JPH088794A - 双方向最尤系列推定方式 - Google Patents

双方向最尤系列推定方式

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JPH088794A
JPH088794A JP14061694A JP14061694A JPH088794A JP H088794 A JPH088794 A JP H088794A JP 14061694 A JP14061694 A JP 14061694A JP 14061694 A JP14061694 A JP 14061694A JP H088794 A JPH088794 A JP H088794A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ディジタル移動通信を行う上で、受信性能を決
定していたバースト誤りを回避し、低符号誤り率特性を
有する受信機を構成するための双方向最尤系列推定方式
を提供することを目的とする。 【構成】推定された伝送路応答に基づいて受信信号から
送信信号系列を推定するヴィタビアルゴリズム処理と、
既知信号系列もしくは前記ヴィタビアルゴリズム処理に
より推定された送信信号系列と推定された伝送路応答か
ら推定受信信号を算出する推定受信信号算出処理と、受
信信号と推定受信信号との誤差信号を生成する誤差信号
生成処理と、前記誤差信号を元に伝送路応答を推定する
伝送路応答推定処理とを行う最尤系列推定方式におい
て、TDMA通信へ適用する際に、割り当てられたスロ
ットの先頭から処理するモードと、前記スロットの後尾
から処理するモードとを行い、通信品質が良好な動作方
向の結果を前記スロット単位もしくは、前記スロットを
構成するシンボル単位で選択する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ディジタル通信の受信
装置の技術分野において、受信信号が伝送路環境から受
けた歪みを補償する等化技術として利用される最尤系列
推定方式に関するものであり、特に伝送路インパルス応
答の推定が困難なフェージング環境においての受信性能
の向上を目指したものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ディジタル移動通信機器の開発が
急速に行われているが、陸上移動通信を行う上では、移
動体を取り巻く物理的な環境によって生じる伝搬遅延を
伴った多重反射伝搬干渉と移動体の高速移動によって受
信信号は、複雑で著しい歪みを受ける。この歪みは一般
に周波数選択性フェージング歪みと呼ばれ、ディジタル
移動体通信を行う上では避けられない干渉歪みである。
【0003】移動体端末内では、更に雑音が重畳された
この受信信号から何等かの高度な信号処理技術を用い
て、雑音を含む歪み成分を補償する必要がある。ディジ
タル移動通信における最尤系列推定方式は、これらを補
償するための技術であり、近年の高速信号処理プロセッ
サの登場や、信号処理手法の最適化などによって実用化
されつつある。
【0004】最尤系列推定方式は、受信信号系列が与え
られたとき、その系列に最も合致する送信信号系列を、
送信されると考えられる全ての送信信号系列の中からヴ
ィタビアルゴリズムを用いて効率的に各系列の尤度を計
算し、最も正しいと思われる1系列だけ選出するもので
ある。そこでの最尤系列推定方式では、伝送路インパル
ス応答が何等かの手段により既知であることが前提とし
て動作している。したがって、自動車電話のような陸上
移動通信では、伝送路特性が時々刻々と変化するので、
最尤系列推定方式でもその変化に追随して伝送路インパ
ルス応答を変化させて追随させなければならない。
【0005】ここで、TDMA通信方式では、時間軸上
でスロットと呼ばれる単位毎にユーザが区別され、スロ
ット単位で情報のやり取りを行う。そして、それらスロ
ットを区別するためにスロットに固有のコード(既知信
号系列)がスロット内に付加されており、そのコードを
利用して最尤系列推定方式では伝送路インパルス応答の
初期推定を行う。そして、初期推定以後は、自らが推定
した系列を基準にしてフィードバック制御を行って伝送
路インパルス応答の更新を次々と行う。
【0006】したがって、この伝送路インパルス応答を
正確に推定することが最尤系列推定方式の特性、すなわ
ち受信機の受信特性を決定することになるが、フェージ
ングなどにより受信レベルがある程度まで低下すると、
受信信号の信号対雑音比の劣化から推定系列に符号誤り
が生じ始める。
【0007】しかし、符号誤りが存在する推定系列によ
って更新処理が行われた推定伝送路インパルス応答から
は、正しい受信信号が推定できないので、バースト誤り
などの等化方式特有の誤りが発生する。最尤系列推定方
式は、バースト誤りが発生しにくい特徴を有する点で優
れるものの、伝送路インパルス応答の推定に誤りが生じ
ると、暫くは正しい伝送路インパルス応答へは復帰しな
い。したがって、真に符号誤りが発生する区間以外でも
符号誤りを発生させてしまい、推定された最尤系列の品
質が余計に劣化してしまうという問題点を有する。
【0008】またTDMA通信方式では、ユーザーに割
り当てられた通信用スロットが連続して受信されること
から、自スロットに付加されている既知信号系列から時
間軸方向に等化処理を行うことと、隣接する次のスロッ
トに付加されている既知信号系列から時間軸とは逆方向
に等化処理を行うことの両方を行うことを特徴とした等
化方式が幾つか存在するが、その等化処理方式の多くが
最尤系列推定方式ではなく、やはりディジタル移動体通
信で頻繁に利用される等化方式の一つである判定帰還型
等化方式を採用している。
【0009】また、最尤系列推定方式を利用したものも
見受けられるが、TDMAスロット内のどの時刻まで前
方最尤系列推定処理をして、どの時刻まで後方最尤系列
推定処理をすれば良いかを判断する基準が存在しないの
で、TDMAスロットの中間時刻までを強制的に前方処
理および後方処理に分けると言った程度の双方向等化方
式しか存在していなかった。特に判定帰還型等化方式で
は、それを構成するトランスバーサルフィルタのタップ
利得自体に確固たる意味が持てず、通信品質の劣化を改
善することが困難であった。
【0010】また、従来に見られる双方向処理を組み入
れた最尤系列推定方式では、TDMAスロット内のどの
時刻にも確率的に品質が劣化する可能性があるという統
計的、平均的な判断を元にTDMAスロットの中間時刻
を双方向切り替え時刻として、切り替えを行っている
が、TDMA通信方式での各種等化方式の符号誤りパタ
ーンは、先に述べた通り、バースト的な誤りである。こ
のようなTDMAスロット毎に特有の発生パターンを示
すバースト誤りを平均的に取り扱ったのでは、本質的に
バースト誤りを改善できず、単にTDMAスロット長が
仮想的に半分として取り扱えるという利点以外に無いこ
とは、火を見るより明かな事実である。すなわち従来提
案されてきた双方向の最尤系列推定方式では、通信品質
を確保することが補償されていないという問題があっ
た。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】以上でも説明した通
り、従来の双方向等化方式で、かつ最尤系列推定方式を
組み合わせたものでは、TDMAスロットを単に仮想的
に半分の長さとして取り扱うため、ディジタル移動体通
信において等化方式を用いることにより避けられない符
号誤りパターンであるバースト誤りを積極的に回避して
通信品質を向上させることができないという問題があっ
た。これは、TDMAスロット内で伝送路環境に起因し
て生じる受信信号のフェード現象(低信号対雑音比化現
象)を適応的に見つけ出し、その部分を限定し、前方最
尤系列推定処理と後方最尤系列推定処理を使い分けるこ
とを全く行っていないためである。TDMA通信では、
伝送路変動周期とTDMAスロット長との関係でほぼ符
号誤り率が決定するので、従来の方法では、符号誤り率
が最良でも1/2に低減できるか否かというところであ
る。
【0012】また、現在のような音声主体のサービス内
容では、符号誤り率の半減は魅力的ではあるが、現時点
での等化能力を半減しても、今後のディジタル移動体通
信に期待されるデータ通信などの高品質かつ高品位なサ
ービスに対応できるものではなく、早急に高品質かつ高
品位データ通信サービスの実現を支える等化技術の開発
が望まれている。
【0013】本発明の双方向最尤系列推定方式は、この
ようなディジタル移動体通信での符号誤りを決定する原
因が移動体通信特有のバースト誤りであることに着目
し、バースト誤りに派生する符号誤りが発生する伝送路
環境を、最尤系列推定方式の一処理である伝送路インパ
ルス応答推定処理で得られた推定伝送路インパルス応答
に注目し、適応的にバースト誤りが発生するような通信
品質の劣化を監視することで、最適な前方最尤系列推定
処理と後方最尤系列推定処理とを選択し切り換えること
が実現でき、結果として、バースト誤りを回避でき、ま
た、誤り伝搬から復帰が遅れることにより不本意に誤っ
ている符号を救済することができる双方向最尤系列推定
方式を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段及び作用】上記の目的を達
成するために、本発明の双方向最尤系列推定方式では、 (1) 推定された伝送路インパルス応答に基づいて受信信
号から送信信号系列を推定するヴィタビアルゴリズム処
理と、既知信号系列もしくは前記ヴィタビアルゴリズム
処理により推定された送信信号系列と時刻k−1に推定
された伝送路インパルス応答から時刻kにおける推定受
信信号を算出する推定受信信号算出処理と、時刻kでの
受信信号と時刻kでの前記推定受信信号との誤差信号を
生成する誤差信号生成処理と、前記誤差信号を元に適応
アルゴリズムを用いて時刻kにおける伝送路インパルス
応答を推定する伝送路インパルス応答推定処理とを行う
最尤系列推定方式を、スロット単位で送受信するTDM
A通信へ適用する際に、前記最尤系列推定方式は、通信
に割り当てられたスロットの先頭から時間軸方向に沿っ
て動作するモード(前方処理)と、前記スロットの後尾
から時間軸逆方向に沿って動作するモード(後方処理)
とを行い、通信品質が良好な動作方向の結果を前記スロ
ット単位もしくは、前記スロットを構成するシンボル単
位で選択する。また、前方処理中に通信品質が劣化しな
かった場合は、後方処理を行わず、前方処理中に通信品
質が劣化した場合のみに、後方処理を行うことにする。
【0015】(2) 更に、前方処理中に通信品質が劣化し
て、後方処理へ移行した結果、後方処理中に通信品質の
劣化が認められなかった場合は、後方処理で推定された
最尤系列を、最終的な推定系列とする。
【0016】(3) また、本提案の双方向最尤系列推定方
式での前方処理中に通信品質が劣化した場合は、その時
刻kf で前方処理を一旦中断し、次に後方処理を開始し
て、後方処理中にも通信品質が劣化した場合は、その時
刻kr で後方処理を一旦中断し、前記時刻kf と前記時
刻kr との中間時刻(kf +kr )/2を処理方向切り
替え時刻kc と決定し、前方処理一時中断時刻kf から
処理後方切り替え時刻kc までの前方処理を再開し、ま
た後方処理一時中断時刻kr から処理方向切り替え時刻
kc までの後方処理を再開して、TDMAスロットの先
頭時刻から処理方向切り替え時刻kc までの前方処理結
果と、該TDMAスロット後尾から処理方向切り替え時
刻kc +1までの後方処理結果とを、最終的に推定され
た系列とする。
【0017】(4) ここにおいて、前方処理中ならびに後
方処理中の通信品質の劣化を判断する評価基準として、
最尤系列推定動作時に行われる一処理である伝送路イン
パルス推定処理によって得られた推定伝送路インパルス
応答が有する電力値を用い、特に、前方処理では、時刻
kにおける前方推定系列がマージしている時刻(前方マ
ージ時刻)k−mf での前方推定マージ系列による前方
推定伝送路インパルス応答が有する電力値を用いること
とし、後方処理では、時刻kにおける推定系列がマージ
している時刻(後方マージ時刻)k+mr での後方推定
マージ系列による後方推定伝送路インパルス応答が有す
る電力値を用いることとし、前方ならびに後方推定伝送
路インパルス応答が有する電力値が予め設定した閾値を
下回ることにより通信品質の劣化を判断することにす
る。
【0018】(5) また、本提案の双方向最尤系列推定方
式による別の課題解決法として、前方処理中に通信品質
が劣化した場合は、その時刻kf で前方処理を一旦中断
し、次に後方処理を開始して、後方処理中にも通信品質
が劣化した場合は、その時刻kr で後方処理を一旦中断
し、前方中断時刻kf と後方中断時刻kr との中間時刻
(kf +kr )/2を処理方向切り替え時刻kc と決定
し、前方中断時刻kfから処理方向切り替え時刻kc ま
での前方処理を再開し、処理方向切り替え時刻kc にお
ける前方処理での前方マージ時刻kc −mf から伝送路
インパルス応答推定アルゴリズムによる推定遅延時間d
を差し引いた時刻kc −mf −dと、後方中断時刻kr
から処理方向切り替え時刻kc までの後方処理を再開
し、処理方向切り替え時刻kc における後方処理での後
方マージ時刻kc +mr から伝送路インパルス応答推定
アルゴリズムによる推定遅延時間dを差し引いた時刻k
c +mr +dとの間を内挿補間区間と定め、内挿補間区
間内の伝送路インパルス応答を、前方マージ時刻kc −
mf での前方マージ系列から推定された前方伝送路イン
パルス応答と、後方マージ時刻kc +mr での後方マー
ジ系列から推定された後方伝送路インパルス応答から内
挿補間によって算出し、内挿補間処理により算出された
伝送路インパルス応答を用いて補間区間内の最尤系列推
定を行う。そして、補間区間外の処理として、TDMA
スロットの先頭時刻から内挿補間区間開始時刻kc −m
f −d−1までは、前方方向の最尤系列推定を行い、内
挿補間区間最終時刻kc +mr +d+1からTDMAス
ロットの後尾時刻までは、後方方向の最尤系列推定を行
うことにする。
【0019】(6) また、内挿補間区間内の伝送路インパ
ルス応答を推定する際に必要とされる内挿補間区間直前
および直後の2つの基準となる推定伝送路インパルス応
答のうち、1つは、前方マージ時刻kc −mf から時刻
kc −mf −Nまでの前方処理によりマージした前方マ
ージ系列から推定されたN+1個の前方伝送路インパル
ス応答の平均値とし、もう1つは後方マージ時刻kc +
mr から時刻kc +mr +Nまでの後方処理によりマー
ジした後方マージ系列から推定されたN+1個の後方伝
送路インパルス応答の平均値とし、更に伝送路インパル
ス応答推定アルゴリズムによる推定遅延時間dを加味し
て、内挿補間区間を時刻kc −mf −N/2−dから時
刻kc +mr +N/2+dとし、この内挿補間区間内の
推定伝送路インパルス応答を、前方平均伝送路インパル
ス応答と後方平均伝送路インパルス応答から内挿補間処
理で生成する。そして、補間区間外の処理として、TD
MAスロットの先頭時刻から内挿補間区間開始時刻kc
−mf −N/2−d−1までは、前方方向の最尤系列推
定を行い、内挿補間区間最終時刻kc +mr +N/2+
d+1からTDMAスロットの後尾時刻までは、後方方
向の最尤系列推定を行うことにする。
【0020】(7) 本提案の双方向最尤系列推定方式にけ
る内挿補間区間内の伝送路インパルス応答を推定する場
合に必要な2つの基準となる推定伝送路インパルス応答
を互いに位相同期させるために、2つのうち一方の推定
伝送路インパルス応答の位相を基準にして、位相平面上
の信号点配置数Mにより決まる位相角だけ位相回転させ
たM通りのもう一方の推定伝送路インパルス応答を準備
し、M通りの内挿補間区間の伝推定送路インパルス応答
を算出し、それらM通りの推定伝送路インパルス応答を
用いて内挿補間区間内の最尤系列推定を行い、最終的に
生き残ったM通りの最尤推定系列のうち、M通りの生き
残り最尤推定系列に固有のパスメトリックが最小である
最尤推定系列を内挿補間区間内の最尤推定系列と決める
ことにする。
【0021】(8) 内挿補間区間内の伝送路インパルス応
答を推定する際に必要とする、処理方向切り替え時刻k
c における前方処理での前方推定系列マージ時刻kc −
mfから時刻kc −mf −Nまでの推定伝送路インパル
ス応答により得られる前方平均伝送路インパルス応答
と、処理方向切り替え時刻kc における後方処理での後
方推定系列マージ時刻kc +mr から時刻kc +mr +
Nまでの推定伝送路インパルス応答により得られる後方
平均伝送路インパルス応答とを、それぞれ算出するとき
に、処理方向切り替え時刻kc がTDMAスロットの先
頭付近に位置してるために前方平均伝送路インパルス応
答の算出に必要な時間幅Nが十分に用意できない場合
は、後方処理で得られた最尤推定系列を、そのTDMA
スロットの最尤推定系列とし、また、処理方向切り替え
時刻kc がTDMAスロットの後尾付近に位置している
ために後方伝送路インパルス応答の算出に必要な時間幅
Nが十分に用意できない場合は、前方処理で得られた最
尤系列推定系列を、そのTDMAスロットの最尤推定系
列とすることにする。
【0022】(9) また、本提案の双方向最尤系列推定方
式での処理方向切り替え時刻kc の決定法において、前
方処理中に通信品質が劣化した時刻kf と、後方処理中
に通信品質が劣化した時刻kr との時刻差が、TDMA
スロットのスロット長に相当する時間の半分以上であっ
た場合は、前方処理中断時刻kf から処理方向切り替え
時刻kc までの前方処理を行い、また、後方処理中断時
刻kr から処理方向切り替え時刻kc までの後方処理を
行って、TDMAスロットの先頭時刻から処理方向切り
替え時刻kc までの前方処理結果と、スロット後尾から
処理方向切り替え時刻kc +1までの後方処理結果と
を、最終的に推定された最尤系列となるようにする。
【0023】
【実施例】以下図面を参照して、本発明の実施例を詳細
に説明する。図1は、本提案方式である双方向最尤系列
推定方式の発明の主旨を表すブロック図である。ディジ
タル移動端末では、受信信号系列{rk }10を受信
し、受信信号系列{rk }10は時間軸に沿った前方方
向の最尤系列推定処理部11へ入力される。また、同時
に、受信信号系列{rk }10は、少なくとも1スロッ
ト時間だけ遅延させるために、1スロット遅延ブロック
12にて遅延させた後に時間軸に逆らった後方方向の最
尤系列推定処理部13へ入力される。
【0024】時刻kで前方方向の最尤系列推定処理部1
1で推定された前方方向伝送路インパルス応答の絶対値
16を通信品質評価基準とするために通信品質評価処理
部18へ入力され、常時前方方向の通信品質を評価し、
前方方向の通信品質が劣化しなければ、前方方向の最尤
系列推定処理結果{sk1}14を最終的な推定系列{s
k }111とする。また、前方方向の通信品質が劣化し
た場合は、後方方向最尤系列推定処理開始の制御信号1
9を後方方向の最尤系列推定処理部13へ送る。
【0025】そして、後方方向の最尤系列推定部13で
推定された後方方向伝送路インパルス応答の絶対値17
を通信品質評価基準とするために通信品質評価処理部1
8へ入力され、常時後方方向の通信品質を評価し、後方
方向の通信品質が劣化しなければ、後方方向最尤系列処
理13による推定系列{sk2}15を最終的な推定系列
{sk }111とする。また、後方方向の通信品質が劣
化した場合は、通信品質が良好な処理方向の推定系列結
果{sk1}14および{sk2}15を切り換え手段11
0により切り換えて最終的な推定系列結果{sk }11
1とする。
【0026】図2は、図1における前方方向の最尤系列
推定処理11および後方方向最尤系列推定処理13の具
体的な処理手順を示したブロック図である。推定された
伝送路インパルス応答h(k-1) 25に基づいて受信信号
rk 20から送信信号系列{sk }28を推定するヴィ
タビアルゴリズム処理部21と、既知信号系列もしくは
前記ヴィタビアルゴリズム処理により推定される送信信
号系列{sk }28と、時刻k−1に推定された伝送路
インパルス応答h(k-1) 25から時刻kにおける推定受
信信号rk 26を算出する推定受信信号生成処理部23
と、時刻kでの受信信号rk 20と時刻kでの推定受信
信号rk 26との誤差信号ek 27を生成する推定誤差
信号生成処理部24と、推定誤差信号ek 27を元に適
応アルゴリズムを用いて時刻kにおける伝送路インパル
ス応答h(k) 25を推定する伝送路インパルス応答推定
部(タップ利得適応推定処理部)22から構成される。
【0027】図3は、本提案における双方向最尤系列推
定方式の概念図である。移動体通信では、移動体を取り
巻く物理的な環境により生じるフェージングなどの伝送
路変動により、受信信号レベルPow 30が時刻t31の
変化と共に変動32する。また、TDMA通信方式を用
いた場合、TDMAスロット33にの先頭には、スロッ
ト33を認識するために割り当てられた既知信号系列3
4が付加されており、また、スロット33には、隣接す
るスロットの先頭に位置する既知信号系列36が連続し
ている。したがって、既知信号系列34と既知信号系列
36の間にデータ系列35が挟まれた格好になってい
る。
【0028】動作[A]に関して説明する。スロット3
3に前方処理38を行うと、先に示した伝送路変動に起
因して受信レベルPow 30が低下する時刻Tf 37付近
で符号誤りが発生し、バースト誤り311へと発展す
る。また、符号誤りが発生する以前での推定系列310
には、符号誤りは存在しない。次にスロット33に後方
処理39を行うと、同様に、受信レベルPow 30が低下
する時刻Tf 37付近で符号誤りが発生し、バースト誤
り312へと発展する。また、符号誤りが発生する以前
での推定系列313には、符号誤りは存在しない。これ
より、伝送路変動に起因する受信信号レベルPow 30が
最も低下する時刻Tf を境に、どちらの方向の最尤系列
推定処理で符号誤りが発生する。したがって、この時刻
Tf 37を検出して最尤系列推定の処理方向を切り換え
ることで受信特性の向上が図れる。
【0029】動作[B]に関して説明する。このスロッ
ト33に前方処理38を行った結果、スロット33の最
後まで処理しても推定系列310に符号誤りが発生しな
い、即ち通信品質が劣化しない場合は、後方処理39を
行わない。すなわち後方処理は未処理314となり、前
方処理38での推定系列をこのスロット33の推定系列
とする。
【0030】動作[C]に関して説明する。スロット3
3に前方処理38を行うと、先に示したと同様に伝送路
変動に起因して受信信号レベルPow 30が低下する時刻
Tf37付近で符号誤りが発生し、バースト誤り311
へと発展する。次にスロット33に後方処理39を行っ
た結果、スロット33の先頭まで処理しても推定系列3
13に符号誤りが発生しない、即ち通信品質が劣化しな
い場合は、後方処理39での推定系列をスロット33の
推定系列とする。
【0031】これを図3に示すフローチャートで説明す
ると、前方方向最尤系列推定処理314を行い、TDM
Aスロット33内での通信品質劣化315が無かった場
合は、前方方向最尤系列推定処理314での推定系列を
スロット33での最終的な推定系列319とする。前方
処理中にTDMAスロット33内での通信品質劣化31
5があった場合は、後方方向最尤系列推定処理316を
行う。後方処理中に通信品質劣化317が無かった場合
は、後方方向最尤系列推定処理316での推定系列をス
ロット33での最終的な推定系列319とする。後方処
理中にTDMAスロット33内で通信品質の劣化317
があった場合は、双方向最尤系列推定処理318を行う
こととし、スロット33での最終的な推定系列319
は、前方方向最尤系列推定処理により推定された推定系
列と、後方方向最尤系列推定処理により推定された推定
系列とを組み合わせた系列として処理終了320とな
る。なお、本実施例は前方処理中に通信品質劣化があっ
た場合にのみ、後方方向処理を行なう方法に付いて説明
したが、通信品質の劣化の有無に係わらず、後方方向処
理を行なう方法を採用することも可能である。
【0032】図4は、本提案方式における双方向最尤系
列推定方式の一つの具体例である。移動体伝送路特有の
フェージング変動により、受信信号レベルPow 40は、
時刻t41に応じて時々刻々と変動42する。TDMA
スロット43のの先頭には既知信号系列44が付加され
ており、その後にデータ系列45が続き、更にその後に
隣接スロットの既知信号系列46が続いて受信される。
スロット43を前方処理410する際に毎時刻推定され
る前方方向伝送路インパルス応答が有する電力値を前方
処理通信品質47とし、前方処理通信品質47の変動4
8を常時観察しながら、予め設定した閾値Pth49を下
回る時刻kf 413まで前方処理410を行う。同図で
は、スロット43の最後まで前方処理410をしている
ように描かれているが、前方処理410は、時刻kf 4
13で一旦中断する。
【0033】次に、スロット43に隣接して付加されて
いる既知信号系列46を用いて時間軸と逆方向に後方処
理416を行う。スロット43を後方処理416する際
に毎時刻推定される後方方向伝送路インパルス応答が有
する電力値を後方処理通信品質414とし、後方処理通
信品質414の変動415を常時観察しながら、予め設
定した閾値Pth49を下回る時刻kr 419まで後方処
理416を行う。やはり同図では、スロット43の先頭
まで後方処理416をしているように描かれているが、
後方処理416は、時刻kr 419で一旦中断する。こ
の時点で、前方処理410により時刻kf 413までの
前方系列411が推定され、時刻kf 以後の前方系列4
12の推定は行われていない。また、後方処理416に
より時刻kr 419までの後方系列417が推定され、
時刻kr 419以前の後方系列418の推定は行われて
いない。
【0034】さて、以上の処理の結果、低通信品質区間
421が、時刻kf 413と時刻kr 419により定義
される。ここで時刻kf 413と時刻kr 419の中間
時刻kc 420を算出し、時刻kf 413から時刻kc
420までの前方処理410を再開し、最終的にはTD
MAスロット43の先頭から時刻kc 420までを前方
処理410で最尤系列推定422する。次に時刻kr 4
19から時刻kc 420までの後方処理416を再開
し、最終的にはTDMAスロット43の後尾から時刻k
c 420までを後方処理416で最尤系列推定423す
ることになる。
【0035】図5は、通信品質劣化評価基準を説明する
一実施例である。最尤系列推定方式では、ヴィタビアル
ゴリズム処理を行うため、時刻k511においては状態
数だけの曖昧さが残っている。同図には4状態ヴィタビ
アルゴリズムの例についてトレリス遷図を示してある
が、時間軸t50における時刻k511の各状態51、
52、53、54には、それぞれ生き残りパス55、5
6、57、58がつながっている。最尤系列推定方式で
は、状態毎に伝送路インパルス応答を推定するために、
各状態51、52、53、54には独自の伝送路インパ
ルス応答が推定されて保持されてある。
【0036】しかしながら、時刻k511における正し
い生き残り系列は唯一のはずであり、時刻k511にお
ける正しい伝送路インパルス応答も唯一しか存在しない
はずである。ゆえに、時刻k511での伝送路インパル
ス応答は正確さが欠如しており、通信品質劣化評価基準
とはならない。そこで、時刻k511における各状態5
1、52、53、54につながる生き残りパス55、5
6、57、58が一本の系列510になるマージ時刻k
−mf 59を見つけ出し、時刻k−mf においては、推
定伝送路インパルス応答が唯一となるので、時刻k51
1における通信品質劣化評価基準として、マージ時刻k
−mf 59での生き残りパス510により推定された伝
送路インパルス応答の電力値を用いることにする。
【0037】同様に後方方向の最尤系列推定方式でも、
ヴィタビアルゴリズム処理を行うため、時刻k512に
おいては状態数だけの曖昧さが残っており、時間軸t5
0における時刻k512の各状態514、515、51
6、517には、それぞれ生き残りパス518、51
9、520、521がつなっがっている。最尤系列推定
方式は、状態毎に伝送路インパルス応答を推定するため
に、各状態518、519、520、521には独自の
伝送路インパルス応答が推定されて保持されてある。し
かしながら、時刻k512における正しい生き残り系列
は唯一のはずであり、時刻k512における正しい伝送
路インパルス応答も唯一しか存在しないはずである。ゆ
えに、時刻k512での伝送路インパルス応答には正確
さが欠如しており、通信品質劣化評価基準とはならな
い。そこで、時刻k512における各状態514、51
5、516、517につながる生き残りパス518、5
19、520、521が一本の系列522になるマージ
時刻k−mr 513を見つけ出し、時刻k−mr 513
においては、推定伝送路インパルス応答が唯一となるの
で、時刻k512における通信品質劣化評価基準とし
て、マージ時刻k−mr 59での生き残りパス522に
より推定された伝送路インパルス応答の電力値を用いる
ことにする。
【0038】即ち、図5の下半分に描いた図を参照して
貰うと判るように、前方処理中で常時観察されている前
方方向通信品質523は、時刻k511において、52
4であり、後方処理中で常時観察されている後方方向通
信品質525は、時刻k512において、526であ
る。
【0039】図6は、本発明に係る第2の実施例であ
る。移動体通信特有のフェージング変動により、受信信
号レベルPow 60は、時刻t61の経過に伴い変動62
する。TDMAスロットの先頭に設けられている既知信
号系列を用いて前方方向最尤系列推定処理611を開始
し、一連の最尤系列推定処理にて得られる前方方向伝送
路インパルス応答h1(k-mf )から算出される前方方向通
信品質63を常時観察する。前方方向通信品質変動65
が予め設定しておいた閾値Pth64を下回った時刻をk
f 66と定め、前方処理を一旦中断する。
【0040】次にTDMAスロットの隣接スロットの先
頭に設けられている既知信号系列を用いて後方方向最尤
系列推定処理612を開始し、一連の最尤系列推定処理
にて得られる後方後方伝送路インパルス応答h2(k+mr )
から算出される後方方向通信品質67を常時観察する。
後方方向通信品質変動68が予め設定しておいた閾値P
th64を下回った時刻をkr 69と定め、後方処理を一
旦中断する。次に、時刻kf 66及び時刻kr 69か
ら、その中間時刻kc 610を算出し、時刻kf66か
ら時刻kc 610までの前方処理611を再開し、更に
時刻kr 69から時刻kc 610までの後方処理612
を再開する。そして、時刻kc 610における前方処理
611の推定系列マージ時刻kc −mf 616と、時刻
kc 610における後方処理612の推定系列マージ時
刻kc +mr 6161とを求める。
【0041】最尤系列推定方式における伝送路インパル
ス応答推定のための適応アルゴリズムには、推定遅延d
が必ず存在するので、時刻kc −mf 616におけるマ
ージ系列により推定された伝送路インパルス応答h1(kc
-mf )619は、時刻k−mf −d617の伝送路イン
パルス応答になる。同様に、時刻kc +mr 6161に
おけるマージ系列により推定された伝送路インパルス応
答h2(k+mr )620は、時刻kc +mr +d618の伝
送路インパルス応答となる。したがって、本実施例での
内挿補間区間D621は、時刻kc −mf −d617か
ら時刻kc +mr +d618までとなり、内挿補間区間
D621の伝送路インパルス応答h(k)624の基準と
なる伝送路インパルス応答は、h1(kc -mf )619とh
2(k+mr )620である。
【0042】そして得られた内挿補間区間D621の伝
送路インパルス応答h(k) 624を用いて、内挿補間区
間D621の最尤系列推定を行う。そして、内挿補間区
間D621よりも以前の推定系列は、前方処理611か
ら得ることとし、内挿補間区間D621よりも以後の推
定系列は、後方処理612から得ることとする。
【0043】図7は、本発明に係る第2の実施例の解説
図をフローチャート式に記述したもので、動作手順及び
動作順序に関しては、先述した図6の詳細な説明と同じ
である。
【0044】図8は、本発明に係る第3の実施例の詳細
を説明する図である。移動体通信特有のフェージング変
動82により、受信信号レベルPow 80は、時刻t81
の経過に伴い変動する。TDMAスロットの先頭に設け
られている既知信号系列を用いて前方方向最尤系列推定
処理811を開始し、一連の最尤系列推定処理にて得ら
れる前方方向伝送路インパルス応答h1(k-mf )から算出
される前方方向通信品質83を常時観察する。前方方向
通信品質変動84が予め設定しておいた閾値Pth85を
下回った時刻をkf 86と定め、前方処理を一旦中断す
る。
【0045】次にTDMAスロットの隣接スロットの先
頭に設けられている既知信号系列を用いて後方方向最尤
系列推定処理812を開始し、一連の最尤系列推定処理
にて得られる後方後方伝送路インパルス応答h2(k+mr )
から算出される後方方向通信品質87を常時観察する。
後方方向通信品質変動88が予め設定しておいた閾値P
th85を下回った時刻をkr 89と定め、後方処理を一
旦中断する。次に、時刻kf 86及び時刻kr 89か
ら、その中間時刻kc 810を算出し、時刻kf86か
ら時刻kc 810までの前方処理811を再開し、更に
時刻kr 89から時刻kc 810までの後方処理812
を再開する。
【0046】そして、時刻kc 810における前方処理
811の推定系列マージ時刻kc −mf 815と、時刻
kc 810における後方処理812の推定系列マージ時
刻kc +mr 816とを求める。ここで、適応アルゴリ
ズムにより算出された伝送路インパルス応答は、雑音の
影響を受けており、瞬時的な伝送路インパルス応答を内
挿補間区間の伝送路インパルス応答h(k) 828を算出
する際の基準とするとその雑音による誤差が大きく出る
ので、時刻kc −mf 815からN時間817だけ過去
の間にマージした推定系列に従って推定されたN+1個
の前方方向伝送路インパルス応答の平均値824を算出
することにし、この前方平均伝送路インパルス応答82
4は、平均化による遅延と適応アルゴリズムにおける推
定遅延d820とを加味して、時刻kc −mf −N/2
−d821での推定伝送路インパルス応答とする。
【0047】同様に後方処理においても、時刻kc +m
r 816からN時間817だけ過去に処理した(時間的
には未来である)間にマージ下推定系列に従って推定さ
れたN+1個の後方伝送路インパルス応答の平均値82
5を算出することとし、後方平均伝送路インパルス応答
825は、平均化による遅延と適応アルゴリズムによる
推定遅延d820とを加味して、時刻kc +mr +N/
2+d822での伝送路インパルス応答とする。
【0048】以上の通りに設定することにより、内挿補
間区間D823は、時刻kc −mf−N/2−d821
から時刻kc +mr +N/2+d822までとなる。し
たがって、本実施例では、内挿補間区間D621の伝送
路インパルス応答h(k) 828は、前方方向平均伝送路
インパルス応答824と後方方向平均伝送路インパルス
応答825から算出され、このh(k) を用いて、内挿補
間区間D823内の最尤系列推定を行う。また、内挿補
間区間D823よりも以前の推定系列は、前方処理81
1から得ることにし、内挿補間区間D823よりも以後
の推定系列は、後方処理812から得ることにする。
【0049】図9は、本発明に係る第3の実施例の解説
図をフローチャート式に記述したもので、動作手順及び
動作順序に関しては、先述した図7の詳細な説明と同様
である。
【0050】図10は、本提案方式における内挿補間区
間内の伝送路インパルス応答を算出するための、前方方
向最尤系列推定処理104から得た伝送路インパルス応
答hf (kf ')107と、後方方向最尤系列推定処理10
5から得た伝送路インパルス応答hr (kr') 108とを
同期させるための具体的な手段の一例を示す概念図とフ
ローチャートを示したものである。
【0051】例えば、QPSKなどの4相位相変調を考
えた場合、直交座標(I−channel101とQ−
channel100)上の信号点配置は、M1 102
を基準にして±π/2にM2 、M4 、±πにM3 が配置
される。一般的にTDMAスロット103内のデータ系
列が未知であるため、隣接するスロットの先頭に位置す
る既知系列が、どの信号点配置からマッピングされるか
は不明であり、特に差動符号化された場合等は全く不明
である。
【0052】しかしながら、QPSKなどでは、どの時
刻でも送信機から送信されたデータは、M1 〜M4 10
2のどれかなので、前方方向処理104で推定された伝
送路インパルス応答hf (kf ')107と後方方向処理1
05で推定された伝送路インパルス応答hr (kr ') 1
08との位相関係は、0[rad] 、±π/2[rad] 、π[r
ad] のどれかである。
【0053】したがって、内挿補間区間D内の推定伝送
路インパルス応答h(k) は、hf (kf') 107を基準と
して、hr (kr ')108を0[rad] だけ位相回転させた
hr1(kr ')108、hr (kr ')108をπ/2[rad] だ
け位相回転させたhr2(kr ')109、hr (kr ')108
をπ[rad] だけ位相回転させたhr 3(kr ') 1010、
hr (k')108を−π/2[rad] だけ位相回転させたh
4(kr')1011、をそれぞれ用意する。
【0054】そして、hf (kf ')107とhr1(kr ')1
08とで内挿補間区間D内の伝送路インパルス応答を推
定して内挿補間区間内の最尤系列推定を行い、内挿補間
区間内での最小パスメトリックpm1 を持つ推定系列を
選出する。同様に、hf (kf')107とhr2(kr ')10
9とで内挿補間区間D内の伝送路インパルス応答を推定
して内挿補間区間内の最尤系列推定を行い、内挿補間区
間内での最小パスメトリックpm2 を持つ推定系列を選
出する。同様に、hf (kf ')107とhr3(kr')101
0とで内挿補間区間D内の伝送路インパルス応答を推定
して内挿補間区間内の最尤系列推定を行い、内挿補間区
間内での最小パスメトリックpm3 を持つ推定系列を選
出する。同様に、hf (kf ')107とhr4(kr ')101
1とで内挿補間区間D内の伝送路インパルス応答を推定
して内挿補間区間内の最尤系列推定を行い、内挿補間区
間内での最小パスメトリックpm4 を持つ推定系列を選
出する。
【0055】以上の通り、信号点数と同数の内挿補間区
間内の伝送路インパルス応答を用いて行った最尤系列推
定のうち、それらの中で更に最小のパスメトリックを持
つ推定系列を最終的な内挿補間区間内の推定系列と決定
する。この処理の手順に関しては、同図の下半分に描か
れているフローチャートに示す通りである。
【0056】図11は、本提案に係る双方向最尤系列推
定方式が実行出来ない場合の処理に関する一実施例であ
る。移動体通信特有のフェージング変動1102によ
り、受信信号レベルPow 1100は、時刻t1101の
経過に伴い変動する。TDMAスロット1103の先頭
に設けられている既知信号系列1106を用いて前方方
向最尤系列推定処理1104を開始し、一連の最尤系列
推定処理にて得られる前方方向伝送路インパルス応答h
1(k-mf )から算出される前方方向通信品質が予め設定し
た閾値Pthを下回る時刻をkf 1109とする。また、
TDMAスロット1103の後尾に続いて到来する隣接
スロットの先頭に位置する既知信号系列1107を用い
て後方処理1105を開始し、一連の最尤系列推定処理
にて得られる後方方向伝送路インパルス応答h2(k+mr )
から算出される後方方向通信品質が予め設定した閾値P
thを下回る時刻をkr 1110とする。
【0057】すると、時刻kf 1109および時刻kr
1110から定義される時刻kc 1111は、TDMA
スロット1103のデータ系列1108の先頭部分に位
置してしまい、内挿補間区間D1112が仮にTDMA
スロット1103内に設定できても、内挿補間区間内の
伝送路インパルス応答を推定するための基準となる前方
方向での平均伝送路インパルス応答を算出するための時
間窓幅N1113がTDMAスロット1103内に十分
にとれず、時間tnd1114だけはみ出す。この場合に
おいての本提案の双方向最尤系列推定方式では、既知信
号系列1107から開始した後方最尤系列推定の結果
を、このTDMAスロット1103での推定系列とす
る。
【0058】また、同図には記載していないが、時刻k
c 1111が、TDMAスロット1103の後尾付近に
位置した場合は、上述したのとは反対に、内挿補間区間
D1112が仮にTDMAスロット1103内に設定で
きても、内挿補間区間内の伝送路インパルス応答を推定
するための基準となる後方方向での平均伝送路インパル
ス応答を算出するための時間窓幅N1113がTDMA
スロット1103内に十分にとれず、時間tnd1114
だけはみ出す。
【0059】この場合においての本提案の双方向最尤系
列推定方式では、既知信号系列1106から開始した前
方最尤系列推定の結果を、このTDMAスロット110
3での推定系列とする。また、同図にはフローチャート
にて、内挿補間区間内の伝送路インパルス応答が推定で
きない場合、すなわち、先に説明した通りに、TDMA
スロット1103内に内挿補間処理用の基準となる平均
伝送路インパルス応答が算出できない場合の処理の流れ
を示している。
【0060】図12には、TDMAスロット1204内
に移動体伝送路特有のフェージング変動1203に起因
する通信品質の劣化が複数存在する場合の、本提案方式
による双方向最尤系列推定方式の動作概念を示してい
る。
【0061】TDMAスロット1204内で、時刻t1
202に伴って受信レベルPow 1201の変動が激し
く、TDMAスロット1204の先頭付近および後尾付
近に通信品質の劣化が見られるような場合では、TDM
Aスロット1204の先頭に位置する既知信号系列12
05から開始した前方最尤系列推定処理1208は、開
始してすぐに通信品質の劣化を認識し、時刻kf 121
0でその処理1208を一旦中断する。そして、TDM
Aスロット1204の後尾に続いて到来する隣接スロッ
トの既知信号系列1207から開始した後方最尤系列推
定処理1209も、開始してすぐに通信品質の劣化を認
識し、時刻kr 1211でその処理1209を一旦中断
する。
【0062】本提案方式の双方向最尤系列推定方式で
は、時刻kf 1210および時刻kr1211の中間時
刻kc 1213を算出するが、時刻kr 1211から時
刻kf1210との差1212が大きい時には、時刻kc
1213における受信レベルPow 1201は、伝送路
変動1203の特性上、十分に存在すると考えられる。
また、受信レベルPow 1201が極めて低下した場合に
は、伝送路変動1203は、極めて複雑な位相変化をす
ることが多く、内挿補間により時刻kf 1210から時
刻kr 1211までの伝送路インパルス応答を推定して
も、信頼性が低く、受信機の低符号誤り率化には寄与し
ないと考えられる。
【0063】以上の理由から、時刻差kr −kf 121
2がTDMAスロット1204の長さの半分以上に達し
ていた場合は、内挿補間処理を行う双方向最尤系列推定
方式は採用せずに、TDMAスロット1204の先頭時
刻から時刻kc までを前方最尤系列推定処理1208、
TDMAスロット1204の後尾時刻から時刻kc まで
を後方最尤系列推定処理1209で行うことを特徴とす
る双方向最尤系列推定方式を採用する。
【0064】図13は、本提案方式の双方向最尤系列推
定方式を代表的な移動体通信路であるレイリーフェージ
ング伝送路にて評価した符号誤り率特性を示す図であ
る。縦軸に符号誤り率(Bit Error Rate)1300を、
横軸にマルチパス遅延(Delay)1301を取り、信号
対雑音比20(dB)、直接到来波電力対遅延到来波電力比
を0(dB)、信号帯域25(kHz) 、通信周波数900(MH
z) の条件のもとで計算機シミュレーションした結果で
ある。
【0065】第1の特性曲線1302におけるマーク□
(図中(a))は、前方方向のみの最尤系列推定方式に
より得られた符号誤り率特性であり、同曲線1302に
おける△(図中(b))は、後方方向のみの最尤系列推
定方式により得られた符号誤り率特性である。これよ
り、前方方向での後方方向でもほぼ同じ、符号誤り率が
得られることが理解できる。
【0066】同図における第2の特性曲線1303は、
本提案方式における特許請求項6に記載した最尤系列推
定方式より算出された符号誤り率特性である。本提案方
式により、符号誤り率1300が十分に改善されている
ことがわかる。
【0067】また、実施例において図面に記載しない
が、本発明における内挿補間処理を実行する双方向最尤
系列推定方式を実施する上では、前方方向の最尤系列推
定結果で得られた伝送路インパルス応答hf (kf ')と、
後方方向の最尤系列推定結果で得られた伝送路インパル
ス応答hr (kr ')とを同期させる他に、それら伝送路イ
ンパルス応答hf (kf ')およびhr (kr ')のタップが意
味する情報を一致させて内挿補間しなければ、正しい内
挿補間区間内での伝送路インパルス応答は算出できな
い。2タップ構成の伝送路インパルス応答を対象とした
例で具体的に説明すると、hf (kf ')の第1タップとh
r (kr ')の第2タップどうし、hf (kf ')の第2タップ
とhr (kr ')の第1タップどうし、をそれぞれ内挿補間
の対称タップとして内挿補間しなければ、高性能化が図
れる双方向最尤系列推定方式は構築できない。
【0068】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
移動体伝送路特有のフェージングにより受信レベルが低
下することに起因して発生する符号誤りから派生する等
化方式が特有のバースト誤りを回避することができ、従
来のように、バースト誤りで決定していた受信機の符号
誤り率特性を大きく改善できる。また、双方向最尤系列
推定方式の効果を十二分にも高めるために、従来によう
に単にスロットを短縮化して処理するようなことはせず
に、伝送路のフェージング変動による受信レベルの低下
時刻に合わせて最適に最尤系列推定方向を制御するこ
と、そして、符号誤りが発生している推定系列による伝
送路インパルス応答をできるだけ回避することで、受信
特性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本提案方式における請求項1に記載した双方向
最尤系列推定方式の概念図を示した図である。
【図2】従来用いられている最尤系列推定方式ならびに
本提案方式での前方方向処理および後方方向処理で行わ
れている最尤系列推定方式のブロック図である。
【図3】本提案方式における請求項1および請求項2記
載の双方向最尤系列推定方式の処理概念を示した図であ
る。
【図4】本提案方式における請求項3記載の双方向最尤
系列推定方式の処理概念を示した第1の実施例を説明す
るための図である。
【図5】本提案方式における請求項4記載の通信品質劣
化の評価基準を説明する実施例を説明するための図であ
る。
【図6】本提案方式における請求項5記載の双方向最尤
系列推定方式の処理概念を示した第2の実施例を説明す
るための図である。
【図7】本提案方式における請求項5記載の双方向最尤
系列推定方式の処理の流れを説明するためのフローチャ
ートを示した図である。
【図8】本提案方式における請求項6記載の双方向最尤
系列推定方式の処理概念を示した第3の実施例を説明す
るための図である。
【図9】本提案方式における請求項6記載の双方向最尤
系列推定方式の処理の流れを説明するためのフローチャ
ートを示した図である。
【図10】本提案方式における請求項7記載の内挿補間
区間での伝送路インパルス応答算出の際の前方方向推定
伝送路インパルス応答hf (kf ')と後方方向推定伝送路
インパルス応答hr (kr ')とを同期させる手段の実施例
を説明するための概念図である。
【図11】本提案における双方向最尤系列推定方式にお
いて、請求項8記載の内挿補間処理が適用できない場合
の処理の概念および処理フローチャートを説明するため
の図である。
【図12】本提案における双方向最尤系列推定方式にお
いて、請求項9記載のTDMAスロット内に複数の通信
品質の劣化が認められた場合の処理概念と処理フローチ
ャートを説明するための図である。
【図13】本提案における請求項6記載の双方向最尤系
列推定方式をマルチパスフェージング伝送路環境下にて
評価した符号誤り率特性を示す図である。
【符号の説明】
10:受信信号系列{rk } 11:前方方向最尤系列推定処理 12:1スロット遅延処理 13:後方方向最尤系列推定処理 14:前方方向推定系列{sk1} 15:後方方向推定系列{sk2} 16:前方方向通信品質評価基準|hk1| 17:後方方向通信品質評価基準|hk2| 18:通信品質評価処理 19:後方処理実行制御信号 110:最尤系列推定方向選択処理 111:最終推定系列{sk }0
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04J 3/00 H

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】推定された伝送路インパルス応答に基づい
    て受信信号から送信信号系列を推定するヴィタビアルゴ
    リズム処理と、既知信号系列もしくは前記ヴィタビアル
    ゴリズム処理により推定された送信信号系列と時刻k−
    1に推定された伝送路インパルス応答から時刻kにおけ
    る推定受信信号を算出する推定受信信号算出処理と、時
    刻kでの受信信号と時刻kでの前記推定受信信号との誤
    差信号を生成する誤差信号生成処理と、前記誤差信号を
    元に適応アルゴリズムを用いて時刻kにおける伝送路イ
    ンパルス応答を推定する伝送路インパルス応答推定処理
    とを行う最尤系列推定方式において、 スロット単位で送受信するTDMA通信へ適用する際に
    は、割り当てられたスロットの先頭から時間軸方向に沿
    って動作するモードと、前記スロットの後尾から時間軸
    逆方向に沿って動作するモードとを行い、通信品質が良
    好な動作方向の結果を前記スロット単位もしくは、前記
    スロットを構成するシンボル単位で選択することとし、
    前方処理中に通信品質が劣化しなかった場合は、後方処
    理を行わず、前方処理中に通信品質が劣化した場合に、
    後方処理を行うことを特徴とする双方向最尤系列推定方
    式。
  2. 【請求項2】請求項1の双方向最尤系列推定方式におい
    て、前方処理中に通信品質が劣化した場合で、後方処理
    へ移行した結果、後方処理中に通信品質の劣化が認めら
    れなかった場合は、後方処理で得られた最尤推定系列
    を、最終的な推定系列とすることを特徴とする双方向最
    尤系列推定方式。
  3. 【請求項3】請求項1の双方向最尤系列推定方式におい
    て、前方処理中に通信品質が劣化した場合は、その時刻
    kf で前方処理を一旦中断し、次に後方処理を開始し
    て、後方処理中にも通信品質が劣化した場合は、その時
    刻kr で後方処理を一旦中断し、前記時刻kf と前記時
    刻kr との中間時刻(kf +kr )/2を時刻kc と決
    定し、前記時刻kf から前記時刻kc までの前方処理を
    再開し、また前記時刻kr から前記時刻kc までの後方
    処理を再開して、TDMAスロットの先頭時刻から前記
    時刻kc までの前方処理結果と、前記スロット後尾から
    前記時刻kc +1までの後方処理結果とを、最終的に推
    定された最尤系列とすることを特徴とする双方向最尤系
    列推定方式。
  4. 【請求項4】請求項3において、前方方向の最尤系列推
    定処理ならびに後方方向の最尤系列推定処理中の通信品
    質の劣化を判断する評価基準として、最尤系列推定動作
    時に行われる一処理である伝送路インパルス推定処理に
    よって得られた推定伝送路インパルス応答が有する電力
    値を用い、特に、前記前方処理では、時刻kにおける前
    方推定系列がマージしている時刻(前方マージ時刻)k
    −mf での前記前方推定マージ系列による前方推定伝送
    路インパルス応答が有する電力値を用いることとし、前
    記後方処理では、時刻kにおける推定系列がマージして
    いる時刻(後方マージ時刻)k+mr での前記後方推定
    マージ系列による後方推定伝送路インパルス応答が有す
    る電力値を用いることとし、前記前方および後方推定伝
    送路インパルス応答が有する電力値が予め設定した閾値
    を下回ることにより通信品質の劣化を判断することを特
    徴とする双方向最尤系列推定方式。
  5. 【請求項5】請求項1の双方向最尤系列推定方式におい
    て、前方処理中に通信品質が劣化した場合は、その時刻
    kf で前方処理を一旦中断し、次に後方処理を開始し
    て、後方処理中にも通信品質が劣化した場合は、その時
    刻kr で後方処理を一旦中断し、前記時刻kf と前記時
    刻kr との中間時刻(kf +kr )/2を時刻kc と決
    定し、前記時刻kf から前記時刻kc までの前記前方処
    理を再開し、前記時刻kc における前記前方処理での前
    方マージ時刻kc −mf から伝送路インパルス応答推定
    アルゴリズムによる推定遅延時間dを差し引いた時刻k
    c −mf −dと、前記時刻kr から前記時刻kc までの
    前記後方処理を再開し、前記時刻kc における前記後方
    処理での後方マージ時刻kc +mr から伝送路インパル
    ス応答推定アルゴリズムによる推定遅延時間dを差し引
    いた時刻kc +mr +dとの間を内挿補間区間とし、前
    記内挿補間区間内の推定伝送路インパルス応答を、前記
    前方処理で得られた前記時刻kc −mf での前方マージ
    系列から推定された前方伝送路インパルス応答と、前記
    後方処理で得られた前記時刻kc +mr での後方マージ
    系列から推定された後方伝送路インパルス応答から内挿
    補間によって算出し、前記内挿補間された伝送路インパ
    ルス応答を用いて前記補間区間内の最尤系列推定を行う
    こととし、TDMAスロットの先頭時刻から前記補間区
    間開始時刻kc−mf −d−1までは、前方方向の最尤
    系列推定を行い、前記補間区間最終時刻kc +mr +d
    +1から前記TDMAスロットの後尾時刻までは、後方
    方向の最尤系列推定を行うことを特徴とする双方向最尤
    系列推定方式。
  6. 【請求項6】請求項5の双方向最尤系列推定方式におい
    て、内挿補間区間内の伝送路インパルス応答を推定する
    際に必要とされる内挿補間区間直前および直後の2つの
    基準となる推定伝送路インパルス応答のうち、1つは、
    前方処理を基準とした時刻kc −mf から時刻kc −m
    f −Nまでの前方処理によりマージした前方マージ系列
    から推定されたN+1個の前方伝送路インパルス応答の
    平均値とし、もう1つは、後方処理を基準とした時刻k
    c +mr から時刻kc +mr +Nまでの後方処理により
    マージした後方マージ系列から推定されたN+1個の後
    方伝送路インパルス応答の平均値とし、更に伝送路イン
    パルス応答推定アルゴリズムによる推定遅延時間dを加
    味して、前記内挿補間区間を時刻kc −mf −N/2−
    dから時刻kc +mr +N/2+dとし、前記内挿補間
    区間内の推定伝送路インパルス応答を、前記前方処理で
    の前記平均伝送路インパルス応答と、前記後方処理での
    前記平均伝送路インパルス応答から内挿補間処理で生成
    して、前記内挿補間区間内を最尤系列推定し、TDMA
    スロットの先頭時刻から前記補間区間開始時刻kc−mf
    −N/2−d−1までは、前方方向の最尤系列推定を
    行い、前記補間区間最終時刻kc +mr +N/2+d+
    1から前記TDMAスロットの後尾時刻までは、後方方
    向の最尤系列推定を行うことを特徴とする双方向最尤系
    列推定方式。
  7. 【請求項7】請求項1記載の双方向最尤系列推定方式に
    おいて、内挿補間区間内の伝送路インパルス応答を推定
    する場合に必要な2つの基準となる推定伝送路インパル
    ス応答を互いに位相同期させるために、2つのうち一方
    の推定伝送路インパルス応答の位相を基準にして、位相
    平面上の信号点配置数Mにより決まる位相角だけ位相回
    転させたM通りのもう一方の推定伝送路インパルス応答
    を準備し、M通りの前記内挿補間区間の伝推定送路イン
    パルス応答を算出し、それらM通りの前記推定伝送路イ
    ンパルス応答を用いて前記補間区間内の最尤系列推定を
    行い、最終的に生き残ったM通りの最尤推定系列のう
    ち、前記内挿補間区間内の前記M通りの生き残り最尤推
    定系列に固有のパスメトリックが最小である最尤推定系
    列を前記内挿補間区間内の最尤推定系列と決めることを
    特徴とする双方向最尤系列推定方式。
  8. 【請求項8】請求項1の双方向最尤系列推定方式におい
    て、請求項6記載の内挿補間区間内の伝送路インパルス
    応答を推定する際に必要とする、時刻kc における前方
    処理での前方推定系列マージ時刻kc −mf から時刻k
    c −mf −Nまでの推定伝送路インパルス応答により得
    られる前方平均伝送路インパルス応答と、前記時刻kc
    における後方処理での後方推定系列マージ時刻kc +m
    r から時刻kc +mr+Nまでの推定伝送路インパルス
    応答により得られる後方平均伝送路インパルス応答と
    を、それぞれ算出するときに、前記時刻kc がTDMA
    スロットの先頭付近に位置してるために前方平均伝送路
    インパルス応答の算出に必要な時間幅Nが十分に用意で
    きない場合は、後方処理で得られた最尤推定系列を該T
    DMAスロットの最尤推定系列とし、また、前記時刻k
    c がTDMAスロットの後尾付近に位置しているために
    後方平均伝送路インパルス応答の算出に必要な時間幅N
    が十分に用意できない場合は、前方処理で得られた最尤
    系列推定系列を該TDMAスロットの最尤推定系列とす
    ることを特徴とする双方向最尤系列推定方式。
  9. 【請求項9】請求項1の双方向最尤系列推定方式におけ
    る時刻kc の決定法において、前方処理中に通信品質が
    劣化した時刻kf と、後方処理中に通信品質が劣化した
    時刻kr との時刻差が、TDMAスロットのスロット長
    に相当する時間の半分以上であった場合は、請求項3記
    載の手順に従った最尤系列推定を行うことを特徴とする
    双方向最尤系列推定方式。
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