JPH0888938A - 同期投入装置 - Google Patents

同期投入装置

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JPH0888938A
JPH0888938A JP24472694A JP24472694A JPH0888938A JP H0888938 A JPH0888938 A JP H0888938A JP 24472694 A JP24472694 A JP 24472694A JP 24472694 A JP24472694 A JP 24472694A JP H0888938 A JPH0888938 A JP H0888938A
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breaker
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Takashi Nakajima
中島  隆
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 同期投入装置において、自動同期装置の非同
期範囲の誤動作を早く検出し、適用するしゃ断器の投入
時間が長い場合でも、有効に誤動作を防止する。 【構成】 発電機を系統へ自動的に並列投入する同期投
入装置において、発電機電圧と系統電圧との同期状態を
検出してしゃ断器投入時間を見込んだ投入信号を出力
し、同期点(0°)でしゃ断器を閉路させる自動同期装
置と、発電機電圧と系統電圧との位相差を検出する同期
継電器と、前記自動同期装置の出力で起動し、しゃ断器
投入時間経過後に出力を発するタイマーとを備え、前記
自動同期装置の常開出力接点と、前記同期継電器の常閉
出力接点と、前記タイマーの常閉出力接点とリレーコイ
ルを直列に接続した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は発電機を系統側に並列投
入する際に、独立した交流電源間の同期を検出してしゃ
断器を自動投入する同期投入装置に関する。
【0002】
【従来の技術】発電機を系統側に並列投入する場合、両
者の電圧差と周波数差を一致させる調整制御を行なった
後に、両者の交流電圧の位相が一致した時にしゃ断器を
閉路するように、自動同期装置からしゃ断器へ同期投入
信号を出力している。
【0003】しかしその自動同期装置が誤動作した場合
はしゃ断器への同期投入信号も誤った信号となる。この
場合、同期位相ではなく非同期位相で並列することにな
り発電機への機械的衝撃や系統側へ電力動揺を与え、大
きな事故へ発展する虞れがある。
【0004】そのため従来は自動同期装置の誤動作に対
し、別に設けた同期継電器で異常な位相出力とならない
ように防止対策をしている。図8を用いて従来の同期投
入装置の構成図を示す。
【0005】ここで1はしゃ断器、2は発電機、3aと3b
は変成器、4は自動同期装置、5は自動同期装置4の出
力接点、6は同期継電器、7は同期継電器6の出力接
点、Bは系統側母線、VB は系統電圧、VG は発電機電
圧、Pは直流電源である。
【0006】ここで自動同期装置4と同期継電器6の入
力側は系統電圧VB と発電機電圧VG を変成器3aと3bを
介して入力し、出力側の接点5と接点7は直列に接続
し、しゃ断器1への投入信号はAND条件で出力する構
成としている。
【0007】図9は自動同期装置4と同期継電器6の出
力信号の位相関係を示す出力位相図である。図9で±θ
0 の位相は同期継電器6の出力信号で、同期点(0°)
を中心に一定位相角の出力である。両電圧VB とVG
周波数差Δfが変化しても出力位相θ0 は不変である。
【0008】次に、斜線で示した(θx +θy )の位相
は自動同期装置4の出力信号であり、同期点(0°)を
中心にしたしゃ断器投入時間tc に相当する前進角θx
と、出力継続時間t1 (時間は任意でよい)に相当する
θy の位相角出力となっている。この出力は一定時間
(tc +t1 )の出力であるため、両電圧VB とVG
周波数差Δfが変化すると、θx とθy の位相角は変化
する。
【0009】この関係を前進角θx を例に式で表わすと
(1) 式となる。
【数1】 θx =ω・tc =360°・Δf・tc …………(1) (ωは角速度) tc やΔfが大きくなるとθx も増加する関係にある。
又、しゃ断器投入信号は自動同期装置4から出力信号θ
x として出力するので、投入時のいかなる周波数差にお
いても位相θ0 >θx の出力関係としている。
【0010】なお、自動同期装置4の出力つまり投入信
号を一定時間出力とする理由は、しゃ断器1に投入信号
を与えてから閉路するまでの時間、即ち、しゃ断器1の
投入時間tc を見込み、同期成立時刻(同期点0°)よ
りも一定時間tc だけ前にしゃ断器1に投入信号を与え
ることが本装置の役割のためである。
【0011】次に、その作用として自動同期装置4が正
常な場合について説明する。系統電圧VB を基準とし、
発電機電圧VG が図9の矢印方向で同期点(0°)に近
づいているとすると、同期継電器6の出力接点7は図9
に示す±θ0 の位相の範囲内に入ると閉路する。
【0012】次に、自動同期装置4の出力信号はしゃ断
器1の投入動作時間tc を見込み、同期点(0°)手前
のθx の位相で出力接点5が閉路して、tc 時間後に同
期点(0°)でしゃ断器1が閉路するように出力する
(このθx の位相角を前進角と呼び、系統電圧VB と発
電機電圧VG 間の位相差を表わしている。この両者の位
相差θx が0°に近づく時間が、しゃ断器投入時間tc
に等しくなるように見込んで出力を発するのが自動同期
装置4である。)。
【0013】この出力は同期点通過後は一定の時間t1
分(図9のθy の期間だけ)出力を継続し閉路する。こ
れらの出力接点5と7をAND構成(直列)にした投入
信号をしゃ断器1の投入コイルに与えて、しゃ断器1が
同期点で閉路するようにしている。
【0014】次に、従来の誤動作防止について説明す
る。自動同期装置4が万一誤動作した場合は、上記の正
常時の位相とは無関係な位相で出力を発し、つまり非同
期投入出力となってしまうので、同期継電器6の出力位
相θ0 を同期並列として許容される位相±θk (許容同
期角)に設定(θ0 *θk とする)しておくことにより
(なお、*印はほゞ等しいを意味する。以下同じ。)、
万一自動同期装置4が誤動作してもその出力が同期継電
器6の出力とAND構成されているため、しゃ断器への
投入信号は±θk 以内に制限される。
【0015】以上が従来の方式である。しかし適用する
しゃ断器の投入時間が長い場合には並列として安全範囲
である許容角θk を維持できない事例も多い。次にその
事例を説明する。しゃ断器投入時間tc として0.1秒
程度の短いものは前進角θxが小さく同期継電器6の出
力接点はθ0 =θk が可能であり、誤投入防止の目的は
達せる。
【0016】しかし、しゃ断器の投入時間tc が長いと
自動同期装置4の出力である前進角θx も広がることに
なるため、AND出力とするバックアップ用の同期継電
器6の出力位相±θ0 も、θ0 >θx の条件から広げざ
るを得ない。例えば、しゃ断器投入時間tc =0.3秒
のものに適用すると、許容周波数差ΔfL *0.25Hzと
した場合の前進角θx は(1) 式より、前進角θx =36
0°×ΔfL ×tc =27°となる。
【0017】従って、同期継電器6の出力は位相角θ0
=30°位に設定することになる。通常許容される同期
角θk は±10°位とされているのでこれを超えてしま
う。そうなると、自動同期装置4が故障し非同期出力で
閉路のままとなってしまうと、しゃ断器1には同期点か
らθ0 =30°もずれた位相で投入信号が出力される。
【0018】このような場合、周波数差ΔfがΔfL
0.25Hzに近い状態の場合では投入時間tc 後の時
刻は同期点に近く、さほど問題はないが、周波数差Δf
が小さいケース、例えばΔf1 =0.05Hzでは、t
c =0.3秒に相当する前進角θx ′は(1) 式より、θ
x ′=360°・Δf1 ・tc =5.4°となる。
【0019】この場合、しゃ断器が閉路する位相θ
b は、θb =θ0 −θx ′=30°−5.4°=24.
6°となり、同期点から大きく外れた位相(許容同期角
超過)で並列されてしまう弱点がある。つまり、従来方
式は自動同期装置の誤動作時は、同期点よりずれた位相
での並列を許容する方式である。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】前述のように適用する
しゃ断器の投入動作時間が長い場合、両電源の周波数差
Δfが小さい条件になると自動同期装置が誤動作した場
合に、バックアップ用の同期継電器の出力位相設定とし
て許容される同期角を大幅に超えざるを得ず、本来の誤
投入防止の目的を逸脱してしまう場合がある。
【0021】又、しゃ断器の投入動作時間が短い場合で
も許容同期角以内とはいえ、位相が同期点からずれて並
列されるため、並列時の電力動揺は普段よりかなり大き
く好ましくない。つまり、自動同期装置4が誤動作した
ら並列しない方式が望まれている。
【0022】本発明は上記課題を解決するためになされ
たものでり、自動同期装置の非同期範囲の誤動作を早く
検出し、適用するしゃ断器の投入時間が長い場合にも有
効に誤投入防止ができる同期投入装置を提供することを
目的としている。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明の[請求項1]に
係る同期投入装置は、発電機を系統へ自動的に並列投入
する同期投入装置において、発電機電圧と系統電圧との
同期状態を検出してしゃ断器投入時間を見込んだ投入信
号を出力し、同期点(0°)でしゃ断器を閉路させる自
動同期装置と、発電機電圧と系統電圧との位相差を検出
する同期継電器と、前記自動同期装置の出力をパルス信
号に変換するパルス回路と、前記同期継電器の出力とパ
ルス回路の出力とを入力とし、同期継電器が非同期状態
出力中に前記パルス信号出力が到来したとき動作し、自
己保持する非同期検出回路とを備え、前記自動同期装置
に誤出力があった場合に前記非同期検出回路の出力でし
ゃ断器への投入信号を阻止するように構成した。
【0024】本発明の[請求項2]に係る同期投入装置
は、[請求項1]において、パルス回路と非同期検出回
路とを同期継電器内に内蔵させた.
【0025】本発明の[請求項3]に係る同期投入装置
は、発電機を系統へ自動的に並列投入する同期投入装置
において、発電機電圧と系統電圧との同期状態を検出し
てしゃ断器投入時間を見込んだ投入信号を出力し、同期
点(0°)でしゃ断器を閉路させる自動同期装置と、発
電機電圧と系統電圧との位相差を検出する同期継電器
と、前記自動同期装置の出力で起動し、しゃ断器投入時
間経過後に出力を発するタイマーとを備え、前記自動同
期装置の常開出力接点と、前記同期継電器の常閉出力接
点と、前記タイマーの常閉出力接点とリレーコイルを直
列に接続し、前記自動同期装置が誤出力した場合にリレ
ーが事故保持し、そのリレー出力信号でしゃ断器への投
入信号を阻止するように構成した。
【0026】本発明の[請求項4]に係る同期投入装置
は、[請求項3]において、自動同期装置の出力信号の
位相角を同期継電器の出力信号の位相角範囲内に設定
し、同期継電器が非同期状態出力中に自動同期装置が誤
出力した場合に自己保持するリレー出力信号でしゃ断器
への投入信号を阻止するように構成した。
【0027】
【作用】本発明の[請求項1]〜[請求項4]に係る同
期投入装置は、発電機を系統へ自動的に並列する場合、
自動同期装置が正常な場合には、発電機電圧の位相と系
統電圧の位相の同期状態を検出して、しゃ断器投入時間
を見込んだ投入信号を自動同期装置から出力し、同期点
(0°)でしゃ断器を閉路させる。しかし、自動同期装
置が何らかの異常により誤動作した場合には、同期継電
器の非同期状態出力で、非同期範囲の誤動作であること
を検出し、その検出信号を自己保持回路で保持すると共
に、自己保持回路の出力リレーで故障した自動同期装置
の誤出力信号を阻止し、しゃ断器の誤投入を防止するも
のである。
【0028】
【実施例】本発明の実施例を図面を参照して説明する。
図1は本発明の[請求項1]に係る同期投入装置の一実
施例の回路構成図である。図1において、4は自動同期
装置、5a,5bは自動同期装置4の出力接点、6は同期継
電器、7a,7bは同期継電器6の出力接点、8は非同期検
出回路、9は非同期検出回路の出力接点、10はパルス回
路、11はスイッチ、R1 〜R5 は抵抗、TRはトランジ
スタ、Sはサイリスタ、Xはリレー、Dはダイオード、
GPはゲートパルス信号、Pは直流電源の+、Nは直流
電源の−、VB は系統電圧、VGは発電機電圧、CBは
しゃ断器投入信号である。
【0029】パルス回路10は接点5bが閉路した時に瞬時
的なパルス電圧を出力するもので、接点5bが開路する時
は無出力状態を維持する機能を持っている。抵抗R2
4はトランジスタTRとサイリスタSの動作安定化
用、抵抗R1 とR3 は入力電流制限用、抵抗R5 はサイ
リスタSのオン時の保持電流供給用、ダイオードDはリ
レーコイルのサージ吸収用である。
【0030】スイッチ11はサイリスタSの自己保持リセ
ット用のスイッチであり、同期並列開始時に閉路するも
のである。なお、自動同期装置4と同期継電器6の出力
位相θx とθ0 の関係は、自動同期装置4の出力信号が
しゃ断器の投入指令となるので、投入時の位相はθx
θ0 の関係に設定しておく。及び自動同期装置4と同期
継電器6の出力のAND回路構成(しゃ断器投入出力
用)までは、前述した図8の従来の構成図と同じであ
る。
【0031】次に、本実施例の同期投入動作を図1の回
路構成図と図2の(a) と(b) の動作タイムチャート及び
図9の出力位相図により説明する。まず自動同期装置4
が正常な場合については、非同期範囲での誤動作はな
く、今回の発明に係る個所である非同期検出回路8は誤
出力の検出動作はせず(後述する)、出力接点9は閉路
のままである。
【0032】従って、しゃ断器への投入動作は前述の従
来の技術の項での動作説明と同じとなるので詳細説明は
省き、図2の(a) 正常時の動作タイムチャートを中心に
述べる。まず並列開始でスイッチ11を閉路しておく。次
に系統電圧VB の位相を基準とし、発電機電圧VG の位
相が同期方向に近づき、図2の(a) に示すように±θ0
の位相範囲に入ると、同期継電器6の出力接点7a,7bは
閉路する。
【0033】この接点7bの閉路により非同期検出回路8
のトランジスタTRにはベース電流が流れ、トランジス
タTRはオンになる。このトランジスタがオンになると
サイリスタSのゲートとカソード間が短絡されるので、
ゲートパルスGPはサイリスタSのゲートへ入力され
ず、サイリスタSは動作せず出力リレーXも不動作のま
まである。
【0034】従ってリレーXの出力接点9は閉路状態に
ある。次に自動同期装置4の出力信号はしゃ断器の投入
時間tc を見込み、同期点(0°)手前の前進角θ
x (これは投入時間tc となる)の位相で出力され、出
力接点5a,5bが閉路する。
【0035】この時、同期継電器6の接点7aと非同期検
出回路8の接点9は閉路しているため、接点5aの閉路に
よりしゃ断器に投入信号が入り、しゃ断器は時間tc
に同期点(0°)で閉路する。又、接点5bの閉路でパル
ス回路10が動作し、パルス回路10の出力から図2(a) に
示す瞬時のパルス信号を発生する。
【0036】そのパルス信号は非同期検出回路8のサイ
リスタSのゲートパルスGPとなるが、既にトランジス
タTRがオンになっているため、ゲートパルスGPは短
絡されサイリスタSのゲートには入力されず、サイリス
タSもリレーXも動作しない。このように自動同期装置
4が正常な場合は非同期検出回路は動作せず、しゃ断器
への投入信号は自動同期装置4と同期継電器6の出力接
点5aと7aのAND出力により出力される。
【0037】次に、自動同期装置4が故障し、非同期範
囲で誤動作(連続出力)した場合について述べる。図2
の(b) 異常時の動作タイムチャートに示すように、自動
同期装置4が同期点から位相θ1 のずれで誤動作(非同
期出力)すると、接点5a,5bが閉路する。
【0038】その時、同期継電器6の出力は非同期範囲
であるため、出力接点7a,7b共に開路状態であり、しゃ
断器への投入信号は阻止されている。かつ、非同期検出
回路8のトランジスタTRのベース入力も接点7bにより
開路されてトランジスタTRはオフ状態であり、サイリ
スタSのゲートパルスGPが入ればサイリスタSをオン
にできる状態にある。
【0039】従って、自動同期装置4の出力接点5bの閉
路でパルス回路10が動作し、そのパルス出力は非同期検
出回路8のサイリスタSのゲートパルス入力として入力
され、サイリスタSはオンとなる。サイリスタSは抵抗
5 の保持電流によりオンを維持すると同時にリレーX
を動作させ、出力接点9を開路し、しゃ断器への投入信
号を阻止する。
【0040】次に両電圧の位相が同期点に近づきθ0
内に入ると、同期継電器6は正常に動作し、接点7aが閉
路するが、既にリレーXが自己保持していて投入信号は
接点9の開路で阻止される。その後、自動同期装置4の
異常を除外し、スイッチ11を開路してリレーXの保持を
解く。以上述べたように本実施例は自動同期装置4の非
同期位相の誤出力を瞬時に検出し、しゃ断器投入信号を
阻止することができる。
【0041】以上から従来のように自動同期装置4が誤
動作し、バックアップ用の同期継電器6の出力位相(±
θ0 )で並列することは解消し、適用するしゃ断器の投
入時間の長短にも左右されない方式が得られる。
【0042】図3は本発明の[請求項2]に係る同期投
入装置の実施例の構成図である。図3において、4は自
動同期装置、5a,5bは自動同期装置4の出力接点、6aは
同期継電器、7は同期継電器6aの出力接点、8は非同期
検出回路、10はパルス回路、14は同期継電回路でいずれ
も図1で述べたものと同一回路、15a ,15b は同期継電
回路14の出力接点、ここで15a は同期継電器6aの出力接
点でもある。その他の構成において図1と同一符号は同
一部分を示し、説明を省略する。
【0043】本実施例は、図1で述べた構成図とは同一
の回路構成であり、相違点は図1での同期継電器6の中
にパルス回路10と非同期検出回路8を内蔵させて、その
3者合体構成のものを同期継電器6aとしてものである。
従って、しゃ断器投入動作等も全て図1の説明に同じで
あるため、ここでは説明を省略する。
【0044】本実施例によれば、パルス回路10と非同期
検出回路8は簡単な回路であるため、同期継電器内に内
蔵させ、一体化させることにより小型化する。従って、
制御盤の取付スペース増とならず、従来の同期継電器と
同等に扱うことができる。
【0045】次に、本発明の[請求項3]に係る同期投
入装置の実施例について説明する。図4にその構成図を
示す。図4において、4は自動同期装置、5a〜5cは自動
同期装置4の出力接点、6は同期継電器、7a,7bは同期
継電器6の出力接点、12はタイマー、13はタイマーの出
力接点、Xはリレー、9a,9bはリレーXの出力接点であ
る。その他の構成において図1と同一符号は同一部分を
示し、説明を省略する。
【0046】ここでタイマーの時間設定は投入するしゃ
断器の投入動作時間tc に等しく設定する。スイッチ11
はリレーXの自己保持リセット用のスイッチであり、同
期並列開始時に閉路しておく。ここで、自動同期装置4
と同期継電器6の出力接点5aと7aのAND構成までの回
路構成は、前述の図8で説明した従来構成図と全く同一
である。
【0047】次に本実施例の同期投入動作を図4の回路
構成図と図5(a) と(b) の動作タイムチャートにより説
明する。、まずスイッチ11を閉路しておく。なお、自動
同期装置4と同期継電器6の出力動作は図1で述べた説
明と同じであるため省略する。
【0048】図5(a) の自動同期装置4の動作が正常な
場合について述べる。系統電圧VBと発電機電圧VG
位相差がθ0 に入ると、同期継電器6の出力接点7aが閉
路し、7bが開路する。更に同期に近づき前進角θx の位
相で、自動同期装置4の出力接点5a〜5cが閉路する。
【0049】その時リレーXのコイルには、接点7bが開
路しているために接点5bが閉路しても電流は流れず、リ
レーXは不動作である。従って、リレーXの接点9aも閉
路のままであるため、しゃ断器投入信号は自動同期装置
4の接点5aで出力される。同時に接点5cの閉路でタイマ
ー12が起動し、しゃ断器の投入時間tc 分経過後(同期
点に相当)にその出力接点13が開路する。
【0050】次に同期点(0°)を過ぎ位相θ0 を外れ
ると、同期継電器6の出力接点7aは開路し、しゃ断器投
入信号CBは断たれる。同時に接点7bも閉路するが、こ
の時既にタイマー12の接点13は開路しているので、リレ
ーXが動作することはない。
【0051】更に両電圧の位相差がずれていくと、位相
θy の時点で自動同期装置4の出力がなくなり、接点5a
〜5cは開路する。このように自動同期装置4の出力が正
常な場合にはリレーXは不動作を保持し、投入信号は自
動同期装置4の出力接点5aにより出力する。
【0052】次に自動同期装置4が故障し非同期範囲で
誤動作(連続出力)した場合について述べる。図5(b)
に示すように、自動同期装置4が同期点から位相θ1
ずれで誤動作(非同期出力)すると、接点5a〜5cが閉路
する。その時、同期継電器6の出力は非同期範囲である
ため出力接点7aは開路の状態であり、しゃ断器の投入信
号は出力されない。
【0053】同時に接点5cの閉路でタイマーが起動する
が、初動時につき、出力接点13は閉路状態である。従っ
て接点5bが閉路すると、接点7bの閉路と接点13の閉路か
らリレーXは動作し、その接点9bによりリレーXは自己
保持状態となる。
【0054】そのリレーXの動作により、接点9aが開路
されしゃ断器投入信号を阻止状態に保持する。次にタイ
マー12が時間tc 後に動作し、その接点13が開路して
も、リレーXは接点9b閉路により、自己保持のままとな
っている。その後、自動同期装置4の異常を除外し、ス
イッチ11を開路し、リレーXの保持を解く。
【0055】以上述べたように本実施例でも、図1で述
べたと同様の機能が得られ、自動同期装置4の非同期位
相の誤出力を瞬時に検出し、しゃ断器投入信号を阻止す
ることができる。本実施例によれば、自動同期装置4の
誤出力を、新規の装置を増加することなく、制御装置の
通常のシーケンスリレーで簡単に実現できる。
【0056】次に、本発明の[請求項4]に係る同期投
入装置の実施例について説明する。図6にその構成図を
示す。図6において、図中の符号は図4の構成図と同一
であるため説明を省略する。図6の構成図は図4の構成
図からタイマー12を削除した他は、基本的に図4と同一
である。
【0057】図7は自動同期装置4と同期継電器6の出
力信号の位相関係を示す出力位相図である。図7で±θ
0 の位相は同期継電器6の出力信号で、同期点(0°)
を中心に一定位相角の出力である(これは従来方式の図
9の±θ0 と同じである)。
【0058】次に斜線で示した(θx +θy )の位相は
自動同期装置4の出力信号であり、同期点(0°)を中
心にθx とθy に振り分け、各位相は、θ0 >θx ≧θ
y の位相関係に設定する。ここで位相θx は前進角であ
り、しゃ断器の投入時間tcに相当するもので、この出
力は一定時間出力となる(従って、Δfの変化でθx
変化する。)。
【0059】次に本実施例の同期投入動作を図6の回路
構成図と図7の出力位相図により説明する。なお、自動
同期装置4と同期継電器6の出力動作は前述の図1や図
4の説明と同一なので省略し、リレーXの動作を中心に
説明する。自動同期装置4が正常な場合は、両電圧VB
とVG の位相差がθ0 に入ると、同期継電器6の出力接
点7aが閉路し、7bが開路する。次に、位相差が前進角θ
x になると、自動同期装置4の出力接点5bが閉路する。
その時、既に接点7bは開路中であり、リレーXは動作し
ないので、リレーの接点9aも閉路のままであり、接点5a
の閉路でしゃ断器へ投入信号が出力される。
【0060】次に同期点を過ぎθy から外れると、自動
同期装置4の出力はオフとなり、接点5a,5bは開路す
る。更に位相差が広がるとθ0 から外れ、同期継電器6
の出力もオフとなり接点7aが開路し、接点7bは閉路す
る。この時接点5bは開路しているのでリレーXが動作す
ることはない。
【0061】次に、自動同期装置4が故障し非同期範囲
で誤動作(連続出力)した場合について述べる。自動同
期装置4が同期点からかなりずれた非同期位相で誤動作
すると、接点5a,5bが閉路する。その時、同期継電器6
の出力は非同期範囲であるため、出力接点7aは開路で、
7bは閉路状態である。この接点7a開路状態のため、しゃ
断器の投入信号は阻止される。
【0062】リレーXは接点7bが閉路状態であるため、
接点5bの閉路と同時に動作し、その接点9b閉路でリレー
Xは自己保持し、接点9aは開路され、しゃ断器投入信号
を阻止状態に保持する。以上述べたように本実施例でも
前述の図4の構成図と同様の機能が得られ、自動同期装
置4の非同期位相の誤出力を瞬時に検出し、しゃ断器投
入信号を阻止することができる。
【0063】本実施例によれば自動同期装置4の出力位
相θy の出力期間をθ0 以内に設定することで、図4の
構成図より単純な回路構成で本発明の目的が実現できる
ものである。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば自
動同期装置の誤出力を瞬時に検出し、しゃ断器投入信号
を即時に阻止して、誤出力時の信号はいっさい出力しな
い方式が可能となる。更に適用するしゃ断器の投入時間
の長いものにも使用できるので、その利用効果は大き
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の[請求項1]に係る同期投入装置の一
実施例の回路構成図。
【図2】図1の同期投入装置の動作タイムチャート。
【図3】本発明の[請求項2]に係る同期投入装置の一
実施例の回路構成図。
【図4】本発明の[請求項3]に係る同期投入装置の一
実施例の回路構成図。
【図5】図4の同期投入装置の動作タイムチャート。
【図6】本発明の[請求項4]に係る同期投入装置の一
実施例の回路構成図。
【図7】図6の自動同期装置と同期継電器の出力位相
図。
【図8】従来の同期投入装置の回路構成図。
【図9】図8の自動同期装置と同期継電器の出力位相
図。
【符号の説明】
4 自動同期装置 6,6a 同期継電器 8 非同期検出回路 10 パルス回路 12 タイマー

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発電機を系統へ自動的に並列投入する同
    期投入装置において、発電機電圧と系統電圧との同期状
    態を検出してしゃ断器投入時間を見込んだ投入信号を出
    力し、同期点(0°)でしゃ断器を閉路させる自動同期
    装置と、発電機電圧と系統電圧との位相差を検出する同
    期継電器と、前記自動同期装置の出力をパルス信号に変
    換するパルス回路と、前記同期継電器の出力とパルス回
    路の出力とを入力とし、同期継電器が非同期状態出力中
    に前記パルス信号出力が到来したとき動作し、自己保持
    する非同期検出回路とを備えたことを特徴とする同期投
    入装置。
  2. 【請求項2】 パルス回路と非同期検出回路とを同期継
    電器内に内蔵させたことを特徴とする請求項1記載の同
    期投入装置。
  3. 【請求項3】 発電機を系統へ自動的に並列投入する同
    期投入装置において、発電機電圧と系統電圧との同期状
    態を検出してしゃ断器投入時間を見込んだ投入信号を出
    力し、同期点(0°)でしゃ断器を閉路させる自動同期
    装置と、発電機電圧と系統電圧との位相差を検出する同
    期継電器と、前記自動同期装置の出力で起動し、しゃ断
    器投入時間経過後に出力を発するタイマーとを備え、前
    記自動同期装置の常開出力接点と、前記同期継電器の常
    閉出力接点と、前記タイマーの常閉出力接点とリレーコ
    イルを直列に接続したことを特徴とする同期投入装置。
  4. 【請求項4】 自動同期装置の出力信号の位相角を同期
    継電器の出力信号の位相角範囲内に設定し、同期継電器
    が非同期状態出力中に自動同期装置が誤出力した場合に
    自己保持するリレー出力信号でしゃ断器への投入信号を
    阻止するように構成したことを特徴とする請求項3記載
    の同期投入装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103475346A (zh) * 2013-09-10 2013-12-25 贵州航天电器股份有限公司 一种复管式自保持式固体继电器
CN103647306A (zh) * 2013-12-10 2014-03-19 龙滩水电开发有限公司 一种防止发电机非同期合闸的自动准同期合闸回路

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