
る。すなわち、各温度で、クラックおよび割れを生じな
い範囲で最大限の圧電アクチュエータの機能を発揮せし
めることが可能になるという効果がある。
【0028】本発明の第8構成では、圧電アクチュエー
タの温度と安全範囲との関係が一次関数として記憶され
ている。(同関係は、通常の圧電材料では、正常な作動
温度においては一次関数と置いて大きな誤差を生じるこ
とはない。)一次関数は、二つの定数(例えばY切片と
傾き)によって一意に定義されるので、メモリーに沢山
のデータが格納されている必要がなく、メモリー容量
(または温度補償回路)の大幅な節約になる。
【0029】したがって、本構成によれば、印加電圧の
安全範囲に関する温度補償を施すことが、極めて単純か
つ容易になるという効果がある。
【0030】
〔実施例1〕
(実施例1の圧電アクチュエータの製造)圧電材料とな
るセラミックスの微粉末とバインダとの混合物にプレス
加工が施され、その後、CIP(冷間静圧プレス)が施
された。プレス処理された混合物の成形体は、脱脂され
たのち、電気炉で1200°Cに4時間保たれ、焼成さ
れた。こうして得られた焼結体は、外径12mm、厚さ
0.5mmに寸法を整えられ、その後、この焼結体の両
面には、銀ペーストがスクリーン印刷により塗布され
て、銀よりなる表面電極が形成された。
【0031】この表面電極の形成された焼結体が50
枚、電極の向きを互い違いにして積層され、本実施例の
駆動装置および駆動方法に供される積層圧電アクチュエ
ータが製造された。 (実施例1の電流・電圧特性の測定=180度分域反転
量の測定)上記圧電アクチュエータの180度分域反転
量を測定することを目的として、20MPaの圧縮応力
の下で、圧電アクチュエータの電流・電圧特性が測定さ
れた。その際の印加電圧は、±1000Vの振幅の三角
波の波形で、0.1Hzの周波数(したがって周期は1
0秒)であった。
【0032】その結果、図3に示すように、ヒステリシ
スをもった電流・電圧特性が記録された。その電流波形
を詳しく説明すると、180度分域反転は、電流が急激
に増減するところで起こっており、図3中の領域S1,
S2の部分がこれに相当する。ここで、電流の大きさは
180度分域の反転の大きさを示し、電流×電圧の面積
(ハッチング部分の全面積)は、180度分域反転量の
全反転量(全180度分域反転量)に対応している。
【0033】電流のピークP1 ,P2 は、電圧の正負両
側に現れている。この電流ピークP 1 ,P2 に対応する
電圧V1 ,V2 は、一般に抗電圧(圧電材料レベルでは
抗電界)と呼ばれている。したがって、180度分域反
転は、印加電圧が抗電圧V1,V2 を越える際に最も多
く発生する。なお、電流のピークP1 ,P2 が電圧の正
負両側に現れているのは、抗電圧V1 ,V2 を越えると
180度分域(または分極の方向)が極性によって反転
する性質をもつからである。
【0034】また、電流×電圧の面積(電圧による電流
の積分値)が180度分域反転量(または180度分域
反転領域)であり、全面積は全180度分域反転量に相
当する。すなわち、印加電圧を正から負に振る過程で印
加電圧が0Vになる時点における電流値で底辺が形成さ
れ、ピークP1 を頂点とする下に凸の電圧・電流領域
(斜線部分)の面積S1 を、「全180度分域反転量」
と定義する。そして、前述の印加電圧0Vの時点から、
負の所定電圧までの電圧・電流領域の面積(図中太枠の
領域)を、「180度分域反転量」と定義する。
【0035】(本発明の安全範囲の設定基準の根拠とな
る試験)発明者らは、180度分域反転量に着目し、抗
電圧V1 ,V2 に基準をとって印加電圧制限を設けてい
る従来技術の考えに代えて、180度分域反転量を全1
80度分域反転量S1 ,S2 の所定の割合に抑えること
による電圧制限を行うことを発想した。なぜならば、1
80度分域反転量を制限することは、圧電材料内の分域
反転を制限することに直結し、材料の内部での微細な組
織の劣化を防ぐことになると考えたからである。
【0036】そこで、発明者らは、180度分域反転量
が、全180度分域反転量S1 のどの程度の割合に制限
されていれば、圧電アクチュエータにクラックおよび割
れが生じないかを試験により明らかにした。試験には、
前述の圧電アクチュエータが供され、印加電圧の範囲の
高電圧側は500Vに固定されて、低電圧側の印加電圧
の範囲が幾通りかに設定されていた。すなわち、負の印
加電圧の制限は、180度分域反転量が全180度分域
反転量の10%,20%,30%,40%,60%,8
0%,100%になる電圧にそれぞれ設定されて、試験
が行われた。その際の試験条件としては、温度50°
C、負荷荷重50kg(圧縮応力20MPaに相当)、
(印加電圧の安全範囲の上限下限の往復)繰り返し回数
105 回が適用された。
【0037】その結果、図4に示すように、30%と4
0%との間で、クラックおよび割れの発生率が0%から
80%に立ち上がっており、同発生率が急変する領域が
この間にあることが推測された。そこで、追試として1
80度分域反転量の全180度分域反転量に占める率が
33%および37%の二つのケースについて、同様の試
験が行われた。すると、前者では発生率はゼロ、後者で
は発生率が30%という試験結果が得られた。なお、図
4は、180度分域反転量と割れ・クラックの発生率と
の関係を示すグラフである。
【0038】したがって、発明者らは、再び図3に示す
ように、180度分域反転量が全180度分域反転量S
1 の三分の一に達する電圧をもって印加電圧の安全範囲
の下限値Vlim1に設定した。以上の試験結果から、この
範囲に印加電圧の安全範囲V range1の一方が納まってい
れば、クラックおよび割れの発生率をほぼゼロに抑制で
きることが明らかになったからである。一方、印加電圧
の安全範囲の上限値は、特に500Vに制限されている
必要はなく、装置設計上の都合等で適当に設定されて構
わない。
【0039】(実施例1の圧電アクチュエータの駆動装
置および駆動方法)以上の試験結果と考察を踏まえて、
本発明の圧電アクチュエータの駆動装置が試験用に試作
され、本発明の駆動方法にしたがって運用されている。
すなわち、本実施例の駆動装置は、前述の圧電アクチュ
エータに、所定の範囲で電圧を印加して該アクチュエー
タを駆動する駆動装置であり、印加電圧制限手段を有す
る。同手段では、アクチュエータに印加される印加電圧
の下限値Vlim1は、当該印加電圧での圧電アクチュエー
タを形成している圧電材料の180度分域反転量が、圧
電材料の全180度分域反転量S1 の三分の一以下に収
まる安全範囲に設定されている。
【0040】つまり、本実施例の駆動装置では、予め安
全範囲設定過程において、安全範囲Vrange1は、圧電ア
クチュエータの印加電圧に対する電流の特性を測定する
ことにより設定されている。すなわち、電流・電圧特性
の測定により、圧電アクチュエータに印加される印加電
圧の負値領域において、各電圧に対応して、圧電アクチ
ュエータを形成している圧電材料の180度分域反転量
がそれぞれ求まる。この180度分域反転量が、圧電材
料の全180度分域反転量の三分の一以下に収まる電圧
に、安全範囲の下限値Vlim1が設定されている。
【0041】しかるのちに、駆動過程において、本実施
例の駆動装置は、印加電圧は安全範囲Vrange1内に制限
されて圧電アクチュエータに印加される。それゆえ、圧
電アクチュエータにクラックおよび割れを生じることな
く、圧電アクチュエータは十分に大きなストロークで駆
動される。 (実施例1の効果)以上詳述したように、本実施例の圧
電アクチュエータの駆動装置および駆動方法によれば、
圧電アクチュエータにクラックおよび割れを生じること
なく圧電アクチュエータを駆動することができるという
効果がある。したがって、圧電アクチュエータのストロ
ークを本来の設計値付近まで十分に作動させても、圧電
アクチュエータにクラックおよび割れが発生しない圧電
アクチュエータの駆動装置および駆動方法を提供するこ
とができた。
【0042】換言すれば、本実施例により、従来の抗電
界のみに基づく印加電圧の安全範囲の設定に代わって、
より有効な圧電アクチュエータの印加電圧の安全範囲を
設定する手段を提供することができた。 (実施例1の変形態様1)実施例1と同様に、正の電圧
限界(上限値Vlim2)をもって、圧電アクチュエータの
印加電圧の安全範囲が制限されていてもよい。
【0043】すなわち、図5に示すように、印加電圧を
負から正に振る過程で印加電圧が0Vになる時点におけ
る電流値を底辺とし、正の電流ピークP2 を頂点とする
斜線の領域を、正の全180度分域反転量S2 と定義す
る。そして、正の180度分域反転量(太枠に囲まれた
領域)が、全180度分域反転量S2 の三分の一である
電圧をもって、印加電圧の安全範囲の上限値Vlim2と定
義する。
【0044】したがって、印加電圧の正の最大値が下限
値Vlim2以下であれば良しとする。この場合、逆に負の
印加電圧については、特に制限を設ける必要は無い。 (実施例1の変形態様2)前述の印加電圧の安全範囲の
一方は、下限値Vlim1または上限値Vlim2に対して適正
な余裕(安全マージン)をとって設定されていてもよ
い。安全マージンの存在は、圧電アクチュエータの発揮
し得る性能を若干損ねるものの、圧電アクチュエータの
温度変化や製品間のばらつき、駆動装置のばらつきや電
源電圧の変動などに対する許容性を生じ、信頼性の向上
に寄与する。
【0045】(実施例1の変形態様3)前述の安全範囲
設定過程において、安全範囲を定める手段として、実際
に電流・電圧特性を測定する実測の他に、圧電アクチュ
エータの材料特性の統計資料や材料科学に基づく数値計
算により、推定または算定する手段もある。これらの手
段によれば、何らかの理由で電流・電圧特性の実測が困
難な場合にも、実測することなく安全範囲を設定するこ
とが可能になる。
【0046】(実施例1の変形態様4)本実施例が駆動
対象とする圧電アクチュエータとして、圧電素子単体や
積層圧電アクチュエータの他にも、バイモルフやユニモ
ルフを使用することも可能である。また、バイモルフや
ユニモルフを複数枚積層した圧電アクチュエータなど、
あらゆる種類の圧電アクチュエータに対して、本実施例
は適用可能である。
【0047】〔実施例2〕前述の実施例1では、圧電ア
クチュエータの作動温度がほぼ一定であり、予測可能で
あることを暗黙裏に前提としていた。しかし、本実施例
では、圧電アクチュエータの温度がある程度大きな所定
の範囲で変化する場合を想定し、作動温度により電流・
電圧特性が変化する圧電アクチュエータに温度補償をし
て適正に駆動する手段を例示する。ここでいう適正な駆
動とは、クラックおよび割れを生じない範囲で圧電アク
チュエータのストロークを最大限にとることを意味す
る。
【0048】(電流・電圧特性の温度変化)上記目的を
達成するには、作動範囲の各温度において、180度分
域反転量が全180度分域反転量の三分の一になる印加
電圧を測定、算定、または推定する必要がある。本実施
例では、実施例1と同一の圧電アクチュエータを試料と
して複数の温度において電流・電圧特性を測定した。
【0049】その結果、圧電アクチュエータの抗電圧
は、温度が高くなるほど絶対値が低い(すなわちゼロに
近い)電圧になることが明らかになっている(圧電材料
一般になりたつ傾向である)。したがって、180度分
域反転量が全180度分域反転量の三分の一になる電圧
(ここでは便宜的に1/3電圧と呼ぶ)も、図6に示す
ように、温度が高くなるほどゼロに近づく。なお、図6
は、三分の一180度分域反転量時の電圧の温度特性を
示すグラフである。
【0050】この試験では、室温から150°Cまでの
4点で電流・電圧特性が測定されており、このデータを
見るかぎり、温度と1/3電圧との間に極めて高い線形
性が認められる。それゆえ、温度と1/3電圧との関係
は、一次の直線(一次関数)で大きな誤差なしに表現さ
れうる。 (実施例2の駆動装置および駆動方法)以上の試験結果
を踏まえて、温度補償の可能な圧電アクチュエータの駆
動装置を試作し、圧電アクチュエータの温度を変化させ
て試験した。
【0051】本実施例の駆動装置1は、図7に示すよう
に、差動増幅器20を中心とする温度補償回路2と、駆
動回路10とを備えている。温度補償回路2は、温度セ
ンサ23、温度測定回路22、基準温度回路21および
差動増幅器20から構成されている。温度センサ23
は、圧電アクチュエータ3に取り付けられているサーミ
スタであり、圧電アクチュエータ3の差動中の温度を逐
次検知する。温度測定回路22は、温度センサ23で検
知された信号に基づき、圧電アクチュエータ3の測定温
度に相当する電圧Tを出力する。測定温度電圧Tは、差
動増幅器20の一方の端子に入力されるが、これと平行
して、基準温度に相当する電圧T’が、差動増幅器20
の他方の端子に入力される。差動増幅器20は、両者の
差(T−T’)を前述の一次関数の傾きに相当する倍率
で増幅して温度補償電圧Cを生成し、駆動回路10に入
力する。
【0052】駆動回路10では、温度補償電圧Cに基づ
く温度補償が施され、印加電圧の下限値Vlim1または上
限値Vlim2が設定されている。そして、駆動回路10
は、図示しない制御装置から入力される駆動信号Dによ
り、安全範囲(Vrange1またはVrange2)内で適正な温
度補償の施されている印加電圧Fを生じ、圧電アクチュ
エータ3を駆動する。
【0053】ここで、各温度での電流・電圧特性による
1/3電圧(下限値ならVlim1、上限値ならVlim2)の
測定に基づく一次関数の設定と、これに等価の基準温度
電圧T’および差動増幅器20の増幅率の設定は、安全
範囲設定過程に相当する。この安全範囲(上限下限の一
方が温度Tの一次関数)の下で、圧電アクチュエータ3
に駆動信号Dに基づいて印加電圧Fを与える駆動装置の
動作は、駆動過程に相当する。したがって、本実施例で
の駆動方法は、駆動装置1の設定と駆動装置1による圧
電アクチュエータ3の駆動により実施されている。
【0054】以上の構成と作用をもつ駆動装置1で圧電
アクチュエータ3を駆動したところ、アクチュエータ3
の作動温度が50°C、100°C、150°Cの場合
において、アクチュエータ3に全くクラックおよび割れ
が発生しないことが確認された。これに対する比較例と
して、圧電アクチュエータ3の作動温度が50°Cで1
80度分域反転量が全180度分域反転量の三分の一で
ある安全範囲に印加電圧が設定され、温度補償のないケ
ース(実施例1に相当)を試みた。その結果、比較例で
は、所定の温度である50°Cでは所期の効果が発揮さ
れクラックおよび割れの発生率はゼロ%であったが、1
00°Cでは50%、150°Cでは100%のクラッ
クおよび割れの発生率であった。したがって、温度補償
なしには、たった50°Cだけ作動温度が駆動装置の設
計温度より上昇しただけで、圧電アクチュエータ3の傷
みが激しくて不都合を生じる。
【0055】一方、本実施例のように温度補償があれ
ば、かなりの温度範囲でクラックおよび割れを発生させ
ることなく、圧電アクチュエータ3の能力を最大限に引
き出すことができるという効果がある。 (実施例2の作用効果)以上詳述したように、実施例2
の圧電アクチュエータの駆動装置と同装置により実施さ
れる駆動方法においては、実施例1と同様の作用効果
が、作動温度が大きな幅で変動する圧電アクチュエータ
3に対しても発揮されるという効果がある。すなわち、
実施例2の駆動装置および同装置で実施される駆動方法
では、実施例1の作用効果に加えて、以下に挙げる効果
がある。
【0056】第1に、広い作動温度範囲で圧電アクチュ
エータ3にクラックおよび割れを生じることなく、最大
限のストロークを引き出すことが可能である。なぜなら
ば、本実施例の駆動装置1では、温度センサ23および
温度測定回路22からなる温度計測手段と、差動増幅器
20を中心とする温度補償手段とが装備されている。上
記温度計測手段により、作動中の圧電アクチュエータ3
の温度が計測され、その温度Tでの圧電材料の抗電圧特
性(電流・電圧特性)に基づいて、最も適正な印加電圧
の安全範囲の補償Cが、上記温度補償手段により行われ
る。
【0057】したがって、本実施例によれば、圧電アク
チュエータ3の作動温度が大きく変動する場合でも、そ
の温度で最適な安全範囲の設定が行われ、クラックおよ
び割れが発生する危険なしに、最大限に圧電アクチュエ
ータを駆動することができるという効果がある。すなわ
ち、設計時に予想された温度を外れた温度で圧電アクチ
ュエータ3が駆動される場合にも、クラックおよび割れ
が生じる心配がなく、圧電アクチュエータ3の信頼性と
寿命を向上させることができる。逆に言うと、温度の変
動を見込んで最も不利な条件下でもクラックおよび割れ
が発生することがないように、必要以上に安全側に印加
電圧の制限を設ける必要がなくなる。その結果、あらゆ
る作動範囲の温度で、クラックおよび割れの生じない限
界である最大限の駆動性能を圧電アクチュエータ3に発
揮させることが可能になるという効果がある。
【0058】第2に、温度補償回路の構成が極めて簡素
であり、前述のように有効な温度補償が安価に実施でき
るという効果がある。すなわち、本実施例の駆動装置で
は、圧電アクチュエータ3の温度Tと安全範囲との関係
が一次関数として温度補償回路2内に記憶されている。
ここで、基準温度T’および差動増幅器の増幅率が、上
記一次関数を一意に定めるパラメータに相当している。
【0059】したがって、本実施例の圧電アクチュエー
タの駆動装置および駆動方法によれば、印加電圧の安全
範囲に関する温度補償を施すことが、極めて単純かつ容
易になるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の印加電圧の安全範囲(下限値)を模
式的に示すグラフ
【図2】 本発明の印加電圧の安全範囲(上限値)を模
式的に示すグラフ
【図3】 実施例1の印加電圧の安全範囲(下限値)を
示すグラフ
【図4】 180度分域反転量と割れ・クラック発生率
との関係のグラフ
【図5】 実施例1の印加電圧の安全範囲(上限値)を
示すグラフ
【図6】 三分の一180度分域反転量時の電圧の温度
特性を示すグラフ
【図7】 実施例2の駆動装置の構成および作用を示す
ブロック線図
【符号の説明】
1:駆動装置 10:駆動回路 2:温度補償回路(温度補償手段) 20:差動増幅器 21:基準温度回路 22:温度測定回路 23:温度センサ (22&
23:温度計測手段) 3:圧電アクチュエータ(圧電素子) C:温度補償電圧 D:駆動信号 F:印加電圧 T:測定温度電圧 T’:基準温度電圧 P1 ,P2 :電流ピーク(1:負電圧域 2:正電圧
域) S1 ,S2 :全180度分域反転量 V1 ,V2 :抗電圧 Vlim1:電圧下限値
lim2:電圧上限値 Vrange1,Vrange2:印加電圧の安全範囲
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神谷 信雄 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 石川 友二 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 西川 千尋 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧電材料よりなり該材料の圧電効果によっ
    て変位または力を生じる圧電アクチュエータに、所定の
    範囲で電圧を印加して該アクチュエータを駆動する駆動
    装置において、 前記アクチュエータに印加される印加電圧の上限値およ
    び下限値のうち一方は、該一方の値の当該印加電圧での
    前記圧電材料の180度分域反転量が、該材料の全18
    0度分域反転量の三分の一以下に収まる安全範囲に設定
    されている印加電圧制限手段を有することを特徴とする
    圧電アクチュエータの駆動装置。
  2. 【請求項2】前記圧電アクチュエータは、積層圧電アク
    チュエータ、バイモルフおよびユニモルフのうちいずれ
    かである請求項1記載の圧電アクチュエータの駆動装
    置。
  3. 【請求項3】前記圧電アクチュエータの温度を測定する
    温度計測手段を備えており、 前記印加電圧制限手段は、該温度計測手段により測定さ
    れた温度に基づいて前記の上限値および下限値のうち一
    方の値を設定する温度補償手段を有する請求項1記載の
    圧電アクチュエータの駆動装置。
  4. 【請求項4】圧電材料よりなり圧電効果によって変位ま
    たは力を生じる圧電アクチュエータに印加される印加電
    圧の正値領域および負値領域のうち一方において、該圧
    電材料の180度分域反転量が該材料の全180度分域
    反転量の三分の一以下に収まる安全範囲を設定する安全
    範囲設定過程と、 前記印加電圧を前記安全範囲内に制限して前記圧電アク
    チュエータに印加する駆動過程とを有する圧電アクチュ
    エータの駆動方法。
  5. 【請求項5】前記安全範囲設定過程において、前記安全
    範囲は、前記圧電アクチュエータの印加電圧に対する電
    流の特性を測定を行うことにより設定される請求項4記
    載の圧電アクチュエータの駆動方法。
  6. 【請求項6】前記安全範囲設定過程において、前記安全
    範囲は、前記圧電アクチュエータの材料特性の統計資料
    および数値計算のうちいずれかに基づいて設定される請
    求項4記載の圧電アクチュエータの駆動方法。
  7. 【請求項7】予め計測、数値計算および統計資料のうち
    いずれかの手段により、前記圧電アクチュエータの使用
    温度範囲での該アクチュエータの温度と前記180度分
    域反転量との関係が求められており、 前記安全範囲設定過程においては、該温度の計測値また
    は推定値に基づいて、前記関係により該温度での前記安
    全範囲が設定される請求項4記載の圧電アクチュエータ
    の駆動方法。
  8. 【請求項8】前記温度と前記安全範囲との関係が一次関
    数として記憶されており、 前記安全範囲設定過程においては、前記圧電アクチュエ
    ータの温度の計測値または推定値に基づいて、該一次関
    数から当該温度での前記安全範囲が算出される請求項7
    記載の圧電アクチュエータの駆動方法。
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