JPH0898500A - リニアモータの界磁 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、リニアモータの界磁に関し、端部で
の起動推力を中央部での推力とほぼ同じにし、起動励磁
電流を減少させ、高頻度の起動・停止を小容量の制御装
置で行えるリニアモータの界磁を提供することを目的と
する。 【構成】平行させて設けたヨークの内面に所定幅の永久
磁石を、対向するものと隣合うものの極性を交互に入れ
換えて、所定の極ピッチλで、軸方向に配置し、ヨーク
の両端に配置する永久磁石の幅を他の永久磁石の幅Ｗｍ
より狭くしたリニアモータの界磁において、前記ヨーク
の両端部に面取りを設け、ヨークの両端に配置される永
久磁石の幅を、その他の永久磁石の幅Ｗｍのほぼ１／２
にし、さらにヨークの両端に配置する永久磁石の形状を
前記ヨークの両端部に面取りに合わせた面取りを持つ台
形状にする。

Description

【発明の詳細な説明】

【産業上の利用分野】本発明は、リニアモータの界磁に
関し、特に、端部において推力を大きくし、励磁電流を
減少できるリニアモータの界磁に関する。

【０００１】

【従来の技術】従来のリニアモータの界磁構造として、
平行させて設けたヨークの内面に所定幅Ｗｍの永久磁石
を、所定ピッチλで、対向するものと隣合うものの極性
を交互に入れ換えて、軸方向に配置したリニアモータの
界磁において、両端に配置する永久磁石の幅を他の永久
磁石の幅Ｗｍの１／２にし、軸方向端部において、界磁
ヨークの磁束密度を緩和させたものがある（例えば、特
開平６−３８５０２号公報）。

【０００２】

【発明が解決しようとする課題】ところが従来技術で
は、両端の永久磁石を矩形にしたため、端部の軸方向の
起磁力分布が均一になり、図３（ａ）に示すように、ヨ
ーク両端部の磁気的極中心Ｐｅ’と隣の極中心Ｐの極ピ
ッチλｐ’が中央側にずれ、そのずれ分だけコイルとの
鎖交磁束が減少し、起動時の励磁電流が増加する問題と
いうがあった。そこで、本発明は、端部の起磁力分布の
ピークを外側にずらし、コイルとの鎖交磁束を増加さ
せ、端部での起動推力を中央部での推力とほぼ同じに
し、起動励磁電流を減少させ、高頻度の起動・停止を小
容量の制御装置で行えるリニアモータの界磁を提供する
ことを目的とする。

【０００３】

【課題を解決するための手段】平行させて設けたヨーク
の内面に所定幅Ｗｍの永久磁石を、所定の極ピッチλ
で、対向するものと隣合うものの極性を交互に入れ換え
て、軸方向に配置し、ヨークの両端に配置する永久磁石
の幅を他の永久磁石の幅Ｗｍより狭くしたリニアモータ
の界磁において、前記ヨークの両端部に面取りを設け、
ヨークの両端に配置される永久磁石の幅を、その他の永
久磁石の幅Ｗｍのほぼ１／２にし、さらにヨークの両端
に配置する永久磁石の形状を前記ヨークの両端部に面取
りに合わせた面取りを持つ台形状にする。

【０００４】

【作用】図３（ｂ）に示すように、界磁ヨークの磁束密
度を緩和させるとともに、端部に設けた永久磁石の起磁
力が外側に向かうほど強くなり、ヨーク両端部の磁気的
な極中心Ｐｅと隣の極中心Ｐのピッチλｐを、両端以外
の極ピッチλに近づけることができる。

【０００５】

【実施例】図１は、本発明における第１の実施例を示
す。ヨークは、平行させて設けた界磁ヨーク１と平板ヨ
ーク３で構成してある。界磁ヨーク１の軸方向・両端の
内側には面取りＣを設けてあり、この面取りＣには、磁
石形状を面取りＣに合わせた、側断面が台形状の軸方向
幅Ｗｍの１／２の永久磁石２ｂを固定してある。平板ヨ
ーク３は単純な平板で構成する。永久磁石２ｂ、２ｂ間
には、幅Ｗｍの永久磁石２ａ、２ａ・・を複数個、極ピ
ッチλで配置してある。これらの永久磁石２ａ、２ｂ
は、隣接するものの極性が交互に入れ替わるように着磁
してある。永久磁石２ｂ、２ａ、２ａ、・・２ｂと平板
ヨーク３の間には、コイルを空隙を介し配置してある。
永久磁石２ａ、２ｂの作る磁束φは、界磁ヨーク１と平
板ヨーク３内を、おのおのの極部で左右に分岐し、隣の
永久磁石から帰還するループを形成する。端部の永久磁
石２ｂの起磁力は、厚さに比例するため、界磁ヨーク１
端部の軸方向分布は、図３（ｂ）に示すように、外側に
ゆくほど強くなりピークも高くなるとともに、極中心Ｐ
ｅは従来のもの（図３（ａ））に比べ、外側に移動し、
磁気的な極ピッチλｐを、両端以外の永久磁石の極ピッ
チλに近ずけることができる。

【０００６】図２は、第２の実施例を示し、実施例の平
板ヨーク３を界磁ヨーク１と同じものにし、対向する永
久磁石同志の極性を逆にしてある。この場合、永久磁石
２ａ、２ｂの作る磁束φは、対向する磁極を通り、界磁
ヨーク１、１内を左右から、隣の磁極から帰還するルー
プを形成する。第２の実施例においては、実施例に比べ
起磁力が大きくなるので、高推力を得ることができる。

【０００７】

【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、両
端部で磁束分布のピークを外側にずらしたので、端部の
磁気的な極ピッチを、両端以外の極ピッチに近ずけるこ
とができ、界磁とコイルの鎖交磁束を増大させることが
できるので、推力が端部と中央部で殆ど変化なくするこ
とができる。従って、端部での起動・停止時の励磁電流
をへらし、温度上昇を抑えることができ、起動時の出力
で決まる制御装置の容量を減少できるので、半導体製造
装置のような超精密加工機器等、急起動を必要とする駆
動を、小出力の制御装置で行うことができる。

【図面の詳細な説明】

【図１】本発明の実施例を示す断面図

【図２】本発明の第２の実施例を示す断面図

【図３】従来例と本発明における磁束分布を示すグラフ

【符号の説明】 １ 界磁ヨーク ３ 平板ヨーク ２ａ、２ｂ 永久磁石 Ｃ 面取り

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 平行させて設けたヨークの内面に、所定
   幅の永久磁石を、隣合うものの極性を交互に入れ換え
   て、所定の極ピッチで、軸方向に配置し、ヨークの両端
   に配置する永久磁石の幅を他の永久磁石の幅より狭くし
   たリニアモータの界磁において、 前記ヨークの両端部に面取りを設け、ヨークの両端に配
   置される永久磁石の形状を、前記ヨークの両端部の面取
   りに合わせた面取りを持つ、台形状にし、前記ヨークの
   両端部の面取りに固定したことを特徴とするリニアモー
   タの界磁。
2. 【請求項２】 前記永久磁石を片側のヨークに設けた請
   求項１記載のリニアモータの界磁。
3. 【請求項３】 前記永久磁石を両側のヨークに設け、対
   向する永久磁石の極性を逆にした請求項１記載のリニア
   モータの界磁。