JPH089659Y2 - 電力供給装置を備えた負荷付き指針 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は電力供給装置を備えた負荷付き指針に関する
ものである。

［従来の技術］ 本出願人は特願昭63-233974号（特開平2-80995号）に
より電力供給装置を備えた負荷付き指針を提案してい
る。その構成は以下のとおりである。

指針の上面には、指針の回転中心と同心的に配置され
た２つのリング状導体を上面に設けた接点台が設けら
れ、指針の下面には、指針の回転中心に対する同心円を
その移動軌跡とする接点を有する１対のリードフレーム
が固着されている。また指針にはリードフレームから導
通される負荷が設けられている。リング状導体とリード
フレームとは電気的に導通されており、１対のリードフ
レームは、金属製の指針に固着されてショートすること
がないように、絶縁板を介して取り付けられている。通
常この指針を組み立てる際は、１対のリードフレームを
一体に形成し、それを絶縁板に固着した後で両リードフ
レームを切り離し、指針の下面に固着していた。また、
指針の上面には装飾効果を発揮する塗料被膜が形成され
ている。

［解決しようとする課題］ 上記従来の方法によると、リードフレームを絶縁板に
固着し、それから指針の下面に固着していたため、作業
が面倒であった。また絶縁板が必要であったため部品点
数が多く、コストも高かった。

そこで本考案の目的は、従来よりも容易に製作でき、
部品点数の少ない電力供給装置を備えた負荷付き指針を
提供することにある。

［課題を解決するための手段］ 本考案に係る電力供給装置を備えた負荷付き指針は、
指針の上面に、指針の回転中心と同心的に配置された２
つのリング状導体を上面に設けた接点台が設けられ、指
針の下面に、指針の回転中心に対する同心円をその移動
軌跡とする接点を有する１対のリードフレームが設けら
れている。この指針の上下両面には、装飾被膜として作
用する絶縁性の被膜が形成されており、上記１対のリー
ドフレームはこの絶縁性の被膜を介して指針の下面に固
着されている。そして指針にはリードフレームから導通
される電気的負荷が設けられており、接点台を貫通する
接続片によってリング状導体とリードフレームとは電気
的に導通されている。

［作用］ 従来は絶縁板に予めリードフレームを取り付けた後で
指針に固着するために細かい作業が多かったが、本考案
によると指針の上下両面に絶縁性の被膜を設けて、この
絶縁性の被膜が形成された状態の指針下面に直接リード
フレームを固着するため、細かい作業が減り作業が容易
になる。また絶縁板が不要となり部品数が減少する。

［実施例］ 図面を参照して本考案の一実施例を説明する。

金属製の指針１の上面には絶縁材からなる接点台２が
固着してある。接点台２の上面には、指針１の回転中心
と同心的にリング状の突条2aが設けてあり、この突条の
外側と内側に２つのリング状導体3,4が配置されてい
る。各リング状導体3,4の一部にはＬ字状の接続片3a,4a
が一体的に設けてあり、この接続片は接点台２を貫通し
て指針１の下面に突出する。

指針１の上下両面には、絶縁性の塗料からなる被膜5
a,5bが設けられている。この被膜5a,5bは、絶縁性を有
するとともに指針１を所望の色に着色する塗料を用い、
装飾被膜として作用するものである。指針１の下面には
絶縁性の被膜5bを介して、金属の薄板からなる１対のリ
ードフレーム6,7が固着してある。リードフレーム6,7は
指針１に設けたエレクトロルミネセンス素子などの負荷
８にそれを駆動するための電力を供給するものであり、
先端が接点となっているばね片6a,6bおよび7a,7bをそれ
ぞれ有している。一方のリードフレーム６のばね片6a,6
bの先端の接点は、大径の一方のリング状導体３に対応
する円形の移動軌跡を有し、他方のリードフレーム７の
ばね片7a,7bの先端の接点は、小径の他方のリング状導
体４に対応する円形の移動軌跡を有するように形成され
ている。

リング状導体３の接続片3aはリードフレーム６に、リ
ング状導体４の接続片4aはリードフレーム７にそれぞれ
ハンダ９にて固着されて、２つのリング状導体3,4と、
１対のリードフレーム6,7とはそれぞれ電気的に導通さ
れている。またリードフレーム６はエレクトロルミネセ
ンス素子８の一方の引出電極8aに、リードフレーム７は
他方の引出電極8bにそれぞれハンダ９にて固着され接続
されている。

また指針１には、ハカマ10が固着されている。

このような構成であるため、接点6a,6bおよび7a,7bに
導通されると、リードフレーム6,7を経て、引出電極8a,
8bよりエレクトロルミネセンス素子８へ電力が供給され
る。それと同時にリードフレーム6,7から接続片3a,4aを
介してリング状導体3,4へ導通される。これにより、こ
の指針１の上方に配設された、リング状導体3,4を摺動
可能な接点を有する負荷付き指針などに電力を供給する
ことができる。

本考案においては、指針１の下面に絶縁性の被膜5bを
介してリードフレーム6,7が固着されているため、リー
ドフレーム6,7がショートする恐れはない。また絶縁性
の被膜5bは絶縁性を有する物質により指針上下両面に被
膜が形成されているものであり、従来は装飾被膜として
指針上面のみに設けられていた塗料被膜を、下面にも同
時に形成するだけの作業なので、塗料被膜の形成と別に
絶縁板の貼着工程が必要であった従来の負荷付き指針よ
りも簡単に製造できる。

［効果］ 以上のように本考案によると、指針の上下両面に絶縁
性の被膜を形成し、この絶縁性の被膜を介して指針の下
面にリードフレームを固着するため、従来よりも製作が
簡単になる。また絶縁板が不要となり、部品数が減少し
て薄型化が可能になるとともにコストが低くなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る電力供給装置を備えた負荷付き指
針の断面図、第２図はその上面図、第３図はその底面図
である。 １……指針、２……接点台、3,4……リング状導体、5a,
5b……絶縁性の被膜、6,7……リードフレーム、6a,6b,7
a,7b……ばね片、８……負荷（エレクトロルミネセンス
素子）。

フロントページの続き (72)考案者 池田 秀嗣 東京都墨田区太平４丁目１番１号 株式会 社精工舎内 (56)参考文献 特開 昭55−23453（ＪＰ，Ａ) 特開 昭54−122155（ＪＰ，Ａ) 実開 昭56−97715（ＪＰ，Ｕ)

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】電気的負荷が設けてある金属製の指針と、
   上記指針の上面に固着してある接点台と、上記指針の下
   面に配設される１対のリードフレームとを含み、 上記接点台には２つのリング状導体が設けてあり、 上記１対のリードフレームは、金属の薄板からなり、先
   端が接点になっているばね片が一体的に形成されてお
   り、 上記接点台の上記２つのリング状導体は、上記指針の回
   転中心と同心的に配置されたものであり、 上記指針の上下両面には装飾被膜として作用する絶縁性
   の被膜が形成されており、 上記リードフレームは上記絶縁性の被膜を介して上記指
   針の下面に固着され、上記電気的負荷に駆動電力を供給
   するものであり、 上記リードフレームまたは上記リング状導体には、上記
   接点台を貫通する接続片が一体的に設けられ、この接続
   片を介して上記リング状導体と上記リードフレームとは
   電気的に導通しており、 上記リードフレームの一方の上記ばね片の接点は、上記
   ２のリング状導体の一方に対応する円形の移動軌跡を有
   し、他方の上記ばね片の接点は、上記２つのリング状導
   体の他方に対応する円形の移動軌跡を有する ことを特徴とする電力供給装置を備えた負荷付き指針。
2. 【請求項２】上記負荷はエレクトロルミネセンス素子で
   あることを特徴とする請求項１記載の電力供給装置を備
   えた負荷付き指針。