JPH0892880A - カーペットの染色方法並びに染色装置及び染色用染料定着装置 - Google Patents

カーペットの染色方法並びに染色装置及び染色用染料定着装置

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JPH0892880A
JPH0892880A JP7135476A JP13547695A JPH0892880A JP H0892880 A JPH0892880 A JP H0892880A JP 7135476 A JP7135476 A JP 7135476A JP 13547695 A JP13547695 A JP 13547695A JP H0892880 A JPH0892880 A JP H0892880A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、施工済のカーペットの色補正及び
再染色をカーペットを設置したままで現場で行なうのに
用いて好適のカーペットの染色方法並びに染色装置及び
染色用染料定着装置に関し、現場施工を容易に行なえ、
熟練を要することなく少ない染料液で色ムラなくカーペ
ットを染色できるようにすることを目的とする。 【構成】 染料液8に泡立て剤9を混入させる第1ステ
ップと、該第1ステップで混合された泡立て剤入り染料
液10を発泡させる第2ステップと、該第2ステップで
発泡された染料発泡体11をカーペット5の表面から該
カーペット5内に供給する第3ステップとから構成し、
さらに、泡状態の染料を用いることにより、カーペット
へ少量ずつ染料を付着させて、染料の過剰な付着を防止
してムラのない染色を実現させる。また、染色後、染料
を加熱して定着させるステップを加えることで、染色を
確実なものにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、施工済のカーペットの
再染色を行なうのに用いて好適の、カーペットの染色方
法並びに染色装置及び染色用染料定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、床の表面材としてカーペットが多
用されているが、このように床に張られたカーペットは
使用していくうちに汚れたり色褪せたりする。このよう
な場合、一般には、洗浄を行なうことが考えられるが、
洗浄しても取れない汚れや色褪せに対しては対処でき
ず、カーペットの見栄えを十分に回復することができな
かった。
【0003】勿論、カーペットを張り替えてしまうとい
う手段があるが、カーペットの張り替えには極めてコス
トがかかり、また、まだ使用できるカーペットを張り替
えるのはゴミの増加を招いたり、資源を有効利用する上
でも好ましくない。さらに、カーペットの張り替え時に
は建物の機能を部分的に停止させながら行なうことにな
り、極めて大掛かりである。
【0004】そこで、カーペット自体が痛んでいるわけ
でなく単に汚れや色褪せにより見栄えが悪化している場
合には、カーペットを張り替えることなく、床上に張ら
れている状態のままのカーペットを再染色してしまうか
又は色補正するという、現場施工によるカーペット蘇生
用染色技術が開発されている。この染色技術は、染料を
色調合した液体を染料タンク内に充填して、染料タンク
からの染料液をコンプレッサ又はポンプにより加圧し
て、ノズルからカーペット上へ向けて噴射する。これに
より、微粒子化した染料液は、カーペットのパイルの繊
維間に浸透していく。カーペットの上部から染料液を噴
射するので、当然ながら、微粒子化した染料液は、ま
ず、カーペットの表面に付着して、自重や毛管現象によ
り表面よりも下方のカーペットの奥部に浸入することに
なる。
【0005】このようにして、カーペットの繊維間に染
料液が浸透していく過程で、染料液中の染料粒子がカー
ペットの繊維内に浸入して定着することにより、カーペ
ットが染色される。この後、カーペット内の水分を吸回
収して、カーペットを乾燥させると、染色が完了する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
な従来のカーペットの染色方法では、以下のような課題
がある。 1.加圧した染料液をノズルからカーペット上へ向けて
噴射する際に、染料液がカーペット上へ均等に付着しに
くく、付着量の多い部分や少ない部分が生じて、この結
果、染色に色ムラが生じる。作業者が熟練していれば、
このような色ムラの発生を低減させることはできるが、
1回の染色工程で色ムラを完全に解消するのは極めて困
難である。このため、色ムラを修復することが必要とな
るが、この色ムラを修復する作業は、上述の本来の染色
作業よりも大幅に時間が掛かり、コスト増を招いてしま
う。また、この修復作業の間は、修復作業対象の床面は
使用できないので、この分、建物部分の機能を制限する
ことになる。
【0007】2.このような染料液を噴射する染色方法
では、染料液を少なくしようとすると上述のような色ム
ラを招きやすくなり、色ムラを招かないように配慮する
と、極めて多量(例えば1平方メートル当たり1000
cc程度)の染料液を必要とする。これらの染料液の多く
は、カーペットの基布にまで浸透し、カーペット内に多
量の水分が含浸した状態となる。このような水分過剰の
ため、カーペットの材質によってはカーペット自体が収
縮してしまうという不具合を招く。
【0008】3.また、このように多量の染料液を用い
ると、染料液の吸回収にも時間ががかる上、カーペット
の乾燥に時間を要することになる。カーペットが乾燥す
るまではカーペットを使用しないことが望ましいので、
この点でも、長時間、建物部分の機能を制限することに
なる。 本発明は、上述の課題に鑑み創案されたもので、容易に
現場施工できて、熟練を要することなく少ない染料液で
色ムラなくカーペットを染色でき、しかも、染色後に短
時間で使用可能な状態に復帰できるようにした、カーペ
ットの染色方法及び染色装置を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載
の本発明のカーペットの染色方法は、染料液に泡立て剤
を混入させる第1ステップと、該第1ステップで混合さ
れた泡立て剤入り染料液を発泡させる第2ステップと、
該第2ステップで発泡された染料発泡体をカーペットの
表面から該カーペット内に供給する第3ステップとから
構成されていることを特徴としている。
【0010】請求項2記載の本発明のカーペットの染色
方法は、請求項1記載の構成において、該第2ステップ
が、該泡立て剤入り染料液内に気体を供給して該泡立て
剤入り染料液を発泡させる発泡ステップと、該発泡ステ
ップで発泡された該染料発泡体を微小化させながら送出
する送出ステップとから構成されていることを特徴とし
ている。
【0011】請求項3記載の本発明のカーペットの染色
方法は、請求項1又は2記載の構成において、該第3ス
テップが、ブラシに該染料発泡体を付着させるブラシ付
着ステップと、該染料発泡体を付着された該ブラシによ
り該カーペットをブラッシングして該カーペットの表面
から深部まで該染料発泡体を供給するブラッシングステ
ップとから構成されていることを特徴としている。
【0012】請求項4記載の本発明のカーペットの染色
方法は、請求項1〜3のいずれかに記載の構成におい
て、該第3ステップの後、該カーペット上の余分な該染
料発泡体を回収する第4ステップが設けられていること
を特徴としている。請求項5記載の本発明のカーペット
の染色方法は、染料液に泡立て剤を混入させる第1ステ
ップと、該第1ステップで混合された泡立て剤入り染料
液をカーペット上に付着させる第2ステップと、該泡立
て剤入り染料液を該カーペット上で発泡させてこの発泡
した染料発泡体を該カーペット内に供給する第3ステッ
プとから構成されていることを特徴としている。
【0013】請求項6記載の本発明のカーペットの染色
方法は、請求項5記載の構成において、該第3ステップ
が、該染料発泡体を付着された該カーペットをブラシに
よりブラッシングすることで該泡立て剤入り染料液を該
カーペット上で発泡させながらこの発泡した染料発泡体
を該カーペット内に供給するように構成されていること
を特徴としている。
【0014】請求項7記載の本発明のカーペットの染色
方法は、請求項5記載の構成において、該第3ステップ
が、該泡立て剤入り染料液を該カーペット上で発泡させ
る発泡ステップと、この発泡した染料発泡体を該カーペ
ット内に供給する供給ステップとから構成されているこ
とを特徴としている。請求項8記載の本発明のカーペッ
トの染色方法は、請求項5〜7のいずれかに記載の構成
において、該第2ステップで、該泡立て剤入り染料液を
霧状にして該カーペット上に付着させることを特徴とし
ている。
【0015】請求項9記載の本発明のカーペットの染色
方法は、請求項5〜8のいずれかに記載の構成におい
て、該第3ステップの後、該カーペット上の余分な該染
料発泡体を回収する第4ステップが設けられていること
を特徴としている。請求項10記載の本発明のカーペッ
トの染色方法は、請求項1〜9のいずれかに記載の構成
において、該第4ステップの後に、該カーペットに供給
された染料を加熱し定着させる第5ステップが設けられ
ていることを特徴としている。
【0016】請求項11記載の本発明のカーペットの染
色方法は、請求項10記載の構成において、該第5ステ
ップにおける染料の加熱・定着を、該カーペットに蒸気
を供給することにより行なうように設定されていること
を特徴としている。請求項12記載の本発明のカーペッ
トの染色装置は、泡立て剤を混入させた染料液を貯蔵す
る貯蔵手段と、該貯蔵手段に貯蔵された泡立て剤入り染
料液を発泡させる発泡手段と、該発泡手段で発泡された
染料発泡体液をカーペットの表面から該カーペット内に
供給する供給手段とをそなえていることを特徴としてい
る。
【0017】請求項13記載の本発明のカーペットの染
色装置は、泡立て剤を混入させた染料液を貯蔵する貯蔵
手段と、該貯蔵手段に貯蔵された泡立て剤入り染料液を
カーペットに噴霧する噴霧手段と、該噴霧手段で噴霧さ
れた該泡立て剤入り染料液を該カーペット上で発泡させ
ながら発泡した染料発泡体を該カーペット内に付着させ
る発泡付着手段とをそなえていることを特徴としてい
る。
【0018】請求項14記載の本発明のカーペットの染
色用染料定着装置は、カーペットに供給された染料を該
カーペットを加熱することにより繊維内に定着させるカ
ーペットの染色用染料定着装置であって、蒸気を発生す
る蒸気発生手段と、該蒸気発生手段で発生した該蒸気を
該カーペットの表面に供給する蒸気供給手段とから構成
されていることを特徴としている。
【0019】請求項15記載の本発明のカーペットの染
色用染料定着装置は、請求項14記載の構成において、
該蒸気供給手段が、該蒸気発生手段で発生した該蒸気を
収容する蒸気収容器と、該カーペットの表面に接触しう
る繊維状蒸気供給体と、該蒸気収容器内の該蒸気を該繊
維状蒸気供給体へ送給する蒸気送給部とをそなえ、該繊
維状蒸気供給体が、該蒸気収容器内から蒸気を供給され
るとともに該蒸気収容器表面から熱を伝導されるように
該蒸気収容器に接触するように装着されていることを特
徴としている。
【0020】請求項16記載の本発明のカーペットの染
色用染料定着装置は、請求項14記載の構成において、
該蒸気供給手段が、該カーペット上の所要の位置に載置
しうる蒸気供給体をそなえ、該蒸気供給体が、該蒸気発
生手段で発生した該蒸気を収容する蒸気収容器をそな
え、該蒸気収容器の下面に周縁部を該カーペットの表面
に密着させうる開口部が形成されていることを特徴とし
ている。
【0021】
【作用】上述の請求項1記載の本発明のカーペットの染
色方法では、第1ステップで、染料液に泡立て剤を混入
させ、第2ステップで、この第1ステップにより混合さ
れた泡立て剤入り染料液を発泡させる。さらに第3ステ
ップで、該第2ステップで発泡された染料発泡体をカー
ペットの表面から該カーペット内に供給する。
【0022】染料液が発泡するとその体積は飛躍的に増
加するので、第2ステップでは、ごく少ない染料液から
容積的に多量の染料発泡体が作られる。したがって、第
3ステップで、見掛け上(容積的に)多量の染料発泡体
をカーペットの表面から供給しても、実際には、僅かな
染料液が供給されることになる。また、染料発泡体がカ
ーペットの表面から供給されると、この染料発泡体は、
カーペット上では泡の状態を保持しつつ、その下部のカ
ーペットに接触している部分では泡が潰れて液状に復帰
し、染料は、毛細管現象等の作用で緩やかな浸透速度で
染み込むようにしてカーペットの繊維内に供給されて、
カーペットが染色される。
【0023】したがって、僅かな染料液ではあるが、カ
ーペット繊維の全域に染料液を万遍なく均等に染み込ま
せることができる。また、余剰の染料発泡体は、カーペ
ット表面から上方に浮き上がった状態に保持されカーペ
ットの繊維と接触しないので、容易に回収することもで
き、カーペット繊維に吸収される染料が過多になること
もなく、したがって、染料過多による色ムラ発生の心配
もない。
【0024】上述の請求項2記載の本発明のカーペット
の染色方法では、該第2ステップにおいて、まず、発泡
ステップで、該泡立て剤入り染料液内に気体を供給して
該泡立て剤入り染料液を発泡させる。さらに、送出ステ
ップで、この発泡ステップで発泡された該染料発泡体を
微小化させながら送出する。これにより、染料発泡体は
微小の大きさになって送出される。
【0025】上述の請求項3記載の本発明のカーペット
の染色方法では、該第3ステップにおいて、ブラシ付着
ステップで、ブラシに該染料発泡体を付着させ、ブラッ
シングステップで、該染料発泡体を付着された該ブラシ
により該カーペットをブラッシングすることで、該カー
ペットの表面から深部まで該染料発泡体を供給する。こ
のブラッシングの際には、ブラシに付着した微小の染料
発泡体が一部潰され極めて微小量の液状(染料液)に復
帰しながらカーペットの繊維表面へ供給されていく。こ
の際、ブラシに付着した微小の染料発泡体がさらに微小
化される作用や、潰されて液化した染料液が再び発泡さ
れる作用も行なわれ、極微小な染料発泡体を通じて、染
料がカーペットの深部までそのカーペット繊維表面に供
給される。さらに、カーペット繊維の表面に付着した染
料液から、染料が、毛細管現象等の作用で緩やかな浸透
速度で染み込むようにしてカーペットの繊維内各部に供
給され、カーペットが染色される。
【0026】もちろん、余剰の染料発泡体は、カーペッ
トの繊維と接触しないので、容易に回収することもで
き、染料過多による色ムラ発生の心配もない。上述の請
求項4記載の本発明のカーペットの染色方法では、該カ
ーペット上の余分な染料発泡体を回収するので、染色さ
れたカーペットの乾燥が促進され、染料液も有効利用さ
れる。
【0027】上述の請求項5記載の本発明のカーペット
の染色方法では、第1ステップで、染料液に泡立て剤を
混入させ、第2ステップで、混合された泡立て剤入り染
料液をカーペット上に付着させ、第3ステップで、該泡
立て剤入り染料液を該カーペット上で発泡させてこの発
泡した染料発泡体を該カーペット内に供給する。染料液
が発泡するとその体積は飛躍的に増加するので、第3ス
テップでは、ごく少ない染料液から容積的に多量の染料
発泡体が該カーペット上で作られることになり、この染
料発泡体をカーペット内に供給すると、見掛け上(容積
的に)多量の染料発泡体を供給しても、実際には、僅か
な染料液が供給されることになる。
【0028】また、染料発泡体がカーペット内に供給さ
れると、この染料発泡体は、カーペットの繊維表面に接
触している部分では泡が潰れて液状に復帰し、染料は、
毛細管現象等の作用で緩やかな浸透速度で染み込むよう
にしてカーペットの繊維の内部に供給されて、カーペッ
トが染色される。したがって、僅かな染料液で、カーペ
ット繊維の全域に染料液を万遍なく均等に染み込ませる
ことができる。また、余剰の染料発泡体は、カーペット
表面から上方に浮き上がった状態に保持されカーペット
の繊維と接触しないので、容易に回収することもでき、
カーペット繊維に吸収される染料が過多になることもな
く、このため、染料過多による色ムラ発生の心配もな
い。
【0029】上述の請求項6記載の本発明のカーペット
の染色方法では、該第3ステップで、該染料発泡体を付
着された該カーペットをブラシによりブラッシングする
ことで該泡立て剤入り染料液を該カーペット上で発泡さ
せながらこの発泡した染料発泡体を該カーペット内に供
給する。このブラッシングの際には、ブラシに泡立て剤
入り染料液が付着しながら、ブラシとカーペットとの擦
れ合いにより、ブラシに付着した泡立て剤入り染料液内
に空気が混入していきながら泡立て剤入り染料液が発泡
していく。このように発泡した染料発泡体の一部は、ブ
ラシとカーペットとの擦れ合いにより、潰されつつ極め
て微小量の液状(染料液)に復帰しながらカーペットの
繊維表面へ供給されていく。
【0030】このようにブラッシングでは、ブラシとカ
ーペットとの間で、微小の染料発泡体がさらに微小化さ
れる作用や、潰されて液化した染料液が再び発泡される
作用も行なわれ、極微小な染料発泡体を通じて、染料が
カーペットの深部までそのカーペット繊維表面に供給さ
れる。特に、ブラシをカーペットの深部まで到達させる
ことで、染料がカーペットの深部まで付着しやすくな
る。
【0031】そして、カーペット繊維の表面に付着した
染料液から、染料が、毛細管現象等の作用で緩やかな浸
透速度で染み込むようにしてカーペットの繊維内各部に
供給され、カーペットが染色される。もちろん、余剰の
染料発泡体は、カーペットの繊維と接触しないので、容
易に回収することもでき、染料過多による色ムラ発生の
心配もない。
【0032】上述の請求項7記載の本発明のカーペット
の染色方法では、該第3ステップにおいて、まず、発泡
ステップで、該泡立て剤入り染料液を該カーペット上で
発泡させ、供給ステップでこの発泡した染料発泡体を該
カーペット内に供給する。この供給ステップは、単に、
カーペット上で発泡した染料発泡体を放置しておくだけ
でもよい。このように染料発泡体を放置しておくことに
より、重力や毛細管現象等により染料発泡体が該カーペ
ット内に浸透し供給されていくことになる。
【0033】上述の請求項8記載の本発明のカーペット
の染色方法では、第2ステップで、該泡立て剤入り染料
液を霧状にして該カーペット上に付着させる。霧状にな
った染料液は極めて少量ずつ分散してカーペットに付着
し易いので、染料液が過剰にカーペットに付着しにく
く、また、染料液をムラなくカーペットに付着させ易く
く染色による色ムラの発生を回避することができる。
【0034】上述の請求項9記載の本発明のカーペット
の染色方法では、該第3ステップの後の第4ステップ
で、該カーペット上の余分な染料発泡体を回収するの
で、染色されたカーペットの乾燥が促進され、染料液も
有効利用される。上述の請求項10記載の本発明のカー
ペットの染色方法では、該第4ステップの後の第5ステ
ップで、該カーペットに供給された染料を加熱し定着さ
せる。
【0035】上述の請求項11記載の本発明のカーペッ
トの染色方法では、該第5ステップで、該カーペットに
蒸気を供給することにより染料の加熱・定着を行なう。
上述の請求項12記載の本発明のカーペットの染色装置
では、貯蔵手段に貯蔵された泡立て剤を混入させた染料
液は、発泡手段により発泡されて染料発泡体となり、こ
の染料発泡体が供給手段によってカーペットの表面から
該カーペット内に供給される。こうして、該カーペット
内に供給された染料発泡体が液状に復帰しながらカーペ
ットの繊維内に進入してカーペットが染色される。
【0036】上述の請求項13記載の本発明のカーペッ
トの染色装置では、貯蔵手段に貯蔵された泡立て剤を混
入させた染料液は、噴霧手段によりカーペットに噴霧さ
れ、発泡付着手段により、該カーペット上で発泡されて
染料発泡体とされながら該カーペットに付着されてい
く。染料液を発泡させることで、ごく少ない染料液から
容積的に多量の染料発泡体をつくることができ、容積的
に多量の染料発泡体ができれば、染料発泡体のカーペッ
ト内への付着も容易となり、カーペット繊維の全域に染
料液を万遍なく均等に付着させることができる。
【0037】また、染料発泡体がカーペットに付着する
と、この染料発泡体は、カーペットの繊維表面に接触し
ている部分では泡が潰れて液状に復帰し、染料は、毛細
管現象等の作用で緩やかな浸透速度で染み込むようにし
てカーペットの繊維の内部に供給されて、カーペットが
染色される。このようにして、僅かな染料液で、カーペ
ット繊維の全域に染料液を万遍なく均等に染み込ませる
ことができる。また、余剰の染料発泡体は、カーペット
表面から上方に浮き上がった状態に保持されカーペット
の繊維と接触しないので、容易に回収することもでき、
カーペット繊維に吸収される染料が過多になることもな
く、このため、染料過多による色ムラ発生の心配もな
い。
【0038】上述の請求項14記載の本発明のカーペッ
トの染色用染料定着装置では、蒸気発生手段で発生した
蒸気を、蒸気供給手段によりカーペットの表面に供給す
ることで、該カーペットが蒸気により加熱される。蒸気
による加熱では、カーペットの繊維内への染料の浸透が
促進されながら水分の蒸発が行なわれるようになり、カ
ーペットの繊維内へ染料が定着する。
【0039】上述の請求項15記載の本発明のカーペッ
トの染色用染料定着装置では、蒸気収容器に該蒸気発生
手段で発生した蒸気が収容され、蒸気送給部を通じて該
蒸気収容器内の蒸気が該繊維状蒸気供給体へ送給され
る。そして、繊維状蒸気供給体をカーペットの表面に接
触させることで、該繊維状蒸気供給体からカーペットへ
蒸気が供給される。
【0040】上述の請求項16記載の本発明のカーペッ
トの染色用染料定着装置では、蒸気供給体をカーペット
上の所要の位置に載置して、該蒸気供給体の蒸気収容器
に該蒸気発生手段で発生した該蒸気を収容させると、該
蒸気収容器の下面に形成された開口部からカーペットに
蒸気が供給される。このとき、開口部の周縁部を該カー
ペットの表面に密着させることで、蒸気収容器とカーペ
ットとにより閉空間が形成され、この閉空間内に収容さ
れた蒸気により、カーペットが確実に温度上昇して、カ
ーペットの繊維内への染料の浸透が促進されながら水分
の蒸発が行なわれる。
【0041】
【実施例】以下、図面により、本発明の実施例について
説明する。まず、本発明の第1実施例から説明する。第
1実施例にかかるカーペットの染色方法に用いるカーペ
ットの染色装置から説明すると、この装置は、図2に示
すように、染料液8に泡立て剤9を混入されたものを貯
蔵するタンク(貯留手段)1と、このタンク1から通路
1Aを介して泡立て剤入り染料液10を導入される発泡
用容器2及び発泡用容器2内の染料液に気体(一般には
空気)を吹き込み発泡させるポンプ3からなる発泡手段
3Aと、このポンプ3により発泡された発泡用容器2内
の染料発泡体11をさらに微小化して送出する送出口2
Aと、この送出口2Aから染料発泡体11を供給されこ
れをカーペット5に供給する回転ブラシ(供給手段)4
とから構成されている。
【0042】送出口2Aには、図示しないが例えばメッ
シュ状のフィルタがそなえられており、染料発泡体11
がこのフィルタを通過する際に微小化されるようになっ
ている。また、ポンプ3から吹き込まれた空気がタンク
1側へ流入しないように、通路1Aには図示しない逆止
弁が設けられている。回転ブラシ4は、ブラシ床面付近
に水平に設置され、ブラシの下部がカーペット5上に摺
接するように図示しない駆動機構により回転駆動され
る。これにより、回転時にはブラシ4がカーペット5の
表面から深部まで進入しながら各パイルの繊維と擦れ合
うようになっている。
【0043】このようなタンク1,発泡用容器2,ポン
プ3,送出口2A,回転ブラシ4は、図2中に鎖線で示
すようなボディ6に組み付けられている。このボディ6
に設けられたローラ7を通じてカーペット5上を滑らか
に移動できるようになっている。次に、第1実施例にか
かるカーペットの染色方法に用いる染色用染料定着装置
を説明すると、この装置は、カーペット5を加熱するこ
とによりカーペット5に供給された染料を繊維内に定着
させるもので、図6に示すように、水蒸気を発生させる
ボイラ(蒸気発生手段)30と、このボイラ30で発生
した水蒸気をカーペット5の表面に供給する蒸気供給手
段31とから構成される。
【0044】このうち、蒸気供給手段31は、ボイラ3
0で発生した水蒸気を収容する蒸気収容器32と、カー
ペット5の表面に接触しうるウォンドタオル(繊維状蒸
気供給体)33と、蒸気収容器32内の水蒸気をウォン
ドタオル33へ送給する蒸気送給部32Aとをそなえて
いる。また、本装置では、ボイラ30と蒸気収容器32
との間にスチームトラップ(蒸気・水分離機構)34が
介装されており、ボイラ30で発生した水蒸気35をこ
のスチームトラップ34内に一旦収容しここで高温に加
熱され且つ加圧された水蒸気のみを取り出して、蒸気収
容器32へ送給するようになっている。
【0045】スチームトラップ34は、密封された容器
であり、図7に示すように、その上部に、ボイラ30か
ら導かれたスチームホース38Aを接続する第1ニップ
ル34Aと、蒸気収容器32へのスチームホース38B
を接続する第2ニップル34Bと、水蒸気35の液化し
た水を排出するためのホース38Cを接続する第3ニッ
プル34Cとをそなえている。第1ニップル34Aに
は、コック39が設けられており、ボイラ30からの水
蒸気を供給したり遮断したり又供給量を調整したりする
ことができる。
【0046】このうち、第3ニップル34Cは下端をス
チームトラップ34の容器内の底部まで延長されてお
り、水蒸気35が液化してスチームトラップ34の容器
内の底部に溜まった水がスチームトラップ34内の蒸気
圧で第3ニップル34Cから外部へ排出され、ホース3
8Cの他端に設けられた水回収容器37(図6参照)に
収容されるようになっている。
【0047】また、第2ニップル34Bは、スチームト
ラップ34内の上部空間に開口しており、スチームトラ
ップ34内の上部空間に満たされた水蒸気35のみを蒸
気収容器32へ送給しうるようになっている。このよう
にして、蒸気収容器32内には蒸気35のみが送給され
るが、それでも、蒸気収容器32内で水蒸気35が液化
することが考えられる。
【0048】そこで、図7,図8に示すように蒸気収容
器32に設けられた蒸気送給部32Aは、蒸気収容器3
2内の底部よりも所要量だけ高い位置に入口32Bをそ
なえている。蒸気収容器32内で水蒸気35が液化した
場合には、液化した水は蒸気収容器32内の底部に溜ま
るので、蒸気送給部32Aの入口32Bが蒸気収容器3
2内の底部よりも所要量だけ高い位置に設けられていれ
ば、液化した水が蒸気送給部32Aの入口に進入するこ
とはない。
【0049】蒸気送給部32Aの出口32Cは蒸気収容
器32の下面に露出しており、ウォンドタオル33はこ
のように蒸気送給部32Aの出口32Cを形成された蒸
気収容器32の下面32Dに接触するように設置されて
いる。したがって、ウォンドタオル33には、蒸気送給
部32Bを通じて蒸気35が送給されるとともに、蒸気
収容器32から直接熱も伝導されるようになっている。
【0050】また、蒸気収容器32には、ステー36A
を介してハンドル36Bが設けられており、ハンドル3
6Bを持ちながら、蒸気収容器32をカーペット5上で
移動させることができるようになっている。本発明のカ
ーペットの染色方法は、このような装置を用いて図1に
示すような各工程により行なわれる。
【0051】つまり、まず、第1ステップとして、図1
(A)に示すように、タンク1内に、染料濃度を調整さ
れた染料液8と泡立て剤9とを投入して、これらを混合
する。この泡立て剤9には界面活性剤が用いられてい
る。界面活性剤は、染料液8の表面張力を大きく減少さ
せるので、染料液8の泡立ちを容易にし、一度泡立つと
この状態を保持させる。
【0052】つぎに、第2ステップとして、図1(B)
に示すように、ポンプ3を作動させながら、タンク1か
ら発泡用容器2に導かれた泡立て剤入り染料液10内に
空気を吹き込んで発泡させる(発泡ステップ)。この
際、泡立て剤9が発泡を促進する。さらに、この発泡用
容器2上で発泡した染料発泡体11を、送出口2Aから
回転ブラシ4に向けて送出する(送出ステップ)。この
際、染料発泡体11が送出口2Aにそなえられたメッシ
ュ状フィルタを通過するので、このフィルタにより更に
微小化される。本方法では、染料発泡体11をより微小
化するのが望ましく、メッシュ状フィルタには目の細か
いものが用いられている。
【0053】つぎに、第3ステップとして、回転ブラシ
4を回転させて、送出口2Aから送出された微小な染料
発泡体11を回転ブラシ4に付着させながら(ブラシ付
着ステップ)、回転ブラシ4をカーペット5上面から摺
接させてブラッシングを行なう(ブラッシングステッ
プ)。このブラッシングでは、回転ブラシ4の先端がカ
ーペット5の深部まで到達するので、回転ブラシ4に付
着した微小な染料発泡体11も、カーペット5の各パイ
ル5Aの深部まで付着していく。
【0054】作業時には、予め第1ステップによる泡立
て剤入り染料液10を作ったうえで、このような第2ス
テップ,第3ステップの各工程を連続的に行なう。つま
り、次々に染料発泡体11を作っては回転ブラシ4によ
りこれをカーペット5のパイル5Aに付着させていくの
である。こうしたブラシ4によるブラッシングにより、
微小な染料発泡体11の一部は潰れながら各パイル5A
の各繊維に付着し、また、これと同時に、染料発泡体1
1が更に空気と攪拌されて、微小な染料発泡体11をさ
らに細かくしたり、また、染料発泡体11の一部は潰れ
て液体に復帰した泡立て剤入り染料液10から再び染料
発泡体11を作る作用も行なわれる。
【0055】次に、図1(D)に示すように、吸水装置
12でタンク13内へ吸い取るようにする(第4ステッ
プ)。染料発泡体11の浸透速度は極めて緩やかなの
で、この余分な染料発泡体11の回収は時間的にも余裕
をもって行なえ、例えば、第3ステップのカーペット全
体に染料発泡体11を供給する作業を完了してから、こ
の第4ステップの余剰の染料発泡体11の回収作業を一
気に行なってしまうこともできる。
【0056】さらに、図1(E)に示すように、カーペ
ット5を加熱することによりカーペット5に供給された
染料を繊維内に定着させる(第5ステップ)。この染料
の定着には水蒸気を用い、ボイラ30で発生した水蒸気
を蒸気供給手段31によりカーペット5の表面に供給す
る。つまり、蒸気供給手段31では、ボイラ30で発生
した水蒸気を一旦スチームトラップ34に貯蔵しなが
ら、このスチームトラップ34で液化した水を除去して
水蒸気だけを蒸気収容器32に送給する。そして、この
蒸気収容器32からウォンドタオル33へ水蒸気及び熱
を送給する。このとき、蒸気収容器32からは蒸気送給
部32Bを介して蒸気収容器32内で液化した水も除去
しながら水蒸気だけをウォンドタオル33へ送給する。
また、ウォンドタオル33は、蒸気収容器32の下面と
密着しているので、蒸気収容器32から熱自体も直接伝
導される。
【0057】こうして供給された水蒸気及び熱をは、ウ
ォンドタオル33からカーペット5へと供給する。これ
により、蒸気がカーペットの繊維内に浸透しながら繊維
内への染料の浸透を促進して、この後、加えられた熱に
よって繊維内の水蒸気が蒸発していって、染料がカーペ
ットの繊維内へ定着する。このような蒸気収容器32に
よる染料定着作業は、ハンドル36Bを持ちながら、蒸
気収容器32をカーペット5上で移動させることで、カ
ーペット5全体に亘って施すことができる。
【0058】この作業は、ウォンドタオル33の温度に
もよるが、例えばウォンドタオル33を90〜100°
C程度に加熱した場合には、1m2 当たり3分程度の時
間をかけて作業を行なえば、染料はカーペット5内に十
分に定着する。勿論、作業を複数回に分けて行なうこと
も考えられ、この場合には、一回の作業時間を短縮する
ことができ、また、インターバルをおくことで時間とと
もに染料が定着するので、実際にカーペット5にウォン
ドタオル33を当接させる合計時間は一回のみで作業を
完了する場合(3分程度)よりも短くすることも可能で
ある。
【0059】このようにして、カーペット5のパイル5
Aを構成する繊維には、図3,図4に示すように、染料
発泡体11が付着するが、繊維に付着した染料発泡体1
1は、付着と同時に潰れるものや、付着後もしばらく染
料発泡体11を保持するものがある。図5はこの様子を
示すもので、図5(A)はパイル5Aの繊維に染料発泡
体11が付着した瞬間を示し、図5(B)はその直後を
示し、図5(C)はさらに適当な時間が経過した状態を
示す。また、図5(B),(C)中の斜線部は染料の染
み込んだ部分を示す。
【0060】図5(B)に示すように、染料発泡体11
の一部は付着と同時に潰れて、カーペット5の繊維内に
毛細管現象用により吸収されていき、付着時には潰れな
い染料発泡体11も、カーペット5の繊維との接触部か
ら徐々に吸収されて、小さくなってやがて潰れることに
なる。そして、図5(C)に示すように、カーペット5
の繊維内部に染料が吸収されていって、やがて、繊維内
全体に染料が吸収されていくようになる。
【0061】なお、このように染料発泡体11が潰れな
がら吸収される染料液10には、泡立て剤として界面活
性剤が混入されているが、この界面活性剤は染料液10
のカーペット5の繊維内への染み込みを促進する役目も
果たす。このように、カーペット5上部の染料発泡体1
1から徐々にパイル5Aの繊維内に染料液8が供給され
るので、染料液8が過剰に供給されることもなく、ま
た、染料は万遍なくパイル5Aの繊維の隅々まで供給す
ることができる。
【0062】つまり、ブラシ4によるブラッシングを十
分に行なえば、染料発泡体11をカーペット5の各繊維
上に万遍なく塗布することができ、こうすれば、染料を
パイル5Aの繊維の隅々まで万遍なく供給することがで
きる。また、ブラシ4の先端をカーペット5の深部まで
到達させながら塗布することで、カーペット5のパイル
5Aの深部まで染色することができる。
【0063】このようにして、パイル5Aの繊維内部に
染料液8が染み込んでいくが、余剰の染料液8はカーペ
ット5上で染料発泡体11の状態に保持され、このカー
ペット5上の染料発泡体11からカーペット5の繊維内
に浸透する染料液8は僅かであり、また、極めて緩慢に
浸透する。したがって、カーペット5上に大量な余剰の
染料発泡体11か存在しても、カーペット5内に吸収さ
れた染料が過剰になるような心配はない。
【0064】このように余分な染料発泡体11は、吸水
装置12でタンク13内へ吸い取られ、タンク13内で
やがて通常の液体に復帰するので、再び上述のような発
泡・染色の工程に使用できる。そして、染料定着ステッ
プ(第5ステップ)を通じて染料の浸透したカーペット
5が乾燥したら、繊維内に染料が定着して染色が完了す
る。
【0065】特に、この染料定着ステップは、余分な染
料発泡体11の回収(第4ステップ)後直ぐには行なっ
てもよい。この場合、この染料定着の工程で、高温な水
蒸気により、図5(B)から図5(C)に示す状態へ
と、染料を短時間でカーペット5の繊維内に浸透させる
ことができ、しかも、繊維の加熱によりカーペット5の
乾燥も速やかに行なわれる。
【0066】本発明の第1実施例としてのカーペットの
染色方法並びに染色装置及び染色用染料定着装置は、上
述の如く構成されるので、以下のような効果が得られ
る。
【0067】1.染料液がカーペット繊維内に均等に浸
透して、色ムラのない染色を行なえる。特に、本方法で
は、このような色ムラのない染色を、作業に熟練を要す
ることなく、誰にでも確実に行なうことができる。した
がって、従来避けられなかった色ムラを修復する作業が
不要となり、極めて簡素な工程で短時間に染色作業を終
了することができ、染色作業のコストを低減でき、建物
部分の機能をあまり制限することなく、染色作業を行な
うことができる。
【0068】2.このように色ムラのない染色が、少な
い染料液を用いながら行なえるので、カーペットが水分
過剰により収縮するといった不具合を回避できる。ま
た、カーペット5内に吸着する水分が少ないので、短い
時間で、染料液8を乾燥させることができる。したがっ
て、この点でも、建物部分の機能をあまり制限すること
なく、染色作業を行なうことができる。
【0069】3.染料定着ステップ(第5ステップ)に
より、染色作業をより速やかに完了することができ、し
かも、染料の繊維内への確実な定着により、色落ちや色
褪せ等の発生も抑制される。また、このステップでは蒸
気でカーペットを加熱するので殺菌効果も期待でき、カ
ーペット内のダニや雑菌を駆除できる効果も考えられ
る。
【0070】4.このようにして、染料発泡体の塗布か
ら乾燥までの各工程を短時間(例えば数時間程度)で容
易に完了できるので、例えばオフィスの床に張られたカ
ーペットであれば、オフィスを使用しない夜間において
染色を全て完了でき、また、ホテル等の宿泊施設であれ
ば、チェックアウトの時間からチェックインの時間まで
の間において染色を全て完了できる。
【0071】5.また、カーペット5上の染料発泡体1
1の存在からカーペット5内への染料発泡体11の供給
を推測でき、作業時に、染色処理した部分と染色処理し
てない部分とを区別することや、カーペット5上の染料
発泡体11の量(厚み)からカーペット5内への染料発
泡体11の供給の度合を推測することも考えられる。こ
のように、作業者はカーペット5上の染料発泡体11を
見ながら容易に作業を進めることができるのである。
【0072】なお、このようなカーペットの染色方法
は、従来のカーペットの染みや色褪せに対してこれを回
復させるための再染色や部分的な染色による色補正に用
いるほかに、カーペットの色を他の色に染め変えるとい
う積極的な利用も考えれる。いずれにしても、カーペッ
トの張り替えに比べて、極めて低コストで、しかも、ゴ
ミの増加を防ぎ、資源を有効利用できる上、張り替えに
比べて建物の機能への影響も格段に少ないのである。
【0073】また、この実施例では、回転ブラシを用い
ているが、本方法に用いるブラシはこれに限定されず、
カーペットに摺接する往復動式ブラシであってもよく、
手動によりブラッシングを行なうための一般的なハンド
ブラシ等でもよい。もちろん、種々のブラシを併用して
もよい。つまり、全体的には、回転ブラシや往復動式ブ
ラシといった自動的に作動するブラシを用いてブラッシ
ングを行ない、細部については、手作業でブラッシング
を行なうことが考えられる。
【0074】例えば手作業でブラッシングを行なう場合
には、ブラシに泡立て剤入り染料液を付着させた上でブ
ラッシングを行なえばよい。また、発泡方法は、本実施
例の発泡方法には限定されず、例えばガスを用いて行な
うことや、泡立て剤入り染料液を単に攪拌することなど
でも行なうことができる。
【0075】さらに、本実施例では、発泡工程で得られ
る染料発泡体を次々にカーペット5に塗布しており、第
2ステップと第3ステップとが連続的に行なわれている
が、これらのステップを分離して、予め泡立て剤入り染
料液を泡立てて染料発泡体を作っておいてから、この染
料発泡体をカーペット5に塗布するような構成も考えら
れる。
【0076】また、染料発泡体11の供給量を適正にで
きれば、余分な染料発泡体11を吸い取る工程は省略す
ることもできる。次に、本発明の第2実施例を説明する
と、この第2実施例にかかるカーペットの染色方法及び
この染色方法に用いるカーペットの染色装置は、図9に
示すように構成される。
【0077】染色装置については、図9の(A)〜
(C)に示すように、染料液8に泡立て剤9を混入され
たものを貯蔵するタンク(貯蔵手段)21と、このタン
ク21内の泡立て剤入り染料液10をカーペット5に噴
霧する噴霧器(噴霧手段)22と、この噴霧器22でカ
ーペット5に噴霧された泡立て剤入り染料液10をカー
ペット5上で発泡させながら発泡した染料発泡体11を
カーペット5の繊維の表面に付着させていくブラシ(発
泡付着手段)24とをそなえている。ここでは、ブラシ
24に回転ブラシが用いられている。
【0078】本実施例のカーペットの染色装置はこのよ
うに構成されており、この染色装置を用いて、本実施例
のカーペットの染色方法では、以下のようにして染色を
行なう。まず、第1ステップとして、図9の(A)に示
すように、染料液8に泡立て剤9を混入させタンク21
に貯蔵する。
【0079】次いで、図9の(B)に示すように、第2
ステップとして、第1ステップで混合された泡立て剤入
り染料液10をカーペット5に付着させる。この付着
は、噴霧器22で泡立て剤入り染料液10をカーペット
5に噴霧するようにして行ない。この結果、カーペット
5の各パイル5Aの上部では、表面に微粒子状の泡立て
剤入り染料液10Aが付着した状態になる。なお、微粒
子状の泡立て剤入り染料液10Aは微小な黒点で示して
いる。
【0080】次いで、図9の(C)に示すように、第3
ステップとして、カーペット5上で回転ブラシ(発泡付
着手段)24を回転させながら移動させていくことで、
ブラシ24に泡立て剤入り染料液(ここでは、微粒子状
の泡立て剤入り染料液10A)10が付着しながら、ブ
ラシ24とカーペット5との擦れ合いにより、ブラシ2
4に付着した泡立て剤入り染料液10内に空気が混入し
ていくため、泡立て剤入り染料液10が発泡していく。
【0081】また、このようにブラシ24をカーペット
5に摺接させていくことで発泡した染料発泡体11がカ
ーペット5の繊維の表面に付着していく。特に、ブラシ
24をカーペット5の各パイル5Aの基部付近まで達す
るように摺動させていくことで、カーペット5の深部の
繊維の表面にまで染料発泡体11が付着していく。こう
したブラシ24によるブラッシングにより、第1実施例
と同様に、微小な染料発泡体11の一部は潰れながら各
パイル5Aの各繊維に付着し、また、これと同時に、染
料発泡体11が更に空気と攪拌されて、微小な染料発泡
体11をさらに細かくしたり、また、染料発泡体11の
一部は潰れて液体に復帰した泡立て剤入り染料液10か
ら再び染料発泡体11を作る作用も行なわれる。
【0082】この結果、図9(D)に示すように、染料
発泡体11がカーペット5の深部からカーペット5の上
部にわたって形成される。このときの染料発泡体11の
カーペット5へ付着状況は、第1実施例と同様に、図
3,図4に示すようになり、繊維に付着した染料発泡体
11は、付着と同時に潰れるものや、付着後もしばらく
染料発泡体11を保持するものがある。
【0083】この後は、時間の経過とともに、第1実施
例と同様に、重力や毛細管現象等により染料発泡体がカ
ーペット5内に浸透し供給されていくことになる。つま
り、図5(A)〜(C)に示すように、染料がカーペッ
ト5の繊維の内部全体にわたって吸収されていく。これ
以降の作用は、第1実施例と同様であり、ブラシ4によ
るブラッシングを十分に行なえば、染料発泡体11をカ
ーペット5の各繊維上に万遍なく塗布することができ
て、染料をパイル5Aの繊維の隅々まで万遍なく供給す
ることができる。また、ブラシ4の先端をカーペット5
の深部まで到達させながら塗布することで、カーペット
5のパイル5Aの深部まで染色することができる。
【0084】また、第1実施例と同様に、余剰の染料液
8はカーペット5上で染料発泡体11の状態に保持さ
れ、このカーペット5上の染料発泡体11からカーペッ
ト5の繊維内に浸透する染料液8は僅かであり、また、
極めて緩慢に浸透する。したがって、カーペット5上に
大量な余剰の染料発泡体11か存在しても、カーペット
5内に吸収された染料が過剰になるような心配はない。
【0085】また、このように余分な染料発泡体11
は、第1実施例と同様〔図1(D)参照〕、吸水装置1
2でタンク13内へ吸い取るようにする(第4ステッ
プ)。もちろん、染料発泡体11の供給量を適正にでき
れば、余分な染料発泡体11を吸い取る工程(第4ステ
ップ)は省略することもできる。さらに、第1実施例と
同様〔図1(E)参照〕、カーペット5を加熱すること
によりカーペット5に供給された染料を繊維内に定着す
る作業を行なう(第5ステップ)。
【0086】本実施例の場合も、第1実施例と同様に、
染料発泡体11の浸透速度は極めて緩やかなので、この
余分な染料発泡体11の回収は時間的にも余裕をもって
行なえ、例えば、第3ステップの作業を全て完了してか
ら、この第4ステップの余剰の染料発泡体11の回収作
業を一気に行なってしまうこともできる。本発明の第2
実施例としてのカーペットの染色方法及び染色装置は、
上述の如く構成されるので、第1実施例と同様な効果が
得られる上に、泡立て剤入り染料液10を予め発泡させ
るための発泡用容器2やポンプ3等の発泡手段3Aが不
要となるため、染色装置をより低コストで構成できる利
点がある。また、ブラシ24によってカーペット5をブ
ラッシングすることで泡立て剤入り染料液10の発泡と
この発泡した染料発泡体11のカーペット内への供給
(カーペットを構成する繊維への付着)とを同時に行な
うことができ、染色工程も簡素化され、より容易に染色
を行なうことができる利点もある。
【0087】また、本実施例のカーペットの染色方法
も、カーペットの染みや色褪せに対する再染色や部分的
な染色による色補正に用いるほかに、カーペットの色を
他の色に染め変えるという積極的な利用も考えれて、カ
ーペットの張り替えに比べて、極めて低コストで、しか
も、ゴミの増加を防ぎ、資源を有効利用できる上、張り
替えに比べて建物の機能への影響も格段に少ない利点が
ある。
【0088】なお、この実施例でも、回転ブラシを用い
ているが、本方法に用いるブラシはこれに限定されず、
カーペットに摺接する往復動式ブラシであってもよく、
手動によりブラッシングを行なうための一般的なハンド
ブラシ等でもよく、また、第1実施例と同様に種々のブ
ラシを併用してもよい。さらに、本実施例では、ブラッ
シング作業で泡立て剤入り染料液10の発泡とこの発泡
した染料発泡体11のカーペット内への供給とを同時に
行なうようにしているが、これらの工程を分離すること
も考えられる。
【0089】つまり、第3ステップで、まず、泡立て剤
入り染料液10をカーペット5上で発泡させ(供給ステ
ップ)、次いで、この発泡した染料発泡体11をカーペ
ット5内に供給する(供給ステップ)のである。例えば
供給ステップで、泡立て剤入り染料液10を発泡させる
のに最適のブラシを用いて行ない、供給ステップで、染
料発泡体11をカーペット5内の深部まで供給するのに
最適のブラシを用いて行なうようにすることが考えられ
る。
【0090】このような構成によれば、染色の工程が増
加するものの、より質の高い染色を行なえるようにな
る。また、第1実施例の染色方法と第2実施例の染色方
法とを併用するようにしてもよい。次に、本発明の第2
実施例としてのカーペットの染色用染料定着装置を説明
すると、この染料定着装置は、図10に示すように、蒸
気供給手段31を構成する蒸気収容器42の下面に、開
口42Aが形成され、蒸気収容器42内に供給された水
蒸気35がこの下面開口42Aから直接カーペット5上
へ供給されるようになっている。
【0091】また、第1実施例のものと同様に、スチー
ムトラップ34等が設けられており、水蒸気35のみが
蒸気収容器42内に供給されるようになっている。ま
た、43は蒸気収容器42を持ち運ぶためのハンドルで
ある。このような構成により、本実施例の染料定着装置
では、この蒸気収容器42を直接カーペット5上へ載置
して蒸気収容器42内に高温の水蒸気35を供給する。
このような状態では、蒸気収容器42の下部の周縁部4
2Bがカーペット5に密着して、開口42Aがカーペッ
ト5により塞がれた状態になる。
【0092】この結果、カーペット5は蒸気収容器42
の内部で高温の蒸気内に浸ることになり、カーペット5
の繊維内に水蒸気とともに染料が浸透していく。これを
所要時間継続することで、カーペット5の繊維内の奥深
くに染料が浸透していき、染料がカーペット5の繊維に
定着する。ついで、蒸気収容器42を外せば、カーペッ
ト5の繊維は、加えられた熱によって水分が蒸発してい
き、染色が完了する。
【0093】このような蒸気収容器42は装置自体も又
染料定着作業も極めて簡便であり、例えば使用中のカー
ペット5に局部的に染色を施す場合などには、染色した
部分の上に蒸気収容器42を所要時間載置しながら水蒸
気を供給すれば、極めて容易に染料定着を行なうことが
できる。このような第2実施例のカーペットの染色用染
料定着装置は、当然ながら蒸気の各カーペットの染色方
法に利用することもできる。
【0094】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1記載の本
発明のカーペットの染色方法によれば、染料液に泡立て
剤を混入させる第1ステップと、該第1ステップで混合
された泡立て剤入り染料液を発泡させる第2ステップ
と、該第2ステップで発泡された染料発泡体をカーペッ
トの表面から該カーペット内に供給する第3ステップと
から構成されることにより、僅かな染料液を用いなが
ら、カーペット繊維の全域に染料液を万遍なく染み込ま
せることができるようになり、色ムラのない染色を容易
にしかも確実に行なえる。したがって、色ムラに対する
修復作業は不要となり、建物の機能を長時間停止させる
ことなく、短時間で容易に染色作業を完了させることが
できる。
【0095】また、染料液の使用量が少ないので、水分
過剰によるカーペットの収縮を招くこともなく、さら
に、染料液の乾燥時間を短縮でき、この点でも、染色作
業の時間を短縮でき、建物の機能への影響が少ない。請
求項2記載の本発明のカーペットの染色方法によれば、
請求項1記載の構成において、該第2ステップが、該泡
立て剤入り染料液内に気体を供給して該泡立て剤入り染
料液を発泡させる発泡ステップと、該発泡ステップで発
泡された該染料発泡体を微小化させながら送出する送出
ステップとから構成されることにより、染料液の発泡を
容易に且つ確実に行なうことができ、少ない染料液によ
る色ムラのない染色を行ないやすい。
【0096】請求項3記載の本発明のカーペットの染色
方法によれば、請求項1又は2記載の構成において、該
第3ステップが、ブラシに該染料発泡体を付着させるブ
ラシ付着ステップと、該染料発泡体を付着された該ブラ
シにより該カーペットをブラッシングして該カーペット
の表面から深部まで該染料発泡体を供給するブラッシン
グステップとから構成されることにより、カーペットの
深部まで染色でき、染色仕上がりを向上させることがで
きる。
【0097】請求項4記載の本発明のカーペットの染色
方法によれば、請求項1〜3のいずれかに記載の構成に
おいて、該第3ステップの後、該カーペット上の余分な
該染料発泡体を回収する第4のステップが設けられると
いう構成により、染色されたカーペットの乾燥を促進で
き、染色作業の時間を短縮でき、建物の機能への影響が
少ない。また、染料液を有効利用でき、コスト上も有利
になる。
【0098】請求項5記載の本発明のカーペットの染色
方法によれば、染料液に泡立て剤を混入させる第1ステ
ップと、該第1ステップで混合された泡立て剤入り染料
液をカーペット上に付着させる第2ステップと、該泡立
て剤入り染料液を該カーペット上で発泡させてこの発泡
した染料発泡体を該カーペット内に供給する第3ステッ
プとから構成されることにより、僅かな染料液を用いな
がら、容易な作業により、カーペット繊維の全域に染料
液を万遍なく染み込ませることができるようになり、色
ムラのない染色を容易にしかも確実に行なえる。したが
って、色ムラに対する修復作業は不要となり、建物の機
能を長時間停止させることなく、短時間で容易に染色作
業を完了させることができる。
【0099】また、染料液の使用量が少ないので、水分
過剰によるカーペットの収縮を招くこともなく、さら
に、染料液の乾燥時間を短縮でき、この点でも、染色作
業の時間を短縮でき、建物の機能への影響が少ない。請
求項6記載の本発明のカーペットの染色方法によれば、
請求項5記載の構成において、該第3ステップが、該染
料発泡体を付着された該カーペットをブラシによりブラ
ッシングすることで該泡立て剤入り染料液を該カーペッ
ト上で発泡させながらこの発泡した染料発泡体を該カー
ペット内に供給するように構成されることにより、極め
て容易な作業によって、僅かな染料液による色ムラのな
い染色を容易且つ確実に行なうことができ、上述のよう
な様々な効果や利点を得ることができる。
【0100】請求項7記載の本発明のカーペットの染色
方法によれば、請求項5記載の構成において、該第3ス
テップが、該泡立て剤入り染料液を該カーペット上で発
泡させる発泡ステップと、この発泡した染料発泡体を該
カーペット内に供給する供給ステップとから構成される
ことにより、より質の高い染色を行なえるようになる利
点がある。
【0101】請求項8記載の本発明のカーペットの染色
方法によれば、請求項5〜7のいずれかに記載の構成に
おいて、該第2ステップで、該泡立て剤入り染料液を霧
状にして該カーペット上に付着させるように構成されて
いることにより、泡立て剤入り染料液のカーペット上へ
の付着を均一に行なえしかも付着量が過剰にならないよ
うにできるため、僅かな染料液による色ムラのない染色
をよりに行なうことができ、上述のような様々な効果や
利点をより確実に得ることができる。
【0102】請求項9記載の本発明のカーペットの染色
方法によれば、請求項5〜8のいずれかに記載の構成に
おいて、該第3ステップの後、該カーペット上の余分な
該染料発泡体を回収する第4ステップが設けられるとい
う構成により、染色されたカーペットの乾燥を促進で
き、染色作業の時間を短縮でき、建物の機能への影響が
少ない。また、染料液を有効利用でき、コスト上も有利
になる。
【0103】請求項10記載の本発明のカーペットの染
色方法によれば、請求項1〜9のいずかに記載の構成に
おいて、該第4ステップの後に、該カーペットに供給さ
れた染料を加熱し定着させる第5ステップが設けられる
ことにより、染料の定着が速やか行なわれて、染色作業
の時間をより短縮でき、建物の機能への影響をより少な
くすることができる。また、色落ちの少ないより耐久性
のある染色を実現することができる。
【0104】請求項11記載の本発明のカーペットの染
色方法によれば、請求項10記載の構成において、該第
5ステップにおける染料の加熱・定着を、該カーペット
に蒸気を供給することにより行なうように設定されるこ
とにより、染料の定着をより確実に行なうことができ
て、染色作業の時間の短縮を促進でき、また、より耐久
性のある染色を実現することができる。
【0105】請求項12記載の本発明のカーペットの染
色装置によれば、泡立て剤を混入させた染料液を貯蔵す
る貯蔵手段と、該貯蔵手段に貯蔵された泡立て剤入り染
料液を発泡させる発泡手段と、該発泡手段で発泡された
染料発泡体をカーペットの表面から該カーペット内に供
給する供給手段とをそなえるという構成により、僅かな
染料液を用いながら、カーペット繊維の全域に染料液を
万遍なく染み込ませることができるようになり、色ムラ
のない染色を容易にしかも確実に行なえ、色ムラに対す
る修復作業も不要となり、建物の機能を長時間停止させ
ることなく、短時間で容易に染色作業を完了させること
ができる。また、水分過剰によるカーペットの収縮を招
くこともなく、染料液の乾燥時間も短く、この点でも、
染色作業の時間を短縮でき、建物の機能への影響が少な
い。
【0106】請求項13記載の本発明のカーペットの染
色装置によれば、泡立て剤を混入させた染料液を貯蔵す
る貯蔵手段と、該貯蔵手段に貯蔵された泡立て剤入り染
料液をカーペットに噴霧する噴霧手段と、該噴霧手段で
噴霧された該泡立て剤入り染料液を該カーペット上で発
泡させながら発泡した染料発泡体を該カーペット内に付
着させる発泡付着手段とをそなえるという構成により、
簡素な装置構成でコストを抑制しながら上述の各種の効
果や利点を得ることができる。すなわち、僅かな染料液
を用いながら、カーペット繊維の全域に染料液を万遍な
く染み込ませることができるようになり、色ムラのない
染色を容易にしかも確実に行なえ、色ムラに対する修復
作業も不要となり、建物の機能を長時間停止させること
なく、短時間で容易に染色作業を完了させることができ
る。また、水分過剰によるカーペットの収縮を招くこと
もなく、染料液の乾燥時間も短く、この点でも、染色作
業の時間を短縮でき、建物の機能への影響が少ない利点
が得られる。
【0107】請求項14記載の本発明のカーペットの染
色用染料定着装置によれば、カーペットに供給された染
料を該カーペットを加熱することにより繊維内に定着さ
せるカーペットの染色用染料定着装置であって、蒸気を
発生する蒸気発生手段と、該蒸気発生手段で発生した該
蒸気を該カーペットの表面に供給する蒸気供給手段とか
ら構成されることにより、染料の定着を確実に行なうこ
とができて、染色作業の時間の短縮を促進でき、また、
耐久性のある染色を実現することができる。
【0108】請求項15記載の本発明のカーペットの染
色用染料定着装置によれば、請求項14記載の構成にお
いて、該蒸気供給手段が、該蒸気発生手段で発生した該
蒸気を収容する蒸気収容器と、該カーペットの表面に接
触しうる繊維状蒸気供給体と、該蒸気収容器内の該蒸気
を該繊維状蒸気供給体へ送給する蒸気送給部とをそな
え、該繊維状蒸気供給体が、該蒸気収容器内から蒸気を
供給されるとともに該蒸気収容器表面から熱を伝導され
るように該蒸気収容器に接触するように装着されるとい
う構成により、カーペットへの染料の定着をより確実に
行なうことができて、染色作業の時間の短縮を促進で
き、また、より耐久性のある染色を実現することができ
る。
【0109】請求項16記載の本発明のカーペットの染
色用染料定着装置によれば、請求項14記載の構成にお
いて、該蒸気供給手段が、該カーペット上の所要の位置
に載置しうる蒸気供給体をそなえ、該蒸気供給体が、該
蒸気発生手段で発生した該蒸気を収容する蒸気収容器を
そなえ、該蒸気収容器の下面に周縁部を該カーペットの
表面に密着させうる開口部が形成されるという構成によ
り、極めて簡素な構成で、カーペットへの染料の定着を
確実に行なうことができて、染色作業の時間の短縮を促
進でき、また、耐久性のある染色を実現することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例としてのカーペットの染色
方法並びに染色装置及び染色用染料定着装置を示す模式
図である。
【図2】本発明の第1実施例としてのカーペットの染色
方法に用いるカーペットの染色装置を示す模式図であ
る。
【図3】本発明の第1実施例としてのカーペットの染色
方法並びに染色装置及び染色用染料定着装置における染
料発泡体のカーペット繊維への付着状態を示す模式図で
ある。
【図4】本発明の第1実施例としてのカーペットの染色
方法並びに染色装置及び染色用染料定着装置における染
料液のカーペット繊維への付着状態を示す模式図であ
る。
【図5】本発明の第1実施例としてのカーペットの染色
方法並びに染色装置及び染色用染料定着装置における染
料液のカーペット繊維内への浸透状態を段階的に示す模
式的な断面図である。
【図6】本発明の第1実施例としてのカーペットの染色
用染料定着装置を示す模式図である。
【図7】本発明の第1実施例としてのカーペットの染色
用染料定着装置を示す要部の模式的断面図である。
【図8】本発明の第1実施例としてのカーペットの染色
用染料定着装置を示す要部の下面図である。
【図9】本発明の第2実施例としてのカーペットの染色
方法及び染色装置を示す模式図である。
【図10】本発明の第2実施例としてのカーペットの染
色用染料定着装置を示す要部の模式的な断面図である。
【符号の説明】
1 タンク(貯留手段) 1A 通路 2 発泡用容器 2A 送出口 3 ポンプ 3A 発泡手段 4 回転ブラシ(供給手段) 5 カーペット 5A カーペット5のパイル 6 ボディ 7 ローラ 8 染料液 9 泡立て剤 10 泡立て剤入り染料液 11 染料発泡体 12 吸水装置 13 タンク 21 タンク(貯蔵手段) 22 噴霧器(噴霧手段) 24 回転ブラシ(発泡付着手段) 30 ボイラ(蒸気発生手段) 31 蒸気供給手段 32 蒸気収容器 32A 蒸気送給部 32B 蒸気送給部32Aの入口 32C 蒸気送給部32Aの出口 32D 蒸気収容器32の下面 33 ウォンドタオル(繊維状蒸気供給体) 34 スチームトラップ(蒸気・水分離機構) 34A 第1ニップル 34B 第2ニップル 34C 第3ニップル 35 水蒸気 36A ステー 36B ハンドル 38A,38B スチームホース 38C ホース 39 コック 42 蒸気収容器 42A 蒸気収容器42下部の開口 42B 蒸気収容器42下部の周縁部

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 染料液に泡立て剤を混入させる第1ステ
    ップと、 該第1ステップで混合された泡立て剤入り染料液を発泡
    させる第2ステップと、 該第2ステップで発泡された染料発泡体をカーペットの
    表面から該カーペット内に供給する第3ステップとから
    構成されていることを特徴とする、カーペットの染色方
    法。
  2. 【請求項2】 該第2ステップが、該泡立て剤入り染料
    液内に気体を供給して該泡立て剤入り染料液を発泡させ
    る発泡ステップと、該発泡ステップで発泡された該染料
    発泡体を微小化させながら送出する送出ステップとから
    構成されていることを特徴とする、請求項1記載のカー
    ペットの染色方法。
  3. 【請求項3】 該第3ステップが、ブラシに該染料発泡
    体を付着させるブラシ付着ステップと、該染料発泡体を
    付着された該ブラシにより該カーペットをブラッシング
    して該カーペットの表面から深部まで該染料発泡体を供
    給するブラッシングステップとから構成されていること
    を特徴とする、請求項1又は2記載のカーペットの染色
    方法。
  4. 【請求項4】 該第3ステップの後、該カーペット上の
    余分な該染料発泡体を回収する第4ステップが設けられ
    ていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記
    載のカーペットの染色方法。
  5. 【請求項5】 染料液に泡立て剤を混入させる第1ステ
    ップと、 該第1ステップで混合された泡立て剤入り染料液をカー
    ペット上に付着させる第2ステップと、 該泡立て剤入り染料液を該カーペット上で発泡させてこ
    の発泡した染料発泡体を該カーペット内に供給する第3
    ステップとから構成されていることを特徴とする、カー
    ペットの染色方法。
  6. 【請求項6】 該第3ステップが、該染料発泡体を付着
    された該カーペットをブラシによりブラッシングするこ
    とで該泡立て剤入り染料液を該カーペット上で発泡させ
    ながらこの発泡した染料発泡体を該カーペット内に供給
    するように構成されていることを特徴とする、請求項5
    記載のカーペットの染色方法。
  7. 【請求項7】 該第3ステップが、該泡立て剤入り染料
    液を該カーペット上で発泡させる発泡ステップと、この
    発泡した染料発泡体を該カーペット内に供給する供給ス
    テップとから構成されていることを特徴とする、請求項
    5記載のカーペットの染色方法。
  8. 【請求項8】 該第2ステップで、該泡立て剤入り染料
    液を霧状にして該カーペット上に付着させることを特徴
    とする、請求項5〜7のいずれかに記載のカーペットの
    染色方法。
  9. 【請求項9】 該第3ステップの後、該カーペット上の
    余分な該染料発泡体を回収する第4ステップが設けられ
    ていることを特徴とする、請求項5〜8のいずれかに記
    載のカーペットの染色方法。
  10. 【請求項10】 該第4ステップの後に、該カーペット
    に供給された染料を加熱し定着させる第5ステップが設
    けられていることを特徴とする、請求項1〜9のいずれ
    かに記載のカーペットの染色方法。
  11. 【請求項11】 該第5ステップにおける染料の加熱・
    定着を、該カーペットに蒸気を供給することにより行な
    うように設定されていることを特徴とする、請求項10
    記載のカーペットの染色方法。
  12. 【請求項12】 泡立て剤を混入させた染料液を貯蔵す
    る貯蔵手段と、 該貯蔵手段に貯蔵された泡立て剤入り染料液を発泡させ
    る発泡手段と、 該発泡手段で発泡された染料発泡体をカーペットの表面
    から該カーペット内に供給する供給手段とをそなえてい
    ることを特徴とする、カーペットの染色装置。
  13. 【請求項13】 泡立て剤を混入させた染料液を貯蔵す
    る貯蔵手段と、 該貯蔵手段に貯蔵された泡立て剤入り染料液をカーペッ
    トに噴霧する噴霧手段と、 該噴霧手段で噴霧された該泡立て剤入り染料液を該カー
    ペット上で発泡させながら発泡した染料発泡体を該カー
    ペット内に付着させる発泡付着手段とをそなえているこ
    とを特徴とする、カーペットの染色装置。
  14. 【請求項14】 カーペットに供給された染料を該カー
    ペットを加熱することにより繊維内に定着させるカーペ
    ットの染色用染料定着装置であって、 蒸気を発生する蒸気発生手段と、 該蒸気発生手段で発生した該蒸気を該カーペットの表面
    に供給する蒸気供給手段とから構成されていることを特
    徴とする、カーペットの染色用染料定着装置。
  15. 【請求項15】 該蒸気供給手段が、該蒸気発生手段で
    発生した該蒸気を収容する蒸気収容器と、該カーペット
    の表面に接触しうる繊維状蒸気供給体と、該蒸気収容器
    内の該蒸気を該繊維状蒸気供給体へ送給する蒸気送給部
    とをそなえ、 該繊維状蒸気供給体が、該蒸気収容器内から蒸気を供給
    されるとともに該蒸気収容器表面から熱を伝導されるよ
    うに該蒸気収容器に接触するように装着されていること
    を特徴とする、請求項14記載のカーペットの染色用染
    料定着装置。
  16. 【請求項16】 該蒸気供給手段が、該カーペット上の
    所要の位置に載置しうる蒸気供給体をそなえ、 該蒸気供給体が、該蒸気発生手段で発生した該蒸気を収
    容する蒸気収容器をそなえ、該蒸気収容器の下面に周縁
    部を該カーペットの表面に密着させうる開口部が形成さ
    れていることを特徴とする、請求項14記載のカーペッ
    トの染色用染料定着装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6990703B2 (en) * 2000-08-04 2006-01-31 Milliken & Company Method of reproducing, recoloring and/or recycling carpet tiles

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