JPH09102286A - イオン源 - Google Patents

イオン源

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JPH09102286A
JPH09102286A JP7257945A JP25794595A JPH09102286A JP H09102286 A JPH09102286 A JP H09102286A JP 7257945 A JP7257945 A JP 7257945A JP 25794595 A JP25794595 A JP 25794595A JP H09102286 A JPH09102286 A JP H09102286A
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JP
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wall
ion source
window
gas
plasma chamber
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JP7257945A
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English (en)
Inventor
Shohei Okuda
昌平 奥田
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Nissin Electric Co Ltd
Original Assignee
Nissin Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 メンテナンスが容易で小型化が可能なイオン
源を提供する。 【解決手段】 プラズマチャンバ3は、円筒状の側壁3
bと円板状のマイクロ波導入側外壁3aとにより形成さ
れる。マイクロ波導入側外壁3aの内側の壁面には、円
板状のウインドウ4が密着している。ウインドウ4のマ
イクロ波導入側外壁3a側の壁面には、ウインドウ4の
軸を中心とするドーナッツ溝4aが形成されている。マ
イクロ波導入側外壁3aの壁面とドーナッツ溝4aとに
よって、ドーナッツ状の空間が形成されている。また、
このドーナッツ状の空間に連通して、マイクロ波導入側
外壁3aを貫通するガス管挿入用孔3cおよびウインド
ウ4を貫通するガス導入孔4bが穿設されている。イオ
ン種ガスは、ガス管挿入用孔3c、ドーナッツ溝4a、
およびガス導入孔4bを介して、プラズマチャンバ3の
外部から内部へ導入される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばイオン注入
装置等に使用される、プラズマを生成してそのプラズマ
からイオンを引き出すイオン源に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、元素をプラズマ化し、プラズマ中
のイオンをイオンビームとして引き出すイオン源は、イ
オン注入装置をはじめとして様々な分野に利用されてい
る。このイオン源には、ECR(Electron Cyclotron R
esonance)イオン源などのマイクロ波型や、フリーマン
イオン源などのPIG(Penning Ionization Gauge)型
といった多くの種類が存在しており、これら各種のイオ
ン源は、必要とされるイオン種やエネルギー、電流など
に応じて最適の機種が使い分けられるようになってい
る。また、上記条件以外にも、生産性の向上のために日
常保守時間の削減が求められており、長寿命でメンテナ
ンスの容易なイオン源が望まれている。
【0003】例えば、上記フリーマンイオン源などのフ
ィラメントを有するイオン源の場合、当該フィラメント
の消耗によって比較的寿命が短く、保守を頻繁に行う必
要がある。これに対して、マイクロ波を利用したECR
イオン源などは、フィラメントを使用しないため、寿命
の面で有利である。以下に、ECRイオン源を例に挙げ
てその構成を説明する。
【0004】図8に示すように、上記ECRイオン源
は、図示しないマグネトロンから出力されたマイクロ波
を、導波管51、マイクロ波導入ロッド52、および、
図9に示すウインドウ54を介してプラズマチャンバ5
3内へ導入し、電子サイクロトロン共鳴(ECR)条件
の磁場中でマイクロ波放電を生じさせ、内部に導入され
ているガス状のイオン源物質をプラズマ化させる構成で
ある。
【0005】また、上記プラズマチャンバ53内でプラ
ズマが生成された後、該プラズマチャンバ53とその外
部に設けられた、引出電極系72との間に高電圧(引出
電圧)を印加して電界を生じさせることにより、プラズ
マチャンバ53の引出スリット55に形成された、図9
に示すイオン引出孔55aからイオンが引き出され、イ
オンビームが形成されるようになっている。このように
して形成されたイオンビームは、例えばイオン注入等の
処理に用いられる。
【0006】図9に示すように、上記プラズマチャンバ
53の外壁は、上記マイクロ波導入ロッド52が挿入さ
れる穴が中央に形成された略円板状のマグネトロン側外
壁53aと、略円筒状に形成され、上記マグネトロン側
外壁53aおよび引出スリット55へ、軸方向の両端が
接続された側壁53bとによって形成されている。な
お、上記マグネトロン側外壁53a、側壁53b、およ
び引出スリット55は、それぞれの中心軸が一致するよ
うに配されている。
【0007】上記プラズマチャンバ53の内壁は、BN
などの誘電体からなるライナ57およびシールド58で
被われている。なお、ライナ57はプラズマチャンバ5
3の側壁53b側、シールド58は、引出スリット55
側を被うものである。これは、もしも導電性のプラズマ
チャンバ53の内壁が誘電体で被われていなければ、プ
ラズマ形成物質によるスパッタによってチャンバ内壁か
ら飛び出した導電性物質がウインドウ54にも付着し、
マイクロ波が反射されてチャンバ内にマイクロ波電力が
供給されなくなってしまうといった不都合が生じるから
である。
【0008】一方、上記プラズマチャンバ53は、ガス
状のイオン物質を内部へ導入するための導入口となるガ
ス導入ノズル60を備えている。このガス導入ノズル6
0は、プラズマチャンバ53の側壁53bおよびライナ
57を貫通して設けられている。また、当該ガス導入ノ
ズル60を貫通して形成されたガス管の挿入孔には、ガ
ス導入管59の一端が嵌入されている。さらに、当該ガ
ス導入管59は、図8に示すように、プラズマチャンバ
53を内包するイオン源チャンバ70の外部まで延設さ
れており、図示しないガスボックスに接続される。上記
ガスボックスから供給されるガス状のイオン源物質は、
ガス導入管59およびガス導入ノズル60を介してプラ
ズマチャンバ53内部へ導入される。また、上記イオン
源チャンバ70は、導波管51などが接続されるイオン
源ヘッドフランジ70aと、筒状に形成されたイオン源
ハウジング70bとから主として構成されており、ガス
導入管59は、イオン源ハウジング70bを貫通して設
けられている。なお、イオン源ヘッドフランジ70a、
マイクロ波導入ロッド52、およびプラズマチャンバ5
3からなるイオン源ヘッド70cは、イオン源のメンテ
ナンス時などに、イオン源ハウジング70bから、まと
めて取り外すことができる。
【0009】イオン源の運転中、図9に示すように、プ
ラズマチャンバ53の内壁となるウインドウ54、ライ
ナ57、シールド58などは、プラズマ形成物質によっ
てエッチングされ、上記ライナ57などがBNで形成さ
れている場合、BやBNなどの粒子が放出される。ま
た、引出スリット55のイオン引出孔55a近傍などか
らは、導電率の高い粒子が放出される。また、イオン種
ガス自体が、導電性の粒子を含んでいる場合もある。こ
れらの導電性物質がウインドウ54へ付着すると、ウイ
ンドウ54表面の導電率が高くなる。この結果、マイク
ロ波導入ロッド52を介して導入されるマイクロ波は、
ウインドウ54の表面で反射し、プラズマチャンバ53
内へ導入できなくなるという不都合を生ずる。したがっ
て、これらの付着物を定期的に取り除く必要がある。
【0010】上記ウインドウ54のメンテナンス時に
は、図8に示すように、プラズマチャンバ53を含むイ
オン源ヘッド70cは、イオン源ハウジング70bから
取り外される。さらに、図9にプラズマチャンバ53に
おいて、引出スリット55や側壁53bを取り外した
後、ウインドウ54を取り出して付着物を取り除く。
【0011】ところが、上記側壁53bには、ガス導入
管59の一端が挿入されたガス導入ノズル60が設けら
れている。また、ガス導入管59は、図8に示すよう
に、イオン源ハウジング70bを貫通した後に、その他
端が、図示しないガスボックスなどによって固定されて
いる。
【0012】したがって、ガス導入管59がプラズマチ
ャンバ53に装着されている場合、側壁53bの動き、
すなわち、イオン源ヘッド70cの動きが制限される。
この結果、メンテナンスの度にガス導入管59を着脱す
る必要があり、メンテナンス時の作業性を大きく損なっ
ていた。
【0013】上記問題を解決するために、マイクロ波導
入側の外壁へガス導入管を挿入したプラズマチャンバを
備えるイオン源が用いられている。図10に示すよう
に、この種のイオン源は、プラズマチャンバ53に代え
て、プラズマチャンバ63を備えており、プラズマチャ
ンバ63のマイクロ波導入側外壁63aおよびウインド
ウ54を貫通して設けられたガス導入口には、ガス導入
管59の一端が嵌入されている。ガス導入管59は、さ
らに、イオン源ヘッドフランジ70aを貫通した後、図
示しないガスボックスなどに接続される。ガス導入管5
9がイオン源ヘッド70cと一体に構成されているの
で、イオン源ハウジング70bからイオン源ヘッド70
cを取り外す際に、ガス導入管59の着脱が不要にな
る。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図10
に示すプラズマチャンバ63の場合、メンテナンスの際
に、ガス導入管59の着脱が不要になる一方で、ガス導
入管59およびガス導入ノズル60をウインドウ54へ
挿入するために、マイクロ波導入側外壁63aへウイン
ドウ54を装着する際、ウインドウ54の軸を中心にし
た周方向の位置合わせを両者の間で行う必要がある。こ
の結果、メンテナンス時の作業性が、やはり損なわれる
という問題を生ずる。
【0015】加えて、プラズマチャンバ63では、ガス
導入管59およびガス導入ノズル60を挿入するための
空間がウインドウ54内に必要となる。ところが、ウイ
ンドウ54において、マイクロ波を導入する部分が大半
をしめている場合、上記空間の確保が難しい。したがっ
て、プラズマチャンバ63は、図9に示すプラズマチャ
ンバ53に比べて、若干大きくなる虞れがある。
【0016】ガス導入管59の肉厚の影響は1mm程度
ではあるが、プラズマチャンバ63と、これを内包する
図示しないイオン源チャンバとの間には、スパッタ電圧
を印加するための電線やヒータなどの部材(図示せず)
が配されており、余分な空間が少ない。したがって、イ
オン源チャンバの大きさを一定に保つことが不可能であ
る。
【0017】この結果、メンテナンス時の作業性の向上
とイオン源全体の小型化とを両立させることが困難であ
るという問題も生じている。
【0018】本発明は、上記の問題点を鑑みてなされた
ものであり、その目的は、メンテナンスが容易で、小型
化が可能なイオン源を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係るイ
オン源は、上記課題を解決するために、プラズマチャン
バの外面となる外壁と、この外壁に当接してプラズマチ
ャンバの内面となる内壁とを有するイオン源において、
各部材が以下のように形成されていることを特徴として
いる。
【0020】すなわち、上記内壁の当接面、または上記
外壁の当接面の少なくとも一方には、この当接面に垂直
で該当接面の中心を通る軸を中心とするリング状のリン
グ溝が形成されている。さらに、上記外壁には、上記外
壁と内壁とが当接した状態で上記リング溝と内壁と外壁
とにより形成されるリング状のガス流通路に連通し、外
壁の外面へ貫通する第1ガス導入孔が穿設され、上記内
壁には、上記ガス流通路に連通し、内壁の内面へ貫通す
る第2ガス導入孔が穿設されている。
【0021】上記構成において、内壁と外壁とが当接し
ている場合、少なくとも両者の一方に形成されたリング
溝によって、リング状のガス流通路が作られる。この状
態において、上記ガス流通路には、第1ガス導入孔およ
び第2導入孔に連通しているので、第1ガス導入孔、ガ
ス流通路、および第2ガス導入孔を介して、プラズマチ
ャンバの外部より供給されるイオン種ガスを、プラズマ
チャンバ内へ導入することができる。また、上記内壁と
外壁とは、互いに密着しているので、イオン種ガスは、
上記ガス流通路から漏出することなく、確実にプラズマ
チャンバ内へ導入できる。
【0022】さらに、イオン種ガスは、上記ガス流通路
を介して、上記第1ガス導入孔と第2ガス導入孔との間
を流通している。リング状のガス流通路を介しているの
で、内壁を外壁へ取り付ける際に、第1ガス導入孔と第
2ガス導入孔との間の位置合わせが不要となる。したが
って、イオン源のメンテナンスなどのために、内壁を外
壁へ装着する際の作業性が大幅に向上する。
【0023】加えて、従来のように内壁を貫通して、ガ
ス導入管およびガス導入ノズルを嵌入しなくても、イオ
ン種ガスの流通路を確保できるので、ガス導入管および
ガス導入ノズルの肉厚の分だけ、内壁の大きさを縮小で
きる。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態について図1
ないし図5に基づいて説明すると以下の通りである。
【0025】本実施形態のイオン源は、電子サイクロト
ロン共鳴条件の磁場中でマイクロ波放電を生じさせてプ
ラズマを生成し、このプラズマからイオンをビームとし
て引き出すECRイオン源であり、例えばイオン注入装
置等のイオンビーム応用装置に適用される。
【0026】上記イオン源は、例えば2.45GHzのマ
イクロ波を出力するマグネトロンと、このマグネトロン
を作動させるマグネトロン電源とを有しており、マグネ
トロンが発生したマイクロ波は、図2に示すように、導
波管1、およびセラミックなどの誘電体よりなるマイク
ロ波導入ロッド2によって、円筒状のプラズマチャンバ
3へと導かれる。
【0027】図1に示すように、プラズマチャンバ3の
外壁は、ステンレスやモリブデンなどの金属により形成
されており、その内部は、イオン源物質をプラズマ化す
るためのプラズマ生成室になっている。このプラズマチ
ャンバ3は、略円板状のマイクロ波導入側外壁3aと略
円筒状の側壁3bとから形成されており、メンテナンス
などの際に、マイクロ波導入側外壁3aより側壁3bを
取り外すことができる。また、上記マイクロ波導入側外
壁3aの中央には、マイクロ波が通過する窓となる丸孔
が穿設されている。さらに、このマイクロ波導入側外壁
3aの内面には、BN等の誘電体よりなるウインドウ4
が配設されている。マイクロ波導入ロッド2を通ってき
たマイクロ波は、このウインドウ4を介してプラズマチ
ャンバ3内に導入される。なお、上記マイクロ波導入側
外壁3aが特許請求の範囲に記載の外壁に対応し、上記
ウインドウ4が同じく内壁に対応している。
【0028】また、上記プラズマチャンバ3のウインド
ウ4と対向する壁面は、スリット状のイオン引出孔5a
が穿設され、カーボンなどからなる引出スリット5にて
形成されている。この引出スリット5は、BNなどから
なる絶縁リング6を介してプラズマチャンバ3の本体と
接続されており、両者間は電気的に絶縁されている。
【0029】上記引出スリット5には、上記イオン引出
孔5aの近傍の付着物を自動的に除去するために、図示
しないスパッタ電源よりスパッタ電圧が印加され、プラ
ズマチャンバ3に比べ負電位に保つことができる。これ
により、プラズマ中のイオンは、引出スリット5のイオ
ン引出孔5a付近に積極的に衝突し、引出スリット5へ
の付着物を取り除くことができる。上記スパッタ電源の
印加電圧(引出スリット5とプラズマチャンバ3本体と
の電位差)は、引出スリット5に付着物が堆積する速度
とスパッタリングによって付着物が削り取られる速度と
がほぼ平衡となるように設定することが望ましく、通
常、0.1〜2.0kV程度である。
【0030】さらに、プラズマチャンバ3の側壁3bの
内面は、電気絶縁性の高いBNからなるライナ7で被わ
れており、引出スリット5の内面は、同様にBNにて形
成されたシールド8で被われている。これにより、プラ
ズマチャンバ3の内面の略全体は、誘電体で形成され
た、ウインドウ4、ライナ7、およびシールド8によっ
て被われている。ただし、引出スリット5のイオン引出
孔5a近傍は、プラズマスパッタによるクリーニングの
ため、シールド8で覆われることなく露出している。
【0031】一方、イオン種ガスは、プラズマチャンバ
3へ嵌入されたガス導入管9を通して供給される。すな
わち、マイクロ波導入側外壁3aの外周部近傍には、外
壁3aを貫通して設けられたガス管挿入用孔3c(第1
ガス導入孔)が形成されている。このガス管挿入用孔3
cは、ウインドウ4に近づくに従ってマイクロ波導入側
外壁3aの中心軸に近づくように、やや傾斜して設けら
れている。また、ガス管挿入用孔3cの外面付近の内径
は、ガス導入管9の外径と略同一に設定されており、ガ
ス導入管9の一端を挿入することができる。また、ガス
管挿入用孔3cの中程からウインドウ4側の内径は、ガ
ス導入管9の外径より細く設定され、ガス導入口3eと
なっている。さらに、両者の境目に形成された段差は、
ガス導入管9の進入を阻止するガス管ストッパー3dと
なっている。
【0032】図3および図4に示すように、ウインドウ
4は、略円板状に形成されており、軸に垂直な一面に
は、ウインドウ4の軸を中心としたドーナッツ状の溝で
あるドーナッツ溝4a(リング溝)が形成されると共
に、この面と対向する他の面から、このドーナッツ溝4
aへ貫通するガス導入孔4b(第2ガス導入孔)が形成
されている。ガス導入孔4bは、ウインドウ4の中心軸
と略平行に形成されており、その内径は、ドーナッツ溝
4aの幅と略同一に設定されている。
【0033】図1に示すように、ウインドウ4の外径
は、プラズマチャンバ3の側壁3bの内径と略同一に設
定されており、装着時には、ウインドウ4の外周部端面
と側壁3bの内面とが当接する。さらに、ウインドウ4
は、プラズマチャンバ3のマイクロ波導入側外壁3aの
内面とドーナッツ溝4aが形成された一面とが密着し、
両者の中心が一致するように配される。この結果、マイ
クロ波導入側外壁3aの内面およびドーナッツ溝4aに
よって、ドーナッツ状のガス流通路が形成される。
【0034】また、ドーナッツ溝4aの半径は、マイク
ロ波導入側外壁3aの中心とガス導入口3eとの距離と
略同一に設定されている。さらに、ドーナッツ溝4aの
幅(内径と外径との差)は、ガス導入口3eの内径と略
同一に設定されている。したがって、ウインドウ4が装
着されている状態では、ドーナッツ溝4aなどにより形
成される上記ガス流通路とガス導入口3eとは連通して
いる。なお、マイクロ波導入側外壁3aとウインドウ4
とは密着しているので、ガス導入口3eを通じて上記ガ
ス流通路へ導入されたイオン種ガスは、漏出することな
くガス導入孔4bへ案内される。
【0035】これにより、ガス導入管9から供給される
イオン種ガスは、ガス導入口3e、ドーナッツ溝4a、
およびガス導入孔4b内を通って、プラズマチャンバ3
内へ確実に導入できる。
【0036】図2に示すように、ガス導入管9は、プラ
ズマチャンバ3を収納するイオン源チャンバ10の外部
まで延設されており、BF3 等のガス状のイオン源物質
を供給する図示しないガスボックスに接続されている。
上記イオン源チャンバ10は、マイクロ波導入ロッド2
を介してプラズマチャンバ3に接続されたイオン源ヘッ
ドフランジ10aと、筒状のイオン源ハウジング10b
とから主として構成されており、ガス導入管9は、固定
部9aによって、イオン源ヘッドフランジ10aへ固定
されている。これにより、ガス導入管9は、イオン源ヘ
ッドフランジ10a、マイクロ波導入ロッド2、および
プラズマチャンバ3などからなるイオン源ヘッド10c
と一体に取り扱うことができる。
【0037】図5に示すように、イオン源ヘッドフラン
ジ10aを貫通したガス導入管9は、鍔状の固定部9a
によりシール部材を介してイオン源ヘッドフランジ10
aへ固定される。また、イオン源チャンバ10の外部に
延設されたガス導入管9は、イオン源ヘッドフランジ1
0aへ固定されるイオン源側ガス導入管9bと、図示し
ないガスボックスに接続されるガス供給源側ガス導入管
9cとにより構成されており、両者は、着脱可能に螺合
されている。これにより、図示しないガスボックスから
イオン源ヘッド10cを取り外すことができる。
【0038】また、図2に示すように、イオン源チャン
バ10の周囲には、ソレノイドコイルを備えたソースマ
グネット11が配設されており、このソースマグネット
11は、プラズマチャンバ3内に、イオンビーム引き出
し方向と略平行な電子サイクロトロン共鳴条件の磁場を
形成するようになっている。
【0039】一方、イオン源チャンバ10に収納された
プラズマチャンバ3の引出スリット5と対向する位置に
は、引出電極系12が配設されている。この引出電極系
12は、中央部にビーム通過孔がそれぞれ形成された引
出電極12aおよび接地電極12bを備えている。上記
接地電極12bは大地電位に、そして、接地電極12b
よりもプラズマチャンバ3側に設けられた引出電極12
aは、接地電極12bよりも負電位におかれる。上記引
出電極系12がプラズマチャンバ3側よりも負電位にな
るような高電圧が図示しない電源より印加されると、引
出スリット5の周囲に強い外部電界が形成される。この
外部電界により、プラズマチャンバ3内のイオンが引き
出され、イオンビームが形成されるようになっている。
なお、上記のように、引出電極12aを接地電極12b
よりも負電位にすることにより、引出電極12aよりも
下流で発生した電子の逆流を防ぐことができる。
【0040】イオン源の運転中、上記プラズマチャンバ
3は、図示しない真空排気手段によって高真空状態に保
持されている。また、プラズマチャンバ3および引出電
極系12を収納するイオン源チャンバ10の内部も、図
示しない真空排気手段によって高真空状態に保持されて
いる。
【0041】また、プラズマチャンバ3の側壁3bの周
囲には、引出スリット5へスパッタ電圧を印加する電線
やプラズマチャンバ3を加熱するヒータ(いずれも図示
せず)が設けられている。また、プラズマチャンバ3の
熱がイオン源チャンバ10側へ輻射によって伝達される
のを抑制し、プラズマチャンバ3の温度を高温に保持す
るために、当該ヒータとイオン源チャンバ10との間に
は、プラズマチャンバ3を覆うように円筒状に形成され
た図示しない熱シールドが配設されている。
【0042】上記構成において、イオン源の動作につい
て説明すると以下の通りである。すなわち、プラズマチ
ャンバ3およびイオン源チャンバ10が真空排気手段に
よって高真空に保持された状態で、ソースマグネット1
1によって、プラズマチャンバ3内に電子サイクロトロ
ン共鳴条件の磁場が形成される。また、マグネトロンよ
り出力されて導波管1を通ってきたマイクロ波は、マイ
クロ波導入ロッド2およびウインドウ4を介してプラズ
マチャンバ3内へ導入される。
【0043】一方、図示しないガスボックスなどから、
ガス導入管9、ドーナッツ溝4a、およびガス導入孔4
bを介して、プラズマチャンバ3内へガス状のイオン源
物質を導入する。図1に示すようにプラズマチャンバ3
のマイクロ波導入側外壁3aとウインドウ4とが密着し
ているので、ドーナッツ溝4aを流通するイオン種ガス
は、ドーナッツ溝4aから漏出せず、ドーナッツ溝4a
に連通するガス導入孔4bを介してプラズマチャンバ3
内部へ導入される。
【0044】これにより、ECR現象によるマイクロ波
放電が生じ、プラズマチャンバ3内に導入されているイ
オン種ガスがプラズマ化してイオンが発生する。プラズ
マの点灯後は、プラズマチャンバ3内に導入されたマイ
クロ波がプラズマに吸収され、プラズマは維持される。
その後、引出電極系12によって形成される電界によっ
て引出スリット5のイオン引出孔5aからプラズマチャ
ンバ3内のイオンを引き出してイオンビームを形成す
る。
【0045】ここで、イオン源物質としてBF3 等の腐
食性ガスを使用してプラズマを生成すると、プラズマ形
成物質によって、プラズマチャンバ3内壁のライナ7な
どがエッチングされ、その結果発生するBやBNなどの
高融点物質がチャンバ内壁に付着する。
【0046】上記高融点物質が引出スリット5の内側部
分に付着すると、イオン引出孔5aは塞がれ、イオンの
引き出しが困難になる。そこで、BF3 等の腐食性ガス
を使用してイオン源を運転する場合、プラズマの点灯を
確認した後、図示しないスパッタ電源を投入する。な
お、プラズマ点灯の確認は、プラズマチャンバ3から引
き出されるビームの電流(引出電流)が所定値以上にな
ったことにより確認できる。上記スパッタ電源の投入に
より、引出スリット5はプラズマチャンバ3よりも負電
位になり、プラズマ中のイオンが引出スリット5に積極
的に衝突する。この結果、引出スリット5に堆積した付
着物が取り除かれる。このプラズマスパッタによる自動
クリーニングによって、引出スリット5のイオン引出孔
5aは目詰まりすることなく常に一定の形状を維持す
る。これにより、長時間、安定したビームをプラズマチ
ャンバ3から引き出すことができる。
【0047】また、上記エッチングによって生ずる高融
点物質は、ウインドウ4にも付着する。この付着物に
は、引出スリット5からスパッタされるカーボンなど導
電率の高い粒子も含まれている。したがって、イオン源
を長時間運転すると、上記スパッタ粒子によりウインド
ウ4が導電化して、プラズマチャンバ3内へマイクロ波
を導入できなくなる。そこで、ウインドウ4が導電化す
る前に、定期的にイオン源をメンテナンスし、ウインド
ウ4の付着物を除去している。
【0048】次に、イオン源のメンテナンスの際の手順
について図1および図2に基づいて説明する。イオン源
が停止すると、イオン源チャンバ10内がベントされ、
内部の気圧が大気圧と略等しくなる。この状態で、イオ
ン源チャンバ10を構成するイオン源ヘッドフランジ1
0aから導波管1が取り外される。さらに、マイクロ波
導入ロッド2、プラズマチャンバ3、ガス導入管9、お
よびイオン源ヘッドフランジ10aからなるイオン源ヘ
ッド10cは、イオン源チャンバ10を構成するイオン
源ハウジング10bから、一体物として取り外される。
次いで、図1に示すプラズマチャンバ3のマイクロ波導
入側外壁3aから、側壁3bおよび引出スリット5が取
り外される。
【0049】本実施形態に係るイオン源においては、ガ
ス導入管9は、イオン源ヘッドフランジ10aに挿入さ
れており、イオン源ヘッド10cと一体となっている。
したがって、プラズマチャンバの側壁、およびイオン源
ハウジングを貫通してガス導入管を設けた従来の構成
(図8および図9参照)と異なり、イオン源ヘッド10
cを取り外す際に、ガス導入管9をプラズマチャンバ3
より取り外す必要がない。この結果、イオン源ヘッド1
0cは、イオン源ハウジング10bから容易に取り外さ
れる。
【0050】次に、マイクロ波導入側外壁3aから側壁
3bを取り外し、ウインドウ4を取り外して清掃する。
付着物を取り除いた後、ウインドウ4は、所定の位置に
取り付けられ、プラズマチャンバ3のマイクロ波導入側
外壁3aへ側壁3bが取り付けられる。
【0051】マイクロ波導入側外壁3aとウインドウ4
とが密着すると、マイクロ波導入側外壁3aの内面とウ
インドウ4のドーナッツ溝4aとにより、ドーナッツ状
のガス流通路が形成される。ドーナッツ溝4aの半径
(ウインドウ4の中心とドーナッツ溝4aとの距離)
は、ガス導入管9を挿入したガス導入口3eとマイクロ
波導入側外壁3aの中心との距離と、略同一に設定され
ているので、ウインドウ4が周方向に回転しても、ガス
導入口3eとドーナッツ溝4aとは、常に連通してい
る。したがって、ウインドウ4を取り付ける際に周方向
の位置決めが不要になるので、ウインドウ4を取付ける
際の作業性が大幅に向上する。
【0052】また、マイクロ波導入側外壁3aと側壁3
bとを接続する際などに、ウインドウ4が周方向に回転
しても、上記ガス導入口3eとドーナッツ溝4aとは連
通しており、ガスの流通路は確保される。したがって、
側壁3bを取り付ける際、ウインドウ4が回転しないよ
うに固定する必要がなく、側壁3bを取り付ける際の作
業性も向上する。
【0053】マイクロ波導入側外壁3aに側壁3bが装
着されると、図2に示すように、プラズマチャンバ3を
含むイオン源ヘッド10cは、イオン源ハウジング10
bへ取り付けられる。その後、導波管1などが指定の位
置に取り付けられ、イオン源のメンテナンスは終了す
る。
【0054】以上のように、本実施形態に係るウインド
ウ4には、ドーナッツ溝4aと、これに連通するガス導
入孔4bが形成され、上記ドーナッツ溝4aの半径は、
マイクロ波導入側外壁3aに穿設されたガス導入口3e
とマイクロ波導入側外壁3aの中心との距離と、略同一
に設定されている。これにより、ウインドウ4をプラズ
マチャンバ3のマイクロ波導入側外壁3aへ装着する
際、両者の間で周方向の位置合わせを必要としない。し
たがって、プラズマチャンバ3内にウインドウ4を着脱
する際の作業性が大幅に向上する。この結果、日常保守
時間を削減することができる。
【0055】加えて、本実施形態に係るイオン源の場
合、ガス導入管9をウインドウ4へ挿入しなくても、プ
ラズマチャンバ3内へ確実にイオン種ガスを導入でき
る。マイクロ波導入側外壁3aとウインドウ4との間で
周方向の位置決めが不要となるので、従来のウインドウ
54へガス導入管59を挿入する構成(図10参照)に
比べ、ガス導入管9取付け時の作業性も大幅に向上す
る。
【0056】ところで、上記従来の構成の場合、図10
に示すように、ウインドウ54の大半がマイクロ波を導
入するために用いられている場合、ウインドウ54の外
周部近傍へガス導入管59を挿入する孔を配する必要が
ある。また、BNなどで形成されているウインドウ54
においては、強度の面から考えて、ウインドウ54の周
縁と上記孔との距離は一定の値以上に保つ必要がある。
さらに、このウインドウ54に形成された孔と、マイク
ロ波導入側の外壁63aに形成された孔との位置合わせ
をするために、両者を貫通するガス導入ノズル60を必
要とする。
【0057】ところが、本実施形態に係るイオン源の場
合、図1に示すように、上記ガス導入ノズルが不要にな
ると共に、このガス導入ノズルおよびガス導入管9をウ
インドウ4に挿入せずに、イオン種ガスをプラズマチャ
ンバ3内へ導入できる。したがって、上記従来のウイン
ドウ54内にガス導入管59を挿入する構成(図10参
照)に比べて、ガス導入管59およびガス導入ノズル6
0の肉厚の分だけ、ウインドウ4の大きさ、すなわち、
プラズマチャンバ3の大きさを縮小することができる。
【0058】上記ガス導入管59およびガス導入ノズル
60の肉厚の影響は、1mm程度ではあるが、プラズマ
チャンバ3と、図2に示すイオン源チャンバ10との間
には、スパッタ電圧を印加するための電線やヒータなど
の部材(図示せず)が配されており、余分な空間が少な
い。したがって、プラズマチャンバ3の大きさを縮小せ
ずにイオン源チャンバ10を縮小するためには、上記各
部材を配置する空間を削減する必要があるが、放電に対
する絶縁のための空間の確保などにより、空間の削減に
は限界が存在する。この結果、イオン源全体の大きさが
大きくなりがちである。ところが、本実施形態に係るイ
オン源では、上記従来のウインドウ54にガス導入管5
9を挿入する構成(図10参照)に比べて、プラズマチ
ャンバ3の大きさを縮小できるのでイオン源全体を小型
化でき、従来のプラズマチャンバ53の側壁53bにガ
ス導入管59を挿入する構成(図8および図9参照)と
略同じ大きさに保つことができる。
【0059】ところで、図8および図9に示すように、
上記の側壁53bにガス導入管59を挿入する従来の構
成の場合、イオン源ヘッド70cの取り外しの前後に、
ガス導入管59の着脱が必要となる。ところが、本実施
形態に係るイオン源では、図2に示すように、これが不
要となるので、上記従来例に比べメンテナンス時の作業
性は、大幅に向上する。
【0060】この結果、メンテナンス時の作業性の向上
とイオン源全体の小型化とを両立したイオン源を実現で
きる。
【0061】なお、本実施形態に係るウインドウ4で
は、図1に示すように、ドーナッツ溝4aに連通するガ
ス導入孔4bの数は1つであるが、これに限るものでは
ない。例えば、図6に示すように、ウインドウ41の一
面にドーナッツ溝41aを形成し、このドーナッツ溝4
1aを周方向に等分する位置にガス導入孔41bを2つ
形成してもよい。この場合、ガス導入管9を通じて供給
されるイオン種ガスは、ドーナッツ溝41aに流入す
る。それぞれのガス導入孔41bは、ガス導入管9との
位置関係、各ガス導入孔41bのサイズ、イオン種ガス
のガス圧などで決まるガス量をプラズマチャンバ3内へ
導入することができる。
【0062】イオン種ガスを複数の箇所から導入できる
と共に、1つのガス導入孔41bから供給されるイオン
種ガスの量を制限できるので、プラズマチャンバ3内の
イオン種ガスの分布をより均一に保つことができる。ド
ーナッツ溝41aを介してイオン種ガスを導入している
ので、ガス導入孔41bの数、方向、および位置は、マ
イクロ波導入側外壁3aへ挿入されるガス導入管9の
数、方向、および位置とは独立して自由に設定すること
ができる。
【0063】また、本実施形態に係るプラズマチャンバ
3においては、図1に示すように、ウインドウ4の中心
軸からドーナッツ溝4aへの距離と、当該中心軸からガ
ス導入孔4bへの距離とは、同一に設定されているが、
これに限るものではない。
【0064】図7に示すように、ウインドウ42の一面
にドーナッツ溝42aを形成すると共に、このドーナッ
ツ溝42aより、やや内側にガス導入孔42bを形成し
てもよい。ドーナッツ溝42aとガス導入孔42bとが
連通しているので、ガス導入管9より供給されるイオン
種ガスは、両者を介してプラズマチャンバ3内へ導入さ
れる。図1に示すウインドウ4に形成されたガス導入孔
4bに比べて、ガス導入孔42bの位置を内側に設定す
ることができる。この結果、プラズマチャンバ3の内径
および外径をさらに短く設定でき、イオン源全体をさら
に小型化できる。同様にして、ドーナッツ溝4aの半径
を、マイクロ波導入側外壁3aの中心軸とガス導入口3
eとの距離よりもやや短く設定してもよい。これによ
り、プラズマチャンバ3をさらに小型化できる。
【0065】また、本実施形態に係るイオン源では、図
1に示すように、ウインドウ4は円板状に形成されてい
るが、これに限るものではない。プラズマチャンバ3が
方形状に形成されており、これに合わせて、ウインドウ
4も方形状に形成されていてもよい。この場合、ウイン
ドウ4は、マイクロ波の導入方向から見て、上下あるい
は左右を逆にしても取り付け可能であり、取付け時にウ
インドウ4の向きを間違えて取り付ける虞れがある。し
かし、マイクロ波導入側外壁3aとウインドウ4との当
接面に垂直で、この面の中心を通る軸を中心に、ドーナ
ッツ溝4aを形成することによって、ウインドウ4の向
きを間違えて取り付けても、ガス導入口3e、ドーナッ
ツ溝4aおよびガス導入孔4bを介してプラズマチャン
バ3内へイオン種ガスを確実に導入できる。この結果、
マイクロ波導入側外壁3aとウインドウ4との間で位置
合わせが不要となり、本実施形態と略同様の効果が得ら
れる。
【0066】さらに、ウインドウ4が方形状に形成され
ている場合のように、マイクロ波導入側外壁3aとウイ
ンドウ4との間で取り付け可能な方向が限定されている
場合、ウインドウ4に形成されるリング状の溝は、外周
部が円形のドーナッツ状に形成されていなくてもよい。
例えば、外周部が方形のリング状などのように、ウイン
ドウ4の各取り付け方向において、ガス導入口3eと当
接するウインドウ4の表面を通ってリング状の溝が形成
されていれば、本実施形態と略同様の効果が得られる。
【0067】また、本実施形態に係るイオン源では、図
1に示すように、ウインドウ4にドーナッツ溝4aが形
成されているが、これに限らず、例えば、マイクロ波導
入側外壁3aの内面にドーナッツ状の溝を形成してもよ
い。マイクロ波導入側外壁3aとウインドウ4とを密着
させることによってドーナッツ状のガス流通路が形成さ
れると共に、ガス導入口3eおよびガス導入孔4bが当
該ガス流通路に連通する構成であれば、本実施形態と同
様の効果が得られる。
【0068】さらに、本実施形態に係るイオン源におい
ては、図1および図2に示すように、イオン源ヘッドフ
ランジ10aへ固定部9aによりガス導入管9を固定す
ると共に、マイクロ波導入側外壁3aに穿設されたガス
管挿入用孔3cには、ガス導入管9の進入を阻止するガ
ス管ストッパー3dが設けられているが、これに限るも
のではない。ガス導入管9の外径と略同一の内径を持つ
ガス管挿入用孔3cがマイクロ波導入側外壁3aを貫通
して設けられており、このガス管挿入用孔3cへ挿入さ
れたガス導入管9の先端がウインドウ4と当接する構成
であっても、本実施形態と同様の効果が得られる。
【0069】ただし、ウインドウ4は、金属に比べ強度
の弱いBNなどの誘電体によって形成されているため、
ガス導入管9の先端とウインドウ4とが当接している場
合には、プラズマチャンバ3の真空引きなどの際、ウイ
ンドウ4がガス導入管9の先端によって押圧され、ウイ
ンドウ4に形成されたドーナッツ溝4aが変形する虞れ
がある。ところが、ガス管ストッパー3dや固定部9a
を形成することによって、ガス導入管9とウインドウ4
との接触を防止することができる。したがって、ウイン
ドウ4の寿命をより延長できる。
【0070】なお、本実施形態においては、ECRイオ
ン源を例に挙げて説明したが、これに限るものではな
く、他のマイクロ波型のイオン源や、フリーマン型など
他の種類のイオン源のように、プラズマチャンバ内へイ
オン種ガスを導入するイオン源に対して本発明を適用す
ることができる。
【0071】
【発明の効果】請求項1の発明に係るイオン源は、以上
のように、内壁の外壁と当接する一面、または、外壁の
内壁と当接する一面の少なくとも一方には、この当接面
に垂直で該当接面の中心を通る軸を中心とするリング状
のリング溝が形成されていると共に、上記外壁には、上
記外壁と内壁とが当接した状態で上記リング溝と内壁と
外壁とにより形成されるリング状のガス流通路に連通
し、外壁の外面へ貫通する第1ガス導入孔が穿設され、
上記内壁には、上記ガス流通路に連通し、内壁の内面へ
貫通する第2ガス導入孔が穿設されている構成である。
【0072】それゆえ、内壁と外壁とが当接している場
合、プラズマチャンバの外部から供給されるイオン種ガ
スを、第1ガス導入孔、リング溝によって形成されるリ
ング状のガス流通路、および第2導入孔を介して、プラ
ズマチャンバ内部へ確実に導入できる。したがって、上
記内壁と外壁との間の位置決めが不要となり、内壁を外
壁へ容易に装着できる。この結果、イオン源のメンテナ
ンス時の作業性が大幅に向上し、イオン源の日常保守時
間を削減できるという効果を奏する。
【0073】加えて、従来のように内壁を貫通してガス
導入ノズルおよびガス導入管を嵌入しなくても、イオン
種ガスの流通路を確保できる。したがって、ガス導入ノ
ズルおよびガス導入管の肉厚の分だけ内壁の径方向の大
きさを縮小でき、イオン源全体を小型化できるという効
果を併せて奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すものであり、ECR
イオン源のプラズマチャンバを示す断面図である。
【図2】上記ECRイオン源全体の構成を示す、一部切
欠きを有する断面図である。
【図3】上記プラズマチャンバ内に設けられたウインド
ウを示す正面図である。
【図4】上記ウインドウを示す、図3のA−A線矢視断
面図である。
【図5】上記ECRイオン源のイオン源チャンバとガス
導入管との接合部を示す断面図である。
【図6】上記ウインドウの一変形例を示す正面図であ
る。
【図7】上記プラズマチャンバの一変形例を示すもので
あり、プラズマチャンバのウインドウ近傍の断面図であ
る。
【図8】従来例を示すものであり、ECRイオン源全体
の構成を示す、一部切欠きを有する断面図である。
【図9】上記ECRイオン源のプラズマチャンバを示す
断面図である。
【図10】他の従来例を示すものであり、ECRイオン
源のプラズマチャンバを示す断面図である。
【符号の説明】 3 プラズマチャンバ 3a マイクロ波導入側外壁(外壁) 3c ガス管挿入用孔(第1ガス導入孔) 4 ウインドウ(内壁) 4a ドーナッツ溝(リング溝) 4b ガス導入孔(第2ガス導入孔)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラズマチャンバの外面となる外壁と、こ
    の外壁に当接してプラズマチャンバの内面となる内壁と
    を有するイオン源において、 上記内壁の当接面、または上記外壁の当接面の少なくと
    も一方には、この当接面に垂直で該当接面の中心を通る
    軸を中心とするリング状のリング溝が形成されていると
    共に、 上記外壁には、上記外壁と内壁とが当接した状態で上記
    リング溝と内壁と外壁とにより形成されるリング状のガ
    ス流通路に連通し、外壁の外面へ貫通する第1ガス導入
    孔が穿設され、 上記内壁には、上記ガス流通路に連通し、内壁の内面へ
    貫通する第2ガス導入孔が穿設されていることを特徴と
    するイオン源。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112106167A (zh) * 2018-05-11 2020-12-18 艾克塞利斯科技公司 用于离子源壳体的氢气排气

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CN112106167A (zh) * 2018-05-11 2020-12-18 艾克塞利斯科技公司 用于离子源壳体的氢气排气
JP2021524124A (ja) * 2018-05-11 2021-09-09 アクセリス テクノロジーズ, インコーポレイテッド イオン源ハウジングのための水素ブリードガス
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