JPH0898569A - 火力発電の効率を向上させる発電装置 - Google Patents

火力発電の効率を向上させる発電装置

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JPH0898569A
JPH0898569A JP6246788A JP24678894A JPH0898569A JP H0898569 A JPH0898569 A JP H0898569A JP 6246788 A JP6246788 A JP 6246788A JP 24678894 A JP24678894 A JP 24678894A JP H0898569 A JPH0898569 A JP H0898569A
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JP
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thermoelectric conversion
boiler
power generator
power generation
conductive material
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JP6246788A
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Sakutaro Yamaguchi
作太郎 山口
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UNIE NET KK
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01KSTEAM ENGINE PLANTS; STEAM ACCUMULATORS; ENGINE PLANTS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; ENGINES USING SPECIAL WORKING FLUIDS OR CYCLES
    • F01K27/00Plants for converting heat or fluid energy into mechanical energy, not otherwise provided for
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F22STEAM GENERATION
    • F22BMETHODS OF STEAM GENERATION; STEAM BOILERS
    • F22B31/00Modifications of boiler construction, or of tube systems, dependent on installation of combustion apparatus; Arrangements of dispositions of combustion apparatus

Abstract

(57)【要約】 【目的】熱電発電装置の発電効率を高めて、総合エネル
ギー効率を向上させるようにした発電装置の提供。 【構成】燃焼室内にてガスを燃焼させるボイラを備え、
該ボイラの燃焼室が高温側に位置するように前記燃焼室
を囲繞するように熱電変換部材を複数設け、該ボイラに
給水して前記熱電変換部材の低温側を形成し、前記熱電
変換部材に生じた起電力を電極から取り出すと共に、前
記ボイラが水蒸気を発生させ該水蒸気を蒸気タービンに
供給するように構成されてなる発電装置であり、熱電変
換部材は高融点カーボン基材料から成り、P型半導体材
料として好ましくはボロンカーバイドB4Cを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は発電装置に関し、特に、
火力発電の効率を向上させる発電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、火力発電所の発電効率は概ね39
%程度とされている(「電気工学ハンドブック」、電気
学会、昭和63年2月刊、第853頁参照)。火力発電
所の発電効率の改善のために、従来、熱と電気を供給す
るコージェネレーションシステムが提案されており、総
合エネルギー効率は70〜80%程度とされるが、単独
の電気エネルギー効率としては、約30%程度とされ、
他は湯として利用されるものであり、電気エネルギー自
体の効率は通常の火力発電所の効率よりもかえって効率
が低下することが知られている。
【0003】このため、従来、ガスタービンと蒸気ター
ビンを結合した発電システムが研究されており、発電効
率の向上を図るコンバインドサイクル発電方式が各種提
案されている。これは、蒸気タービンでは、最高温度
(水の臨界圧による温度)は566℃であり、燃焼ガス
の温度は概ね1500℃程度以上であるため、熱機関と
しては、1500℃〜566℃のエンタルピーが利用さ
れず、これが発電効率を減少させている点に着目したも
のである。
【0004】コンバインドサイクル発電における軸構成
は、排熱回収サイクルにおいてガスタービン1台と蒸気
タービン1台を同一軸に直結した一軸型と、ガスタービ
ンと蒸気タービンを別置とした多軸型があり、利用目
的、運用方法、設置条件に応じて各種の形式が選定され
る。
【0005】図4に、排熱回収型のコンバインドサイク
ル発電方式の概略構成を示す。図3において、ガスター
ビンが高温化する程、発電プラントの熱効率上昇割合が
大きい(前記「電気工学ハンドブック」、第1026頁参
照)。
【0006】コンバインドサイクル発電方式において
は、ガスタービン・エンジンを用いた場合、約1500
℃程度の高温ガスのエネルギーを利用して発電機を回す
と共に、600℃以下のガスで蒸気を生成することによ
り、蒸気エンジンタービンも稼動させることができるた
め、総合的に発電効率が上昇する。
【0007】なお、現在もなお、火力発電のうち多くは
汽力発電所であり、汽力発電所は化石燃料を原料とし
て、エネルギー媒体として蒸気(水)を利用している発
電所であり、典型的には、よく知られているように、ボ
イラ、蒸気タービン、復水・給水系統設備、発電機等の
主要設備から構成される。
【0008】一方、熱電発電は古くから研究され、可動
部を有さないために、宇宙・軍事用に開発され人工衛星
等に搭載されている。
【0009】図5を参照して、従来の熱発電装置の一例
であるラジオアイソトープ熱発電器(RTG)を説明す
る(上村欣一、西田勲夫著「熱半導体とその応用」日刊
工業新聞社 昭和63年12月刊参照、第127頁参
照)。
【0010】図5には、熱源としてRI(Radioisoto
p)を用いた単一のΠ型素子の構造の熱発電装置の原理
図が示されており、N型半導体から成るN型熱電材料と
P型半導体から成るP型熱電材料はともに一端が集熱金
属板(P−N接合電極)を介して接合され、他端にはそ
れぞれ放熱金属板(低温電極)が取り付けられ、集熱金
属板は熱源により加熱して高温とし、集熱金属板からP
型、N型半導体の他端に設けられた低温電極に伝達され
た熱は不図示の放熱器等により放熱される。P型熱電材
料の電極(+)N型熱電材料の電極(−)は定電圧装置
に接続されて定電圧を外部に出力する。
【0011】しかしながら、熱電発電装置は、発電効率
が約10%程度と低く、地上での利用は困難とされる。
(図5に示した熱発電装置も人工衛星搭載用のものであ
る。)
【0012】熱電変換素子としては、好ましくは、Bi
Te系、SiGe系等の半導体材料が用いられ、発電効
率を上昇するために、温度差を大きくとるようにしてい
るが、地上では、低温側の温度は50℃程度、高温側の
温度は少なくとも熱電変換素子の融点よりも低い温度で
あることが必要とされ、実際上は、高々800℃前後で
ある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】従来、例えば、特開平
2−223391号公報には、熱を直接電気に変換する
ことにより、蒸気発生器、タービン、発電機等を不要と
して、静止的ならびに単純化を可能として保守や点検を
容易とする熱電発電装置として、原子炉で約500℃に
加熱された高温流体として高温溶融ナトリウムが、熱電
発電装置に連続的に供給され、熱電発電装置の高温側を
加熱して約400℃に低下し、排出ラインから原子炉に
戻され、一方低温流体として海水等の約25℃の冷却水
が冷却水排出ラインから流入し、熱電発電装置の低温側
を冷却して約32℃となり冷却水排出ラインから排出さ
れ、熱電発電装置により起電力が生じて、変換器により
交流電力に変換されて送電するようにした構成の熱電発
電装置が開示されている。なお、特開平2−22339
1号公報の熱電発電装置では、熱電対は、P型、N型ア
モルファスFeSi半導体が用いられている。
【0014】しかしながら、前記特開平2−22339
1号公報によれば、高温流体の温度が500℃程度とさ
れ、低温側との温度差が大きくないため、発電効率は高
々5%程度とも推測され、実用に供せられるものではな
い。熱電発電の変換性能は、熱電変換素子の性能指数Z
(これは熱電材料によって決まる値)と、高温側と低温
側との温度差ΔT(これは熱機関を作る外部条件で決ま
る)に依存しており、なるべく大きな温度差に設定する
ことが要請される。
【0015】また、特開平2−238104号公報に
は、復水器における多大な廃熱を回収し有効利用すべ
く、廃熱を電力に変換して取り出すことにより、総合タ
ービンプラント効率の向上を図る装置を提供することを
目的として、蒸気タービンの排気を高温熱源とし、冷却
水を低温熱源とする半導体熱電変換装置をタービンの排
気ダクトに設置し、タービン排気の保有潜熱を電気に変
換すると共に、タービン排気を凝縮して復水器を不要と
したことを特徴とする蒸気タービン発電プラントが提案
されている。
【0016】すなわち、前記特開平2−238104号
公報に開示された蒸気タービン発電プラントは、図6に
示すように、給水ポンプにより給水が行なわれるボイラ
04で発生された蒸気により蒸気タービン5を駆動し、
その発生動力によって発電機05′を駆動するものにお
いて、従来復水器が配置される部分に蒸気タービン5の
排気を高温熱源とし、冷却水を低温熱源とする半導体熱
電変換装置1をタービン排気ダクト8に設置する。半導
体熱電変換装置1には、ハニカム構造等の多数の熱交換
器2タービン排気と冷却水の各通路3、4に介在させる
ように設け、熱交換器2内のN形およびP形半導体素子
6を交互に配列して構成する。
【0017】しかしながら、前記特開平2−23810
4号公報の蒸気タービン発電プラントにおいては、熱電
変換装置の高温側として、蒸気タービンの排気を利用し
ているため、温度はより低くなり、100〜250℃程
度となされ、事実、前記特開平2−238104号公報
にも、実際上タービンの排気温度は100℃以下の低い
温度であることが記載されている。
【0018】すなわち、前記特開平2−238104号
公報の蒸気タービン発電プラントにおいては、水蒸気の
温度以下で発電効率の向上を図るものであり、熱電発電
自体による効率の改善は極めて微小値とされ、むしろ、
復水器を不要とした点に実用上の利点を有するものであ
る。
【0019】したがって、本発明は、前記問題点を解消
すると共に、熱電発電装置の発電効率を高めて、総合エ
ネルギー効率を向上させるようにした発電装置を提供す
ることを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明は、燃焼室内にてガスを燃焼させるボイラを
備え、該ボイラの燃焼室が高温側に位置するように前記
燃焼室を囲繞して熱電変換部材を複数設け、前記ボイラ
に給水して前記熱電変換部材の低温側を形成し、前記高
温側と低温側との温度差により前記熱電変換部材に生じ
た起電力を電極から取り出すと共に、前記ボイラにて発
生した水蒸気を蒸気タービンに供給するように構成され
てなる、発電装置を提供する。
【0021】本発明においては、前記熱電変換部材が、
互いに極性の異なる2つの半導体熱電変換素子がともに
一端で導電材料に当接し、該半導体熱電変換素子の他端
に電極を備え、該電極から前記起電力を取り出すように
構成されたことを特徴とするものである。
【0022】本発明においては、前記導電材料が、高融
点導電材料から成ることを特徴とする。すなわち、本発
明においては、前記導電材料が、好ましくは、例えば
W、Mo、カーボン材料から成る。
【0023】また、本発明においては、前記導電材料の
燃焼ガスに対向する側に絶縁層を設けたことを特徴とす
るものである。絶縁層は、高温燃焼ガス中に電流が流れ
る場合において、燃焼ガスの炎と熱電対を電気的に絶縁
するものである。
【0024】さらに、本発明においては、前記導電材料
をいずれか一方の極性の半導体熱電変換素子で一体に形
成し、他方の極性の半導体熱電変換素子が一端で前記導
電材料に当接することを特徴とする。
【0025】そして、本発明においては、前記熱電変換
部材において前記半導体熱電変換素子の電極に貫通孔が
設けられて該貫通孔にパイプが挿入され、前記ボイラに
供給される水又は前記水蒸気が該パイプ内を流れるよう
に配置されたことを特徴とする。
【0026】また、本発明においては、前記導電材料
が、前記ボイラの燃焼室の内壁を形成することを特徴と
する。
【0027】さらに、本発明においては、好ましくは、
前記半導体熱電変換素子が、カーボン基高融点材料から
成ることを特徴とする。
【0028】そして、本発明においては、好ましくは、
前記熱電変換部材が、熱電変換素子として、ボロンカー
バイドB4Cを含み、他方の熱電変換素子として、炭素
を含むことを特徴とする。
【0029】さらに、本発明においては、ボロンカーバ
イドB4Cの融点は略2500℃、及びカーボン基材料
はいずれも融点が約2000℃を超えるものであり、前
記燃焼室内の燃焼ガスの温度は約1800℃又はそれ以
上であることを特徴とする。
【0030】さらにまた、本発明においては、好ましく
は、前記水蒸気の温度が約560℃であることを特徴と
する。
【0031】そして、本発明においては、前記熱電変換
部材が前記ボイラを囲繞して複数設けられ、高さ方向に
絶縁部材を介して複数積層され、前記複数の熱電変換部
材の電極が互いに直列形態又は並列形態に接続されて、
前記蒸気タービンにより発電された電力と共に外部に電
力を出力することを特徴とする。
【0032】
【作用】本発明の原理・作用を以下に説明する。
【0033】図2を参照して、熱交換(1)のプロセス
はボイラにおける熱交換であり、電力は通常の汽力発電
所の発電システムでは発生されない。そして、熱交換
(2)のプロセスは蒸気タービンを利用して行ない、熱
交換(2)のプロセスにより発電機を回して電力を得て
いる。
【0034】前記特開平2−238104号公報の蒸気
発電プラントにおいては、図2に示す熱交換(2)のプ
ロセスに熱電変換素子を配置して、効率の向上を図るも
のである。
【0035】また、ガスタービンを利用した前記コンバ
インドサイクル発電方式は、熱交換(1)のプロセスに
おいて、ガスタービンを用いて、効率の向上を図るもの
である。
【0036】これに対し、本発明の基礎をなす原理とし
ては、図2の熱交換(1)のプロセスにおいて、熱電変
換素子を利用して効率の向上を図るものである。
【0037】すなわち、図示の如く、熱交換(1)のプ
ロセス、すなわちボイラに直接熱電変換素子を配置した
場合、高温側は燃焼ガスに曝され約1800℃又はそれ
以上とされ、低温側が高圧水蒸気により約560℃とさ
れ、100℃以上もの温度差ΔTが確保され、熱電発電
の効率が向上されるものである。併せて、高圧水蒸気は
蒸気タービンに供給されて、発電機を回転させるもので
あり、総合発電効率を向上させている。
【0038】ところで、通常の熱電発電用の材料には約
1800℃もの高温まで利用可能な材料は存在せず、所
望の性能指数が得られるのは高々800℃程度が高温側
の限界とされていた(上村欣一、西田勲夫著「熱半導体
とその応用」日刊工業新聞社昭和63年12月刊参照、
第36頁参照)。
【0039】しかしながら、核融合研究において、プラ
ズマを閉じ込める容器の内側においては、極めて高温プ
ラズマが当たり極めて高温となることから、高融点材料
の研究が鋭意進められており、最近、高融点材料として
特にカーボン、及びカーボン基材料(Carbon−Based Ma
terial)が活発に研究されている。
【0040】とりわけ、B4C(ボロンカーバイド)は
約2500℃もの高融点材料である点で着目されてい
る。さらに、B4C(ボロンカーバイド)は、BiTe
系材料に匹敵するオーダーの高い熱電能率を有する(約
2.5×10-4V)。
【0041】本発明においては、熱電変換素子として、
4C(ボロンカーバイド)を用いることにより、ボイ
ラに熱電対を直接取り付けて、図2の熱交換(1)のプ
ロセスを利用して、効率を向上させるものである。カー
ボン基材料(Carbon−BasedMaterial)も融点が2000
℃以上であるものが各種見出されている。
【0042】なお、燃焼ガスの温度は好ましくは約18
00℃程度又はそれ以上(但し、熱電対の材料の融点以
下)とされるが、あまりに高温とされると空気中の窒素
2が酸化して、NOXが発生するため、適宜触媒等の方
法により除去される。
【0043】
【実施例】図面を参照して、本発明の実施例を以下に説
明する。
【0044】図1に、本発明の一実施例の構成を示す図
を示す。
【0045】図1(A)を参照して、本実施例は、蒸気
タービンに高圧水蒸気を供給するボイラ10を備え、ボ
イラ10の燃焼室には、燃料13と空気14が連続供給
され、燃焼ガスにより約1800℃の高温とされる。ボ
イラ10により発生された水蒸気16は不図示の蒸気タ
ービンに供給され、発電機を回転させる。燃焼ガスは、
空気中の埃塵、SOX、NOX等を除去する処理を施した
後にエントツ11から排出される。
【0046】また、一般に略円筒形状から成るボイラ1
0の燃焼室を囲繞するように、好ましくは半導体材料か
ら成る熱電対12が複数配設されている。熱電対12の
導電材料(集熱板)は、好ましくは、ボイラ10の燃焼
ガスを高温熱源とすべく燃焼ガスに対向する壁を形成す
る。
【0047】そして、熱電対12の径方向外側には、外
からボイラ10に水15を供給するための給水管17が
設けられ、ボイラ10により水蒸気16が発生される。
給水管17中の水15ないし水蒸気16は、熱電対12
の冷却源を形成する(約566℃)。
【0048】図1(B)に、一の熱電対12の構成の一
例の平面図を示す。図1(B)を参照して、熱電対は、
一端側が導電材料20と接合されて互いに電気的に接続
され、他端にそれぞれ電極23が付設された半導体熱電
変換素子21、22から成るΠ型で構成されている。後
述するように、半導体熱電変換素子21、22は高融点
材料で形成されている。
【0049】図1(B)に示すように、電極23には、
好ましくは所定寸法の貫通孔が設けられ、該貫通孔には
蒸気パイプ24が設けられている。蒸気パイプは図1
(A)の給水管17の一部又は全部を構成する。なお、
図1(B)の蒸気パイプ24は半導体熱電変換素子2
1、22に対して電極23を図中の縦方向に貫通して配
置されるように構成してもよい。この場合、半導体熱電
変換素子21、22はボイラ10において上下方向に配
置される(これに対して、図1(B)の場合、半導体熱
電変換素子21、22はボイラ10内において同一高さ
に配置される)。
【0050】いずれの場合も、熱電対12は、電極23
が図1(A)の径方向外周側の冷却源に、導電材料20
が図1(A)の径方向内周の燃焼ガス、すなわち高温熱
源側(約1800℃)にそれぞれ位置するように配置さ
れる。半導体熱電変換素子21、22の電極23側端部
は約800℃とされ、蒸気パイプ24内にて水蒸気(約
566℃)が生成される。
【0051】また、複数の熱電対12(一個の熱電対を
「セル」ともいう)が不図示の絶縁層を介して互いに電
気的に絶縁されて高さ方向に積層される。そして、複数
の熱電対12が、ボイラ10の燃焼ガスを周方向に囲む
ようにして配置され、実質的にボイラ10の燃焼室の内
壁を形成する。
【0052】かかる構成のもと、ボイラ10に給水管1
7を介して供給される水15は、蒸気パイプ24内を通
って、高温の燃焼ガスにより水蒸気に変換され(約56
6℃)、高圧水蒸気16として蒸気タービン(不図示)
に供給される。蒸気パイプ24は、熱電対12の低温熱
源を形成する冷却用部材として作用している。
【0053】図1(B)の熱電対12における導電材料
20は、高融点導電材料から成り、好ましくは、W、M
o、カーボン材料から成る。
【0054】また、熱電対のセルを例えば100個程度
直列形態に接続して、高い電圧(例えば略50V以上)
を定電圧装置(図5参照)に供給する場合には、燃焼ガ
スに所定の電圧が印加された状態となる。すると、ボイ
ラ10内の高温燃焼ガス(一部プラズマ化している)に
は、電圧が印加された状態となり、プラズマ化した燃焼
ガスは電離状態にあるため燃焼ガス中に電流が流れるこ
とがあり、この場合、燃焼プロセスが変移して炎の状態
が変化する。
【0055】このため、本実施例においては、熱電対1
2の別の態様として、好ましくは、図3(A)に示すよ
うに、導電材料20燃焼ガスに対向する側に絶縁層25
が設けられている。絶縁層25は、高温燃焼ガス中に電
流が流れる場合において、燃焼ガスの炎と熱電対12と
を電気的に絶縁し、燃焼ガスの燃焼プロセスを安定化さ
せている。
【0056】さらに、本実施例においては、熱電対12
のさらに別の態様として、図3(B)に示すように、導
電材料20を、P型又はN型半導体熱電変換素子により
一体に形成し、他方の極性の半導体熱電変換素子が一端
で前記導電材料に当接されている。
【0057】より詳細には、図3(B)を参照して、例
えばP型半導体熱電変換素子21と導電材料とが一体に
成形され、N型半導体熱電変換素子22が一端26にお
いてのみP型半導体熱電変換素子21と接合されてい
る。
【0058】一般に、接合により、材料の接合部分の電
気抵抗が高くなるため、熱電発電上好ましくない。
【0059】本実施例においては、半導体熱電変換素子
が、好ましくは、以下に説明するように、B4C(ボロ
ンカーバイド)等とされ、これらは比較的よい導体であ
るため、熱電対12の導電材料20を、P型又はN型半
導体熱電変換素子のいずれかで一体成形して、導電材料
と半導体熱電変換素子との接合部を減らしている。
【0060】次に、本実施例における半導体熱電変換素
子について説明する。
【0061】近時、核融合研究においては、高融点材
料、特にカーボン、及びカーボン基材料(Carbon−Base
d Material)が研究されており、とりわけ、B4C(ボロ
ンカーバイド)は略2500℃もの高融点材料である点
で着目されている。
【0062】本実施例においては、熱電対12のP型半
導体熱電変換素子として、B4C(ボロンカーバイド)
を用い、N型半導体熱電変換素子として、カーボンを用
いている。これにより、ボイラ10に、熱電対12の高
温側を直接取り付けることが可能とされる。
【0063】また、B4C(ボロンカーバイド)は高い
熱電能率を有する(約2.5×10-4V)。
【0064】熱電発電の効率に直接影響を与える材料の
性能指数Zは、Z=α2/(χ・η)で与えられ、熱電
能率の2乗に比例する。ここに、αは熱電能率、χは熱
伝導率、ηは電気抵抗率を表わしている。
【0065】なお、熱電対12のN型半導体熱電変換素
子をカーボンで構成した場合、B4Cと比べて、カーボ
ンの性能指数は小さい(約300分の1程度)。このた
め、本実施例においては、B4C/Cの組合せで、高温
側約1800℃又はそれ以上、低温側約800℃の熱機
関として、少なくとも約2%程度の発電効率を与えるこ
とになる。
【0066】従って、本実施例は、前記コンバインドサ
イクル発電方式と同様に発電効率は、40%を越える。
【0067】すなわち、本実施例においては、約800
℃の熱で566℃の水蒸気を発生させるものであり、こ
の水蒸気を用いて蒸気タービンを回転することにより3
9%程度の発電効率が得られる。これと、ボイラ10に
設けられた熱電対12による発電効率2%を加算する
と、本実施例において、41%の発電効率が得られる。
【0068】さらに、B4C以外のカーボン基材料、例
えば、SiC、TiC、ZrC等の材料から、適宜N型
半導体であり且つ輸送パラメータがB4Cと同等な材料
を選択することにより、熱電発電自体の発電効率は6%
程度まで上昇することが予測されている。
【0069】この場合、蒸気タービンとの総合発電効率
は、39+6=45%に達し、現在のコンバインド方式
の最高値に匹敵する値を得ることが可能とされる。
【0070】以上本発明を上記実施例に即して説明した
が本発明は、上記態様にのみ限定されるものではなく、
本発明の原理に準ずる各種態様を含む。
【0071】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、発
電装置の熱交換プロセスにおいて、ボイラに直接熱電変
換素子を配置したことにより、高温側は燃焼ガスに曝さ
れ約1800℃程度とされ、低温側が高圧水蒸気により
約560℃前後とされ、1000℃以上もの温度差が確
保され、熱電発電の効率が向上されるものである。併せ
て、高圧水蒸気は蒸気タービンに供給されて、発電機を
回転させるものであり、総合発電効率を向上させてい
る。
【0072】また、本発明においては、熱電半導体とし
て、高融点材料であり、近時、着目されているカーボン
基材料をN型、P型半導体材料として利用し、特に融点
が略2500℃のB4CをP型半導体として用いた場
合、高温側の温度を約1800℃以上にまで上昇させる
ことが可能とされ、熱電発電の発電効率を上昇させてい
る。
【0073】さらに、本発明によれば通常のコンバイン
ドサイクル方式ではガスタービンを用いるために可動部
が高速に回転し、保守維持等に多大の労力経費を要する
のに対して、本発明によれば、熱電半導体を用いるだけ
で可能部を有しないため保守を著しく簡易化するという
効果を有する。
【0074】そして、本発明においては、熱電対の導電
材料の燃焼ガスに対向する側に絶縁層を設けられ、燃焼
ガスの燃焼プロセスを安定化させることにより、結果と
して熱電発電の安定性を向上させるという効果を有す
る。
【0075】本発明によれば、熱電対において、いずれ
かの一方の極性の半導体熱電変換素と導電材料とが一体
に成形され、他の半導体熱電変換素子が一端においての
み一方の極性の半導体熱電変換素子と接合されるように
構成されることにより、接合部を減少させて、熱電発電
の効率及び安定性を向上させている。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A) 本発明の一実施例の構成を示す断面図
である。 (B) 本発明における熱電対の構成を示す平面図であ
る。
【図2】本発明の原理を説明するための図である。
【図3】(A) 本発明における熱電対の別の構成を示
す図である。 (B) 本発明における熱電対のさらに別の構成を示す
図である。
【図4】従来のコンバインドサイクル発電方式の一形式
を示す図である。
【図5】従来の半導体材料を用いた熱電発電装置の構成
を示す図である。
【図6】従来の熱電発電と蒸気タービンを利用した発電
装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
10 ボイラ 11 エントツ 12 熱電対 13 燃料 14 空気 15 水 16 水蒸気(蒸気タービンに供給される) 20 導電材料 21 P型半導体熱電変換素子 22 N型半導体熱電変換素子 24 蒸気パイプ

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃焼室内にてガスを燃焼するボイラを備
    え、 該ボイラの燃焼室が高温側に位置するように前記燃焼室
    を囲繞して熱電変換部材を複数設け、 前記ボイラに給水して前記熱電変換部材の低温側を形成
    するようにし、 前記高温側と低温側との温度差により前記熱電変換部材
    に生じた起電力を電極から取り出すと共に、 前記ボイラにて発生した水蒸気を蒸気タービンに供給す
    るように構成されてなる、発電装置。
  2. 【請求項2】前記熱電変換部材が、互いに極性の異なる
    2つの半導体熱電変換素子が一端で導電材料に当接し、
    該半導体熱電変換素子の他端に電極を備え、該電極から
    前記起電力を取り出すように構成されたことを特徴とす
    る請求項1記載の発電装置。
  3. 【請求項3】前記導電材料が、高融点導電材料から成る
    ことを特徴とする請求項2記載の発電装置。
  4. 【請求項4】前記導電材料が、W、Mo、又はカーボン
    材料の少なくとも一から成ることを特徴とする請求項2
    記載の発電装置。
  5. 【請求項5】前記導電材料の燃焼ガスに対向する側に絶
    縁層を設けたことを特徴とする請求項2記載の発電装
    置。
  6. 【請求項6】前記導電材料をいずれか一方の極性の半導
    体熱電変換素子と一体に形成し、他方の極性の半導体熱
    電変換素子が一端で前記半導体熱電変換素子と一体に形
    成された導電材料に当接することを特徴とする請求項2
    記載の発電装置。
  7. 【請求項7】前記熱電変換部材において前記半導体熱電
    変換素子の電極に貫通孔が設けられて該貫通孔にパイプ
    が挿入され、前記ボイラに供給される水又は前記水蒸気
    が該パイプ内を流れるように配置されたことを特徴とす
    る請求項1記載の発電装置。
  8. 【請求項8】前記導電材料が、前記ボイラの燃焼ガスに
    対向する壁を形成するように配置されたことを特徴とす
    る請求項2記載の発電装置。
  9. 【請求項9】前記半導体熱電変換素子が、カーボン基高
    融点材料から成ることを特徴とする請求項2記載の発電
    装置。
  10. 【請求項10】前記熱電変換部材が、P型半導体熱電変
    換素子として、ボロンカーバイドB4Cを含み、N型半
    導体熱電変換素子として、炭素を含むことを特徴とする
    請求項1記載の発電装置。
  11. 【請求項11】前記ボイラの燃焼ガスの温度が約180
    0℃又はそれ以上であることを特徴とする請求項1記載
    の発電装置。
  12. 【請求項12】前記水蒸気の温度が約560℃程度であ
    ることを特徴とする請求項1記載の発電装置。
  13. 【請求項13】複数の熱電変換部材が前記ボイラを囲繞
    して設けられると共に、高さ方向に絶縁部材を介して複
    数積層され、前記複数の熱電変換部材の電極が互いに直
    列形態又は並列形態に接続されて、前記蒸気タービンに
    より発電された電力と共に外部に電力を出力することを
    特徴とする請求項1〜12のいずれか一に記載の発電装
    置。
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