JPH0899998A - p53asタンパク質およびそのための抗体 - Google Patents
p53asタンパク質およびそのための抗体Info
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- JPH0899998A JPH0899998A JP6181558A JP18155894A JPH0899998A JP H0899998 A JPH0899998 A JP H0899998A JP 6181558 A JP6181558 A JP 6181558A JP 18155894 A JP18155894 A JP 18155894A JP H0899998 A JPH0899998 A JP H0899998A
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- C07K—PEPTIDES
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- C07K16/18—Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans
- C07K16/32—Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans against translation products of oncogenes
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- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07K—PEPTIDES
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- C07K14/435—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
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- C07K14/4701—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from vertebrates from mammals not used
- C07K14/4746—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from vertebrates from mammals not used p53
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 哺乳類の正常細胞に存在し、少なくともタン
パク質のカルボキシ末端の最後の50アミノ酸までは同
じ哺乳類の既知の正常な成長調節タンパク質p53と本
質的に同一であるp53asと命名されるタンパク質に
対して特異的な抗体。 【効果】 本発明の抗体は、マウスおよびヒトのような
任意の特定の哺乳類のp53asに対して特異的であ
り、p53タンパク質およびp53asタンパク質が細
胞中で相互作用するかどうかの研究を可能にする。
パク質のカルボキシ末端の最後の50アミノ酸までは同
じ哺乳類の既知の正常な成長調節タンパク質p53と本
質的に同一であるp53asと命名されるタンパク質に
対して特異的な抗体。 【効果】 本発明の抗体は、マウスおよびヒトのような
任意の特定の哺乳類のp53asに対して特異的であ
り、p53タンパク質およびp53asタンパク質が細
胞中で相互作用するかどうかの研究を可能にする。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、p53タンパク質およ
びその変異体に関し、さらに特定すると、そのような変
異体に対する抗体に関する。
びその変異体に関し、さらに特定すると、そのような変
異体に対する抗体に関する。
【0002】
【従来技術】p53タンパク質をコードするp53遺伝
子は、全てのヒトのがんの半分以上において欠損してい
る。それがさらに重要であるのは、正常p53遺伝子を
各種のガン細胞に導入するとその成長を阻止するからで
ある。このように、p53遺伝子産物(即ち、p53タ
ンパク質)の欠損は多くのがんにおいて共通しており、
もしこれが直されれば、がん細胞の成長を阻害できるで
あろう。多くのヒトのがんにおいて、p53タンパク質
はp53遺伝子の変異のために不活性である。一のアミ
ノ酸の置換はp53タンパク質の正常な折りたたみを変
化させるのに十分であり、それを成長調節遺伝子として
不活性化する。ある種の細胞においては、変異型p53
タンパク質の折りたたみは細胞因子に結合することによ
って正常な立体配置において安定でありえるが、このこ
とはp53タンパク質に結合してそれを正常な立体配置
において維持するようなペプチドを作ることが可能であ
るかもしれないということを示唆している(立体配置と
は折りたたみによって作られるタンパク質の形態であ
る;立体配置はアミノ酸配列の変化なしで(あるいは変
化とともに)変化しうる)。正常な立体配置はがん抑制
効果を有している。変異型p53立体配置を主に発現す
る細胞は活発な腫瘍を高頻度で生じさせる一方、正常な
立体配置のp53タンパク質を主に発現する細胞は緩や
かに成長する腫瘍を低頻度で生じさせる。
子は、全てのヒトのがんの半分以上において欠損してい
る。それがさらに重要であるのは、正常p53遺伝子を
各種のガン細胞に導入するとその成長を阻止するからで
ある。このように、p53遺伝子産物(即ち、p53タ
ンパク質)の欠損は多くのがんにおいて共通しており、
もしこれが直されれば、がん細胞の成長を阻害できるで
あろう。多くのヒトのがんにおいて、p53タンパク質
はp53遺伝子の変異のために不活性である。一のアミ
ノ酸の置換はp53タンパク質の正常な折りたたみを変
化させるのに十分であり、それを成長調節遺伝子として
不活性化する。ある種の細胞においては、変異型p53
タンパク質の折りたたみは細胞因子に結合することによ
って正常な立体配置において安定でありえるが、このこ
とはp53タンパク質に結合してそれを正常な立体配置
において維持するようなペプチドを作ることが可能であ
るかもしれないということを示唆している(立体配置と
は折りたたみによって作られるタンパク質の形態であ
る;立体配置はアミノ酸配列の変化なしで(あるいは変
化とともに)変化しうる)。正常な立体配置はがん抑制
効果を有している。変異型p53立体配置を主に発現す
る細胞は活発な腫瘍を高頻度で生じさせる一方、正常な
立体配置のp53タンパク質を主に発現する細胞は緩や
かに成長する腫瘍を低頻度で生じさせる。
【0003】これまでに、p53タンパク質およびその
機能についての研究の多くは、それに対する特異的な
(PAb421)抗体に依存していた。DNAに対する
結合または転写の調節の生体外(in vitro)(無細胞
系)分析を使用して研究されてきた大部分のp53タン
パク質は、PAb421を使用して精製されたp53タ
ンパク質を使用しており、他のタンパク質は排除されて
いた。今日までに検出しうるp53の結合は配列特異的
である一方、その効率は低い。図1に示すように、p5
3のカルボキシル末端の修飾によるDNAへの結合に関
するp53タンパク質の活性化のためのモデルが提案さ
れている(Hupp et al. (1922) "Regulationof the spe
cific DNA binding function of P53", Cell 71, 875-8
86 )。修飾には、タンパク質加水分解(カルボキシル
末端アミノ酸の損失)、この領域におけるセリンのリン
酸化またはこの領域内のPAb421抗体の結合が含ま
れる。p53asRNAが、正常マウス細胞および組織
中並びに腫瘍細胞中に存在していることが示されたが
(Han et al. (b) (1992), "Alternatively spliced p5
3 RNA in transformed and normal cells of different
tissue types", Nucleic Acids Res., 20 (8), 1979-1
981 )、しかしながら、これまでの所、このRNAによ
ってコードされるタンパク質は見つかっていない。
機能についての研究の多くは、それに対する特異的な
(PAb421)抗体に依存していた。DNAに対する
結合または転写の調節の生体外(in vitro)(無細胞
系)分析を使用して研究されてきた大部分のp53タン
パク質は、PAb421を使用して精製されたp53タ
ンパク質を使用しており、他のタンパク質は排除されて
いた。今日までに検出しうるp53の結合は配列特異的
である一方、その効率は低い。図1に示すように、p5
3のカルボキシル末端の修飾によるDNAへの結合に関
するp53タンパク質の活性化のためのモデルが提案さ
れている(Hupp et al. (1922) "Regulationof the spe
cific DNA binding function of P53", Cell 71, 875-8
86 )。修飾には、タンパク質加水分解(カルボキシル
末端アミノ酸の損失)、この領域におけるセリンのリン
酸化またはこの領域内のPAb421抗体の結合が含ま
れる。p53asRNAが、正常マウス細胞および組織
中並びに腫瘍細胞中に存在していることが示されたが
(Han et al. (b) (1992), "Alternatively spliced p5
3 RNA in transformed and normal cells of different
tissue types", Nucleic Acids Res., 20 (8), 1979-1
981 )、しかしながら、これまでの所、このRNAによ
ってコードされるタンパク質は見つかっていない。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、本発明
者らは、本明細書中においてp53asと命名されるタ
ンパク質を発見し精製した。p53asをコードする配
列を含むプラスミドを含む大腸菌(E. coli)は、アメリ
カン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATC
C),12301 Parklawn Drive, Rockville, Maryland 20
852 にATCC受託番号69657とともに寄託され
た。p53asタンパク質は哺乳類の正常細胞に存在
し、少なくともタンパク質のカルボキシ末端の最後の5
0アミノ酸までは同じ哺乳類の既知の正常な成長調節タ
ンパク質p53と本質的に同一である。「本質的に同一
である」とは、少なくとも80%、好ましくは少なくと
も90%の配列相同性を意味する。ヒトおよびマウスの
p53はタンパク質レベルで81%の同一性を共有し、
高度に酸性的なN末端、塩基性的なC末端および未電荷
アミノ酸を含む中央領域を有している。
者らは、本明細書中においてp53asと命名されるタ
ンパク質を発見し精製した。p53asをコードする配
列を含むプラスミドを含む大腸菌(E. coli)は、アメリ
カン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATC
C),12301 Parklawn Drive, Rockville, Maryland 20
852 にATCC受託番号69657とともに寄託され
た。p53asタンパク質は哺乳類の正常細胞に存在
し、少なくともタンパク質のカルボキシ末端の最後の5
0アミノ酸までは同じ哺乳類の既知の正常な成長調節タ
ンパク質p53と本質的に同一である。「本質的に同一
である」とは、少なくとも80%、好ましくは少なくと
も90%の配列相同性を意味する。ヒトおよびマウスの
p53はタンパク質レベルで81%の同一性を共有し、
高度に酸性的なN末端、塩基性的なC末端および未電荷
アミノ酸を含む中央領域を有している。
【0005】本発明はさらにタンパク質p53asに特
異的な抗体を含み、本抗体は本明細書中においてAbp
53asと命名される。本抗体はモノクローナル抗体あ
るいはポリクローナル抗体のどちらでもよく、マウスお
よびヒトのような任意の特定の哺乳類のp53asに特
異的であるかもしれない。p53asタンパク質のカル
ボキシル末端側のp53asタンパク質の最後の50ア
ミノ酸は、p53タンパク質の最後の50アミノ酸とは
少なくとも部分的には相違している。この相違は、少な
くとも一部は、タンパク質のカルボキシル末端側の2つ
のタンパク質におけるアミノ酸配列の相違によるもので
あり、また一部は、p53と比較した場合p53asの
アミノ酸鎖の方がより長いことあるいはより短いことに
よるものである。p53asのカルボキシル末端のもっ
とも共通かつ本当らしい最後の数アミノ酸は配列SPN
CおよびSPPCを含んでいると考えられる。
異的な抗体を含み、本抗体は本明細書中においてAbp
53asと命名される。本抗体はモノクローナル抗体あ
るいはポリクローナル抗体のどちらでもよく、マウスお
よびヒトのような任意の特定の哺乳類のp53asに特
異的であるかもしれない。p53asタンパク質のカル
ボキシル末端側のp53asタンパク質の最後の50ア
ミノ酸は、p53タンパク質の最後の50アミノ酸とは
少なくとも部分的には相違している。この相違は、少な
くとも一部は、タンパク質のカルボキシル末端側の2つ
のタンパク質におけるアミノ酸配列の相違によるもので
あり、また一部は、p53と比較した場合p53asの
アミノ酸鎖の方がより長いことあるいはより短いことに
よるものである。p53asのカルボキシル末端のもっ
とも共通かつ本当らしい最後の数アミノ酸は配列SPN
CおよびSPPCを含んでいると考えられる。
【0006】図面の説明 図1は、p53タンパク質によるDNA結合の活性化に
ついての提唱された機構の図解を示す。図2は、p53
asタンパク質の活性のための提唱された機構について
の図解を示す。図3は、選択的スプライシングによって
導入された変化を示すp53タンパク質のドメイン地図
である。マウスp53は390アミノ酸を有する。ドメ
イン(Vogelstein et al., (1992), "p53 function and
dysfunction", Cell 70, 523-526 を参照、本文献は本
明細書中に引用される)は以下の通りである: ACT;転写活性化ドメイン HSP;変異体p53の熱ショックタンパク質結合領域 HOTスポット;大部分の形質転換変異が生じるような
p53タンパク質中の高度保存領域 PAb240;一定の変異型に立体配置特異的な抗体が
結合する領域、ネズミ科(murine)アミノ酸156−2
14 PAb246:正常野性型立体配置に対する抗体が結合
する領域、ネズミ科アミノ酸88−109 PAb421:野性型および変異型立体配置に対する抗
体が結合する領域、アミノ酸370−378 NUC:核局在シグナル CDC2キナーゼセリンリン酸化部位;CK2カゼイン
キナーゼセリンリン酸化部位、これもまた5.8rRN
A結合の部位である OLIGO:p53自己結合の部位。
ついての提唱された機構の図解を示す。図2は、p53
asタンパク質の活性のための提唱された機構について
の図解を示す。図3は、選択的スプライシングによって
導入された変化を示すp53タンパク質のドメイン地図
である。マウスp53は390アミノ酸を有する。ドメ
イン(Vogelstein et al., (1992), "p53 function and
dysfunction", Cell 70, 523-526 を参照、本文献は本
明細書中に引用される)は以下の通りである: ACT;転写活性化ドメイン HSP;変異体p53の熱ショックタンパク質結合領域 HOTスポット;大部分の形質転換変異が生じるような
p53タンパク質中の高度保存領域 PAb240;一定の変異型に立体配置特異的な抗体が
結合する領域、ネズミ科(murine)アミノ酸156−2
14 PAb246:正常野性型立体配置に対する抗体が結合
する領域、ネズミ科アミノ酸88−109 PAb421:野性型および変異型立体配置に対する抗
体が結合する領域、アミノ酸370−378 NUC:核局在シグナル CDC2キナーゼセリンリン酸化部位;CK2カゼイン
キナーゼセリンリン酸化部位、これもまた5.8rRN
A結合の部位である OLIGO:p53自己結合の部位。
【0007】選択的にスプライスされた野性型(Han et
al., (b) (1992), supra)または変異型p53mRNA
(Arai et al., (1986) "Immunologically distinct p5
3 molecules generated by alternative splicing", Mo
l. and Cell. Biol., 6, 3232-3239)から翻訳されたタ
ンパク質のC末端領域における予期される変化が示され
ている。p53asのmRNA中に保持されているイン
トロン10の断片はエキソンの間に三角形として示され
ている。(予期されるα−ヘリックススパニング334
−356内の)酸性アミノ酸および(位置363−38
6の間で、C末端ペプチド配列中で底に線が引かれてい
る)塩基性アミノ酸を、Sturzbecher et al. (1992),
"A C-terminal a -herix plus basic region motif is
the major structural determinant of p53 tetrameriz
ation",Oncogene 7, 1513-1523 に従って標識する。
al., (b) (1992), supra)または変異型p53mRNA
(Arai et al., (1986) "Immunologically distinct p5
3 molecules generated by alternative splicing", Mo
l. and Cell. Biol., 6, 3232-3239)から翻訳されたタ
ンパク質のC末端領域における予期される変化が示され
ている。p53asのmRNA中に保持されているイン
トロン10の断片はエキソンの間に三角形として示され
ている。(予期されるα−ヘリックススパニング334
−356内の)酸性アミノ酸および(位置363−38
6の間で、C末端ペプチド配列中で底に線が引かれてい
る)塩基性アミノ酸を、Sturzbecher et al. (1992),
"A C-terminal a -herix plus basic region motif is
the major structural determinant of p53 tetrameriz
ation",Oncogene 7, 1513-1523 に従って標識する。
【0008】図4は、ELISAによって検出された抗
−p53as血清およびアフィニティー精製抗体のp5
3asペプチドとの反応性のグラフを示す。ニュージー
ランド白雌ラビットをp53asのC末端17アミノ酸
に等しいペプチドで免疫した。p53asペプチドはRP
CIバイオポリマー機関(Biopolymer facility )で合成
し、免疫感作はRPCI Springville Laboratories で行っ
た。ELISAプレートを2μgのペプチドで被覆し、
免疫前の血清または63日免疫血清を1/500から1
/640,000(1/2希釈)と反応させ、ペルオキ
シダーゼ結合アフィニティー単離ヤギ抗ラビット免疫グ
ロブリンと反応させた。全免疫血清(白丸)または(ペ
プチドに対する)アフィニティー精製抗p53as抗体
(黒丸)を一次抗体として使用し、全免疫前血清(白四
角)または硫酸アンモニウム沈澱IgG画分(黒四角)
を対照として使用した。
−p53as血清およびアフィニティー精製抗体のp5
3asペプチドとの反応性のグラフを示す。ニュージー
ランド白雌ラビットをp53asのC末端17アミノ酸
に等しいペプチドで免疫した。p53asペプチドはRP
CIバイオポリマー機関(Biopolymer facility )で合成
し、免疫感作はRPCI Springville Laboratories で行っ
た。ELISAプレートを2μgのペプチドで被覆し、
免疫前の血清または63日免疫血清を1/500から1
/640,000(1/2希釈)と反応させ、ペルオキ
シダーゼ結合アフィニティー単離ヤギ抗ラビット免疫グ
ロブリンと反応させた。全免疫血清(白丸)または(ペ
プチドに対する)アフィニティー精製抗p53as抗体
(黒丸)を一次抗体として使用し、全免疫前血清(白四
角)または硫酸アンモニウム沈澱IgG画分(黒四角)
を対照として使用した。
【0009】図5は53kdタンパク質の抗p53as
免疫沈降を示す。扁平細胞がん株291.03RAT からのp5
3asの免疫沈降:35Sメチオニン標識細胞を溶解し、
2×107 cpmの溶解物を以下に示す抗血清の抗体と
反応させた:ApAsはアフィニティー精製抗−p53
asを示す;Pre−Iは免疫前ラビット血清を示す;
PAb421はp53asに存在しないエピトープに対
する抗−p53抗体を示す;IgG2aはPAb421
に対するマウスIgGイディオタイプ対照を示す;CM
−5はp53およびp53asタンパク質の両方と反応
するラビットポリクローナル抗−p53抗体を示す;M
Wは標準分子量(kd)を示す。85℃で5分間加熱す
ることによって抗体複合体から分離した後に、タンパク
質を実験操作で記載するように電気泳動によって溶解し
た。53kdのタンパク質がPAb421およびアフィ
ニティー精製抗−p53as(ApAs)およびラビッ
トポリクローナル抗−p53血清CM5によって検出で
きた。
免疫沈降を示す。扁平細胞がん株291.03RAT からのp5
3asの免疫沈降:35Sメチオニン標識細胞を溶解し、
2×107 cpmの溶解物を以下に示す抗血清の抗体と
反応させた:ApAsはアフィニティー精製抗−p53
asを示す;Pre−Iは免疫前ラビット血清を示す;
PAb421はp53asに存在しないエピトープに対
する抗−p53抗体を示す;IgG2aはPAb421
に対するマウスIgGイディオタイプ対照を示す;CM
−5はp53およびp53asタンパク質の両方と反応
するラビットポリクローナル抗−p53抗体を示す;M
Wは標準分子量(kd)を示す。85℃で5分間加熱す
ることによって抗体複合体から分離した後に、タンパク
質を実験操作で記載するように電気泳動によって溶解し
た。53kdのタンパク質がPAb421およびアフィ
ニティー精製抗−p53as(ApAs)およびラビッ
トポリクローナル抗−p53血清CM5によって検出で
きた。
【0010】図6はp53as抗原活性の核局在を示す
免疫蛍光フィールドを示す。細胞をガラスカバースリッ
プ上に1.5×104 細胞/cm2 の割合で植え、約70
%の集密になるまで成長させた。核反応性を100%エ
タノールで固定した細胞の間接免疫蛍光分析においてア
フィニティー精製抗−ASp53抗体を使用して検出し
た(A)。この反応性は、(重量)比1:1のp53a
sタンパク質のC末端に対応する17アミノ酸ペプチド
によって、競合により完全に阻害された(C)。無関連
16アミノ酸ペプチドの比が10:1になるまでは競合
は明白ではなかった(E)。免疫蛍光フィールドに対応
する位相差光学写真を右側に示す(B、D、F)。結果
は全ての上皮細胞株に関して同様であった(291.03RAT
のトランスフェクタントクローン119が示されてい
る)。IgG2a、IgG1または硫酸アンモニウム分
画免疫前血清対照における蛍光は無視できた(データは
示されていない)。バーは15μmに等しい。
免疫蛍光フィールドを示す。細胞をガラスカバースリッ
プ上に1.5×104 細胞/cm2 の割合で植え、約70
%の集密になるまで成長させた。核反応性を100%エ
タノールで固定した細胞の間接免疫蛍光分析においてア
フィニティー精製抗−ASp53抗体を使用して検出し
た(A)。この反応性は、(重量)比1:1のp53a
sタンパク質のC末端に対応する17アミノ酸ペプチド
によって、競合により完全に阻害された(C)。無関連
16アミノ酸ペプチドの比が10:1になるまでは競合
は明白ではなかった(E)。免疫蛍光フィールドに対応
する位相差光学写真を右側に示す(B、D、F)。結果
は全ての上皮細胞株に関して同様であった(291.03RAT
のトランスフェクタントクローン119が示されてい
る)。IgG2a、IgG1または硫酸アンモニウム分
画免疫前血清対照における蛍光は無視できた(データは
示されていない)。バーは15μmに等しい。
【0011】図7は、増殖している(LC)または分化
している(HC)未形質転換親291細胞からの、およ
び291.03RAT (03RAT)がん細胞または変異型p5
3(バリン−135)をトランスフェクトしたその誘導
クローン119からのp53の競合免疫沈降を示す。細
胞溶解物をNET/GEL中で2μgのPAb421、
4μのPAb246または1.4μの抗−p53as
(ApAs)とインキュベートする。免疫複合体を5m
gのプロテインAと4℃で2時間インキュベートし、遠
心し、免疫沈降されたタンパク質を85℃で15分間加
熱しながらペレットから溶出した。遠心後、上清中のタ
ンパク質を10%ポリアクリルアミド変性ゲル上で、標
準分子量(MW、kd)とともに電気泳動することによ
って分離した。クローン119中の免疫沈降可能なp5
3asタンパク質は、トランスフェクトされた変異型転
写物から、あるいは内生の野性型p53asRNAから
生じえた。細胞株中の特定の抗体反応性の比較を助ける
ために、各レーン中のp53シグナルの強度を、291
LCのApAs反応性を1として相対的に表す(各レー
ンの底の数字)。
している(HC)未形質転換親291細胞からの、およ
び291.03RAT (03RAT)がん細胞または変異型p5
3(バリン−135)をトランスフェクトしたその誘導
クローン119からのp53の競合免疫沈降を示す。細
胞溶解物をNET/GEL中で2μgのPAb421、
4μのPAb246または1.4μの抗−p53as
(ApAs)とインキュベートする。免疫複合体を5m
gのプロテインAと4℃で2時間インキュベートし、遠
心し、免疫沈降されたタンパク質を85℃で15分間加
熱しながらペレットから溶出した。遠心後、上清中のタ
ンパク質を10%ポリアクリルアミド変性ゲル上で、標
準分子量(MW、kd)とともに電気泳動することによ
って分離した。クローン119中の免疫沈降可能なp5
3asタンパク質は、トランスフェクトされた変異型転
写物から、あるいは内生の野性型p53asRNAから
生じえた。細胞株中の特定の抗体反応性の比較を助ける
ために、各レーン中のp53シグナルの強度を、291
LCのApAs反応性を1として相対的に表す(各レー
ンの底の数字)。
【0012】図8は、アクチノマイシンDによる処理後
の291.05RAT がん細胞中のp53RNAのノーザンブロ
ットを示す。細胞を0.5nMのアクチノマイシンDま
たは0.2%アセトンに48時間露出した後に回収し、
RNAを実験操作に詳述したように抽出した。7SRN
Aとの比較によって荷重のために調整された、強度計に
よって検出しうるシグナル中の倍数増加を示す。
の291.05RAT がん細胞中のp53RNAのノーザンブロ
ットを示す。細胞を0.5nMのアクチノマイシンDま
たは0.2%アセトンに48時間露出した後に回収し、
RNAを実験操作に詳述したように抽出した。7SRN
Aとの比較によって荷重のために調整された、強度計に
よって検出しうるシグナル中の倍数増加を示す。
【0013】図9Aから図9Fは291.05RAT がん細胞中
におけるp53(PAb421)およびp53as抗原
活性の発現を示す。細胞を0.5nMのアクチノマイシ
ンDで2日間処理し、トリプシン処理によって採取し
た。細胞を、一次抗体対照(上段左)を除いて示された
すべての場合において、(同じチューブ中で)抗−p5
3asおよびPAb421抗体とともに懸濁液中で浸透
させ染色した。上段から中段の3枚のドットプロット、
即ち図9Aから図9Cにおいては、X軸上のFL1蛍光
強度はFITC(緑)であり、PAb421反応性を視
覚化するために使用したものであり、Y軸上のFL2蛍
光強度はフィコエリトリン(赤)であり、抗−p53a
s反応性を視覚化するために使用したものである。細胞
のインキュベーションの前に、抗−p53as抗体を、
特異的抗−p53as反応性を競合的に除去するp53
asペプチドか、あるいはペプチドに対する非特異的結
合を調節する未関連ペプチドのどちらかに露出し、p5
3asタンパク質に対する特異的な反応性のみを残し
た。流動細胞計測法によって集められた事象は、実験操
作に記載したように単一の細胞のみであった。IgG2
aおよび免疫前対照に基づく全細胞データを整合して4
つの領域を描写した:両方の抗体にネガティブ(R
4)、抗−p53asのみポジティブ(R1)、PAb
421および抗−p53asにポジティブ(R2)およ
びPAb421のみポジティブ(R3)。チューブ当た
り10,000の全事象のファイルを回収した後
((A)から(C)の3枚のドットプロット中に示され
るように)、さらなるゲートをセットし、ネガティブ細
胞(R4)を除去し、PAb421にポジティブな細胞
の回収を最大化したり(棒グラフR3に示す)、あるい
は抗−p53asにポジティブな細胞(R2)の回収を
最大化するためにネガティブな細胞(R4)およびPA
b421にのみポジティブな細胞(R3)を除去した。
各領域(R2からR4、図9Dから図9F)からの事象
の細胞周期分布を(D)から(F)の3つの棒グラフ中
に示す。全細胞の百分率として表現されている各領域の
細胞数は以下の通りである:未関連ペプチド、R1:
0.02、R2、1.7、R3、17およびR4、79
(合計数は、四捨五入誤差および分析に含まれる窓の外
の無視しうる事象数のせいで100にはならない。);
p53asペプチド、R1、0.02、R2、0.0
5、R3、19、R4、79。細胞周期の各段階におけ
る細胞の百分率および示されている棒グラフ中の各領域
の総事象数(n)は以下の通りである:R2、G0/G
1、19、S、13、G2/M、25および>G2/
M、43、n=2224;R3、G0/G1、38、
S、16、G2/M、33および>G2/M、12、n
=6879;R4、G0/G1、60、S、18、G2
/M、21および>G2/M、1、n=7925。
におけるp53(PAb421)およびp53as抗原
活性の発現を示す。細胞を0.5nMのアクチノマイシ
ンDで2日間処理し、トリプシン処理によって採取し
た。細胞を、一次抗体対照(上段左)を除いて示された
すべての場合において、(同じチューブ中で)抗−p5
3asおよびPAb421抗体とともに懸濁液中で浸透
させ染色した。上段から中段の3枚のドットプロット、
即ち図9Aから図9Cにおいては、X軸上のFL1蛍光
強度はFITC(緑)であり、PAb421反応性を視
覚化するために使用したものであり、Y軸上のFL2蛍
光強度はフィコエリトリン(赤)であり、抗−p53a
s反応性を視覚化するために使用したものである。細胞
のインキュベーションの前に、抗−p53as抗体を、
特異的抗−p53as反応性を競合的に除去するp53
asペプチドか、あるいはペプチドに対する非特異的結
合を調節する未関連ペプチドのどちらかに露出し、p5
3asタンパク質に対する特異的な反応性のみを残し
た。流動細胞計測法によって集められた事象は、実験操
作に記載したように単一の細胞のみであった。IgG2
aおよび免疫前対照に基づく全細胞データを整合して4
つの領域を描写した:両方の抗体にネガティブ(R
4)、抗−p53asのみポジティブ(R1)、PAb
421および抗−p53asにポジティブ(R2)およ
びPAb421のみポジティブ(R3)。チューブ当た
り10,000の全事象のファイルを回収した後
((A)から(C)の3枚のドットプロット中に示され
るように)、さらなるゲートをセットし、ネガティブ細
胞(R4)を除去し、PAb421にポジティブな細胞
の回収を最大化したり(棒グラフR3に示す)、あるい
は抗−p53asにポジティブな細胞(R2)の回収を
最大化するためにネガティブな細胞(R4)およびPA
b421にのみポジティブな細胞(R3)を除去した。
各領域(R2からR4、図9Dから図9F)からの事象
の細胞周期分布を(D)から(F)の3つの棒グラフ中
に示す。全細胞の百分率として表現されている各領域の
細胞数は以下の通りである:未関連ペプチド、R1:
0.02、R2、1.7、R3、17およびR4、79
(合計数は、四捨五入誤差および分析に含まれる窓の外
の無視しうる事象数のせいで100にはならない。);
p53asペプチド、R1、0.02、R2、0.0
5、R3、19、R4、79。細胞周期の各段階におけ
る細胞の百分率および示されている棒グラフ中の各領域
の総事象数(n)は以下の通りである:R2、G0/G
1、19、S、13、G2/M、25および>G2/
M、43、n=2224;R3、G0/G1、38、
S、16、G2/M、33および>G2/M、12、n
=6879;R4、G0/G1、60、S、18、G2
/M、21および>G2/M、1、n=7925。
【0014】図10Aから図10Fは291.05RAT がん細
胞におけるp53(PAb421)およびp53as抗
原活性の発現を示す。細胞を細胞成長に有利である低C
a2+濃度(LC)下で培養した。処理および分析は図9
Aから図9Fにおけるがん細胞の場合と同様にした。ド
ットプロットを図10Aから図10Cに示し、棒グラフ
を図10Dから図10Fに示す。全細胞の百分率として
表現した各領域における細胞数は以下の通りである:未
関連ペプチド、R1、1.2、R2、2、R3、4およ
びR4、92;p53asペプチド、R1、0.1、R
2、0.1、R3、5、R4、94。細胞周期の各段階
における対照細胞の百分率および示されている棒グラフ
中の各領域の総事象数(n)は以下の通りである:R
2、G0/G1、29、S、11、G2/M、35およ
び>G2/M、25、n=1074;R3、G0/G
1、61、S、15、G2/M、22および>G2/
M、2、n=1974;R4、G0/G1、78、S、
11、G2/M、11および>G2/M、0.04、n
=9194。
胞におけるp53(PAb421)およびp53as抗
原活性の発現を示す。細胞を細胞成長に有利である低C
a2+濃度(LC)下で培養した。処理および分析は図9
Aから図9Fにおけるがん細胞の場合と同様にした。ド
ットプロットを図10Aから図10Cに示し、棒グラフ
を図10Dから図10Fに示す。全細胞の百分率として
表現した各領域における細胞数は以下の通りである:未
関連ペプチド、R1、1.2、R2、2、R3、4およ
びR4、92;p53asペプチド、R1、0.1、R
2、0.1、R3、5、R4、94。細胞周期の各段階
における対照細胞の百分率および示されている棒グラフ
中の各領域の総事象数(n)は以下の通りである:R
2、G0/G1、29、S、11、G2/M、35およ
び>G2/M、25、n=1074;R3、G0/G
1、61、S、15、G2/M、22および>G2/
M、2、n=1974;R4、G0/G1、78、S、
11、G2/M、11および>G2/M、0.04、n
=9194。
【0015】本発明によると、本発明者は今や野性型
(正常)p53タンパク質の新規な形態を発見し、それ
が未形質転換マウス細胞株およびマウス扁平がん細胞中
に存在していることを証明した。p53as(選択的に
スプライスされたp53)と命名されたそれは、p53
メッセンジャーRNA(mRNA)の修飾中の正常な変
化から生じる。野性型の選択的にスプライスされたp5
3(p53as)RNAが主要p53RNA形態の約2
5から33%の割合でマウス培養細胞および正常マウス
組織に存在することは以前に証明されていた。選択的R
NA転写物はイントロン10配列の選択的スプライシン
グのせいで主要転写産物よりも96nt長いことが分か
っていた。今や、p53asタンパク質が未形質転換が
ん(malignant )上皮細胞中に存在し、主要p53タン
パク質とともに核に局在しているということが確定し
た。p53as転写産物から生成することが予期される
タンパク質は主要p53タンパク質より9アミノ酸短
く、カルボキシル末端に17の異なるアミノ酸を有して
いる。さらに、p53asタンパク質は、G1で優先的
に発現する主要p53タンパク質と比較した場合、細胞
周期のG2期中に、そしてより大きなG2DNA含量を
有する細胞中で優先的に発現する。p53as免疫反応
性は、未形質転換の悪性ではない細胞のアクチノマイシ
ンD処理後に、上昇し細胞周期のG1期に移動する。自
身のDNA結合活性および転写活性化活性に必要である
かもしれないp53タンパク質の二量体化および四量体
化の点から見て、細胞中におけるp53asタンパク質
の存在はp53遺伝子の生理的機能を理解するために重
要な意味を有している。
(正常)p53タンパク質の新規な形態を発見し、それ
が未形質転換マウス細胞株およびマウス扁平がん細胞中
に存在していることを証明した。p53as(選択的に
スプライスされたp53)と命名されたそれは、p53
メッセンジャーRNA(mRNA)の修飾中の正常な変
化から生じる。野性型の選択的にスプライスされたp5
3(p53as)RNAが主要p53RNA形態の約2
5から33%の割合でマウス培養細胞および正常マウス
組織に存在することは以前に証明されていた。選択的R
NA転写物はイントロン10配列の選択的スプライシン
グのせいで主要転写産物よりも96nt長いことが分か
っていた。今や、p53asタンパク質が未形質転換が
ん(malignant )上皮細胞中に存在し、主要p53タン
パク質とともに核に局在しているということが確定し
た。p53as転写産物から生成することが予期される
タンパク質は主要p53タンパク質より9アミノ酸短
く、カルボキシル末端に17の異なるアミノ酸を有して
いる。さらに、p53asタンパク質は、G1で優先的
に発現する主要p53タンパク質と比較した場合、細胞
周期のG2期中に、そしてより大きなG2DNA含量を
有する細胞中で優先的に発現する。p53as免疫反応
性は、未形質転換の悪性ではない細胞のアクチノマイシ
ンD処理後に、上昇し細胞周期のG1期に移動する。自
身のDNA結合活性および転写活性化活性に必要である
かもしれないp53タンパク質の二量体化および四量体
化の点から見て、細胞中におけるp53asタンパク質
の存在はp53遺伝子の生理的機能を理解するために重
要な意味を有している。
【0016】p53asタンパク質は、p53と同様
に、細胞の成長および成熟の研究、正常細胞と異常細胞
の成長の検出に使用してもよく、また異常に成長する細
胞の細胞成長を正常化するために使用してもよいと考え
られる。これ以後、現在までに認識されているp53タ
ンパク質は、p53の主要形態または単純p53という
ことになろう:このことは、p53asがp53より比
較的高い量で存在しているかもしれない細胞型の存在を
除外するものではない。DNAはRNAに転写され、そ
れからイントロンと呼ばれる断片の除去によって加工さ
れ、タンパク質をコードする成熟メッセンジャーRNA
が生ずる。選択的スプライシングにおいては、イントロ
ンの断片は(選択的にスプライスされたメッセンジャー
RNAと呼ばれる)コード配列中に保持され、主要形態
のタンパク質とは部分的に異なるタンパク質を作る。マ
ウス正常および腫瘍細胞中に見出されるp53as配列
は、(主要p53形態中の全部で390アミノ酸のう
ち)p53タンパク質のカルボキシル末端において17
の異なるアミノ酸を有している。この特異的な配列を使
用して、マウスp53asに特異的な抗体を製造した。
この抗体は主要p53タンパク質とは交差反応しない。
p53asと反応する他の抗体は報告されておらず、ま
た入手可能な知識に基づいて作られていないという点で
これは新規である。
に、細胞の成長および成熟の研究、正常細胞と異常細胞
の成長の検出に使用してもよく、また異常に成長する細
胞の細胞成長を正常化するために使用してもよいと考え
られる。これ以後、現在までに認識されているp53タ
ンパク質は、p53の主要形態または単純p53という
ことになろう:このことは、p53asがp53より比
較的高い量で存在しているかもしれない細胞型の存在を
除外するものではない。DNAはRNAに転写され、そ
れからイントロンと呼ばれる断片の除去によって加工さ
れ、タンパク質をコードする成熟メッセンジャーRNA
が生ずる。選択的スプライシングにおいては、イントロ
ンの断片は(選択的にスプライスされたメッセンジャー
RNAと呼ばれる)コード配列中に保持され、主要形態
のタンパク質とは部分的に異なるタンパク質を作る。マ
ウス正常および腫瘍細胞中に見出されるp53as配列
は、(主要p53形態中の全部で390アミノ酸のう
ち)p53タンパク質のカルボキシル末端において17
の異なるアミノ酸を有している。この特異的な配列を使
用して、マウスp53asに特異的な抗体を製造した。
この抗体は主要p53タンパク質とは交差反応しない。
p53asと反応する他の抗体は報告されておらず、ま
た入手可能な知識に基づいて作られていないという点で
これは新規である。
【0017】p53asタンパク質は、カルボキシル末
端内の17アミノ酸の置換および9アミノ酸の損失によ
って、この「DNA活性化」領域内の変化をすでに有し
ている。それ自体との複合体(p53タンパク質の二量
体化にとって重要であることが知られている酸性残基の
保持により二量体の形成が可能である)または主要p5
3タンパク質との複合体で存在するp53asタンパク
質は、主要p53タンパク質単独のホモ二量体またはホ
モ四量体よりも、変化したおそらくより大きな効率で、
DNAに結合し、特異的な標的遺伝子の転写を調節する
のであろう(図2参照)。本発明以前に入手可能なマウ
スp53に対するポリクローナルおよびモノクローナル
抗体は、p53asを特異的には認識しない。これらに
は、正常な折りたたみ状態のマウスp53を認識するP
Ab246、一定の変異型p53タンパク質を認識する
PAb240、p53as中では置換または損失されて
いるカルボキシル末端アミノ酸を認識するPAb421
が含まれる。同様に、ヒトp53はモノクローナルおよ
びポリクローナル抗体によって認識される。カルボキシ
ル末端における選択的スプライシングによって製造され
たヒトp53の報告はなく、ヒトp53asに対する特
異的な抗体は入手できない。
端内の17アミノ酸の置換および9アミノ酸の損失によ
って、この「DNA活性化」領域内の変化をすでに有し
ている。それ自体との複合体(p53タンパク質の二量
体化にとって重要であることが知られている酸性残基の
保持により二量体の形成が可能である)または主要p5
3タンパク質との複合体で存在するp53asタンパク
質は、主要p53タンパク質単独のホモ二量体またはホ
モ四量体よりも、変化したおそらくより大きな効率で、
DNAに結合し、特異的な標的遺伝子の転写を調節する
のであろう(図2参照)。本発明以前に入手可能なマウ
スp53に対するポリクローナルおよびモノクローナル
抗体は、p53asを特異的には認識しない。これらに
は、正常な折りたたみ状態のマウスp53を認識するP
Ab246、一定の変異型p53タンパク質を認識する
PAb240、p53as中では置換または損失されて
いるカルボキシル末端アミノ酸を認識するPAb421
が含まれる。同様に、ヒトp53はモノクローナルおよ
びポリクローナル抗体によって認識される。カルボキシ
ル末端における選択的スプライシングによって製造され
たヒトp53の報告はなく、ヒトp53asに対する特
異的な抗体は入手できない。
【0018】本発明によるp53asタンパク質に対す
る抗体の開発により、p53タンパク質およびp53a
sタンパク質が細胞中で相互作用するかどうかの研究が
可能になり、またp53およびp53asタンパク質間
の複合体のDNA結合および転写調節の効率の生体外
(in vitro)研究が可能になるであろう。そのような抗
体はまた、異常に加速した成長を示す細胞から正常な成
長を示す細胞を検出することを可能にするであろう。マ
ウスp53RNAの選択的スプライシングにより、p5
3遺伝子のイントロン10から96ntの挿入が生じ
る。これらの96ntは主要なp53RNA形態のもの
とは異なる17アミノ酸を(フレーム中で)コードして
いて、残基365で始まり残基381まで伸び、9アミ
ノ酸の切断をもたらす終止コドンが続いている。マウス
p53asペプチドと呼ばれる、選択的にスプライスさ
れたマウスp53のこの17アミノ酸ペプチドは、LQ
PRAFQALIKEESPNCである。それは標準の
合成法によって製造され、その正確さを試験し、実験室
中で保存されている。詳細および操作法は以下の通りで
ある。
る抗体の開発により、p53タンパク質およびp53a
sタンパク質が細胞中で相互作用するかどうかの研究が
可能になり、またp53およびp53asタンパク質間
の複合体のDNA結合および転写調節の効率の生体外
(in vitro)研究が可能になるであろう。そのような抗
体はまた、異常に加速した成長を示す細胞から正常な成
長を示す細胞を検出することを可能にするであろう。マ
ウスp53RNAの選択的スプライシングにより、p5
3遺伝子のイントロン10から96ntの挿入が生じ
る。これらの96ntは主要なp53RNA形態のもの
とは異なる17アミノ酸を(フレーム中で)コードして
いて、残基365で始まり残基381まで伸び、9アミ
ノ酸の切断をもたらす終止コドンが続いている。マウス
p53asペプチドと呼ばれる、選択的にスプライスさ
れたマウスp53のこの17アミノ酸ペプチドは、LQ
PRAFQALIKEESPNCである。それは標準の
合成法によって製造され、その正確さを試験し、実験室
中で保存されている。詳細および操作法は以下の通りで
ある。
【0019】
【実施例】マウスクローン化ケラチン細胞モデルの腫瘍
および正常細胞由来のp53cDNAの配列決定の間
に、本発明者はその中に選択的にスプライスされたp5
3mRNAを検出したが、そこではイントロン10の
3’末端の96ntがマウスp53遺伝子(1は最初の
ATGコドンのアデニンである)のnt1091とnt
1092の間に挿入されていた;(Han et al. (b) (19
92), supra)。p53mRNAは、Wolf et al., (198
5) "Isolation of a full-length mouse cDNA clone c
oding for an immunologically distinct p53 molecul
e", Mol. and Cell.Biol. 51, 127-132によって化学的
に形質転換した線維芽細胞株から変異型p53cDNA
(M−8)として最初にクローン化された。Arai et a
l., supraは、このp53cDNA変異体の配列を報告
し、選択的スプライシングによって生成されていること
を確かめた。それは未形質転換ヘルパーT細胞cDNA
ライブラリー中では検出できなかったために、それはこ
の腫瘍細胞系列に特異的であるように見えた。しかしな
がら、野性型の選択的にスプライスされたp53RNA
が、主要p53RNA形態の約25から33%の割合
で、正常細胞および組織中で発現していることが証明さ
れた(Han et al., (b) (1992) supra)。さらに、それ
は、p53RNAを(上記したように)過剰発現する2
つの独立的に由来する上皮がん細胞株中においてほとん
ど同じ割合で存在しており、それゆえ、p53の主要形
態とともに調和的に増加するように見えた。
および正常細胞由来のp53cDNAの配列決定の間
に、本発明者はその中に選択的にスプライスされたp5
3mRNAを検出したが、そこではイントロン10の
3’末端の96ntがマウスp53遺伝子(1は最初の
ATGコドンのアデニンである)のnt1091とnt
1092の間に挿入されていた;(Han et al. (b) (19
92), supra)。p53mRNAは、Wolf et al., (198
5) "Isolation of a full-length mouse cDNA clone c
oding for an immunologically distinct p53 molecul
e", Mol. and Cell.Biol. 51, 127-132によって化学的
に形質転換した線維芽細胞株から変異型p53cDNA
(M−8)として最初にクローン化された。Arai et a
l., supraは、このp53cDNA変異体の配列を報告
し、選択的スプライシングによって生成されていること
を確かめた。それは未形質転換ヘルパーT細胞cDNA
ライブラリー中では検出できなかったために、それはこ
の腫瘍細胞系列に特異的であるように見えた。しかしな
がら、野性型の選択的にスプライスされたp53RNA
が、主要p53RNA形態の約25から33%の割合
で、正常細胞および組織中で発現していることが証明さ
れた(Han et al., (b) (1992) supra)。さらに、それ
は、p53RNAを(上記したように)過剰発現する2
つの独立的に由来する上皮がん細胞株中においてほとん
ど同じ割合で存在しており、それゆえ、p53の主要形
態とともに調和的に増加するように見えた。
【0020】選択的にスプライスされたp53の翻訳
は、17アミノ酸の置換および調節的にスプライスされ
た形態のp53の9アミノ酸の切断をもたらす(図
3)。選択的にスプライスされたp53RNAから翻訳
されたタンパク質は、セリン389カゼインキナーゼII
およびRNA結合部位、PAb421p53抗体の結合
のためのエピトープ、および基本多量体化ドメインを、
p53の多量体化に対する強い効果、DNA結合および
転写活性化に関する潜在的能力とともに欠いている。タ
ンパク質p53asは研究室でいくつかの方法において
製造されており、これらには網状赤血球溶解物における
生体外翻訳およびバキュロウイルスベクターによる感染
後の昆虫細胞中における翻訳が含まれる。バキュロウイ
ルスベクターは全長の野性型p53を含むプラスミドか
ら本発明者の研究室で構築され、主要p53形態のC末
端は、マウス上皮細胞のmRNAからRT/PCRによ
って製造されたp53asのC末端と置換されている。
本発明者の研究室で構築された、網状赤血球溶解物にお
ける生体外翻訳のための完全なp53asタンパク質を
コードするプラスミドの例は、pBSp53asであ
る。このプラスミドを含む微生物株は、アメリカン・タ
イプ・カルチャー・コレクション#ATCC69657
とともに寄託された;E. coli DH5 アルファpBSp5
3as。このプラスミドは、p53mRNAの完全コー
ド配列およびnt−109からnt1635までの上流
および下流の非コード領域にまたがるN末端およびC末
端RT/PCR断片のライゲーションによって構築し
た。配列決定によってこのプラスミドがタンパク質レベ
ルで全長野性型p53asをコードしていることを確認
した。それには3個のコード領域ヌクレオチド置換が含
まれているが(nt306CからT、708TからCお
よび951AからG、1は最初のATGコドンの最初の
ヌクレオチドである)、これらの変化は何も起こさず、
内生のp53asmRNA配列と同じアミノ酸をコード
している。
は、17アミノ酸の置換および調節的にスプライスされ
た形態のp53の9アミノ酸の切断をもたらす(図
3)。選択的にスプライスされたp53RNAから翻訳
されたタンパク質は、セリン389カゼインキナーゼII
およびRNA結合部位、PAb421p53抗体の結合
のためのエピトープ、および基本多量体化ドメインを、
p53の多量体化に対する強い効果、DNA結合および
転写活性化に関する潜在的能力とともに欠いている。タ
ンパク質p53asは研究室でいくつかの方法において
製造されており、これらには網状赤血球溶解物における
生体外翻訳およびバキュロウイルスベクターによる感染
後の昆虫細胞中における翻訳が含まれる。バキュロウイ
ルスベクターは全長の野性型p53を含むプラスミドか
ら本発明者の研究室で構築され、主要p53形態のC末
端は、マウス上皮細胞のmRNAからRT/PCRによ
って製造されたp53asのC末端と置換されている。
本発明者の研究室で構築された、網状赤血球溶解物にお
ける生体外翻訳のための完全なp53asタンパク質を
コードするプラスミドの例は、pBSp53asであ
る。このプラスミドを含む微生物株は、アメリカン・タ
イプ・カルチャー・コレクション#ATCC69657
とともに寄託された;E. coli DH5 アルファpBSp5
3as。このプラスミドは、p53mRNAの完全コー
ド配列およびnt−109からnt1635までの上流
および下流の非コード領域にまたがるN末端およびC末
端RT/PCR断片のライゲーションによって構築し
た。配列決定によってこのプラスミドがタンパク質レベ
ルで全長野性型p53asをコードしていることを確認
した。それには3個のコード領域ヌクレオチド置換が含
まれているが(nt306CからT、708TからCお
よび951AからG、1は最初のATGコドンの最初の
ヌクレオチドである)、これらの変化は何も起こさず、
内生のp53asmRNA配列と同じアミノ酸をコード
している。
【0021】本発明より以前においては、単一のp53
遺伝子から選択的なmRNA種のための証拠があったに
も係わらず、p53タンパク質の野性型内生変異体は検
出されていなかった。選択的にスプライスされた野性型
p53タンパク質(本明細書中ではp53asと称す)
がマウス上皮細胞形質転換モデルの正常および腫瘍細胞
中に存在し、主要p53形態と比較して細胞周期中に異
なって発現していることが今や見つかった。細胞中にお
けるこの生理的形態のp53タンパク質の存在は、正常
なp53の機能および腫瘍におけるp53の不活性化に
関して重要な意味を有している。p53asタンパク質
が細胞中で作られているかどうかを決定するために、マ
ウスp53asに特異的な17アミノ酸配列に対するポ
リクローナル抗体をラビット中で作製した。免疫後に間
隔をおいて回収したラビット血清をELISAプレート
穴上に被覆したp53asペプチドに対する反応性に関
して試験した(図4)。(示されるような)高力価血清
を17アミノ酸ペプチドに対してアフィニティー精製し
た。10ngのアフィニティー精製抗体の(抗原μg当
たりの)反応性は、全抗−p53as抗血清の1/4
0,000希釈にほとんど等しかった。ELISAおよ
び間接免疫蛍光分析における抗−p53as反応性は、
抗体をp53asペプチドと予めインキュベーションす
ることによって競合的に阻害された。
遺伝子から選択的なmRNA種のための証拠があったに
も係わらず、p53タンパク質の野性型内生変異体は検
出されていなかった。選択的にスプライスされた野性型
p53タンパク質(本明細書中ではp53asと称す)
がマウス上皮細胞形質転換モデルの正常および腫瘍細胞
中に存在し、主要p53形態と比較して細胞周期中に異
なって発現していることが今や見つかった。細胞中にお
けるこの生理的形態のp53タンパク質の存在は、正常
なp53の機能および腫瘍におけるp53の不活性化に
関して重要な意味を有している。p53asタンパク質
が細胞中で作られているかどうかを決定するために、マ
ウスp53asに特異的な17アミノ酸配列に対するポ
リクローナル抗体をラビット中で作製した。免疫後に間
隔をおいて回収したラビット血清をELISAプレート
穴上に被覆したp53asペプチドに対する反応性に関
して試験した(図4)。(示されるような)高力価血清
を17アミノ酸ペプチドに対してアフィニティー精製し
た。10ngのアフィニティー精製抗体の(抗原μg当
たりの)反応性は、全抗−p53as抗血清の1/4
0,000希釈にほとんど等しかった。ELISAおよ
び間接免疫蛍光分析における抗−p53as反応性は、
抗体をp53asペプチドと予めインキュベーションす
ることによって競合的に阻害された。
【0022】免疫沈降 細胞タンパク質との反応性を決定するために、p53a
sに対するアフィニティー精製抗血清をマウス上皮細胞
溶解物と反応させた(図5)。53kdのタンパク質が
抗−p53asによって免疫沈降した。このタンパク質
は、(p53asに存在しないカルボキシル末端エピト
ープに結合する)PAb421によって免疫沈降したp
53タンパク質よりもわずかに速く10%ポリアクリル
アミドゲル上を移動した。ラビットポリクローナル抗−
p53抗体CM5は、より別々のPAb421−および
抗−p53as−反応性の形態を含む領域にまたがるよ
り広いバンドを認識した。
sに対するアフィニティー精製抗血清をマウス上皮細胞
溶解物と反応させた(図5)。53kdのタンパク質が
抗−p53asによって免疫沈降した。このタンパク質
は、(p53asに存在しないカルボキシル末端エピト
ープに結合する)PAb421によって免疫沈降したp
53タンパク質よりもわずかに速く10%ポリアクリル
アミドゲル上を移動した。ラビットポリクローナル抗−
p53抗体CM5は、より別々のPAb421−および
抗−p53as−反応性の形態を含む領域にまたがるよ
り広いバンドを認識した。
【0023】間接免疫蛍光 カバースリップ上で成長した細胞集団におけるp53a
sの発現の位置および発生を間接免疫蛍光によって決定
した。図6に示すように、アフィニティー精製抗−p5
3as抗体を使用した場合に核の染色が見られた。この
活性はp53asペプチドの競合的結合によって完全に
阻害された(図6C)。291個の未形質転換細胞およ
びがん細胞における抗−p53as抗体の反応性はこれ
らの分析の条件下においてはいつも核であり(クローン
119のデータが示されている)、この点において、p
53の腫瘍抑制立体配置を認識するPAb246抗体の
反応性に似ていた。PAb421反応性が核と同様に細
胞質にもあるようなp53のpmMTval−135温
度感受性変異体でトランスフェクトした291.03RATのク
ローンにおいても、このことは当てはまった。これらの
結果から、主要p53形態と同様に野性型p53asタ
ンパク質は主に核においてその効果を発揮していること
が示唆される。
sの発現の位置および発生を間接免疫蛍光によって決定
した。図6に示すように、アフィニティー精製抗−p5
3as抗体を使用した場合に核の染色が見られた。この
活性はp53asペプチドの競合的結合によって完全に
阻害された(図6C)。291個の未形質転換細胞およ
びがん細胞における抗−p53as抗体の反応性はこれ
らの分析の条件下においてはいつも核であり(クローン
119のデータが示されている)、この点において、p
53の腫瘍抑制立体配置を認識するPAb246抗体の
反応性に似ていた。PAb421反応性が核と同様に細
胞質にもあるようなp53のpmMTval−135温
度感受性変異体でトランスフェクトした291.03RATのク
ローンにおいても、このことは当てはまった。これらの
結果から、主要p53形態と同様に野性型p53asタ
ンパク質は主に核においてその効果を発揮していること
が示唆される。
【0024】未形質転換細胞および腫瘍細胞におけるp
53の発現 扁平がん細胞291.03RAT は、前駆291細胞より3倍多
くのp53mRNAを発現し、10倍以下までのp53
タンパク質(PAb421およびPAb246抗体反応
性)を発現する(Han et al. (a) (1992), "Altered ex
pression of wild-type p53 tumor suppressor gene du
ring murine epithelial cell transformation", Cance
r Research 52, 749-753)。これらの細胞株におけるp
53asタンパク質の発現の比較を免疫沈降によって行
った。図7に示されるように、抗−p53as抗体との
反応性を未形質転換291細胞およびがん細胞において
検出した。これらの細胞株におけるp53as−沈降性
タンパク質は、9個のカルボキシル末端のアミノ酸がp
53asから切断されていることから予期されるように
(分子量で約1kdの相違が得られることが予測され
る)、PAb421およびPAb246−沈降性タンパ
ク質よりもわずかに速く移動する。以前の研究から予期
されるように(Han et al. (a) supra)、3つの全ての
抗−p53抗体に対する免疫反応性は、291.03RAT がん
細胞においては正常細胞よりも低かった。増殖している
細胞対分化している291細胞の集団における免疫沈降
タンパク質の比率はPAb246反応性(1/1)より
も抗−p53as(5/1)およびPAb421(2/
1の比率)の方が高かった。増殖している集団における
上昇したPAb421反応性はまた、マウスリンパ球の
研究において、Milner (1984) "Different forms of p
53 detected by monoclonal antibodies in non-dividi
ng and dividing lymphocytes", Nature 20, 143-145に
よって記載されている。今回の結果から、p53asタ
ンパク質は細胞の増殖段階または分化段階に依存してP
Ab421およびPAb246タンパク質と比較して異
なって発現しているかもしれないということが示唆され
た。
53の発現 扁平がん細胞291.03RAT は、前駆291細胞より3倍多
くのp53mRNAを発現し、10倍以下までのp53
タンパク質(PAb421およびPAb246抗体反応
性)を発現する(Han et al. (a) (1992), "Altered ex
pression of wild-type p53 tumor suppressor gene du
ring murine epithelial cell transformation", Cance
r Research 52, 749-753)。これらの細胞株におけるp
53asタンパク質の発現の比較を免疫沈降によって行
った。図7に示されるように、抗−p53as抗体との
反応性を未形質転換291細胞およびがん細胞において
検出した。これらの細胞株におけるp53as−沈降性
タンパク質は、9個のカルボキシル末端のアミノ酸がp
53asから切断されていることから予期されるように
(分子量で約1kdの相違が得られることが予測され
る)、PAb421およびPAb246−沈降性タンパ
ク質よりもわずかに速く移動する。以前の研究から予期
されるように(Han et al. (a) supra)、3つの全ての
抗−p53抗体に対する免疫反応性は、291.03RAT がん
細胞においては正常細胞よりも低かった。増殖している
細胞対分化している291細胞の集団における免疫沈降
タンパク質の比率はPAb246反応性(1/1)より
も抗−p53as(5/1)およびPAb421(2/
1の比率)の方が高かった。増殖している集団における
上昇したPAb421反応性はまた、マウスリンパ球の
研究において、Milner (1984) "Different forms of p
53 detected by monoclonal antibodies in non-dividi
ng and dividing lymphocytes", Nature 20, 143-145に
よって記載されている。今回の結果から、p53asタ
ンパク質は細胞の増殖段階または分化段階に依存してP
Ab421およびPAb246タンパク質と比較して異
なって発現しているかもしれないということが示唆され
た。
【0025】アクチノマイシンDに対する応答性 p53タンパク質は、アクチノマイシンDのようなDN
A損傷剤への細胞の露出後にS期に入るのを調節する細
胞周期チェックポイントに参加しているものと仮定され
てきた。野性型p53(PAb421反応性)を発現す
る細胞はDNA損傷後の細胞周期のG1段階において生
育が停止し、p53免疫反応性は調和して増加する。p
53asポジティブ上皮細胞の細胞周期分布の研究以前
においては、p53asタンパク質もまたDNA損傷に
対して応答するかどうか、それによって細胞集団中のp
53asポジティブ細胞の割合を最大にして未形質転換
の腫瘍上皮細胞の応答を比較することができるかどうか
を決定するための実験が行われた。穏やかに分化した扁
平がん細胞株291.05RAT をこれらの研究のために使用し
たのは、それが291.03RAT よりも高水準の免疫沈降性p
53タンパク質を発現しているが、291.03RAT のように
上皮クローン291から由来し、野性型のp53遺伝子
を有しているためである(Han et al. (a) supra)。ア
クチノマイシンDによる処理により、間接免疫蛍光によ
るp53抗体との反応性がポジティブな細胞の割合に基
づいて、2つの別々の実験におけるp53およびp53
asタンパク質の発現が誘導された(表1)。
A損傷剤への細胞の露出後にS期に入るのを調節する細
胞周期チェックポイントに参加しているものと仮定され
てきた。野性型p53(PAb421反応性)を発現す
る細胞はDNA損傷後の細胞周期のG1段階において生
育が停止し、p53免疫反応性は調和して増加する。p
53asポジティブ上皮細胞の細胞周期分布の研究以前
においては、p53asタンパク質もまたDNA損傷に
対して応答するかどうか、それによって細胞集団中のp
53asポジティブ細胞の割合を最大にして未形質転換
の腫瘍上皮細胞の応答を比較することができるかどうか
を決定するための実験が行われた。穏やかに分化した扁
平がん細胞株291.05RAT をこれらの研究のために使用し
たのは、それが291.03RAT よりも高水準の免疫沈降性p
53タンパク質を発現しているが、291.03RAT のように
上皮クローン291から由来し、野性型のp53遺伝子
を有しているためである(Han et al. (a) supra)。ア
クチノマイシンDによる処理により、間接免疫蛍光によ
るp53抗体との反応性がポジティブな細胞の割合に基
づいて、2つの別々の実験におけるp53およびp53
asタンパク質の発現が誘導された(表1)。
【0026】ポジティブ細胞における増加は、p53a
sについての方が、PAb421およびPAb246反
応性よりも少なく、より高濃度のアクチノマイシンDを
必要としたが、これはp53asタンパク質の存在量が
より小さいということを反映しているのかもしれない。
未処理291上皮細胞および野性型p53を発現する29
1.03RAT 腫瘍細胞における場合のように、アクチノマイ
シンD処理細胞におけるp53as抗体反応性は不明確
であった。p53asポジティブ核もまたPAb421
およびPAb246についてポジティブであった一方、
大部分のPAb421(+)またはPAb246(+)
細胞はp53as抗体反応性に関してネガティブであっ
た。アクチノマイシンD処理291.05RAT 細胞におけるp
53RNAの存在量は、ノーザンブロット分析によれば
3倍以上増加した(図8)。独立した細胞の調製におい
て、逆転写酵素ポリメラーゼ鎖反応(RT−PCR)
を、前記したようにp53またはp53asのC末端コ
ード配列を含むnt1042から1539までの断片を
増幅するプライマーを使用することによって行った(Ha
n et al. (b), supra )。p53およびp53asの両
方の転写産物を、対照と比較してアクチノマイシンD処
理細胞からの試料中で調和させながら増加させたところ
(データは示されていない)、アクチノマイシンDに対
する上皮細胞の反応はRNA存在量の増加を含有してい
ることが示唆された。アクチノマイシンD処理後のp5
3抗体反応性の存在量の増加は、Kastan et al. (199
1), "Participation of p53 protein in the cellular
response to DNA damage", CancerResearch, 51, 6304-
6311 によって報告されているML−1および正常骨髄
前駆細胞のγ線に対する応答に似ていた。しかしなが
ら、p53RNAの存在量はγ線に対する応答において
は増加せず、著者はp53免疫反応性において観察され
た変化は転写後の機構から生じているということを示唆
した。今回の発見は、アクチノマイシンDに対する細胞
応答におけるp53タンパク質と一緒のp53asタン
パク質の機能的役割と合致する。
sについての方が、PAb421およびPAb246反
応性よりも少なく、より高濃度のアクチノマイシンDを
必要としたが、これはp53asタンパク質の存在量が
より小さいということを反映しているのかもしれない。
未処理291上皮細胞および野性型p53を発現する29
1.03RAT 腫瘍細胞における場合のように、アクチノマイ
シンD処理細胞におけるp53as抗体反応性は不明確
であった。p53asポジティブ核もまたPAb421
およびPAb246についてポジティブであった一方、
大部分のPAb421(+)またはPAb246(+)
細胞はp53as抗体反応性に関してネガティブであっ
た。アクチノマイシンD処理291.05RAT 細胞におけるp
53RNAの存在量は、ノーザンブロット分析によれば
3倍以上増加した(図8)。独立した細胞の調製におい
て、逆転写酵素ポリメラーゼ鎖反応(RT−PCR)
を、前記したようにp53またはp53asのC末端コ
ード配列を含むnt1042から1539までの断片を
増幅するプライマーを使用することによって行った(Ha
n et al. (b), supra )。p53およびp53asの両
方の転写産物を、対照と比較してアクチノマイシンD処
理細胞からの試料中で調和させながら増加させたところ
(データは示されていない)、アクチノマイシンDに対
する上皮細胞の反応はRNA存在量の増加を含有してい
ることが示唆された。アクチノマイシンD処理後のp5
3抗体反応性の存在量の増加は、Kastan et al. (199
1), "Participation of p53 protein in the cellular
response to DNA damage", CancerResearch, 51, 6304-
6311 によって報告されているML−1および正常骨髄
前駆細胞のγ線に対する応答に似ていた。しかしなが
ら、p53RNAの存在量はγ線に対する応答において
は増加せず、著者はp53免疫反応性において観察され
た変化は転写後の機構から生じているということを示唆
した。今回の発見は、アクチノマイシンDに対する細胞
応答におけるp53タンパク質と一緒のp53asタン
パク質の機能的役割と合致する。
【0027】流動細胞計測法 各種のDNA損傷剤との応答における細胞のG1停止と
調和する野性型p53の増加は、激しい損傷を受けた細
胞におけるDNA損傷の修復またはプログラムされた細
胞死の誘導のための時間を与えるG1/S細胞周期チェ
ックポイントとしての役割を示唆した(Lane, (1992),
p53, "Guardian of the genome", Nature 358, 15-16
)。流動細胞計測法を、p53as抗原活性が細胞周
期中で異なって発現しているかどうかを決定するために
行った。アクチノマイシンDまたは溶媒に露出した細胞
をp53asに対する抗体およびPAb421またはP
Ab246で染色し、異なる種を起源とするポリクロー
ナルおよびモノクローナル抗体の利点を得ることによっ
て同じ細胞中のp53asおよびp53抗原の免疫検出
を可能にした。抗−ラビット免疫グロブリンに結合した
フィコエリトリン(赤)を使用してp53asを認識
し、抗−マウス免疫グロブリンに結合したFITC
(緑)を使用してPAb421およびPAb246を認
識した。抗−p53asの特異性は図9において証明さ
れている。蛍光強度に基づいて整理することによって、
検出された事象(単一の細胞)をp53as単独にポジ
ティブなもの(領域1、R1)、p53asおよびPA
b421またはPAb246にポジティブなもの(R
2)、p53asにネガティブでPAb421またはP
Ab246にポジティブなもの(R3)、並びに抗−p
53asおよびPAb421またはPAb246の両方
にネガティブなもの(R4)に分類した。がん細胞は抗
−p53as単独にポジティブなものは稀であった(図
9、R1)。抗−p53asにポジティブな細胞もまた
PAb421(R2、示される)またはPAb246に
ポジティブであった。未関連ペプチドではなくp53a
sペプチドとの競合は、R3事象の割合を減少させたり
抗−p53as抗体の特異性を変化させたりすることな
く、R2領域において検出しうる事象を完全に阻害した
(図9においては291.05RAT そして図10においては2
91細胞について示されている)。R1からR4までの
各領域の事象を、細胞周期分布の分析のために多数集め
(図9を参照)、棒グラフで表した(図9および図1
0)。アクチノマイシンD処理291.05RAT 細胞(示され
ている)および対照細胞の分布は本質的に同じであっ
た。PAb421(+)/p53as(−)291.05RAT
がん細胞は細胞周期のG0/G1期に主として分布して
いた一方、p53as(+)/PAb421(+)細胞
は周期のG2/M期に優先的に分布していた(図7)。
G2/M細胞以上のDNA含量を示す「尾(tail)」に
おけるp53as(+)細胞の分布は特に顕著である。
単一の細胞だけを分析のために回収したために、そのよ
うな細胞はDNA合成または有糸分裂(mitosis )さえ
も経過したらしいが、細胞質分裂(cytokinesis )を経
過することはなかった。カバースリップ上で成長したp
53as(+)細胞の検査により、大部分(約85%)
が2以上の核を含有していることが明らかになり(デー
タは示されていない)、これらのがん細胞がDNAを合
成し続け、有糸核分裂(Karyokinesis)(核分裂)を経
過したが細胞分裂を経過していないというという結論が
支持される。増殖に好適な条件(LC)下で培養した未
形質転換291細胞をがん細胞との比較のために同様に
処理した。図10に示されるように、未処理の細胞は主
としてG2/M段階にあった。アクチノマイシンDに対
する応答において分布はG0/G1の方に変化し、この
ことはp53asタンパク質、およびPAb421また
はPAb246と反応しうるp53タンパク質がDNA
損傷に露出された正常細胞のG1停止に寄与しているこ
とを示唆している。がん細胞とは対照的に、抗−p53
as反応性だけにポジティブな291細胞の集団が見ら
れた(図10、R1)。これらは、抗p53asおよび
PAb421またはPAb246で標識した細胞と同様
の細胞周期分布を示した。がん細胞とは違って、カバー
スリップ上に観察されたp53as(+)291細胞は
一般的には単核であった(データは示されていない)。
調和する野性型p53の増加は、激しい損傷を受けた細
胞におけるDNA損傷の修復またはプログラムされた細
胞死の誘導のための時間を与えるG1/S細胞周期チェ
ックポイントとしての役割を示唆した(Lane, (1992),
p53, "Guardian of the genome", Nature 358, 15-16
)。流動細胞計測法を、p53as抗原活性が細胞周
期中で異なって発現しているかどうかを決定するために
行った。アクチノマイシンDまたは溶媒に露出した細胞
をp53asに対する抗体およびPAb421またはP
Ab246で染色し、異なる種を起源とするポリクロー
ナルおよびモノクローナル抗体の利点を得ることによっ
て同じ細胞中のp53asおよびp53抗原の免疫検出
を可能にした。抗−ラビット免疫グロブリンに結合した
フィコエリトリン(赤)を使用してp53asを認識
し、抗−マウス免疫グロブリンに結合したFITC
(緑)を使用してPAb421およびPAb246を認
識した。抗−p53asの特異性は図9において証明さ
れている。蛍光強度に基づいて整理することによって、
検出された事象(単一の細胞)をp53as単独にポジ
ティブなもの(領域1、R1)、p53asおよびPA
b421またはPAb246にポジティブなもの(R
2)、p53asにネガティブでPAb421またはP
Ab246にポジティブなもの(R3)、並びに抗−p
53asおよびPAb421またはPAb246の両方
にネガティブなもの(R4)に分類した。がん細胞は抗
−p53as単独にポジティブなものは稀であった(図
9、R1)。抗−p53asにポジティブな細胞もまた
PAb421(R2、示される)またはPAb246に
ポジティブであった。未関連ペプチドではなくp53a
sペプチドとの競合は、R3事象の割合を減少させたり
抗−p53as抗体の特異性を変化させたりすることな
く、R2領域において検出しうる事象を完全に阻害した
(図9においては291.05RAT そして図10においては2
91細胞について示されている)。R1からR4までの
各領域の事象を、細胞周期分布の分析のために多数集め
(図9を参照)、棒グラフで表した(図9および図1
0)。アクチノマイシンD処理291.05RAT 細胞(示され
ている)および対照細胞の分布は本質的に同じであっ
た。PAb421(+)/p53as(−)291.05RAT
がん細胞は細胞周期のG0/G1期に主として分布して
いた一方、p53as(+)/PAb421(+)細胞
は周期のG2/M期に優先的に分布していた(図7)。
G2/M細胞以上のDNA含量を示す「尾(tail)」に
おけるp53as(+)細胞の分布は特に顕著である。
単一の細胞だけを分析のために回収したために、そのよ
うな細胞はDNA合成または有糸分裂(mitosis )さえ
も経過したらしいが、細胞質分裂(cytokinesis )を経
過することはなかった。カバースリップ上で成長したp
53as(+)細胞の検査により、大部分(約85%)
が2以上の核を含有していることが明らかになり(デー
タは示されていない)、これらのがん細胞がDNAを合
成し続け、有糸核分裂(Karyokinesis)(核分裂)を経
過したが細胞分裂を経過していないというという結論が
支持される。増殖に好適な条件(LC)下で培養した未
形質転換291細胞をがん細胞との比較のために同様に
処理した。図10に示されるように、未処理の細胞は主
としてG2/M段階にあった。アクチノマイシンDに対
する応答において分布はG0/G1の方に変化し、この
ことはp53asタンパク質、およびPAb421また
はPAb246と反応しうるp53タンパク質がDNA
損傷に露出された正常細胞のG1停止に寄与しているこ
とを示唆している。がん細胞とは対照的に、抗−p53
as反応性だけにポジティブな291細胞の集団が見ら
れた(図10、R1)。これらは、抗p53asおよび
PAb421またはPAb246で標識した細胞と同様
の細胞周期分布を示した。がん細胞とは違って、カバー
スリップ上に観察されたp53as(+)291細胞は
一般的には単核であった(データは示されていない)。
【0028】アクチノマイシンDまたは溶媒で処理した
未形質転換291および291.05RATがん細胞の細胞周期
段階による百分率分布を表2に示す。p53as抗原活
性がG2/Mおよび>G2/Mと優先的に関連している
こと、(PAb421およびPAb246反応性の)p
53タンパク質がG0/G1と関連していること、およ
びアクチノマイシンDに対する応答性は、細胞型当たり
3個の独立した実験の全部の間で一致した。未形質転換
291細胞において、アクチノマイシンDは免疫的に検
出しうるp53asおよびp53(PAb421および
PAb246)を発現する細胞の百分率を約4倍増加さ
せ、溶媒対照と比較して細胞周期のG1期における細胞
の優先的な蓄積をもたらした。対照的に、291.05RAT 腫
瘍細胞はアクチノマイシンD処理に対する応答におい
て、G1の細胞の百分率にほとんど相違を示さず、この
ことは、たとえPAb421およびPAb246にポジ
ティブな細胞の百分率が上昇したとしても、これらの細
胞におけるp53タンパク質がG1停止を引き起こすこ
とがほとんどできないことを示唆している。
未形質転換291および291.05RATがん細胞の細胞周期
段階による百分率分布を表2に示す。p53as抗原活
性がG2/Mおよび>G2/Mと優先的に関連している
こと、(PAb421およびPAb246反応性の)p
53タンパク質がG0/G1と関連していること、およ
びアクチノマイシンDに対する応答性は、細胞型当たり
3個の独立した実験の全部の間で一致した。未形質転換
291細胞において、アクチノマイシンDは免疫的に検
出しうるp53asおよびp53(PAb421および
PAb246)を発現する細胞の百分率を約4倍増加さ
せ、溶媒対照と比較して細胞周期のG1期における細胞
の優先的な蓄積をもたらした。対照的に、291.05RAT 腫
瘍細胞はアクチノマイシンD処理に対する応答におい
て、G1の細胞の百分率にほとんど相違を示さず、この
ことは、たとえPAb421およびPAb246にポジ
ティブな細胞の百分率が上昇したとしても、これらの細
胞におけるp53タンパク質がG1停止を引き起こすこ
とがほとんどできないことを示唆している。
【0029】マウスp53asタンパク質に特異的なポ
リクローナル抗体 上記したようなマウスp53as特異的ペプチドに対す
るポリクローナル抗体をラビットにおいて作製し、その
高い力価を酵素結合免疫吸収分析(ELISA)によっ
て測定し、p53タンパク質に対するその特異性をマウ
ス細胞からの免疫沈降、p53のポリクローナル抗体に
対する抗−p53沈降性タンパク質(CM5、p53お
よびp53asタンパク質によって共有されているエピ
トープと反応する)のウェスタンイムノブロッティング
によって測定し、細胞中およびウェスタンイムノブロッ
ト中における反応性を競合的に阻害するペプチドの能
力、およびp53as抗体の結合を阻害するがp53a
sの特異的領域とは異なるエピトープに結合する他のp
53抗体(PAb421およびPAb246)の結合を
阻害しないというp53asペプチドの能力が分かっ
た。ポリクローナル抗−ペプチド抗体は以下の一般的操
作方法に記載されているようにラビット中において作製
する。
リクローナル抗体 上記したようなマウスp53as特異的ペプチドに対す
るポリクローナル抗体をラビットにおいて作製し、その
高い力価を酵素結合免疫吸収分析(ELISA)によっ
て測定し、p53タンパク質に対するその特異性をマウ
ス細胞からの免疫沈降、p53のポリクローナル抗体に
対する抗−p53沈降性タンパク質(CM5、p53お
よびp53asタンパク質によって共有されているエピ
トープと反応する)のウェスタンイムノブロッティング
によって測定し、細胞中およびウェスタンイムノブロッ
ト中における反応性を競合的に阻害するペプチドの能
力、およびp53as抗体の結合を阻害するがp53a
sの特異的領域とは異なるエピトープに結合する他のp
53抗体(PAb421およびPAb246)の結合を
阻害しないというp53asペプチドの能力が分かっ
た。ポリクローナル抗−ペプチド抗体は以下の一般的操
作方法に記載されているようにラビット中において作製
する。
【0030】マウスp53asタンパク質に特異的なモ
ノクローナル抗体 ハイブリドーマ細胞株を、マウスp53asペプチドで
標準的方法に従って免疫したBALBcマウスからのリ
ンパ節または脾臓細胞の融合によって作製した。操作法
は以下の一般的操作方法に記載されている。ELISA
によって測定した場合に特異的な抗体を製造する各ハイ
ブリドーマ細胞株からのモノクローナル抗体を、マウス
p53asに対するポリクローナル抗体に関して上記し
たように、免疫沈降、ウェスタンイムノブロッティング
および免疫蛍光法によってマウス細胞性p53asとの
反応性に関して試験する。特異性はマウスp53asペ
プチドとの競合によって測定する。ハイブリドーマRP
1を、マウスp53as特異的17アミノ酸ペプチドに
対してマウス中で製造し、アメリカン・タイプ・カルチ
ャー・コレクション(ATCC)、12301 Parklawn Dri
ve, Rockville, Maryland 20852, (受託標識CB4上の
バイアル)、#ATCC HB 11685 とともに寄託され
た。モノクローナル抗体RP1は生体外でp53asペ
プチドと、マウス細胞内でp53asタンパク質と反応
する。
ノクローナル抗体 ハイブリドーマ細胞株を、マウスp53asペプチドで
標準的方法に従って免疫したBALBcマウスからのリ
ンパ節または脾臓細胞の融合によって作製した。操作法
は以下の一般的操作方法に記載されている。ELISA
によって測定した場合に特異的な抗体を製造する各ハイ
ブリドーマ細胞株からのモノクローナル抗体を、マウス
p53asに対するポリクローナル抗体に関して上記し
たように、免疫沈降、ウェスタンイムノブロッティング
および免疫蛍光法によってマウス細胞性p53asとの
反応性に関して試験する。特異性はマウスp53asペ
プチドとの競合によって測定する。ハイブリドーマRP
1を、マウスp53as特異的17アミノ酸ペプチドに
対してマウス中で製造し、アメリカン・タイプ・カルチ
ャー・コレクション(ATCC)、12301 Parklawn Dri
ve, Rockville, Maryland 20852, (受託標識CB4上の
バイアル)、#ATCC HB 11685 とともに寄託され
た。モノクローナル抗体RP1は生体外でp53asペ
プチドと、マウス細胞内でp53asタンパク質と反応
する。
【0031】合成p53asペプチドによるマウスの免
疫のための一般的操作方法−モノクローナル抗体の製造 使用するべき操作法はモノクローナル抗体を製造するた
めの標準的な操作法に基づく。哺乳類由来のp53as
ペプチドを使用するまで光および酸素から保護して保存
する。それは注入直前に再構成される。未修飾ペプチド
がマウスp53asタンパク質に対するポリクローナル
抗体の製造において成功したので、それを最初の免疫原
として使用する。免疫感作を改良するために必要ならば
使用されるであろう選択枝には、もう一つ別のタンパク
質(例えば、オバルブミン、またはKLH)への結合、
またはバキュロウイルスベクター系を使用して昆虫細胞
において製造した全長p53asタンパク質の使用が含
まれる。p53asのcDNAを含むそのようなベクタ
ーはマウスp53asタンパク質の製造のために当実験
室で既に作られていた。各マウスに対して、250μl
(30から50μgのペプチド)を等量の完全フロイン
トアジュバンドで乳化する。
疫のための一般的操作方法−モノクローナル抗体の製造 使用するべき操作法はモノクローナル抗体を製造するた
めの標準的な操作法に基づく。哺乳類由来のp53as
ペプチドを使用するまで光および酸素から保護して保存
する。それは注入直前に再構成される。未修飾ペプチド
がマウスp53asタンパク質に対するポリクローナル
抗体の製造において成功したので、それを最初の免疫原
として使用する。免疫感作を改良するために必要ならば
使用されるであろう選択枝には、もう一つ別のタンパク
質(例えば、オバルブミン、またはKLH)への結合、
またはバキュロウイルスベクター系を使用して昆虫細胞
において製造した全長p53asタンパク質の使用が含
まれる。p53asのcDNAを含むそのようなベクタ
ーはマウスp53asタンパク質の製造のために当実験
室で既に作られていた。各マウスに対して、250μl
(30から50μgのペプチド)を等量の完全フロイン
トアジュバンドで乳化する。
【0032】この乳濁液を、BALB/c雌マウス(各
体重は約20g)に対して、背部に沿った複数の部位の
皮膚内に、および腹腔内に注入する(もし免疫感作応答
を改良することが必要ならば、選択マウス株が使用され
るであろう)。4週間後、不完全フロイントアジュバン
ドと混合した100μl(20μgのペプチド)の腹腔
内注入とともにマウスの追加免疫を行う。2週間後、血
清について、供給された説明書に従って、ELISAに
よって抗体力価を試験する。融合の3日前に、最良の応
答株をアジュバンドなしの100μl(20μgのペプ
チド)の静脈内注入によって再追加免疫する。
体重は約20g)に対して、背部に沿った複数の部位の
皮膚内に、および腹腔内に注入する(もし免疫感作応答
を改良することが必要ならば、選択マウス株が使用され
るであろう)。4週間後、不完全フロイントアジュバン
ドと混合した100μl(20μgのペプチド)の腹腔
内注入とともにマウスの追加免疫を行う。2週間後、血
清について、供給された説明書に従って、ELISAに
よって抗体力価を試験する。融合の3日前に、最良の応
答株をアジュバンドなしの100μl(20μgのペプ
チド)の静脈内注入によって再追加免疫する。
【0033】細胞融合融合のためのミエローマ細胞の調製 ミエローマ細胞を液体窒素から融解し、融合の1週間前
に培養を始める。細胞を融合の1日前に5×105 細胞
/mlの細胞密度に達するように成長させる。融合の朝
に、10mlの培養細胞を等量のCMEMで希釈する。完全培地調製(CMEM): 0.5ml 硫酸ゲンタマイシン 5.0ml ピルビン酸貯蔵溶液 5.0ml ヒポキサンチン貯蔵溶液 5.0ml チミジン貯蔵溶液 5.0ml オキサロ酢酸貯蔵溶液 5.0ml ペニシリンG貯蔵溶液 5.0ml ウシインシュリン貯蔵溶液 50ml NCTC109(MA Bioproducts) 100ml ウシ胎児血清(熱不活性化) 上記の溶液を滅菌した500mlの瓶に入れ、容量をダ
ルベッコのMEM(L−グルタミンを含み、4500m
g/LのD−グルコースを含み、ピルビン酸ナトリウム
を含まない、Gibco )で500mlに調整する。培地を
0.2ミクロンのろ過によって滅菌し、37℃で一晩イ
ンキュベートすることによって汚染を試験した。CME
Mは4℃で貯蔵して2週間以内に使用した。
に培養を始める。細胞を融合の1日前に5×105 細胞
/mlの細胞密度に達するように成長させる。融合の朝
に、10mlの培養細胞を等量のCMEMで希釈する。完全培地調製(CMEM): 0.5ml 硫酸ゲンタマイシン 5.0ml ピルビン酸貯蔵溶液 5.0ml ヒポキサンチン貯蔵溶液 5.0ml チミジン貯蔵溶液 5.0ml オキサロ酢酸貯蔵溶液 5.0ml ペニシリンG貯蔵溶液 5.0ml ウシインシュリン貯蔵溶液 50ml NCTC109(MA Bioproducts) 100ml ウシ胎児血清(熱不活性化) 上記の溶液を滅菌した500mlの瓶に入れ、容量をダ
ルベッコのMEM(L−グルタミンを含み、4500m
g/LのD−グルコースを含み、ピルビン酸ナトリウム
を含まない、Gibco )で500mlに調整する。培地を
0.2ミクロンのろ過によって滅菌し、37℃で一晩イ
ンキュベートすることによって汚染を試験した。CME
Mは4℃で貯蔵して2週間以内に使用した。
【0034】融合のための脾臓細胞の調製 マウスを殺し、脾臓を無菌的に除去する。汚染している
組織は解剖して捨てる。脾臓をステンレス鋼メッシュ上
に置き細胞を解放させる。脾臓細胞を血清を含まない1
0mlの培地で2回洗浄し、細胞の数を数える。 細胞融合 ミエローマ細胞を1回洗浄し、血清を含まない培地中に
再懸濁する。ミエローマ細胞および脾臓細胞(1:1
0)を血清を含まない培地中で混合する。これらの細胞
を800gで5分間一緒に遠心する。上清を除去する。
50%PEG1500を1分以上かけてゆっくりと細胞
ペレットに添加する一方、ピペットの先端で攪拌するこ
とによって細胞を再懸濁する。攪拌をさらに1分間続け
る。次いで、血清を含まない1mlの培地をさらに続く
1分以上をかけて細胞懸濁液に添加する。最後に、9m
lの培地を攪拌しながら2分以上かけて添加する。細胞
を400gで5分間遠心する。上清を除去し、細胞を3
0mlのHAT培地中に再懸濁した。
組織は解剖して捨てる。脾臓をステンレス鋼メッシュ上
に置き細胞を解放させる。脾臓細胞を血清を含まない1
0mlの培地で2回洗浄し、細胞の数を数える。 細胞融合 ミエローマ細胞を1回洗浄し、血清を含まない培地中に
再懸濁する。ミエローマ細胞および脾臓細胞(1:1
0)を血清を含まない培地中で混合する。これらの細胞
を800gで5分間一緒に遠心する。上清を除去する。
50%PEG1500を1分以上かけてゆっくりと細胞
ペレットに添加する一方、ピペットの先端で攪拌するこ
とによって細胞を再懸濁する。攪拌をさらに1分間続け
る。次いで、血清を含まない1mlの培地をさらに続く
1分以上をかけて細胞懸濁液に添加する。最後に、9m
lの培地を攪拌しながら2分以上かけて添加する。細胞
を400gで5分間遠心する。上清を除去し、細胞を3
0mlのHAT培地中に再懸濁した。
【0035】HAT培地の調製:HAT培地を、培地を
100mlの全容量にする前に1.0mlのアミノプテ
リン貯蔵溶液および1.0mlのグリシン貯蔵溶液を添
加する以外はCMEMと同様に調製する。100mlの
細胞を96穴プレートの穴に分配する。プレートを5%
CO2 大気下でインキュベートする。 単一の細胞のクローニング ELISAによるポジティブクローンのスクリーニン
グ。約50μlの培養上清を、抗体に適当なp53as
合成ペプチド(マウスまたはヒトp53asペプチド)
で被覆したもう一つ別の96穴マイクロタイタープレー
トの穴に植える。ポジティブクローンを供給された説明
書に示されるようにELISAによって検出する。
100mlの全容量にする前に1.0mlのアミノプテ
リン貯蔵溶液および1.0mlのグリシン貯蔵溶液を添
加する以外はCMEMと同様に調製する。100mlの
細胞を96穴プレートの穴に分配する。プレートを5%
CO2 大気下でインキュベートする。 単一の細胞のクローニング ELISAによるポジティブクローンのスクリーニン
グ。約50μlの培養上清を、抗体に適当なp53as
合成ペプチド(マウスまたはヒトp53asペプチド)
で被覆したもう一つ別の96穴マイクロタイタープレー
トの穴に植える。ポジティブクローンを供給された説明
書に示されるようにELISAによって検出する。
【0036】ポジティブクローンの保存。ポジティブの
穴を同定した後、細胞を96穴プレートから同じ培地を
含む24穴プレートの穴に移動する。24穴プレートの
培養が集密になった後に、それを100mm皿に移す。
100mm皿の段階で細胞を凍結する。
穴を同定した後、細胞を96穴プレートから同じ培地を
含む24穴プレートの穴に移動する。24穴プレートの
培養が集密になった後に、それを100mm皿に移す。
100mm皿の段階で細胞を凍結する。
【0037】限界希釈 クローニングの前日に、脾臓細胞懸濁液を上記の融合技
術中に記載した操作方法に従って調製する。穴当たり1
03 の脾臓細胞を96穴プレート中に植える(穴当たり
一滴を使用)。25cm2 フラスコからの最小の105
の増殖性ハイブリドーマ細胞をクローニングのために使
用する。ハイブリドーマ細胞を、活発に成長している培
養物を新鮮な培地で1:1に希釈することによって、ク
ローニングに先立ち24〜48時間予備培養する。中間
対数(mid-log )期の細胞を限界希釈のために使用す
る。細胞数をml当たり105 個の生育細胞に調節する
(細胞の生育度は70%以上)。
術中に記載した操作方法に従って調製する。穴当たり1
03 の脾臓細胞を96穴プレート中に植える(穴当たり
一滴を使用)。25cm2 フラスコからの最小の105
の増殖性ハイブリドーマ細胞をクローニングのために使
用する。ハイブリドーマ細胞を、活発に成長している培
養物を新鮮な培地で1:1に希釈することによって、ク
ローニングに先立ち24〜48時間予備培養する。中間
対数(mid-log )期の細胞を限界希釈のために使用す
る。細胞数をml当たり105 個の生育細胞に調節する
(細胞の生育度は70%以上)。
【0038】連続的な10倍の希釈を作製する(例え
ば、ml当たり104 、103 )。50mlチューブ中
において、0.30mlの103 個のハイブリドーマ細
胞をml当たり添加し、29.7mlのCMEMを添加
する。細胞懸濁液の2.0ml(50μl)のピペット
からの1滴を、クローニング前日に調製した脾臓細胞を
含む96穴プレートの各穴に添加する。培養液を2〜3
日ごとに観察し、一つの細胞クローンを有する穴に印を
つける。クローンが穴の25%を覆うようになった時点
で、ELISAによってクローンの抗−p53as活性
を分析する。ポジティブクローンを24穴プレート、1
00mm皿に移し、次いでハイブリドーマ細胞をNuncの
凍結チューブ(cryotubes)中で凍結保存する。
ば、ml当たり104 、103 )。50mlチューブ中
において、0.30mlの103 個のハイブリドーマ細
胞をml当たり添加し、29.7mlのCMEMを添加
する。細胞懸濁液の2.0ml(50μl)のピペット
からの1滴を、クローニング前日に調製した脾臓細胞を
含む96穴プレートの各穴に添加する。培養液を2〜3
日ごとに観察し、一つの細胞クローンを有する穴に印を
つける。クローンが穴の25%を覆うようになった時点
で、ELISAによってクローンの抗−p53as活性
を分析する。ポジティブクローンを24穴プレート、1
00mm皿に移し、次いでハイブリドーマ細胞をNuncの
凍結チューブ(cryotubes)中で凍結保存する。
【0039】腹水製造 8週齢BALB/cマウスに0.4mlのプリスタンを
腹腔内に注入した。2週間後、中間対数期の0.5ml
の細胞(105 細胞)を各プリスタン処理マウスに注入
する。2〜3週間後、マウスを殺し腹水液体を採取す
る。腹水を1000gで10分間遠心し、中間層を回収
し、−20℃で保存する。モノクローナル抗体の適当な
細胞(マウスまたはヒト)中のp53asに対する特異
性を、ELISA、間接免疫蛍光、免疫沈降およびウェ
スタンイムノブロッティングによって試験する。製造す
るために使用されたペプチドによって競合的に阻害され
る抗体反応性の能力が試験される。
腹腔内に注入した。2週間後、中間対数期の0.5ml
の細胞(105 細胞)を各プリスタン処理マウスに注入
する。2〜3週間後、マウスを殺し腹水液体を採取す
る。腹水を1000gで10分間遠心し、中間層を回収
し、−20℃で保存する。モノクローナル抗体の適当な
細胞(マウスまたはヒト)中のp53asに対する特異
性を、ELISA、間接免疫蛍光、免疫沈降およびウェ
スタンイムノブロッティングによって試験する。製造す
るために使用されたペプチドによって競合的に阻害され
る抗体反応性の能力が試験される。
【0040】合成p53asペプチドによってラビット
を免疫するための一般的操作方法−ポリクローナル抗体
の製造 使用される操作はポリクローナル抗体を製造するための
標準的操作方法に基づく。哺乳類由来のp53asペプ
チドを使用するまで光および酸素から保護して保存す
る。それは注入直前に再構成される。モノクローナル抗
体製造のために上記したように、未修飾ペプチドを最初
に免疫原として使用するが、もし必要ならば、もう一つ
別のタンパク質との結合が行われたり、全長p53as
タンパク質が使用されるであろう。ニュージーランド白
雌ラビット(6−8 1b)(4)を免疫感作のために
使用する。
を免疫するための一般的操作方法−ポリクローナル抗体
の製造 使用される操作はポリクローナル抗体を製造するための
標準的操作方法に基づく。哺乳類由来のp53asペプ
チドを使用するまで光および酸素から保護して保存す
る。それは注入直前に再構成される。モノクローナル抗
体製造のために上記したように、未修飾ペプチドを最初
に免疫原として使用するが、もし必要ならば、もう一つ
別のタンパク質との結合が行われたり、全長p53as
タンパク質が使用されるであろう。ニュージーランド白
雌ラビット(6−8 1b)(4)を免疫感作のために
使用する。
【0041】操作方法 基礎(免疫前)血清は、免疫感作前一週間に回収する。 (0日目) 1頭のラビット当たり500μgのペプチ
ドをリン酸緩衝溶液(PBS)中に新しく溶解し、完全
フロイントアジュバンドと混合し(全容量は2ml以
下)、抗原として使用する。免疫感作は、背部に沿った
複数の部位(少なくとも10ヶ所)における皮内注入
と、それと同時に行う百日咳ワクチンの筋肉内注入によ
る。 (21日目) 250μgペプチド/ラビットをPBS
に新しく溶解し、不完全フロイントアジュバンドと混合
する(全容量は1ml以下)。注入は背部(少なくとも
10ヶ所)における皮内に行う。 (28日目) 血清のために採血する。ELISAによ
って抗−p53as抗体の力価を試験する。 (35日目) 21日目と同様に、250μgペプチド
/ラビットで免疫感作する。 (42日目) 血清のために採血する。 (49日目) 21日目および35日目と同様に250
μgペプチド/ラビットで免疫感作する。 (56日目および63日目) 血清のために採血する。 (77日目) 上記したように250μgペプチド/ラ
ビットで免疫感作する。 (84日目) 以後週ごとの単位で血清を採血する。休
止、追加免疫を抗体力価(250μgペプチド/ラビッ
ト)を維持するために必要に応じて行う、3週間毎週採
血し、1週間休止し、力価を維持するのに必要ならば追
加免疫とともにこれを繰り返す。
ドをリン酸緩衝溶液(PBS)中に新しく溶解し、完全
フロイントアジュバンドと混合し(全容量は2ml以
下)、抗原として使用する。免疫感作は、背部に沿った
複数の部位(少なくとも10ヶ所)における皮内注入
と、それと同時に行う百日咳ワクチンの筋肉内注入によ
る。 (21日目) 250μgペプチド/ラビットをPBS
に新しく溶解し、不完全フロイントアジュバンドと混合
する(全容量は1ml以下)。注入は背部(少なくとも
10ヶ所)における皮内に行う。 (28日目) 血清のために採血する。ELISAによ
って抗−p53as抗体の力価を試験する。 (35日目) 21日目と同様に、250μgペプチド
/ラビットで免疫感作する。 (42日目) 血清のために採血する。 (49日目) 21日目および35日目と同様に250
μgペプチド/ラビットで免疫感作する。 (56日目および63日目) 血清のために採血する。 (77日目) 上記したように250μgペプチド/ラ
ビットで免疫感作する。 (84日目) 以後週ごとの単位で血清を採血する。休
止、追加免疫を抗体力価(250μgペプチド/ラビッ
ト)を維持するために必要に応じて行う、3週間毎週採
血し、1週間休止し、力価を維持するのに必要ならば追
加免疫とともにこれを繰り返す。
【0042】抗体のアフィニティー精製 ポリクローナル抗体を、アミノ基を通してアミノリンク
(AminoLink )カラム(供給される説明書を参照)に結
合しているか、あるいはペプチドがシステインを通して
結合しているようなカラムに結合している好適なペプチ
ド(ヒトまたはマウスp53as)と複合させることに
よってアフィニティー精製する。約7mgのペプチドが
カラムへの結合のために必要であり、約25mlの血清
からの抗体をラン当たり精製する。カラムは製造業者の
指示に従って再構成して再使用する。アフィニティー精
製抗体のp53asに対する特異性を、ELISA、間
接免疫蛍光法、免疫沈降およびウェスタンイムノブロッ
ティングによって試験する。製造するために使用された
ペプチドによって競合的に阻害される抗体反応性の能力
が試験される。
(AminoLink )カラム(供給される説明書を参照)に結
合しているか、あるいはペプチドがシステインを通して
結合しているようなカラムに結合している好適なペプチ
ド(ヒトまたはマウスp53as)と複合させることに
よってアフィニティー精製する。約7mgのペプチドが
カラムへの結合のために必要であり、約25mlの血清
からの抗体をラン当たり精製する。カラムは製造業者の
指示に従って再構成して再使用する。アフィニティー精
製抗体のp53asに対する特異性を、ELISA、間
接免疫蛍光法、免疫沈降およびウェスタンイムノブロッ
ティングによって試験する。製造するために使用された
ペプチドによって競合的に阻害される抗体反応性の能力
が試験される。
【0043】上記で示したように、腫瘍抑制タンパク質
p53の生理的変異型であるp53asは、野性型p5
3遺伝子を含む哺乳類上皮細胞において検出された。以
前には内生の野性型p53asタンパク質が細胞中に検
出されなかったという事実は、その可能性ある存在を認
識することが以前はできなかったこと、その存在の量の
低さおよび抗−p53モノクローナル抗体PAb421
との反応性の欠如を含む多数の因子によるものかもしれ
ない。野性型p53asのmRNAが主要p53RNA
形態の25から33%の割合で正常マウス組織および培
養マウス線維芽細胞中に存在し(Han et al., (b) )、
選択的にスプライスされたp53のRNAが異なる組織
の型の形質転換された正常の細胞中に存在する(Nuclei
c AcidsRes., 20 (8), 1979-1981 )ということが以前
に示された。本発明によると、p53asタンパク質が
細胞中に存在していること、それが正常上皮および腫瘍
細胞では核に局在していて、分化している正常細胞と比
較した場合増殖中において異なって発現していて、DN
A損傷剤アクチノマイシンDによってPAb421−お
よびPAb246−反応性p53と一緒に誘導可能であ
るということが証明された。
p53の生理的変異型であるp53asは、野性型p5
3遺伝子を含む哺乳類上皮細胞において検出された。以
前には内生の野性型p53asタンパク質が細胞中に検
出されなかったという事実は、その可能性ある存在を認
識することが以前はできなかったこと、その存在の量の
低さおよび抗−p53モノクローナル抗体PAb421
との反応性の欠如を含む多数の因子によるものかもしれ
ない。野性型p53asのmRNAが主要p53RNA
形態の25から33%の割合で正常マウス組織および培
養マウス線維芽細胞中に存在し(Han et al., (b) )、
選択的にスプライスされたp53のRNAが異なる組織
の型の形質転換された正常の細胞中に存在する(Nuclei
c AcidsRes., 20 (8), 1979-1981 )ということが以前
に示された。本発明によると、p53asタンパク質が
細胞中に存在していること、それが正常上皮および腫瘍
細胞では核に局在していて、分化している正常細胞と比
較した場合増殖中において異なって発現していて、DN
A損傷剤アクチノマイシンDによってPAb421−お
よびPAb246−反応性p53と一緒に誘導可能であ
るということが証明された。
【0044】アセトン対照におけるG2/M含量以上を
有する細胞の存在は、これらが上皮細胞集団の生理的成
分であることを示唆している。LC条件下で培養した細
胞において他のp53抗体反応性に対するp53asの
より高い比率は、p53asが増殖している集団で優先
的に発現していることを示唆している。さらに、G2/
Mおよび>G2/Mにおけるp53asポジティブ細胞
の分布は、成長停止または成熟経路に反映している可能
性が高い。上皮細胞集団は、増殖している細胞および分
化している細胞または成長が停止した細胞から成り、上
皮において厳格に維持されている成長と分化の均衡を反
映している。増殖に好適な条件(LC条件、実験操作を
参照)下でさえも、基礎(増殖関連)細胞マーカーは、
プレーティングし分化している細胞が全集団の割合とし
て増加した後、時間とともに失われていく(Kulesz-Mar
tin et al., (1989), "Pemphigoid, pemphigus and des
moplakin as antigenic markers of differentiation i
n normal and tumorigenicmouse keratinocyte lines",
Cell Tissue Kinet, 22, 279-290)。マウスケラチン
細胞は、初代培養確立後3から19日後の近二倍体また
は近四倍体の安定な集団を含み、二つのモードのDNA
含量を示す(Kulesz-Martin et al. (1983),"Propertie
s of carcinogen altered mouse epidermal cells resi
stant to calcium-induced terminal differentiatio
n", Carcinogen, 4, 1367-1377 )。291細胞は不完
全四倍体であるが(Kulesz-Martin et al., (1985) "Mo
use cellclones for improved quantitation of carcin
ogen-induced altered differentiation", "Carcinogen
esis" 6, 1245-1254 )、それらは二倍のDNA含量を
有する細胞の副集団を生成する能力を保持しているよう
に見える。Davies et al.(1993), "Antioxidants can d
elay liver cell maturation which in turn affects
γ-glutamyltranspeptidase expression", Carcinogen,
14, 47-52は、正常肝臓細胞の細胞質分裂および付随す
る成熟を伴わずに有糸分裂によって生じる2Nから4N
および8Nへの倍数性における変化を議論している。彼
らは、部分的肝切除後に、肝臓を再構成することは、周
期を進行している細胞およびDNA合成および無糸分裂
細胞質分裂を経て単核四倍体細胞になる二核四倍体細胞
の数の増加を含むということを記している。上皮細胞の
集合における>G2/MのDNA含量を有する細胞の存
在は、成熟経路に沿った進行を反映している可能性があ
る。アクチノマイシンDに対する応答におけるp53a
s(+)291未形質転換細胞の割合の増加は、p53
asタンパク質がDNA損傷誘導性G1停止においてP
Ab421およびPAb246によって検出しうるp5
3と調和していることを示唆している。しかしながら、
p53asタンパク質免疫反応性とG2/Mとの優先的
な関連は対照細胞およびアクチノマイシンD処理細胞に
おいて生じ、これは、それが処理の結果よりもむしろG
2段階におけるp53asタンパク質の生理学的活性を
反映していることを示唆している。アクチノマイシンD
およびγ線処理がG1およびG2停止を誘発するが、G
1停止のみがPAb421活性の発生に関連していた
(Kastan et al., supra)ということは興味をそそる。
p53asタンパク質がDNA損傷に対する応答におけ
るG2/M停止において役割を有していると推測するこ
ができる。これとは反対に、p53ポジティブ細胞の割
合が増加したにも係わらず、細胞周期分布におけるアク
チノマイシンD依存性の変化が腫瘍細胞において生じな
かったことは、腫瘍細胞では細胞周期停止を経る能力が
欠損していることを示唆する。
有する細胞の存在は、これらが上皮細胞集団の生理的成
分であることを示唆している。LC条件下で培養した細
胞において他のp53抗体反応性に対するp53asの
より高い比率は、p53asが増殖している集団で優先
的に発現していることを示唆している。さらに、G2/
Mおよび>G2/Mにおけるp53asポジティブ細胞
の分布は、成長停止または成熟経路に反映している可能
性が高い。上皮細胞集団は、増殖している細胞および分
化している細胞または成長が停止した細胞から成り、上
皮において厳格に維持されている成長と分化の均衡を反
映している。増殖に好適な条件(LC条件、実験操作を
参照)下でさえも、基礎(増殖関連)細胞マーカーは、
プレーティングし分化している細胞が全集団の割合とし
て増加した後、時間とともに失われていく(Kulesz-Mar
tin et al., (1989), "Pemphigoid, pemphigus and des
moplakin as antigenic markers of differentiation i
n normal and tumorigenicmouse keratinocyte lines",
Cell Tissue Kinet, 22, 279-290)。マウスケラチン
細胞は、初代培養確立後3から19日後の近二倍体また
は近四倍体の安定な集団を含み、二つのモードのDNA
含量を示す(Kulesz-Martin et al. (1983),"Propertie
s of carcinogen altered mouse epidermal cells resi
stant to calcium-induced terminal differentiatio
n", Carcinogen, 4, 1367-1377 )。291細胞は不完
全四倍体であるが(Kulesz-Martin et al., (1985) "Mo
use cellclones for improved quantitation of carcin
ogen-induced altered differentiation", "Carcinogen
esis" 6, 1245-1254 )、それらは二倍のDNA含量を
有する細胞の副集団を生成する能力を保持しているよう
に見える。Davies et al.(1993), "Antioxidants can d
elay liver cell maturation which in turn affects
γ-glutamyltranspeptidase expression", Carcinogen,
14, 47-52は、正常肝臓細胞の細胞質分裂および付随す
る成熟を伴わずに有糸分裂によって生じる2Nから4N
および8Nへの倍数性における変化を議論している。彼
らは、部分的肝切除後に、肝臓を再構成することは、周
期を進行している細胞およびDNA合成および無糸分裂
細胞質分裂を経て単核四倍体細胞になる二核四倍体細胞
の数の増加を含むということを記している。上皮細胞の
集合における>G2/MのDNA含量を有する細胞の存
在は、成熟経路に沿った進行を反映している可能性があ
る。アクチノマイシンDに対する応答におけるp53a
s(+)291未形質転換細胞の割合の増加は、p53
asタンパク質がDNA損傷誘導性G1停止においてP
Ab421およびPAb246によって検出しうるp5
3と調和していることを示唆している。しかしながら、
p53asタンパク質免疫反応性とG2/Mとの優先的
な関連は対照細胞およびアクチノマイシンD処理細胞に
おいて生じ、これは、それが処理の結果よりもむしろG
2段階におけるp53asタンパク質の生理学的活性を
反映していることを示唆している。アクチノマイシンD
およびγ線処理がG1およびG2停止を誘発するが、G
1停止のみがPAb421活性の発生に関連していた
(Kastan et al., supra)ということは興味をそそる。
p53asタンパク質がDNA損傷に対する応答におけ
るG2/M停止において役割を有していると推測するこ
ができる。これとは反対に、p53ポジティブ細胞の割
合が増加したにも係わらず、細胞周期分布におけるアク
チノマイシンD依存性の変化が腫瘍細胞において生じな
かったことは、腫瘍細胞では細胞周期停止を経る能力が
欠損していることを示唆する。
【0045】p53asタンパク質の機能的な特性につ
いての付加的な影響は、他の研究に基づいて作ることが
できる。部位特異的変異誘発または遺伝子欠失マッピン
グによって設計されたp53タンパク質のカルボキシル
末端における変化は、p53の構造と機能に対して劇的
な影響を有してことが示された(Hupp et al., supra;
図1を参照)。Sturzbecher et al., supra は、C末端
塩基性残基の損失はp53タンパク質の二量体形成を許
すが四量体形成は許さないことを証明した一方、Hainau
t et al.( (1992), "Interaction of heat-shock prot
ein 70 with p53 translated in vitro evidence for i
nteraction with dimeric p53 and fora role in the r
egulation of p53 conformation", EMBO J. 11, 3513-3
520)は、p53の25個のC末端アミノ酸の欠失によ
り、同様に、二量体は生じるがより高い次元の複合体は
生じないことを示した。p53タンパク質は四量体とし
てDNAに結合するものと考えられているために(Barg
onetti et al., (1992), "Site-specific binding of w
ild-type p53 to cellular DNA is inhibited by SV40
T antigen and mutant p53", Genes & Dev. 6, 1886-18
98; およびStengeret al., (1992), "Formation of sta
ble p53 homotetramers and multiples oftetramers",
Mol. Carcinogen", 5, 102-106)、p53asの二量体
形成への制限はDNAとのその相互作用に影響している
かもしれない、図2を参照。
いての付加的な影響は、他の研究に基づいて作ることが
できる。部位特異的変異誘発または遺伝子欠失マッピン
グによって設計されたp53タンパク質のカルボキシル
末端における変化は、p53の構造と機能に対して劇的
な影響を有してことが示された(Hupp et al., supra;
図1を参照)。Sturzbecher et al., supra は、C末端
塩基性残基の損失はp53タンパク質の二量体形成を許
すが四量体形成は許さないことを証明した一方、Hainau
t et al.( (1992), "Interaction of heat-shock prot
ein 70 with p53 translated in vitro evidence for i
nteraction with dimeric p53 and fora role in the r
egulation of p53 conformation", EMBO J. 11, 3513-3
520)は、p53の25個のC末端アミノ酸の欠失によ
り、同様に、二量体は生じるがより高い次元の複合体は
生じないことを示した。p53タンパク質は四量体とし
てDNAに結合するものと考えられているために(Barg
onetti et al., (1992), "Site-specific binding of w
ild-type p53 to cellular DNA is inhibited by SV40
T antigen and mutant p53", Genes & Dev. 6, 1886-18
98; およびStengeret al., (1992), "Formation of sta
ble p53 homotetramers and multiples oftetramers",
Mol. Carcinogen", 5, 102-106)、p53asの二量体
形成への制限はDNAとのその相互作用に影響している
かもしれない、図2を参照。
【0046】M−8cDNAクローン(Arai et al., s
upra)から生体外で翻訳された選択的にスプライスされ
たp53タンパク質の変異の形態の特性が報告されてい
る。Hainaut et al. supraは、生体外翻訳に続いて、M
−8によってコードされている変異型の選択的にスプラ
イスされたp53タンパク質が一量体および二量体を形
成するが四量体を形成しないことを見つけた。変異型M
−8タンパク質と同様に、野性型p53asはC末端の
塩基性アミノ酸を失っていたが、二量体形成を許すこと
が示されている酸性アミノ酸は保持している。これらの
結果は、野性型p53asが主要p53タンパク質形態
とは異なる特性を有しているという考え方を支持する。
しかしながら、M−8p53cDNA配列は、nt39
5においてヌクレオチドの置換を有しており、システイ
ン−132からフェニルアラニンへの変化を生じさせて
いる。Eliyahu et al. (1990), "Meth a fibrosarcoma
cells express two transforming mutant p53 specie
s", Oncogene 3, 313-321 は、M−8p53cDNAを
含むプラスミドが、トランスフェクトされた細胞中にお
いて形質転換活性を有していたことを報告した。選択的
スプライシングなしのp53のこの領域内の変異は、腫
瘍抑制機能およびDNA結合の欠損である(Eliyahu et
al., supra; Finlay et al., (1989) "The p53 proto-
oncogene can act as a suppressor of transformatio
n", Cell, 57, 1083-1093; およびVogelstein et al.,
(1992), supra)。従って、M−8タンパク質は選択的
スプライシングによるC末端の変化とは別にその機能に
影響する変異を有している。cDNAクローンM−8か
ら翻訳されたp53タンパク質は、PAb248抗体
(PAb246のように野性型で立体配置特異的であ
る)とは反応せず、また、C末端エピトープの欠損のた
めに、PAb421とも反応しない(Wolf et al., (19
85) supra )。野性型p53asが変異型M−8タンパ
ク質とは異なる立体配置を有しているために、DNA結
合のような機能的特性はM−8タンパク質の研究からは
予測することができず、直接試験をしなければならな
い。
upra)から生体外で翻訳された選択的にスプライスされ
たp53タンパク質の変異の形態の特性が報告されてい
る。Hainaut et al. supraは、生体外翻訳に続いて、M
−8によってコードされている変異型の選択的にスプラ
イスされたp53タンパク質が一量体および二量体を形
成するが四量体を形成しないことを見つけた。変異型M
−8タンパク質と同様に、野性型p53asはC末端の
塩基性アミノ酸を失っていたが、二量体形成を許すこと
が示されている酸性アミノ酸は保持している。これらの
結果は、野性型p53asが主要p53タンパク質形態
とは異なる特性を有しているという考え方を支持する。
しかしながら、M−8p53cDNA配列は、nt39
5においてヌクレオチドの置換を有しており、システイ
ン−132からフェニルアラニンへの変化を生じさせて
いる。Eliyahu et al. (1990), "Meth a fibrosarcoma
cells express two transforming mutant p53 specie
s", Oncogene 3, 313-321 は、M−8p53cDNAを
含むプラスミドが、トランスフェクトされた細胞中にお
いて形質転換活性を有していたことを報告した。選択的
スプライシングなしのp53のこの領域内の変異は、腫
瘍抑制機能およびDNA結合の欠損である(Eliyahu et
al., supra; Finlay et al., (1989) "The p53 proto-
oncogene can act as a suppressor of transformatio
n", Cell, 57, 1083-1093; およびVogelstein et al.,
(1992), supra)。従って、M−8タンパク質は選択的
スプライシングによるC末端の変化とは別にその機能に
影響する変異を有している。cDNAクローンM−8か
ら翻訳されたp53タンパク質は、PAb248抗体
(PAb246のように野性型で立体配置特異的であ
る)とは反応せず、また、C末端エピトープの欠損のた
めに、PAb421とも反応しない(Wolf et al., (19
85) supra )。野性型p53asが変異型M−8タンパ
ク質とは異なる立体配置を有しているために、DNA結
合のような機能的特性はM−8タンパク質の研究からは
予測することができず、直接試験をしなければならな
い。
【0047】上記の研究から予測される多量体化ドメイ
ンにおける交代に加えて、p53asはセリン389に
位置するカゼインキナーゼIIリン酸化/5.8srRN
A結合部位を失っている。変異によるセリン−389の
リン酸化部位の損失はp53抗増殖活性の存在をなくす
(Milne et al., (1992), "Mutation of the caseinkin
aseII phosphorylation site abolishes the anti-prol
iferative activityof p53", Nucleic Acids Res. 20,
5565-5570; Bischoff et al., (1992), "Human p53 inh
ibits growth in Schizosaccharomyces pombe", Mol. a
nd Cell. Biol. 12, 405-411; Nigro et al., (1992),
"Human p53 and CDC2Hs genes combine to inhibit the
proliferation of Saccharomyces cerevisiae", Mol.
and Cell. Biol. 12, 1357-1365 )。Hupp et al., sup
raは、C末端において作用する因子が、保存されたC末
端セリンにおけるリン酸化、そのカルボキシル末端エピ
トープへのPAb421抗体の結合、および最後の30
個のカルボキシル末端のアミノ酸のタンパク質加水分解
によるまたは設計された損失を含むような、野性型p5
3のDNA結合能力の活性化にとって重要であることを
示した。さらに、熱ショックタンパク質(Hainaut et a
l., supra )またはmdm2(Momand etal. (1992),
"The mdm-2 oncogene product forms a complex with t
he p53 protein and inhibits p53-mediated transacti
vation", Cell 69, 1237-1245 )のような他の細胞性タ
ンパク質への結合を仲介するp53タンパク質の領域
を、直接的または間接的に変化させることが多分可能で
あろう。
ンにおける交代に加えて、p53asはセリン389に
位置するカゼインキナーゼIIリン酸化/5.8srRN
A結合部位を失っている。変異によるセリン−389の
リン酸化部位の損失はp53抗増殖活性の存在をなくす
(Milne et al., (1992), "Mutation of the caseinkin
aseII phosphorylation site abolishes the anti-prol
iferative activityof p53", Nucleic Acids Res. 20,
5565-5570; Bischoff et al., (1992), "Human p53 inh
ibits growth in Schizosaccharomyces pombe", Mol. a
nd Cell. Biol. 12, 405-411; Nigro et al., (1992),
"Human p53 and CDC2Hs genes combine to inhibit the
proliferation of Saccharomyces cerevisiae", Mol.
and Cell. Biol. 12, 1357-1365 )。Hupp et al., sup
raは、C末端において作用する因子が、保存されたC末
端セリンにおけるリン酸化、そのカルボキシル末端エピ
トープへのPAb421抗体の結合、および最後の30
個のカルボキシル末端のアミノ酸のタンパク質加水分解
によるまたは設計された損失を含むような、野性型p5
3のDNA結合能力の活性化にとって重要であることを
示した。さらに、熱ショックタンパク質(Hainaut et a
l., supra )またはmdm2(Momand etal. (1992),
"The mdm-2 oncogene product forms a complex with t
he p53 protein and inhibits p53-mediated transacti
vation", Cell 69, 1237-1245 )のような他の細胞性タ
ンパク質への結合を仲介するp53タンパク質の領域
を、直接的または間接的に変化させることが多分可能で
あろう。
【0048】細胞周期中にp53およびp53asタン
パク質の免疫反応性が異なって発現していることから、
各々は異なる機能を有していることが示唆される。おそ
らくp53は、選択的スプライシングによって2つの機
能的に異なるタンパク質を生成する転写因子のクラスに
属することが証明されるかもしれない(Foulkes et a
l., (1992), "More is better: activators and repres
sors from the same gene", Cell 68, 411-414)。例え
ば、(プロモーターおよびエンハンサー領域に結合する
ことによって免疫グロブリンの転写を調節する)mTF
E3因子の場合は、より長いおよびより短いタンパク質
形態が存在する。より短い形態においては、両親媒性ら
せんを形成することが予測されるアミノ酸は存在せず、
転写活性化活性は影響を受ける。ヘテロ二量体化するそ
のような因子の能力は、標的遺伝子の発現の調節の可能
性を増幅する。
パク質の免疫反応性が異なって発現していることから、
各々は異なる機能を有していることが示唆される。おそ
らくp53は、選択的スプライシングによって2つの機
能的に異なるタンパク質を生成する転写因子のクラスに
属することが証明されるかもしれない(Foulkes et a
l., (1992), "More is better: activators and repres
sors from the same gene", Cell 68, 411-414)。例え
ば、(プロモーターおよびエンハンサー領域に結合する
ことによって免疫グロブリンの転写を調節する)mTF
E3因子の場合は、より長いおよびより短いタンパク質
形態が存在する。より短い形態においては、両親媒性ら
せんを形成することが予測されるアミノ酸は存在せず、
転写活性化活性は影響を受ける。ヘテロ二量体化するそ
のような因子の能力は、標的遺伝子の発現の調節の可能
性を増幅する。
【0049】腫瘍抑制における野性型p53asの活性
を測定することは重要であろう。p53の初期のクロー
ンには変異が潜んでいたために、当初は腫瘍遺伝子(on
cogene)であると考えられていたが、野性型p53のク
ローニングにより腫瘍抑制遺伝子としてのその役割が認
識されている(Finlay et al., supra; and Eliyahuet
al., supra )。野性型p53を変異型立体配置に至ら
せるという変異型p53タンパク質の能力は、優性ネガ
ティブ形質転換遺伝子としてのその潜在力をカバーして
いなかった(Milner, 1984, supra.; および Milner et
al., (a) (1991), "Cotranslation of activated muta
nt p53 with wild type drives the wild-type p53 pro
tein into the mutant conformation", Cell 65, 765-7
74) 。さらに、変異体p53それ自体は野性型p53を
有しない細胞内で形質転換活性を有していて、これは増
殖の調節におけるp53の直接の活性を示唆している
(Wolf et al., (1984), "Reconstitution of p53 expr
ession in a nonproducer Ab- MuLV-transformed cell
line by transfection of a functional p53 gene",Cel
l 38, 119-126)。Milner (b) (1991), "The role of p
53 in the normalcontrol of cell proliferation", Cu
rrent Opinion in Cell Biology 3, 282-286は、p53
がp53の立体配置に依存して細胞周期の調節において
ポジティブおよびネガティブな機能を有していることを
提案した。細胞周期の進行の調節またはアポプトシス
(apoptosis )の誘発におけるp53のポジティブまた
はネガティブな機能は選択的スプライシングによって生
成されたp53の異なる生理的変異体の相対的発現に基
づくのかもしれないと推測できる。DNA結合、転写の
活性化、細胞の形質転換、細胞周期停止およびアポプト
シスにおける野性型p53およびp53asの異なる機
能的活性を比較するための研究が、これらの可能性を試
験するためには必要であろう。
を測定することは重要であろう。p53の初期のクロー
ンには変異が潜んでいたために、当初は腫瘍遺伝子(on
cogene)であると考えられていたが、野性型p53のク
ローニングにより腫瘍抑制遺伝子としてのその役割が認
識されている(Finlay et al., supra; and Eliyahuet
al., supra )。野性型p53を変異型立体配置に至ら
せるという変異型p53タンパク質の能力は、優性ネガ
ティブ形質転換遺伝子としてのその潜在力をカバーして
いなかった(Milner, 1984, supra.; および Milner et
al., (a) (1991), "Cotranslation of activated muta
nt p53 with wild type drives the wild-type p53 pro
tein into the mutant conformation", Cell 65, 765-7
74) 。さらに、変異体p53それ自体は野性型p53を
有しない細胞内で形質転換活性を有していて、これは増
殖の調節におけるp53の直接の活性を示唆している
(Wolf et al., (1984), "Reconstitution of p53 expr
ession in a nonproducer Ab- MuLV-transformed cell
line by transfection of a functional p53 gene",Cel
l 38, 119-126)。Milner (b) (1991), "The role of p
53 in the normalcontrol of cell proliferation", Cu
rrent Opinion in Cell Biology 3, 282-286は、p53
がp53の立体配置に依存して細胞周期の調節において
ポジティブおよびネガティブな機能を有していることを
提案した。細胞周期の進行の調節またはアポプトシス
(apoptosis )の誘発におけるp53のポジティブまた
はネガティブな機能は選択的スプライシングによって生
成されたp53の異なる生理的変異体の相対的発現に基
づくのかもしれないと推測できる。DNA結合、転写の
活性化、細胞の形質転換、細胞周期停止およびアポプト
シスにおける野性型p53およびp53asの異なる機
能的活性を比較するための研究が、これらの可能性を試
験するためには必要であろう。
【0050】実験操作方法 細胞 291株は新生BALB/cROSマウス上皮から得た
ものであり(West Seneca Laboratory, Roswell Park C
ancer Institute )、生体外および生体内における分化
および形態に関して「正常」である(Kulesz-Martin et
al., (1985)supra.; Kulesz-Martin et al. (1991),
"Tumor progression of murine epidermal cells after
treatment in vitro with 12-0-tetradecanoylphorbol
-13-acetate or retinoic acid", Cancer Research 51,
4701-4706; Schneider et al.,(1993), "7,12-dimethy
lbenz[α]anthracene-induced mouse keratinocyte tra
nsformation without Harvey ras protooncogene mutat
ions", J. Invest. Dermatology, in press )。細胞
を、Ca2+濃度を減少させるためにchelex-100樹脂(Bi
o-Rad, Rockville Center, NY )で処理した5%(V/
V)胎児子牛血清、未必須アミノ酸、10%(V/V)
マウス皮膚線維芽細胞ならし培地、10ng/mlのE
GF(UBI, Lake Placid, NY)、1%(V/V)抗生物
質−抗菌物質(100U/mlのペニシリン、100μ
/mlのストレプトマイシン硫酸塩および0.25μg
/mlのアンホテリシンB溶液、GIBCO, Grand Island,
NY )および0.02から0.04mMのCa2+を追加
した、CaCl2 なしのアール(Earle)の塩を含むイー
グルの最小必須培地(LCと命名)中で成長させた。2
91細胞を記載されているように生体外で7,12−ジ
メチルベンズ〔α〕アントラセンに露出した後に、29
1の腫瘍細胞誘導体(291.03RAT および291.05RAT )を
扁平腫瘍細胞から単離した(Kulesz-Martin et al., (1
986), "Retinoicacid enhancement of an early step i
n the transformation of mouse epidermal cells In V
itro", Carcinogenesis 7, 1425-1429; Kulesz-Martin
et al., (1991) supra; Kulesz-Martin et al., (1983)
supra )。腫瘍細胞を、ならし化またはEGFがなく
天然の胎児子牛血清および1.4mMのCa2+を含むと
いう点を除けば上記と同じ最小必須培地(HCと命名)
中で成長させた。Moshe Oren博士から得た変異型p53
のゲノミッククローンを含むプラスミド (pmMTval135-2
3)によってがん細胞291.03RAT をトランスフェクトする
ことによってクローン119を得た。それは、37℃で
主に野性型p53の立体配置を発現している(未発表の
結果)。
ものであり(West Seneca Laboratory, Roswell Park C
ancer Institute )、生体外および生体内における分化
および形態に関して「正常」である(Kulesz-Martin et
al., (1985)supra.; Kulesz-Martin et al. (1991),
"Tumor progression of murine epidermal cells after
treatment in vitro with 12-0-tetradecanoylphorbol
-13-acetate or retinoic acid", Cancer Research 51,
4701-4706; Schneider et al.,(1993), "7,12-dimethy
lbenz[α]anthracene-induced mouse keratinocyte tra
nsformation without Harvey ras protooncogene mutat
ions", J. Invest. Dermatology, in press )。細胞
を、Ca2+濃度を減少させるためにchelex-100樹脂(Bi
o-Rad, Rockville Center, NY )で処理した5%(V/
V)胎児子牛血清、未必須アミノ酸、10%(V/V)
マウス皮膚線維芽細胞ならし培地、10ng/mlのE
GF(UBI, Lake Placid, NY)、1%(V/V)抗生物
質−抗菌物質(100U/mlのペニシリン、100μ
/mlのストレプトマイシン硫酸塩および0.25μg
/mlのアンホテリシンB溶液、GIBCO, Grand Island,
NY )および0.02から0.04mMのCa2+を追加
した、CaCl2 なしのアール(Earle)の塩を含むイー
グルの最小必須培地(LCと命名)中で成長させた。2
91細胞を記載されているように生体外で7,12−ジ
メチルベンズ〔α〕アントラセンに露出した後に、29
1の腫瘍細胞誘導体(291.03RAT および291.05RAT )を
扁平腫瘍細胞から単離した(Kulesz-Martin et al., (1
986), "Retinoicacid enhancement of an early step i
n the transformation of mouse epidermal cells In V
itro", Carcinogenesis 7, 1425-1429; Kulesz-Martin
et al., (1991) supra; Kulesz-Martin et al., (1983)
supra )。腫瘍細胞を、ならし化またはEGFがなく
天然の胎児子牛血清および1.4mMのCa2+を含むと
いう点を除けば上記と同じ最小必須培地(HCと命名)
中で成長させた。Moshe Oren博士から得た変異型p53
のゲノミッククローンを含むプラスミド (pmMTval135-2
3)によってがん細胞291.03RAT をトランスフェクトする
ことによってクローン119を得た。それは、37℃で
主に野性型p53の立体配置を発現している(未発表の
結果)。
【0051】抗体 p53に対するマウスモノクローナル抗体はPAb42
1、PAb240およびPAb246であった(Oncoge
ne Science, Uniondale, NY )。イソタイプ(IgG2a
(PAb421およびPAb240)およびIgG
1 (PAb246、Becton/Dickinson, Mountain View,
CA )を血清対照として使用した。ラビットポリクロー
ナル抗体CM5はDavid Lane博士からの譲受品であっ
た。p53asに特異的な末端の17アミノ酸(図1B
を参照)に対する抗ペプチド抗体を以下のようにして作
製した。p53asに対する17アミノ酸ペプチドをR
PCIバイオポリマー(Biopolymer)機関によって合成
し、HPLCおよび質量スペクトルによって純度が90
から95%であり、アミノ酸配列決定により正確である
ことを確かめた。免疫前血清の回収の後に、ニュージー
ランド白雌ラビットを、百日咳ワクチンの筋肉内注入と
同時に、複数の部位において500μgのペプチドと完
全フロイントアジュバンド(FCA)を皮内に注入する
ことによって免疫した(RPCI Springville Laboratorie
s )。3週間後に、さらに250μgのペプチドを不完
全フロイントアジュバンド(FIA)とともに3週間の
間、1週間ごとに投与した。4.4mgのp53asペ
プチドを製造業者の指示に従ってアミノリンク(AminoL
ink )カラム(Pierce, Rockford, IL)に結合すること
によって、p53as抗ペプチドをアフィニティー精製
した。硫酸アンモニウム(40%)で沈澱した免疫前の
血清を対照として使用した。ELISA分析における細
胞またはペプチドとの免疫反応に先立って、p53as
ペプチド(図1に示す配列)または未関連ペプチド(配
列:GRNDCIIDKIRRKNCD)とともに室温で2時間抗体(重
量比で1:1)をインキュベートすることによって競合
分析を行った。
1、PAb240およびPAb246であった(Oncoge
ne Science, Uniondale, NY )。イソタイプ(IgG2a
(PAb421およびPAb240)およびIgG
1 (PAb246、Becton/Dickinson, Mountain View,
CA )を血清対照として使用した。ラビットポリクロー
ナル抗体CM5はDavid Lane博士からの譲受品であっ
た。p53asに特異的な末端の17アミノ酸(図1B
を参照)に対する抗ペプチド抗体を以下のようにして作
製した。p53asに対する17アミノ酸ペプチドをR
PCIバイオポリマー(Biopolymer)機関によって合成
し、HPLCおよび質量スペクトルによって純度が90
から95%であり、アミノ酸配列決定により正確である
ことを確かめた。免疫前血清の回収の後に、ニュージー
ランド白雌ラビットを、百日咳ワクチンの筋肉内注入と
同時に、複数の部位において500μgのペプチドと完
全フロイントアジュバンド(FCA)を皮内に注入する
ことによって免疫した(RPCI Springville Laboratorie
s )。3週間後に、さらに250μgのペプチドを不完
全フロイントアジュバンド(FIA)とともに3週間の
間、1週間ごとに投与した。4.4mgのp53asペ
プチドを製造業者の指示に従ってアミノリンク(AminoL
ink )カラム(Pierce, Rockford, IL)に結合すること
によって、p53as抗ペプチドをアフィニティー精製
した。硫酸アンモニウム(40%)で沈澱した免疫前の
血清を対照として使用した。ELISA分析における細
胞またはペプチドとの免疫反応に先立って、p53as
ペプチド(図1に示す配列)または未関連ペプチド(配
列:GRNDCIIDKIRRKNCD)とともに室温で2時間抗体(重
量比で1:1)をインキュベートすることによって競合
分析を行った。
【0052】酵素結合免疫吸収分析(ELISA) Nunc-Immuno MaxiSorb96穴プレート(Nunc, Denmark
)を、15mMの炭酸ナトリウム緩衝液(pH9.
6)中の50ng/穴のp53asペプチドで被覆し
た。PBS中で2%BSA(KPL, Gaithersburg, MD )
で37℃で1時間ブロッキングした後、抗−p53モノ
クローナル抗体、抗−p53as抗体(ペプチドに対し
てアフィニティー精製したもの)または免疫前血清対照
(Pre-I )を1/50から1/640,000に希釈
し、100μの容量で穴に添加した。二次抗体はペルオ
キシダーゼ結合ヤギ抗ラビット免疫グロブリン(DAKO,
Carpinteria, CA )を1/1000で使用した。TMB
ペルオキシダーゼ基質系溶液(KPL,Gaithersburg, MD
)を添加し、発色を4MのH2 SO4 を使用して4分
後に終止させた。450nmにおける吸収をBioTek プ
レート読み取り機(Winooski,VT)を使用して検出し
た。
)を、15mMの炭酸ナトリウム緩衝液(pH9.
6)中の50ng/穴のp53asペプチドで被覆し
た。PBS中で2%BSA(KPL, Gaithersburg, MD )
で37℃で1時間ブロッキングした後、抗−p53モノ
クローナル抗体、抗−p53as抗体(ペプチドに対し
てアフィニティー精製したもの)または免疫前血清対照
(Pre-I )を1/50から1/640,000に希釈
し、100μの容量で穴に添加した。二次抗体はペルオ
キシダーゼ結合ヤギ抗ラビット免疫グロブリン(DAKO,
Carpinteria, CA )を1/1000で使用した。TMB
ペルオキシダーゼ基質系溶液(KPL,Gaithersburg, MD
)を添加し、発色を4MのH2 SO4 を使用して4分
後に終止させた。450nmにおける吸収をBioTek プ
レート読み取り機(Winooski,VT)を使用して検出し
た。
【0053】免疫蛍光 細胞を100%の冷エタノールに浸透させ、PAB(P
BS+0.1%Na−アザイド+0.5%BSA)+0.
05%Tween 20中で10分間再水和させ、5%の正常ヤ
ギ血清(Vector Labs, Burlingame, CA )で固定し、次
いで、10μg/mlの各モノクローナル抗−p53抗
体PAb421、240または246または対照イソタ
イプ血清IgG2aまたはIgG1 に4℃で一晩露出し
た。モノクローナル抗体に対する二次抗体は、フルオレ
セインイソチオシアネート(FITC)結合ヤギ抗マウ
ス免疫グロブリン(FisherBiotech, Pittsburgh, PA )
の1/300の希釈物であった。アフィニティー精製ラ
ビットポリクローナル抗−p53asまたは対照として
の硫酸アンモニウム画分免疫前血清を7μg/mlで使
用し、次いで1/300のテキサスレッド結合ヤギ抗ラ
ビット免疫グロブリン(Oncogene Science)を使用し
た。カバースリップをスライドに付着させるためにFluo
rSave 水性固定剤(Calbiochem, LaJolla, CA )を使用
した。蛍光は外発光体を備えたニコン・ラボフォト(La
bophot)顕微鏡を使用して観察した。顕微鏡写真をニコ
ンUFX−IIA自動カメラシステムを使用して取っ
た。
BS+0.1%Na−アザイド+0.5%BSA)+0.
05%Tween 20中で10分間再水和させ、5%の正常ヤ
ギ血清(Vector Labs, Burlingame, CA )で固定し、次
いで、10μg/mlの各モノクローナル抗−p53抗
体PAb421、240または246または対照イソタ
イプ血清IgG2aまたはIgG1 に4℃で一晩露出し
た。モノクローナル抗体に対する二次抗体は、フルオレ
セインイソチオシアネート(FITC)結合ヤギ抗マウ
ス免疫グロブリン(FisherBiotech, Pittsburgh, PA )
の1/300の希釈物であった。アフィニティー精製ラ
ビットポリクローナル抗−p53asまたは対照として
の硫酸アンモニウム画分免疫前血清を7μg/mlで使
用し、次いで1/300のテキサスレッド結合ヤギ抗ラ
ビット免疫グロブリン(Oncogene Science)を使用し
た。カバースリップをスライドに付着させるためにFluo
rSave 水性固定剤(Calbiochem, LaJolla, CA )を使用
した。蛍光は外発光体を備えたニコン・ラボフォト(La
bophot)顕微鏡を使用して観察した。顕微鏡写真をニコ
ンUFX−IIA自動カメラシステムを使用して取っ
た。
【0054】免疫沈降 集密前の培養細胞(約5〜10×106 細胞/100m
mペトリ皿)を、2%(V/V)透析牛血清を含みメチ
オニンを含まない最小必須培地中で37℃で4時間20
0μCiのL−〔35S〕メチオニン(1120Ci/mm
ol)とともにインキュベートした。標識細胞を1%(V
/V)ノニデット(nonidet )P−40、150mMの
NaCl、50mMのトリス(pH8)、1mMのフェ
ニルメチルスルホニルフルオリドを含む緩衝液中で4℃
で30分間溶解し、10,000×gで10分間遠心し
た。上清をホルマリンで固定したスタフィロコッカス・
オレウス(Staphylococcus aureus )細胞(イムノプリ
シピチン, BRL, Gaithersburg, MD )またはプロテイン
A−セファロース(Pharmacia, Piscataway, NJ )で予
め洗浄した。等量の放射活性(2×107 cpm)に対
応する容量の溶解物を、マウス(murine)p53または
イソタイプに対する抗体または血清対照とともに4℃で
16時間、NET/Gel緩衝液(150mMのNaC
l、5mMのEDTA、50mMのトリス(pH7.
4)、0.05%のNP−40、0.025のNaN3
および0.25%のゼラチン)中でインキュベートし
た。免疫複合体をイムノプリシピチンまたは5mgのプ
ロテイン−AセファロースCL−4B(Pharmacia )と
ともに4℃で2時間免疫沈降させ、10,000×gで
10分間遠心した。ペレットをNET/Gel緩衝液で
洗浄し、85℃で5から15分間加熱し10,000×
gで10分間遠心することによってローディング緩衝液
(2%(W/V)SDS、10%(V/V)グリセロー
ル、125mMトリス塩酸(pH6.8)、0.001
%(W/V)ブロモフェノールブルー)中に溶出した。
上清を、4%スタッキングゲル(125mMのトリス塩
酸(pH6.8)、0.1%(W/V)SDS)および
10%の分離ゲル(375mMのトリス塩酸(pH8.
8)、0.1%(W/V)SDS)から成る変性ポリア
クリルアミドゲル上に充填し、泳動緩衝液(125mM
のトリス塩酸(pH8.3)、192mMのグリシン、
0.1%(W/V)SDS)中で35mAで電気泳動を
行った。ゲルを7.5%(V/V)酢酸/25%(V/
V)メタノール中で固定し、増強溶液(NEN, Boston, M
A )中に浸し、乾燥し、増強スクリーンを使用して−8
0℃でXARフィルム(Kodak, Rochester, NY)に感光
させた。
mペトリ皿)を、2%(V/V)透析牛血清を含みメチ
オニンを含まない最小必須培地中で37℃で4時間20
0μCiのL−〔35S〕メチオニン(1120Ci/mm
ol)とともにインキュベートした。標識細胞を1%(V
/V)ノニデット(nonidet )P−40、150mMの
NaCl、50mMのトリス(pH8)、1mMのフェ
ニルメチルスルホニルフルオリドを含む緩衝液中で4℃
で30分間溶解し、10,000×gで10分間遠心し
た。上清をホルマリンで固定したスタフィロコッカス・
オレウス(Staphylococcus aureus )細胞(イムノプリ
シピチン, BRL, Gaithersburg, MD )またはプロテイン
A−セファロース(Pharmacia, Piscataway, NJ )で予
め洗浄した。等量の放射活性(2×107 cpm)に対
応する容量の溶解物を、マウス(murine)p53または
イソタイプに対する抗体または血清対照とともに4℃で
16時間、NET/Gel緩衝液(150mMのNaC
l、5mMのEDTA、50mMのトリス(pH7.
4)、0.05%のNP−40、0.025のNaN3
および0.25%のゼラチン)中でインキュベートし
た。免疫複合体をイムノプリシピチンまたは5mgのプ
ロテイン−AセファロースCL−4B(Pharmacia )と
ともに4℃で2時間免疫沈降させ、10,000×gで
10分間遠心した。ペレットをNET/Gel緩衝液で
洗浄し、85℃で5から15分間加熱し10,000×
gで10分間遠心することによってローディング緩衝液
(2%(W/V)SDS、10%(V/V)グリセロー
ル、125mMトリス塩酸(pH6.8)、0.001
%(W/V)ブロモフェノールブルー)中に溶出した。
上清を、4%スタッキングゲル(125mMのトリス塩
酸(pH6.8)、0.1%(W/V)SDS)および
10%の分離ゲル(375mMのトリス塩酸(pH8.
8)、0.1%(W/V)SDS)から成る変性ポリア
クリルアミドゲル上に充填し、泳動緩衝液(125mM
のトリス塩酸(pH8.3)、192mMのグリシン、
0.1%(W/V)SDS)中で35mAで電気泳動を
行った。ゲルを7.5%(V/V)酢酸/25%(V/
V)メタノール中で固定し、増強溶液(NEN, Boston, M
A )中に浸し、乾燥し、増強スクリーンを使用して−8
0℃でXARフィルム(Kodak, Rochester, NY)に感光
させた。
【0055】アクチノマイシンDによる処理 カバースリップ上の細胞を0.25nMまたは0.5n
MのアクチノマイシンD(Sigma, St. Louis, MO)また
は0.2%アセトンで48時間処理するが、これはプレ
ーティング後24時間後に始め、上記したように間接免
疫蛍光によって染色した。流動細胞計測法または細胞R
NAの単離のために、約2から4×10 6 細胞/cm2
を150mmプレートに接種し、70%集密まで生育さ
せ、回収前に48時間0.5nMのアクチノマイシンD
で処理した。
MのアクチノマイシンD(Sigma, St. Louis, MO)また
は0.2%アセトンで48時間処理するが、これはプレ
ーティング後24時間後に始め、上記したように間接免
疫蛍光によって染色した。流動細胞計測法または細胞R
NAの単離のために、約2から4×10 6 細胞/cm2
を150mmプレートに接種し、70%集密まで生育さ
せ、回収前に48時間0.5nMのアクチノマイシンD
で処理した。
【0056】ノーザンブロット分析 RNAをグアニジン/塩化セシウム抽出によって約70
から100%集密の細胞から単離し、前記したようにノ
ーザンブロット分析のためのジエチルピロカルボネート
処理水に溶解した(Han et al. (1990), "Altered leve
ls of endogenous retrovirus-like sequence (VL30) R
NA during mouse epidermal cell carcinogenesis", Mo
l. Carcinogenesis 3:75-82 )。P53−422の50
0塩基対のPst I 断片をp53の検出のために使用し
(Oren et al. (1983), "Molecularcloning of a cDNA
specific for the murine p53 cellular tumor antige
n",Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 80, 56-59 )、pA
6の840bpのEcoRI-SalI断片をRNAローディング
のための対照として7SのRNA検出のために使用した
(Balmain et al., (1982), "Cloning and characteriz
ation of the abundant cytoplasmic 7S RNA from the
mouse cells", Nucleic Acids, Res., 10, 4259-427
7)。プローブをマルチプライム標識キット(Amersham,
Arlington Heights, IL )を使用するランダムプライ
マー法によって〔α−32P〕dCTPで標識した。3
2P−標識プローブを1〜2×106 cpm/mlの最終濃度
で使用した。p53RNAの存在量の相違は、7SのR
NAに関して調整した後に、感光フィルムの強度によっ
て定量した(Fastscan computing densitometer, Molec
ular Dynamics, Sunnyvale, CA)。
から100%集密の細胞から単離し、前記したようにノ
ーザンブロット分析のためのジエチルピロカルボネート
処理水に溶解した(Han et al. (1990), "Altered leve
ls of endogenous retrovirus-like sequence (VL30) R
NA during mouse epidermal cell carcinogenesis", Mo
l. Carcinogenesis 3:75-82 )。P53−422の50
0塩基対のPst I 断片をp53の検出のために使用し
(Oren et al. (1983), "Molecularcloning of a cDNA
specific for the murine p53 cellular tumor antige
n",Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 80, 56-59 )、pA
6の840bpのEcoRI-SalI断片をRNAローディング
のための対照として7SのRNA検出のために使用した
(Balmain et al., (1982), "Cloning and characteriz
ation of the abundant cytoplasmic 7S RNA from the
mouse cells", Nucleic Acids, Res., 10, 4259-427
7)。プローブをマルチプライム標識キット(Amersham,
Arlington Heights, IL )を使用するランダムプライ
マー法によって〔α−32P〕dCTPで標識した。3
2P−標識プローブを1〜2×106 cpm/mlの最終濃度
で使用した。p53RNAの存在量の相違は、7SのR
NAに関して調整した後に、感光フィルムの強度によっ
て定量した(Fastscan computing densitometer, Molec
ular Dynamics, Sunnyvale, CA)。
【0057】流動細胞計測法 100%の冷エタノールとともに懸濁液中に浸透させた
細胞を、抗−p53asのための2次抗体がフィコエリ
トリン(PE)結合ヤギ抗ラビットIgMおよびIgG
(FisherBiotech, Pittsburgh, PA )とした点を除き間
接免疫蛍光に関して上記したのと同じように抗−p53
抗体に露出した。Hoechst 33342 (1μg/ml、ビス
ベンズイミドH、Calbiochem, La Jolla, CA)をDNA
含量の検出のための流動分析の1時間前に添加した。分
析は、200mW、488nmでレーザーを放出する一
次レーザーと50mW、350nmでレーザーを放出す
る二次レーザーを有するFACSTAR+ デュアル5ワットア
ルゴンレーザーシステム(Becton Dickinson Immunocyt
ometry Systems, San Jose, CA)上で行った。PEおよ
びHoechst 放出物を、各々575+/−13nmおよび
424+/−22nmのバンドの広さを有する任意のフ
ィルターを通過させた。流動細胞計測データは、Becton
Dickinson標準捕捉ソフトウェアを使用して得て、細胞
の密集および破片を排除し、単一細胞の事象のみを回収
した。データはLysis IIソフトウェアを使用して分析し
た(Becton Dickinson Immunocytometry Systems, San
Jose,CA)。
細胞を、抗−p53asのための2次抗体がフィコエリ
トリン(PE)結合ヤギ抗ラビットIgMおよびIgG
(FisherBiotech, Pittsburgh, PA )とした点を除き間
接免疫蛍光に関して上記したのと同じように抗−p53
抗体に露出した。Hoechst 33342 (1μg/ml、ビス
ベンズイミドH、Calbiochem, La Jolla, CA)をDNA
含量の検出のための流動分析の1時間前に添加した。分
析は、200mW、488nmでレーザーを放出する一
次レーザーと50mW、350nmでレーザーを放出す
る二次レーザーを有するFACSTAR+ デュアル5ワットア
ルゴンレーザーシステム(Becton Dickinson Immunocyt
ometry Systems, San Jose, CA)上で行った。PEおよ
びHoechst 放出物を、各々575+/−13nmおよび
424+/−22nmのバンドの広さを有する任意のフ
ィルターを通過させた。流動細胞計測データは、Becton
Dickinson標準捕捉ソフトウェアを使用して得て、細胞
の密集および破片を排除し、単一細胞の事象のみを回収
した。データはLysis IIソフトウェアを使用して分析し
た(Becton Dickinson Immunocytometry Systems, San
Jose,CA)。
【0058】表1は、in situ の間接免疫蛍光によって
検出されたアクチノマイシンDに対する291.05RAT がん
細胞の応答を示す。(番号を付けた)2個の実験が示さ
れている。細胞をカバースリップ上に載せ、指示されて
いる濃度(nM)のアクチノマイシンDまたは溶媒
(0.2%アセトン)に48時間露出し、次いでp53
抗体で染色した。全細胞に対する百分率としてのポジテ
ィブ細胞の見積もりをスリップ当たりの全細胞の観察に
基づいて行った(10の対照、p53asについての実
験当たり8から10の処理したスリップ;4の対照、P
Ab421についての実験当たり2から4の処理化;2
の対照およびPAb246についての実験当たり2の処
理化;免疫前およびIgG対照)。ポジティブ細胞の百
分率の範囲を2個の独立した実験に関して示す。表2
は、p53抗体反応性によるマウス上皮細胞の細胞周期
分布を示す。細胞を0.5nMのアクチノマイシンDま
たは溶媒に2日間露出し、採取し、図7および実験操作
に記載したように染色した。示されているデータは、1
2本の別々のチューブ(R4ネガティブ細胞または全細
胞)、6本のチューブ(抗−p53as)または3本ず
つのチューブ(PAb421およびPAb246)にお
ける2×106 個の染色した細胞に基づいて、各抗体に
関してポジティブな細胞の百分率の平均および標準偏差
である。結果は、同じ細胞調製物の2個の別々の実験お
よび2個の染色の代表である。G0/G1対G2/Mお
よび>G2/Mにおける細胞の百分率はある一つの型の
細胞の範囲内においては実験間で一致した。
検出されたアクチノマイシンDに対する291.05RAT がん
細胞の応答を示す。(番号を付けた)2個の実験が示さ
れている。細胞をカバースリップ上に載せ、指示されて
いる濃度(nM)のアクチノマイシンDまたは溶媒
(0.2%アセトン)に48時間露出し、次いでp53
抗体で染色した。全細胞に対する百分率としてのポジテ
ィブ細胞の見積もりをスリップ当たりの全細胞の観察に
基づいて行った(10の対照、p53asについての実
験当たり8から10の処理したスリップ;4の対照、P
Ab421についての実験当たり2から4の処理化;2
の対照およびPAb246についての実験当たり2の処
理化;免疫前およびIgG対照)。ポジティブ細胞の百
分率の範囲を2個の独立した実験に関して示す。表2
は、p53抗体反応性によるマウス上皮細胞の細胞周期
分布を示す。細胞を0.5nMのアクチノマイシンDま
たは溶媒に2日間露出し、採取し、図7および実験操作
に記載したように染色した。示されているデータは、1
2本の別々のチューブ(R4ネガティブ細胞または全細
胞)、6本のチューブ(抗−p53as)または3本ず
つのチューブ(PAb421およびPAb246)にお
ける2×106 個の染色した細胞に基づいて、各抗体に
関してポジティブな細胞の百分率の平均および標準偏差
である。結果は、同じ細胞調製物の2個の別々の実験お
よび2個の染色の代表である。G0/G1対G2/Mお
よび>G2/Mにおける細胞の百分率はある一つの型の
細胞の範囲内においては実験間で一致した。
【表1】 表1.間接免疫蛍光によって検出しうる291.05RAT 上皮腫瘍細胞のアクチノマイ シンDに対する応答 p53ポジティブ細胞(%) 処理 PAb421 PAb246 αp53as 1.アセトン 5−7 2−3 1−6 アクチノD 0.5nM 72−75 57−60 40−60 2.アセトン 6−8 3−5 1−5 アクチノD 0.25nM 25−50 40 3−5 アクチノD 0.5nM 70−80 70−80 15−20
【表2】 表2.p53抗体反応性によるマウス上皮細胞の流動細胞計測法による細胞周期 分布細胞 処理 段階 (-)細胞 αp53as PAb421 PAb246 291LC アセトン >G2/M 0.6±0.2 33±6 4±0.6 0.3±0.2 G2/M 18±1 43±7 30±3 34±2 S 11±1 9±2 14±3 11±1 G0/G1 70±1 15±2 52±1 48±1 %全細胞 100±0.2 0.5±0.2 8±2 3±0.2 291LC アクチノD >G2/M 0.3±0.2 3±2 0.5±0.1 0.3±0.2 G2/M 9±2 30±2 10±1 11±1 S 8±0.9 10±1 8±0.4 9±0.5 G0/G1 83±2 56±4 82±1 80±1 %全細胞 100±0.6 2±0.8 36±3 12±1 05RAT アセトン >G2/M 1±0.4 23±6 8±1 6±0.5 G2/M 19±2 30±5 32±4 29±1 S 22±2 25±5 24±7 19±3 G0/G1 58±3 23±3 36±5 46±2 %全細胞 97±4 1±0.4 2±0.6 10±2 05RAT アクチノD >G2/M 1±0.4 3±3 1±1 0.8±0.1 G2/M 15±3 40±5 27±5 26±1 S 20±2 28±6 24±5 25±1 G0/G1 64±4 28±4 48±1 48±1 %全細胞 93±9 1±0.4 10±0.1 23±1
【図1】p53タンパク質によるDNA結合の活性化に
ついての提唱された機構の図解
ついての提唱された機構の図解
【図2】p53asタンパク質の活性のための提唱され
た機構の図解
た機構の図解
【図3】選択的スプライシングによって導入された変化
を示すp53タンパク質のドメイン地図
を示すp53タンパク質のドメイン地図
【図4】ELISAによって検出された抗−p53as
血清およびアフィニティー精製抗体のp53asペプチ
ドとの反応性のグラフ
血清およびアフィニティー精製抗体のp53asペプチ
ドとの反応性のグラフ
【図5】53kdタンパク質の抗p53as免疫沈降
【図6】p53as抗原活性の核局在を示す免疫蛍光フ
ィールド
ィールド
【図7】増殖している(LC)または分化している(H
C)未形質転換親291細胞からの、および291.03RAT
(03RAT)がん細胞または変異型p53(バリン−
135)をトランスフェクトしたその誘導クローン11
9からのp53の競合免疫沈降
C)未形質転換親291細胞からの、および291.03RAT
(03RAT)がん細胞または変異型p53(バリン−
135)をトランスフェクトしたその誘導クローン11
9からのp53の競合免疫沈降
【図8】アクチノマイシンDによる処理後の291.05RAT
がん細胞中のp53RNAのノーザンブロット
がん細胞中のp53RNAのノーザンブロット
【図9】291.05RAT がん細胞中におけるp53(PAb
421)およびp53as抗原活性の発現
421)およびp53as抗原活性の発現
【図10】291.05RAT がん細胞中におけるp53(PA
b421)およびp53as抗原活性の発現
b421)およびp53as抗原活性の発現
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年9月5日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】p53タンパク質によるDNA結合の活性化に
ついての提唱された機構の図解
ついての提唱された機構の図解
【図2】p53asタンパク質の活性のための提唱され
た機構の図解
た機構の図解
【図3】選択的スプライシングによって導入された変化
を示すp53タンパク質のドメイン地図
を示すp53タンパク質のドメイン地図
【図4】ELISAによって検出された抗−p53as
血清およびアフィニティー精製抗体のp53asペプチ
ドとの反応性のグラフ
血清およびアフィニティー精製抗体のp53asペプチ
ドとの反応性のグラフ
【図5】電気泳動による53kdタンパク質の抗p53
as免疫沈降の写真である
as免疫沈降の写真である
【図6】p53as抗原活性の核局在を示す免疫蛍光フ
ィールドの顕微鏡写真
ィールドの顕微鏡写真
【図7】増殖している(LC)または分化している(H
C)未形質転換親291細胞からの、および291.0
3RAT(03RAT)がん細胞または変異型p53
(バリン−135)をトランスフェクトしたその誘導ク
ローン119からの電気泳動によるp53の競合免疫沈
降の写真である
C)未形質転換親291細胞からの、および291.0
3RAT(03RAT)がん細胞または変異型p53
(バリン−135)をトランスフェクトしたその誘導ク
ローン119からの電気泳動によるp53の競合免疫沈
降の写真である
【図8】アクチノマイシンDによる処理後の291.0
5RATがん細胞中の電気泳動によるp53RNAのノ
ーザンブロットの写真である
5RATがん細胞中の電気泳動によるp53RNAのノ
ーザンブロットの写真である
【図9】291.05RATがん細胞中におけるp53
(PAb421)およびp53as抗原活性の発現
(PAb421)およびp53as抗原活性の発現
【図10】291.05RATがん細胞中におけるp5
3(PAb421)およびp53as抗原活性の発現
3(PAb421)およびp53as抗原活性の発現
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12N 15/09 15/02 ZNA C12P 21/02 C 9282−4B 21/08 9358−4B G01N 33/574 D 33/577 B // A61K 38/00 ADU 39/395 D N G01N 33/53 D (C12P 21/08 C12R 1:91) 9281−4B C12N 15/00 ZNA C A61K 37/02 ADU
Claims (19)
- 【請求項1】 哺乳類の正常細胞に存在し、少なくとも
タンパク質のカルボキシ末端の最後の50アミノ酸まで
は同じ哺乳類の既知の正常な成長調節タンパク質p53
と本質的に同一であるp53asと命名されるタンパク
質に対して特異的な抗体。 - 【請求項2】 p53asタンパク質がSPNCの末端
配列を有している請求項1に記載の抗体。 - 【請求項3】 p53asタンパク質がSPPCを含む
末端配列を有している請求項1に記載の抗体。 - 【請求項4】 抗体がポリクローナル抗体である請求項
1に記載の抗体。 - 【請求項5】 抗体がポリクローナル抗体である請求項
2に記載の抗体。 - 【請求項6】 抗体がポリクローナル抗体である請求項
3に記載の抗体。 - 【請求項7】 抗体がモノクローナル抗体である請求項
1に記載の抗体。 - 【請求項8】 抗体がモノクローナル抗体である請求項
2に記載の抗体。 - 【請求項9】 抗体がモノクローナル抗体である請求項
3に記載の抗体。 - 【請求項10】 哺乳類の正常細胞に存在し、少なくと
もタンパク質のカルボキシ末端の最後の50アミノ酸ま
では同じ哺乳類の既知の正常な成長調節タンパク質p5
3と本質的に同一であるp53asと命名される精製タ
ンパク質。 - 【請求項11】 哺乳類のp53asタンパク質中に存
在し、p53asタンパク質とp53タンパク質を区別
する特定のカルボキシル末端領域と同一であるp53a
sペプチドと命名される精製ペプチド。 - 【請求項12】 動物のp53asのcDNA配列を含
むプラスミド。 - 【請求項13】 p53as配列の一部がその動物から
の野性型p53遺伝子の一部と同一である請求項12に
記載のプラスミド。 - 【請求項14】 p53asがマウスのp53asであ
る請求項12に記載のプラスミド。 - 【請求項15】 p53asの動物cDNA配列を含む
ウイルスベクター。 - 【請求項16】 ベクターがバキュロウイルスベクター
である請求項15に記載のウイルスベクター。 - 【請求項17】 p53as配列の一部が動物からの野
性型p53遺伝子の一部と同一である請求項16に記載
のウイルスベクター。 - 【請求項18】 p53asがマウスのp53asであ
る請求項15に記載のウイルスベクター。 - 【請求項19】 p53asがマウスのp53asであ
る請求項16に記載のウイルスベクター。
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US19595294A | 1994-02-11 | 1994-02-11 | |
US08/195952 | 1994-02-11 | ||
US08/100496 | 1994-02-11 |
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-
1994
- 1994-08-01 EP EP94610042A patent/EP0652232B1/en not_active Expired - Lifetime
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- 1994-08-01 CA CA002128833A patent/CA2128833C/en not_active Expired - Fee Related
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