JPH088799A - グローバル衛星通信に適した衛星配置の決定方法及び衛星システム - Google Patents

グローバル衛星通信に適した衛星配置の決定方法及び衛星システム

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JPH088799A
JPH088799A JP14155594A JP14155594A JPH088799A JP H088799 A JPH088799 A JP H088799A JP 14155594 A JP14155594 A JP 14155594A JP 14155594 A JP14155594 A JP 14155594A JP H088799 A JPH088799 A JP H088799A
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satellites
satellite
orbits
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circular orbits
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JP14155594A
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Inventor
Tomoyoshi Yamashita
与慶 山下
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 グローバル衛星通信に適した衛星配置の決定
方法及び衛星システムを提案する。 【構成】 すべての円軌道が北極及び南極上空を通過す
る複数極軌道衛星配置において、最も接近している衛星
との角距離が特定の限界値以上になる時間の割合をその
緯度における該角距離限界値Φに対する時間率と定義
し、時間率を0%以上0.5%以下の値に選び、それに
対する限界値が最大である緯度における限界値Φが最小
となるように軌道間隔を決定する。角距離限界値Φに対
する衛星総数M×N(M:軌道面数、N:各軌道上の衛
星個数)の標準曲線を決定し、それに近いMとNの組み
合わせを選択する。複数極軌道衛星配置を90°回転さ
せた東西軸軌道衛星配置が提案される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数の衛星により全地
球面をカバーし、それらを介して地球上のあらゆる地点
との通信を可能にするグローバル衛星通信に適した衛星
配置の決定方法及び衛星システムに関する。
【0002】
【従来の技術】静止衛星の高度よりも低い高度に多数の
周回衛星を運行させ、地球上のあらゆる地点において携
帯端末による通信を可能にするグローバル衛星通信シス
テムが現在いくつか計画されている。その代表的なもの
として、モトローラ社が提案したイリジウム方式では、
南極及び北極上空を通過する6面の極軌道のそれぞれに
11個の衛星を周回させて、全地球表面をカバーするこ
とが計画されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
のようなグローバル衛星通信に適した衛星軌道の間隔、
軌道の面数、各軌道上の衛星の個数等の衛星配置の決定
方法及びグローバル衛星通信に適した衛星システムを提
案することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段並びに作用】本発明によれ
ば、地球上の任意の観測点と複数の衛星のうち該観測点
に最も接近している衛星との角距離が所定の限界値以上
になる時間の割合を該観測点における該限界値に対する
時間率と定義するとき、該時間率を0%以上0.5%以
下の値に定め、該定められた時間率に対する限界値が最
大である観測点における限界値が最小になるように衛星
の軌道の配置を決定するステップを具備することを特徴
とするグローバル衛星通信に適した衛星配置の決定方法
が提供される。
【0005】本発明によれば、赤道上空の2点のみにお
いて実質的に交叉する複数の円軌道上にそれぞれ複数個
の衛星を配置することを特徴とするグローバル衛星通信
に適した衛星配置の決定方法もまた提供される。本発明
によれば、赤道上空の2点のみにおいて実質的に交叉す
る複数の円軌道上にそれぞれ複数個配置された衛星から
なることを特徴とするグローバル衛星通信に適した衛星
システムもまた提供される。
【0006】
【実施例】
1. 複数極軌道衛星配置 図1(a)(b)のように北極南極上空を通過し、軌道
面の経度がほぼ等間隔であるM個の円軌道を用意し、こ
の各軌道上にN個の衛星を等間隔に、また隣接した軌道
上の衛星に対しては千鳥状(隣接した軌道においては互
いに衛星配置の位相を各軌道上の衛星の間隔の1/2だ
けずらす)に置いた複数極軌道衛星配置を考える。図中
矢印は衛星の周回方向を表わす。図にはM=3,N=5
の場合の例が示されている。モトローラ社が提案してい
るイリジウム方式においては、軌道面の数M=6,一軌
道上の衛星数N=11の複数極軌道衛星配置を採用して
いる。
【0007】この複数極軌道衛星配置は比較的単純な形
をしており、多数の衛星それぞれの軌道の維持および各
衛星間の相対位置の保持のための管制制御が容易である
こと、また高緯度地域を除けば隣接した軌道はほぼ平行
しているので、軌道間にまたがる衛星間通信が容易に行
えるという利点を有している。各衛星を球面上に均一に
配置するということからは、経度について等分割がよい
と考えられる。しかしながら、図1からわかるように、
例えば図中の軌道1と軌道3のように衛星が互いに逆方
向に移動する部分が必然的に存在する。これを考慮する
と、衛星が互いに逆方向に移動する部分については、以
下に説明するように衛星方向が同一方向である部分に比
べて少し狭くするのがよい。図1の例の場合には、軌道
1−2,2−3の間は等間隔αであるが軌道1−3の間
は衛星の移動が互いに逆方向となる部分であり、間隔は
少し小さい値α′とする。α′とαの比α′/αを間隔
縮小係数と定義する。 1.1 軌道面間隔縮小係数の最適値 図2は衛星の配置を平面上に表現したものである。縦の
線が衛星の軌道、矢印が衛星の周回方向、丸印が衛星で
あり、また地上の観測点は地球の自転に従ってこの図の
左から右へ移動する。同一方向に移動している軌道相互
間では各衛星の相対位置は一定であり、三つの衛星に囲
まれた地域における最小仰角は、この三つの衛星を等し
い仰角で見る地点からの仰角となる。互いに逆方向に動
く軌道にはさまれた部分においては衛星の相対位置は時
々刻々変化するが、四つの衛星が矩形状に配置された時
点で、この四つの衛星の中央地点からの仰角が最小仰角
を決める。ここで軌道面数Mの偶奇および軌道上の衛星
数Nの偶奇によって様子が変わるが、M+Nが偶数か奇
数かに分類できる。
【0008】図2(a)はM+Nが奇数の場合に最小仰
角を決める衛星配置である。M+Nが奇数の場合、互い
に逆方向に動く衛星軌道の一方において衛星の1つが赤
道上空に差し掛かるとき、他の軌道においても衛星の1
つが赤道上空に差し掛かる。したがってその後赤道上空
から離れる2つの衛星と赤道上空に近づく2つの衛星に
よって形成される矩形の中心は赤道上にある。また、同
一方向に動く衛星軌道間の3つの衛星を等しい仰角で見
る地点における仰角が最悪となるのは赤道上である。す
なわち、図2(a)に示された赤道上のA点およびB点
が最悪仰角を決める。図2(b)はM+Nが偶数の場合
に最小仰角を決める衛星配置である。M+Nが偶数の場
合、互いに逆方向に動く衛星軌道の一方において衛星の
1つが赤道上空に差し掛かるとき、他方の軌道において
は2つの衛星の軌道上の中点が赤道上に差し掛かってお
り、その後各衛星が衛星間隔の1/4程度移動すると4
つの衛星による矩形が形成される。すなわち、衛星が図
2(b)中に細線で示す位置にあるときから、時刻が進
み太線の位置にきたときには、互いに逆方向に動く軌道
にはさまれた部分において四つの衛星が矩形状に配置さ
れ、この矩形の中央B点から衛星を見た仰角が最小とな
る。このB点は赤道上ではなく、此の点の緯度は、同一
軌道上の隣接した衛星の間の角度差(360 °/N)の1/4
よりやや小さい値(w)であり、軌道面数M,衛星数
N,間隔縮小係数(α′/α)から求められる。図2
(c) には(b)におけるB点と同じ緯度wの観測点に
おいて、並行して移動する三つの衛星を等しい仰角で見
ることになる点Cを示した。なおM+Nが偶数奇数いず
れの場合についても、観測点の緯度が更に高いところ
で、四つの衛星が矩形状に配置される状態になると衛星
仰角が悪化するが、この部分では全体的に仰角が大きく
なるのであまり問題にならない。
【0009】長時間観測したときの最小仰角に対して図
2に示した点A,B,C近傍がどのように寄与するか
は、地球の中心から観測点および各衛星を見たときの角
距離(図2において観測点から衛星までの距離に対応)
の変化を計算することにより求められる。地球上のある
地点から各衛星を長時間にわたって観測し、各時刻にお
いて仰角が最大となる衛星を選んでいくとして、この衛
星仰角がある値以下となる時間率pを考える。ここでは
このような仰角を時間率pに対する最小仰角と呼ぶ。
【0010】各軌道面が等間隔(α′=α)の場合に
は、時間率の小さいところでは点B近傍が最小仰角を決
める(図2からわかるとおり、近傍の衛星までの距離は
点Bの方が点A,Cの場合よりも遠い)。 互いに逆方
向に周回する軌道面の経度差α′を小さくすれば、ある
仰角以下となる時間率への点B近傍の寄与分は減るけれ
ども、 α′+(M−1)α=180° の関係から、他の軌道面間の経度差 αを大きくする必
要があり、点Aあるいは点C近傍の寄与分が増加する。
従ってこの間隔縮小係数 α′/αには1より少し小さ
いところに最適値があるはずである。
【0011】この軌道面間隔縮小係数(α′/α)の最
適値を求めるのに、観測点と衛星との間の角距離の限界
値Φ(時間率の条件を満足する角距離の最大値)の変化
について検討をすすめる。このΦが決まれば、地球の半
径r と衛星の地上高h を与えることにより、次式から衛
星仰角xが決まる。 tanx=(cosΦ− r /(r +h ))/sinΦ α′/αを変化させた時のΦの特性は、M,Nの多くの
組み合わせに対して、M+Nが偶数の場合あるいは奇数
の場合のそれぞれについてほぼ同様である。図3及び図
4に、代表例として、M=3 N=5およびM=3 N
=6の場合の特性を示した。図中のパラメータは、時間
率であり、長時間観測を行った場合縦軸のΦの値を越え
る時間の割合(%)がこの数字である。また図中の
ΦA , ΦB ,ΦC はそれぞれ図2における点A,B,C
に対応している。すなわち、図3にはM+Nが奇数の場
合、時間率0,0.01,0.1,0.5,1のそれぞ
れの条件において、軌道間隔縮小係数α′/αの各値に
対するとき、赤道上の観測点における角距離Φの限界値
が示されている。図4にはM+Nが偶数の場合、各時間
率条件において間隔縮小係数α′/αの各値に対する赤
道上の観測点における角距離Φの限界値が実線で示さ
れ、前述の、360°/Nの1/4よりやや小さい緯度
wの観測点における角距離Φの限界値が一点鎖線で示さ
れている。
【0012】Φの値は小さいほど有利である(衛星高度
hが一定の場合には仰角xが大きくなり、仰角xを固定
すると衛星高度hを低くすることができる)ことを考慮
してα′/αの最適値を求める。M+Nが奇数の場合、
Φの値が不利となる(最大となる)のは赤道上であり、
図3は観測点の緯度が0°の場合の計算値である。各時
間率にたいしてΦの最小値が読み取れるが、時間率を考
慮するとしても、時間率0.5%以上のところではα′/
αを動かしてもΦの最小値はあまり変化しないので、
α′/αの最適値として、時間率0%のときにΦが最小
(ΦA とΦB の交点)となる値および0.5%場合にΦが
最小となる値の範囲内に選ぶとよいと考えられる。
【0013】M+Nが偶数の場合には、Φの値が不利と
なる観測点の緯度は0°とw(M=3 N=5の場合約
17°)前後の二箇所にあり、図4において、それぞれ
実線と一点鎖線によりΦの値を示した。緯度0°の場合
の実線を見るとα′/αは1に近いほど有利であるが、
緯度がw(17°)前後の場合の一点鎖線を見るとα′
/αが1より小さいところにΦの最小値がある。
【0014】観測点の緯度によってΦの値があまり変化
しない方がよいので、M+Nが偶数の場合のα′/αの
最適値としては、両緯度におけるΦの値が等しくなる
(図中の実線と一点鎖線が交わる)点を選ぶ。この点は
時間率0%に対してはΦA とΦ B の交点となる。考慮す
る時間率が大きくなるに従って、この交点に対応する
α′/αの値は少しづつ大きくなるが時間率が0.5%を
越えるあたりから飽和の傾向がある。以上よりα′/α
の最適値として、時間率0%および0.5%それぞれに対
応する値の範囲内に選ぶのがよいと考えられる。
【0015】いくつかのM(軌道数)N(一軌道上の衛
星数)について、以上のような考え方によって求めた間
隔縮小係数α′/αおよび観測点と衛星との間の角距離
の最大値(時間率0%に対応)を表1にまとめた。表1
の中の〜は軌道面間隔縮小係数α′/αの最適値範
囲を示し、,,の数値は上記説明の通り、それぞ
れ時間率0%,0.1%,0.5%に対応している。ただし
α′/αの変化に対する特性の変化はかなり緩やかであ
り、〜に対する衛星仰角の変動は0.3 °程度以下で
あるからあまり精密に数値を選ぶ必要はない。また,
は以下に説明するM,Nの最適組み合わせを検討する
ための数値である。
【0016】
【表1】
【0017】1.2 M,Nの最適値 M,Nの最適組み合わせを検討する場合、M+Nの偶数
奇数それぞれについて同様の条件で比較するために、時
間率を0%とし、偶数の場合についてはΦA とΦB の交
点ではなく一点鎖線の最小値(ΦB とΦC の交点)を与
えるα′/αを考える。時間率0%に対するM+Nが偶
数の場合のΦB とΦC の交点、およびさきに与えたM+
Nが奇数の場合のΦA とΦB の交点は、いずれも並行移
動三衛星と逆方向移動四衛星の寄与が等しいことを意味
している。α′/αをこのようにして決めたあと、M+
Nの偶数奇数いずれの場合も赤道上におけるΦの値を比
較する。
【0018】ある軌道面数Mを決めたときに、一軌道上
の衛星数Nをどのように選ぶべきかを検討するために、
表1の欄の数値すなわち観測点・衛星間の角距離の最
大値Φと衛星総数(M×N)の関係を調べてみる。地球
中心から衛星を見る方向を固定した場合、地球表面上で
Φ一定の曲線は一つの円となり、この円内を衛星がカバ
ーしている。Φが十分に小さいときには、円の面積はΦ
の二乗に比例するから、全地表をカバーする衛星総数M
×NはΦの二乗に反比例する。また衛星総数M×NはΦ
の増加に従って単調に減少すると考えられる。以上の考
察よりΦとM×Nの間の基準の関係式として、 f(Φ)=a/Φ2 +b/Φ+c を与え、Φとf(Φ)の関係が表1の計算結果における
ΦとM×Nの関係になるべく合致し、かつ任意のΦに対
してM×N≧f(Φ)となるように定数a,b,cをき
める(ここでは a=22482,b=233.92, c=−3.3284
とした)。この式は、各MについてのΦに対するM×
Nのグラフを描いたとした場合の曲線群の包絡線に相当
する。各MおよびNの組について、衛星総数のこの基準
曲線からの隔たりすなわちM×N−f(Φ)の値を各軌
道面数について示したのが図5〜12である。上記のよ
うな単純な式により、かなり広い範囲にわたって基準に
相応しい関係式となっていることがわかる。
【0019】さきに述べたように図5〜12に示した曲
線は表1の欄の数値に対するものである。M+Nが偶
数のときの表1の欄の数値すなわちΦA とΦB の交点
に対応するα′/αの値による衛星配置を採用した場合
の数値を図中の×印で示した。M,Nのどの組み合わせ
のところでもより有利な数値となっており、例えばM
=2 N=4 では0.3 個、M=3 N=5 では0.2
個、M=6 N=10では0.13個 衛星総数を減らすこ
とに相当する。従ってM+Nが偶数の場合の最適α′/
αとしては、ではなくの数値を採用している。
【0020】この図から各軌道面数Mについて、最適の
軌道上衛星数Nが読みとれる。他の条件も勘案して最適
値を決めるべきであるが、推奨に値するMとNの組み合
わせを表1において◎印で示した。 1.3 公称最小仰角(公称最大衛星観測点間角距離) 図3,4からも分かるとおり、時間率の小さいところで
は、時間率の変化に対するΦの値の変化はかなり急激で
ある。Φの値あるいはこれに対応する衛星仰角につい
て、起こり得る最悪の値(時間率0%の値)で評価する
のではなくて、時間率の小さいところの性能評価をやや
緩い基準で行うこととし、時間率を考慮した公称値を考
える。すなわち公称最小仰角より仰角が小さくなるのは
全観測時間のP %となるように値をきめる。公称最小仰
角を10°とし、時間率P の値として0%,0.1%,0.5
%,1% の場合の特性を表2に示した(α′/αとし
て表1のについてのみを示しているが、,につい
てもほぼ同様の特性となる)。この表より、例えばM=
2 N=3 のとき、時間率0%の最小仰角が10°とな
る衛星高度が 20,958 km となるのに対して、時間率1
%の公称最小仰角を10°とした場合に15,959 km とかな
り高度を下げることができる一方、時間率0% 0.01
% 0.1% 0.5% 1% に対応する最小仰角は、そ
れぞれ 6.87.1 7.8 9.1 10 度とあまり劣化しないこ
とが読みとれる。この表の数値から、時間率1%程度の
ときの最小仰角を公称値とするのがよいと考えられる
(最小仰角は公称値より2°〜3°低い程度である)。
【0021】
【表2】
【0022】M,Nの組みの中でとくに注目すべきもの
は、 高度1000km以下の低軌道に適したM=6 N
=10および M=6 N=11,高度が1000〜1
300kmとなり放射線環境の点でやや不利ではあるが、
衛星総数が少なくなる M=5 N=8あるいは9など
の組み合わせである。このほか中高度にはなるが必要な
衛星数の少ないM=2 N=4および M=3 N=5
なども魅力のある組み合わせである。
【0023】図13〜17に複数極軌道衛星配置の最小
仰角特性の代表例を示した。図13および図14には観
測点緯度の小さいところのやや詳細な特性例として、M
=3N=5,M=3 N=6 の場合を示した。M+N
が偶数の場合、表1のに与えたα′/αに対しては観
測点緯度w付近に瘤はないが、全体にやや仰角性能が悪
いこと、〜の間では仰角性能にあまり顕著な差がな
いことがわかる。またM+Nが奇数の場合、(=)
のときに赤道付近に瘤がなく、〜の間では仰角性能
にあまり顕著な差がないことがわかる。図15,16,
17に最小仰角特性の代表的な例を挙げた。M,Nの値
に対して適当な衛星高度を与えれば、それぞれほぼ同様
の特性となる。 2. 東西軸軌道衛星配置 複数極軌道方式は衛星の配置が単純で、衛星の相対位置
を制御する運用管制が容易であること、また互いに逆方
向に周回する軌道間あるいは衛星が密集する両極近傍を
別にすれば衛星間の相対位置がほぼ一定で、衛星間通信
を行う上で支障が少ないという長所がある。一方図15
〜17からも分かるとおり、緯度の高いところで不必要
に最小仰角が大きくなる欠点がある。
【0024】そこで、前記の二つの利点は保存したま
ま、高緯度地域の仰角特性を多少犠牲にしてその分低緯
度地域の特性の改善を計るために、複数極軌道衛星配置
の各衛星の相対位置は変えずに、その南北軸を水平方向
に回転させてみる。ここで軌道の対称性をなるべく損な
わないように、互いに逆方向に周回する軌道は南極およ
び北極をはさむ形で、また衛星打ち上げエネルギーを節
約するために、各軌道の周回方向は地球の自転と同一方
向になるようにする。
【0025】ただし地球が球対称でない(赤道方向の半
径が極方向の半径より大きい)ために、衛星の軌道が赤
道面と交差する点が時間の経過とともに移動する現象を
考慮する必要がある。前記のように南北軸を傾けても各
軌道の軌道傾斜角が等しければ、赤道面と交差する点の
移動は各軌道に対して等しく起こり軌道の相対関係は変
わらないが、このような条件を満足するのは軌道面数M
が2の場合に限られる。Mが3の場合にも考慮の余地が
あり、軸の回転が90°のときに、軌道傾斜角が互いに
等しい二つの傾斜軌道と一つの赤道軌道となるが、赤道
軌道の半径を傾斜軌道の軌道半径より僅かに大きくする
ことにより、三つの軌道上の衛星の動きを同期させるこ
とができる。
【0026】北極および南極を挟む二つの軌道上では衛
星周回方向が互いに逆であるから、この二つの軌道の中
間においては四衛星を等しい仰角でみる地点がある。こ
の観測点衛星間の角距離が最大(図2のΦB に相当)と
なる地点をなるべく高緯度のところに閉じ込めるには軸
の回転角は90°がよい。図18はこのような配置の一
例であり、東西軸軌道衛星配置と名付ける。
【0027】軌道面の間隔については、先の複数極軌道
衛星配置の場合とは軌道面に対する自転の方向が異なる
のでやや異なった配慮が必要である。それでも、時間率
0の場合は、間隔縮小係数の最適値α′/αは図2のA
点における仰角の最小値とB点における仰角の最小値が
等しくなるα′/αの値にほかならないので、時間率0
のときは地球の自転の効果を考慮する必要がない。した
がって、時間率0としたときのα′/αの最適値は複数
極軌道衛星配置の場合と同じ値となり、α’/α係数を
表1のの値にするといくつかの観測点緯度のところで
起こる最小仰角の谷の値はそれぞれ等しく、複数極軌道
衛星配置の場合と同じ値となる。ただしこの係数の値は
必ずしも最適値ではなく、この値を少し大きくすると上
述の四衛星に対応した高緯度における谷の値の悪化と引
換に、低緯度における仰角特性は改善される。M=3
N=5について、α’/α係数を表1のの値(0.74
8),1.0, 1.2と変化させた場合の仰角特性を計算したも
のが図19である。前記のようにα’/αを表1のの
値よりも大きくすることにより低緯度地域における仰角
特性を改善することができることがわかる。ただしα’
/α係数を1以上とした場合には中緯度地域における特
性劣化が無視できなくなるので、東西軸軌道衛星配置の
場合の最適α’/α係数としては、表1のの値〜1の
範囲で考えるとよい。
【0028】図20にM=2 N=3,M=2 N=4
およびM=2 N=5の場合の仰角特性を、また図21
にM=3 N=5およびM=3 N=6の場合の仰角特
性を示した。ここではいずれの場合もα’/α係数の値
は表1のの値とし、衛星高度としては複数極軌道衛配
置のときの時間率1%最小仰角10°対応の公称値とし
た。これらの図から東西軸衛星配置は観測点緯度に対す
る仰角のバラツキが少ない特長を持っていることがわか
る。とくにM=2 の場合には、人口密度の高い中緯度
の地域において仰角が比較的大きな値となる特長のほ
か、衛星の高度は7000〜15000km 程度であ
り、すべての衛星はバンアレン帯の内帯および外帯の中
間部を周回することになり、放射線被爆の点で有利とい
う特長がある。
【0029】
【発明の効果】以上述べてきたように本発明によれば、
グローバル衛星通信における最適衛星配置が決定され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】複数極軌道衛星配置を表わす図である。
【図2】最悪角距離ΦA ,ΦB ,ΦC を説明するための
図である。
【図3】M+Nが奇数の場合の各時間率における間隔縮
小係数α′/αと角距離の限界値Φとの関係を表わすグ
ラフである。
【図4】M+Nが偶数の場合の各時間率における間隔縮
小係数α′/αと角距離の限界値Φとの関係を表わすグ
ラフである。
【図5】M=2における衛星総数標準値との差を表わす
グラフである。
【図6】M=3における衛星総数標準値との差を表わす
グラフである。
【図7】M=4における衛星総数標準値との差を表わす
グラフである。
【図8】M=5における衛星総数標準値との差を表わす
グラフである。
【図9】M=6における衛星総数標準値との差を表わす
グラフである。
【図10】M=7における衛星総数標準値との差を表わ
すグラフである。
【図11】M=8における衛星総数標準値との差を表わ
すグラフである。
【図12】M=9における衛星総数標準値との差を表わ
すグラフである。
【図13】M=3,N=5における複数極軌道衛星配置
の仰角特性を表わすグラフである。
【図14】M=3,N=6における複数極軌道衛星配置
の仰角特性を表わすグラフである。
【図15】M=2,N=4における複数極軌道衛星配置
の仰角特性を表わすグラフである。
【図16】M=3,N=6における複数極軌道衛星配置
の仰角特性を表わすグラフである。
【図17】M=6,N=10における複数極軌道衛星配
置の仰角特性を表わすグラフである。
【図18】東西軸軌道衛星配置を説明するための図であ
る。
【図19】M=3,N=5における東西軸軌道衛星配置
の仰角特性を表わすグラフである。
【図20】M=2,N=3,4,5における東西軸軌道
衛星配置の仰角特性を表わすグラフである。
【図21】M=3,N=5,6における東西軸軌道衛星
配置の仰角特性を表わすグラフである。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地球上の任意の観測点と複数の衛星のう
    ち該観測点に最も接近している衛星との角距離が所定の
    限界値以上になる時間の割合を該観測点における該限界
    値に対する時間率と定義するとき、 a)該時間率を0%以上0.5%以下の値に定め、 b)該定められた時間率に対する限界値が最大である観
    測点における限界値が最小になるように衛星の軌道の配
    置を決定するステップを具備することを特徴とするグロ
    ーバル衛星通信に適した衛星配置の決定方法。
  2. 【請求項2】 前記複数の衛星は、実質的に2点のみに
    おいて交叉する複数の円軌道であって、衛星が一方の交
    叉点から他方の交叉点へ向かう軌道の半円が等間隔に並
    ぶように設定される複数の円軌道のそれぞれに、等間隔
    で、隣接する同じ方向へ向かう軌道半円上の衛星配置の
    位相が衛星間隔の1/2だけずれて複数個ずつ配置さ
    れ、 隣接する逆方向へ向かう軌道半円の間隔と隣接する同じ
    方向へ向かう軌道半円の間隔との比を間隔縮小係数とす
    るとき、 前記ステップb)は、前記定められた時間率に対する限
    界値が最大である観測点における限界値を最小にする間
    隔縮小係数を決定することによって各軌道の間隔を決定
    することを含む請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 c)前記円軌道の個数及び各円軌道上の
    衛星の個数の複数の組み合わせについてステップb)を
    実行して間隔縮小係数及びそのときの角距離の限界値を
    それぞれ決定し、 d)角距離の限界値の2乗に反比例する項及び角距離の
    限界値に反比例する項を含む関数であって、ステップ
    c)で決定された角距離の限界値の各々に対する関数値
    が、すべての前記組み合わせについて、衛星の総数より
    も小さいか等しい中で最大の値を与える関数を決定し、 e)ステップd)において決定された関数の値に近い衛
    星の総数を与える円軌道の個数及び各円軌道上の衛星の
    個数の組み合わせを選択するステップをさらに具備する
    請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記円軌道の2つの交叉点は北極上空及
    び南極上空にある請求項2または3記載の方法。
  5. 【請求項5】 赤道上空の2点のみにおいて実質的に交
    叉する複数の円軌道上にそれぞれ複数個の衛星を配置す
    ることを特徴とするグローバル衛星通信に適した衛星配
    置の決定方法。
  6. 【請求項6】 前記複数の円軌道は衛星が一方の交叉点
    から他方の交叉点へ向かう軌道の半円が等間隔に並ぶよ
    うに設定され、該複数の円軌道のそれぞれに、等間隔
    で、隣接する同じ方向へ向かう軌道半円上の衛星配置の
    位相が衛星間隔の1/2だけずれて複数個ずつ配置され
    る請求項5記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記円軌道の数は2であり、2つの円軌
    道の軌道傾斜角は実質的に等しい請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記円軌道の数は3であり、3つの円軌
    道のうちの1つの軌道傾斜角は実質的に0°であり、残
    りの円軌道の軌道傾斜角は互いに実質的に等しい請求項
    6記載の方法。
  9. 【請求項9】 赤道上空の2点のみにおいて実質的に交
    叉する複数の円軌道上にそれぞれ複数個配置された衛星
    からなることを特徴とするグローバル衛星通信に適した
    衛星システム。
  10. 【請求項10】 前記複数の円軌道は衛星が一方の交叉
    点から他方の交叉点へ向かう軌道の半円が等間隔に並ぶ
    ように設定され、該複数の円軌道のそれぞれに、等間隔
    で、隣接する同じ方向へ向かう軌道半円上の衛星配置の
    位相が衛星間隔の1/2だけずれて複数個ずつ配置され
    る請求項9記載のシステム。
  11. 【請求項11】 前記円軌道の数は2であり、2つの円
    軌道の軌道傾斜角は実質的に等しい請求項10記載のシ
    ステム。
  12. 【請求項12】 前記円軌道の数は3であり、3つの円
    軌道のうちの1つの軌道傾斜角は実質的に0°であり、
    残りの円軌道の軌道傾斜角は互いに実質的に等しい請求
    項10記載のシステム。
JP14155594A 1994-06-23 1994-06-23 グローバル衛星通信に適した衛星配置の決定方法及び衛星システム Withdrawn JPH088799A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110362913A (zh) * 2019-07-08 2019-10-22 李敏 基于Phi函数进行干涉计算的卫星组件布局优化设计方法

Cited By (2)

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CN110362913A (zh) * 2019-07-08 2019-10-22 李敏 基于Phi函数进行干涉计算的卫星组件布局优化设计方法
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