JPH089605A - かご形誘導電動機の回転子 - Google Patents
かご形誘導電動機の回転子Info
- Publication number
- JPH089605A JPH089605A JP13682394A JP13682394A JPH089605A JP H089605 A JPH089605 A JP H089605A JP 13682394 A JP13682394 A JP 13682394A JP 13682394 A JP13682394 A JP 13682394A JP H089605 A JPH089605 A JP H089605A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- rotor
- conductor
- induction motor
- cage induction
- starting
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Induction Machinery (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】外形を増やすことなく、回転子の導体の熱容量
を増やすことができ、高始動トルクで低始動電流とする
ことができるかご形誘導電動機の回転子を得る。 【構成】導体2の幅方向の片側に低抵抗層5を形成し、
導体9の幅方向の中間部には、抵抗傾斜層7を形成す
る。抵抗傾斜層7の他側には、高抵抗層6を形成し、こ
の高抵抗層6は磁性体で形成する。始動電流で発生した
導体2の熱は、この導体2の他側の高抵抗層6にも伝達
させて、導体2の熱容量を増やして絶縁層の寿命の低下
を防ぐ。
を増やすことができ、高始動トルクで低始動電流とする
ことができるかご形誘導電動機の回転子を得る。 【構成】導体2の幅方向の片側に低抵抗層5を形成し、
導体9の幅方向の中間部には、抵抗傾斜層7を形成す
る。抵抗傾斜層7の他側には、高抵抗層6を形成し、こ
の高抵抗層6は磁性体で形成する。始動電流で発生した
導体2の熱は、この導体2の他側の高抵抗層6にも伝達
させて、導体2の熱容量を増やして絶縁層の寿命の低下
を防ぐ。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、かご形誘導電動機の回
転子に係り、特に、始動特性を改良したかご形誘導電動
機の回転子に関する。
転子に係り、特に、始動特性を改良したかご形誘導電動
機の回転子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、大きな始動トルクを必要とす
る負荷を駆動する誘導電動機や起動頻度の高い負荷を駆
動する誘導電動機の回転子として、図5又は図6に示す
ようなかご形の回転子が用いられている。
る負荷を駆動する誘導電動機や起動頻度の高い負荷を駆
動する誘導電動機の回転子として、図5又は図6に示す
ようなかご形の回転子が用いられている。
【0003】このうち、図5は、深みぞ形の回転子の軸
方向の断面図の一部を示す。図5において、符号21は回
転子鉄心で、この回転子鉄心21は、軸方向の両端部に添
設された図示しない側面図では環状の押え板22によって
一体に締め付けられ、回転子の軸28に挿入・固定されて
いる。
方向の断面図の一部を示す。図5において、符号21は回
転子鉄心で、この回転子鉄心21は、軸方向の両端部に添
設された図示しない側面図では環状の押え板22によって
一体に締め付けられ、回転子の軸28に挿入・固定されて
いる。
【0004】符号22は、回転子鉄心21の外周に形成され
たスロット23に挿入された回転子導体であり、この回転
子導体22は、図5のA−A矢視となる図示しない右側面
図では環状の短絡環24に接続され、この短絡環24で両端
が短絡されている。
たスロット23に挿入された回転子導体であり、この回転
子導体22は、図5のA−A矢視となる図示しない右側面
図では環状の短絡環24に接続され、この短絡環24で両端
が短絡されている。
【0005】符号20は、回転子の磁性材リングであり、
磁性材リング20は、図5の図示しない右側面図では、環
状に形成され、回転子の軸28に対して図5において右側
から圧入されている。また、磁性材リング20には、図5
の図示しない右側面では、30度間隙に放射状に外周から
内周に貫通するボルト穴20aが形成され、このボルト穴
20aの外周側には座ぐり面が形成されている。磁性材リ
ング20は、ボルト穴20aの外周側から挿入され先端が軸
28の外周に形成されためねじ穴28bに螺合された合計12
本のボルト18によって軸28に固定されている。
磁性材リング20は、図5の図示しない右側面図では、環
状に形成され、回転子の軸28に対して図5において右側
から圧入されている。また、磁性材リング20には、図5
の図示しない右側面では、30度間隙に放射状に外周から
内周に貫通するボルト穴20aが形成され、このボルト穴
20aの外周側には座ぐり面が形成されている。磁性材リ
ング20は、ボルト穴20aの外周側から挿入され先端が軸
28の外周に形成されためねじ穴28bに螺合された合計12
本のボルト18によって軸28に固定されている。
【0006】このように構成されたかご形誘導電動機の
回転子においては、始動時のすべり周波数が高いときに
は、回転子導体22に流れる電流は、回転子導体22に流れ
る電流の自己誘導作用に伴う電流の表皮効果によって、
回転子導体22の外周側に高密度に流れる。さらに、磁化
される磁性材リング20に流れる渦電流の作用で一次側か
らみたインピーダンスが増えて、高始動トルクで始動電
流を抑えた始動特性のかご形誘導電動機となる。
回転子においては、始動時のすべり周波数が高いときに
は、回転子導体22に流れる電流は、回転子導体22に流れ
る電流の自己誘導作用に伴う電流の表皮効果によって、
回転子導体22の外周側に高密度に流れる。さらに、磁化
される磁性材リング20に流れる渦電流の作用で一次側か
らみたインピーダンスが増えて、高始動トルクで始動電
流を抑えた始動特性のかご形誘導電動機となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このように
構成された従来のかご形誘導電動機の回転子において
は、慣性の大きい負荷を始動するときには、起動電流は
回転子導体22の外側に集中するので、熱容量の関係上、
この回転子導体22の断面積を充分大きくして、起動時の
温度上昇を所定の範囲に抑えて、この回転子導体22と鉄
心21の間に介在する絶縁層の寿命の低下を防ぐ必要があ
る。
構成された従来のかご形誘導電動機の回転子において
は、慣性の大きい負荷を始動するときには、起動電流は
回転子導体22の外側に集中するので、熱容量の関係上、
この回転子導体22の断面積を充分大きくして、起動時の
温度上昇を所定の範囲に抑えて、この回転子導体22と鉄
心21の間に介在する絶縁層の寿命の低下を防ぐ必要があ
る。
【0008】すると、回転子に形成されたみぞの深さを
増やさなければならなくなって、その結果、かご形誘導
電動機の鉄心の外径が大きくなり、回転子の慣性が増え
るので、始動電流が増える悪循環となる欠点があった。
増やさなければならなくなって、その結果、かご形誘導
電動機の鉄心の外径が大きくなり、回転子の慣性が増え
るので、始動電流が増える悪循環となる欠点があった。
【0009】さらに、磁性材リング20を回転子の軸28に
圧入する作業が必要であり、磁性材リング20を固定する
ために、軸28には、段付部28aを形成し、磁性材リング
20の圧入部分にはめねじ穴28bを設けなければならな
い。また、磁性材リング20には、複数のボルト穴20a
と、このボルト穴20aの外周部に座ぐり部を形成しなけ
ればならないだけでなく、磁性材リング20のために回転
子の軸28が長くなり、慣性が更に増え、始動電流を抑制
する深みぞのかご形誘導電動機の特徴を損なうおそれも
ある。
圧入する作業が必要であり、磁性材リング20を固定する
ために、軸28には、段付部28aを形成し、磁性材リング
20の圧入部分にはめねじ穴28bを設けなければならな
い。また、磁性材リング20には、複数のボルト穴20a
と、このボルト穴20aの外周部に座ぐり部を形成しなけ
ればならないだけでなく、磁性材リング20のために回転
子の軸28が長くなり、慣性が更に増え、始動電流を抑制
する深みぞのかご形誘導電動機の特徴を損なうおそれも
ある。
【0010】そこで、請求項1および請求項2に記載の
発明は、このような従来の課題を解決するためになされ
たもので、回転子の導体の熱容量を増やすことができ、
高始動トルク,低始動電流を得ることができるかご形誘
導電動機の回転子を得ることを目的とし、請求項3に記
載の発明は、回転子の導体の熱容量を増やし、高始動ト
ルク・低始動電流で、さらに、組立時間を短縮すること
のできるかご形誘導電動機の回転子を提供することを目
的とする。
発明は、このような従来の課題を解決するためになされ
たもので、回転子の導体の熱容量を増やすことができ、
高始動トルク,低始動電流を得ることができるかご形誘
導電動機の回転子を得ることを目的とし、請求項3に記
載の発明は、回転子の導体の熱容量を増やし、高始動ト
ルク・低始動電流で、さらに、組立時間を短縮すること
のできるかご形誘導電動機の回転子を提供することを目
的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、回転子軸に挿入され複数条のスロットが外周の軸方
向に形成された回転子鉄心と、この回転子鉄心のスロッ
トに挿入され、回転子軸の軸と直交方向の片側から他側
の抵抗率が異なる導体を具備したかご形誘導電動機の回
転子である。
は、回転子軸に挿入され複数条のスロットが外周の軸方
向に形成された回転子鉄心と、この回転子鉄心のスロッ
トに挿入され、回転子軸の軸と直交方向の片側から他側
の抵抗率が異なる導体を具備したかご形誘導電動機の回
転子である。
【0012】また、請求項2に記載の発明は、回転子軸
に挿入され複数条のスロットが外周の軸方向に形成され
た回転子鉄心と、この回転子鉄心のスロットに挿入さ
れ、回転子軸の軸と直交方向の片側から他側の抵抗率が
異なり、抵抗率の大なる側が磁性体となる導体を具備し
たかご形誘導電動機の回転子である。
に挿入され複数条のスロットが外周の軸方向に形成され
た回転子鉄心と、この回転子鉄心のスロットに挿入さ
れ、回転子軸の軸と直交方向の片側から他側の抵抗率が
異なり、抵抗率の大なる側が磁性体となる導体を具備し
たかご形誘導電動機の回転子である。
【0013】さらに、請求項3に記載の発明は、回転子
軸に挿入され複数条のスロットが軸方向に形成された回
転子鉄心と、この回転子鉄心のスロットに挿入された導
体の両端に片面が接続され、この片面側に低抵抗層が形
成され他面側に磁性層が形成された短絡環を具備したか
ご形誘導電動機の回転子である。
軸に挿入され複数条のスロットが軸方向に形成された回
転子鉄心と、この回転子鉄心のスロットに挿入された導
体の両端に片面が接続され、この片面側に低抵抗層が形
成され他面側に磁性層が形成された短絡環を具備したか
ご形誘導電動機の回転子である。
【0014】
【作用】請求項1に記載の発明においては、すべり周波
数が高い始動初期には、始動電流はスロットの上部側に
集中して、始動電流が抑制されるとともに、始動電流で
発生した導体の熱は、この導体の他側に形成された抵抗
率の大なる側にも伝達されて、表面積が広くなった導体
の全外周から放熱される。
数が高い始動初期には、始動電流はスロットの上部側に
集中して、始動電流が抑制されるとともに、始動電流で
発生した導体の熱は、この導体の他側に形成された抵抗
率の大なる側にも伝達されて、表面積が広くなった導体
の全外周から放熱される。
【0015】また、請求項2に記載の発明においては、
すべり周波数が高い始動初期には、始動電流はスロット
の上部側に集中して、始動電流が抑制され、始動電流で
発生した導体の熱は、この導体の他側に形成され磁性体
となる側にも伝達されて、広い表面積の導体の全外周か
ら放熱されるとともに、導体の他側に形成された磁性体
によって、回転子鉄心の磁気抵抗の増加は軽減される。
すべり周波数が高い始動初期には、始動電流はスロット
の上部側に集中して、始動電流が抑制され、始動電流で
発生した導体の熱は、この導体の他側に形成され磁性体
となる側にも伝達されて、広い表面積の導体の全外周か
ら放熱されるとともに、導体の他側に形成された磁性体
によって、回転子鉄心の磁気抵抗の増加は軽減される。
【0016】さらに、請求項3に記載の発明において
は、すべり周波数が高い始動初期には、始動電流は、ス
ロットの上部側に集中して、始動電流は抑制され、始動
電流で発生した熱は、短絡環の磁性層にも伝達されて放
熱され、始動電流で発生した磁束で磁化された短絡環の
磁性層には、渦電流が発生して、一次側から見たインピ
ーダンスは増加する。
は、すべり周波数が高い始動初期には、始動電流は、ス
ロットの上部側に集中して、始動電流は抑制され、始動
電流で発生した熱は、短絡環の磁性層にも伝達されて放
熱され、始動電流で発生した磁束で磁化された短絡環の
磁性層には、渦電流が発生して、一次側から見たインピ
ーダンスは増加する。
【0017】
【実施例】以下、本発明のかご形誘導電動機の回転子の
一実施例について図面を参照して説明する。図1は、本
発明のかご形誘導電動機の回転子の一例を示す図で、従
来の技術で示した図5に対応する図、図2は、図1で示
した導体2の幅方向における固有抵抗の違いを示す説明
図である。
一実施例について図面を参照して説明する。図1は、本
発明のかご形誘導電動機の回転子の一例を示す図で、従
来の技術で示した図5に対応する図、図2は、図1で示
した導体2の幅方向における固有抵抗の違いを示す説明
図である。
【0018】図1及び図2において、従来の技術で示し
た図5と異なるところは、回転子導体2が、図2で以下
説明するように、幅方向に固有抵抗が異なる材料で構成
されていることである。
た図5と異なるところは、回転子導体2が、図2で以下
説明するように、幅方向に固有抵抗が異なる材料で構成
されていることである。
【0019】すなわち、回転子導体2は、図2(a)で
示す幅方向の左側から右側に至る間、すなわち、回転子
鉄心の周方向において、回転子導体2を構成する材料成
分比が異なっていて、左側に固有抵抗が小なる抵抗層
5、中間部に固有抵抗が右側になるに従い増加する抵抗
傾斜層7、右端には磁性を有し固有抵抗が高い高抵抗層
6となる材料を使用して形成した導体2である。
示す幅方向の左側から右側に至る間、すなわち、回転子
鉄心の周方向において、回転子導体2を構成する材料成
分比が異なっていて、左側に固有抵抗が小なる抵抗層
5、中間部に固有抵抗が右側になるに従い増加する抵抗
傾斜層7、右端には磁性を有し固有抵抗が高い高抵抗層
6となる材料を使用して形成した導体2である。
【0020】すなわち、図2(b)の折線グラフに示す
ように、左側に幅の広い低抵抗層5が形成され、この低
抵抗層5の右側には、左側から右側になるに従い固有抵
抗が直線的に急峻に増加する抵抗傾斜層7が形成され、
この抵抗傾斜層7の右側に高抵抗層6が連続的に形成さ
れている。
ように、左側に幅の広い低抵抗層5が形成され、この低
抵抗層5の右側には、左側から右側になるに従い固有抵
抗が直線的に急峻に増加する抵抗傾斜層7が形成され、
この抵抗傾斜層7の右側に高抵抗層6が連続的に形成さ
れている。
【0021】次に、このように構成されたかご形誘導電
動機の回転子の作用について説明する。図1および図2
において、始動時の回転子の滑り周波数が高い状態で
は、周知のように、回転子導体2に流れる電流の自己誘
導作用による電流の表皮効果によって、始動電流は回転
子導体2の外周側に高い密度で流れ、内周側には、低い
密度で流れる。
動機の回転子の作用について説明する。図1および図2
において、始動時の回転子の滑り周波数が高い状態で
は、周知のように、回転子導体2に流れる電流の自己誘
導作用による電流の表皮効果によって、始動電流は回転
子導体2の外周側に高い密度で流れ、内周側には、低い
密度で流れる。
【0022】したがって、回転子導体2の外周側は、見
かけ上は回転子の実効抵抗が増加することにより、高始
動トルク,低い始動電流特性で、電源系統に対する電圧
変動を考慮したかご形誘導電動機となる。
かけ上は回転子の実効抵抗が増加することにより、高始
動トルク,低い始動電流特性で、電源系統に対する電圧
変動を考慮したかご形誘導電動機となる。
【0023】さらに、右側の高抵抗層6は、最も高い固
有抵抗であり、かつ、磁性体特性を備えていることか
ら、この部分が鉄心と同等の機能を果たして、導体幅の
増加による磁気抵抗の増加を抑えている。
有抵抗であり、かつ、磁性体特性を備えていることか
ら、この部分が鉄心と同等の機能を果たして、導体幅の
増加による磁気抵抗の増加を抑えている。
【0024】さらに、本実施例では、回転子導体2の高
抵抗層6と低抵抗傾斜層7と抵抗傾斜層5を、連続形成
することにより、回転子導体2の高抵抗層6と抵抗傾斜
層7、及び低抵抗層5との相互間の熱伝導が良好とな
る。
抵抗層6と低抵抗傾斜層7と抵抗傾斜層5を、連続形成
することにより、回転子導体2の高抵抗層6と抵抗傾斜
層7、及び低抵抗層5との相互間の熱伝導が良好とな
る。
【0025】したがって、始動時における回転子導体2
の熱容量としては、高抵抗層6と抵抗傾斜層7と低抵抗
層5が一体化された状態で熱容量として利用できるの
で、回転子導体2の全体としての熱容量を上げることが
でき、短時間通電容量を上げることができる。
の熱容量としては、高抵抗層6と抵抗傾斜層7と低抵抗
層5が一体化された状態で熱容量として利用できるの
で、回転子導体2の全体としての熱容量を上げることが
でき、短時間通電容量を上げることができる。
【0026】さらに、回転子導体2の高抵抗層6と抵抗
層5との間には、抵抗傾斜層7が介在するので、始動時
に高抵抗層6と抵抗傾斜層7との間及び低抵抗層5で
は、流れる電流及び発熱量が異なるが、左、中央、右側
の導電体間に発生する熱伸びの差による応力の発生が抵
抗傾斜層7で緩和され、高始動頻度で繰り返し始動を行
う用途に使用した場合でも、回転子導体の左右の界面に
おける亀裂の発生を防ぐことができる。
層5との間には、抵抗傾斜層7が介在するので、始動時
に高抵抗層6と抵抗傾斜層7との間及び低抵抗層5で
は、流れる電流及び発熱量が異なるが、左、中央、右側
の導電体間に発生する熱伸びの差による応力の発生が抵
抗傾斜層7で緩和され、高始動頻度で繰り返し始動を行
う用途に使用した場合でも、回転子導体の左右の界面に
おける亀裂の発生を防ぐことができる。
【0027】なお、上記実施例では、深みぞ形のかご形
誘導電動機に対応して適用した例で説明したが、二重か
ご形誘導電動機でも、また、三重かご形誘導電動機にも
同様に適用することができる。
誘導電動機に対応して適用した例で説明したが、二重か
ご形誘導電動機でも、また、三重かご形誘導電動機にも
同様に適用することができる。
【0028】次に、図3は、請求項3に記載のかご形誘
導電動機の回転子の一実施例を示す部分拡大断面図で、
従来の技術で示した図5に対応する図である。図3にお
いて、図5と異なるところは、短絡環4の幅寸法及び組
成が異なることと、回転子軸に挿入される磁性材リング
が省いていることであり、以下、後述するように、短絡
環4の一部で磁性材リングの機能を兼ねている。
導電動機の回転子の一実施例を示す部分拡大断面図で、
従来の技術で示した図5に対応する図である。図3にお
いて、図5と異なるところは、短絡環4の幅寸法及び組
成が異なることと、回転子軸に挿入される磁性材リング
が省いていることであり、以下、後述するように、短絡
環4の一部で磁性材リングの機能を兼ねている。
【0029】図4は、短絡環4の組成を示す図で、図4
(a)に示すように、左側の回転子導体側には、銅の成
分が大部分で、右側に僅かに磁性材成分を含む低抵抗層
9が形成されている。
(a)に示すように、左側の回転子導体側には、銅の成
分が大部分で、右側に僅かに磁性材成分を含む低抵抗層
9が形成されている。
【0030】この低抵抗層9の右側には、図2(b)に
示すように、大部分が高透磁率の磁性を示す高抵抗層10
が形成され、低抵抗層9と高抵抗層10によって構成され
る短絡環4の軸方向の幅は、図5で示した従来の短絡環
24の約1.8 倍となっている。
示すように、大部分が高透磁率の磁性を示す高抵抗層10
が形成され、低抵抗層9と高抵抗層10によって構成され
る短絡環4の軸方向の幅は、図5で示した従来の短絡環
24の約1.8 倍となっている。
【0031】このように構成されたかご形誘導電動機の
回転子においては、すべり周波数が高い始動初期には、
始動電流はスロットの上部側に集中して、抑制されると
ともに、始動電流で発生した熱は、短絡環の磁性層にも
伝達されて放熱され、始動電流で発生した磁束で磁化さ
れた短絡環の磁性層には、渦電流が発生して、一次側か
ら見たインピーダンスは増加する。
回転子においては、すべり周波数が高い始動初期には、
始動電流はスロットの上部側に集中して、抑制されると
ともに、始動電流で発生した熱は、短絡環の磁性層にも
伝達されて放熱され、始動電流で発生した磁束で磁化さ
れた短絡環の磁性層には、渦電流が発生して、一次側か
ら見たインピーダンスは増加する。
【0032】したがって、回転子軸に磁性リングが挿入
された従来のかご形誘導電動機と同様に、高始動トルク
で始動電流を抑制することができるだけでなく、従来の
磁性リングを省くことができるので、回転子の長さを短
縮することができ、組立時間も短縮することができる。
された従来のかご形誘導電動機と同様に、高始動トルク
で始動電流を抑制することができるだけでなく、従来の
磁性リングを省くことができるので、回転子の長さを短
縮することができ、組立時間も短縮することができる。
【0033】次に、このように構成されたかご形誘導電
動機の回転子の作用について説明する。図3及び図4に
おいて、始動時の回転子の滑り周波数が高い状態では、
周知のように、導体12に流れる電流の自己誘導作用によ
る電流の表皮効果によって、始動電流は回転子導体12の
外周側に高い密度で流れ、内周側には、低い密度で流れ
る。
動機の回転子の作用について説明する。図3及び図4に
おいて、始動時の回転子の滑り周波数が高い状態では、
周知のように、導体12に流れる電流の自己誘導作用によ
る電流の表皮効果によって、始動電流は回転子導体12の
外周側に高い密度で流れ、内周側には、低い密度で流れ
る。
【0034】したがって、回転子導体12の外周側は、見
かけ上は回転子の実効抵抗が増加することにより、高始
動トルクで低い始動電流特性で、電源系統に対する電圧
変動を考慮したかご形誘導電動機となる。
かけ上は回転子の実効抵抗が増加することにより、高始
動トルクで低い始動電流特性で、電源系統に対する電圧
変動を考慮したかご形誘導電動機となる。
【0035】さらに、右側の高抵抗層9は、最も高い固
有抵抗であり、かつ、磁性体特性を備えていることか
ら、この部分が磁性材リングと同等の機能を果たしてい
る。さらに、本実施例では、短絡環4の低抵抗傾斜層9
の右間に磁気特性を備えた高抵抗層10を連続形成するこ
とにより、導体短絡環4の高抵抗層10と低抵抗層9との
相互間の熱伝導が良好となる。
有抵抗であり、かつ、磁性体特性を備えていることか
ら、この部分が磁性材リングと同等の機能を果たしてい
る。さらに、本実施例では、短絡環4の低抵抗傾斜層9
の右間に磁気特性を備えた高抵抗層10を連続形成するこ
とにより、導体短絡環4の高抵抗層10と低抵抗層9との
相互間の熱伝導が良好となる。
【0036】したがって、始動時における短絡環4の熱
容量としては、高抵抗層10と低抵抗層9が一体化された
状態で熱容量として、利用できる。さらに、短絡環4に
形成された高抵抗層10は、磁性材リングとしての機能を
果たし、従来のかご形誘導電動機の回転子に組み込まれ
た磁性材リングは不要となるので、回転子の軸方向の長
さを短縮することができるだけでなく、回転子の慣性を
減らすことができるので、始動時の過電流を更に減らす
ことができる。
容量としては、高抵抗層10と低抵抗層9が一体化された
状態で熱容量として、利用できる。さらに、短絡環4に
形成された高抵抗層10は、磁性材リングとしての機能を
果たし、従来のかご形誘導電動機の回転子に組み込まれ
た磁性材リングは不要となるので、回転子の軸方向の長
さを短縮することができるだけでなく、回転子の慣性を
減らすことができるので、始動時の過電流を更に減らす
ことができる。
【0037】
【発明の効果】以上、請求項1に記載の発明によれば、
回転子軸に挿入され複数条のスロットが外周の軸方向に
形成された回転子鉄心と、この回転子鉄心のスロットに
挿入され回転子軸と直交方向の片側から他側の抵抗率が
異なる導体を具備することで、すべり周波数が高い始動
初期の始動電流をスロットの上部側に集中させ始動電流
を抑制するとともに、始動電流で発生した導体の熱は、
この導体の他側に形成された抵抗率の大なる側にも伝達
させて、表面積の広い導体の全外周から放熱させたの
で、導体の熱容量を増やすことができ、高始動トルクで
低始動電流とすることができるかご形誘導電動機の回転
子を得ることができる。
回転子軸に挿入され複数条のスロットが外周の軸方向に
形成された回転子鉄心と、この回転子鉄心のスロットに
挿入され回転子軸と直交方向の片側から他側の抵抗率が
異なる導体を具備することで、すべり周波数が高い始動
初期の始動電流をスロットの上部側に集中させ始動電流
を抑制するとともに、始動電流で発生した導体の熱は、
この導体の他側に形成された抵抗率の大なる側にも伝達
させて、表面積の広い導体の全外周から放熱させたの
で、導体の熱容量を増やすことができ、高始動トルクで
低始動電流とすることができるかご形誘導電動機の回転
子を得ることができる。
【0038】また、請求項2に記載の発明によれば、回
転子軸に挿入され複数条のスロットが外周の軸方向に形
成された回転子鉄心と、この回転子鉄心のスロットに挿
入され回転子軸の軸と直交方向の片側から他側の抵抗率
が異なり、抵抗率が大なる側が磁性体となる導体を具備
することで、すべり周波数が高い始動初期の始動電流を
スロットの上部側に集中させて、始動電流を抑制し、始
動電流で発生した導体の熱は、この導体の他側に形成さ
れた磁性体となる側にも伝達されて、回転子鉄心の全外
周から放熱するとともに、他側に形成された磁性体によ
って、導体の磁気抵抗の増加を軽減したので、導体の熱
容量を増やすことができ、高始動トルクで低始動電流と
することができ、鉄心の磁気抵抗の増加を防ぎ、導体と
回転子の組立時間を短縮することのできるかご形誘導電
動機の回転子を得ることができる。
転子軸に挿入され複数条のスロットが外周の軸方向に形
成された回転子鉄心と、この回転子鉄心のスロットに挿
入され回転子軸の軸と直交方向の片側から他側の抵抗率
が異なり、抵抗率が大なる側が磁性体となる導体を具備
することで、すべり周波数が高い始動初期の始動電流を
スロットの上部側に集中させて、始動電流を抑制し、始
動電流で発生した導体の熱は、この導体の他側に形成さ
れた磁性体となる側にも伝達されて、回転子鉄心の全外
周から放熱するとともに、他側に形成された磁性体によ
って、導体の磁気抵抗の増加を軽減したので、導体の熱
容量を増やすことができ、高始動トルクで低始動電流と
することができ、鉄心の磁気抵抗の増加を防ぎ、導体と
回転子の組立時間を短縮することのできるかご形誘導電
動機の回転子を得ることができる。
【0039】さらに、請求項3に記載の発明によれば、
回転子軸に挿入され複数条のスロットが軸方向に形成さ
れた回転子鉄心と、この回転子鉄心のスロットに挿入さ
れた導体の両端に片面が接続され、この片面側に低抵抗
層が形成され他面側に磁性層が形成された短絡環を具備
することで、すべり周波数が高い始動初期には、始動電
流をスロットの上部側に集中させて始動電流を抑制し、
始動電流で発生する熱は、短絡環の磁性層にも伝達させ
て放熱し、始動電流で発生した磁束で短絡環に渦電流を
発生させて一次側から見たインピーダンスを増加させた
ので、回転子の導体の熱容量を増やし、高始動トルク,
低始動電流の特性で回転子の組立時間を短縮することの
できるかご形誘導電動機の回転子を得ることができる。
回転子軸に挿入され複数条のスロットが軸方向に形成さ
れた回転子鉄心と、この回転子鉄心のスロットに挿入さ
れた導体の両端に片面が接続され、この片面側に低抵抗
層が形成され他面側に磁性層が形成された短絡環を具備
することで、すべり周波数が高い始動初期には、始動電
流をスロットの上部側に集中させて始動電流を抑制し、
始動電流で発生する熱は、短絡環の磁性層にも伝達させ
て放熱し、始動電流で発生した磁束で短絡環に渦電流を
発生させて一次側から見たインピーダンスを増加させた
ので、回転子の導体の熱容量を増やし、高始動トルク,
低始動電流の特性で回転子の組立時間を短縮することの
できるかご形誘導電動機の回転子を得ることができる。
【図1】請求項1及び請求項2に記載の発明のかご形誘
導電動機の回転子の一実施例を示す部分断面図。
導電動機の回転子の一実施例を示す部分断面図。
【図2】(a)は、請求項1及び請求項2に記載の発明
のかご形誘導電動機の回転子導体の断面の説明図。
(b)は、(a)で示した回転子導体の断面の幅方向の
抵抗比を示すグラフ。
のかご形誘導電動機の回転子導体の断面の説明図。
(b)は、(a)で示した回転子導体の断面の幅方向の
抵抗比を示すグラフ。
【図3】請求項3に記載の発明のかご形誘導電動機の回
転子の軸方向の断面の一部を示す図。
転子の軸方向の断面の一部を示す図。
【図4】(a)は、図3に示した短絡環の断面の説明
図。(b)は(a)で示した短絡環の幅方向の透磁率の
相異を示すグラフ。
図。(b)は(a)で示した短絡環の幅方向の透磁率の
相異を示すグラフ。
【図5】従来のかご形誘導電動機の回転子の軸方向の断
面の一部を示す図。
面の一部を示す図。
【符号の説明】 1,11…回転子鉄心、2,12…回転子導体、3…スロッ
ト、4…短絡環、5,9…低抵抗層、6,10…高抵抗
層、7…抵抗傾斜層、8…回転子軸、
ト、4…短絡環、5,9…低抵抗層、6,10…高抵抗
層、7…抵抗傾斜層、8…回転子軸、
Claims (3)
- 【請求項1】 回転子軸に挿入され複数条のスロットが
外周の軸方向に形成された回転子鉄心と、この回転子鉄
心の前記スロットに挿入され、前記回転子軸の軸と直交
方向の片側から他側の抵抗率が異なる導体を具備したか
ご形誘導電動機の回転子。 - 【請求項2】 回転子軸に挿入され複数条のスロットが
外周の軸方向に形成された回転子鉄心と、この回転子鉄
心の前記スロットに挿入され、前記回転子軸の軸と直交
方向の片側から他側の抵抗率が異なり、抵抗率の大なる
側が磁性体となる導体を具備したかご形誘導電動機の回
転子。 - 【請求項3】 回転子軸に挿入され複数条のスロットが
軸方向に形成された回転子鉄心と、この回転子鉄心の前
記スロットに挿入された導体の両端に片面が接続され、
この片面側に低抵抗層が形成され他面側に磁性層が形成
された短絡環を具備したかご形誘導電動機の回転子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13682394A JPH089605A (ja) | 1994-06-20 | 1994-06-20 | かご形誘導電動機の回転子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13682394A JPH089605A (ja) | 1994-06-20 | 1994-06-20 | かご形誘導電動機の回転子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH089605A true JPH089605A (ja) | 1996-01-12 |
Family
ID=15184348
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13682394A Pending JPH089605A (ja) | 1994-06-20 | 1994-06-20 | かご形誘導電動機の回転子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH089605A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018060121A1 (de) * | 2016-09-30 | 2018-04-05 | Siemens Aktiengesellschaft | Ein läufer und herstellen eines läufers einer rotierenden elektrischen maschine |
-
1994
- 1994-06-20 JP JP13682394A patent/JPH089605A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018060121A1 (de) * | 2016-09-30 | 2018-04-05 | Siemens Aktiengesellschaft | Ein läufer und herstellen eines läufers einer rotierenden elektrischen maschine |
CN109804537A (zh) * | 2016-09-30 | 2019-05-24 | 西门子股份公司 | 转子和旋转电机的转子的制造 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR0139002B1 (ko) | 라미네이션 및 그를 이용한 발전기 | |
JP4098939B2 (ja) | リラクタンスモータ | |
US3335308A (en) | Dynamoelectric machine having means for reducing torque and inrush current | |
US6157102A (en) | Armature core and brush-equipped DC motor using the same | |
US3375385A (en) | Rotor means connection | |
US1708909A (en) | Rotor for induction motors | |
JPH089605A (ja) | かご形誘導電動機の回転子 | |
US3283188A (en) | Coil construction | |
US2901645A (en) | Induction motors | |
JPH10322942A (ja) | 回転電機 | |
JP2010200510A (ja) | 永久磁石式回転電機 | |
US3023330A (en) | Axial air-gap dynamoelectric machine | |
JP2002247816A (ja) | 誘導始動同期電動機 | |
HU181585B (en) | Squirrel-cage rotor | |
KR20090124025A (ko) | 농형 유도전동기의 회전자 제조 방법 | |
US1134776A (en) | Induction-motor. | |
US20020079756A1 (en) | Power generator | |
JPH07322582A (ja) | かご形誘導電動機の回転子 | |
KR100697085B1 (ko) | 모터의 회전자 | |
JPS6310660B2 (ja) | ||
JP2009268245A (ja) | 回転電機の固定子 | |
JPS5836167A (ja) | 渦電流接手 | |
US2845549A (en) | Alternating current motor | |
US2433671A (en) | Composite conductor for dynamoelectric machines | |
JPS6024661B2 (ja) | 電磁誘導連結装置 |