JPH09101109A - レーザー干渉測長器 - Google Patents

レーザー干渉測長器

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JPH09101109A
JPH09101109A JP28906695A JP28906695A JPH09101109A JP H09101109 A JPH09101109 A JP H09101109A JP 28906695 A JP28906695 A JP 28906695A JP 28906695 A JP28906695 A JP 28906695A JP H09101109 A JPH09101109 A JP H09101109A
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beat
beats
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frequencies
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Hide Hosoe
秀 細江
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Abstract

(57)【要約】 【目的】レーザー干渉測長器において、高精度な干渉測
長を実現する。 【構成】多モードガスレーザーにおける縦モード共振光
のうち、主周波数光と周波数スペクトル上その両側に生
じる隣接周波数光の間で生じる2つのビート周波数間で
生じた、ビート間ビート周波数を検出し安定化する周波
数安定化レーザーを用い、主周波数光を参照光束または
測定光束とし、両側隣接周波数光を測定光束または参照
光束として、干渉測長光学系を経た後に主周波数と両側
隣接周波数の間で生じるビート間ビート周波数の変化
を、測長対象の速度又は変位の情報を含む干渉測長信号
として検出することを特徴とし、光源周波数安定化に用
いたビート間ビート周波数をその参照信号として、周波
数比較または/かつ位相比較し、測長対象の速度または
変位を得ることを特徴とした、ヘテロダイン型レーザー
干渉測長器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザー干渉測長器の
高精度化に関するものである。
【0002】
【従来の技術】レーザー干渉測長器は、レーザー光の光
波干渉により測定対象の速度または変位を検出するた
め、光源の有する光学的な特徴がその測長方式を決定
し、原理的な意味で測長精度を決定する。従って、どの
ような光源をどのように用いるかは、測長精度を高める
上で大変重要である。本発明では、まずこの光源にガス
レーザーを用いることを前提としている。
【0003】従来、レーザー干渉測長用のガスレーザー
光源としては、軸ゼーマンレーザー、横ゼーマンレーザ
ー、2周波安定化レーザーなどの周波数安定化レーザー
が用いられてきた。その後段の測長方式には、ゼーマン
レーザーを用いる場合はヘテロダイン方式が用いられる
が、2周波安定化レーザーの場合はヘテロダイン方式の
他に、単一周波数のみを用いてホモダイン方式や干渉縞
計数方式などが用いられている。これら従来の安定化レ
ーザーの原理的な違いは、2周波の発生の仕方に軸ゼー
マン効果を使うか、横ゼーマン効果を使うか、あるいは
ガスチューブの共振縦モードを使うかという点であっ
て、その2つの光周波数(波長)の安定化には、いずれ
もレーザー共振キャビティの利得曲線に沿ったその2周
波の強度が、規定の比となるように共振キャビティ長を
制御して行っている。キャビティ長の制御は、チューブ
外周に巻き付けたヒーターの電流を制御したり、共振鏡
の位置をPZTなどで駆動するなどして行う。
【0004】従って、上述した周波数安定化レーザーの
周波数安定度は、安定化のための検出物理量に全て強度
というアナログ量を用いているため、どれも似たり寄っ
たりで、おおよそ10の−8乗前後である。これらの方
式の最大の欠点は、強度というアナログ量に、発振に用
いる高電圧で微塵が静電付着することによる光学素子の
汚れや、光軸のずれ、光電変換後の電気的なノイズなど
数多くあり、さらなる高安定化を困難にしていた。ま
た、ゼーマンレーザーの中には強度比を用いず、2周波
間のビート周波数を一定に保つようにキャビティ長を制
御するものもあり、この場合の検出量はビート周波数と
いうデジタル的な物理量である。しかし、基準となる参
照周波数は直接水晶振動子などから得た周波数しかな
く、そのため10の−7乗程度が安定化の精度限界であ
った。この方式は、デジタル的な周波数安定化制御とは
いえ、その基準にローカル発振器の周波数を用いている
ため、得られる周波数安定度は決して高いものにはなり
得なかったのである。
【0005】これに対し、最近3モードや5モードでレ
ーザー光を発振させ、発生する複数のモード間ビート周
波数についてさらにビート周波数をとり、周波数安定化
する方式が実用化されてきている。3モードを用いた安
定化については、横山修子、鈴木範人らによる公知文献
「Frequency stabilizationb
y frequency pulling for s
ingle−mode oscillation of
He−Ne laser at maximum i
ntensity]Rev.Sci.Instrum.
66(3),1995に詳しい。また、5モード以上の
多モードを用いた安定化には、同じく横山修子らによる
「Frequency stabilization
ofa multimode high−power
He−Ne laser」Rev.Sci.Instr
um.64(10),1993に詳しい。ここで、本発
明を詳細に述べるために、まず図5を用いて前者の3モ
ードに関する公知文献の周波数安定化の原理を簡単に説
明する。図6は、そのレーザー発振周波数および検出回
路中の信号周波数のスペクトルを表す。
【0006】図5において、3モードで発振するレーザ
ー1において、図6に示すように中心周波数(υc)は
キャビティの発振利得が最も高い周波数近傍に位置し、
従って3つの発振周波数の中で最もパワーが大きいが、
これと両側の隣接縦モード共振周波数(υl,υh)と
は偏光方向が直交している。そのため、共振鏡から取り
出したレーザー光束を偏光板またはλ/4位相板5を通
し、同一方向の振幅成分を合成して干渉させる。このと
き、中心周波数(υc)と両側隣接周波数の間でビート
が発生する。このビート周波数の中で安定化に特に重要
なのは、低い隣接周波数(υl)と中心周波数(υc)
間でのビート周波数(υBL=υc−υl)および高い
隣接周波数(υh)と中心周波数(υc)間でのビート
周波数(υBH=υh−υc)である。共振器長にもよ
るが、それぞれ300MHzから400MHz程度の周
波数であり、この2つのビート周波数は、キャビティ長
の変化により隣接周波数が中心周波数(υc)に向かっ
てシフトする、周波数の引き込み現象の情報を有してい
る。この周波数の引き込み量はキャビティ長に極めて敏
感であるから、この引き込み量が一定になるようにキャ
ビティ長を制御すれば、高精度に周波数安定化がはかれ
る。周波数の引き込み量の変化は、2つのビート周波数
(υBH、υBL)によるビート間ビート周波数(υB
H−υBL)に現れ検出できるから、結局これを一定に
保つようにキャビティ長を制御すれば、周波数安定化が
実現できるわけである。
【0007】3周波の干渉光をアバランシェフォトダイ
オード7により受光し、光電変換する。ここで、ビート
周波数が検出される。さらに、ローカル発振器9により
ビート周波数近傍の300MHz程度の周波数(υlo
c)を電気的に乗算し、さらにローパスフィルターなど
により他の周波数成分をカットし、ビート間ビート周波
数(υBH−υBL)を抽出する。このビート間ビート
周波数を、参照発振器12の周波数と比較しその変化量
を求める。この時点でビート間ビート周波数(υBH−
υBL)は、100KHzから200KHz程度に周波
数を落とされており、元のレーザー発振周波数に比較し
て相対的な引き込み周波数感度が10の6乗以上に拡大
されている。
【0008】従って、キャビティ長の変化に対して極め
て感度の高い周波数変化を起こすので、参照発振器12
の周波数安定度が10の−4乗程度であっても、もとの
レーザー光に対しては10の−10乗の周波数変化を検
出できることになり、非常に高精度な周波数安定化制御
信号を作り出すことが可能となる。周波数安定化は、チ
ューブ外周に巻いたヒーター2の電流値や共振鏡の位置
を動かすPZTなどの駆動電圧を、PIDなどの制御回
路15を用いて制御すればよい。実際にこのような手法
を用いて周波数の安定化を行い、従来の100倍にあた
る10の−10乗という高い周波数安定度が達成された
ことが報告されている。以下、3モードもしくはそれ以
上の多モードで発振するレーザー光のビート間ビート周
波数により周波数引き込み現象を検出し、発振周波数を
安定化するレーザー光源を、単にビート間ビート周波数
安定化レーザーと呼ぶこととする。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来の周波数安定化レ
ーザー光源を用いた干渉測長は、2周波の強度変化やビ
ート周波数変化で光源の周波数安定化を図るため、光源
光の周波数安定度が10の−8乗程度であり、誤差要因
をすべて除去した理想の測長を実現したとしても、10
の−8乗程度が測長精度の限界であった。これは、ヘテ
ロダイン方式やホモダイン方式、干渉縞計数方式などの
測長方式によらない根本的な従来測長法の課題であっ
た。従って、もしレーザー干渉測長器において、前述し
たビート間ビート周波数安定化レーザーを光源に用い、
さらに細江秀による公知文献「Highly prec
ise and stable displaceme
nt−measuring laser interf
erometer withdifferential
optical paths」PrecisionE
ngineering,No.17,Vol.4に示さ
れるような極めて温度ドリフトの少ない干渉測長光学系
により精密測長を行うならば、測長精度を従来の100
倍である10の−10乗程度までに拡大できるであろう
事がわかる。
【0010】従来の干渉測長方式を用いてビート間ビー
ト周波数安定化レーザーを利用するには、下にあげた方
法が考えられる。 3つの発振周波数のうち中心周波数のみを偏光子によ
り取り出して、単一周波数安定化レーザー光源として用
いる。そして、干渉縞計数方式の測長光学系により測長
を行う。 3つの発振周波数のうち中心周波数のみを偏光子によ
り取り出して、単一周波数安定化レーザー光源として用
いる。そして、光源の後段にAOM(音響光学変調素
子)により変調をかけ、一方を旋光させて互いに直交す
る2周波光束を作りだし、2周波ヘテロダイン方式の測
長を行う。 3つの発振周波数のうち中心周波数のみを偏光子によ
り取り出して、単一周波数安定化レーザー光源として用
いる。そして、光源の後段にEOM(電気光学変調素
子)により変調をかけ、ホモダイン方式の測長を行う。
【0011】以上の方式には、それぞれ以下に示す問題
がある。の方式は、ビート間ビート周波数安定化レー
ザーを単に光源として利用するだけで、干渉測長光学系
や検出回路で発生する誤差要因に関し参照する精度基準
がないため、それらから発生する誤差量を絶対的に小さ
くしなければならない。10の−10乗オーダーの測長
精度を得るには、かなりの難しさを伴う。
【0012】およびの方式は、AOMやEOMの発
振周波数に水晶発振子を用いるので、前述したようにそ
の周波数安定度はたかだか10の−7乗程度と光源の周
波数安定度を大きく下回る。したがって、これらの方式
では干渉測長光学系の前後で変調信号の位相や周波数を
比較して、差動的に測長を行う。しかし、そのためには
2つの検出器が必要となり、その特性を同一にせねばな
らず、測長回路も複雑で高価となる。しかも、光源の周
波数安定度よりは、2つの検出器の差動特性で測長精度
が決まってしまうから、光源にあえて多モードのビート
間ビート周波数安定化レーザーを使用する必然性は希薄
である。図4にこれらの2周波ヘテロダインやホモダイ
ン方式にビート間ビート周波数安定化レーザーを用いた
場合の概要を示す。図から、せっかく高精度に安定化さ
れたレーザー光源を用いながら、それを単に光量を得る
ためだけにしか使っておらず、光源部と干渉測長部が完
全に独立したシステムとなっているため、高精度測長を
行うにはそれぞれ個々に高精度化を進めねばならないこ
とが理解できる。以上述べたように、従来の方式ではビ
ート間ビート周波数安定化レーザーの持つ、高精度な周
波数安定度を活かした精密測長は、問題が多く非常に難
しい。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、これまでにな
かったビート間ビート周波数安定化レーザーを干渉測長
に用いる際に、これらの従来の測長方式の問題を解決す
る新しい干渉測長方式を提案し、合理的に精密測長を行
う方法とその測長システムについて述べたものである。
本発明の要件として、ビート間ビート周波数安定化レー
ザーを用い、測長方式は3つの発振周波数を取り出し
て、直交する中心周波数光束と隣接2周波光束により干
渉を行わせ、測長情報を検出する。ここでは以下、これ
を3周波ヘテロダイン方式の測長と呼ぶ。図1にこの3
周波ヘテロダイン測長方式の概要を示す。図では、ビー
ト間ビート周波数安定化レーザーの中心周波数を測定光
束として、隣接2周波を参照光束としている。測定対象
の移動に伴い測定光束の周波数がドップラーシフトを発
生すると、中心周波数と参照光束である隣接2周波間の
周波数が変化し、互いのビート周波数が変化するため、
ビート間ビート周波数も中心周波数の変動量の2倍の値
で変化する。したがって、この3周波ヘテロダイン方式
は、従来の2周波ヘテロダイン方式よりも測長検出感度
を2倍高くできることがわかる。
【0014】本発明における重要な点は、ヘテロダイン
参照するための信号に、光源の周波数安定化に用いたビ
ート間ビート周波数を用いることである。図1に示すよ
うに、光源の安定化に用いたビート間ビート周波数と干
渉測長後のビート間ビート周波数を周波数比較や位相比
較することで、光源光の周波数安定度と同じ精度の参照
信号による測長が可能となる。従って、前述した2周波
安定化レーザーのように測長信号の検出に高精度なロー
カル発振器を必要とせず、また測長信号の検出精度もロ
ーカル発振器12の周波数精度によって制約されないと
いう優れた特徴を有する。しかも、ビート間ビート周波
数というデジタル的な物理量で測長検出するので、測長
回路は高いノイズマージンと直線性、および動作安定性
を容易に確保できる。さらに、参照信号用の検出器は光
源光の周波数安定化を兼ねているので、新たに参照信号
用の検出器を設ける必要が無く、干渉測長後に光電検出
するための1つがあればよい。これは、複数の検出器が
必要な従来法と比べ、簡素で誤差要因の少ない、原理的
に高精度測長に適した方法である。
【0015】このように本発明によれば、ビート間ビー
ト周波数安定化レーザーを用い、その高精度さを活かし
た高精度測長が可能となり、光源の安定化精度までも測
長精度を高めることが可能となる。これは、従来よりも
100倍程高精度に、速度および変位を測定可能とする
ことであり、1mの測長距離に対し0.1nmの測長精
度を与えることに相当する。
【0016】
【作用】本発明の請求項1、2、3の作用を述べる。多
モード発振のレーザー光源において、互いに偏光方向が
直交する主とする共振周波数と隣接する2つの共振周波
数を用いて、それぞれ参照光束と測定光束、または測定
光束と参照光束とすることにより、3周波によるヘテロ
ダイン干渉測長が可能となる。測定光束が隣接共振周波
数であったときは、測定対象が変位した速度により測定
光束の周波数に生じるドップラーシフトは、2つの隣接
周波数とも同じ符号で同じ量だけ変化するから、主周波
数との各ビート周波数のさらにビート間ビート周波数を
取ると、ドップラーシフト量の2倍の周波数を変化量と
して得られる。これを、干渉光学系の入射前のビート間
ビート周波数と周波数や位相比較をして、コモンモード
ノイズ成分をキャンセルすると、従来の2周波ヘテロダ
イン方式の2倍の感度で測長対象の速度検出が可能とな
り、高精度測長に極めて有利である。
【0017】また、本請求項4の作用として、光源とな
る多モードレーザーにおいて、その発振周波数の安定化
を前述したビート間ビート周波数により行うと、干渉測
長光のビート間ビート周波数を参照するためのビート間
ビート周波数に、その光源周波数の安定化用ビート間ビ
ート周波数を用いて兼ねることとすれば、極めて高精度
に周波数安定化された光源と、その周波数安定度と同等
に高精度な参照信号が、一つのビート間ビート周波数検
出回路で得られるため、別体で行うときと比べ、光学素
子や高周波電気回路を大幅に節約でき、しかも参照信号
に光源の周波数安定化以外の新たなノイズ発生源がない
ため、簡素で高い信頼性を有しかつ安価に高精度な測長
が実現できる。
【0018】さらに、本発明の請求項5において、参照
信号となるビート間ビート周波数をビートダウンして得
るために用いる局発振器と、干渉測長信号となるビート
間ビート信号を得るために用いる局発振器を兼用し、同
一の局発振器から得るようにすると、この局発振回路の
持つドリフトやノイズがコモンモード化されるので、参
照信号と干渉測長信号の周波数や位相比較の際に差動的
に除去され、高精度測長に極めて有利とすることができ
る。
【0019】本発明の請求項6、7について、3周波ヘ
テロダイン測長方式の測長回路における参照信号を基準
周波数とし、その整数倍の周波数で発振するVCOを有
し、その出力周波数からカウンターにより分周周波数を
つくり、これと先の基準周波数とを位相比較しフェーズ
ロックをかけるPLL回路を有していて、カウンターの
並列カウント値を干渉測長信号の周波数又はその分周周
波数でラッチして、測長位相角を出力するようにする。
この測長回路によれば、カウンターのビット数を増やす
ことにより容易に内挿分解能を高くする事ができ、回路
のすべてのタイミングが参照信号と干渉測長信号の周波
数で決定されるデジタル回路のため、ノイズに強く、高
い信頼性と直線性、安定性、そして高精度を得られる。
【0020】また、上述とは逆に基準周波数に干渉測長
信号を用い、ラッチのトリガー入力に参照信号を用いて
も良いが、周波数が常に一定で単一となる参照信号をP
LL回路の基準周波数に用いたほうが、VCOの発振周
波数に帯域を持たず、周波数安定度が最良となるように
回路定数を合わせ込むことができる。そのため、フェー
ズロックが極めて安定した高精度なVCOの発振を実現
できるので、参照信号を基準周波数に用いた方が高精度
測長には有利である。また、参照信号として光源周波数
の安定化に用いるビート間ビート周波数を用いれば、ノ
イズなどによる光源の小さな周波数揺らぎや大きな光量
変化に対しても、参照信号のビート間ビート周波数と測
長信号のビート間ビート周波数の両方にその影響が出る
ため、結局差動的に両周波数揺らぎや2値化のスレッシ
ョールド・レベルの変化がキャンセルされて、測長位相
角であるラッチされたカウント値にはほとんど影響せ
ず、極めて高精度な測長検出が出来る。
【0021】
【実施例】図1は、上記請求項の1,2,3,4および
5の実施例である。3周波以上の多モード発振するガス
レーザーチューブ1を出射したレーザー光源光束Aは、
ビームスプリッター3により測長の参照信号光束を兼ね
る光源安定化光束Bと干渉測長用光束に分離される。偏
光子5を通り3周波が合成されて、アバランシェ・フォ
トダイオードで受光される。このとき、3周波の干渉光
束は各ビート周波数として光電変換される。さらに、こ
の光源安定化信号(測長の参照信号でもある)は、ロー
カル発振器9によりそのビート周波数近傍の周波数をD
BM(Double Balanced Mixer)
などにより電気的に乗算されて、ビート間ビート周波数
が検出される。ローパスフィルター10により不要なビ
ート周波数を取り除かれ、周波数参照用ローカル発振器
の参照周波数と比較され、その変動量を検出される。さ
らに、キャビティ長制御信号発生回路15によって、レ
ーザーチューブ外周のヒーター電流を制御する信号とな
り、これによりキャビティ長が一定に保たれ、周波数安
定化がなされる。
【0022】一方、干渉測長用光束は干渉測長光学系の
内部に有する偏光ビームスプリッターなどで、主となる
中央周波数と2つの隣接周波数に分けられ、それぞれ参
照光束、測長光束となり、再び同軸に配されて干渉測長
光学系を出射する。その干渉測長光束Cは、測長対象の
変位またはドップラーシフトに基づく速度情報を有して
おり、偏光子6を通り3周波が干渉して、アバランシェ
・フォトダイオード8により受光される。ここで、ビー
ト周波数に光電変換された干渉測長信号は、光源安定化
信号と同一のローカル発振器9により、全く同じ周波数
で乗算によりビートダウンされ、干渉測長信号のビート
間ビート周波数が得られる。
【0023】この干渉測長信号であるビート間ビート周
波数と、先の干渉測長光学系よりも前段で得た光源安定
化用のビート間ビート周波数とを、比較器14により位
相比較または周波数比較する事により、測長対象の変位
や速度を得ることが出来、しかもそれらを光源周波数の
安定度まで高精度に実現できる。
【0024】図3は、請求項6および7に関する実施例
である。これは、図1で干渉測長光学系よりも前段で得
た光源安定化用のビート間ビート周波数(以下、参照ビ
ート間ビート周波数と呼ぶ)と、干渉測長信号であるビ
ート間ビート周波数(以下、干渉測長ビート間ビート周
波数)を高精度に位相比較するための回路である。参照
ビート間ビート周波数を測長の参照信号としてバッファ
20を通した後、PLL回路の位相比較器21に入力す
る。位相比較結果をローパスフィルター22を通して、
VCO(電圧制御発振器)23に入力し、参照ビート間
ビート周波数の整数倍に発振させる。これをクロックと
して、カウンター24に入力してその整数分の1に周波
数を落とし、位相比較器21に入力する。即ち、VCO
の発振周波数は、参照ビート間ビート周波数のカウンタ
ー24で設定した整数値倍だけ高い周波数に同期される
ので、このカウンター24の並列出力値は参照ビート間
ビート周波数を設定整数値で内分していることになる。
【0025】そこで、このカウンター24の並列出力値
にラッチ25を設け、これに干渉測長ビート間ビート周
波数をバッファ26を通してクロックに同期してトリガ
ーを掛けると、参照ビート間ビート周波数と、干渉測長
ビート間ビート周波数との位相差が設定整数値の分解能
で出力される。図3では、12ビットのバイナリーカウ
ンターを用い、この位相差角度を一周期の4096分の
1の分解能で出力するようになっている。カウンター2
4はバイナリーである必要はなく、整数プリセット値も
任意でよい。この回路によれば、すべてがデジタル回路
であり、高いノイズマージンと非直線誤差のない、高精
度な位相角検出が可能となる。
【0026】図2に示す実施例は、請求項6、7および
8に関する実施例である。図3と同様の位相角検出原理
を使いながら、さらに高分解能を実現した位相角検出回
路である。図3の回路では、高分解能化を行うためには
設定整数値を大きくすればよいが、これはVCOの発振
周波数を高くする事に他ならず、カウンターやラッチの
追従速度の点からも自ずと限界が決まる。一般に3モー
ドレーザーのビート間ビート周波数は100kHzから
200kHzであるから、ロジック回路にECLを用い
たとしても整数値は1000から2000が現状では限
界となる。この課題を解決するため、図2ではカウンタ
ー240位相比較器21への出力を、カウンター24の
上位ビットを残して出力し、しかし位相差角度値である
ラッチ出力は、上位ビットも含むようしてある。VCO
23の発振周波数は、カウンター24のLSB(Lea
st Significant Bit)から位相比較
器21への出力ビット間での整数設定値により決まる
が、位相角の内挿分解能はより上位ビットの分だけ高く
なるわけである。ラッチ出力のサイクルは、同期を取る
ためにこの上位設定整数値の分だけ遅らせてやらねばな
らないから、ラッチのトリガー入力である干渉測長ビー
ト間ビート周波数にこの上位ビット分のカウンター27
を挿入する。
【0027】例えば、図2においてカウンター24にバ
イナリーカウンターを用い、位相比較器出力を8ビット
目から取ると、VCOの発振周波数は参照ビート間ビー
ト周波数の256倍となる。そこからの上位ビットは1
6が設定されており(バイナリーカウンターで、上位4
ビットある)、干渉測長ビート間ビート周波数のカウン
ター27にも同じ整数値が設定されているから、参照ビ
ート間ビート周波数の16分の1の周波数で位相比較を
行い、内挿分解能は12ビットとなる。本発明により、
図3の場合と同じ内挿分解能でありながら、VCOの発
振周波数を16分の1に下げることが出来た。
【0028】
【発明の効果】本発明により、ビート間ビート周波数安
定化レーザーを光源に用いて3周波ヘテロダインによる
光波干渉測長が高精度に可能となり、本発明の検出信号
処理方法を用いることにより、その干渉測長を10の−
10乗以下の相対精度で行う事が出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の概要図である。
【図2】実施例2の概要図である。
【図3】実施例3の概要図である。
【図4】従来技術である2周波ヘテロダイン測長方式の
説明図である。
【図5】ビート間ビート周波数安定化レーザーの説明図
である。
【図6】3周波レーザーの周波数モードの説明図であ
る。
【符号の説明】
A‥‥‥光源出射光束 B‥‥‥周波数
安定化用光束 C‥‥‥干渉測長光束 D‥‥‥参照信
号用光束 1‥‥‥ビート間ビート周波数安定化レーザーチューブ 2‥‥‥キャビティ長制御ヒーター 3‥‥‥ビームスプリッター 4‥‥‥干渉測長光学系 5、6‥λ/4位相板 7、8‥アバランシェ・フォトダイオード 9‥‥‥ビートダウン用ローカル発振器 10、11‥アンプ及びローパスフィルター 12‥‥‥‥周波数参照用ローカル発振器 13、14‥周波数差検出回路 15‥‥‥‥キャビティ長制御信号発生回路 16‥‥‥‥測長信号検出回路 17、18‥PINフォトダイオード 19‥‥‥‥ビート間ビート周波数安定化回路 20、26‥バッファ 21‥‥‥‥位相比較器 22‥‥‥‥ローパスフィルター 23‥‥‥‥VCO(電圧制御発振器) 24‥‥‥‥カウンター 25‥‥‥‥ラッチ 27‥‥‥‥測長タイミング同期用カウンター 28‥‥‥‥EO別(電気光学変調素子)またはAOM
(音響光学変調素子)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】3つ以上のモードで発振する多モードガス
    レーザーを光源とし、その中の主とする周波数光を参照
    光束または測定光束とし、周波数スペクトル上その両側
    に生じる縦モード共振光を測定光束または参照光束とし
    て、これら主周波数と両側隣接周波数の間で生じる2つ
    のビート周波数について、その差の周波数(以下、ビー
    ト間ビート周波数と呼ぶ)を測長対象の速度又は変位の
    情報を含む干渉測長信号として検出することを特徴とし
    た、ヘテロダイン型レーザー干渉測長器。
  2. 【請求項2】上記請求範囲1のレーザー干渉測長器にお
    いて、干渉測長光学系へ入射する前の光源光束の主周波
    数と両側隣接周波数の間で生じる2つのビート周波数の
    ビート間ビート周波数を参照信号とし、干渉測長光学系
    から出射する光束の干渉測長信号であるビート間ビート
    周波数と周波数比較または/かつ位相比較する事で、測
    長対象の速度または変位を得ることを特徴とした、ヘテ
    ロダイン型レーザー干渉測長器。
  3. 【請求項3】上記請求範囲1および2におけるレーザー
    干渉測長器において、主周波数光と両側隣接周波数光の
    間で生じる2つのビート周波数のビート間ビート周波数
    を検出し、それを安定化するようにレーザー共振キャビ
    ティ長を制御して、主周波数と両側隣接周波数を安定化
    した多モードガスレーザーを光源に用いることを特徴と
    する、ヘテロダイン型レーザー干渉測長器。
  4. 【請求項4】上記請求項3のレーザー干渉測長器におい
    て、光源の主周波数と両側隣接周波数を安定化するため
    に用いる2つのビート周波数のビート間ビート周波数を
    参照信号として用い、干渉測長信号におけるビート間ビ
    ート周波数と周波数比較または/かつ位相比較する事
    で、測長対象の速度または変位を得ることを特徴とす
    る、ヘテロダイン型レーザー干渉測長器。
  5. 【請求項5】上記請求項2、3および4のレーザー干渉
    測長器において、参照信号と干渉測長信号のビートダウ
    ンに用いるローカル発振器を、参照信号検出回路と干渉
    測長信号検出回路で共有することを特徴とする、ヘテロ
    ダイン型レーザー干渉測長器。
  6. 【請求項6】上記請求項1、2、3、4および5のレー
    ザー干渉測長器において、主周波数と両側隣接周波数の
    間で生じるビート間ビート周波数である参照信号または
    干渉測長信号を基準周波数とし、その整数倍の周波数で
    VCOを発振させ、その出力をカウンターで分周して得
    た信号と先の参照信号を位相比較するPLL回路を有す
    る事を特徴とする、測長信号検出回路。
  7. 【請求項7】上記請求項6の測長信号検出回路におい
    て、用いられるカウンターの並列カウント値を保持し出
    力するラッチを有し、そのラッチのトリガー入力に、干
    渉測長信号または参照信号のビート間ビート周波数また
    はその分周周波数を用いる事を特徴とする、位相角検出
    回路。
  8. 【請求項8】上記請求項7の位相角検出回路において、
    カウンターが位相検出回路への出力周波数の整数分の1
    の遅い周波数までカウントする上位ビットを有し、かつ
    ラッチして出力する位相角値がその上位ビットを含み、
    さらにラッチにトリガーを与える干渉測長信号又は参照
    信号のビート間ビート周波数に、その上位ビット分だけ
    遅い周波数を発生するカウンターを有することを特徴と
    する、位相角検出回路。
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