JPH07119509A - 2サイクルエンジンの燃焼制御装置 - Google Patents

2サイクルエンジンの燃焼制御装置

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JPH07119509A
JPH07119509A JP26481793A JP26481793A JPH07119509A JP H07119509 A JPH07119509 A JP H07119509A JP 26481793 A JP26481793 A JP 26481793A JP 26481793 A JP26481793 A JP 26481793A JP H07119509 A JPH07119509 A JP H07119509A
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JP
Japan
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combustion
cycle
engine
control device
control
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Application number
JP26481793A
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English (en)
Inventor
Takeo Yoshida
武雄 吉田
Ryoichi Hirai
良一 平井
Yuji Moriwaki
勇治 森脇
Takahiro Suzuki
隆広 鈴木
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Yamaha Motor Co Ltd
Original Assignee
Yamaha Motor Co Ltd
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B75/00Other engines
    • F02B75/02Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke
    • F02B2075/022Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke having less than six strokes per cycle
    • F02B2075/025Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke having less than six strokes per cycle two
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B3/00Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition
    • F02B3/06Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition with compression ignition
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

Abstract

(57)【要約】 【目的】 燃焼状態の切り換え時の失火やエンジン音の
頻繁な変化を防いでエンジンの動作フィーリング及び排
気ガス特性の改善を図ることができる2サイクルエンジ
ンの燃焼制御装置を提供すること。 【構成】 少なくとも負荷をパラメータとして吸気量を
制御する吸気量制御装置17と、燃料を供給する燃料供
給手段(第1、第2燃料噴射弁31,32)と、前記吸
気量制御装置17と燃料供給手段(第1、第2燃料噴射
弁31,32)を制御して負荷が設定値以下の低負荷領
域においては成層燃焼を行なわせ、負荷が設定値以上の
中・高負荷域においては予混合燃焼を行なわしめるエン
ジン制御装置(ECU)43を有する2サイクルエンジ
ンの燃焼制御装置において、燃焼状態を成層燃焼或いは
予混合燃焼に切り換えるべき切換信号が入力されると、
前記エンジン制御装置43が、その切換信号が入力され
たサイクルの次のサイクルでは燃焼状態をそのまま維持
し、その次のサイクルで燃焼状態を成層燃焼或いは予混
合燃焼に切り換えるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、クランク室圧掃気の2
サイクルエンジンの燃焼制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】クランク室圧掃気の2サイクルエンジン
においては、吸気量制御手段及び吸気通路とクランク室
との間に配置された逆流防止手段を介してクランク室に
導入された新気によって燃焼室の掃気を行ない、この掃
気開始以降にクランク室を含んで逆流防止手段から燃焼
室に至る新気供給通路又は/及び燃焼室に燃料を供給し
ている。この場合、吸気量制御手段の制御量に対応する
燃料供給制御は、当該吸気量制御が行なわれた新気がク
ランク室に導入される吸気行程の次の吸気行程での吸気
量制御手段の制御量に基づいて行なわれている。
【0003】更に、燃焼室内に形成される混合気への点
火のタイミングを吸気量制御手段の制御量に基づいて行
なわせる場合もある。この場合、燃料供給手段を上記の
通り実施する方法と、吸気量制御手段と燃料供給手段を
一体化したもの(例えば、気化器)において、点火タイ
ミングをエンジン回転数のみでなく吸気量制御手段の制
御量にも基づいて行なわせる方法がある。
【0004】ところで、本出願人は、クランク室圧掃気
式であって、且つ、シリンダ内に噴射された燃料に着火
する2サイクルエンジンにおいて、排気ガス対策や燃費
の改善等を目的として、中・高負荷域において予混合燃
焼させる一方、低負荷域において成層燃焼を行なわせる
ものを先に提案した。
【0005】上記成層燃焼は、低負荷域においてシリン
ダ内を新気で満たし、点火プラグ近傍に局所的に燃料を
噴射してその周囲に形成される濃混合気に着火すること
によって実現される。又、前記予混合燃焼は、シリンダ
内に噴射された燃料が十分拡散した後に点火着火させる
ことによって実現される。
【0006】更に、本出願人は、一般に低負荷域ではシ
リンダ内に十分な量の新気が導入されないために燃焼室
内の掃気が十分行なえず、燃焼室内に燃焼ガスが残留し
て成層燃焼を行なえない場合があることを考慮し、成層
燃焼時(低負荷運転時)にシリンダ内への空気供給量を
一時的に増加させるための空気量制御(調整)手段を設
けた燃焼制御装置を先に提案した。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、2サイ
クルエンジンにおいてシリンダ内で圧縮されて混合気の
形成に供される新気は、その前のサイクルでクランク室
に吸入された新気であるため、吸気量に対する燃料供給
制御が1サイクルずつズレるという問題がある。
【0008】更に、本出願人が先に提案したものについ
て言えば、負荷が設定値を超えて増大したために燃焼状
態を成層燃焼から予混合燃焼に直ちに切り換えてしまう
と、前のサイクル(成層燃焼が行なわれたサイクル)で
クランク室に吸入された多量の新気が燃焼室内に導入さ
れるため、予混合燃焼における最初の1サイクルで燃焼
室内の混合気が過薄となって失火するという問題が発生
する。
【0009】又、逆に負荷が所定値を超えて下がったた
めに燃焼状態を予混合燃焼から成層燃焼に直ちに切り換
えてしまうと、前のサイクル(予混合燃焼が行なわれた
サイクル)でクランク室内に吸引された少量の新気が燃
焼室内に導入されるため、成層燃焼における最初の1サ
イクルで燃焼室内の混合気が過濃となって失火するとい
う問題が発生する。
【0010】上述のように、燃焼状態の切り換え時に失
火が発生すると、エンジンの動作フィーリングや排気ガ
ス特性が悪化する。
【0011】ところで、従来、成層燃焼から予混合燃焼
へ切り換えるべき負荷の設定値と、逆に予混合燃焼から
成層燃焼へ切り換えるべき負荷の設定値とが同一であっ
たため、その設定値近傍の負荷域においては燃焼状態の
切り換えが頻繁に行なわれ、エンジン音の変化が激し
く、エンジンの動作フィーリングの悪化を招く他、吸気
量制御手段等の機器の耐久性が低下する等の問題が発生
していた。
【0012】本発明は上記問題に鑑みてなされたもの
で、第1の目的とする処は、吸気量に対するエンジンの
燃焼状態を常に適正に保ち、エンジンの動作フィーリン
グの改善を図ることができる2サイクルエンジンの燃焼
制御装置を提供することにある。
【0013】又、本発明の第2の目的とする処は、吸気
量に対する燃料供給制御や点火タイミング制御を常に適
正に行なうことができ、燃焼状態の切り換え時の失火や
エンジン音の頻繁な変化を防いでエンジンの動作フィー
リング及び排気ガス特性の改善を図ることができるとと
もに、吸気量制御手段等の機器の耐久性向上を図ること
ができる2サイクルエンジンの燃焼制御装置を提供する
ことにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく本
発明は、吸気量制御手段及び吸気通路とクランク室との
間に配置された逆流防止手段を介してクランク室に導入
された新気によって燃焼室の掃気を行ない、この掃気開
始以降にクランク室から燃焼室に到る新気に作用してエ
ンジンの燃焼状態を変化させる制御手段の制御量を、前
記吸気量制御手段の制御量に対応して制御するととも
に、該制御を、吸気量制御が行なわれた新気がクランク
室に導入される吸気行程の次の掃気行程が開始された後
に行なうことを特徴とする。
【0015】又、本発明は、燃料供給制御によって、負
荷が設定値以下の低負荷域においては成層燃焼を行なわ
せ、負荷が設定値以上の中・項負荷域においては予混合
燃焼を行なわしめるエンジン制御手段を有する2サイク
ルエンジンの燃焼制御装置において、燃焼状態を成層燃
焼或いは予混合燃焼に切り換えるべき切換信号が入力さ
れると、前記エンジン制御手段が、その切換信号が入力
されたサイクルの次のサイクルでは燃焼状態をそのまま
維持し、その次のサイクルで燃焼状態を成層燃焼或いは
予混合燃焼に切り換えるようにしたことを特徴とする。
【0016】更に、本発明は、燃焼状態が成層燃焼から
予混合燃焼に切り換えられるときの前記負荷の設定値
を、予混合燃焼から成層燃焼に切り換えられるときの負
荷の設定値よりも大きくしたことを特徴とする。
【0017】
【作用】本発明によれば、吸気量に対する燃料供給制御
のズレが解消され、燃料供給制御が常に適正に行なわれ
る。
【0018】従って、例えば、燃焼状態を成層燃焼から
予混合燃焼に切り換える場合、前のサイクル(成層燃焼
が行なわれたサイクル)でクランク室に吸入された多量
の新気がそのまま成層燃焼に供された後、次のサイクル
で予混合燃焼が行なわれるため、最後に成層燃焼が行な
われたサイクルでクランク室内に吸入された少量の新気
が次のサイクル(予混合燃焼が行なわれる最初の1サイ
クル)において予混合燃焼に供されるため、予混合燃焼
が行なわれる最初の1サイクルで燃焼室内の混合気が過
薄となって失火するという従来の問題が解消される。
【0019】又、逆に燃焼状態を予混合燃焼から成層燃
焼に切り換える場合、前のサイクル(予混合燃焼が行な
われたサイクル)でクランク室に吸入された少量の新気
がそのまま予混合燃焼に供された後、次のサイクルで成
層燃焼が行なわれるため、最後に予混合燃焼が行なわれ
たサイクルでクランク室内に吸入された多量の新気が次
のサイクル(予混合燃焼が行なわれる最初の1サイク
ル)において予混合燃焼に供されるため、成層燃焼が行
なわれる最初の1サイクルで燃焼室内の混合気が過濃と
なって失火するという問題も解消される。
【0020】更に、本発明によれば、燃焼状態を切り換
えるべき負荷の設定値を、成層燃焼から予混合燃焼に切
り換えときと予混合燃焼から成層燃焼に切り換えるとき
で異ならせたため(つまり、負荷の設定値にヒステリシ
スを持たせたため)、設定値近傍の負荷域において燃焼
状態の切り換えが頻繁に行なわれることがなく、エンジ
ン音の変化が抑えられ、エンジンの動作フィーリングの
悪化や吸気量制御手段等の機器の耐久性低下等が防がれ
る。
【0021】
【実施例】以下に本発明の一実施例を添付図面に基づい
て説明する。
【0022】図1は本発明に係る燃焼制御装置の構成を
示すブロック図、図2は2サイクルエンジンの縦断面
図、図3は図2のA−A線断面図、図4は図2のB−B
線断面図、図5は吸気量制御手段の作用説明図である。
【0023】先ず、図2に基づいて2サイクルエンジン
1の構成を説明する。
【0024】本実施例に係る2サイクルエンジン1は、
混合気の燃焼状態が本発明に係る燃焼制御装置によって
制御されるエンジンであって、そのシリンダブロック2
に形成されたシリンダ2a内にはピストン3が上下摺動
自在に嵌装されている。そして、ピストン3は、これの
下方に図2の紙面垂直方向に長く配されたクランク軸4
にコンロッド5を介して連結されている。尚、シリンダ
ブロック2に一体に形成されたアッパークランクケース
2bとこれの下面に結着されたロアークランクケース6
の内部にはクランク室7が形成されており、該クランク
室7内に前記クランク軸4が回転自在に支承されて収納
されている。
【0025】又、上記シリンダブロック2の上面にはシ
リンダヘッド8が被着されており、該シリンダヘッド8
には燃焼凹部8aが形成されており、該燃焼凹部8aと
前記ピストン3とで燃焼室Sが画成されている。更に、
シリンダヘッド8の頂部には点火プラグ9が螺着されて
おり、該点火プラグ9の電極部9aは前記燃焼室Sに臨
んでいる。
【0026】ところで、前記シリンダヘッド8には、図
3に示すように、2つの主掃気ポート10,11と1つ
の補助掃気ポート12及び1つの排気ポート13がそれ
ぞれ形成されている。尚、上記2つの主掃気ポート1
0,11は相対向する位置に形成されており、補助掃気
ポート12は排気ポート13に対向する位置に形成され
ている。そして、補助掃気ポート12は、その上端開口
部12aがシリンダ2aの上方に向かって開口してお
り、このため、該補助掃気ポート12からの掃気流の排
気ポート13への吹き抜けは殆んど生じない。
【0027】一方、前記シリンダブロック2の下部に
は、クランク室7に開口する空気導入口14が形成され
ており、該空気導入口14には、空気のクランク室7方
向への流れのみを許容するリードバルブ15が設けられ
ている。
【0028】又、上記空気導入口14には吸気管16が
接続されており、該吸気管16には吸気量調整装置17
を介して吸気マニホールド18が接続されている。
【0029】上記吸気量制御装置17は、図1に示すア
クセル装置19における不図示のアクセルペダルの操作
量(エンジン負荷)とエンジン回転数をパラメータとし
て、空気導入口14からリードバルブ15を経てクラン
ク室7に吸入される新気の吸気量を制御するものであ
り、これは上下に形成された吸気ポート20a,21a
をそれぞれ開閉するメインバルブ20とサブバルブ21
を有している。尚、メインバルブ20とサブバルブ21
は不図示の付勢手段によって閉じ方向に常時付勢されて
いる。
【0030】而して、図4に示すように、メインバルブ
20、サブバルブ21の各駆動軸22,23には、これ
らのバルブ20,21の各開度を検出するためのポテン
ショメータ24,25がそれぞれ設けられており、サブ
バルブ21の駆動軸23にはモータ26が連結されてい
る。
【0031】又、図5に示すように、メインバルブ20
の駆動軸22の一端には第1揺動片27が、サブバルブ
21の駆動軸23の一端には第2揺動片28がそれぞれ
結着されている。そして、上記第1揺動片27の外周部
には溝27a(図4参照)と係止孔27b(図5参照)
が形成されており、溝27aには、その一端が前記アク
セル装置19に連結されたスロットルワイヤー29が巻
装され、該スロットルワイヤー29の他端は第1揺動片
27の前記係止孔27bに係止されている。
【0032】更に、図5に示すように、第1揺動片27
と第2揺動片28の間には連結ロッド30が配設されて
おり、該連結ロッド30の一端30aは第1揺動片27
に回動自在に枢着され、他端30bは第2揺動片28に
形成された円弧状のガイド溝28aに摺動自在に係合さ
れている。
【0033】一方、図2に示すように、前記シリンダヘ
ッド8の側壁部分には、主に低負荷域において成層燃焼
を行なわせるとともに、中・高負荷域においても補助的
に燃料を供給するための第1燃料噴射弁31が装着され
ており、又、前記シリンダブロック2の側壁には、中・
高負荷域において予混合燃焼を行なわせるための第2燃
料噴射弁32が装着されている。尚、上記第1燃料噴射
弁31は、噴射された燃料が点火プラグ9の電極部9a
の近傍に局所的に供給されるように、その噴射孔のサイ
ズ、方向等が設定されている。又、前記第2噴射弁32
は、噴射された燃料が排気ポート13に吹き抜けないよ
うに、前記補助掃気ポート12の上方で、且つ、排気ポ
ート13の天壁13aよりも若干下方に取り付けられて
いる。
【0034】ここで、本発明に係る燃焼制御装置の全体
構成を図1に基づいて説明する。尚、図1においては、
図2〜図5に示したと同一要素には同一符号を付してお
り、以下、それらについての説明は省略する。
【0035】図1において、33は前記吸気マニホール
ド18の吸気口であり、図示矢印aは該吸気口33から
吸入された空気(新気)の流れを、矢印bは2サイクル
エンジン1から排出される排気ガスの流れをそれぞれ示
す。
【0036】ところで、2サイクルエンジン1のクラン
ク軸4の回転動力は、出力軸34、ギヤ35,36及び
入力軸37を経て外部負荷38に伝達されるが、クラン
ク軸4の端部には、エンジン回転数とクランク角を検出
するための計測用ギヤ39が結着されている。尚、上記
計測用ギヤ39には基準クランク角表示歯が形成されて
いる。
【0037】又、図1において、40は前記第1燃料噴
射弁31と第2燃料噴射弁32に一定圧の燃料を供給す
るするための燃料供給装置、41は前記点火プラグ9に
よる点火の時期を制御するための点火時期制御装置、4
2はクランク角センサを兼ねる回転数センサであり、該
回転数センサ42は前記計測用ギヤ39の近傍に配置さ
れている。尚、計測用ギヤ39においては、ピストン3
が下死点(B.D.C )にある時に対応して回転数センサ4
2と対向する歯のみの幅が小さく設定されており、これ
に基づき回転数センサ42は基準クランク角信号を後述
のエンジン制御装置(ECU:Engine Control Unit )
43に送るとともに、クランク軸4の基準クランク角位
置からの回転量を示すクランク角信号をエンジン制御装
置43に送る。
【0038】而して、当該燃焼制御装置には、上記エン
ジン制御装置(ECU)43が設けられており、このエ
ンジン制御装置43は、前記回転数センサ42によって
検出されたエンジン回転数とクランク角、前記ポテンシ
ョメータ24,25によって検出されたメインバルブ2
0とサブバルブ21の各開度(特に、メインバルブ20
の開度、つまり、エンジン負荷(アクセル装置19にお
けるアクセル操作量))に基づいて空気量制御手段17
(モータ26(サブバルブ21の開度))と第1、第2
燃料噴射弁31,32(燃料噴射タイミングと燃料噴射
量)及び点火時期制御装置41(点火時期)を制御する
ことによって、エンジン負荷が小さな低負荷域において
は成層燃焼を行なわしめ、中・高負荷域においては予混
合燃焼を行なわしめるものである。
【0039】ここで、2サイクルエンジン1の作動を概
説する。
【0040】図2に示すように、ピストン3が下死点
(B.D.C )に位置するときには、主掃気ポート10,1
1と補助掃気ポート12及び排気ポート13は開口して
おり、このとき、前のサイクルでクランク室7に導入さ
れてピストン3で圧縮された新気は、主掃気ポート1
0,11と補助掃気ポート12を経てシリンダ2a内に
流入し、シリンダ2a内に残留する排気ガスを排気ポー
ト13からシリンダ2a外へ押し出す掃気作用を行な
う。
【0041】次に、ピストン3がシリンダ2a内を下死
点から上方へ移動すると、先ず主掃気ポート10,11
と補助掃気ポート12がピストン3によって閉じられ、
その後、排気ポート13が同じくピストン3によって閉
じられ、シリンダ2a内に導入された新気が圧縮される
圧縮行程に移行するが、エンジン負荷が小さな低負荷域
においては前記掃気行程の後の圧縮行程中に第1燃料噴
射弁31から燃料が点火プラグ9の電極部9aに向かっ
て局所的に噴射され、電極部9aの周りに濃混合気が形
成され、この濃混合気が点火プラグ9により点火されて
着火し、成層燃焼がなされる。
【0042】又、エンジン負荷が所定値より大きな中・
高負荷域においては、掃気行程中に既に第1燃料噴射弁
31又は第1及び第2燃料噴射弁31,32からシリン
ダ2a内への燃料の噴射が開始され、この燃料の噴射は
圧縮行程前に終了し、シリンダ2a内には燃料の十分な
拡散によって混合気が形成される。
【0043】そして、ピストン3が上死点(T.D.C )近
くに達すると、点火プラグ9からの火花によって燃焼室
S内の混合気が着火燃焼せしめられ、所謂予混合燃焼が
なされる。定る。
【0044】一方、ピストン3の上昇によってクランク
室7内には負圧が発生し、この負圧によって新気が吸気
マニホールド18、吸気量制御装置17、吸気管16及
びリードバルブ15を経て空気導入口14からクランク
室7内に導入される。
【0045】而して、燃焼室Sでの混合気の燃焼による
爆発力によってピストン3が上死点を過ぎて下降する
と、クランク室7内に導入された新気はピストン3によ
って圧縮され、圧縮された新気は次のサイクルにおける
掃気及び混合気形成に供される。そして、ピストン3が
下死点近くまで下降すると、先ず排気ポート13が開
き、混合気の燃焼によって生じた排気ガスが排気ポート
13から排出される。その後、続いて主掃気ポート1
0,11と補助排気ポート12が開くと、クランク室7
内で圧縮された新気は、主掃気ポート10,11と補助
掃気ポート12からシリンダ2a内に流入して前記掃気
作用を行なう。
【0046】以後、上述と同様の作動が繰り返されて2
サイクルエンジン1は連続的に運転されるが、斯かる2
サイクルエンジン1においては、前述のようにシリンダ
2a内で圧縮されて混合気の形成に供される新気は、そ
の前のサイクルでクランク室7に吸入された新気であ
る。
【0047】次に、本燃焼制御装置の作用を図5及び図
6に基づいて説明する。尚、図6はメインバルブ20の
開度α(エンジン負荷)に対する吸気ポート20aの開
口面積の変化を示す図である。
【0048】2サイクルエンジン1が停止状態にあると
きには、メインバルブ20とサブバルブ21は共に全閉
状態にあり、アイドリング状態にあるときには、エンジ
ン制御装置43からの制御信号によってモータ26が駆
動され、サブバルブ21は図5に鎖線にて示すように矢
印方向に所定角度だけ開く。従って、エンジン1のアイ
ドリング状態(メインバルブ20の開度α=0)におい
ては、吸気ポートの開口面積は図6の点IDにて示す値
(吸気ポート21aの開口面積)を示し、不図示のアイ
ドルポート及びサブバルブ21を通過した空気がリード
バルブ15を通って空気導入口14からクランク室6内
に導入され、これにより従来のアイドリング状態よりも
多量の空気がシリンダ2a内に導入されて掃気に供され
るため、アイドリング時の掃気効率が高められる。
【0049】尚、図6において、破線Cはメインバルブ
20の吸気ポート20aの開口面積を、鎖線Dは両バル
ブ20,21の吸気ポート20a,21aの開口面積の
合計をそれぞれ示している。又、破線Eはエンジン回転
数を1500rpmに保持した状態におけるサブバルブ
21の吸気ポート21aの開口面積の変化を、実線Fは
エンジン回転数を4000rpmに保持した状態におけ
るサブバルブ21の吸気ポート21aの開口面積の変化
をそれぞれ示している。
【0050】而して、アクセル装置19におけるアクセ
ルペダルの踏み込み量が小さく、スロットルワイヤー2
9によって回動せしめられる第1揺動片27とメインバ
ルブ20の回動角が小さいために、ポテンショメータ2
4によって検出されるメインバルブ20の開度αが設定
値α0 (この値α0 はエンジン回転数によって変化す
る)よりも小さな低負荷域(α<α0 )においては、エ
ンジン制御装置43は連結ロッド30によりサブバルブ
21を駆動制御するのではなく、モータ26を駆動制御
してサブバルブ21を図5に実線にて示すように矢印方
向に回動せしめてこれを開くとともに、第1燃料制御弁
31と点火時期制御装置41を制御して燃焼室Sで混合
気の成層燃焼を行なわしめる。
【0051】従って、成層燃焼が実行される低負荷域に
おいては、アクセル装置19のアクセルペダルを徐々に
踏み込むと、メインバルブ20が徐々に開くとともに、
該メインバルブ20の動作により直接駆動されることな
く、エンジン制御装置43はメインバルブ20の動作
(エンジン負荷)をポテンショメータ24により読み取
り、この値に基づく所定の開度とするようポテンショメ
ータ25によるフィードバックを掛けながらモータ26
を制御する。そして、モータ26の駆動制御によってサ
ブバルブ21が開き、該サブバルブ21の吸気ポート2
1aの開口面積は図6の破線E(エンジン回転数が15
00rpmのとき)又は実線F(エンジン回転数が40
00rpmのとき)に沿って増加する。このように、成
層燃焼が行なわれる低負荷域においては、サブバルブ2
1を通しても新気が供給されるため、一時的に多量の新
気がシリンダ2aでの掃気に供され、掃気効率及び排気
ガス特性の改善が図られる。
【0052】そして、メインバルブ20の開度αが設定
値α0 (エンジン回転数が1500rpmではα0 =1
5°、4000rpmではα0 =25°)に達すると、
エンジン制御装置43はモータ26の駆動制御を解除す
るため、サブバルブ21は第2揺動片28に形成された
ガイド溝28aの端部が連結ロッド30の端部30bに
当接するまで閉じ方向に急速に回動する。この結果、図
6に示すように、サブバルブ21の吸気ポート21aの
開口面積は急激に減少し、それ以後、アクセルペダルの
踏み込みによってメインバルブ20の開度αが増加する
と、第2揺動片28は連結ロッド30により駆動されて
第1揺動片27の回動に連動する。これによって、サブ
バルブ21はメインバルブ20と一体的に開き方向に回
動し、両バルブ20,21の吸気ポート20a,21a
の開口面積の和は図6の鎖線Dに沿って増加する。尚、
図6において斜線を付す領域は成層燃焼領域を示す。
【0053】而して、メインバルブ20の開度αが設定
値α0 以上(α≧α0 )となる中・高負荷域において
は、前述のように予混合燃焼が行なわれる。先ず、メイ
ンバルブ20の開度αが或る設定値α1 (>α0 )未満
であるとき、つまり、サブバルブ21が急激に閉じた後
に開くまでの間では、低負荷域におけると同様に、第1
噴射弁31のみから燃料が噴射され、点火時期制御装置
41によって点火時期が低負荷域における値より十分遅
角され、十分に拡散された燃料によって形成された混合
気に点火が行なわれ、該混合気が着火燃焼されて予混合
燃焼が行なわれる。
【0054】そして、メインバルブ20の開度αが前記
設定値α1 を超えると、第1噴射弁31と第2噴射弁3
2の双方から燃料が供給されるとともに、点火時期制御
装置41によって点火時期が制御され、十分に拡散され
た燃料によって形成された混合気に点火され、該混合気
が着火燃焼されて予混合燃焼が行なわれる。
【0055】次に、エンジン制御装置43による制御動
作を図7乃至図10に基づいて説明する。尚、図7はエ
ンジン制御装置43による制御手順を示すフローチャー
ト、図8は成層燃焼から予混合燃焼に移行する場合のタ
イミングチャート、図9は予混合燃焼から成層燃焼に移
行する場合のタイミングチャート、図10は成層燃焼か
ら予混合燃焼への移行と予混合燃焼から成層燃焼への移
行の状態を示す説明図である。
【0056】前記ポテンショメータ24によって検出さ
れたメインバルブ20の開度αがエンジン制御装置43
に入力されると(図7のSTEP1)、その開度αの時間的
な変化割合dα/dt(ここに、tは時間)が判定され
(図7のSTEP2)、dα/dt=0(等速)であれば、
開度αが前記設定値α0 より大きい(α>α0 )か否か
が判断され(図7のSTEP3)、α≦α0 であれば、成層
燃焼用の制御が実施される(図7のSTEP4)。
【0057】又、α>α0 であれば、更に、メインバル
ブ20の開度αが前記設定値α1 よりも大きいか否かが
判断され(図7のSTEP5)、α≦α1 であれば、前述の
ように第1噴射弁31のみから燃料が噴射されて予混合
燃焼用の制御が実施され(図7のSTEP6)、α>α1
あれば、第1噴射弁31と第2噴射弁32の双方から燃
料が噴射されて予混合燃焼用の制御がなされる(図7の
STEP7)。
【0058】一方、STEP2での判断において、dα/d
t>0(加速)であれば、メインバルブ20の開度αが
前記設定値α0 を通過したか否かが判断され(図7のST
EP8)、通過しなければ、前記STEP3〜STEP7までの処
理が実行され、通過すれば、燃焼状態を成層燃焼から予
混合燃焼に切り換える制御がなされる(図7のSTEP
9)。
【0059】ここで、燃焼状態を成層燃焼から予混合燃
焼に切り換える制御を図8のタイミングチャートに従っ
て説明する。
【0060】図8に示すように、(n−1)サイクルに
てクランク角が上死点(T.D.C )位置から約35°過ぎ
た時期からnサイクルにおいて同クランク角が上死点位
置から35°までの時期の間に燃焼状態を成層燃焼から
予混合燃焼に切り換えるべき切換信号が出力された場
合、サブバルブ21は次の(n+1)サイクルでクラン
ク室吸気が開始されるまでに急速に閉じ方向に回動せし
められる。
【0061】ところが、次の(n+1)サイクルでシリ
ンダ2a内に供給される新気は1つ前のnサイクル(成
層燃焼が行なわれたサイクル)でクランク室7に吸入さ
れた多量の新気であるため、切換信号が発せられたnサ
イクルの次の(n+1)サイクルで直ちに予混合燃焼さ
せるための燃料噴射制御及び点火時期制御を実施する
と、成層燃焼用としての多量の新気が燃焼室S内に導入
されるため、予混合燃焼が行なわれるべき多サイクルの
内の最初の(n+1)サイクルで燃焼室S内の混合気が
過薄となって失火するという問題が発生する。
【0062】そこで、本実施例では、(n+1)サイク
ルではそのまま第1燃料噴射弁31による燃料噴射をク
ランク角約−35°から約−8°にかけて実施して成層
燃焼を行なわしめ、次の(n+2)サイクルで初めて予
混合燃焼を実施させるようにした。即ち、(n+2)サ
イクルにおいては、点火タイミングはクランク角約−2
0°のままであるが、第1燃料噴射弁31による燃料噴
射のタイミングがクランク角で約145°から170°
にかけて既にサブバルブ21が閉じられた後の(n+
1)サイクルにおいて吸入された少量の新気が予混合燃
焼に供されるため、予混合燃焼が行なわれる多サイクル
の内の最初の(n+2)サイクルで燃焼室S内の混合気
が過薄となって失火するという問題が解消される。
【0063】他方、STEP2での判断がdα/dt<0
(減速)であれば、メインバルブ20の開度αが設定値
α0 ’(<α0 )を通過したか否かが判断され(図7の
STEP10)、通過しなければ、前記STEP3〜STEP7まで
の処理が実行され、通過すれば、燃焼状態を予混合燃焼
から成層燃焼に切り換える制御がなされる(図7のSTEP
11)。
【0064】尚、本実施例においては、図10に示すよ
うに、成層燃焼から予混合燃焼に切り換えるときのメイ
ンバルブ21の開度αの設定値α0 と予混合燃焼から成
層燃焼に切り換えるときの設定値α0 ’を異ならせ、α
0 >α0 ’として両設定値α0 ,α0 ’間にヒステリシ
スを持たせている。
【0065】ここで、燃焼状態を予混合燃焼から成層燃
焼に切り換える制御を図9のタイミングチャートに従っ
て説明する。
【0066】図9に示すように、(n+1)サイクルに
てクランク角が上死点位置から約85°を過ぎた時期か
らnサイクルにおいてクランク角が上死点位置から約ゆ
え°までの時期の間に燃焼状態を予混合燃焼から成層燃
焼に切り換えるべき切換信号が出力された場合、サブバ
ルブ21は次の(n+1)サイクルでクランク室吸気が
開始されるまで(或いは、クランク室吸気が開始されて
から所定時間内)に急速に開き方向に回動せしめられ
て、吸入吸気量が成層燃焼用に増量される。
【0067】ところが、次の(n+1)サイクルでシリ
ンダ2a内に供給される空気は1つ前のnサイクル(予
混合燃焼が行なわれていたサイクル)でクランク室7に
吸入された少量の新気であるため、切換信号が発せられ
たnサイクルの次の(n+1)サイクルで直ちに成層燃
焼させるための燃料噴射及び点火時期制御を実施する
と、予混合燃焼用としての少量の新気が燃焼室S内に導
入されるため、成層燃焼が行なわれるべき多く最初の
(n+1)サイクルで燃焼室S内の混合気が過濃となっ
て失火するという問題が発生する。
【0068】そこで、本実施例では、(n+1)サイク
ルではそのまま第1燃料噴射弁31による燃料噴射をク
ランク角約145°から約170°にかけて実施し、点
火をクランク角約−20°で実施して予混合燃焼を行な
わしめ、次の(n+2)サイクルで初めて成層燃焼を実
施させるようにした。即ち、(n+2)サイクルにおい
ては、点火タイミングはクランク角約−20°のままで
あるが、第1燃料噴射弁31による燃料噴射がクランク
角で約−35°から約−8°にかけて実施され、既にサ
ブバルブ21が開かれた後の(n+1)サイクルにおい
て吸入された多量の新気が成層燃焼に供されるため、成
層燃焼が行なわれるべき多サイクルの内の最初の(n+
2)サイクルで燃焼室S内の混合気が過濃となって失火
するという問題が解消される。
【0069】又、本実施例においては、前述のように、
燃焼状態を切り換えるべきメインバルブ21の設定値α
0 ,α0 ’を、成層燃焼から予混合燃焼に切り換えとき
と予定混合燃焼から成層燃焼に切り換えるときで異なら
せたため(つまり、設定値α0 ,α0 ’の間にヒステリ
シスを持たせたため)、設定値α0 ,α0 ’近傍の負荷
域において燃焼状態の切り換えが頻繁に行なわれること
がなく、エンジン音の変化が抑えられ、エンジン1の動
作フィーリングの悪化や空気量制御装置17等の機器の
耐久性低下等が防がれる。
【0070】而して、図7のSTEP4,6,7,9,11
の何れかの処理が終了すると、不図示のエンジン停止ス
イッチが作動するまで以上の制御動作が繰り返され(図
7のSTEP12)、エンジン停止スイッチが作動すると、
点火が停止されるか、或いは燃料噴射弁31,32が全
閉されて(図7のSTEP13)エンジン1が停止され、制
御動作も停止される(図7のSTEP14)。
【0071】次に、本発明の別実施例を図11及び図1
2に基づいて説明する。尚、図11は別実施例に係る燃
焼制御装置の構成を示すブロック図、図12は同燃焼制
御装置による燃焼制御のタイミングチャートであり、図
11においては図1に示したと同一要素には同一符号を
付している。
【0072】本実施例においては、吸気量制御入力(ア
クセル装置19におけるアクセルペダルの操作)に基づ
いて吸気量制御手段17(スロットルバルブ20)を制
御するとともに、該吸気量制御手段17の制御量(スロ
ットルバルブ20の開度)に対応する燃料供給制御(燃
料噴射弁31による燃料噴射タイミングと燃料噴射量)
を、当該吸気量制御が行なわれた新気がクランク室7に
導入される吸気行程の次の掃気行程が開始された後に行
なうことを特徴とする。尚、図11において、45は燃
料噴射圧調整用のレギュレータ、Sは燃焼室である。
【0073】而して、例えば図12に示すnサイクルに
おいて圧縮されて点火・燃焼の後に膨張する新気(混合
気)はその前の(n−1)サイクルにおいてクランク室
7に吸引された新気である。
【0074】従って、本実施例によれば、(n−1)サ
イクルにおいてクランク室7に吸引された新気の制御量
に基づいてその新気(nサイクルにおいて掃気、混合気
形成及び圧縮・膨張に供される新気)に対して燃料供給
制御(燃料噴射タイミングと燃料噴射量の制御)と点火
タイミングの制御((n+1)サイクルにおいては点火
タイミングをnサイクルのそれよりも進める)がなされ
るため、従来の吸気量に対する燃料供給制御のズレが解
消され、燃料供給制御が常に適正に行なわれる。特に、
本実施例を前記実施例に適用すると、燃焼状態を成層燃
焼或いは予混合燃焼に切り換えるべき切換信号の有無に
関係なく、燃焼状態の切り換えを常に円滑に行なうこと
ができる。
【0075】尚、吸気量制御手段17として気化器を配
置するとともに、燃料噴射弁31とレギュレータ45を
廃し、点火タイミングの制御のみを同様に行なう場合で
も、同様の効果が得られる。
【0076】
【発明の効果】以上の説明で明らかな如く、本発明によ
れば、吸気量に対するエンジンの燃焼状態を常に適正に
保ち、エンジンの動作フィーリングの改善を図ることが
できるという効果が得られる。
【0077】又、本発明によれば、吸気量に対する燃料
供給制御や点火タイミング制御を常に適正に行なうこと
ができ、燃焼状態の切り換え時の失火やエンジン音の頻
繁な変化を防いでエンジンの動作フィーリング及び排気
ガス特性の改善を図ることができるとともに、吸気量制
御手段等の機器の耐久性向上を図ることができるという
効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る燃焼制御装置の構成を示すブロッ
ク図である。
【図2】2サイクルエンジンの縦断面図である。
【図3】図2のA−A線断面図である。
【図4】図2のB−B線断面図である。
【図5】吸気量制御手段の作用説明図である。
【図6】メインバルブの開度(エンジン負荷)に対する
吸気ポートの開口面積の変化を示す図である。
【図7】燃焼制御装置による制御手順を示すフローチャ
ートである。
【図8】成層燃焼から予混合燃焼に移行する場合のタイ
ミングチャートである。
【図9】予混合燃焼から成層燃焼に移行する場合のタイ
ミングチャートである。
【図10】成層燃焼から予混合燃焼への移行と予混合燃
焼から成層燃焼への移行の状態を示す説明図である。
【図11】本発明の別実施例に係る燃焼制御装置の構成
を示すブロック図である。
【図12】本発明の別実施例に係る燃焼制御装置による
燃焼制御のタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 2サイクルエンジン 17 吸気量制御装置(吸気量制御手段) 20 メインバルブ 21 サブバルブ 31 第1燃料噴射弁(燃料供給手段) 32 第2燃料噴射弁(燃料供給手段) 40 燃料供給装置(燃料供給手段) 43 エンジン制御装置(エンジン制御手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02B 25/14 Z F02D 41/34 E 8011−3G C 8011−3G (72)発明者 鈴木 隆広 静岡県磐田市新貝2500番地ヤマハ発動機株 式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸気量制御手段及び吸気通路とクランク
    室との間に配置された逆流防止手段を介してクランク室
    に導入された新気によって燃焼室の掃気を行ない、この
    掃気開始以降にクランク室から燃焼室に到る新気に作用
    してエンジンの燃焼状態を変化させる制御手段の制御量
    を、前記吸気量制御手段の制御量に対応して制御すると
    ともに、該制御を、吸気量制御が行なわれた新気がクラ
    ンク室に導入される吸気行程の次の掃気行程が開始され
    た後に行なうことを特徴とする2サイクルエンジンの燃
    焼制御装置。
  2. 【請求項2】 前記エンジンの燃焼状態を変化させる制
    御手段として、点火制御手段を配置したことを特徴とす
    る請求項1記載の2サイクルエンジンの燃焼制御装置。
  3. 【請求項3】 前記エンジンの燃焼状態を変化させる制
    御手段として、クランク室を含んで逆流防止手段から燃
    焼室に到る新気供給通路又は/及び燃焼室に燃料を供給
    する燃料供給手段を配置したことを特徴とする請求項1
    記載の2サイクルエンジンの燃焼制御装置。
  4. 【請求項4】 燃料供給制御によって、負荷が設定値以
    下の低負荷域においては成層燃焼を行なわせ、負荷が設
    定値以上の中・項負荷域においては予混合燃焼を行なわ
    しめるエンジン制御手段を有し、燃焼状態を成層燃焼或
    いは予混合燃焼に切り換えるべき切換信号が入力される
    と、前記エンジン制御手段は、その切換信号が入力され
    たサイクルの次のサイクルでは燃焼状態をそのまま維持
    し、その次のサイクルで燃焼状態を成層燃焼或いは予混
    合燃焼に切り換えることを特徴とする請求項3記載の2
    サイクルエンジンの燃焼制御装置。
  5. 【請求項5】 燃焼状態が成層燃焼から予混合燃焼に切
    り換えられるときの前記負荷の設定値を、予混合燃焼か
    ら成層燃焼に切り換えられるときの負荷の設定値よりも
    大きくしたことを特徴とする請求項4記載の2サイクル
    エンジンの燃焼制御装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012154189A (ja) * 2011-01-24 2012-08-16 Ihi Corp 2サイクルエンジン
JP2012154188A (ja) * 2011-01-24 2012-08-16 Ihi Corp 2サイクルエンジン
JP5004373B1 (ja) * 2011-10-28 2012-08-22 佳行 中田 回転型内燃機関
JP2013516571A (ja) * 2010-01-08 2013-05-13 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング 内燃機関のリアクタ内におけるhcci燃焼を制御する方法

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US9359969B2 (en) 2010-01-08 2016-06-07 Robert Bosch Gmbh Method for regulating HCCI combustion in a reactor of an internal combustion engine
JP2012154189A (ja) * 2011-01-24 2012-08-16 Ihi Corp 2サイクルエンジン
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