JPH0893600A - 2サイクルエンジンの燃料噴射装置 - Google Patents

2サイクルエンジンの燃料噴射装置

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JPH0893600A
JPH0893600A JP6230090A JP23009094A JPH0893600A JP H0893600 A JPH0893600 A JP H0893600A JP 6230090 A JP6230090 A JP 6230090A JP 23009094 A JP23009094 A JP 23009094A JP H0893600 A JPH0893600 A JP H0893600A
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JP
Japan
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injector
fuel
fuel injection
engine
throttle valve
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Application number
JP6230090A
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English (en)
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Takeo Yoshida
武雄 吉田
Takahiro Suzuki
隆広 鈴木
Ryoichi Hirai
良一 平井
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Yamaha Motor Co Ltd
Original Assignee
Yamaha Motor Co Ltd
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D41/00Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
    • F02D41/30Controlling fuel injection
    • F02D41/3094Controlling fuel injection the fuel injection being effected by at least two different injectors, e.g. one in the intake manifold and one in the cylinder
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B75/00Other engines
    • F02B75/02Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke
    • F02B2075/022Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke having less than six strokes per cycle
    • F02B2075/025Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke having less than six strokes per cycle two
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D2400/00Control systems adapted for specific engine types; Special features of engine control systems not otherwise provided for; Power supply, connectors or cabling for engine control systems
    • F02D2400/04Two-stroke combustion engines with electronic control

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  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
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  • Combustion Methods Of Internal-Combustion Engines (AREA)
  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 混合気の異常燃焼を防ぐとともに、高速・高
負荷域においても必要十分な量の燃料をエンジン毎のバ
ラツキを大きくすることなく供給することができる2サ
イクルエンジンの燃料噴射装置を提供すること。 【構成】 第1及び第2インジェクタ31,32を備
え、第2インジェクタ32を掃気ポート12の上方近傍
に配置して成る2サイクルエンジン1の燃料噴射装置に
おいて、前記第1及び第2インジェクタ31,32の各
燃料噴射量をエンジン負荷に応じて増減させる。本発明
によれば、第1インジェクタ31についても第2インジ
ェクタ32と同様に、燃料噴射量をエンジン負荷に応じ
て増減させるようにしたため、第2インジェクタ32の
エンジン負荷に対する燃料噴射量の変化率が緩和され、
高速・高負荷域においても必要十分な量の燃料をエンジ
ン毎のバラツキを大きくすることなく供給することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、2つのインジェクタを
備える2サイクルエンジンの燃料噴射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、2サイクルエンジンは低負荷域
において失火を生じ易いため、その領域においては成層
燃焼を行わせ、中・高負荷域においては予混合燃焼を行
わせることが排ガス対策、出力向上、燃費の改善等の上
から望ましい。
【0003】そこで、図22に示すように、第1インジ
ェクタ131と第2インジェクタ132をシリンダヘッ
ド108に取り付け、低・中負荷域においては第1イン
ジェクタ131から燃料をシリンダ102a内の点火プ
ラグ109を指向して噴射して混合気の成層燃焼を行わ
せ、高負荷域においては第1インジェクタ131と第2
インジェクタ132の双方からシリンダ102a内に燃
料を噴射して混合気の予混合燃焼を行わせる燃料噴射装
置が提案されている(特開平4−103855号公報参
照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の燃料噴射装置にあっては、排気ポート112から掃
気流がシリンダ102a内に流入して拡散し、流速を失
ったこの掃気流に対して燃料が噴射されるため、噴射方
向を中心として燃料が拡がって燃焼室内の混合気に濃淡
が生じ、このためにノッキングが発生し易くなったり、
排ガス中の不完全燃焼ガス量が多くなってエンジン性能
が低下することがある。
【0005】又、前記従来の燃料噴射装置にあっては、
第1インジェクタ131からの燃料噴射量はエンジン負
荷とは無関係に一定に保たれ、第2インジェクタ132
からの燃料噴射量のみをエンジン負荷に応じて増減させ
ていたため、第2インジェクタ132のエンジン負荷に
対する燃料噴射量の変化率が大きくなり、第2インジェ
クタ132の構造が複雑化したり、エンジン毎の第2イ
ンジェクタ132の部品精度を所定範囲に保っても、高
負荷・高回転におけるエンジン毎の燃料噴射量に大きな
差異が出易いという問題があった。
【0006】前記前者の問題を解決するため、本出願人
は、第2インジェクタを掃気ポートの上方近傍に配置
し、該第2インジェクタからの噴射燃料流を掃気流に乗
せて燃焼室に供給する旨の提案を先に行った(特願平5
−11435号において)。
【0007】而して、上記提案によれば、燃焼室におい
て燃料が均一に拡散するため、確実な予混合燃焼が実現
され、異常燃焼の発生を防いでエンジン性能の向上を図
ることができる。
【0008】しかし、上記提案においても、前記前者の
従来の燃料噴射装置と同様に第1インジェクタからの燃
料噴射量をエンジン負荷とは無関係に一定に保ち、第2
インジェクタからの燃料噴射量のみをエンジン負荷に応
じて増減させるものであれば、前記後者の問題を解決す
ることができない。
【0009】本発明は上記問題に鑑みてなされたもの
で、その目的とする処は、混合気の異常燃焼を防ぐとと
もに、高速・高負荷域においても必要十分な量の燃料を
エンジン毎のバラツキを大きくすることなく供給するこ
とができる2サイクルエンジンの燃料噴射装置を提供す
ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、第1及び第2インジェクタ
を備え、第2インジェクタを掃気ポートの上方近傍に配
置して成る2サイクルエンジンの燃料噴射装置におい
て、前記第1及び第2インジェクタの各燃料噴射量をエ
ンジン負荷に応じて増減させることを特徴とする。
【0011】又、請求項2記載の発明は、請求項1記載
の発明において、前記第1インジェクタは全負荷域にお
いて点火プラグを指向して燃料を噴射し、所定値未満の
負荷域においては第1インジェクタからのみ燃料を噴射
し、所定値以上の負荷域においては第1及び第2インジ
ェクタの双方から燃料を噴射するようにしたことを特徴
とする。
【0012】
【作用】本発明によれば、第1インジェクタについても
第2インジェクタと同様に、燃料噴射量をエンジン負荷
に応じて増減させるようにしたため、第2インジェクタ
のエンジン負荷に対する燃料噴射量の変化率が緩和さ
れ、高速・高負荷域においても必要十分な量の燃料をエ
ンジン毎のバラツキを大きくすることなく供給すること
ができる。
【0013】又、本発明によれば、第2インジェクタを
掃気ポートの上方近傍に配置したため、該第2インジェ
クタからの噴射燃料流を掃気流に乗せてシリンダ内に供
給することができ、シリンダ内で燃料を均一に拡散させ
て確実な予混合燃焼を実現することができ、異常燃焼の
発生を防ぐことができる。
【0014】
【実施例】以下に本発明の一実施例を添付図面に基づい
て説明する。
【0015】図1は本発明に係る燃料噴射装置を備える
2サイクルエンジンの構成を示すブロック図、図2は同
2サイクルエンジンの内部構造を示す縦断面図、図3は
同2サイクルエンジンのシリンダ部の模式的平断面図、
図4は図3のB−B線断面図、図5は図2のA−A線断
面図、図6は空気量調整装置の作用説明図である。
【0016】先ず、図2に基づいて2サイクルエンジン
1の基本構成を説明する。
【0017】本実施例に係る2サイクルエンジン1は、
低負荷域において成層燃焼を行い、中・高負荷域におい
て予混合燃焼を行うものであって、そのシリンダブロッ
ク2に形成されたシリンダ2a内にはピストン3が上下
摺動自在に嵌装されている。そして、ピストン3は、こ
れの下方に図2の紙面垂直方向に長く配されたクランク
軸4にコンロッド5を介して連結されている。尚、シリ
ンダブロック2に一体に形成されたアッパークランクケ
ース2bとこれの下面に結着されたロアークランクケー
ス6の内部にはクランク室7が形成されており、該クラ
ンク室7内に前記クランク軸4が回転自在に支承されて
収納されている。
【0018】又、上記シリンダブロック2の上面にはシ
リンダヘッド8が被着されており、該シリンダヘッド8
には燃焼凹部8aが形成され、該燃焼凹部8aと前記ピ
ストン3とで燃焼室Sが画成されている。更に、シリン
ダヘッド8の頂部には点火プラグ9が螺着されており、
該点火プラグ9の電極部9aは前記燃焼室Sに臨んでい
る。
【0019】ところで、前記シリンダヘッド8には、図
3及び図4に示すように、2つの主掃気ポート10,1
1と1つの補助掃気ポート12及び1つの排気ポート1
3がそれぞれ形成されている。尚、上記2つの主掃気ポ
ート10,11は相対向する位置に形成されており、補
助掃気ポート12は排気ポート13に対向する位置に形
成されている。そして、補助掃気ポート12は、その上
端開口部12aがシリンダ2aの上方に向かって開口し
ており、このため、該補助掃気ポート12からの掃気流
の排気ポート13への吹き抜けは殆ど生じない一方、前
記シリンダブロック2の下部には、クランク室7に開口
する空気導入口14が形成されており、該空気導入口1
4には、空気のクランク室7方向への流れのみを許容す
るリードバルブ15が設けられている。
【0020】又、上記空気導入口14には吸気管16が
接続されており、該吸気管16には空気量調整装置17
を介して吸気マニホールド18が接続されている。
【0021】上記空気量調整装置17は、図1に示すア
クセル装置19における不図示のアクセルペダルの操作
量(エンジン負荷)とエンジン回転数をパラメータとし
て、空気導入口14からリードバルブ15を経てクラン
ク室7に吸入される空気の吸入量を制御するものであ
り、これは上下に形成された吸気ポート20a,21a
をそれぞれ開閉するメインバルブ20とサブバルブ21
を有している。尚、メインバルブ20とサブバルブ21
は不図示の付勢手段によって常時閉じ側に付勢されてい
る。
【0022】而して、図5に示すように、メインバルブ
20、サブバルブ21の各駆動軸22,23には、これ
らのバルブ20,21の各開度を検出するためのポテン
ショメータ24,25がそれぞれ設けられており、サブ
バルブ21の駆動軸23にはモータ26が連結されてい
る。
【0023】又、図6に示すように、メインバルブ20
の駆動軸22の一端には第1揺動片27が、サブバルブ
21の駆動軸23の一端には第2揺動片28がそれぞれ
結着されている。そして、上記第1揺動片27の外周部
には溝27a(図5参照)と係止孔27b(図6参照)
が形成されており、溝27aには、その一端が前記アク
セル装置19に連結されたスロットルワイヤー29が巻
装され、該スロットルワイヤー29の他端は第1揺動片
27の前記係止孔27bに係止されている。これによ
り、アクセルペダルの操作量はメインバルブ20の開度
としてポテンショメータ24によって検出される。
【0024】更に、図6に示すように、第1揺動片27
と第2揺動片28の間には連結ロッド30が配設されて
おり、該連結ロッド30の一端30aは第1揺動片27
に回動自在に枢着され、他端30bは第2揺動片28に
形成された円弧状のガイド溝28aに摺動自在に係合さ
れている。
【0025】一方、図2に示すように、前記シリンダヘ
ッド8の側壁部分には、主に低負荷運転域において成層
燃焼を行わせるとともに、それ以外の運転領域において
も補助的に燃料を供給するための第1インジェクタ31
が装着されており、又、前記シリンダブロック2の側壁
の前記補助装置ポート12の直上であって、且つ、前記
排気ポート13の上端よりも下方位置には、中・高負荷
域において予混合燃焼を行わせるための第2インジェク
タ32が装着されている。
【0026】ここで、前記第1インジェクタ31の構成
の詳細を図7乃至図9に基づいて説明する。尚、図7は
図2のC部拡大断面図、図8は図7の矢視D方向の図、
図9は図8のE−E線断面図である。
【0027】第1インジェクタ31は、図7乃至図9に
示すように、比較的大径の1つの噴射口33と比較的小
径の3つの噴射口34,35,36を有し、噴射口35
は軸中心線上に開口し、この噴射口35の両側に噴射口
34,36が開口している。
【0028】そして、前記噴射口33は、図7に示すよ
うに、縦断面において軸線に対して角度θ1 を成す方向
に上向きに形成され、前記両側の噴射口34,36は、
図9に示すように、横断面において軸線に対してそれぞ
れ角度θ2 を成す方向に形成されている。
【0029】次に、前記第2インジェクタ32の構成の
詳細を図10に基づいて説明する。尚、図10は図2の
F部拡大詳細図である。
【0030】第2インジェクタ32は、所定角度θ3
成して開口する2つの噴射口37,38を有しており、
角度θ3 の中心線は点火プラグ9の設置位置を指向して
いる。従って、両噴射口37,38からの噴射燃料は互
いに衝突して霧化する。
【0031】ここで、本発明に係る燃料噴射装置の全体
構成を図1に基づいて説明する。尚、図1においては、
図2乃至図6に示したと同一要素には同一符号を付して
おり、以下、それらについての説明は省略する。
【0032】図1において、45は前記吸気マニホール
ド18の吸気口であり、図示矢印aは該吸気口45から
吸入された空気(新気)の流れを、矢印bは2サイクル
エンジン1から排出される排気ガスの流れをそれぞれ示
す。
【0033】ところで、2サイクルエンジン1のクラン
ク軸4の回転動力は、出力軸46、ギヤ47,48及び
入力軸49を経て外部負荷50に伝達されるが、クラン
ク軸4の端部には、エンジン回転数とクランク角を検出
するための計測用ギヤ51が結着されている。尚、上記
計測用ギヤ51には基準クランク角表示歯が形成されて
いる。
【0034】又、図1において、52は前記第1インジ
ェクタ31と第2インジェクタ32に一定圧の燃料を供
給するするための燃料供給装置、53は前記点火プラグ
9による点火の時期を制御するための点火時期制御装
置、54はクランク角センサを兼ねる回転数センサであ
り、該回転数センサ54は前記計測用ギヤ51の近傍に
配置されている。尚、計測用ギヤ51においては、ピス
トン3が下死点(B.D.C)にある時に対応して回転数セ
ンサ54と対向する歯のみの幅が小さく設定されてお
り、これに基づき回転数センサ54は基準クランク角信
号を後述のエンジン制御装置(ECU:Engine Control
Unit )55に送るとともに、クランク軸4の基準クラ
ンク角位置からの回転量を示すクランク角信号をエンジ
ン制御装置55に送る。尚、図1において、56はメモ
リ、57は燃料タンク、58は調圧弁、59は減圧弁、
60は吸込管、61は燃料ギャラリ、62は燃料戻し
管、63は注入口、64はストレーナである。
【0035】而して、当該燃料噴射装置には、上記エン
ジン制御装置(ECU)55が設けられており、このエ
ンジン制御装置55は、前記回転数センサ54によって
検出されたエンジン回転数とクランク角、前記ポテンシ
ョメータ24によって検出されたメインバルブ20の開
度、つまり、エンジン負荷(アクセル装置19における
アクセル操作量))に基づいて空気量制御手段17(モ
ータ26(サブバルブ21の開度))と第1、第2イン
ジェクタ31,32(燃料噴射タイミングと燃料噴射
量)及び点火時期制御装置53(点火時期)を制御する
ことによって、エンジン負荷が小さな低負荷域において
は成層燃焼を行わしめ、中・高負荷域においては予混合
燃焼を行わしめるものである。
【0036】次に、2サイクルエンジン1の作用を説明
する。
【0037】図2に示すように、ピストン3が下死点
(B.D.C ) に位置するときには、主掃気ポート10,1
1と補助掃気ポート12及び排気ポート13は開口して
おり、このとき、前のサイクルでクランク室7に導入さ
れてピストン3で圧縮された新気は、主掃気ポート1
0,11と補助掃気ポート12を経てシリンダ2a内に
流入し、シリンダ2a内に残留する排気ガスを排気ポー
ト13からシリンダ2a外へ押し出す掃気作用を行う。
【0038】次に、ピストン3がシリンダ2a内を下死
点から上方へ移動すると、先ず主掃気ポート10,11
と補助掃気ポート12がピストン3によって閉じられ、
その後、排気ポート13が同じくピストン3によって閉
じられ、シリンダ2a内に導入された新気が圧縮される
圧縮行程に移行する。そして、第1インジェクタ31又
は第1及び第2インジェクタ31,32から燃料がシリ
ンダ2a内に、エンジン回転数及びメインバルブ20の
開度(以下、スロットル弁開度と称す)により決められ
るタイミングで噴射される。
【0039】ここで、本発明に係る燃料噴射装置及び燃
焼制御方法を図6、図11乃至図21に基づいて説明す
る。尚、図11はスロットル弁開度(即ち、アクセル操
作量。以下同じ)とエンジン回転数によって区画される
燃焼領域(第1、第2及び第3領域)を示す図、図12
は吸気ポート開口面積のスロットル弁開度とエンジン回
転数による制御特性を示す図、図13は特定のエンジン
回転数(1500rpmと4000rpm)におけるス
ロットル弁開度に対する吸気ポート開口面積の制御特性
を示す図、図14は燃料噴射量のスロットル弁開度に対
する制御特性図、図15及び図16は燃料圧力のスロッ
トル弁開度に対する制御特性図、図17、図18、図1
9はそれぞれ第1、第2及び第3領域における燃料噴射
タイミングと点火タイミングをエンジン回転数をパラメ
ータとして示すタイミングチャート、図20、図21は
特定のエンジン回転数(1500rpmと4000rp
m)における燃料噴射タイミングと点火タイミングをス
ロットル弁開度をパラメータとして示すタイミングチャ
ートである。
【0040】本実施例においては、図11に示すよう
に、スロットル弁開度α(つまり、エンジン負荷)とエ
ンジン回転数Nに応じて曲線a1 ,a2 によって燃焼領
域が第1、第2及び第3に区画されており、極低負荷域
である第1領域においては、第1インジェクタ31のみ
から燃料が噴射されて成層燃焼が行なわれ、低負荷域で
ある第2領域においては、同じく第1インジェクタ31
のみから燃料が噴射されて予混合燃焼が行なわれ、中・
高負荷である第3領域においては、第1及び第2インジ
ェクタ31,32の双方から燃料が噴射されて予混合燃
焼が行なわれる。
【0041】尚、第1、第2及び第3領域を区画するメ
インバルブ20の開度a1 ,a2 はエンジン回転数Nに
よって変化し、第1領域と第2領域を区画するスロット
ル弁開度a1 はエンジン回転数N=1500rpm,4
000rpmにおいてそれぞれa1 =15°,18°と
なり、第2領域と第3領域を区画するスロットル弁開度
2 はエンジン回転数N=1500rpm,4000r
pmにおいてそれぞれa2 =25°,30°となる(図
11参照)。
【0042】而して、アクセル装置19におけるアクセ
ルペダルの踏み込み量が小さく、スロットルワイヤー2
9によって回動せしめられる第1揺動片27とメインバ
ルブ20の回動角が小さいために、ポテンショメータ2
4によって検出されるスロットル弁開度αがそのときの
エンジン回転数Nによって決まる設定値a1 よりも小さ
な第1領域(α<a1 )においては、エンジン制御装置
55は連結ロッド30によりサブバルブ21を駆動制御
するのではなく、モータ26を駆動制御してサブバルブ
21を図6に実線にて示すように矢印方向に回動せしめ
てこれを開くとともに、第1インジェクタ31と点火時
期制御装置53、調圧弁58及び減圧弁59を制御して
燃料室Sで混合気の成層燃焼を行わせる。
【0043】従って、成層燃焼が実行される低負荷域に
おいては、アクセル装置19のアクセルペダルを徐々に
踏み込むと、メインバルブ20が徐々に開くとともに、
該メインバルブ20の動作により直接駆動されることな
く、エンジン制御装置55はメインバルブ20の動作
(エンジン負荷)をポテンショメータ24により読み取
り、この値に基づく所定の開度とするようポテンショメ
ータ25によるフィードバックを掛けながらモータ26
を制御する。そして、モータ26の駆動制御によってサ
ブバルブ21が開き、該サブバルブ21の吸気ポート2
1aの開口面積はスロットル弁開度αとエンジン回転数
Nによって図12に示すように制御されるが、例えば、
エンジン回転数N=1500rpm,4000rpmに
おいては、スロットル弁開度αの増加とともに図12に
示す破線L、実線Mに沿ってそれぞれ増加する。尚、図
12においては、Idはアイドリング点を示す。
【0044】このように、成層燃焼が行われる第1領域
においては、サブバルブ21を通しても新気が供給され
るため、一時的に多量の新気がシリンダ2aでの掃気に
供され、掃気効率及び排ガス特性の改善が図られる。
【0045】又、第1領域においては、エンジン制御装
置55は第1インジェクタ31のみを所定のタイミング
で所定時間だけ開く。ここで、エンジン回転数N=15
00rpm,4000rpmにおける燃料噴射タイミン
グと点火タイミングがスロットル開度αをパラメータと
して図20、図21にそれぞれ示されるが、例えば、ス
ロットル開度α=12°における燃料噴射タイミングと
点火タイミングがエンジン回転数Nをパラメータとして
図17に示される。図17によれば、スロットル弁開度
α=12°、エンジン回転数N=1500rpmにおい
ては、クランク角θ=328°(BTDC(上死点前)32
°)において第1インジェクタ31が開いて燃料噴射が
開始され、クランク角θ=353°(BTDC7°)におい
て第1インジェクタ31が閉じられて燃料噴射が終了す
る。
【0046】ところで、燃料噴射量はスロットル弁開度
α(エンジン負荷)に対して図14に示すように制御さ
れるが、第1領域においては、第2インジェクタ32か
らの燃料噴射量は0に保たれ(図14の直線f2a
照)、第1インジェクタ31からの燃料噴射量は図14
に直線f1aにて示すようにスロットル弁開度αに比例し
て増大される。尚、図17乃至図21に示す燃料噴射タ
イミング及び点火タイミングに設定した実施例のもの
は、第1、第2及び第3の全領域においてスロットル弁
開度αが変化しても、第1及び第2インジェクタ31,
32の入口部圧力P1,P2 を一定同一とした場合のも
のである。これにより、減圧弁59が不要となるととも
に、調圧弁58のエンジン制御装置(ECU)55によ
る制御も不要となる。
【0047】ここで、他の実施例としての図15及び図
16にスロットル弁開度αに対する燃料噴射圧力の制御
特性を示すが、図15に示す例においては、エンジン制
御装置55は調圧弁58及び減圧弁59を制御して第1
領域において第1、第2インジェクタ31,32の入口
部圧力P1 ,P2 をスロットル弁開度αに対して共に略
同一一定圧に保持している。又、図16に示す例におい
ては、第1領域における第1、第2インジェクタ31,
32の入口部圧力P1 ,P2 は略同一のままスロットル
弁開度αに比例して増大するよう制御される。このよう
にスロットル弁開度αに比例して圧力P1 を増大させて
いるものにおいては、圧力の上昇と共に燃料噴射量も増
大するため、第1インジェクタ31が開となるタイミン
グをその分遅らせる。これに連れて点火タイミングも遅
らせる。
【0048】而して、第1インジェクタ31からは所定
量の燃料が点火プラグ9の電極部9aに向かって局所的
に噴射される。即ち、第1インジェクタ31の前記噴射
口33(図7参照)からは燃料が図2に示すように点火
プラグ9を指向して噴射されて噴射燃料流q1 が形成さ
れ、前記3つの噴射口34〜36からは燃料が燃料室S
の点火プラグ9とピストン3間の中間領域を指向して噴
射されて噴射燃料流q2 が形成される。この結果、点火
プラグ9の電極部9aの周りに濃混合気が形成され、こ
の濃混合気が点火プラグ9によって所定のタイミング、
つまり、第1インジェクタ31から噴射された噴射燃料
流q1 ,q2 の先端部が点火プラグ9の電極部9a近辺
に到達した時点(例えば、エンジン回転数N=1500
rpm,4000rpmにおいては、それぞれ図20、
図21のEにて示すタイミング(第1インジェクタ31
による寄る燃料噴射中)で点火されて着火し、成層燃焼
が行なわれる。尚、図17に示すように、スロットル弁
開度α=12°、エンジン回転数N=1500rpmに
おいては、クランク角θ=338°(BTDC22°)±1
0°において点火される。
【0049】ところで、第1領域においては、図17に
示すように、点火プラグ9による点火タイミングE及び
燃料噴射開始タイミングAを高速側に早くしているた
め、低負荷・高回転における失火が防がれる。尚、図1
7に示すグラフから読み取れる各エンジン回転数におけ
るインジェクタ開のタイミングのズレにはそれぞれ±1
0°程度が許容される。即ち、図中のA線を中心として
±10°の範囲域を通るのであれば、第1インジェクタ
31が開となるタイイミング線は図中のA線より傾きが
異なっても、湾曲しても良い。AのタイミングとEのタ
イミングの差は時間的にはエンジン回転数に拘らず一定
に設定される。これは、燃料噴射圧がエンジン回転数を
パラメータとしていないためである。
【0050】次に、アクセル操作量が増大してスロット
ル弁開度αが設定値a1 を超えると(α>a1 )、燃焼
領域は第2領域に移行し、このとき、エンジン制御装置
55はモータ26の駆動制御を解除するため、サブバル
ブ21は第2揺動片28に形成されたガイド溝28aの
端部が連結ロッド30の端部30bに当接するまで閉じ
方向に急速に回動する。この結果、図12及び図13に
示すように、サブバルブ21の吸気ポート21aの開口
面積は急激に減少し、それ以後、アクセルペダルの踏み
込みによってスロットル弁開度αが増加すると、第2揺
動片28は連結ロッド30により駆動されて第1揺動片
27の回動に連動する。これによって、サブバルブ21
はメインバルブ20と一体的に開き方向に回動し、両バ
ルブ20,21の吸気ポート20a,21aの開口面積
の和は図13の鎖線Kに沿って増加する。尚、図13に
おいて破線Jはメインバルブ20の吸気ポート20aの
開口面積を示し、斜線を付す領域は第1領域(成層燃焼
領域)を示す。
【0051】又、第2領域においては、エンジン制御装
置55は第1インジェクタ31のみを所定のタイミング
で所定時間だけ開く。ここで、エンジン回転数N=15
00rpm,4000rpmにおける燃料噴射タイミン
グと点火タイミングがスロットル弁開度αをパラメータ
として図20、図21にそれぞれ示されるが、例えばス
ロットル弁開度α=15°における燃料噴射タイミング
と点火タイミングがエンジン回転数Nをパラメータとし
て図18に示される。図18によれば、スロットル開度
α=15°、エンジン回転数N=2000rpmにおい
ては、クランク角θ=201°(BTDC159°)におい
て第1インジェクタ31が開いて燃料噴射が開始され、
クランク角θ=265°(BTDC95°)において第1イ
ンジェクタ31が閉じられて燃料噴射が終了する。
【0052】ところで、燃料噴射量はスロットル弁開度
α(エンジン負荷)に対して図14に示すように制御さ
れるが、第2領域においても、第2インジェクタ32か
らの燃料噴射量は0に保たれ(図14の線f2a参照)、
第1インジェクタ31からの燃料噴射量は図14に線f
1aにて示すようにスロットル弁開度αに比例して増大さ
れる。
【0053】尚、図14はエンジン回転数N=1500
rpmにおける燃料噴射量の制御特性を示すが、本実施
例においては、燃料噴射量はエンジン回転数Nによらず
スロットル弁開度αが一定であれば一定としている。但
し、エンジン回転数Nが変化すれば前記設定値a2 と共
に第2領域から第3領域に移行するスロットル弁開度α
の設定値a2 が変化する(例えば、エンジン回転数N=
1500rpmにおいては設定値a2 =25°、N=4
000rpmにおいてはα2 =30°となる)ため、例
えば、エンジン回転数Nが1500rpm<N<400
0rpmであるときの燃料噴射量は図14において線f
1aを延長した線f1cに沿って制御される。全ての運転状
態において、第1及び第2インジェクタ31,32から
の燃料噴射量の合計は、図13に示される吸気ポート開
口面積及びエンジン回転数により主に定まる吸入空気量
を略一定の可燃空燃比で除した値となる。即ち、図14
において、線f1a,f1a’,f1b,f1b’,f1c
2b,f2b’は便宜上直線で示したものである。
【0054】ここで、他の実施例としての図15及び図
16にスロットル弁開度αに対する燃料噴射圧力の制御
特性を示すが、第2領域における第1及び第2インジェ
クタ31,32の入口部圧力P1 ,P2 は第1領域にお
けると同様に制御される。
【0055】而して、第2領域においては第1インジェ
クタ31から所定量の燃料が点火プラグ9の電極部9a
に向かって局所的に噴射されるが、このとき、図20及
び図21においてEにて示すように、点火プラグ9によ
る混合気への点火は第1インジェクタ31が閉じて所定
時間が経過した後に行なわれるため、シリンダ2a内に
は燃料の十分な拡散によって均一な混合気が形成され、
この混合気が着火燃焼せしめられて予混合燃焼が行なわ
れる。尚、図18に示すように、スロットル弁開度α=
20°、エンジン回転数N=2000rpmにおいて
は、クランク角θ=326°(BTDC34°)において点
火される。
【0056】そして、アクセル操作量が更に増大してス
ロットル弁開度αが設定値a2 を超えると(α>a
2 )、燃焼領域は第3領域に移行し、この第3領域にお
いても、吸気ポート20a,20bの開口面積の和は、
スロットル弁開度αとエンジン回転数Nによって図12
に示すように、(図13に示す鎖線Kに沿って)制御さ
れる。
【0057】又、第3領域においては、エンジン制御装
置55は第1インジェクタ31と第2インジェクタ32
の双方を所定のタイミングで所定時間だけ開く。ここ
で、エンジン回転数N=1500rpm,4000rp
mにおける燃料噴射タイミングと点火タイミングがスロ
ットル弁開度αをパラメータとして図20、図21にそ
れぞれ示されるが、例えばスロットル弁開度α=70°
における燃料噴射タイミングと点火タイミングがエンジ
ン回転数Nをパラメータとして図19に示される。図1
9によれば、スロットル開度α=70°、エンジン回転
数N=4000rpmにおいては、クランク角θ=19
9°(BTDC161°)において第1インジェクタ31が
開き、クランク角θ=169°(BTDC191°)におい
て第2インジェクタ32が開いて燃料噴射が開始され、
クランク角θ=309°(BTDC51°)において第1イ
ンジェクタ31が閉じ、クランク角θ=240°(BTDC
120°)において第2インジェクタ32が閉じて燃料
噴射が終了する。
【0058】ところで、第1、第2インジェクタ31,
32からの燃料噴射量はスロットル弁開度α(エンジン
負荷)に対して図14に示すように制御されるが、第3
領域においては、第1、第2インジェクタ31,32か
らの燃料噴射量は、図14に直線f1b,f2bにそれぞれ
示すように、スロットル弁開度αに比例して増大され
る。尚、図14に斜線f1a’,f1b’,f2a’,f2b
にて示すように、燃料噴射量を増量しても良い。
【0059】ここで、他の実施例としての図15及び図
16にスロットル弁開度αに対する燃料噴射圧力の制御
特性を示すが、図15に示す例においては、エンジン制
御装置55は調圧弁58及び減圧弁59を制御して第3
領域において第1インジェクタ31の入口部圧力P1
スロットル弁開度αに対して一定に保つ一方、第2イン
ジェクタ32の入口部圧力P2 をスロットル弁開度αに
比例して増大させている。又、図16に示す例において
は、第3領域における第1インジェクタ31の入口部圧
力P1 をスロットル弁開度αに比例して連続的に増大さ
せる一方、第2インジェクタ31の入口部圧力P2 をス
ロットル弁開度αの増大と共に段階的に高めている。こ
のようにスロットル弁開度αに比例して圧力P1 ,P2
を増大させるものでは、前述のように第1インジェクタ
31が開となるタイミングのみでなく、第2インジェク
タ32が開となるタイミングをその分遅らせる。
【0060】而して、第1インジェクタ31からは所定
量の燃料が点火プラグ9の電極部9aに向かって局所的
に噴射されると同時に、第2インジェクタ32からも所
定量の燃料がシリンダ2a内に噴射される。
【0061】ここで、第2インジェクタ32から噴射さ
れる燃料の噴霧の挙動を第2乃至図4に従って説明す
る。
【0062】掃気行程においては、前述のように前のサ
イクルでクランク室7に導入されてピストン3で圧縮さ
れた新気が主掃気ポート10,11と補助掃気ポート1
2を経てシリンダ2a内に流入し、シリンダ2a内に残
留する排気ガスは新気によって排気ポート13からシリ
ンダ2a外へ押し出されて排出される。このとき、主掃
気ポート10,11からシリンダ2a内に流入する新気
は、図3に示すように、排気ポート13と同一高さの略
水平面内で排気ポート13に向かう掃気流q3となって
シリンダ2a内に残留する排気ガスを素早く排気ポート
13へと押し出す。
【0063】一方、排気ポート13に対向する補助掃気
ポート12からシリンダ2a内に流入する新気は、図2
に示すように、燃焼室Sを指向する上向きの対向掃気流
4となってシリンダ2a内を旋回するため、該新気が
排気ポート13へ排出されるまでの時間は主掃気ポート
11,12から流入する新気のそれに比して長くなる。
【0064】而して、本実施例では、前述のように第2
インジェクタ32から噴出される燃料の噴霧はシリンダ
2a内の上方を指向する前記対向掃気流q4 に乗ってシ
リンダ2a内を旋回し、長い距離を移動するため、燃料
は排気ポート13に吹き抜けにくく、シリンダ2内で十
分拡散される。そして、ピストン3が上死点近くに達す
ると、点火プラグ9の花火によって燃焼室S内の十分拡
散された可燃混合気が着火燃焼せしめられ(エンジン回
転数N=1500rpm,4000rpmにおける点火
タイミングは、それぞれ図20、図21においてEにて
示される)、所謂予混合燃焼が行なわれるが、前述のよ
うに燃料の排気ポート13への吹き抜けが抑えられるた
め、所定燃料量当りのエンジン出力の向上、即ち、燃費
の向上と排ガス特性の改善等が図られる。尚、図19に
示すように、スロットル弁開度α=70°、エンジン回
転数N=4000rpmにおいては、クランク角θ=3
44°(BTDC16°)において点火がなされる。
【0065】ところで、図17乃至図21において、F
は第2インジェクタ32の噴射口37,38(図10参
照)がシリンダ2a内に露出するタイミングを、Gは第
2インジェクタ32の噴射口37,38がピストン3に
よって覆われるタイミングをそれぞれ示す。
【0066】以上のように、スロットル弁開度αとエン
ジン回転数Nに応じて決定される第1領域での混合気の
成層燃焼或は第2又は第3領域での混合気の予混合燃焼
による爆発力によってピストン3が上死点を過ぎて下降
すると、クランク室7内に導入された新気はピストン3
によって圧縮され、圧縮された新気は次のサイクルにお
ける掃気及び混合気形成に供される。そして、ピストン
3が下死点近くまで下降すると、先ず、排気ポート13
が開き、混合気の燃焼によって生じた排気ガスが排気ポ
ート13から排出される。その後、続いて主掃気ポート
10,11と補助掃気ポート12が開くと、クランク室
7内で圧縮された新気は、主掃気ポート10,11と補
助掃気ポート12からシリンダ2a内に流入して前記掃
気作用を行なう。
【0067】以後、上述と同様の作動が繰り返されて2
サイクルエンジン1は連続的に運転される。
【0068】以上において、本実施例では、図14に示
すように、第1インジェクタ31についても第2インジ
ェクタ32と同様に、燃料噴射量をスロットル弁開度α
(エンジン負荷)に比例して増大させるようにしたた
め、第2インジェクタ32のエンジン負荷に対する燃料
噴射量の変化率が緩和され、高速・高回転域においても
必要十分な量の燃料をシリンダ2aにエンジン毎のバラ
ツキを大きくすることなく供給してエンジン性能のバラ
ツキを所定内に収めることができる。
【0069】又、本実施例では、第2インジェクタ32
を補助掃気ポート12の上方近傍に配置したため、該第
2インジェクタ32からの噴射燃料流を対向掃気流q4
に乗せてシリンダ2a内に供給することができ、シリン
ダ2a内で燃料を均一に拡散させて確実な予混合燃焼を
実現させることができ、異常燃焼の発生を防ぐことがで
きる。
【0070】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、第1及び第2インジェクタを備え、第2インジ
ェクタを掃気ポートの上方近傍に配置して成る2サイク
ルエンジンの燃料噴射装置において、前記第1及び第2
インジェクタの各燃料噴射量をエンジン負荷に応じて増
減させるようにしたため、混合気の異常燃焼を防ぐとと
もに、高速・高負荷域においても必要十分な量の燃料を
エンジン毎のバラツキを大きくすることなく供給するこ
とができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る燃料噴射装置を備える2サイクル
エンジンの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る燃料噴射装置を備える2サイクル
エンジンの内部構造を示す縦断面図である。
【図3】本発明に係る燃料噴射装置を備える2サイクル
エンジンのシリンダ部の模式的平断面図である。
【図4】図3のB−B線断面図である。
【図5】図2のA−A線断面図である。
【図6】空気量調整装置の作用説明図である。
【図7】図2のC部拡大断面図である。
【図8】図7の矢視D方向の図である。
【図9】図8のE−E線断面図である。
【図10】図2のF部拡大詳細図である。
【図11】スロットル弁開度とエンジン回転数によって
区画される燃焼領域(第1、第2及び第3領域)を示す
図である。
【図12】吸気ポート開口面積のスロットル弁開度とエ
ンジン回転数による制御特性を示す図である。
【図13】特定のエンジン回転数(1500rpmと4
000rpm)におけるスロットル弁開度に対する吸気
ポート開口面積の制御特性を示す図である。
【図14】燃料噴射量のスロットル弁開度に対する制御
特性図である。
【図15】燃料圧力のスロットル弁開度に対する制御特
性図である。
【図16】燃料圧力のスロットル弁開度に対する制御特
性図である。
【図17】第1領域における燃料噴射タイミングと点火
タイミングをエンジン回転数をパラメータとして示すタ
イミングチャートである。
【図18】第2領域における燃料噴射タイミングと点火
タイミングをエンジン回転数をパラメータとして示すタ
イミングチャートである。
【図19】第3領域における燃料噴射タイミングと点火
タイミングをエンジン回転数をパラメータとして示すタ
イミングチャートである。
【図20】特定のエンジン回転数(1500rpm)に
おける燃料噴射タイミングと点火タイミングをスロット
ル弁開度をパラメータとして示すタイミングチャートで
ある。
【図21】特定のエンジン回転数(4000rpm)に
おける燃料噴射タイミングと点火タイミングをスロット
ル弁開度をパラメータとして示すタイミングチャートで
ある。
【図22】従来の燃料噴射装置を備える2サイクルエン
ジンの部分断面図である。
【符号の説明】
1 2サイクルエンジン 9 点火プラグ 10,11 主掃気ポート 12 補助掃気ポート 31 第1インジェクタ 32 第2インジェクタ 55 エンジン制御装置(制御手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02M 69/10

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1及び第2インジェクタを備え、第2
    インジェクタを掃気ポートの上方近傍に配置して成る2
    サイクルエンジンの燃料噴射装置において、前記第1及
    び第2インジェクタの各燃料噴射量をエンジン負荷に応
    じて増減させることを特徴とする2サイクルエンジンの
    燃料噴射装置。
  2. 【請求項2】 前記第1インジェクタは全負荷域におい
    て点火プラグを指向して燃料を噴射し、所定値未満の負
    荷域においては第1インジェクタからのみ燃料を噴射
    し、所定値以上の負荷域においては第1及び第2インジ
    ェクタの双方から燃料を噴射することを特徴とする請求
    項1記載の燃料噴射装置。噴射装置。
JP6230090A 1994-09-26 1994-09-26 2サイクルエンジンの燃料噴射装置 Pending JPH0893600A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3015679A1 (de) * 2014-10-31 2016-05-04 Winterthur Gas & Diesel AG Gaszuführsystem und zylinder für eine hubkolbenbrennkraftmaschine, hubkolbenbrennkraftmaschine, sowie verfahren zum betreiben einer hubkolbenbrennkraftmaschine

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3015679A1 (de) * 2014-10-31 2016-05-04 Winterthur Gas & Diesel AG Gaszuführsystem und zylinder für eine hubkolbenbrennkraftmaschine, hubkolbenbrennkraftmaschine, sowie verfahren zum betreiben einer hubkolbenbrennkraftmaschine

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