JPH0894510A - 匂い検出法、匂いセンサおよびその製造方法 - Google Patents

匂い検出法、匂いセンサおよびその製造方法

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JPH0894510A
JPH0894510A JP23153194A JP23153194A JPH0894510A JP H0894510 A JPH0894510 A JP H0894510A JP 23153194 A JP23153194 A JP 23153194A JP 23153194 A JP23153194 A JP 23153194A JP H0894510 A JPH0894510 A JP H0894510A
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odor
antibody
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sensor
odor sensor
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Minoru Saito
稔 斎藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 水晶振動子を用いて匂い物質を特異的に検出
する方法を提供する。 【構成】 ATカット水晶振動子の主面にラングミュア
−ブロジェット法により抗匂い物質抗体の単分子膜を一
層吸着させ匂いセンサ11を得る。この匂いセンサ11
を匂い物質雰囲気に放置する。抗匂い物質抗体に匂い物
質が抗原抗体反応により結合することで変化する水晶振
動子の周波数から匂い物質を検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、匂いの検出法、これ
に用いて好適な匂いセンサ及びこの匂いセンサの製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】匂いセンサが、防災システム、空気環境
測定、食品工業、各種工程管理、医療、健康管理などの
種々の分野で、必要とされている。ところで、匂いセン
サをより実用性の高いものとするには、検出対象の匂い
のみを特異的に検出できることが望まれる。そのための
従来技術として、例えば文献I(電子情報通信学会技術
研究報告(信学技報)、MBE88−78、p.41−
48、1988)に開示のものがあった。この従来技術
では、検出対象の匂い物質に対して強い特異性は持たな
いものの少しずつ応答特性が異なる複数種の材料を、複
数の水晶振動子の電極上に重複なく吸着させる。そし
て、これら複数の水晶振動子とニューラルネットワーク
とで匂いセンサを構成する。そして、この匂いセンサに
より匂い物質のパターンを認識し、このパターンから匂
いを検出(識別)する。上記複数種の材料として、文献
Iでは、その第43頁左欄或はTable.1に記載の
ように、ガスクロマトグラフ用の固定相に用いられる材
料を用いていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来の匂い検出法および匂いセンサでは、複数の水晶振
動子およびニューラルネットワークで匂いセンサを構成
するので、匂いセンサの構成が複雑になるという問題点
があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、この出願の第一
発明によれば、水晶振動子を利用して匂いを検出するに
当たり、匂い物質に対し特異的に結合する抗体(以下、
「所定の抗体」ともいう。)を水晶振動子に吸着させ、
該抗体に抗原抗体反応により匂い物質を結合させ、該匂
い物質の結合による前記水晶振動子の振動数変化から匂
いを検出することを特徴とする。
【0005】また、この出願の第二発明によれば、匂い
センサとして、水晶振動子に匂い物質に対し特異的に結
合する抗体を吸着させて成る匂いセンサを主張する。
【0006】また、この出願の第三発明では、第二発明
の匂いセンサの製造方法として、以下の(a)〜(d)
の各方法を主張する。
【0007】(a)匂い物質に対し特異的に結合する抗
体を水晶振動子に吸着させることをラングミュア−ブロ
ジェット法(以下、LB法ともいう。)により行う。
【0008】(b)匂い物質に対し特異的に結合する抗
体を水晶振動子に吸着させることをグルタールアルデヒ
ドと前記抗体のアミノ基との共有結合を利用して行う。
【0009】(c)匂い物質に対し特異的に結合する抗
体を水晶振動子に吸着させることをアビジンとビオチン
との特異的結合反応を利用して行なう。
【0010】(d)匂い物質に対し特異的に結合する抗
体を水晶振動子に吸着させることをストレプトアビジン
とビオチンとの特異的結合反応を利用して行なう。
【0011】ここで、用いる水晶振動子はいわゆるAT
カット水晶振動子が好適である。温度変化に対する周波
数変動が小さいため匂い検出時の温度の違いによる測定
誤差が生じにくいこと、厚みすべり振動するため匂い物
質の結合量に対する周波数変動が顕著であること、振動
子の主面に匂い物質を付着させることが可能等の利点が
得られるからである。その形状(丸板等)、大きさ、発
振周波数などは、本質的ではない。種々のATカット水
晶振動子を用い得る。また、他の切断方位の水晶振動子
も使用することができる。
【0012】
【作用】この出願の第一発明の匂い検出法によれば、水
晶振動子には、これに吸着させた抗体と抗原−抗体反応
を起す特異な匂い物質のみが、抗体を介し付着する。そ
して、その場合に水晶振動子の振動数は減少する。
【0013】また、この出願の第二発明の匂いセンサに
よれば第一発明の実施を容易にする。しかも、所定の抗
体を吸着させた1つの水晶振動子で、匂い物質の検出
(識別)が可能である。
【0014】また、LB法により水晶振動子に所定の抗
体を吸着させる上記(a)の構成の場合、抗体における
匂い物質(抗原)を識別するための部位(以下、認識部
位ともいう)がセンサ外部側になるように抗体を水晶振
動子上に配向させることができるので、匂い物質の検出
効率に優れる匂いセンサの提供が可能になる。
【0015】また、水晶振動子に所定の抗体を吸着させ
ることを、グルタールアルデヒドと抗体のアミノ基との
共有結合を利用して行う上記(b)の構成、アビジンと
ビオチンとの特異的結合反応を利用して行なう上記
(c)の構成、および、ストレプトアビジンとビオチン
との特異的結合反応を利用して行なう上記(d)の構成
いずれの場合も、上記LB法の場合に比べ、抗体の水晶
振動子への吸着強度が高まる。
【0016】
【実施例】以下、図面を参照して第一〜第三発明の各実
施例について併せて説明する。
【0017】1.第1実施例 1−1.構成の説明 まず、火災時に特徴的に発生する匂い物質であるベンズ
アルデヒドをウサギに数回注射した後、このウサギから
血清を採取する。この血清をアフィニティカラムを通し
て精製することにより抗ベンズアルデヒドIgG抗体を
得た。なおこの手法は例えば文献(「細胞の生物学」教
育社(昭和62年)p.181〜184)に記載されて
いる方法に準ずるので、その詳細な説明は省略する。
【0018】次に、得られた抗ベンズアルデヒドIgG
抗体をこの実施例では純水中に加えてLB膜形成用展開
液とした。次に、この展開液をLB法による薄膜形成装
置のサブフェーズ(ここでは純水)に添加した。そし
て、このサブフェーズ表面を圧縮することによりサブフ
ェーズ上に抗ベンズアルデヒド抗体の単分子膜を形成し
た。
【0019】このようにして形成した単分子膜は抗体分
子の持つ極性のため、該抗体におけるベンズアルデヒド
の認識部位が下方(サブフェーズ側)に向いている。な
お、この実施例では、LB膜形成用展開膜を得るための
溶媒及びサブフェーズを純水としていたが、これは一例
であり、これに限られない。
【0020】次に、予め疎水化処理した発振周波数が9
MHzのATカット水晶振動子の銀電極上に、LB法の
水平付着法により、抗ベンズアルデヒド抗体の単分子膜
を、一層移し取った。これにより、抗ベンズアルデヒド
抗体が水晶振動子上に吸着した構成で、しかもベンズア
ルデヒドの認識部位が外部側に配向した状態で吸着した
構成の、第1実施例の匂いセンサを得る。
【0021】1−2.動作および特性の説明 以上のように作製した第1実施例の匂いセンサでの、ベ
ンズアルデヒド、さらには、腐敗臭をはなつ匂い物質と
して知られているトリエチルアミン、さらに、代表的な
匂い物質であるバニリン、安息香酸、β−ヨノン、dl
−カンファー、ナフタリン、アントラセンの各種の匂い
物質に対する振動数変化(以下、発振周波数変化ともい
う)を、以下のようにそれぞれ測定した。図1は測定に
用いた系を示したブロック図である。実施例の匂いセン
サ11における水晶振動子の端子11aは発振回路13
と接続してある。発振回路13はジェネレータ(電源)
15と接続してある。発振回路13の出力端は周波数カ
ウンタ17と接続してありこの周波数カウンタ17はコ
ンピュタ19と接続してある。匂いセンサ11を測定チ
ャンバ(図示せず)内に固定する。そして、この測定チ
ャンバ内に匂い物質を注入し、匂い物質ごとでの匂いセ
ンサ11の発振周波数変化を測定する。
【0022】図2中の特性線Iは、測定チャンバ内のベ
ンズアルデヒドの濃度が100ppmとなるようにベン
ズアルデヒドを測定チャンバ内に注入した際の、第1実
施例の匂いセンサでの発振周波数の変化具合を示したも
のである。なお、図2において横軸は時間(分)であ
り、縦軸は周波数変化量(Hz)である。また、図2に
おいて下向矢印は測定チヤンバ内に匂い物質を注入した
タイミングを示している(以下の図3、図4において同
じ)。
【0023】図2から理解出来るように、第1実施例の
匂いセンサの周波数変化は、匂い物質注入時から約15
分経過した辺りでほぼ一定の値(32Hz)に達した。
また、変化した発振周波数は元に戻ることはなかった。
すなわち、この第1実施例の匂いセンサは、発振周波数
について可逆性はないものの、ベンズアルデヒドに対し
発振周波数が変化(減少)する性質を示すものであるこ
とが分かる。ここで、可逆性がない点は、この発明の匂
いセンサを例えば火災検知に用いる場合は、可逆性は特
に要求されないので、実用上何ら問題とならない。
【0024】また、この第1実施例の匂いセンサはベン
ズアルデヒド以外の上記のどの匂い物質に対しても発振
周波数の変化を起こさないものであることが分かった。
図2中に、トリエチルアミンに対するこの第1の実施例
の匂いセンサでの周波数変化の様子(周波数変化が実質
生じない様子)を特性線IIとして示している。したがっ
て、この第1実施例の匂いセンサは、火災時特有の匂い
物質であるベンズアルデヒドを特異的に検出可能なもの
であることが分かる。
【0025】2.第2実施例 2−1.構成の説明 次に、水晶振動子への抗ベンズアルデヒド抗体の吸着
を、グルタールアルデヒドと抗体のアミノ基との共有結
合を利用して行なって第2の実施例の匂いセンサを得る
例を説明する。
【0026】このため、この第2実施例では、第1実施
例で用いたと同様な水晶振動子を、1体積%アミノプロ
ピルトリエトキシシラン(チッソ社製)水溶液中に室温
で1時間浸漬する。これにより水晶振動子の銀電極上に
アミノプロピルエトキシシランが結合する。次に、この
水晶振動子を1体積%グルタールアルデヒド水溶液中に
室温で1時間浸漬する。これにより、グルタールアルデ
ヒドはアミノプロピルエトキシシランにおけるアミノ基
と共有結合を形成する。次に、この水晶振動子を、第1
実施例で得た抗ベンズアルデヒドIgG抗体を1mg含
む水溶液中に、室温で2時間浸漬する。これにより、抗
ベンズアルデヒドIgG抗体が、該抗体のアミノ基−グ
ルタールアルデヒド−シランカップリング材のアミノ基
を介し水晶振動子上に固定された第2実施例の匂いセン
サを得る。
【0027】2−2.動作および特性の説明 この第2実施例の匂いセンサを第1実施例で用いた測定
系にセットして匂い物質の検出動作を行なわせ、その
際、第1実施例と同様に発振周波数の変化を測定する。
図3中の特性線Iは、測定チャンバ内のベンズアルデヒ
ドの濃度が100ppmとなるようにベンズアルデヒド
を測定チャンバ内に注入した際の、第2実施例の匂いセ
ンサでの発振周波数の変化具合を示したものである。
【0028】図3から理解出来るように、第2実施例の
匂いセンサの周波数変化は、第1実施例の場合と同様
に、匂い物質注入時から約15分経過した辺りでほぼ一
定の値に達し、かつ、変化した発振周波数は元に戻るこ
とはなかった。ただし、発振周波数の低下の程度は第1
実施例より少なく25Hzであった。
【0029】第2実施例の匂いセンサでの匂い物質によ
る周波数変化量が第1実施例より少ない理由は、第2実
施例ではベンズアルデヒドの認識部位が水晶振動子の外
部側に必ずしも配向していないためと考える。しかし、
この第2実施例の匂いセンサは第1実施例のものに比べ
長期間安定に動作するという結果が得られている。これ
は、第2実施例の匂いセンサの場合抗ベンズアルデヒド
抗体はアミノ基とグルタールアルデヒドとの共有結合を
介し水晶振動子上に固定されているため、第1実施例に
比べ抗体の剥離が生じにくいためと考える。
【0030】また、この第2実施例の匂いセンサはベン
ズアルデヒド以外の上記のどの匂い物質に対しても発振
周波数の変化を起こさないものであることが分かった。
図3中に、トリエチルアミンに対するこの第2の実施例
の匂いセンサでの周波数変化の様子(周波数変化が実質
生じない様子)を特性図IIとして示している。したがっ
て、この第2実施例の匂いセンサの場合も第1実施例同
様、火災時特有の匂い物質であるベズアルデヒドを特異
的に検出可能なものといえる。
【0031】3.第3実施例 匂い物質に対する抗体をトリエチルアミンに対する抗体
とすること以外は実施例1と同様な手順で匂いセンサ
(第3実施例の匂いセンサ)を得る。なお、抗トリエチ
ルアミン抗体は、トリエチルアミンをウサギに数回注射
した後、このウサギから血清を採取する。この血清をア
フィニティカラムを通して精製することにより得られる
抗トリエチルアミンIgG抗体を用いている。
【0032】この第3実施例の匂いセンサを第1実施例
で用いた測定系にセットして匂い物質の検出動作を行な
わせ、その際、第1実施例と同様に発振周波数の変化を
測定する。図4中の特性線Iは、測定チャンバ内のトリ
エチルアミンの濃度が100ppmとなるようにトリエ
チルアミンを測定チャンバ内に注入した際の、第3実施
例の匂いセンサでの発振周波数の変化具合を示したもの
である。
【0033】図4から理解出来るように、第3実施例の
匂いセンサの周波数変化は、匂い物質(ただしトリオエ
チルアミン)注入時から約10分経過した辺りでほぼ一
定の値に達し、かつ、変化した発振周波数は元に戻るこ
とはなかった。ただし、発振周波数の低下の程度は29
Hzであった。
【0034】また、この第3実施例の匂いセンサはトリ
エチルアミン以外の上記のどの匂い物質に対しても発振
周波数の変化を起こさないものであることが分かった。
図4中に、ベンズアルデヒドに対するこの第3の実施例
の匂いセンサでの周波数変化の様子(周波数変化が実質
生じない様子)を特性図IIとして示している。したがっ
て、この第3実施例の匂いセンサは腐敗臭の匂い物質で
あるトリエチルアミンを特異的に検出可能なものといえ
る。
【0035】4.第4実施例 次に、水晶振動子への抗ベンズアルデヒド抗体の吸着
を、アビジンとビオチンとの特異的結合反応を利用して
行なって第4実施例の匂いセンサを得る例を説明する。
【0036】このため、第1実施例と同様に、水晶振動
子を1体積%アミノプロピルトリエトキシシラン水溶液
中に1時間浸漬し、この水晶振動子の銀電極上にアミノ
プロピルエトキシシランを結合させる。次に、この水晶
振動子を0.1mg/mlの濃度のNHS−LC−ビオ
チン((商品名)フナコシ製薬製。以下、ビオチンロン
グアームとも称する。)を含むpH8.0の重炭酸緩衝
液に浸漬することにより、ビオチンロングアームとアミ
ノプロピルトリエトキシシランとの間に共有結合を形成
する。次に、文献(ザ・ジャーナル・オブ・セル・バイ
オロジー(The Journal of Cell
Biology)Vol.93,pp.981−986
(1982))に記載されているヴァーノン(Vern
on)の方法を用いてアビジンとしてのこの場合アビジ
ンD((商品名)フナコシ製薬製)を結合させた抗ベン
ズアルデヒド抗体を1mg含む100ml水溶液中に、
上記水晶振動子(ビオチンロングアームを有しているも
の)を、2時間浸漬する。この間にビオチンとアビジン
とが特異的結合反応をする。
【0037】以上の工程を経て、水晶振動子の表面に抗
ベンズアルデヒド抗体を固定して作製した第4実施例の
匂いセンサを得た。
【0038】この第4実施例の匂いセンサを第1実施例
で用いた測定系にセットして匂い物質の検出動作を行な
わせ、その際、第1実施例と同様に発振周波数の変化を
測定する。その結果、ベンズアルデヒドに対しては、第
2実施例と同程度の25Hzの発振周波数の低下が見ら
れた。また、この第4実施例の匂いセンサはベンズアル
デヒド以外の上記のどの匂い物質に対しても発振周波数
の変化を起こさないものであることが分かった。
【0039】なお、水晶振動子への抗ベンズアルデヒド
抗体の吸着を、ストレプトアビジンとビオチンとの特異
的結合反応を利用して行なって作製した匂いセンサも、
匂い物質に対し、上記第4実施例の匂いセンサと同様な
応答特性を示すことが分かった。この場合の匂いセンサ
の製造に当たっては、上記第4実施例にて説明した製法
においてアビジンの代わりにストレプトアビジンを用い
るようにすれば良い。
【0040】
【発明の効果】上述した説明からも明らかなように、こ
の出願の第一発明の匂い検出法によれば、匂い物質に対
し特異的に結合する抗体を水晶振動子に吸着させ、該抗
体に抗原抗体反応により匂い物質を結合させ、該匂い物
質の結合による前記水晶振動子の振動数変化から匂いを
検出する。また、この出願の第二発明によれば、水晶振
動子に匂い物質に対し特異的に結合する抗体を吸着させ
て匂いセンサを構成する。このため、これら第一および
第二発明によれば、1つの水晶振動子で検出対象の匂い
を検出できるので簡易な構成の匂いセンサが得られる。
また、この出願の第三発明においてLB法を用いる構成
によれば、第二発明の匂いセンサであって匂い物質の検
出効率の良い匂いセンサが得られる。また、この出願の
第三発明において、グルタールアルデヒドとアミノ基と
の共有結合を利用する構成、アビジンとビオチンとの特
異的結合反応を利用する構成、ストレプトアビジンとビ
オチンとの特異的結合反応を利用する構成いずれの場合
も、上記LB法の場合に比べ、抗体の水晶振動子への吸
着強度が高まるので、第二発明の匂いセンサであって長
期間安定動作する匂いセンサが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】匂い物質の検出実験に用いた測定系の説明に供
するブロック図である。
【図2】第1実施例の説明図であり、第1実施例の匂い
センサのベンズアルデヒドおよびトリエチルアミンそれ
ぞれに対する応答特性を示した図である。
【図3】第2実施例の説明図であり、第2実施例の匂い
センサのベンズアルデヒドおよびトリエチルアミンそれ
ぞれに対する応答特性を示した図である。
【図4】第3実施例の説明図であり、第3実施例の匂い
センサのベンズアルデヒドおよびトリエチルアミンそれ
ぞれに対する応答特性を示した図である。
【符号の説明】
11:実施例の匂いセンサ 11a:水晶振動子の端子 13:発振回路 15:ジェネレータ 17:周波数カウンタ 19:コンピュータ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水晶振動子を利用して匂いを検出するに
    当たり、 匂い物質に対し特異的に結合する抗体を水晶振動子に吸
    着させ、該抗体に抗原抗体反応により匂い物質を結合さ
    せ、該匂い物質の結合による前記水晶振動子の振動数変
    化から匂いを検出することを特徴とする匂い検出法。
  2. 【請求項2】 水晶振動子に匂い物質に対し特異的に結
    合する抗体を吸着させて成ることを特徴とする匂いセン
    サ。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の匂いセンサを製造する
    に当たり、 水晶振動子に前記抗体を吸着させることを、ラングミュ
    ア−ブロジェット法により行うことを特徴とする匂いセ
    ンサの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の匂いセンサを製造する
    に当たり、 水晶振動子に前記抗体を吸着させることを、グルタール
    アルデヒドと前記抗体のアミノ基との共有結合を利用し
    て行うことを特徴とする匂いセンサの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項2に記載の匂いセンサを製造する
    に当たり、 水晶振動子に前記抗体を吸着させることを、アビジンと
    ビオチンとの特異的結合反応を利用して行なうことを特
    徴とする匂いセンサの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項2に記載の匂いセンサを製造する
    に当たり、 水晶振動子に前記抗体を吸着させることを、ストレプト
    アビジンとビオチンとの特異的結合反応を利用して行な
    うことを特徴とする匂いセンサの製造方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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