JPH0898833A - X線ctスキャナ - Google Patents

X線ctスキャナ

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JPH0898833A
JPH0898833A JP6238022A JP23802294A JPH0898833A JP H0898833 A JPH0898833 A JP H0898833A JP 6238022 A JP6238022 A JP 6238022A JP 23802294 A JP23802294 A JP 23802294A JP H0898833 A JPH0898833 A JP H0898833A
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ray
target
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electron guns
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JP6238022A
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Shigeru Tanaka
茂 田中
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】電子ビーム方式でフルスキャンを実施しなが
ら、披検体の体軸に直交するスライス面のデータを取得
できる構造をコンパクトに構築できるX線CTスキャナ
を提供する。 【構成】X線CTスキャナは架台1、寝台2及び制御キ
ャビネット3を備える。架台1は真空容器4及び1周の
検出器リング5を備える、真空容器4は中心軸Oの半径
方向の円周上に等間隔に配置される4つの電子銃6a1
…6a4及び1周のターゲットリング7を備える。検出
器リング5及びターゲットリング7は、X線ビームが常
に中心軸Oに直交するように中心軸Oと同軸のの半径方
向の内側及び外側に夫々、螺旋状に配置する。制御キャ
ビネット3には、各電子銃6a1…6a4の切換及び電
子ビームの偏向を制御するための電子ビーム走査部16
を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電子ビーム方式のX
線CTスキャナに係り、とくに電子銃、ターゲット、及
び検出器の構造と、電子ビームが照射されるターゲット
上のX線源の位置を360度方向にフルスキャンさせる
CTスキャンとに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、X線CTスキャナには、いわゆる
第5世代に相当する電子ビーム方式を採用したものが知
られている。電子ビーム方式とは、X線源の位置を機械
的でななくて電子制御により高速で移動させるものであ
り、この方式を採用したX線CTスキャナとしては、架
台内に略半環状のターゲット及び略半環状の検出器を対
向して配置したものが一般に知られている。
【0003】しかしながら、上記X線CTスキャナは、
ターゲットが半環状の構造であるため、そのターゲット
の円弧分に相当する約180度(180度+X線ファン
角度)のスキャンデータしか得られなかった。つまり、
X線源を機械的に360度回転させる、例えばR−R方
式のX線CTスキャナに比べると、約半分のスキャン範
囲で1スライス分の画像を再構成する必要があった。
【0004】そこで、近年、電子ビーム方式で360度
回転のスキャン(フルスキャン)を可能とするX線CT
スキャナが提案されている(例えば、USP第4914
681号)。
【0005】このX線CTスキャナは、図8に示す如
く、架台100にすり鉢状の開口部Kを有するX線発生
用の真空容器101を設け、この真空容器101の開口
部Kに進退可能に挿入される寝台101を備えている。
真空容器101内には、1つの電子銃103、集束コイ
ル104、偏向コイル105、及び円環状のターゲット
106が設けられており、そのターゲット106の内側
の位置に相当する開口部Kの内側に円環状の検出器10
7が備えられている。ターゲット106及び検出器10
7は、開口部Kの軸方向に直交する異なる面内の所定半
径の円周上に配置されている。
【0006】これらの構成により、上記X線CTスキャ
ナは、1つの電子銃103で発生した電子ビーム108
を集束コイル104及び偏向コイル105を介してター
ゲット106上のX線源110に照射し、そのX線源1
10で生成されるX線ビーム109を寝台101上に載
せられた披検体Pを介して検出器107で検出すると共
に、X線源110の位置をターゲット106の円周に沿
って360度方向にスキャンできるようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、電子ビ
ーム方式でフルスキャンを採用した技術では、X線ビー
ムの進路等を考慮に入れた構造上の制約等により、ター
ゲット及び検出器を開口部の中心軸に直交する同一面内
に配置できなかった。従って、X線ビームが開口部の中
心軸に直交する面に対して斜交する方向にスキャンされ
るため、披検体の体軸に直交するスライス面の情報を正
確に反映したスキャンデータを取得できないといった問
題があった。
【0008】また、上記X線CTスキャナは、電子ビー
ムを360度回りに放射させる構造上、真空容器がすり
鉢状構造となっており、これに伴って、披検体が挿入さ
れる開口部内の空間がすり鉢状の閉空間となっているた
め、披検体にとっては閉空間に閉じ込められるといった
心理的に好ましくない状況となる。
【0009】本発明は、上述した従来技術の問題を考慮
してなされたもので、電子ビーム方式でフルスキャンを
実施しながら、披検体の体軸に直交するスライス面のデ
ータを取得できる構造をコンパクトに構築できるX線C
Tスキャナを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成させるた
め、請求項1記載の発明に係るX線CTスキャナでは、
披検体を載せる寝台と、この寝台が進退可能に挿入され
る診断用開口部を有した架台とを備えた電子ビーム方式
の構成とし、上記架台にその診断用開口部の軸方向に直
交する面内の所定半径の円周上に配置された複数の電子
銃と、この複数の電子銃に対向し且つ上記軸方向の中心
軸と同軸に配置された少なくとも1周の螺旋状のX線放
射用のターゲットと、このターゲットの半径方向の内側
の位置に当該ターゲットに対向し且つ上記中心軸に同軸
に配置されると共に、そのターゲットから放射されるX
線ビームが上記中心軸と直交するように配置された少な
くとも1周の螺旋状のX線検出器と、上記複数の電子銃
を駆動させて披検体に対する上記X線ビームによるCT
スキャンを実施する走査手段とを備えている。
【0011】請求項2記載の発明では、前記複数の電子
銃を前記円周上に等間隔に配置している。
【0012】請求項3記載の発明では、前記複数の電子
銃は4つの当該電子銃である。
【0013】請求項4記載の発明では、前記ターゲット
の螺旋開始位置と前記X線検出器の螺旋開始位置とが前
記中心軸を挟んで軸対称である。
【0014】請求項5記載の発明では、前記ターゲット
は1周のターゲットリングからなっている。
【0015】請求項6記載の発明では、前記X線検出器
は1周の検出器リングからなっている。
【0016】請求項7記載の発明では、前記走査手段
は、前記複数の電子銃の内の所望の1つを選択する切換
手段と、この切換手段により選択された電子銃から上記
ターゲットに向けて照射される電子ビームを当該ターゲ
ットに割り当てられた円弧状の円周に沿って偏向させる
偏向手段とを備えている。
【0017】請求項8記載の発明では、前記寝台は前記
軸方向に沿って移動可能な天板を有し、この天板の移動
を前記走査手段の作動に同期して制御する手段を備えて
いる。
【0018】請求項9記載の発明では、前記架台は前記
軸方向に沿って移動可能な移動機構を有し、この移動機
構の作動を前記走査手段の作動に同期して制御する手段
を備えている。
【0019】
【作用】本発明に係るX線CTスキャナでは、披検体を
載せた架台が挿入される架台の診断用開口部において、
走査手段により、複数の電子銃を駆動しながら、その複
数の電子銃からの電子ビームが少なくとも1周の螺旋状
のX線放射用のターゲットに向かって照射されると共
に、そのターゲット上の任意の位置で発生するX線ビー
ムが診断用開口部の軸方向に直交する方向に向かって放
射される。このX線ビームは、被検体を介して少なくと
も1周の螺旋状のX線検出器の任意の位置にて検出され
る。このX線ビームによるCTスキャンがターゲット上
の全ての位置で実施されるため、披検体の体軸に直交す
る面での360度方向の1スライス分のスキャンデータ
が取得される。
【0020】好適な実施態様として、例えば架台又は寝
台の移動と同期してCTスキャンが実施される場合、複
数スライス分の隙間のないスキャンデータが高速に取得
される。
【0021】
【実施例】以下、本発明の一実施例を、図1〜図7を参
照して説明する図1に示すX線CTスキャナは、架台
1、寝台2、及び制御キャビネット3を備え、いわゆる
電子ビーム方式で駆動する装置である。寝台2の上面に
は、その長手方向(Z軸(体軸)方向)にスライド可能
に支持された状態で天板2aが配設されており、その天
板2aの上面に被検体Pが載せられる。天板2aは、電
動モータM1により代表されるスライド機構の駆動によ
って、架台1の診断用開口部Kに進退可能に挿入され
る。このスライド機構は、制御キャビネット3からの駆
動信号を受けて作動すると共に、架台1内で実施される
X線ビームによるCTスキャンの作動と同期して所定の
タイミング及び速度で体軸方向に移動できるようになっ
ている。また、寝台2には、天板の長手方向の位置を検
出するポテンションメータ等の位置検出器(図示しな
い)が備えられる。
【0022】架台1は、その診断用開口部Kの軸(Z
軸)方向の中心軸Oと同軸に配置された略円筒状のX線
生成用の真空容器4と、その真空容器4の内側に中心軸
0と同軸に配置された1周(内径R1)の螺旋状のX線
検出器(以下、「検出器リング」と呼ぶ)5とを備えて
いる。
【0023】真空容器4は、その略円筒内の一端側に電
子ビーム生成用の陰極(フィラメント)である4つの電
子銃6a1…6a4と、その電子銃6a1…6a4の夫
々に対向する略円筒内の他端側に軸方向の中心軸Oと同
軸に配置されたX線放射用の陽極である1周(内径R
2)の螺旋状のターゲット(以下、「ターゲットリン
グ」と呼ぶ)7とを備える。このターゲットリング7と
各電子銃6a1…6a4の間には、図2に示すように、
電子ビーム絞り用の4つの集束コイル8a1…8a4、
及びターゲットリング6上のX線源に向けてX線ビーム
を偏向させる4つの偏向コイル9a1…9a4とが配設
されている。
【0024】電子銃6a1…6a4の夫々は、図1に示
す如く、中心軸Oに直交する面内の所定半径の円周上に
等角度(90度)に配置されており、制御キャビネット
3からの高電圧、加熱用電流、及び各制御信号とを個別
に受けて、各電子銃6a1…6a4からの電子ビーム
を、各集束コイル8a1…8a4及び各偏向コイル9a
1…9a4を介して、ターゲットリング7に割り当てら
れた4つの円弧領域7a1…7a4に個別に照射するよ
うになっている。
【0025】ターゲットリング7は、検出器リング5と
同一の螺旋ピッチPを有した螺旋状構造を成し、内径の
小さい検出器リング5に対して中心軸Oを挟んで対向す
る位置に配置されている。
【0026】ここで、両リング5及び7の配置について
図3及び図4を参照にして具体的に説明する。まず、タ
ーゲットリング7の配置は、その螺旋開始位置7sから
螺旋終了位置7eまでの内側螺旋面F1における複数の
X線ビームBx…Bxの放射方向を中心軸Oと直交する
ように設定する。また、検出器リング5の配置は、各X
線ビームBx…Bxが入射される螺旋開始位置5sから
螺旋終了位置5eまでの内側螺旋面F2を、ターゲット
リング7の内側螺旋面F1に対して中心軸Oを挟んで半
径の異なる軸対称の関係となるように設定する。さら
に、両リング5及び7の螺旋ピッチPは、CTスキャン
のスライス幅Wを考慮に入れた適宜値、例えば図3に示
すように、スライス幅Wと同一の値(P=W)又はスラ
イス幅Wよりも大きい値(P>W)(例えば、P=1.
1×W)に設定する。
【0027】また、架台1は、電動モータM2により代
表される所定のスライド機構を有しており、制御キャビ
ネット3からの駆動信号に応じて、診断用開口部Kに寝
台2が挿入される状態で、軸方向に移動するようになっ
ている。架台1には、軸方向の位置を検出するポテンシ
ョンメータ等の位置検出器(図示しない)が備えられ
る。ここで、本実施例では、例えば2本のレール及び移
動装置を用いた公知の図示しないスライド機構の駆動方
式(例えば、特公平4−9532)を採用する。このス
ライド機構は、架台1内で実施されるCTスキャンの作
動と同期して所定のタイミング及び速度で移動できるよ
うになっている。
【0028】制御キャビネット3は、システム全体を統
括する主制御部11のほか、この主制御部11から指令
を受けて作動するX線制御部12、寝台制御部13、架
台制御部14を有する。この制御キャビネット3は、X
線制御部12からの駆動信号に応じて作動する高電圧発
生部15及び電子ビーム走査部16を備え、高電圧発生
部15で生成した高電圧及び加熱用電流と、電子ビーム
走査部16で生成した制御信号とを真空容器4に供給す
る。
【0029】さらに、制御キャビネット3は、データ収
集部10の収集信号を受けて画像データを再構成する画
像再構成部17、画像データを記憶しておく画像記憶部
18、再構成画像を表示する表示部19、及びオペレー
タが主制御部11に指令を与えるための入力部20を夫
々備えている。
【0030】上記電子ビーム走査部16は、図5に示す
ように、基準クロックPを発生させる基準信号発振器2
1と、基準クロックPを受けて各電子銃6a1…6a4
を選択させる各制御信号S1a…S1dを生成する切換
部22と、ターゲットリング7の各円弧領域7a1…7
a4に沿って電子ビームを偏向させる制御信号S2を生
成する偏向部23とを備えている。
【0031】切換部22は、例えば高電圧発生部15か
ら各電子銃6a1…6a4に供給される高電圧をオン及
びオフに切換可能なグリッド制御回路(例えば、特公平
4−9532)を内蔵している。このグリッド制御回路
は、例えばデジタルカウンタ等を一体に搭載して成り、
図6に示すように、1スキャンに要するスキャン時間T
sを電子銃の数に合わせて等分した時間T1毎に、基準
信号発振器21からの基準クロックPに付勢されて、オ
フ状態にある各電子銃6a1…6a4の内の所望の1つ
を順次、オンに立ち上げる制御信号Sa1…Sa4を各
電子銃6a1…6a4の夫々に供給するようになってい
る。
【0032】偏向部23は、所定周期毎に繰り返し階段
状ののこぎり波を発生可能なのこぎり波発生回路(例え
ば、特公平4−9532)を内蔵している。のこぎり波
発生回路は、例えばデジタルカウンタ等を一体に搭載し
て成り、そのカウンタ等にて基準クロックPを計測しな
がら、図6に示す如く、各電子銃6a1…6a4の内の
所望の1つ、例えば電子銃7aがオン状態を維持してい
る間、生成される各電子ビームBa1…Banを順次、
ターゲットリング7の円弧領域7a1上のX線源(照射
点)a1…anに向けて偏向可能な制御信号S2を、偏
向コイル9a1に供給するようになっている。この制御
信号S2は、他の偏向コイル9a2…9a4にも供給さ
れる。
【0033】次に、本実施例の動作を説明する。
【0034】まず、X線CTスキャナが起動し、披検体
Pを載せた寝台2の天板2aが軸方向に沿って移動し、
図6に示す時刻t1にてCTスキャンが開始されたとす
る。このスキャン開始に際し、基準クロックPに付勢さ
れて、制御信号Sa1がオンに立上がる。このオン状態
が維持される間(時間T1)、制御信号S2に付勢され
て、電子銃6a1からの各電子ビームBa1…Banが
順次、螺旋状の円弧領域7a1のX線源a1…anに向
けて照射される(図5参照)。このX線源a1…anか
らのX線ビームは、常に中心軸Oに直交しながら、披検
体Pを透過して、検出器リング5にて検出される。
【0035】次いで、時刻t2にて制御信号Sa1がオ
フに立ち下がり、制御信号Sa2がオンに立上がる。こ
のオン状態が維持される間、上記と同様に、電子銃6a
2からの各電子ビームBb1…Bbnが順次、上記X線
源anに近接する螺旋状の円弧領域7a2のX線源b1
…bnに向けて照射され、上記と同様に、X線源b1…
bnからのX線ビームが、常に中心軸Oに直交しながら
スキャンされる。
【0036】次いで、時刻t3及び時刻t4でも、上記
と同様に電子銃6a3及び6a4からの電子ビームBc
1…Bcn及びBd1…Bdnが夫々、螺旋状の円弧領
域7a3及び7a4のX線源c1…cn及びd1…dn
に向けて照射され、各X線源からのX線ビームが、上記
と同様にスキャンされる。
【0037】次いで、時刻t5にて360度(1回転)
のスキャン(以下、便宜上「1スキャン」と呼ぶ)が終
了する。この1スキャンに際し、検出器リング5で検出
された透過X線は、データ収集部10にてデジタル量に
変換され、制御キャビネット3にて、再構成されて1ス
ライス分のCT画像データに供せられる。
【0038】上記1スライス分のCT画像データは、螺
旋状に移動させるX線源の各位置、即ち軸方向に直交す
る方向から見ると、図2中のZ軸上のZ1〜Z2(螺旋
ピッチP分に相当)の間に相当する各X線源での投影デ
ータに基づいて、再構成されたものである。この1スラ
イス分の投影データは、いわゆるヘリカル・スキャン状
の隙間のないデータに相当するため、このヘリカル・ス
キャン状データの画像再構成法に関しては、本実施例で
は、所定のデータ補間処理を行うヘリカル・スキャン・
データ再構成用のアルゴリズム(例えば、特公平2−6
0332)又はこのアルゴリズムに準じたプログラムを
適用し、そのアルゴリズム又はプログラムが予め画像再
構成部17に搭載されている。
【0039】以上の如く、本実施例では、ターゲットリ
ング及び検出器リングをX線ビームが常に軸方向に直交
するように夫々、螺旋状に配置し、ターゲットリング上
のX線源の位置を複数の電子銃に割り当てて、その各電
子銃を切換えながら、電子ビームを360度の円周方向
に偏向させ、各X線源からのX線ビームによるCTスキ
ャンを実施する構成としたので、360度方向にフルス
キャンしながら、軸方向に直交する面での解像度の高い
データを取得できる。また、1つの電子銃を用いた従来
の電子ビーム方式のものと比べると、特に電子ビームの
通路であるすり鉢状構造が不要となる分、真空容器の小
型化が可能となり、装置全体をよりコンパクトに構築で
きる。
【0040】次に、寝台又は架台の移動と同期して行う
データ取得に関する応用例を説明する。
【0041】第1の応用例として、上記1スライス分の
ヘリカル・スキャン状データに対して、軸方向に直交す
る同一面(固定位置)での1スライス分のデータを取得
することを考える。この場合は、1スキャンが実施され
ている間、そのスキャンの作動と同期して寝台2又は架
台1を、X線源の位置が軸方向の所定位置、例えば、図
2中のZ軸上のZ1の位置に維持されるように微調整し
ながら連続的に移動させるとよい。これにより、あたか
もZ1の位置にX線源が固定されたか如く、1スキャン
が実施され、高精度の1スライス分のデータを取得でき
る。
【0042】第2の応用例として、検出器が二次元検出
器又は複数スライス検出器となっており、複数スライス
分に相当する三次元状のマルチ・スキャン・データを取
得することを考える。この場合は、マルチ・スキャンが
実施されている間、そのスキャンの作動と同期して寝台
2又は架台1を移動させるとよい。例えば、図7に示す
ように、寝台2又は架台1をスライス幅、即ち螺旋ピッ
チP分だけ1スキャン終了毎に順次、軸方向に沿って移
動させながら、n回のスキャンを実施したとすると、Z
軸上のZ1〜Znの間での隙間のないnスライス分のマ
ルチ・スキャン・データD1…Dnを取得できる。
【0043】第3の応用例として、いわゆるヘリカル・
スキャン・データと同等のデータを取得することを考え
る。この場合は、寝台2又は架台1の移動のタイミン
グ、速度等を上記第2の応用例から適宜に変更し、例え
ば、スキャンの作動に並行して寝台2又は架台1を連続
的に移動させるとよい。これにより、電子ビーム方式の
利点である高速スキャンの機能を最大限に生かしなが
ら、ヘリカル・スキャン・データを効率良く取得でき
る。
【0044】なお、本実施例では、電子銃の数を4つに
構成したが、本発明に係るX線CTスキャナは、これに
限定されるものではなく、電子銃を少なくとも2つ以上
備えたものであればよい。また、検出器リングは1スラ
イス用の1列の検出器の配置に限定されるものではな
く、例えばマルチスライス用に複数列の検出器を配置さ
せてもよい。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るX線
CTスキャナでは、架台内に複数の電子銃、少なくとも
1周の螺旋状のX線放射用のターゲット、及び少なくと
も1周の螺旋状のX線検出器を設け、ターゲット及びX
線検出器をX線ビームが架台の軸方向の中心軸と直交す
るように配置し、そのX線ビームによるCTスキャンを
実施する構成としたため、360度回転のフルスキャン
を行いながら、軸方向に直交する面での解像度の高いデ
ータを取得できる。また、従来の電子ビーム方式のもの
と比べると、特に電子銃とターゲットを含む構造を小型
化でき、装置全体をよりコンパクトに構築できる。ま
た、検出器が二次元検出器又は複数スライス検出器でも
構成できるため、これらの検出器を使用した場合は、よ
り薄いスライスでのCTスキャンが実施できる。
【0046】また、上記構成に加え、寝台又は架台の移
動と同期させながら、CTスキャンを実施する場合に
は、電子ビーム方式の利点である高速スキャン機能を最
大限に発揮しながら、隙間のない高精度のデータを三次
元状に連続して取得できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係るX線CTスキャナの全体構成を示
す概略ブロック図。
【図2】図1のA−A線に沿った概略断面図。
【図3】ターゲット及び検出器の構造を説明する概略斜
視図。
【図4】図3のB−B線に沿った概略断面図。
【図5】電子ビーム走査部及び真空容器の要部構成を示
す概念図。
【図6】電子ビーム走査部の各部の動作を説明する概略
タイミングチャート。
【図7】第2の応用例を説明する概念図。
【図8】従来のX線CTスキャナの要部構成を示す概略
断面図。
【符号の説明】
1 架台 2 寝台 2a 天板 3 制御キャビネット 4 真空容器 5 検出器リング 6a1…6a4 電子銃 7 ターゲットリング 7a1…7a4 ターゲットリングの円弧領域 8a1…8a4 集束コイル 9a1…9a4 偏向コイル 16 電子ビーム走査部

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 披検体を載せる寝台と、この寝台が進退
    可能に挿入される診断用開口部を有した架台とを備えた
    電子ビーム方式のX線CTスキャナにおいて、上記架台
    にその診断用開口部の軸方向に直交する面内の所定半径
    の円周上に配置された複数の電子銃と、この複数の電子
    銃に対向し且つ上記軸方向の中心軸と同軸に配置された
    少なくとも1周の螺旋状のX線放射用のターゲットと、
    このターゲットの半径方向の内側の位置に当該ターゲッ
    トに対向し且つ上記中心軸に同軸に配置されると共に、
    そのターゲットから放射されるX線ビームが上記中心軸
    と直交するように配置された少なくとも1周の螺旋状の
    X線検出器と、上記複数の電子銃を駆動させて披検体に
    対する上記X線ビームによるCTスキャンを実施する走
    査手段とを備えたことを特徴とするX線CTスキャナ。
  2. 【請求項2】 前記複数の電子銃を前記円周上に等間隔
    に配置した請求項1記載のX線CTスキャナ。
  3. 【請求項3】 前記複数の電子銃は4つの当該電子銃で
    ある請求項2記載のX線CTスキャナ。
  4. 【請求項4】 前記ターゲットの螺旋開始位置と前記X
    線検出器の螺旋開始位置とが前記中心軸を挟んで軸対称
    である請求項1記載のX線CTスキャナ。
  5. 【請求項5】 前記ターゲットは1周のターゲットリン
    グからなる請求項4記載のX線CTスキャナ。
  6. 【請求項6】 前記X線検出器は1周の検出器リングか
    らなる請求項4記載のX線CTスキャナ。
  7. 【請求項7】 前記走査手段は、前記複数の電子銃の内
    の所望の1つを選択する切換手段と、この切換手段によ
    り選択された電子銃から上記ターゲットに向けて照射さ
    れる電子ビームを当該ターゲットに割り当てられた円弧
    状の円周に沿って偏向させる偏向手段とを備えた請求項
    1記載のX線CTスキャナ。
  8. 【請求項8】 前記寝台は前記軸方向に沿って移動可能
    な天板を有し、この天板の移動を前記走査手段の作動に
    同期して制御する手段を備えた請求項1記載のX線CT
    スキャナ。
  9. 【請求項9】 前記架台は前記軸方向に沿って移動可能
    な移動機構を有し、この移動機構の作動を前記走査手段
    の作動に同期して制御する手段を備えた請求項1記載の
    X線CTスキャナ。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005177469A (ja) * 2003-11-26 2005-07-07 General Electric Co <Ge> 静止型コンピュータ断層撮影システム及び方法

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