JPH0899970A - 1−カルバペネム類および1−カルバセフェム類の中間体の合成方法 - Google Patents

1−カルバペネム類および1−カルバセフェム類の中間体の合成方法

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JPH0899970A
JPH0899970A JP7173264A JP17326495A JPH0899970A JP H0899970 A JPH0899970 A JP H0899970A JP 7173264 A JP7173264 A JP 7173264A JP 17326495 A JP17326495 A JP 17326495A JP H0899970 A JPH0899970 A JP H0899970A
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alkyl
mmol
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JP7173264A
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Chi-Nung W Hsiao
チー−ヌン・ウイリス・シアオ
Marvin J Miller
マービン・ジョセフ・ミラー
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University of Notre Dame
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 1−カルバペネム類及び1−カルバセフェム
類の中間体を提供する。 【解決手段】 式(V): 【化1】 [式中、R’はC1−C4アルキル、またはカルボキシ保
護基、R”はC1−C4アルコキシカルボニル、ベンジ
ル、または置換ベンジル、Zは保護された水酸基、mは
0、1、または2、pは0または1、そして、nは1ま
たは2を表す]で示される化合物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は1−カルバペネムおよび1−カル
バセフェム抗生物質の調製に有用な、キラル中間体の調
製に用いる立体選択合成法に関するものである。1−カ
ルバペネム類および1−カルバセフェム類のような、非
古典的β−ラクタム抗生物質は広範囲な研究の対象であ
る。これらの構造物は、天然起源(例えば、微生物の代
謝物など)から得られないので、それらを所望の立体化
学的形状で調製するための不斉合成に、かなりの努力が
払われている。
【0002】N−アシル−(4R)−置換−1,3−チア
ゾリジン−2−チオンキラル補助基をジ−(C1−C4
アルキル)ボリルトリフルオロメタンスルホネートと反
応させ、生成したボロンエノレートを保護−β−ケトエ
ステルアルデヒドと、鏡像選択的(enantioselectively)
に反応させて、式:
【化6】 [式中、R"はC1−C4アルコキシカルボニル、ベンジ
ル、または置換ベンジル、R'はC1−C4アルキル、ま
たはカルボキシ保護基、Zは保護された水酸基、pは0
または1、mは0、1、または2、およびnは1または2
である]で示されるアルドール縮合生成物を得る。この
キラル補助基は、室温にて容易に式:RONH2で示され
るO−アリル、O−アシル、またはO−アルアルキルヒ
ドロキシアミンで置換され、部分式:
【化7】 を有する対応するβ−ヒドロキシヒドロキサメートを得
る。
【0003】このようにして得られたキラル中間体を、
トリフェニルホスフィン−ジイソプロピルアゾジカルボ
キシレートまたはジエチルアゾジカルボキシレートと環
化し、3,4−ジ置換アゼチジノン類を得る。別法とし
て、そのヒドロキサメートのβ−水酸基を対応するメシ
レートに変換し、これをユング(Jung.M.)およびミ
ラー(Miller、M.J.)の方法[テトラヘドロン・レタ
ーズ(TetrahedronLetters)、1985、977]によ
り環化してアゼチジノンを得る。次に、このアゼチジノ
ン類を既知の方法および手順により変換して、所望の立
体化学(配置)を有する1−カルバペネム類の抗生物質、
および1−カルバセファロスポリン抗生物質を得ること
ができる。
【0004】本発明に係る立体選択合成は、保護された
β−ケトエステルアルデヒドとの、ボロンエノレート介
在性アルドール型縮合において、キラル補助基として、
N−アシル−1,3−チアゾリジン−2−チオンを用い
ることを特徴とする。特に、本発明の合成法は、所望の
立体化学配置を有する1−カルバペネムおよび1−カル
バセファロスポリン抗生物質の調製に有用なキラル中間
体を提供するものである。このキラル中間体は、式
(I):
【化8】 [式中、RはC1−C4アルキル、C1−C4アルカノイ
ル、ベンジル、または置換ベンジル、R'はC1−C4
ルキル、またはカルボキシ保護基、Zは保護された水酸
基、nは1または2、mは0、1、または2、およびpは
0または1を表わす]で示される。
【0005】本発明方法に従って、式(II)
【化9】 [式中、R"はC1−C4アルコキシカルボニル、ベンジ
ル、または置換ベンジル、およびm、p、およびZは前記
の定義と同じである]で示されるN−アシル−1,3−チ
アゾリジン−2−チオンを、不活性溶媒中、約−20℃
〜約15℃の間の温度にて、ジ−(C1−C4アルキル)ボ
リルトリフルオロメタンスルホネートと混合し、式(I
II):
【化10】 で示されるボロンエノレートを得る。この式(III)で
示されるボロンエノレート誘導体を、約−90℃〜約−
40℃の温度にて、式(IV):
【化11】 [式中、nおよびR'は式(I)の定義と同意義である)で示
される保護β−ケトエステルアルデヒドと反応させて、
式(V):
【化12】 [式中、R',R"、Z、n、mおよびpは前記の定義と同意
義である]で示される縮合生成物を得る。
【0006】次に、式(V)で示される縮合生成物を、不
活性溶媒中でO−アルキル、O−アシル、またはO−ア
ルアルキルヒドロキサメート(R−O−NH2)と反応さ
せることによりチアゾリジン−2−チオンキラル補助基
と置換し、式(I)で示されるキラル中間体を得る。
【0007】式(II)で示されるN−アシル−1,3−
チアゾリジン−2−チオンは既知の方法で、1,3−チ
アゾリジン−2−チオンのN−アシル化、例えば式:
【化13】 (式中、Xは塩素または臭素である)で示されるアシルハ
ロゲン化物を用いたN−アシル化を経て得られる。例え
ば、(4R)−メトキシカルボニル−1,3−チアゾリジ
ン−2−チオンを塩化メチレン中、塩化ブチリル(m=
1、p=0)を用いて、冷却下(約−40℃)、ピリジンな
どのハロゲン化水素受容体の存在下において、N−アシ
ル化し、N−ブチリル−(4R)−メトキシカルボニル−
1,3−チアゾリジン−2−チオンを得る。
【0008】(4R)−1,3−チアゾリジン−2−チオ
ンキラル補助基は、ナガオら[Nagao、Y.、et al.
ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサエティ
(J.Am.Chem.Soc.)1982、104、207
9]の方法を用いて、または、ソアイ(Soai、K.)、イ
シザキ(Ishizaki、M.)[ヘテロサイクルズ(Heterocy
cles)、1984、22、2827]の方法を用いて得
る。
【0009】N−アシルチアゾリン−2−チオン(式(I
I))の定義中で用いられる語句は以下に示す意味を持
つ。C1−C4アルコキシカルボニルは、メトキシカルボ
ニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニ
ル、イソ−プロポキシカルボニル、n−ブトキシカルボ
ニル、t−ブトキシカルボニル、およびsec−ブトキシカ
ルボニルを指す。置換ベンジルはフェニル環上にC1
4アルキル、C1−C4アルコキシ、3,4−メチレンジ
オキシ、ハロゲンおよびニトロ基の中から選ばれる、1
または2個の同一または異なる置換基を有するベンジル
基を指す。このような置換ベンジル基の例としては、4
−メチルベンジル、3,4−ジメチルベンジル、4−t−
ブチルベンジル、4−メトキシベンジル、4−クロロベ
ンジル、4−ブロモベンジル、3−クロロ−4−メチル
ベンジル、4−ニトロベンジル基などを挙げることがで
きる。保護された水酸基(Z)は、合成条件下において完
全さを維持し得る。通常の水酸基−保護基を指す。この
ような保護基の例としては、テトラヒドロピラニル、ベ
ンジル、置換ベンジル(例えば、p−メトキシベンジルお
よび4−メチルベンジル)、トリチル、アリル、および
トリアルキルシリル基(例えば、トリメチルシリルおよ
びt−ブチルジメチルシリル)があり、メチルビニルエー
テルと水酸基とで生成されたケタール、テトラヒドロ−
4H−ピラン−4−オンその他類似の保護基を用いて生
成されたケタールが含まれる。
【0010】カルボキシ−保護基(R')という語句は、
置換アルキル基(例えば、ハロアルキル基、2,2,2−
トリクロロエチル、2,2,2−トリブロモエチル、2−
ヨードエチルなど)、アリル、t−ブチル、ベンジルおよ
び置換ベンジル基(例えば、4−ニトロベンジル、4−
メトキシベンジル、2,4−ジメチルベンジル、4−ク
ロロベンジルなど)、ジフェニルメチルおよび置換ジフ
ェニルメチル基(例えば、4−メトキシジフェニルメチ
ルおよび4,4'−ジメトキシジフェニルメチル)、フェ
ナシル、クロロフェナシルなどのエステル基などの通常
のカルボキシ−保護エステル基を指す。
【0011】本発明方法に使用しうるN−アシル−1,
3−チアゾリジン−2−チオン類の例としては、N−プ
ロピオニル−(4R)−メトキシカルボニル−1,3−チ
アゾリジン−2−チオン、N−ブチリル−(4R)−ベン
ジル−1,3−チアゾリジン−2−チオン、N−バレリ
ル−(4R)−t−ブトキシカルボニル−1,3−チアゾリ
ジン−2−チオン、N−(β−ベンジルオキシブチリル)
−(4R)−4−メチルベンジル−1,3−チアゾリジン
−2−チオン、N−(δ−ベンジルオキシ−n−バレリ
ル)−(4R)−エトキシカルボニル−1,3−チアゾリジ
ン−2−チオンなどのN−アシル−チアゾリジン類があ
る。
【0012】本発明方法においては、まず、N−アシル
チアゾリジン(式(II))を、ジ−(C1−C4アルキル)ボ
リルトリフルオロメタンスルホネートを用いて、ボロン
エノレートに変換する。このエノレートは、冷却下、第
三級アミンの存在下で、好ましくは立体障害の大きい第
三級アミンの存在下で、容易に生成する。使用可能な溶
媒は、塩化メチレン、モノ−、ジ−、またはトリクロロ
エタンの如きハロゲン化炭化水素、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン、またはジエチルエーテルなどである。
このエノレートの生成は、約−20℃〜約15℃の温度
範囲で、好ましくは約0℃で行い得る。
【0013】使用しうるアミン類は、トリ−n−ブチル
アミン、ジ(n−ブチル)エチルアミン、ジイソプロピル
エチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、ベンジル−
ジ−(n−ブチル)アミン、t−ブチル−ジエチルアミンな
どの第三級アミン類である。
【0014】このエノレート生成のために用いるボリル
トリフレートとしては、ジ−(n−ブチル)ボリルトリフ
ルオロメタンスルホネートが好ましい。
【0015】このボロンエノレート誘導体は溶液中で生
成され、その生成は、溶液が黄色くなることにより証明
される。このエノレートの溶液を、約−90℃〜約−4
0℃、好ましくは約−80℃〜約−60℃の温度に冷却
し、保護−β−ケトエステルアルデヒド(式(IV))を加
える。本合成において最良の結果を得るためには、この
アルデヒドを、少なくとも化学量論量、または好ましく
はそれよりも少し過剰に加える。この反応混合物を、冷
却下、撹拌または振とうして、約30分間混合した後、
室温にまで昇温させる。
【0016】この縮合は迅速に進行し、通常、冷却下
で、1時間以内に完了する。所望により、この反応混合
物を薄層クロマトグラフィーにかけ、反応の完了を検定
してもよい。
【0017】得られた縮合生成物(式(V))を分離し、所
望により、生成物をシリカゲルクロマトグラフィーによ
り精製した後、本発明方法の次のステップに使用しても
よい。別法として、反応混合物のpHを、緩衝液(例え
ば、pH7リン酸緩衝液)を用いて中性付近に調節し、生
成物を含む有機層を分離し、必要に応じて濾過し、ヒド
ロキサメート(R−O−NH2)をその溶液に加えて、式
(I)の化合物を生成してもよい。ヒドロキサメート(例
えば、O−ベンジルヒドロキシアミン)を、化学量論量
よりも過剰量加えるのが好ましく、一般には、3−5モ
ル過剰に加える。この反応は、撹拌下、室温または室温
付近にて好都合な反応速度で進行する。
【0018】式(I)で示される化合物の生成に用いられ
るヒドロキサメート(R−ONH2)は、既知の方法で調
製する。RがC1−C4アルキルであるヒドロキサメート
類の例としては、メトキシアミン、エトキシアミン、イ
ソプロポキシアミンおよびt−ブトキシアミン、Rがベ
ンジルまたは置換ベンジルである場合の例としては、ベ
ンジルオキシアミン、4−メチルベンジルオキシアミ
ン、4−メトキシベンジルオキシアミンおよび4−クロ
ロベンジルオキシアミン、さらに、RがC1−Cアル
カノイルである場合の例としては、アセトキシアミン、
プロピオンオキシアミン、ピバロイルオキシアミンおよ
びブチリルオキシアミンがある。
【0019】好ましいヒドロキサメート類は、RONH
(式中、Rはベンジルまたはアセトキシである)で示
されるものである。
【0020】本発明方法による式(I)の合成は、高収量
で回収され、本発明の合成法において再利用しうる1,
3−チアゾリジン−2−チオンキラル補助基を用い、こ
れが容易に置換されることに基づくものである。
【0021】式(V)で示される中間体は、ヒドロキサメ
ート(RONH2)を用いて式(I)に変換する前に、単離
してクロマトグラフィーにより精製してもよい。一般
に、シリカゲルクロマトグラフィーにより、好首尾に精
製を行うことができる。
【0022】本発明方法の実施例においては、(4R)−
メトキシカルボキシル−1,3−チアゾリジン−2−チ
オンを塩化ブチリルを用いてアシル化し、得られたN−
ブチリル生成物を、ジ−(n−ブチル)ボリルトリフルオ
ロメタンスルホネートを用いて、ボロンエノレートに変
換した。このエノレートを−78℃にて、ジイソプロピ
ルエチルアミンの存在下で、メチル3,3−(エチレンジ
オキシ)−4−ホルミルブチレートと縮合して、R"がメ
トキシカルボニル、mおよびnが1、pが0、およびR'が
メチルである式(V)で示される化合物を得る。
【0023】次に、この縮合生成物をO−ベンジルヒド
ロキシルアミンと反応させ、式:
【化14】 で示される式(I)の化合物を得る。
【0024】式(IV)で示される保護−β−ケトエステ
ルアルデヒド類は既知の方法で調製される。これらのア
ルデヒド類の例としては、メチル3,3−(エチレンジオ
キシ)−4−ホルミルブチレート、ベンジル3,3−(エ
チレンジオキシ)−4−ホルミルブチレート、エチル3,
3−(エチレンジオキシ)−5−ホルミルバレラートおよ
び4−メトキシベンジル3,3−(エチレンジオキシ)−
4−ホルミルバレラートがある。
【0025】nが1である式(IV)で示されるアルデヒ
ド類は以下に示すようにして得られる:ジメチル1,3−
アセトンジカルボキシレートを、エチレングリコールお
よびトルエンスルホン酸を用いて環状ケタールに変換す
る。このケタールジエステルをけん化してケタールジア
シドを得、次いで、これを脱水試薬を用いて環化し、
式:
【化15】 で示される環状の無水グルタル酸を得る。ジシクロヘキ
シルカルボジイミド、または他の適切なジイミド類は、
この環状の無水物を生成するのに有用である。この無水
物を、R'OH(式中、R'は前記の定義と同意義である)
で示されるアルコールと反応させて、式:
【化16】 で示される半エステルを得る。この半エステルのカルボ
キシ基を、例えば塩化オキサリルを用いて、酸ハロゲン
化物に変換し、この酸塩化物をアセトン中のビス(トリ
フェニルホスフィン)銅(I)テトラヒドロボレートを用
いて還元し、式(IV)で示されるアルデヒド(n=1)を
得る。
【0026】式(IV)で示されるアルデヒド(n=2)
は、3−オキソアジピン酸を用い、実質上、同じ反応式
に従って得られる。別法として、3,3−(エチレンジオ
キシ)アジピン酸を、アルコール(R'OH)1当量を用い
てエステル化し、HPLCにより、所望のモノエステル
を、ジエステルおよびすべての望ましくないモノエステ
ルから分離する。得られた半エステルは上記の如く、酸
塩化物を経て、式(IV)で示されるアルデヒドに変換さ
れる。
【0027】式(I)で示される本発明方法によるキラル
生成物は、1−カルバペネム類および1−カルバセファ
ロスポリン類の中間体として有用である。例えば、PS
−5として知られており、式:
【化17】 で示される1−カルバセフェムは、mおよびnが1、pが
0である式(I)で示される化合物を用いて調製しうる。
式:
【化18】 で示される1−カルバセファロスポリンも同様に式(I)
の化合物を用いて調製しうる。
【0028】式(I)で示される化合物を、1−カルバペ
ネムまたは1−カルバセファロスポリンに変換する場合
には、式(I)の化合物を最初に、式:
【化19】 で示される置換β−ラクタムに変換する。このβ−ラク
タム環の生成は、式(I)で示されるβ−ヒドロキシヒド
ロキサメートを、THFのような不活性溶媒中で、室温
付近にて、トリフェニルホスフィン約1当量、およびジ
イソプロピルアゾジカルボキシレートのようなジアルキ
ルアゾジカルボキシレートと反応させて行なう。この環
化は、ミラーら(Miller、M.J.、et al.、J.A
m.Chem.Soc.、1980、102、7026)の方
法を用いて行なう。
【0029】別法では、式(I)で示されるβ−ヒドロキ
シヒドロキサメートを、室温で、ピリジンの存在下に、
塩化メタンスルホニルを用い、メシレートエステルに変
換してもよい。次に、そのβ−メシレートを室温におい
て、放置するか、または撹拌下、メチルアルコール中の
炭酸カリウムで処理して環化させ、アゼチジノンを得
る。
【0030】このアゼチジノンの環の窒素に結合したO
−アルキル、O−アシル、O−ベンジル、またはO−置
換ベンジル基を、既知の方法で除去し、式:
【化20】 で示される対応するN−ヒドロキシアゼチジノンを得
る。
【0031】例えば、N−ベンジルオキシアゼチジノン
をパラジウム/炭素触媒上で、水素化分解して、そのベ
ンジル基を除去し、対応するN−ヒドロキシアゼチジノ
ンを得る。N−アセトキシ基は、加水分解により除去す
る。得られたN−ヒドロキシ化合物を、三塩化チタンを
用いて、マッティングリィ(Mattingly、P.G.)およ
びミラー(Miller、M.G.)ジャーナル・オブ・オー
ガニック・ケミストリィ(J.Org.Chem.)、45、
410(1980)の方法により還元して、対応するNH
アゼチジノンを得る。
【0032】アゼチジノンの4位の置換基中のケタール
基を過塩素酸を用いる処理法例えば、カメタニ(Kameta
ni、J.Org.Chem.、1983、47、2328)の
方法を用いて除去し、式(A):
【化21】 で示されるβ−ケトエステル化合物を得る。式(A)の化
合物およびP−トルエンスルホニルアジドを用いて、ジ
アゾ置換を行ない、対応するα−ジアゾ−β−ケトエス
テルを得、これを、クロロホルム中の酢酸ロジウム(I
I)を用いて環化し、式(B):
【化22】 [式中、nは1または2である]で示される二環式ケト化
合物を得る。この式(B)で示される化合物のケト基を、
ザルツマンら(Salzmann、T.N.、et al.)ジャー
ナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサエティ(J.
Am.Chem.Soc.)、1980、102、6163−
6165およびテトラヘドロン・レターズ(Tetrahedro
n Letters)、第21巻、pp.1193−1196、
(1980)の方法を用いて、式(C):
【化23】 で示される2−アミノエチルチオ誘導体に変換する。
【0033】保護された水酸基Z(p=1の場合)の保護
基は、二環式環系を生成した後に、または、最終生成物
を生成した後に、除去しうる。同じく存在しているカル
ボキシ保護基R'の種類に応じて、両方の保護基を、同
じ、または異なる条件下で除去してもよい。例えば、Z
がトリチル基であり、R'がp−メトキシベンジル基であ
る場合、両方の基を、酸性条件下で除去しうる。エステ
ル基は、トリフルオロ酢酸およびアニソールを用いて除
去し、トリチル基はギ酸−塩酸を用いて除去する。
【0034】従って、式(A)中、nおよびmが1であり、
pが1である場合には、抗生物質PS−5を得、nが1、
mが0、およびpが1である場合には、チエナマイシンを
得、そして、nが2、mが0、およびpが1の場合には、
(−)ホモチエナマイシンを得る。
【0035】このように、本発明は、抗生物質化合物の
調製に有用なキラル中間体を合成するための、すぐれた
立体選択合成法を提供するものである。
【0036】本発明に係る合成法は、キラル補助基とし
て、(4R)−アルコキシカルボニル−1,3−チアゾリ
ジン−2−チオンをボロンエノレート介在性アルドール
縮合と組み合わせて用いることを特徴とする。このキラ
ル補助基は、立体選択的な縮合の後に、穏やかな条件下
で、容易に置換される。また、先のボロンエノレート介
在性アルドール縮合において特徴的な過酸化水素などに
よる酸化的後処理は、本発明においては、行う必要がな
いことがわかる。それゆえ、本発明に係る合成法は、容
易に置換し得るキラル補助基として、1,3−チアゾリ
ジン−2−チオンを、ボロンエノレート介在性アルドー
ル縮合と組み合わせて用いることにより、抗生物質を得
るためのキラル中間体の合成において、優れた立体選択
性を示すという利点を有する。
【0037】以下に製造例および実施例を挙げ、本発明
をさらに詳しく説明する。製造例1 メチル3,3−(エチレンジオキシ)−4−ホ
ルミルブチレート A.ジメチル3,3−(エチレンジオキシ)グルタレート テトラヒドロフラン(400ml)中の、ジメチル1,3−
アセトンジカルボキシレート(100g、0.574モ
ル、1当量)、エチレングリコール(320ml、10当
量)、トルエンスルホン酸1水和物(20g、0.105モ
ル)、メチルオルトホルメート(320ml、5当量)の溶
液を40時間加熱還流した。この無色の反応混合物を室
温まで冷却し、重炭酸ナトリウム(55g、0.6547
モル)を加え、次に水(100ml)を加えた。この混合物
をよく振とうし、減圧下で蒸留し、テトラヒドロフラ
ン、過剰のメチルオルトホルメート、水、および大部分
のエチレングリコールを除去した。この蒸留は、油浴中
約115℃にて、減圧下(2トル)で行なった。分留管の
頂端における温度の読みが80℃を越えないようにし
た。
【0038】蒸留後、得られた残留物を冷却し、塩化メ
チレンで希釈し、重炭酸ナトリウム飽和水溶液(100m
l)で処理した。この混合物を、酢酸エチルを用いて、3
回、抽出し、有機層を合わせて硫酸マグネシウムで乾燥
し、減圧濃縮した。黄色い油状の残渣を減圧下(0.1ト
ル)、分別蒸留し、生成物であるジメチル3,3−(エチ
レンジオキシ)グルタレート(87g、収率69.5%)
を、120℃−140℃の温度範囲にて、無色油状物質
として集めた。
【0039】NMR(δ、CHCl3):2.95(s,4H),
3.70(s,6H)および4.05(s,4H)。 IR(cm-1,薄膜):1730,1430,1180,108
0および1020。 Rf(SiO2,ヘキサン/酢酸エチル;1:1):0.44。
【0040】B.ジメチル3,3−(エチレンジオキシ)
グルタレートのけん化 前記のごとくに得たジメチルエステル(20g、91.6
8ミリモル、1.0当量)のメタノール(250ml)中溶液
に、室温にて、1N水酸化ナトリウム溶液(140ml、
3.0当量よりも少し過剰量)を加えた。この反応混合物
を、室温で一晩撹拌し、メチルアルコールを減圧蒸留し
て得られた残留物を酢酸エチル(250ml)に懸濁した。
この懸濁液に1N塩酸(約295ml)を除々に加えて、酸
性にし、この酸性混合物を、酢酸エチル(500ml×4)
を用いて抽出した。その抽出液を、硫酸マグネシウムで
乾燥、濾過し、減圧蒸留して、3,3−(エチレンジオキ
シ)グルタル酸(13.016g、収率75%)を淡黄色の
油として得た。
【0041】NMR(δ,CHCl3):3.00(s,4H),
4.05(s,4H),および11.15(s,ブロード,2H)。 IR(cm-1薄膜):2500−3500(ブロード),171
0,1050および740。
【0042】C.3,3−(エチレンジオキシ)グルタル
酸無水物 窒素雰囲気下0℃に維持したテトラヒドロフラン(30
0ml)中の3,3−(エチレンジオキシ)グルタル酸(12.
26g、64.50ミリモル)の溶液に、テトラヒドロフ
ラン(100ml)中のジシクロヘキシルカルボジイミド
(13.60g、65.91ミリモル)を滴加した。得られ
た懸濁液を室温、窒素雰囲気下にて、一晩撹拌した後、
溶媒を減圧下で蒸留した。残留物をベンゼン中に懸濁し
てよく振とうし、シリカゲルを充填したカラム(10cm
長、SiO2、60−200メッシュ、ベンゼン)に通し
て濾過した。その濾液を減圧蒸留し、その無水物(8.2
68g、収率75%)を、融点が約111℃〜約112℃
の白色結晶性固形物として得た。
【0043】NMR(δ,CHCl3):3.00(s,4H)お
よび4.05(s,4H)。
【0044】D.3,3−(エチレンジオキシ)グルタル
酸モノメチルエステル 上記Cに記載の如くにして調製した無水グルタル酸(1
0g、58.14ミリモル)のメチルアルコール(150m
l)中の溶液を3時間、加熱還流した。薄層クロマトグラ
フィー(SiO2、ヘキサン/酢酸エチル、1:1)にかけ
ると、無水物が全て、消失していることが示された。そ
の混合物からメチルアルコールを、最初、ロータリーエ
バポレーター中で蒸発させた後、高真空下で蒸発させ
た。モノメチルエステルをほとんど無色の油状液体とし
て得た(12.051g、収率100%、NMRによる純
度95%以上)。
【0045】NMR(δ,CHCl3):2.95(s,2H),
3.00(s,2H),3.70(s,3H),4.05(s,4H)お
よび10.50(s,ブロード,1H)。 IR(cm-1薄膜):2500−3500(ブロード),172
0(ブロード),1200および1020。
【0046】E.4−カルボメトキシ−3,3−(エチレ
ンジオキシ)ブチリルクロライド 窒素雰囲気下、室温に維持した無水ベンゼン(50ml)中
の3,3−(エチレン−ジオキシ)グルタル酸のモノメチ
ルエステル(4.038g、19.794ミリモル、1.0
当量)の溶液に、塩化オキサリル(5.5ml、3.0当量よ
りも少し過剰量)を加えた。この反応混合物を、室温に
て一晩撹拌し、得られた反応混合物を減圧下で蒸留し
て、ベンゼンおよび過剰の塩化オキサリルを除去した。
酸塩化物を、淡黄色の油として、NMRによる純度98
%以上で得た。
【0047】NMR(δ,CHCl3):2.85(s,2H),
3.60(s,2H),3.75(s,3H)および4.05(s,4
H)
【0048】F.メチル3,3−(エチレンジオキシ)−
4−ホルミルブチラート 上記のステップEに記載の如くにして調製した酸塩化物
を、アセトン(10ml)に溶解し、その溶液をアセトン
(60ml)中のビス(トリフェニルホスフィン)銅(I)テト
ラヒドロボレート(13g、21.56ミリモル)およびト
リフェニルホスフィン(10.5g、40.03ミリモル)
の懸濁液に加えた。この反応混合物を、室温にて1.5
時間撹拌し、濾過した。この濾液を減圧下で濃縮し、残
渣をヘキサン/酢酸エチル(4:1)の混合物中に懸濁
し、得られた懸濁液を濾過した。この混合溶媒を蒸発さ
せた後、残留物を前と同様に、ヘキサン/酢酸エチル中
に再懸濁し、再び濾過した。その濾液を減圧下で蒸留し
て、淡黄色の油を得、これを、ヘキサン/酢酸エチル
(4:1)を用いるシリカゲル(60−200メッシュ)カ
ラムクロマトグラフィーにかけ、標題の化合物を分離し
た。4−ホルミルブチラートである標題化合物(2.68
4g、収率72%)を、グルタル酸半メチルエステルに基
づく無色のシロップとして得た。
【0049】NMR(δ,CHCl3):2.80(s,2H),
3.00(d,J=2.7Hz,2H),3.75(s,3H),4.1
0(s,4H)および9.95(t,J=2.7Hz,1H)。 IR(cm-1,薄膜):1710。 Rf(SiO2,ヘキサン/酢酸エチル、4:1):0.14。
【0050】製造例2 ベンジル3,3−(エチレンジオ
キシ)−4−ホルミルブチラート A.3,3−(エチレンジオキシ)グルタル酸モノベンジ
ルエステル 上記の製造例1Cに記載の如くにして調製した3,3−
(エチレンジオキシ)グルタル酸無水物(2.046g、1
1.88ミリモル)およびベンジルアルコール(1.92
g、17.75ミリモル)の、アセトニトリル(30ml)中
の溶液に、微粉末化した炭酸カリウム(5.0g、36.1
8ミリモル)を加えた。この懸濁液を室温で一晩撹拌
し、得られた混合物を減圧下で蒸留してアセトニトリル
を除去し、得られた半固形状の残留物をジエチルエーテ
ル中に懸濁し、この懸濁液を、約30秒間渦を巻かせて
かき混ぜ、上方の澄明なエーテル溶液を注意してデカン
トした。この前記のエーテル洗浄法を7回繰り返し、過
剰のベンジルアルコールを確実に除去した。次に、洗浄
した残渣を酢酸エチル中に懸濁し、水層が、pH試験紙
で酸性を示すまで、この懸濁液に1N塩酸を滴加した。
この酸性混合物を酢酸エチル(250ml×4)で抽出し、
硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、蒸留して、モノベ
ンジルエステル(3.239g、収率97%)を淡黄色のシ
ロップとして得た。
【0051】NMR(δ,CHCl3):3.00(s,4H),
4.05(s,4H),5.15(s,2H),7.40(s,5H)お
よび10.75(sブロード,1H)。 IR(cm-1,薄膜):2500−3500(ブロード),17
30,1200,1020,730および680。
【0052】B.ベンジル3,3−(エチレンジオキシ)
−4−ホルミルブチラート 上記のステップAに記載の如くに調製した3,3−(エチ
レンジオキシ)グルタル酸モノベンジルエステル(2.9
37g、10.48ミリモル)を、製造例1、EおよびF
で用いた合成法に従い、ベンゼン(30ml)中の塩化オキ
サリル(3.0ml、34.39ミリモル)を用いて、対応す
る酸塩化物に変換した。この酸塩化物を、アセトン(5
0ml)中のビス(トリフェニルホスフィン)銅(I)テトラ
ヒドロボレート(6.32g、10.48ミリモル)および
トリフェニルホスフィン(5.5g、20.97ミリモル)
を用いて還元した。ベンジル3,3−(エチレンジオキ
シ)−4−ホルミルブチラート(1.930g、収率70
%)を無色のシロップとして得た。
【0053】NMR(δ,CHCl3):2.85(s,2H),
3.00(d,J=2.7Hz,2H),4.05(s,4H),5.2
0(s,2H),7.45(s,ブロード,5H)および9.85
(t,J=2.7Hz,1H)。 IR(cm-1,薄膜):1720,1225,1025,720
および680。 Rf(SiO2,ヘキサン/酢酸エチル,9:1):0.078 (SiO2,ベンゼン/ジエチルエーテル,9:1):0.2
7。
【0054】製造例3 N−ブチリル−(4R)−メトキ
シカルボニル−1,3−チアゾリジン−2−チオン 窒素雰囲気下、−78℃に維持したメタノール(400m
l)中の(R)−システイン(4.0g、0.330モル)の懸
濁液に、塩化チオニル(28ml、0.384モル)を加え
た。システインは徐々に溶解し、澄明な溶液を生成し
た。この溶液を、室温にて一晩撹拌し、その後、減圧下
で蒸留して(R)−システインメチルエステル塩酸塩(5
7.0g、収率100%)を、無色の粘着性シロップとし
て得た。生成物は静置しておくと、凝固した。
【0055】窒素雰囲気下、室温に維持した塩化メチレ
ン(20ml)中の上記の如く調製した(R)−システインメ
チルエステル塩酸塩(2.0g、11.66ミリモル)の懸
濁液に、トリエチルアミン(2.0ml、14.35ミリモ
ル)および二硫化炭素(740mμ、12.30ミリモル)
を加えた。
【0056】この懸濁液は、直ちに黄色を呈し、徐々に
色があせて、10分後には淡黄色の溶液となった。この
反応混合物を、室温において一晩撹拌した後、蒸留し、
(4R)−メトキシカルボニル−1,3−チアゾリジン−
2−チオンを白色固形状の残留物として得た。この残留
物を酢酸エチル中に懸濁し、60−200メッシュのシ
リカゲルを充填した短いカラム(10cm)を通して濾過し
た。このカラムを酢酸エチルで溶離し、その溶出液を減
圧下で濃縮し、クロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキ
サン/酢酸エチル,4:1)にかけ、精製された生成物を
濃縮物から分離した。(4R)−メトキシカルボニル−
1,3−チアゾリジン−2−チオン(1.796g、収率8
7%)を淡黄色の油として得た。
【0057】NMR(δ,CHCl3):3.85(d,J=7.
5Hz,2H),3.90(s,3H),4.85(t,J=7.5H
z,1H)および7.8−8.3(ブロード、1H)。 IR(cm-1,薄膜):3150−3350(ブロード),17
50,1465,1220および1040。 Rf(SiO2,ヘキサン/酢酸エチル、1:1):0.5 [α]20 D=−64.497(c=2.09,CHCl3)。
【0058】窒素雰囲気下、−40℃にて、塩化メチレ
ン(100ml)中の(4R)−メトキシカルボニル−1,3
−チアゾリジン−2−チオン(5.814g、32.847
ミリモル)の溶液に、ピリジン(2.66ml、32.844
ミリモル)を加えた。この溶液を、冷却下で5分間撹拌
し、塩化メチレン(10ml)中の塩化ブチリル(3.75m
l、36.11ミリモル)の溶液を滴加した。この反応混
合物を、−40℃にて、1時間撹拌した後、30分で、
室温にまで昇温させた。一晩撹拌した後、その反応混合
物を、60−200メッシュのシリカゲルを充填したカ
ラム(10cm)にかけ、酢酸エチルで溶離することによ
り、濾過した。この濾液を減圧下で濃縮し、得られた濃
縮物を、ヘキサン/酢酸エチル(4:1)を用いる。60
−200メッシュのシリカゲルクロマトグラフィーにか
けた。標題と化合物(7.867g、収率97%)を、鮮黄
色の油として得た。
【0059】NMR(δ,CHCl3):0.95(t,J=7.
5Hz,3H),1.65(五重線,J=7.5Hz,2H),2.
90−3.75(m,4H),3.80(s,3H)および5.65
(dd,J=7.5Hz,J=7.5Hz,1H)。 IR(cm-1,薄膜):1750,1700,1210,115
0および770。 [α]20 D=−123.529(c=1.87,CHCl3)。 Rf(SiO2,ヘキサン/酢酸エチル,4:1):0.297。
【0060】実施例1 N−ブチリル−(4R)−メトキ
シカルボニル−1,3−チアゾリジン−2−チオンとメ
チル3,3−(エチレンジオキシ)−4−ホルミルブチラ
ートとの縮合 窒素雰囲気下、0℃に冷却した塩化メチレン(20ml)中
のN−ブチリル−(4R)−メトキシカルボニル−1,3
−チアゾリジン−2−チオン(480mg、1.943ミリ
モル)の溶液に、ジ−n−ブチルボリルトリフルオロメタ
ンスルホネート(塩化メチレン中の1M溶液の2.01m
l、2.01ミリモル)を加えた。この溶液を0℃にて5
分間撹拌した後、ジイソプロピルエチルアミン(350
μl、2.01ミリモル)を、マイクロシリンジを用いて
滴加(5秒毎に1滴)した。アミンを加えた後、得られた
淡黄色の溶液を0℃にて、さらに30分間撹拌した。こ
の溶液を−78℃に冷却し、塩化メチレン(3ml)中のメ
チル3,3−(エチレンジオキシ)−4−ホルミルブチラ
ート(368mg、1.960ミリモル)の溶液を加えた。
この反応混合物を−78℃にて30分間撹拌した後、約
20分以内で0℃に昇温させた。この溶液の一部分を薄
層クロマトグラフィーにかけると、チアゾリジン−2−
チオンがほとんど残存していないことが示された。pH
7のリン酸緩衝液を過剰(約10ml)に加え、得られた混
合物を0℃にて3分間、激しく撹拌した。生成物を含む
黄色の塩化メチレン溶液を水層から分離し、シリカゲル
カラム(10cm長、60−200メッシュ、酢酸エチル)
を通して濾過した。その濾液を濃縮し、得られた残渣を
シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチ
ル、2:1)にかけて、メチル3,3−エチレンジオキシ
−(5R)−ヒドロキシ−6−[(4R)−メトキシカルボ
ニル−1,3−チアゾリジン−2−チオン−3−イルカ
ルボニル]オクタノエート(654mg、収率77%)を、
淡黄色の油として得た。
【0061】NMR(300MHz,δ,CDCl3):0.9
9(t,J=8Hz,3H),1.64−1.80(m,1H),1.
86−2.00(m,1H),2.05−2.22(m,2H),2.
75(s,2H),3.25−3.36(m,2H),3.69(s,3
H),3.82(s,3H),4.03(s,4H),4.20(m,1
H),4.87(m,1H),5.67−5.70(dd,J=3Hz,
J=8.5Hz,1H)。 IR(cm-1,薄膜):3525,1720(ブロード) [α]20 D=−83.153(c=3.90,CHCl3)。 Rf(SiO2,ヘキサン/酢酸エチル,1:1):0.28
【0062】上記の如くに得た縮合生成物(122mg、
0.280ミリモル)のアセトニトリル(1ml)中溶液に、
室温にて、O−ベンジルヒドロキシアミン(105mg、
0.853ミリモル)を加えた。この混合物を、室温で6
時間撹拌し、シリカゲルカラム(10cm、60−200
メッシュ、酢酸エチル)を通して濾過した。その濾液を
減圧下で濃縮し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグ
ラフィー(ヘキサン/酢酸エチル、(1:1))にかけ、(4
R)メトキシカルボニル−1,3−チアゾリジン−2−チ
オン(45mg、収率91%)およびメチル3,3−エチレ
ンジオキシ−5R−ヒドロキシ−6−(N−ベンジルオ
キシ)アミノカルボニルオクタノエート(74mg、収率70
%)を得た。
【0063】NMR(300MHz,δ,CDCl3):0.9
5(t,J=8Hz,3H),1.64−1.80(m,1H),1.
86−2.00(m,1H),2.05−2.20(m,3H),2.
70(s,2H),3.65(s,3H),3.72(s,ブロード,1
H),4.00(s,ブロード,4H),4.85(s,2H),7.2
5−7.42(m,5H),および8.84(s,ブロード,1
H)。 IR(cm-1,薄膜):3200−3600(ブロード),17
30,1660,1200,1010および730。 [α]20 D=−8.78(c=3.70,CHCl3) Rf(SiO2,ヘキサン/酢酸エチル,1:1):0.166
【0064】上記の如く調製したO−ベンジルヒドロキ
サメート(200mg、0.525ミリモル)およびトリフ
ェニルホスフィン(420mg、1.601ミリモル)の無
水テトラヒドロフラン(4ml)中溶液に窒素雰囲気下、室
温にて、ジイソプロピルアゾジカルボキシレート(31
0μl、1.574ミリモル)を加えた。この反応混合物
を、室温で20分間撹拌した後、薄層クロマトグラフィ
ーにかけると、出発物質がすべて反応したことが示され
た。この混合物を、減圧下で濃縮し、シリカゲルクロマ
トグラフィー(230−240メッシュ、ヘキサン/酢
酸エチル、(2:1))にかけて、式:
【化24】 で示されるN−ベンジルオキシ−3−エチル−4−(2,
2,エチレンジオキシ−3−メトキシカルボニルプロパ
ン−1−イル)アゼチジン−2−オン(128mg、収率6
7%)を得た。
【0065】NMR(300MHz,δ,CDCl3):0.9
6(t,J=7.5Hz,3H),1.54−1.68(m,2H),
2.00(dd,J=8.7Hz,J=14Hz,1H),2.37
(dd,J=3.9Hz,J=14Hz,1H),2.58(s,2
H),2.61(dt,J=1.8Hz,J=6.6Hz,1H),3.
39(ddd,J=1.8Hz,J=3.9Hz,J=8.7Hz,1
H),3.69(s,3H),3.82−4.02(m,4H),4.9
5(s,2H)および7.30−7.50(m,5H)。 [α]20 D=+21.9(c=1.28,CHCl3)。 Rf(SiO2,ヘキサン/酢酸エチル,2:1):0.164
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C07D 417/06 277:00 317:00) (C07D 405/06 205:00 317:00) (72)発明者 チー−ヌン・ウイリス・シアオ アメリカ合衆国インディアナ46628、サウ ス・ベンド、ナンバー24、ランス・コート 2703番 (72)発明者 マービン・ジョセフ・ミラー アメリカ合衆国インディアナ46635、サウ ス・ベンド、トーリー・ホウ・ドライブ 17885番

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I): 【化1】 [式中、RはC1−C4アルキル、C1−C4アルカノイ
    ル、ベンジル、または置換ベンジル、R'はC1−C4
    ルキル、またはカルボキシ保護基、Zは保護された水酸
    基、pは0または1、mは0、1、または2、そして、n
    は1または2を表わす]で示される化合物。
  2. 【請求項2】 式(I)で示される化合物の合成方法であ
    って、式(V): 【化2】 [式中、R'はC1−C4アルキル、またはカルボキシ保護
    基、R"はC1−C4アルコキシカルボニル、ベンジル、
    または置換ベンジル、Zは保護された水酸基、pは0ま
    たは1、mは0、1、または2、そして、nは1または2
    を表わす]で示される化合物を、式: RONH2 [式中、RはC1−C4アルキル、C1−C4アルカノイ
    ル、ベンジル、または置換ベンジルを表す]で示される
    O−アルキルヒドロキサメート、O−アシルヒドロキサ
    メート、またはO−アルアルキルヒドロキサメートと反
    応させることを特徴とする合成方法。
  3. 【請求項3】 式(V): 【化3】 [式中、R'はC1−C4アルキル、またはカルボキシ保護
    基、R"はC1−C4アルコキシカルボニル、ベンジル、
    または置換ベンジル、Zは保護された水酸基、pは0ま
    たは1、mは0、1、または2、そして、nは1または2
    を表わす]で示される化合物。
  4. 【請求項4】 式(V)で示される化合物の合成方法であ
    って、式(III): 【化4】 で示される化合物を、式: 【化5】 [上記式中、R'はC1−C4アルキル、またはカルボキ
    シ保護基、R"はC1−C4アルコキシカルボニル、ベン
    ジル、または置換ベンジル、Zは保護された水酸基、p
    は0または1、mは0、1、または2、そして、nは1ま
    たは2を表わす]で示される保護されたβ−ケトエステ
    ルアルデヒドと反応させることを特徴とする合成方法。
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