JP3895379B2 - 液体培地中の分析物の測定 - Google Patents
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Description
本発明は、一般に、バイオセンサーの分野に関し、液体媒体、特に水性媒体中の分析物の存在、及び任意にその濃度の管理に有効なセンサーに関する。本発明は、このような電極並びにこれらの使用及びこれらを具備したシステムに関する。
従来技術
以下の説明において、幾つかの従来技術の資料となるであろう参照文献を以下の参照文献の欄にあげる。これらの参照文献は、このリストからこれらの番号を示して参照する。
参照文献
この明細書中での上記参照文献の記載は、これらの参照文献が、何れにおいても、添付の請求の範囲で定義した本発明の特許性の結論に関連することを意味するものではない。
発明の背景
抗原−抗体結合相互作用の特異性及び低分子物質に対するモノクローナル抗体を導出する場合の技術的進歩は、臨床診断、食糧管理及び環境汚染物質に対する鋭敏な免疫センサー装置をデザインする土壌を提供する。最も広範囲に開発されている免疫センサー分析には、放射性同位体抗原/Abラベル及び酵素結合された免疫吸着アッセイ(ELISA)(1)が含まれる。
結合又は吸収現象の結果としての、圧電性結晶の振動周波数変化と該結晶の質量変化(mass variation)との間の直線関係の発見は、質量測定で抗原−抗体結合現象をモニターする可能性を開いた。結晶における圧電性結晶の振動数変化、Δf、及び質量変化、Δm、の間の数学的関係は以下のSauerbrey式によって与えられる。
Δf=−2.3×106f0 2・Δm/A
但し、f0は質量変化前の結晶の基本共鳴振動数であり、Aは供与された塊体の表面積である。
例えば、9MHzの基本振動数及び1cm2の表面積を示す結晶に対しては、1×10-9gに対応する結晶の質量変化は、6Hzの振動数変化、Δf、を刺激するであろう。
抗原−抗体(Ag−Ab)相互作用に関連した圧電結晶の最初の分析への使用は1972年(2)に報告されている。この報告では、ニーバー(nyeber)でプレコートされた結晶を、疎水性相互作用を介してウシ血清アルブミン(BSA)で更にコートし、BSA−Abの結晶への結合を振動数の変化でモニターした。この時以来、圧電手段又は水晶結晶板微量天秤(QCM)による抗原及び抗体の圧電検出が、一連の分析の研究で採用されている。この領域での進歩は、Suleimanら、1994年(3)、及びWardら、1990年(4)に概説されている。QCM装置上記の抗体の固定化はGeddesら(18)により開示されている。
幾つかの特許に抗原及び抗体の分析のためのQCMの応用が開示されている。抗原の結晶への物理的吸着が、分析物である抗原と予め決定された量のAbの混合物と結晶を相互作用させることによって抗原を検出する手段として使用された(5)。抗原の濃度の減少は、サンプル内の抗原の濃度に反比例する。Rice(6,7)による2つの特許において、QCMによるAbの測定方法が開示された。抗原は、ポリマーを予めコートした結晶上に固定化され、Ab結合の結果としての振動数の変化がサンプル内の分析物であるAbの濃度に関係づけられた。この方法によって、ヒトIgG抗原であるミツバチ毒液、ホスホリパーゼA、及びキーホールリンペットヘモシアニンを分析した(6)。しかし、結晶への非特異的結合が分析を妨害した。引き続いての特許(7)で、Ab−低分子量分析物の抗−Ab及び競争結合アッセイを用いる、予めコートされた結晶による低分子量成分の検出が開示された。これらの分析の全てが、溶液中での結晶の処理、及び引き続きの空気中での振動数の測定によって行われた。この溶液/ガス二段階手順は、共振するQCMの感度を改善させたが、技術的な複雑さ及び振動数パラメータに反映される水和/脱水現象による妨害をもたらした。Wardら(15)及びEbersoleら(17)は、QCMアッセイを開示している。この開示では、分析物が補足剤に結合された後に該分析物に結合された複合体を含有する酵素を使用して感度が高められている。ここで、酵素は、基質が生成物に変換され、QCM上に吸収された生成物がQCMの質量を増加させ、これが共鳴振動数の変化をもたらす。Ebersoleら(16)は、ポリマーを使用する方法であって、分析物の存在下でその質量を変化する方法、例えばH+イオン(pHとして供される)センサーを開示する。
液層で圧電的な免疫アッセイをすることには、これが定常性及び水性サンプルのフロー分析を可能にするので重要な技術的利点がある。しかし、この方法は、溶液の粘度の結果として、結晶の振動数の変化が実質的により低いことによる基本的な物理的制限を有している。溶液中でのQCM免疫アッセイは、Roederer(8)によって報告され、引き続きの特許(9)において扱われた。水晶結晶板は、グリシドオキシプロピルトリメトキシシラン(GOPS)で修飾され、次いで表面の修飾されたこの結晶を更に抗−ヒトIgG抗体で修飾し、次いでヒトIgGの圧電的検出に応用された。この装置の検出限界は13μg・ml-1であると決定された。密接に関連したアプローチがMuramatsu(10)らによって採用されている。このアプローチは、水晶結晶板をγ−アミノプロピルトリエトキシシランで表面修飾し、更にプロテインAで誘導体化させた。この表面を修飾した結晶を、次に10-6〜10-2mg・ml-1の濃度範囲のヒトIgGの測定に応用した。関連する特許には、ポリアミド6ポリマーコーティング及び抗−チロキシンAbを検出インターフェースに使用したチロキシンの圧電分析が開示された(11)。
微生物細胞のような高分子量抗原は、抗体でコートされた水晶結晶板を用いて扱われた。1×106から5×108細胞・ml-1の範囲のC.albicans細胞を抗−Candida albicansAb表面(12)で分析し、E. Coliを抗−E. Coliインターフェース(13)で分析し、プロテインAでコートされた結晶を、Salmonella、Shigella、Yersinia及びE. Coliを含む種々のバクテリア用の圧電検出インターフェースとして作用させた(14)。
分子の基質への光調節された結合に対して光異性化物質を使用することは、Willnerら(19)によって開示されている。可逆的な電流滴定免疫センサーにおけるこの特徴の応用がWillnerら(20)によって開示されている。
圧電装置を使用した方法は、Ab−Ag、糖−レクチン、ビオチン−アビジン等のような認識対の2つの要素間の相互作用を、標識を必要とせずに免疫化学的に検出することを可能にし、従来の放射性標識された分析及び酵素標識された分析に競争しうる分析ツールを提供する。
本発明の一般的説明
本発明の目的は、液体媒体中の分析物の存在、及び任意にその濃度を決定するための方法であって、分析物が認識対の要素である方法を提供することにある。
本発明のある態様に従えば、更なる目的は、上記方法を実行するためのシステムを提供することである。
本発明の更なる目的は、上記システム及び方法で使用するための電極を提供することである。
本発明の更なる目的は、このような電極の調製方法を提供することである。
本発明は、圧電結晶を使用し、その共鳴振動数の変化を測定することによって該結晶に結合された塊体の変化を測定する。以下において、「Δf応答(Δfresponse)」の語は、電極への塊体の結合又は電極からの塊体の遊離の結果として電極の振動数の変化を意味するのに使用されるであろう。
本発明によれば、新規なシステム及び該システムで使用する電極が提供される。本発明に従ったシステムは、Δf応答によって、液体媒体中の分析物の存在、及び任意にその濃度を決定することができる。分析物は、分子の対又は分子の錯体の要素であり、これらは非共有結合的手法でお互いに特異的に結合されうる。このような分子の対は、本明細書では「認識対(recognition pair)」と称する。認識対は、例えば、抗原−抗体、リガンド−受容体、糖−レクチン、ビオチン−アビジン、酵素−基質、オリゴヌクレオチド−相補的配列を有するオリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオチド−タンパク質、オリゴヌクレオチド−細胞等よりなりうる。
以下の説明において、「測定(determination)」又は「測定する(determine)」の語は、結合の定性的及び定量的測定の両方を意味するのに使用されるであろう。例えば、以下で定義する方法及びシステムが、液体媒体中の分析物を測定するのに使用される場合、これは、該媒体中の分析物の存在、及び任意にその濃度を測定することを意味する。言い換えれば、Δf応答は、媒体中の分析物の存在に対しては定性的尺度として使用され、Δfの大きさは試験された媒体中の分析物の量の尺度として使用されるであろう。
先にすでに使用されており、以下においても更に使用されるであろう「分析物」の語は、液体媒体中で測定される未知物質を意味する。
本発明は幾つかの側面を有する。このような側面の1つは、認識対の2つの要素間の結合を測定するためのシステム(「システムの側面」)に関係し、別のこのような側面は、このような結合を測定するための方法であって、媒体中の分析物を試験するために使用されうる方法(「方法の側面」)に関連し、更なる側面は、上記システム及び方法に使用するためのプローブ(「プローブの側面)」に関連し、更なる側面は、このようなプローブの調製方法(「プロセスの側面」)に関連する。
本発明のシステムの側面に従えば、認識対の2つの要素間の結合を測定するための装置であって、
(a)圧電結晶、該結晶の2つの向かい合っている面上の電極、及び前記結晶の表面に保持された1以上の金属プレートを具備したプローブであり、前記金属プレートが前記電極と同じであるか、又は異なっており、該金属プレートが認識対の第1の要素をこれら上に固定化し、第1の要素への該認識対の第2の要素の結合、又は2つの要素間の解離及びプローブからの第2の要素の遊離が、該プローブの共鳴振動数の変化を生じる質量の変化を起こすこと、
(b)液体を保持するための容器であり、該プローブが該溶液に浸され、
− 第1の固定化された要素及び該液体中に溶解された第2の要素間の結合、又は
− 前記第1の要素に先験的に結合された第2の要素の前記液体への遊離の何れかを許容すること、及び
(c)前記電極の間に交流電場(alternating electric field)を生じ、前記結晶の共鳴振動数を測定するための電気又は電子回路要素
を具備するシステムが提供される。
本発明の方法の側面の態様に従えば、認識対の第1の要素と認識対の第2の要素の間の結合を測定する方法であって、該第2の要素が先験的に液体媒体中に含有され、
(a)圧電結晶、該結晶の2つの向かい合った面上の電極を具備し、前記結晶の表面に保持された1以上の金属プレートを具備したプローブを提供し、前記プレートが前記電極と同じであるか、又は異なっており、該認識対の第1の要素が前記プレート上に固定化されていること、
(b)該プローブの最初の共鳴振動数を測定すること、
(c)前記プローブを前記第2の要素を含有する液体媒体と、該2つの要素間の結合を可能にするのに十分な時間接触させること、及び
(d)第2の共鳴振動数、即ち該液体媒体中の前記第2の要素の存在を指示する最初の共鳴振動数に比較してより低い第2の共鳴振動数を測定すること、を具備した方法が提供される。
方法の側面の他の態様によれば、液体媒体中の分析物の測定方法であって、
(a)圧電結晶を具備したプローブ、該プローブの2つの向かい合った面上の電極、及び前記結晶の表面に保持された1以上の金属プレートを具備したプローブを提供し、前記金属プレートが前記電極と同じであるか、又は異なっており、該金属プレートが認識対の第1の要素をこれら上に固定化し、前記対の第2の要素が前記第1の要素に非共有結合で結合され、前記第2の要素が前記分析物に結合することができ、前記第2の要素と前記分析物との間の結合が、前記第2の要素の前記固定化された要素への結合に競争すること、
(b)該プローブの最初の共鳴振動数を測定すること、
(c)前記液体媒体と前記プローブを、前記分析物の存在下で、少なくとも一部の前記第2の要素が該電極から遊離され、前記分析物に結合するような条件下及び時間接触すること、
(d)第2の共鳴振動数、即ち、前記媒体中の前記分析物の存在を指示する最初の共鳴振動数と比較してより高い第2の共鳴振動数を測定すること、
を具備した方法が提供される。
方法の側面の更なる態様によれば、液体媒体中の分析物を測定する方法であって、
(a)圧電結晶、該結晶の2つの向かい合った面上の電極を具備し、前記結晶の表面に保持された1以上の金属プレートを具備するプローブを提供し、前記金属プレートが、前記電極と同じであるか、又は異なっており、前記金属プレートが認識対の第1の要素をこれら上に固定化し、第2の要素を含有する対が前記分析物に結合することができ、前記第2の要素と前記分析物の間の結合が前記第2の要素の前記固定化された要素への結合と競争すること、
(b)該プローブの最初の共鳴振動数を測定すること、
(c)前記第2の要素を含有する溶液と前記液体媒体とを混合し、該媒体中の前記分析物の存在が前記第2の要素のこれらへの結合を起こさせること、
(d)ステップ(c)で得られた混合物を前記プローブと、前記第2の要素を該固定化された第1の要素へ結合させるのに十分な時間接触させること、及び
(e)該プローブの第2の共鳴振動数、即ち、液体媒体中の前記分析物の存在を指示する最初の振動数よりも低い第2の共鳴振動数を測定すること(相対的に大きな共鳴振動数の減少は該液体媒体中で分析物の量が全くないか、又は小さいことを意味し、共鳴振動数の減少が全くないか、小さい場合は、体液対媒体中の分析物の量が相対的に大きいことを意味する。)。
を具備した方法が提供される。
本発明のプローブの側面によれば、上記方法及びシステムで使用するためのプローブが提供される。該プローブは、圧電結晶を具備し、該結晶の2つの向かい合った面に電極を有し、前記結晶の表面に保持された1以上の金属プレートを有し、前記金属プレートは、前記電極と同じであるか、又は異なっており、該金属プレートは認識対の第1の要素をこれら上に固定化している。
圧電結晶を振動させ、最終的に共鳴振動数に到達させるためには、該圧電結晶は交流電場にかけられなければならない。本発明に従って使用される圧電結晶は、典型的には、プレート又はディスク状の平面結晶であり、交流電場を供給する電極は、典型的には、該結晶の向かい合った面に取り付けられた平面状金属である。認識対の固定化された要素を有するプレートは、好ましくは、該平面電極と同じである。言い換えれば、該電極は、交流電場の供給のため、及び前記第1の要素を固定化するために設けられる。
分析物がプローブに固定化された第1の要素に結合されることによって直接に測定される本発明に従った態様を本明細書では「直接的態様」と称する。直接的態様は、測定されうる分析物が認識対の第2の要素である態様である。先に定義した第2及び第3のような、分析物の存在が間接的に測定される本発明に従った態様、即ち本質的に測定されるものが第2の要素の消耗である態様は、本明細書では「間接的態様」と称する。
直接的態様に従った方法は、特に、第2の要素が相対的に大きな分子又は分子の錯体である場合であって、固定化された要素へのこれらの結合がかなりの質量の変化を起こす場合に実行されうる。分析物が小さな分子である場合、このような分析物のプローブへの結合が非常に小さな質量の変化のみを起こすであろうから、通常間接的態様によって本発明を実行することが好ましい。このような場合に、第2の要素は、典型的には、大きな分子、例えば前記分析物に結合親和性を有する抗体であろう。
本発明の直接的態様の例は、生物学的サンプル内の抗体の測定であり、この場合、電極は、前記抗体が特異的に結合する抗体をこれに固定化しており、或いは、蛋白質抗原を電極の使用によって測定する場合、抗−抗原抗体を電極上に固定化する。
間接的態様によれば、固定化された要素は、固定化された分析物分子、又は前記分析物と同様な前記第2の要素への結合特異性を有する分子でありうる。好ましくは、固定化された分析物分子は、該分析物よりも前記第2の要素に対して低い結合親和性を有し、分析物の存在下で前記第2の要素の効果的な消耗を可能にする。
間接的態様の例は、試験される生物学的サンプル内の同一又は関連した抗原を測定するために、固定化された抗原を使用することである。この特別な例によれば、生物学的サンプル、例えば血漿サンプルを、まず抗原に特異的に結合する抗体を含有する試薬溶液と反応させる。結合させた後、遊離の(結合されていない)抗体の濃度はより低くなる。所定のインキュベーション段階に続いて、プローブ上に固定化された抗原を有するプローブ(この場合、固定化された抗原は前記の固定化された要素である。)を反応溶液で処理し、次いで遊離の抗体の測定を試験される生物学的サンプル内の前記抗体の指針として供する。当業者により疑いなく認識されているように、前記遊離抗体の濃度は、試験サンプルの抗原の濃度と正反対の関係を有するであろう。
更にまた、認識されているように、抗原以外の試験される生物学的サンプル内の抗体を、同様の方法で、必要な変更を施して測定しうる。
分析物は、時として、ガス、例えば種々の空気で運ばれる化学物質に懸濁又は溶解された分子でもありうる。このような場合、分析物を含有する懸濁されたガスを、まず分析物を溶解しうる適切な液体に通し(例えば、「バブリング」する。)、次にこの液体を、これら内の分析物の存在に対して試験する。明らかに、ガス状化学物質は、典型的には小さな分子であるので、このような分析物の測定は間接的態様で行われることが好ましい。
しばしば、感度を上げるために、液体内でΔf応答を測定する以外に、プローブをまず乾燥させ、次いでガス中又は真空中に固定化されたプローブを用いてΔfの測定を行う。
第1の要素が、プローブの金属プレート上に固定化されている認識対は、例えば、抗原−抗体、糖−レクチン、リガンド−受容体、ビオチン−アビジン、酵素−基質、オリゴヌクレオチド−相補的オリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオチド−蛋白質、及びオリゴヌクレオチド−細胞であり、一般的には、お互いに特異的結合親和性を有する分子の何れかの対でありうる。
第2の要素の固定化された第1の要素への結合又は2つの要素の解離、及びプローブからの第2の要素の遊離の結果として、質量の変化を起こし、次いで共鳴振動数の変化(即ち、Δf応答)を起こす。Δf応答の程度は、前記第2の要素の結合又は遊離の程度に相関し、電極の周りの試験液体中の前記分析物の濃度に依存する。従って、共鳴振動数の変化の程度は、本発明の好ましい態様に従えば、該媒体中の前記分析物の濃度の指針として使用されうる。
前記の固定化された要素を保持する金属プレートは、種々の金属、特にこのような金属は、硫黄を含有する部分と化学的に結合するか、接着するか、又は化学吸着する能力を有するものから選択される。好ましくは、金属プレートは金、白金、銀又は銅のような金属で作られるか、又はこのような金属でコーティングされる。
固定化された要素は、好ましくは結合基によって金属プレート表面に固定化される。該結合基は、下記一般式(I)を有しうる。
Z−R1−Q (I)
但し、
Zは、前記金属上への化学的結合、接着、又は化学吸着の可能性のある硫黄を含有する部分を表す。
R1は、連結基を表す。
Qは、前記認識対の第1の要素の部分に共有結合を形成しうる官能基である。
Zは、チオール基、ジスルフィド基、スルホネート基又はサルフェート基から得られる、例えば硫黄原子でありうる。
R1は、共有結合でありうるか、又はペプチド若しくはポリペプチドでありうるか、又はアルキレン、アルケニレン、アルキニレンフェニルを含有する鎖、又は多くの他の基のような広範囲の適切な基から選択されうる。
R1の個々の例は、化学結合又は下式(IIa)、(IIb)、(IIc)又は(IId)を有する基である。
但し、
R2又はR3は同じであっても異なっていてもよく、1〜16の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖のアルキレン、アルケニレン、アルキニレンを表すか、又は共有結合を表す。
A及びBは同じであっても異なっていてもよく、O又はSを表す。
Phは、例えばSO3 -又はアルキル基よりなる群から選択される1以上の要素によって任意に置換されたフェニル基である。
Qは、アミノ基のような認識対の要素のカルボキシル残基に結合しうる官能基、認識対の要素のアミン残基に結合しうるカルボキシル基;認識対の要素のアミン残基に結合しうるイソシアネート又はイソチオシアネート基又はアシル基;又は蛋白質又はポリペプチドのヒドロキシ残基に結合しうるハライド基でありうる。個々の例は、−NH2−COOH基;−N=C=S基;N=C=O基;又は式−Ra−CO−Gを有するアシル基であって、GがClのようなハロゲン又はOH、ORb、
であり、Ra及びRbは独立に、C1−C12アルケニル、アルケニル又は例えばハロゲンによって任意に置換されたフェニル含有鎖であるものである。
このような結合基の個々の例は、下式を有する、システアミン(III)、シスタミン(IV)、システイン酸N−ヒドロキシ琥珀酸イミドエステル(V)である。
但し、n及びmは1〜24の間、好ましくは1〜12の間、最も好ましくは1〜6の間の整数である。
本発明の方法の感度は、分子、部分、又は錯体であって、前記第2の要素と錯体形成、又はこれと結合されるものの使用によって高められる。このような感度を高める部分、分子又は錯体を本明細書中で「増幅基(amplifier group)」と称する。該増幅基は、前記第2の要素と結合親和性を有する分子又は錯体である。このような増幅基は、該増幅基が固定化された要素に結合された後、又はこのような結合の前に前記第2の要素との結合を形成しうる。前記第2の要素への該増幅基の結合又は錯体形成は、前記第2の要素の結合、又は前記第2の要素の解離及び遊離の結果として、場合により質量の変化を増加させ、結果的により顕著なΔf応答が存在し、これによって感度が増加するであろう。
上記の方法でシステムの感度を増加させることによって、プローブへのわずかな第2の要素の分子のみが結合又は遊離した後でさえも、Δf応答を測定することができる。
結合対を形成する2つの要素の互いへの結合は、典型的には、高親和性結合である。即ち、2つの要素はお互いに容易には解離せず、適当な洗浄の後でさえも第2の要素がまだ実質的に第1の固定化された要素に結合されたままでありうる。更なる測定に該プローブを再利用するためには、固定化された要素から第2の要素を解離すること、及びシステムからこれを除去することが必要である。本発明のある態様に従えば、解離は、2つの異性化状態を有する固定化された要素に結合され、2つの異なったタイプのエネルギーにさらすことによってその2つの状態間を可逆的に切り換えることができる基(「異性化可能な基」)によって達成される。このような異性化可能な基は、典型的には、第1及び第2の異性化状態を有し、一方の状態から他方の状態への可逆的切り換え(このような各切り換えは異なったエネルギータイプで達成される。)によって、前記分析物への固定化された要素の親和性の結合に変化を起こさせるであろう固定化された要素のコンホーメーションの変化を起こすであろう。このようなコンホーメーションの変化は、例えば、結合部位の閉鎖、又は第2の要素への固定化された要素の結合親和性の減少を起こすであろう結合部位内のコンホーメーションの変化でありうる。このような親和性の減少、又はその逆は、親和性の高い状態から親和性の低い状態への変化又は切り換えとして、又はこの逆として定義されうる。第1の状態では、固定化された要素は、第2の要素への結合に対して高親和性を有し、測定を行った後に、プローブは、前記異性化可能な基が第2の状態に切り換えられ、その結果として前記第2の要素が固定化された要素から解離されるように処理されるであろう。前記分析物をシステムから除去した後、典型的には、軽い洗浄及び該洗浄液の洗浄除去によって、該プローブを、前記異性化可能な基が前記第1の状態に戻るように切り換えられ、これによって該プローブが再使用のために準備されるように更に処理されるであろう。
2つの状態間の切り換えは。赤外、可視又は紫外領域内の適切な波長の光にさらすことによって達成される。反応性の異性化可能な基は、第1の波長で光エネルギーにさらすことによって前記第1の状態から前記第2の状態へ切り換えられ、第1の波長とは異なった第2の波長にさらすことによって前記第1の状態から第2の状態に切り換えられる。一方の切り換えを穏和な熱処理によって達成することも可能である。
このように、本発明のある態様に従えば、認識対の固定化された要素は、光エネルギーへの露光に反応性の異性化可能な基を有するか、又はこれらに結合される。前記基は、第1及び第2の状態を有し、第1の波長の光の照射にさらすことによって第1の状態から第2の状態へ変換され、第2の波長の光の照射にさらすことによって、第2の状態から第1の状態へ変換されうる。該露光は、前記第2の要素へ結合するための固定化された要素の親和性に変化をもたらし、これによって第1の状態において前記固定化された要素が前記第2の要素に対して高い結合親和性を有し、その結果、前記第2の要素は本質的に該固定化された要素に結合されたままとなり、前記第2の状態では前記固定化された要素は前記第2の要素に対して低い親和性を有し、その結果、結合された前記第2の要素が容易に解離される。
本発明の他の態様によれば、第1の状態から第2の状態への前記切り換えは、光エネルギーにさらすことにより起こるが、前記第2の状態から前記第1の状態への切り換えは穏和な熱処理によって起こる。
本発明のプロセスの側面によれば、上記方法及びシステムに使用するためのプローブを調製する方法であって、
(a)前記結合基を、硫黄を含有する部分(Z)の化学的に関連した結合(chamical association attachment)又は化学吸着によりプレート上に固定すること、及び
(b)前記官能基(Q)に固定化される認識対の要素を結合すること
を具備した方法を提供する。
ステップ(a)及び(b)はまた、固定化が結合の前に起こるように逆にされうる。
本発明のプロセスの側面は、異性化可能な基に結合された固定化された要素を有するプローブを調製する方法であって、該方法が、
(a)硫黄を含有する部分の化学結合又は化学吸着により前記プレート上に前記結合基を固定化すること、
(b)光異性化可能な基で前記認識対の要素を化学的に修飾し、これによって修飾された要素がエネルギーにさらされることによって該認識対の他の要素に対するその結合親和性を変化すること、及び
(c)該認識対の修飾された要素を、電極上に固定化された結合基の前記官能基に結合すること
を具備した方法を提供する。
ステップ(b)及び(c)は、異性化可能な基が電極に固定化された後にこれが認識対の要素に結合されるように逆にされ、ステップ(a)及び(b)もそのようにされうる。
本発明は、添付した図面をしばしば参照して、以下の幾つかの特別な態様の説明で例示されるが、前述の一般性を損なうものではない。
【図面の簡単な説明】
図1は、抗体分析のためのQCMの概要を表す。
図2は、抗原単層で修飾され、Abで飽和されたQCMによる抗原のQCM分析のための概要を示す。
図3は、分析物抗原及び一定の予め決められたAb濃度よりなる混合物で抗原単層QCMプローブを処理することによる抗原のQCM分析のための概要を示す。
図4は、抗−Ab又は抗−Ab複合体の適用によるAbの増幅されたQCM分析のための概要を示す。
図5は、QCM単層電極からのAb−複合体錯体の離脱による抗原QCM分析の増幅を示す。
図6は、Ab−複合体錯体の可能な配置を示す。
図7は、抗原単層QCM−プローブを、抗原分析物、及び固定化させ、予め決められた濃度のAb−複合体錯体よりなる混合物で処理することによる抗原QCM−分析の増幅を示す。
図8は、光異性化による検出要素の再生を示す。
図9は、光異性化可能な基の式、及び光誘導及び熱誘導されるコンホーメーションの変化の幾つかの例を示す。
図10は、QCM金(Au)電極上でのシスタミン単層の構築を示す。
図11は、シスタミン単層の形成のQCM−分析を示す。
図12は、グルタルジアルデヒドによるQCM単層電極の活性化を示す。
図13は、グルタルジアルデヒド単層形成のQCM−分析を示す。
図14は、QCMAu−電極上でのHIV−1抗原ペプチドの構築を示す。
図15は、3000−タイター血清のHIV−1AbのQCM分析を示す。
図16は、HIV−1抗原電極によるヤギ血清(タイター80)のQCM−分析を示す。
図17は、ジニトロフェニル単層QCM電極の構築を示す。
図18は、ニジトロフェニル抗原単層QCM電極による抗−DNP−AbのQCM分析を示す。
図19は、フルオレセイン抗原単層QCM−電極の構築を示す。
図20は、抗原−DNP−Ab単層電極からのDNP−Abの離脱による、2,4−ジニトロフェノール、1.4×10-7g・ml-1のQCM分析を示す。
図21は、QCM−電極上でのジニトロフェニル抗原−DNP−ビオチン−アビジン複合体錯体の組立を示す。
図22は、QCM電極に結合されたジニトロフェニル抗原−DNP−ビオチン−アビジン複合体錯体の置換による2,4−ジニトロフェノール(DNP)を含有するサンプル溶液のQCM分析の概要を示す。
図23は、2.7×10-8g・ml-1のDNPにさらした後のず22のシステムにおけるΔf応答を示す。
発明の詳細な説明
本発明は、幾つかの特別な例によって例示される。これらは例示としてのみ与えられ、本発明をこれらに制限しないことが理解される。
まず、直接的態様に従った本発明を実行する手段を概略的に示した図1を参照する。一般に2で表されるプローブは、圧電結晶4及び2つの金電極6(簡略化のため、一方の電極のみを概略的に示したが、もう一つの電極は、結晶の向かい合った面に位置する。)を具備する。認識対の要素である複数の抗原8を該電極上に固定する。該対は、これらの抗原及び抗体10よりなり、後者が測定される分析物である。電極6、並びに以下に示され説明される他の態様での対応する電極を、この対電極6間に交流を発生させ、電極の共鳴振動数を測定するための電気的又は電子的回路要素(図示せず)に接続する。
分析物を測定する前に、検出要素の最初の共鳴振動数を測定する(f0)。次に、プローブ2を、抗体10を接触する液体で処理し、該抗体が、液体中に存在すれば、固定化された抗原8に結合する。
結果として、質量の変化と、付随した共鳴振動数の変化、Δf、が起こる。Δfは、結合された抗体の質量に比例し、これは試験された液体媒体中の抗体の初期濃度にも比例する。
必要な変更を加えた同様な方法で、電極の表面に固定された抗体を有することによって、特に、抗原が相対的に大きな分子、例えば蛋白質である場合に、液体媒体中の抗原の濃度を決定することができる。
次に、図2を参照して、間接的態様に従って本発明を行う方法を示す。この態様のプローブ12は、金電極16を有する圧電結晶14を具備し、これに抗原18を固定化している(上述と同様に、電極は電流を流し、共鳴振動数を測定するための電気的又は電子的回路要素に接続される。)。第1ステップ(A)では、検出要素を、固定化された抗原に結合させる大量の抗体20を含有する媒体と接触させる。抗体の量は結合を飽和させるのに十分な量である。この段階で、検出要素の共鳴振動数f0を測定する(B)。次に、検出要素を、抗体20に特異的に結合し、固定化された要素18に対する抗体20の結合親和性と等しいか、又は時としてこれよりも大きい親和性を有する、測定される分析物22を含有する液体媒体と処理する。固定化された要素との結合競争の結果として、一部の結合された抗体20が遊離され、結果として固定化された塊体の減少が起こり、共鳴振動数の結果としての増加が起こる(D)。この増加は、遊離した塊体の量に比例し、試験される液体媒体中の物質の量にも比例する。
今度は、図3を参照して間接的態様に従って本発明を実行する別の態様を示す。この態様に従ったプローブ30は、上記と同様に、抗原36を固定化させた金電極34を有する圧電結晶32を具備する。抗原36は、認識対の要素であり、他の要素は抗体38である。
図3に示されるシステムは、分析物40の測定に供される。試験液体サンプルをまず、抗体38と混合する(A)。分析物40が試験されるサンプル内に存在する場合、抗体38は分析物40に結合し、結果としてシステムから除去されるであろう。次にこの混合物をプローブと反応する。抗原40が試験サンプル内に全く存在しない場合(B)、抗体40が要素38に最も多く結合され、結果として大きな質量の増加と、対応する相対的に大きな共鳴振動数の減少f’が起こるであろう。これに対して、液体媒体が大量の分析物40を含有する場合、全ての抗体38がシステムから除去され、共鳴振動数の変化は事実上なく、これは本質的にf0と等しいであろう(C)。
今度は、図4を参照して、認識対の分析物の増幅されたQCM分析の概要を示す。この図の概要は、図1と本質的に同様である。違いは、抗体42と結合されるか、又は錯体形成されうる増幅基40を添加することである。増幅基40はシステムの感度を高めるように機能する。抗体が固定化された抗原44に結合された後か、又はこれと同時に、基40は検出要素と接触され、これによってこれが固定化された要素44に結合された抗体42に結合される。結果として、小さなΔf応答よりも、この場合、非常に大きなΔf応答が基40によって生じる質量のかなりの増加によって生じる。
図5は、図2に示される概要の増幅態様であり、増幅基46を使用する。プローブ48は、金電極52を有する圧電結晶50を含有する。該金電極上には、認識対(これはまた、抗体56よりなる。)の一要素である抗原54が固定化されている。プローブ48は、抗体56が全ての可能な結合部位を飽和するように固定化された抗原54に結合されることを保証する量で、抗体56を含有する溶液で処理する(A)。次に、基46を加え(B)、次いで抗体56を結合する。基46は、例えば抗体56に向けられた抗体でありうる。この段階で最初の読みf0を得(C)、次いで、プローブ48を分析物58で処理する(D)。ここで、固定化された抗原54を抗原48と結合競争させることによって、抗体56と基46よりなる錯体の一部をプローブから遊離させる。これは、相対的に大きな質量の変化を起こし、相対的に大きな共鳴振動数の増加も起こす(E)。
このシステムの感度は、錯体形成又は複合体形成によって大きな分子錯体を考案することで高められうる。図6に例を示す。基本的構成は、図6Aに示される抗体60と抗−抗体61の間で形成される錯体である。感度は、分子錯体質量を、例えばコロイド粒子62と結合又は錯体形成させることによって増加させることで更に高められうる(図6B)。
図6Cに示される分子錯体の質量を増加させる別の方法は、ビオチン分子63を抗体60と複合体形成させ、次いで複合体形成した64をアビジン分子65と反応させることによって、主にアビジン分子65と抗体60を含有する大きな錯体66を形成する。図6Dに示される更なる概要は、同様な方法でアビジン分子を抗−抗体61へ錯体形成させることである。
図7は、図3と本質的に同様なシステムを示し、抗体70に結合された増幅基71を添加する。この方法の実行の仕方は、図3のそれと本質的に同様であり、図3の説明に関連した開示を参照されたい。
今度は、図8を参照する。これは本発明の直接的態様に従った別の態様の代表例である。この態様は、引き続きの測定で再利用するための、測定を実行した後の再生を可能にする。これは、この態様に従って、異性化可能な基82によって固定化された要素81を修飾することで達成される。該異性化可能な基は、2つの状態A及びBを有し、エネルギーhν1(波長λ1を有する。)及びエネルギーhν2(波長λ2を有する。)の光にさらすことにより該2つの状態間を可逆的に切り換えることができる。(この2つの状態の切り換えは、図の下部に概略的に示されている。)2つの異性化状態A及びBの切り換えは、修飾された固定化要素のコンホーメーションの変化を起こし、要素83(この場合抗体)へ結合するその親和性の変化を引き起こす。状態Aでは、修飾された固定化要素は、高親和性で要素83に結合することができる。状態Bでは、要素83への結合の親和性は非常に低くなる。
分析物測定の実施の方法(A)は、本質的に図1と同様であり、この図に関連した説明を参照されたい。違いは、測定を終らせた後、検出要素を波長λ1の光に照て(B)、この結果、基82を状態Aから状態Bへ変化させ、これにより固定化された要素82のコンホーメーションに変化を起こさせ、これにより要素83の遊離を起こさせる。軽く洗浄した後(C)、電極を波長λ2の光で照射し、再生することができる(D)。
前記基として使用することができる化合物の5つの族の例を図9に示す。構造(1)から(5)は、即ち、アゾベンゼン(1)、スピロピラン(2)、フルギド(3)、チオフェンフルギド(4)又はマラカイトグリーン(5)である。適切な波長の光エネルギーの照射にこれらをさらすことにより起こるこれらの5つの族の化合物のうち、3つの構造変化の例を図9のスキーム(6)から(8)に示した。特に、スキーム(6)は、アゾベンゼンの例であり、スキーム(7)はスピロピランの例であり、スキーム(8)はマラカイトグリーンの例である。これらの化合物は全て、電極の表面に固定化される認識対の要素に結合しうる基を調製するには構造的な修飾が必要である。従って、好ましい態様では、これらの化合物は活性なエステル、アミン、カルボン酸、又はハライド誘導体を形成するように化学的に修飾される。このような部分の存在は、認識対の固定化された要素への該基の結合を促進する。スキーム(9)は、適切な波長の光エネルギーが第1の状態(A)から第2の状態(B)(これはそのメロシアニン型である。)へスピロピランを変化するのに必要である両方の状態を例示し、また、N−ヒドロキシ琥珀酸イミドエステル部分を含むもの(9B)及び含まないもの(9A)における第1及び第2の異性体状態の構造を例示する。
図9に示されうる光異性化可能な活性エステルの例は。N−プロピオン酸スピロピランのN−ヒドロキシ琥珀酸イミドエステル(10)、4−カルボキシアゾベンゼンのN−ヒドロキシ琥珀酸イミドエステル(11)及びチオフェンフルギドのN−ヒドロキシ琥珀酸イミドエステル(12)である。
本発明は、本発明に従って行われる実験例の説明によって更に例示されるであろう。
1.一般
1.1 圧電結晶及び実験諸条件
全ての測定は、チタン(Ti)基質(約500A)上にスパッターした金(約3000A)よりなる層(約0.2cm2)でコートした、9MHzの水晶圧電結晶(QPC)(ATカット型)(Seiko EG&G)を使用した。振動数の測定は、パーソナルコンピュータに繋げたクオーツクリスタルアナライザー(モデルQCA917,Seiko EG&G)を用いて行った。
1.2 抗原又は抗体結合のために機能化された単層による一次電極の修飾
特別な例−シスタミン単層によるAu−水晶結晶板の修飾
検出用圧電結晶を構成するための一次ステップには、機能化されたチオレート単層であって、引き続き抗原−Ab錯体を該単層に結合することができるものによるAu−電極結晶板の修飾が含まれる。種々の可能な、機能化された単層(アミン、カルボキシル、ヒドロキシ、ジアゾニウム)のうち、シスタミン単層の構築を図9に示す。水晶圧電結晶(QPC)を0.2Mシスタミン水溶液に2時間浸した。電極上へのシスタミンの吸着の間、振動数の変化はシスタミンの堆積を検出する手段となる(図10)。次に、電極を水で徹底的に洗浄し、物理的に吸着されたシスタミンを除去した。電極を洗浄した後、振動数は吸着プロセスの間に得られた最終の値に比較して、変化しなかった。即ち、シスタミン分子は、電極表面に強く結合される。観測された振動数の変化、Δf=−200Hz(マイナスは、振動数の減少を表す。)は、1.16×10-6g・cm-1又は約5.2×10-9mol・cm-1に対応する電極上のシスタミンの質量密度(mass density)に対応する(密度は、電極の幾何学的面積を用いて計算される。)。
2.実験結果
2.1 HIV−蛋白質抗原で修飾した電極を用いたHIV−1抗体のQCM検出
一次シスタミン単層で修飾したAu電極をグルタル酸ジアルデヒドで活性化した(図12)。反応を、5%(v/v)グルタル酸ジアルデヒド水溶液を用いてQCM−細胞中で該結晶を20分間処理し、反応の間、結晶の振動数の変化を追跡した(図13)。値、Δf=−300Hzは、約1.5×10-8mol・cm-1のグルタル酸ジアルデヒドでの、電極の電極被度に対応する。得られた修飾電極をHIV抗原の共有結合固定化に使用した(図14)。反応を0.1MNaCl及び0.4mg・ml-1HIV抗原を含有する0.01Mリン酸塩バッファー、pH7.4中、室温で結晶を12時間処理することで行った。固定化を修飾された結晶の振動数を測定することでモニターした。最終的な振動数の変化は、Δf=−140Hzであり、これは、6.4×10-11mol・cm-1に対応する固定化されたHIV−抗原の密度となる。抗原で修飾された電極は、HIV−1抗体の検出に使用された(図15)。10分後、振動数の変化、Δf=18Hzが3000に対応するタイターを用いてHIV−1サンプルに対して測定された。
HIV−Ab検出の特異性をヤギ血清(タイター80)を用いる抗原電極で処理することによって試験した。わずかに2Hzの振動数の減少が、非特異的吸着の結果として10分後に観測された(図16)。より低い測定時間間隔(4分)では、HIV−Abは、Δf=15Hzの振動数変化を起こした。この場合、BSA対照サンプルは血漿振動数の何れの検出しうる振動数変化を刺激しなかった。
2.2 DNP−Abの分析のためのジニトロフェノール抗原単層QCM−電極
シスタミンAu−修飾電極を2.1で説明したようにして得た。修飾されたQCM−電極を、0.2M3,5−ジニトロサリチル酸、N−ヒドロキシ琥珀酸イミドナトリウム塩(プロモータとして)及びカップリング剤としての1−エチル−3−(3−ジニトロメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)の0.05MHEPESバッファー(pH7.3)溶液で処理し、表面にジニトロフェノール抗原単層を生成した(図17)。反応を室温で2時間行った。3,5−ジニトロサリチル酸のカップリングの結果としての結晶の振動数変化は、−90Hzであり、これは1.3×10-12mol・cm-1の抗原被度に相当する。
抗原QCM電極をDNP−Ab溶液、1.4×10-11Mで処理した。Δf=−30Hzの振動数の変化が800秒後に観測され、これは結晶へのDNP−Abの吸着を示す(図18)。
2.3 抗−フルオレセインの分析のための、フルオレセイン抗原単層QCM−電極
シスタミンAu−修飾電極を2.1で説明したようにして得た。修飾電極をフルオレセインイソチオシアネートと反応し、抗原単層電極を生成した(図19)。抗フルオレセインAb、1×10-6mg・ml-1で電極を処理する際、Δf=−60Hzの振動数の変化が観測された。
2.4 図2に示される構成に従ったサンプル内の2,4−ジニトロフェノールの分析のための、DNP−Abを結合したジニトロフェノール抗原単層電極。この場合、抗原単層電極表面上に予め固定化された抗体の置換がサンプルの抗原の検出に使用される
シスタミンAu−修飾電極を2.1で説明したようにして得た。0.2M3,5−ジニトロサリチル酸、N−ヒドロキシ琥珀酸イミドナトリウム塩(プロモータとして)及び1−エチル−3−(3−ジニトロメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)(カップリング剤として)の、0.05MHEPESバッファー(pH7.3)溶液を、ジニトロフェニルユニットで電極表面を更に修飾するために使用した(図17)。反応を室温で2時間行い、3,5−ジニトロサリチル酸の固定化による最終振動数変化は、約−90Hzであった。これは、2.5×10-9mol・cm-1の抗原被度に相当する。この抗原単層修飾電極を、ジニトロフェノール抗体の特異的吸着に使用した(モノクローナルマウスIgE抗−DNP)。Ab−結合の結果としての結晶の振動数変化を(図18と同様にして)再度モニターした。Δf=−50Hzの最終振動数変化が抗体の堆積で起こり、約1.93×10-7g・cm-2として抗体の表面密度を与えた。抗原/抗体修飾された電極を1.4×10-7g・ml-1の2,4−ジニトロフェノール(DNP)を含有する分析サンプル水溶液で処理し、抗体の堆積で起こる振動数の変化を記録した(図20)。抗体の置換は、溶液中に存在する新たな利用可能な抗原(DNP)とその反応により誘導される。
2.5 予め決められた濃度のDNP−Abとの相互作用による2,4−ジニトロフェノールの測定、及び図3の構成に従った抗原単層結晶を用いる混合物の分析
電極を2.2で説明したように3,5−ジニトロサリチル酸で修飾した。この電極を、サンプル分析物、2,4−ジニトロフェノール、1.4×10-11M及び予め決められた1.4×10-1MのDNP濃度を含有する水性混合物で処理した。結晶の最終振動数変化は、相互作用の800秒後で、Δf=7Hzであった。比較として、2,4−ジニトロフェノールを欠くが、予め決められた1.85×10-11MのDNP−Ab濃度を有するサンプルで電極を処理すると、相互作用の800秒後で、Δf=30Hzの振動数の変化を起こした。
2.6 図5に示された構成に従ったクオーツ電極に結合された抗−DNP−Ab−ビオチンアビジン錯体による2,4−ジニトロフェノール分析の増幅
2.6.1 ビオチンで修飾されたDNP−Abの調製
0.1Mリン酸塩バッファー(pH7.2)中の0.02MDNP−抗体溶液を、0.02Mビオチン・アミドカプロエート・N−ヒドロキシ琥珀酸イミドエステルで、25℃において3時間反応した。反応混合物を0.01Mリン酸塩バッファー(pH7.4)に対して4℃で一夜透析し、生成されたDNP−抗体−ビオチンを使用して、抗原−Ab−複合体錯体を結晶電極上に組み立てた。
2.6.2 QCM電極上での抗原−DNP−Ab−ビオチン−アビジン錯体の構築
抗原−Ab−複合体錯体を、図21で概略を示したようにして結晶電極上に組み立てた。ジニトロサリチル酸単層を誘導した電極を、2.2で説明したようにして調製した。単層で修飾された結晶を、ビオチン−修飾DNP−Ab、1.25mg・ml-1の溶液で処理した。修飾されたAbの単層抗原への吸着は、Δf=−50Hzの振動数の変化を誘導した。これは1.8×10-12mol・cm-2に対応するAbによる表面被度を示す。得られた抗体−DNP−Ab−ビオチン単層電極をアビジン溶液、1.0mg・ml-1で処理した。ビオチン−アビジン錯体の形成の結果としての5分後に得られた振動数の変化はΔf=−120Hzであった。これは、アビジン錯体による5.5×10-12mol・cm-2の表面被度に相当する。
3. 図5に示される構成に従った抗原−DNP−Ab−複合体錯体QCM電極による2,4−ジニトロフェノールの分析
抗原−DNP−Ab−ビオチン−アビジン錯体QCM電極を2,4−ジニトロフェノール溶液、2.7×10-8g・ml-1で処理した。図22に示されるように、分析物抗原による電極からのDNP−Ab錯体複合体の解離が起こり、これに続いて、結晶の振動数の変化が起こる。Δf=30Hzの振動数の変化が相互作用の400秒後に観測された。
Claims (8)
- 認識対の第1の要素と第2の要素との間の結合に基づいて、サンプル中に含まれる分析対象物としての前記第1の要素を測定するシステムにおいて、前記認識対が、抗原−抗体、リガンド−受容体、糖−レクチン、ビオチン−アビジン、酵素−基質、オリゴヌクレオチド−相補配列を有するオリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオチド−タンパク質、およびオリゴヌクレオチド−細胞よりなる群から選択される対であり、該システムが;
(a)圧電結晶、該結晶の2つの向かい合っている面上の電極、及び前記結晶の表面に保持された1以上の金属プレートを具備したプローブであって、前記金属プレートは前記電極と同じであるか又は異なっており、かつ前記認識対の第2の要素に結合して複合体を形成している前記第1の要素または該要素と同様の結合特異性を有するそのアナログ分子を含有する単層が、化学結合、化学付着または化学吸着によって前記金属プレート上に固定化されており、前記システムに新たに導入されたサンプル中に含まれる分析対象物としての遊離の第1の要素が前記第2の要素に結合すると共に、前記複合体を形成している第1の要素または前記アナログ分子から前記複合体の第2の要素を引き離して、前記複合体の解離および前記プローブからの前記第2の要素の放出を生じさせ、それにより前記プローブの共鳴振動数の変化を生じる質量の変化を引き起こすようになっているプローブと;
(b)液体を保持するための容器であって、前記プローブが前記液体に浸され、前に結合した認識対の前記第1の要素に結合した前記第2の要素の前記液体への遊離を許容する容器と;及び
(c)前記電極の間に交流電場を生じるための、前記結晶の共鳴振動数を測定するための、及び前記プローブの共鳴振動数の変化を測定するための電気又は電子回路要素であり、かつこれから、前に結合した認識対の前記固定化された第1の要素に結合した前記第2の要素の前記液体への放出の存在を推論するための電気又は電子回路要素と、
を具備し、
該システムにおいて、前記固定化された第1の要素が下記一般式(I)を有する結合基によって前記金属プレートの表面に固定化されるシステム:
Z−R1−Q (I)
但し:
Zは、前記金属プレートの表面上に化学的結合、接着、又は化学吸着する硫黄を含有する部分を表し;
R1は、連結基を表し;
Qは、前記認識対の前記固定化された第1の要素の部分に共有結合を形成する官能基である。 - 認識対の第1の要素と第2の要素との間の結合に基づいてサンプル中に含まれる分析対象物としての前記第一の要素を測定するシステムにおいて、前記認識対が、抗原−抗体、リガンド−受容体、糖−レクチン、ビオチン−アビジン、酵素−基質、オリゴヌクレオチド−相補配列を有するオリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオチド−タンパク質、およびオリゴヌクレオチド−細胞よりなる群から選択される対であり、該システムが;
(a)圧電結晶、該結晶の2つの向かい合っている面上の電極、及び前記結晶の表面に保持された1以上の金属プレートを具備したプローブであって、前記金属プレートは前記電極と同じであるか又は異なっており、かつ前記認識対の第2の要素に結合して複合体を形成している前記第1の要素または該要素と同様の結合特異性を有するそのアナログ分子を含有する単層が、化学結合、化学付着または化学吸着によって前記金属プレート上に固定化されており、前記システムに新たに導入されたサンプル中に含まれる分析対象物としての遊離の第1の要素が前記第2の要素に結合すると共に、前記複合体を形成している第1の要素または前記アナログ分子から前記複合体の第2の要素を引き離して、前記複合体の解離および前記プローブからの前記第2の要素の放出を生じさせ、それにより前記プローブの共鳴振動数の変化を生じる質量の変化を引き起こすようになっているプローブと;
(b)液体を保持するための容器であって、前記プローブが前記液体に浸され、前に結合した認識対の前記第1の要素に結合した前記第2の要素の前記液体への遊離を許容する容器と;及び
(c)前記電極の間に交流電場を生じるための、前記結晶の共鳴振動数を測定するための、及び前記プローブの共鳴振動数の変化を測定するための電気又は電子回路要素であり、かつこれから、前に結合した認識対の前記固定化された第1の要素に結合された前記第2の要素の前記液体への放出の存在を推論するための電気又は電子回路要素と、
を具備し、
該システムでは、前記固定化された第1の要素が、エネルギーにさらされた結果としてその異性化状態を変化する異性化可能な基を有するか、又はこれに結合されており、前記異性化可能な基が第1及び第2の異性化状態を有し、かつ第1のエネルギータイプにさらされることによって前記第1の状態から前記第2の状態に変換され、第2のエネルギータイプにさらされることによって前記第2の状態から前記第1の状態に変換され、ここで、前記第1の状態では、前記固定化された第1の要素が前記第2の要素に対して高い結合親和性を有し、前記第2の状態では、前記固定化された第1要素が前記第2の要素に対して低い結合親和性を有するシステム。 - 請求の範囲第2項に記載のシステムにおいて、前記第1のエネルギータイプが第1の波長の光照射であり、前記第2のエネルギータイプが第2の波長の光照射であり、前記光が赤外、可視光又は紫外領域にあるシステム。
- 請求の範囲第2項に記載のシステムにおいて、前記第1又は前記第2のエネルギータイプの一方が赤外、可視光又は紫外領域であり、前記第1又は前記第2のタイプの他方が穏和な熱処理であるシステム。
- 認識対の第1の要素と第2の要素との間の結合に基づいて液体媒質中に含まれる分析対象物としての前記第1の要素を測定する方法において、前記認識対が、抗原−抗体、リガンド−受容体、糖−レクチン、ビオチン−アビジン、酵素−基質、オリゴヌクレオチド−相補配列を有するオリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオチド−タンパク質、およびオリゴヌクレオチド−細胞よりなる群から選択される対であり、該方法は;
(a)圧電結晶、前記結晶の2つの向かい合っている面上の電極、及び前記結晶の表面に保持された1以上の金属プレートを具備したプローブであって、前記金属プレートが前記電極と同じであるか、又は異なっており、かつ前記認識対の第2の要素に結合して複合体を形成している前記第1の要素または該要素と同様の結合特異性を有するそのアナログ分子を含有する単層が化学結合、化学付着または化学吸着によって前記金属プレート上に固定化されており、前記認識対の前記第2の要素が前記固定化された第1の要素または前記アナログ分子に非共有結合で結合されて複合体を形成しており、前記第2の要素が前記分析対象物に結合し、ここで、前記第2の要素と前記分析対象物との間の結合が、前記固定化された第1の要素または前記アナログ分子に対する前記第2の要素の結合と競合的である結果として、前記分析対象物が前記第2の要素に結合すると共に、前記第1の要素または前記アナログ分子から前記複合体の第2の要素を引き離して、前記複合体の解離および前記プローブからの前記第2の要素の放出を生じさせるプローブを提供することと;
(b)前記プローブの最初の共鳴振動数を測定することと;
(c)液体媒体と前記プローブを、前記液体媒体中の前記分析対象物の存在下で、前記第1の要素に非共有結合で結合した前記第2の要素の少なくとも一部が遊離されて、前記分析対象物に結合するような条件下及び時間で接触することと;及び
(d)第2の共鳴振動数を測定し、これにより、前記液体媒体中の前記第2の要素の遊離の結果として前記プローブの質量の減少から生じる、最初の共鳴振動数と比較してより高い第2の共鳴振動数が、前記液体媒体中の前記分析対象物の存在を示すことと;
の工程を具備した方法。 - 請求の範囲第5項に記載の方法において、前記分析対象物がガス中に懸濁又は溶解された分子であり、該方法が該液体中の前記分析対象物の存在を測定するために、懸濁又は溶解された分子の試料を含むガスを液体に通すことをさらに具備した方法。
- 請求の範囲第5項に記載の方法において、前記固定化された第1の要素が、下記一般式(I)を有する結合基によって前記金属プレートの表面に固定化される方法:
Z−R1−Q (I)
但し:
Zは、前記金属プレートの表面上に化学的結合、接着、又は化学吸着する部分を含有する硫黄を表し、
R1は、連結基をし、
Qは、前記認識対の前記固定化された第1の要素の部分に共有結合を形成する官能基である。 - 請求の範囲第5項に記載の方法において、前記固定化された第1の要素が、エネルギーにさらされた結果としてその異性化状態を変化する異性化可能な基を有するか、又はこれに結合されており、前記基が第1及び第2の異性化状態を有し、かつ第1のエネルギータイプにさらされることによって前記第1の状態から前記第2の状態に変換され、第2のエネルギータイプにさらされることによって前記第2の状態から前記第1の状態に変換され、ここで、前記第1の状態では、前記固定化された第1の要素が前記第2の要素に対して高い結合親和性を有し、前記第2の状態では、前記固定化された第1の要素が前記第2の要素に対して低い結合親和性を有する方法。
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