JPH089423Y2

JPH089423Y2 - 燃料噴射弁

Info

Publication number: JPH089423Y2
Application number: JP1989105346U
Authority: JP
Inventors: 文男星野
Original assignee: 株式会社ユニシアジェックス
Priority date: 1989-09-11
Filing date: 1989-09-11
Publication date: 1996-03-21
Anticipated expiration: 2004-09-11
Also published as: JPH0345466U

Description

【考案の詳細な説明】〈産業上の利用分野〉本考案は、内燃機関の電子制御燃料噴射装置において
使用され、機関の吸気系に燃料を噴射する電磁式の燃料
噴射弁に関し、特に、フラット弁と呼ばれる円板状の弁
体を有する燃料噴射弁に関する。

〈従来の技術〉従来、この種の燃料噴射弁としては、以下に示すよう
なものがある。

即ち、第２図を参照し、この燃料噴射弁１は、外周部
にフィルタ２により覆われた燃料ポート３を有するほぼ
円筒状のハウジング４と、この先端に嵌合され中心に噴
孔5aを有する弁座５と、更にその先端側に設けられて２
方向の分孔6a,6bを形成された案内部材６と、弁座５の
シート面側に隣接し流路7aを有する円板状の弁体７と、
外周部材をシム８と共に固定された内周部で弁体７を弁
座５に着座させるべく閉弁方向に付勢するリーフスプリ
ング９と、弁体７に相対して配置された鉄心10とこの周
りに配置されたコイル11と磁路形成用のマグネティック
ディスク13とよりなる電磁石と、よりなる。弁体７はこ
の電磁石によりリフトされ開弁方向に駆動される。マグ
ネティックディスク13は弁体７のリフト量を規制するス
トッパとしての機能も兼ねている。

尚、弁体７は高透磁性のパーマロイにより形成されて
おり、ハウジング4,マグネティックディスク13,弁体7,
鉄心10で磁路を形成する。

かかる燃料噴射弁１は、図示しないプレッシャレギュ
レータにより圧力を一定にされた燃料がフィルタ２を介
して、燃料ポート３よりハウジング４内に流入してい
る。

そして、常時は、リーフスプリング９により、弁体７
は弁座５に着座して閉弁状態であるが、コイル11に電流
が流されると、鉄心10が磁化され、弁体７を引きつけ
て、マグネティックディスク13の内周側先端面により規
制されるまでリフトし、ハウジング４内の燃料を流路7
a,噴孔5a,分孔6a,6bを介して、図示しない内燃機関の吸
気系に噴射供給する。

〈考案が解決しようとする課題〉ところで、このような従来の燃料噴射弁１において、
弁体７は、高透磁性を有するパーマロイにより形成され
ているが、パーマロイは硬度が不充分なため、ニッケル
メッキ等による表面処理を施して、閉弁時の衝撃により
弁体７が、例えばステンレス（SUS440C）により形成さ
れている弁座５によって傷付けられることを防いでい
る。

しかしながら、表面処理だけでは、厚さと硬度に限界
があり、然も、ニードル弁に比べて、シート面が水平の
この種のものにおいては、衝撃力が大きい構造となって
いるので、閉弁時の衝撃で弁座５との接触面にクレータ
状の傷を生じ（図示Ａ箇所）、その傷により開弁時の流
量が増大し、また、閉弁時にその傷から油密漏れが生
じ、閉弁効果が損なわれるという問題点があった。

そこで、本考案は、従来の問題点に鑑み、透磁性を損
なわないで、弁開閉時の衝撃によっても、傷の生じな
い、燃料噴射弁を提供することを目的とする。

〈課題を解決するための手段〉このため、本考案は、噴孔を有する弁座に相対する高硬度素材により成形さ
れた円板状の弁体と、弁体の反弁座側にその周縁部を残して接合され電磁石
によりリフトされて弁体を開弁させる高透磁性素材によ
り弁体より小径に成形された円板状のリフト部と、を備
え、弁体の反弁座側の周縁部に、着座付勢用のスプリング
を作用させると共に、リフト量規制用のストッパを相対
させ、このストッパをリフト部の外周面に近接させて磁
路を形成するようにして、燃料噴射弁を構成する。

〈作用〉上記の構成においては、弁体を、高硬度素材により成
形しているので、高硬度を有し、弁座やスプリングやス
トッパにより、損なわれない。

リフト部を、高透磁性素材により成形しているので、
高透磁性を有し、弁体に接合されているので、電磁石に
より弁体と一体にリフトされる。

〈実施例〉以下に本考案の実施例を第１図に基づいて説明する
が、従来と同一箇所には同一符号を付して、要部のみ説
明する。

第１図を参照し、鉄心10は、ハウジング４と一体に成
形されるが、その先端がハウジング４の段部4a面と面一
になるように従来よりも後退させて成形してある。

そして、弁体７は、高硬度素材であるSUS440C等の軸
受鋼材により円板状に成形する。

そして、弁体７の反弁座側の周縁部に着座付勢用のリ
ーフスプリング９を作用させると共に、弁体７のリフト
量規制用のストッパとして機能するマグネティックディ
スク13の内周側先端面（ストッパ面）13aを相対させて
いる。

また、リフト部21は、高透磁性素材である、例えばパ
ーマロイ等により弁体７よりやや小径の円板状に成形さ
れ、弁体７にその周縁部を残して溶接等により接合され
ている。尚、弁体７及びリフト部21には互いに連なる流
路7a、21aが形成されている。また、図示Ｂ箇所は、リ
フト部21を弁体７に溶接する際の溶接点である。

また、図示矢印は、コイル11に電流が流されたときに
生じる磁路を示す。

上記の構成によると、弁座5,リーフスプリング9,マグ
ネティックディスク13のストッパ面13aに、弁開閉の度
毎に衝突あるいは摺動する弁体７を、高硬度素材により
成形しているので、弁体７がそれらにより劣化すること
を防止している。

また、リフト部21を高透磁性素材により成形して、弁
体７に接合し、磁気特性を劣化させることを回避してい
る。

また、ハウジング４の段部4aと鉄心10の先端とを面一
に成形するようにしたので、ハウジング４及び鉄心10
を、鉄材をくり抜き加工して成形する場合、加工が容易
になった。また、マグネティックディスク13,シム8,弁
体7,リフト部21を各種の厚さの中から選別して、組合わ
せるだけで、弁体７リフト時の、鉄心10とリフト部21と
の隙間である電磁ギャップや、弁体７のリフト量の調整
をすることができる。

更に、リフト部21を弁体７に周縁部を残して接合する
ようにしたので、リフト部21は弁体７より小径となり、
その段部形状を組立て時のガイドとして、機能させるこ
ともできる。

〈考案の効果〉以上説明したように、本考案によると、高透磁性素材
によりリフト部を成形して、磁気特性を損わないように
し、高硬度素材により弁体を成形して、弁開閉時に弁体が
弁座やストッパに衝突したり、あるいはスプリングと摺
動して、傷が生じることを防止し、弁体の劣化を回避し
て、もって、燃料噴射弁の耐久性を向上させることがで
きるという効果が得られる。また、弁体の周縁部に対す
るストッパを円板状のリフト部の外周面に近接させて磁
路を形成するようにしたので、磁路を短縮して、燃料噴
射弁の全長増加を抑制することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る一実施例を示す燃料噴射弁の要部
断面図、第２図は従来の燃料噴射弁の部分断面図であ
る。１…燃料噴射弁、４…ハウジング、4a…段部、５…弁
座、７…弁体、９…リーフスプリング、10…鉄心、11…
コイル、13a…ストッパ面、21…リフト部

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】噴孔を有する弁座に相対する高硬度素材に
より成形された円板状の弁体と、弁体の反弁座側にその周縁部を残して接合され電磁石に
よりリフトされて弁体を開弁させる高透磁性素材により
弁体より小径に成形された円板状のリフト部と、を備え、弁体の反弁座側の周縁部に、着座付勢用のスプリングを
作用させると共に、リフト量規制用のストッパを相対さ
せ、このストッパをリフト部の外周面に近接させて磁路
を形成するようにしたことを特徴とする燃料噴射弁。