JPH089625Y2 - 漏洩位置を目視確認する流体漏洩検出装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、天井裏等の隠蔽個所に設けた配管から漏洩
する流体の漏洩位置を、表示する流体の漏洩検出装置に
関する。

〔従来の技術〕

ビルの天井裏には、天井に取り付けた消火用の撒水栓
に給水する給水管や飲料水用の給水管が配設されている
が、これら給水管の漏水の有無を検出するために、給水
管の外周面に水分を吸収すると変色する物質を塗布した
検知帯を巻回するなどして対応している。

〔考案が解決しようとする課題〕

かかる検知帯は、漏水による色の変化を検知するもの
であるから、天井裏を懐中電燈で照明しない限り、漏水
の有無ならびに漏水位置を検知することが出来ず、この
ため漏水の初期発見が困難であるという問題がある。

また、検知帯に生じた変色が不可逆性のものは反復し
て使用することが出来ず、漏水事故の発生する都度新品
と交換しなければならず、このため費用が嵩む上、装着
する手間が必要になるという問題もある。また、可逆性
を有するものであっても、色の変化が極めて微弱である
ため、天井裏等の暗い隠蔽場所での使用には適当でない
といった問題がある。

本考案は、上記した問題に鑑みてなされたもので、そ
の目的とするところは、天井裏等の隠蔽場所における流
体の配管系からの漏水発生位置を、簡単に目視検知する
ことが出来る流体の漏洩検出装置を提供するにある。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、上記目的を達成するために、流体の流れる
配管の外周面に絶縁性の編組体を設ける一方、編組体上
に、電源の陽極側に接続されている裸導線と、電源の陰
極側に、間隔を有して連接されている少なくとも１以上
の発光ダイオードを接続した裸導線とを、開路して離隔
配設するように構成した点にある。

〔作用〕

配管から漏洩した流体は絶縁性の編組体の隙間を介し
てその表面に流出し、さらに編組体上を伝わって電源の
陽極側に接続した裸導線に流れ、次いで発光ダイオード
連接側の裸導線に流れると、両裸導電がこの流体により
短絡され、電源からの電流が発光ダイオード側の裸導線
に流れ、これにより発光ダイオードが発光する。そし
て、点灯している発光ダイオードを検知して、漏洩の発
生とその位置を検知する。

〔実施例〕

以下に、本考案の装置の実施例を添付した図面により
説明する。

第１図は本考案の装置の実施例の構成図、第２図はそ
の断面図、第３図はその等価電気回路図で、図示しない
天井裏に吊設した給水配管１の外周面には、電気絶縁性
を有する、例えば合成樹脂等からなり、配管１から漏洩
した水がその表面に流出し得る隙間を有するように編組
した編組体２が配管１に対し圧接するように固く巻かれ
ている。そして、監視ステーション10に設けた直流24V
の電圧源３の陽極側には導線４が接続され、この導線４
を編組体２上において裸導線41となした上、第２図に示
すように編組体２の外周面軸方向に接触させて配設し、
さらに裸導線41の端部を接続して、監視ステーション10
に設けた断線及び発光ダイオードの破壊の有無チェック
用のテストスイッチ10の一方の端子に接続する。そし
て、ブザー９を介して電圧源３の陰極側に接続された導
線５と、テストスイッチ６の他端とには、第２図に示す
ように、編組体２の外周面の最低部の軸方向に、一定の
距離、例えば5mの間隔を隔てて発光ダイオード81、82・
・8m、8nを接続するとともに、編組体２に接触配設され
た裸導線43が接続されている。

なお、裸導線41の配設位置は、配管１の漏水監視領域
を可能な限り拡げるために、配管１の最低部に配設した
裸導線43に近接させて配設するのが好ましい。また、漏
水位置を即座に特定し得るようにするために、配管１に
おける発光ダイオード81乃至8nの配設位置近傍に、図示
しないが、例えば蛍光塗料による矢印を付しておけば、
点灯している複数の発光ダイオードの発光光により照明
される矢印を検知し、その最も上手側の発光ダイオード
の上手側近傍に発生したことことを直ちに検知すること
が出来る。

なお、図中符号７は発光ダイオードの破壊を防止する
逆流阻止用の整流ダイオードである。

このように構成した装置の作用を説明すると、いま、
配管１における第１図の図面表側の位置L1に漏洩が発生
したとすると、ここから漏出した水は編組体２の隙間か
ら編組体２の表面に流出し、さらに編組体２の表面を伝
わって裸導線41を経て最低部の裸導線43に流れ、このた
め裸導線41と43との間に短絡電流路が形成され、電圧源
３からの電流がその陰極側に流れ、これにより発光ダイ
オード81乃至8nが点灯するとともに、ブザー９が作動
し、これを監視員に報知する。監視員は直ちに天井裏を
覗き、点灯している発光ダイオード81乃至8nの発光光に
より漏水の発生を検知する。そして、照明された矢印の
上手側を検知し、最も上手側に位置する発光ダイオード
81の配設位置よりも上手側に漏水が発生したのを識別す
る。

他方、配管１の第１図の図面表側に示す位置L2に漏水
が発生すると、裸導線41と発光ダイオード8mのアノード
側の裸導線43との間に短絡電流路が形成され、発光ダイ
オード8m、8nが点灯するため、発光ダイオード8mの上手
側近傍に漏水が発生したのが判る。

第４図は本考案の装置の他の実施例の構成図を示すも
ので、編組体２の外周面の軸方向に一定の間隔を隔てて
発光ダイオード81乃至8nを配設するとともに、発光ダイ
オード81のアノード側を裸導線11を介して整流ダイオー
ド７のカソード側に接続し、さらに裸導線12乃至1nを、
その端子をオープンとなして発光ダイオード82乃至8nの
アノード側に接続する。

なお、裸導線11乃至1nは第１図に述べたように編組体
２に接触して配設することは勿論である。

このように構成すると、いま、図面の表側の位置Ｍに
漏水が発生したとすると、ここから漏出した水が裸導線
41を経て裸導線1mに流れ、これにより形成される短絡電
流路を介して電圧源３の電流が流れ、発光ダイオード8m
のみが点灯するので、漏水位置を直ちに特定して検知す
ることが出来る。

〔考案の効果〕

以上述べたように本考案によれば、流体の流れる配管
の外周面に絶縁性の編組体を設ける一方、編組体上に、
電源の陽極側に接続されている裸導線と、電源の陰極側
に、間隔を有して連接されている少なくとも１以上の発
光ダイオードを接続した裸導線とを、開路して離隔配設
するように構成したので、配管からの流体の漏洩を発光
ダイオードの点灯により簡単に検知することが出来、し
かも点灯する発光ダイオードの配設位置から漏洩位置を
直ちに特定することが出来るという優れた効果を奏する
ものである。

【図面の簡単な説明】 第１図は本考案の装置の実施例の構成図、第２図は上記
実施例の切断線Ａ−Ａから眺めた側断面図、第３図は上
記実施例における等価電気回路図、第４図は本考案の装
置の他の実施例の構成図でる。 １……配管、２……編組体、３……電圧源、４、５……
電圧源の陽極及び陰極側に接続した導線、41、43……裸
導線、81乃至8n……発光ダイオード、11乃至1n……裸導
線、

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】流体の流れる配管の外周面に絶縁性の編組
   体を設ける一方、該編組体上に、電源の陽極側に接続さ
   れている裸導線と、該電源の陰極側に、間隔を有して連
   接されている少なくとも１以上の発光ダイオードを接続
   した裸導線とを、開路して離隔配設したことを特徴とす
   る漏洩位置を目視確認する流体漏洩検出装置。